JPH1017573A - ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬 - Google Patents

ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬

Info

Publication number
JPH1017573A
JPH1017573A JP19561396A JP19561396A JPH1017573A JP H1017573 A JPH1017573 A JP H1017573A JP 19561396 A JP19561396 A JP 19561396A JP 19561396 A JP19561396 A JP 19561396A JP H1017573 A JPH1017573 A JP H1017573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
dna
light
group
boronic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19561396A
Other languages
English (en)
Inventor
Hikari Suenaga
光 末永
Kazuaki Nakajima
和昭 中嶋
Seiji Shinkai
征治 新海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FUKUOKA PREF GOV
Fukuoka Prefecture
Original Assignee
FUKUOKA PREF GOV
Fukuoka Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FUKUOKA PREF GOV, Fukuoka Prefecture filed Critical FUKUOKA PREF GOV
Priority to JP19561396A priority Critical patent/JPH1017573A/ja
Publication of JPH1017573A publication Critical patent/JPH1017573A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAなど核酸を処理するための新しいタイ
プの物質を提供する。 【解決手段】 紫外または可視領域の光エネルギーを吸
収して蛍光または紫外光として発光する発光性官能基ま
たは原子団にB( OH )2 が結合した構造を有し、核酸
のホスホジエステル結合に結合するボロン酸誘導体から
成る核酸処理試薬。発光性官能基(原子団)としては、
ピレン基などが好ましい。核酸への結合性を利用して核
酸の定量や標識化を行うことができる。また、紫外線な
どの照射下に核酸のホスホジエステル結合を切断するこ
とができ、これを利用して核酸の切断を行うこともでき
る。核酸の切断は糖によりコントロールされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸を処理するた
めの新しいタイプの物質に関し、より詳細には、DNA
など核酸に作用してその定量、切断、標識化などの処理
に使用されるのに好適な核酸処理試薬に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】遺伝子操作技術の発達は、医
学、化学、農学、生物学などの分野において基礎研究お
よび実用的な応用の両面から多大の貢献を果たしてい
る。この遺伝子操作における最も基本的で且つ重要な技
術は、DNAで代表される核酸を分析したり、切断もし
くは連結したり、さらには標識化する等各種処理を施す
ことである。
【0003】例えば、遺伝子組換えにおける各段階にお
いてDNAを定量することが必要とされている。また、
各種の酵素を用いてDNAを規則的またはランダムに切
断することも遺伝子操作に不可欠なテクニックの一つで
あり、例えば、ニックトランスレーションやショットガ
ンクローニングなどの方法においてDNAをランダムに
切断することが行われている。さらに、DNAの分析に
際してDNAを適当な手段で標識して可視化することも
重要であり、例えば、リンやイオウの放射性同位元素を
含む標識剤が使用されている。
【0004】これらの手法は、遺伝子操作における確立
された技術として慣用されているものであるが、さらに
改良を加えたり、新しいテクニックや試薬を開発するこ
とは、研究や産業の一層の発展のために常時所望されて
いるところである。
【0005】例えば、DNAの定量のために現在専ら採
用されている方法は、DNAの特性吸収(260nmに
おいてモル吸光係数1600〜10000の吸収最大を
有する)を利用した吸光光度法であるが、この方法は試
