JPH10183592A - サンドコンパクションパイルの設計方法 - Google Patents

サンドコンパクションパイルの設計方法

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JPH10183592A
JPH10183592A JP34507996A JP34507996A JPH10183592A JP H10183592 A JPH10183592 A JP H10183592A JP 34507996 A JP34507996 A JP 34507996A JP 34507996 A JP34507996 A JP 34507996A JP H10183592 A JPH10183592 A JP H10183592A
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Makoto Toriihara
誠 鳥井原
Noriyoshi Nakamura
紀吉 中村
Kazuhide Yamauchi
一秀 山内
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TOUDEN SEKKEI KK
Obayashi Corp
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TOUDEN SEKKEI KK
Tokyo Electric Power Co Inc
Obayashi Corp
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 杭の打設に伴う締固め効果をサンドコンパク
ションパイルの設計に反映させること。 【解決手段】 原地盤N値N0を求め、改良後の目標N値
1を設定し、ステップ1で細粒分含有率Fc(%)よ
り、最大間隙比eMAXおよびeMINを求める。ステップ2
で、原地盤N値N0と拘束圧σv’から相対密度Dr0,原
地盤の間隙比e0を求める。ステップ3で、増加N値に
対する低減率βを求め、ステップ4で、記低減率βを考
慮し、細粒分がないとした場合の計算N値N1’を求め
る。ステップ5,6で、計算N値N1’と拘束圧σv’か
ら、間隙比e1を求め、間隙比e0,e1に基づいて、置
換率asを求める。ステップ7で、置換率asと、改良区
域の面積A,サンドコンパクションパイルの断面積As
とに基づいてサンドコンパクションバイル本数を求め
る。この第7ステップで、改良区域に打設される杭の締
固め効果を評価して、サンドコンパクションパイルの本
数を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンドコンパクシ
ョンパイルの設計方法に関し、特に、サンドコンパクシ
ョンパイルで改良した軟弱地盤中に杭を打設する場合の
サンドコンパクションパイルの設計方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】軟弱地盤の液状化対策として、地盤中に
締固め砂杭を造成するサンドコンパクションパイル工法
(以下、SCP工法と略す)が知られており、砂を締固
めたサンドコンパクションパイルを軟弱地盤中に所定間
隔で造成すると、地盤のN値が大きくなり、軟弱地盤の
液状化に対する抵抗性が増す。
【0003】このようなサンドコンパクションパイルの
設計方法としては、従来から、複数の設計方法が知られ
ている。図6,7に示した設計方法は、簡易図表設計法
と呼ばれている方法であり、過去の施工実績から求めら
れた原地盤N値ー置換率ー改良後の中間N値に基づいて
いる。
【0004】この設計法でサンドコンパクションパイル
を設計する際には、地質調査により原地盤N値N0を求
め、改良後の目標N値N1を設定し、これらの値を図6
の表に適用して、原地盤N値N0と改良後の目標N値N1
との交点から置換率asを決定する。
【0005】置換率as は、サンドコンパクションパイ
ルの断面積Asと、サンドコンパクションパイル1本が
分担する面積をAとすると、as =As/Aと定義され
ているので、例えば、サンドコンパクションパイルが、
図7に示すように、正方形に配置されるのであれば、パ
イルピッチxは、√(As/as)で求められ、パイルピ
ッチが決定すると、改良区域の面積からサンドコンパク
ションパイルの本数が求められる。
【0006】このような簡易図表に基づく設計法は、細
粒分が多い砂地盤においては、細粒分の増加に伴い、改
良後のN値の増加量が低下するので、この種の地盤に適
用することができない。
【0007】そこで、細粒分の多い地盤に適用できるサ
ンドコンパクションパイルの設計方法としては、図8に
示す手順で行われる手法が採用されていた。同図に示し
た手順では、まず、初期条件として、原地盤の土質調査
により、原地盤N値N0を求め、改良後の目標N値N1
設定される。
【0008】このような初期条件が設定されると、ステ
ップ1で、細粒分含有率Fc(%)より、最大間隙比e
