JPH10176192A

JPH10176192A - フコイダンを配合した洗浄剤

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Publication number: JPH10176192A
Application number: JP8359546A
Authority: JP
Inventors: Yoshio Itaya; 喜郎板谷
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1996-12-17
Filing date: 1996-12-17
Publication date: 1998-06-30
Anticipated expiration: 2016-12-17
Also published as: JP2981602B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明の目的は、食品の芳香や人の皮膚を損な
うこと無く、いやな臭いや付着した消臭剤等の薬品を除
去する洗浄剤を発明することにある。【課題の解決】新鮮若しくは新鮮な状態に保った褐藻か
ら、分離精製した曳糸性のフコイダンを、石ケンや洗
剤、アルコール等に配合することに依って、課題の洗浄
剤を発明した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液状或は固形状の
洗浄剤で、食品の芳香や人の皮膚を損なうことなく、い
やな臭いや消臭剤等の薬品を、効率よく除去する特徴を
有する、フコイダンを添加した洗浄剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、生活様式が複雑化するにつれて、
好ましくない臭気が増加し、快適な生活環境を妨げる原
因の一つとなっている。その結果、種々の消臭剤が開発
され、様々な使われ方をするようになり、かなりの効果
をあげている一方で、消臭剤による好ましくない影響も
出て来ている。

【０００３】その一例が、果物や野菜その他の食物の持
つ天然の香りの消失或はマスキングである。或る種の消
臭剤は、いやな臭いにも好ましい香りにも、無差別的に
アタックするので、野菜や果物や食品の好ましい香りも
消してしまい、その結果これらの食品の風味はいちぢる
しく損なわれ、通常の洗浄法では回復されない。

【０００４】さらに、消臭剤は衣服や皮膚にも付着し、
薬品に敏感な体質の人の肌に多量の消臭剤が付着する
と、皮膚を痛めたり、時には筋肉痛の原因にもなるな
ど、種々の不都合を引き起こし、通常の洗剤では除去す
ることが困難であり、効果的な洗浄剤が無いのが、現状
である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
の芳香や人の皮膚を損なうこと無く、いやな臭いや付着
した消臭剤等の薬品を除去する洗浄剤を発明することに
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】発明者は、これらの不都
合を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、褐藻類の藻体
に含まれている高粘性多糖の一種であるフコイダンが、
食品の芳香や人の皮膚を損なうこと無くいやな臭いや付
着した消臭剤等の薬品を除去する強い作用を有すること
を見いだしたので、フコイダンを添加した洗浄剤を発明
した。

【０００７】この洗浄剤の特徴は、高粘性のフコイダン
を、石ケンなどの洗剤や界面活性剤或はアルコール等に
添加配合することにより、いやな臭いや付着した消臭剤
等の薬品を効率よく除去し、しかも、食品の芳香を温存
し、人の皮膚・毛髪等を損なわない点にあり、このよう
な洗浄剤は、まだその例を見ぬものである。

【０００８】フコイダンは、褐藻類（コンブ・アラメ・
カジメ等）の藻体中に存在する褐藻特有の硫酸多糖で、
水溶性で卵白様の粘性と曳糸性を示す粘質物であり、主
な構成糖はＬ−フコースから成り、エステル結合した硫
酸基をもつ酸性多糖で、一般にフコイダン或はフコイダ
ン様多糖と称される。

【０００９】本発明に使用されるフコイダンは、例えば
次の如くして製造される。新鮮な褐藻（コンブ・アラメ
・カジメ・等）を細断、温水を加えて粘質物を抽出した
後、藻体を分離して得られた粘調なエキスにアルコール
を加えると、フコイダンが沈澱するからこれを捕集し、
アルコールで充分洗浄、必要に応じエーテルで脱アルコ
ールして乾燥する。

【００１０】上記の粘調なエキスに例えばクエン酸カリ
ウム又はクエン酸ナトリウムを添加した後、アルコール
を加えて沈澱させたフコイダンを、アルコールで充分洗
浄すると粘性の安定な良質のフコイダンが得られる。

【００１１】或は上記の粘調なエキスに、例えば硫酸ア
ルミニウムの水溶液を加えてフコイダンを沈澱させ、そ
の沈澱をアルコール溶液中でアルミニウムを除去したの
ち、アルコールで洗浄して乾燥する。

【００１２】フコイダンが高重合体である場合に、いや
な臭いや、付着した消臭剤等の薬品を除去する能力を発
揮することが出来るので、上記のどの方法を用いる場合
においても、フコイダンの曳糸性を温存しつつ、フコイ
ダンを抽出・分離・精製・することが本発明の重要な要
件の一つとなる。

【００１３】本発明では、フコイダンの粘性を、曳糸性
という言語で表現している。曳糸性とは、フコイダンが
粘性を保有する時に示される物性の一つであり、フコイ
ダンの粘性が減少若しくは消失すれば、曳糸性も減少若
しくは消失するから、フコイダンの粘性の有無を端的に
表すものとして、曳糸性と表記した。