MAXおよびeMINを以下の式より求める。 最大間隙比eMAX=0.02Fc+1.0 最小間隙比eMIN=0.008Fc+0.6 最大および最小間隙比eMAX,eMINがそれぞれ求められ
ると、ステップ2で、原地盤N値N0と拘束圧σv’(k
gf/cm2)から相対密度Dr0および原地盤の間隙比
0が以下の式から求められる。 相対密度Dr0=21√N0/(0.7+σv’) 間隙比e0=eMAX−Dr0/100(eMAX−eMIN) 相対密度Dr0および原地盤の間隙比e0が求められる
と、ステップ3で増加N値に対する低減率βが以下の式
より求められる。 低減率β=1.05−0.51logFc 低減率βが求められると、ステップ4で、低減率βを考
慮し、細粒分がないとした場合の計算N値N1’が以下
の式より求められる。 N1’=N0+(N1−N0)β 続くステップ5では、ステップ2で示した式,にお
いて、N0をN1’に置き換えた間隙比e1が求められ
る。間隙比e1が求められると、以下の式に基づいて、
置換率asが求められる。 as=Δe/1+e0=(e0−e1)/(1+e0) 置換率asが求められると、ステップ7で、パイルピッ
チxを求め、最終的に、置換率asを満足するサンドコ
ンパクションパイルの本数が求められる。
【0009】ところで、SCP工法により地盤の性状を
改良した場合に、改良地盤上に建築構造物を建てること
があって、建築構造物の支持構造として杭基礎を採用す
ることもある。
【0010】このような杭基礎においては、各種のもの
があるが、施工能率の高いことから、鋼管杭が比較的多
く採用されている。ところが、このような鋼管杭をSC
P工法で改良した地盤中に打設する際に、前述したよう
な設計法に基づいて、サンドコンパクションパイルの本
数を決定する場合には、以下に説明する技術的な課題が
あった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、杭の打設に
伴う地盤の締固め効果は、定性的には認められているも
のの、鋼管杭内への土砂の流入量が不明なために、定量
的に評価することができない。そのため、前述したよう
な設計法においては、杭の締固め効果を無視した設計と
なり、その結果、地盤改良が過剰に行われる。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、杭の締固め効果を有効に
評価し、適正な地盤改良が可能になるサンドコンパクシ
ョンパイルの設計方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、軟弱地盤中にサンドコンパクションパイ
ルを造成して地盤改良をした後に、この地盤改良区域に
杭を打設する際のサンドコンパクションパイルの設計方
法において、改良区域に打設される前記杭の締固め効果
を、前記サンドコンパクションパイルとの関係で評価
し、この評価に基づいて、前記サンドコンパクションパ
イルの本数を決定するようにした。この構成によれば、
杭の打設に伴う締固め効果を評価して、サンドコンパク
ションパイルの本数を決定するので、サンドコンパクシ
ョンパイルの造成による地盤改良の施工条件を適正化す
ることができる。また、本発明の設計方法では、前記サ
ンドコンパクションパイルの本数を決定する前に、原地
盤N値N0を求め、改良後の目標N値N1を設定し、細粒
分含有率Fc(%)より、最大間隙比eMAXおよびeMIN
を求める第1ステップと、前記原地盤N値N0と拘束圧σ
v’(kgf/cm2)から相対密度Dr0および原地盤の
間隙比e0を求める第2ステップと、増加N値に対する
低減率βを求める第3ステップと、前記低減率βを考慮
し、細粒分がないとした場合の計算N値N1’を求める
第4ステップと、前記計算N値N1’と前記拘束圧σv
(kgf/cm2)から、間隙比e1を求める第5ステッ
プと、前記間隙比e0,e1に基づいて、置換率asを求
める第6ステップと、前記置換率asと、改良区域の面
積A,サンドコンパクションパイルの断面積Asとに基
づいてサンドコンパクションバイル本数を求める第7ス
テップとを行うことができる。この構成を採用すると、
細粒分が多い軟弱地盤においても、サンドコンパクショ
ンパイルの造成による地盤改良の施工条件を適正化する
ことができる。さらに、本発明の設計方法では、前記サ
ンドコンパクションパイルの本数を決定する前に、原地
盤N値N0を求め、改良後の目標N値N1を設定し、簡易
図表設計法により前記サンドコンパクションバイルの置
換率asを設定することができる。この構成によれば、
細粒分が少ない軟弱地盤においても、サンドコンパクシ
ョンパイルの造成による地盤改良の施工条件を適正化す
ることができ、本発明の設計方法では、置換率をどのよ
うな方法によって求めても、地盤改良の施工条件を適正
化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1
から図3は、本発明にかかるサンドコンパクションパイ
ルの設計方法の一実施例を示している。同図に示す設計
方法は、図1および図2に、その平面配置および断面状