【００１４】フコイダンの曳糸性は、かなり不安定で、
高温・強酸・強い剪断応力等に依って比較的簡単に減少
したり、消失する性質を有しているので、曳糸性を損な
わぬ様な条件で、フコイダンを製造しなければならな
い。

【００１５】このようにして製造された高粘性のフコイ
ダンを、石ケンなどの洗剤や界面活性剤或はアルコール
等に添加配合することにより、不安定なフコイダンの曳
糸性を、常温で長期間保存させる事が可能となり、フコ
イダンを添加する事により、石ケンなどの洗浄力を大幅
に高める効果を発揮する事などをを見い出したので、本
願発明の目的とする洗浄剤を発明することが可能となっ
た。

【００１６】フコイダンの水溶液を常温に放置すると、
短期間で水溶液の粘性は失われ、曳糸性も消失し、いや
な臭いや付着した消臭剤等の薬品を除去する活性が失わ
れるが、フコイダンの水溶液を石ケンに練り込むと、常
温に一年間放置しても、フコイダンの上記活性は失われ
ることなく、保存される。

【００１７】フコイダンを高濃度のアルコール溶液中に
フロック状或は半溶解状態に保存してもフコイダンの曳
糸性を常温で長期間保存することが出来る。

【００１８】フコイダンの水溶液は、これを冷蔵するこ
とにより、かなりの期間曳糸性を保存することが出来、
冷凍すれば、数年間の保存に耐えることを見い出した。

【００１９】

【発明の実施の形態】本発明の洗浄剤は、石ケンや洗剤
に少量のフコイダンを配合した固形洗浄剤、高濃度のア
ルコール溶液に極少量のフコイダンを添加したスプレー
洗浄剤、アルコールとフコイダンから成る高粘性の液状
洗浄剤等で形成されているので、実施例の順に、その使
用法と効果について説明する。

【００２０】本実施例の固形洗浄剤は、少量のフコイダ
ンを練り込んだ石ケンで、フコイダン添加量は、約１０
０ｐｐｍである。このような少量のフコイダンを添加配
合することにより、石ケンの洗浄力は飛躍的に増加し、
滑らかな使用感を与え、皮膚や毛髪を痛めることなく、
通常の汚れや、付着した消臭剤等の薬品、獣魚肉の生臭
い匂い、汗臭などの排泄物臭等を除去する効果を発揮す
る。

【００２１】フコイダンは、５０〜２００ｐｐｍの添加
量で好適に使用できるが、添加量を例えば１０００ｐｐ
ｍまで増量しても支障はなく、２５ｐｐｍまで減量する
ことも可能であり、添加量の範囲は非常に広い。

【００２２】原料石ケンは、特別の製法による必要はな
いが、フコイダンの効果を阻害する場合があるので、香
料やエデト酸、合成保存料などの添加は避けたほうがよ
い。

【００２３】本品は、通常の石ケンと同様にして使用す
ることが出来るが、その使用範囲は極めて広く、シャン
プー・洗顔・浴用・は勿論、野菜・果物・豆類などの洗
浄にも有効で、衣類・眼鏡・義歯・歯ブラシなど、身に
つける物の汚れや臭いを除去する効果も高い。特に、食
品の調理加工・医療・美容・理容・鍼灸・マッサージ等
に従事する人達の手洗いには、欠くことの出来ない洗浄
剤である。

【００２４】実施例−２は、スプレー洗浄剤の原液であ
り、水で約１０倍に希釈して使用する。フコイダンは、
高重合体のため溶液の粘性は極めて高く、１０ｐｐｍ前
後の希薄溶液で初めて霧状とすることが出来る。然し、
希薄溶液の粘性は不安定であり、短期間で粘性を失うた
め、高濃度のアルコール溶液中に、フコイダンをフロッ
ク状或は半溶解状態に保つことに依り、粘性を保存させ
る方法を開発した。

【００２５】本品は、対象物に直接噴霧した後洗った
り、ふき取ることで、いやな臭いや付着した消臭剤等の
薬品を除去する目的で使用する。直接スプレーした後水
洗することにより、野菜や果物などに付着した、いやな
臭いや消臭剤等の薬品を除去しマスキングされた芳香を
回復し風味を向上させることが出来る。

【００２６】皮膚に直接噴霧してからティシューペーパ
ーでふき取ることで、上記の汚れを除去することが出来
るから、入浴できない病人の体を、清潔にする場合有効
である。本品を噴霧したティシューペーパーで、顔など
の汚れをふき取ることもできるから、長時間の読書や書
類の整理、書き物などよる視力の低下や疲れを回復させ
るのに有効である。

【００２７】本品を、火傷・打撲等による炎症部位にス
プレーすることで、痛みや熱痛を和らげ、回復を早める
効果が高い。フコイダンの強い洗浄力と消炎活性による
ものと思われる。