態を示すように、前後および左右方向に所定の間隔を隔
てて、軟弱地盤10中にサンドコンパクションパイル
(以下、SCPと略す)12を造成して、液状化対策用
の地盤改良が施された部分に杭14を打設する場合を示
している。
【0015】打設される杭14は、例えば、鋼管杭が用
いられ、前後および左右方向に所定の間隔を隔てて打設
される。SCP12は、公知のSCP工法により、砂を
振動により締固めて円筒状に造成され、その造成深度
は、地上から軟弱地盤10の液状化し易い深度H1まで
の比較的浅い深さまで形成されている。
【0016】一方、杭14は、軟弱地盤10中の支持層
16に到達する深度まで打設されている。杭14は、軟
弱地盤10中の液状化し易い部分(地上からSCP12
が造成されている深度H1までの間)は、杭14の先端
を閉塞した状態で打設し、この液状化し易い部分以外の
部分(深度H1から支持層16に到達するまでの間)
は、杭14の先端を開放した状態で打設される。
【0017】杭14の締固め効果を見込んでSCP12
を設計する際の手順の一例を図3に示している。同図に
示した手順では、まず、初期条件として、原地盤(軟弱
地盤10)の土質調査により、原地盤N値N0を求め、上
部工条件より改良後の目標N値N1が設定される。
【0018】このような初期条件が設定されると、ステ
ップ1で、細粒分含有率Fc(%)より、最大間隙比e
MAXおよびeMINを以下の式より求める。 最大間隙比eMAX=0.02Fc+1.0 最小間隙比eMIN=0.008Fc+0.6 ここで、細粒分含有率Fc(%)は、原地盤の粒度分布
に基づいて求められるものであり、一般的には、粒度7
4μm以下のシルトおよび粘土がこれに相当する。間隙
比は、土砂の詰まり状態を示すものであり、最小間隙比
MINが最も詰まった状態であり、最大間隙比eMAXが最
も緩い状態を示す。
【0019】式,は、実験式であるが、SCPの精
密な設計に多用されている。最大および最小間隙比e
MAX,eMINがそれぞれ求められると、ステップ2で、原
地盤N値N0と拘束圧σv’(kgf/cm2)から相対密
度Dr0および原地盤の間隙比e0が以下の式から求めら
れる。 相対密度Dr0=21√N0/(0.7+σv’) 間隙比e0=eMAX−Dr0/100(eMAX−eMIN) この式,は、ギブス・ホルツのN−Dr−eの関係
およびDr=(eMAX−e)/(eMAX−eMIN)より導き
出されたものである。
【0020】相対密度Dr0および原地盤の間隙比e0
求められると、ステップ3で増加N値に対する低減率β
が以下の式より求められる。 低減率β=1.05−0.51logFc 低減率βが求められると、ステップ4で、低減率βを考
慮し、細粒分がないとした場合の計算N値N1’が以下
の式より求められる。 N1’=N0+(N1−N0)β 続くステップ5では、ステップ2で示した式,にお
いて、N0をN1’に置き換えた間隙比e1が求められ
る。間隙比e1が求められると、以下の式に基づいて、
置換率asが求められる。 as=Δe/1+e0=(e0−e1)/(1+e0) この置換率asは、SCP工法により地盤を改良する際
の基本的な考え方であり、原地盤の間隙比がe0のとき
に、(1+e0)の体積の地盤に、Δeに相当する砂を
振動により圧入して締固める。従って、この場合の置換
率が式で示されることになる。
【0021】置換率asが求められると、ステップ7
で、この置換率asを満足するSCPの本数nが以下の
式から求められる。 n=(A×as−α×np×Ap)/As ここで、Aは、改良区域の面積であり、Apおよびn
pは、打設する杭の断面積と本数であり、Asは、SCP
の断面積である。また、asは、杭の締固め効果を無視
した場合のSCPの必要置換率で、αは、杭の締固め効
果の低減率であり、締固め効果がSCPと同等でないの
で、1以下の数値に設定する。
【0022】式においては、(A×as)/Asで求め
られるSCPの本数が、杭の打設に伴う締固め効果を全
く評価しない場合であるが、本発明の場合には、杭の打
設に伴う締固め効果が確実に得られるので、これを(α
×np×Ap)/Asとして評価し、(A×as)/As
求められたSCPの本数からこれを減算するようにして
いる。
【0023】以上のようにして、SCPの必要本数を設
定すると、杭の打設に伴う締固め効果が有効に評価され
て、SCPの本数を低減することができ、SCPの造成
による地盤改良の施工条件を適正化することができる。
【0024】本発明者らは、本発明の作用効果を確認す
るために、地盤改良を行う場合の具体的な条件を設定
し、シュミレーションを試みた。地盤改良の条件は、敷
地面積A=100m2、原地盤N値N0=10、細粒分含
有率Fc=10(%)の地盤を、改良後の目標N値N1
25として、SCPによる地盤改良を行うものとした。
【0025】地盤改良後には、建屋の杭基礎が20本計
画されているものと仮定した。杭基礎およびSCPの配
置関係は、ほぼ図1に従うものとした。このような条件
で、最大間隙比eMAXおよびeMINを、式,より求め
ると、最大間隙比eMAX=0.02Fc+1.0=0.0
2×10+1.0=1.2、最小間隙比eMIN=0.0
08Fc+0.6=0.008×10+0.6=0.6
8となる。
【0026】原地盤N値N0と拘束圧σv’(kgf/c
2)から相対密度Dr0および原地盤の間隙比e0を式
,に基づいて求める。なお、σv’(kgf/c
2)は、改良地盤深度を20mとし、その中間の深度
10m付近で推定される1.0(kgf/cm2)とし
た。
【0027】相対密度Dr0=21{N0/(0.7+
σv’)}0.5=21×{10/(0.7+1.0)}
0.5=50.9(%)、間隙比e0=eMAX−Dr0/10
0(eMAX−eMIN)=1.2−(50.9/100)
(1.2−0.68)=0.935 となる。
【0028】次ぎに、細粒分による増加N値に対する低
減率βを式により求める。 低減率β=1.05−0.51logFc=1.05−
0.511×log10=0.539となる。
【0029】低減率βを考慮し、細粒分がないとした場
合の計算N値N1’を式により求める。 N1’=N0+(N1−N0)β=10+(25−10)/
0.539=37.6となる。
【0030】このN1’を用いて、改良後の相対密度D
r1および間隙比e1を式,に基づいて求める。 相対密度Dr1=21{N1’/(0.7+σv’)}0.5
=21×{37.8/(0.7+1.0)}0.5=9
9.0(%)、間隙比e1=eMAX−Dr1/100(e
MAX−eMIN)=1.2−(99.0/100)(1.2
−0.68)=0.685となる。
【0031】間隙比e0と間隙比e1とから杭の締固め効
果を無視した場合の置換率asが求められる。 as=(e0−e1)/(1+e0)=(0.935−0.
685)/(1+0.935)=0.129となる。
【0032】次ぎに、杭の締固め効果を無視した場合
と、考慮に入れた場合の必要なSCP本数を求める。杭
の締固め効果を無視した場合 (A×as)/As=100×0.129/(0.72×
π/4)=34本 杭の締固め効果を考慮した場合 (A×as−α×np×Ap)/As={100×0.12
9−0.65×20×(0.62×π/4)/(0.72
×π/4)=24本 ここで、Apおよびnpは、打設する杭の断面積(=0.
7m2)と本数(=20本)であり、Asは、SCPの断
面積(=0.6m2)であって、αは、0.65に仮定
した。
【0033】以上の具体的なシュミレーションから明ら
かなように、本発明の設計方法によれば、SCPの必要
本数を大幅に低減できることが判る。
【0034】図4,5には、前述したような状態で杭1
4を打設する方法の具体的な例が示されている。これら
の図に示した具体例では、杭14は、両端が開口した中
空円筒状の鋼管からなる杭本体18と、この杭本体18
内に挿入可能なインナーパイル20とを備えている。
【0035】インナーパイル20の詳細を図5に示して
いる。同図に示すインナーパイル20は、先端および上
端が閉塞された円筒状のインナーパイル本体20aと、
このインナーパイル本体20aの上端側外周に突設され
た環状の鍔部20bとから構成されている。
【0036】インナーパイル本体20aの外径は、杭本
体18の内径よりも若干小さくなっていて、この部分が
杭本体18内に挿入される。鍔部20bの外径は、杭本
体18の内径よりも大きくなっていて、インナーパイル
本体20aを杭本体18内に挿入した際に、鍔部20b
の下面が杭本体18の上端に係止され、この状態で、イ
ンナーパイル本体20aの下端が杭本体18の下端から
若干下方に突出するようになっている。
【0037】このような構成の杭14を軟弱地盤10中
に打設する際には、まず、図4(A)に示すように、杭
本体18内にインナーパイル20を挿入した状態で打設
が行われる。
【0038】すなわち、杭本体18内にインナーパイル
20を挿入すると、杭本体18の下端が、インナーパイ
ル本体20aにより閉塞される。杭本体18の先端をイ
ンナーパイル20で閉塞した状態でその打設が進行し、
杭本体18の先端が、深度H1まで到達すると、杭本体
18の打設を一旦停止し、図4(B)に示すように、杭
本体18を地盤10中に残置させた状態で、インナーパ
イル20の引抜き除去が行われる。
【0039】インナーパイル20が杭本体18内から除
去されると、杭本体18の先端は、開放された状態とな
り、深度H1から支持層16に到達するまでの打設は、
インナーパイル20を挿入しないで、先端が開放された
状態で行われる。
【0040】以上のようにして行われる杭の打設方法に
よれば、軟弱地盤10の液状化し易い部分(深度H1ま
での間)は、杭14の先端を閉塞状態で打設するととも
に、液状化し易い部分以外(深度H1から支持層16ま
での間)は、杭14の先端を開放状態で打設するので、
液状化し易い部分に地盤改良を施す場合に、杭14の打
設に伴う効果を確実に見込むことができる。
【0041】なお、図4,5に示した杭の打設方法で