【００２８】洗髪や入浴時、あらかじめ本品を噴霧して
から、固形洗浄剤を使用すると、汚れを楽に落とせるの
で、固形洗浄剤を節約することができる。

【００２９】実施例−３は、比較的高濃度のフコイダン
とエタノールから成る高粘性の液状洗浄剤で、皮膚にし
み込んだり、筋肉の内部まで浸透した消臭剤等の薬品や
臭いを除去する目的に使用する。

【００３０】打撲や捻挫或は血行障害等によって、炎症
を起こした部分には、時にやや多量の前記汚染物質が吸
着されたり、場合によっては、筋肉の内部まで浸透し
て、かなりの痛みを伴うことがある。このような症状の
場合、本品を皮膚に塗布した後スプレー洗浄剤を噴霧し
たティシューペーパーでふき取ることによって、汚染物
質を除去し、痛みを和らげる事が出来る。

【００３１】本品を綿棒につけて、鼻腔や耳腔に塗布す
ると、汚染物質を除去し、炎症を和らげ、嗅覚や聴覚を
正常な状態にする効果があり、ひき始めの風邪の治療に
もなり、常用すると風邪の予防にもなる。

【００３２】本品を一滴口に含み、塩をつけた歯ブラシ
で軽く歯を磨くと、口中の汚れを除去し、一過性の味覚
障害を解消し、味覚を正常な状態にする。

【００３３】打撲や切り傷・火傷等に本品を塗布する
と、痛みを和らげ、出血を止め、汚染物質の付着を防
ぎ、治癒力を高め、傷跡を残さない。フコイダンの洗浄
・消炎・免疫増強・の諸活性が総合的に発揮されるから
であろう。

【００３４】頭がはっきりしない、考えが纏まらない、
判断力が低下した、無性にイライラする、等の一過性の
思考障害や感情障害を感知した場合には、顔や頭を固形
洗浄剤で良く洗い、液状洗浄剤を数滴塗布すると、これ
らの障害が即座に除去され、爽快感と共に正常な思考力
を取り戻すことが出来る。

【００３５】症状が軽い場合は、スプレー洗浄剤を噴霧
したティシューペーパーで、顔を拭うだけで解消される
こともある。脳の働きが、皮膚表面部分の影響を受け易
いために生ずる不都合が解消されるからであろう。

【００３６】

【実施例】次に、本発明の実施の形態と、その効果を、
さらに明確にするため、実施例をあげる。

【００３７】実施例−１固形洗浄剤（材料）石ケン３６０ｇフコイダン（０．４％水溶液）９ｇ（作り方）市販の石ケン（１個１２０ｇ）３個を擦りおろす。にフコイダンを振りかけ、ヘラで切るようにして良
く混ぜる。をよく練ってフコイダンを均一に混和した後３等分
し、形を整えてから、２〜３日風乾する。

【００３８】実施例−２スプレー洗浄剤（材料）エタノール（９９，５％）６００ｃｍ^３フコイダン（０．４％水溶液）１２．５ｇ水を加えて１０００ｃｍ^３（作り方）容器にエタノールをいれ、撹拌しながらフコイダンを
滴下する。水を加えて１０００ｃｍ^３とし、撹拌してフコイダン
をフロック状にする。静置すると、フコイダンはフロッ
ク状態で底部に沈積するから、使用時には、良く振って
から、水で約１０倍に希釈して使用する。

【００３９】実施例−３液状洗浄剤（材料）フコイダン（粉末）４００ｍｇエタノール（９９．５％）２０ｃｍ^３精製水を加えて１００ｇ（作り方）容器にフコイダンとり、エタノールを加えてフコイダ
ンを分散させる。に精製水を加えて、１００ｇとする。低速で撹拌しながらフコイダンを溶解する。本品は、冷蔵して保存する。冷凍すれば長期保存が可能
である。

【００４０】

【発明の効果】本発明のフコイダンを配合した洗浄剤を
使用する事に依って、失われた香りを回復させ、食品の
風味を向上させることができるから、食生活が楽しく豊
かなものになる。

【００４１】手や皮膚或は衣服・眼鏡等に付着したいや
な臭いや消臭剤等の薬品を、皮膚などを痛めることな
く、容易に除去することができるから、一般の人は勿
論、医療・食品加工・理容・美容・クリーニング等に従
事する人達の助けとなる。

【００４２】消臭剤等の薬品に起因する筋肉痛や関節痛
の治療の助けとなるばかりでなく、敏感な肌を持つ人達
の洗髪・浴用洗浄剤剤として極めて有効である。

【００４３】怪我や打撲による炎症部分に付着するいや
な臭いや消臭剤等の治癒障害物質を除去することによっ
て、回復を早める効果がある等、健康で文化的な生活を
営むために、欠くことの出来ない洗浄剤である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】褐藻から分離精製した曳糸性のフコイダン
を配合した洗浄剤。