は、杭14を軟弱地盤に打設することだけで軟弱地盤の
液状化対策とすることができる。また、上記実施例で
は、SCPを軟弱地盤の液状化対策に採用した場合に、
地上から比較的深度が小さい深さまでこれを造成する場
合を例示したが、本発明の実施は、これに限定されるこ
とはなく、杭とSCPとを併用する場合の全て適用する
ことができる。
【0042】さらに、上記実施例では、軟弱地盤中に細
粒分が多い場合の設計方法を例示したが、本発明の設計
方法は、これに限定されることはなく、例えば、図6に
示した簡易図表により置換率を決定してもよく、どのよ
うな方法によって置換率を決定しても、上記実施例と同
等の作用効果は得られる。
【0043】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかるサンドコンパクションパイルの設計方法
によれば、杭の打設に伴う地盤の締固め効果を地盤改良
の設計を行う場合に有効に反映させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるサンドコンパクションパイルの
設計方法が適用される地盤改良の状態を示す平面説明図
である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明にかかるサンドコンパクションパイルの
設計方法の手順を示すフローチャート図である。
【図4】図1に示した地盤改良区域に杭を打設する際の
具体的な打設方法の工程説明図である。
【図5】図4に示した打設工程で使用するインナーパイ
ルの説明図である。
【図6】従来のサンドコンパクションパイルの設計法で
用いる簡易図表の一例を示す説明図である。
【図7】置換率を求める場合のサンドコンパクションパ
イル配置の一例を示す説明図である。
【図8】従来のサンドコンパクションパイルの設計法の
他の例を示す設計手順のフローチャート図である。
【符号の説明】
10 軟弱地盤 12 サンドコンパクションパイル(SC
P) 14 杭 16 支持層 18 杭本体 20 インナーパイル 20a インナーパイル本体 20b 鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 紀吉 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 山内 一秀 東京都千代田区内幸町2−1−4 東電設 計株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟弱地盤中にサンドコンパクションパイ
    ルを造成して地盤改良をした後に、この地盤改良区域に
    杭を打設する際のサンドコンパクションパイルの設計方
    法において、 改良区域に打設される前記杭の締固め効果を、前記サン
    ドコンパクションパイルとの関係で評価し、この評価に
    基づいて、前記サンドコンパクションパイルの本数を決
    定することを特徴とするサンドコンパクションパイルの
    設計方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサンドコンパクションパ
    イルの設計方法において、 前記サンドコンパクションパイルの本数を決定する前
    に、 原地盤N値N0を求め、改良後の目標N値N1を設定し、 細粒分含有率Fc(%)より、最大間隙比eMAXおよびe
    MINを求める第1ステップと、 前記原地盤N値N0と拘束圧σv’(kgf/cm2)から
    相対密度Dr0および原地盤の間隙比e0を求める第2ス
    テップと、 増加N値に対する低減率βを求める第3ステップと、 前記低減率βを考慮し、細粒分がないとした場合の計算
    N値N1’を求める第4ステップと、 前記計算N値N1’と前記拘束圧σv’(kgf/c
    2)から、間隙比e1を求める第5ステップと、 前記間隙比e0,e1に基づいて、置換率asを求める第
    6ステップと、 前記置換率asと、改良区域の面積A,サンドコンパク
    ションパイルの断面積Asとに基づいてサンドコンパク
    ションバイル本数を求める第7ステップとを行うことを
    特徴とするサンドコンパクションパイルの設計方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のサンドコンパクションパ
    イルの設計方法において、 前記サンドコンパクションパイルの本数を決定する前
    に、 原地盤N値N0を求め、改良後の目標N値N1を設定し、 簡易図表設計法により前記サンドコンパクションパイル
    の置換率asを設定することを特徴とするサンドコンパ
    クションパイルの設計方法。
JP08345079A 1996-12-25 1996-12-25 サンドコンパクションパイルの設計方法 Expired - Fee Related JP3086662B2 (ja)

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