料の濃度が非常に低い時や試料の液量が少ないときは使
用できず、さらに高感度の方法が見出されることが望ま
しい。また、DNAを切断する技術においては、切断の
コントロールを随意に行うようなことができれば新たな
展開が期待される。さらに、DNAの検出のために従来
より行われてきた放射性同位元素による標識法は、環境
や生体に及ぼす影響を考慮して代替法の開発が進められ
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、核酸に作用
し、遺伝子操作における上述したような各種の核酸処理
に使用し得る全く新しいタイプの物質を見出したことに
基づく。すなわち、本発明は、紫外または可視領域の光
エネルギーを吸収して蛍光または紫外光として発光する
発光性官能基または原子団にB( OH )2 結合した構造
を有し、核酸のホスホジエステル結合に結合する性質を
有するボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬を提供する
ものである。B( OH )2 は、一般的には、1つ結合さ
れているが、発光性官能基または原子団の構造に応じて
複数結合されていることもある。発光性の官能基または
原子団の特に好ましい例としては、ピレン基、テトラキ
ス(N−メチル)ピリジルポルフィリン基、アントラセ
ン基、メチルピリジル基、およびフェロセン基等が挙げ
られる。
【0007】本発明に従うボロン酸誘導体は、DNAな
どのホスホジエステル結合に結合することを特徴とす
る。すなわち、本発明に従うボロン酸誘導体は、ヌクレ
オチドのリン酸/糖結合部位にホウ素原子を介して結合
する性質を有し、そして、本発明のボロン酸誘導体は発
光性の官能基または原子団を含んでいるのでこの結合を
分光学的に検出することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】上述のような性質を利用すること
により、本発明のボロン酸誘導体は、遺伝子操作技術に
おける新しいタイプの試薬として各種の用途が可能であ
る。例えば、本発明に従えば、上記のボロン酸誘導体を
核酸に添加して該ボロン酸化合物を核酸に結合させ、ボ
ロン酸誘導体/核酸複合体の量を分光学的に分析するこ
とから成る核酸の定量方法が提供される。したがって、
本発明は、別の視点として、上記のボロン酸誘導体から
成る核酸定量試薬を提供する。
【0009】本発明に従うボロン酸誘導体を用いる核酸
定量法は、きわめて低濃度の核酸の分析が可能であり、
従来の方法がmMオーダーの分析しかできなかったのに
対し、μMオーダーの濃度も精度よく定量することがで
きる。例えば、発光性官能基(原子団)がピレン基であ
るピレンボロン酸を用いる場合、数μMから数百μMの
DNA濃度に直線的に比例してピレン基に起因する分光
データ(蛍光強度)が変化することが認められており、
これを利用して高精度のDNA定量分析が可能である。
【0010】また、本発明のボロン酸誘導体は、光(紫
外線、可視光)の照射下に、核酸のホスホジエステル結
合を切断するという、きわめてユニークな性質を有する
ことも見出された。かくして、本発明に従えば、上記の
ようなボロン酸誘導体を核酸に添加し紫外線または可視
光を照射して該核酸のホスホジエステル結合を切断する
ことから成る核酸の切断方法が提供される。したがっ
て、本発明は、別の視点として、上記のボロン酸誘導体
から成る、ヌクレアーゼ酵素類似の人工的な核酸切断用
試薬を提供する。
【0011】そして、本発明のボロン酸誘導体を用いる
核酸切断法の特徴は、糖の添加により該切断をコントロ
ールできるということである。例えば、発光性官能基
(原子団)がピレン基であるピレンボロン酸をDNAに
添加して紫外線を照射するとDNAは切断されるが、こ
の系にD−グルコースやD−フラクトースのような糖を
添加すると同様に紫外線を照射してもDNAは切断され
ない。
【0012】上述したようなボロン酸誘導体を用いる本
発明のDNA切断は、当該ボロン酸誘導体に応じて異な
る様式のDNA切断を行うという特徴がある。すなわ
ち、濃度の低いときは、トポイソメラーゼのように閉じ
たプラスミドのねじれをほどいたり線状化するように作
用し、濃度が高くなると、S1ヌクレアーゼやDNas
eIのようにDNAをランダムに切断する。そして、こ
の際、糖の存在によってDNA切断をコントロールでき
る。
【0013】DNAなどの核酸が本発明に従うボロン酸
誘導体によって切断される理由は必ずしも完全には理解
されていないが、次のように理解できる:ボロン酸誘導
体はほぼ中性のpH領域で正の電荷を帯びているためこ
のpHで負の電荷を帯びるDNAと静電的に結合する。
この状態で光を照射するとボロン酸誘導体が光のエネル
ギーを吸収し、このエネルギーがホウ素原子に伝えら
れ、ホウ素と結合したDNAなどの鎖の部分である糖と
リン酸のエステル結合をラジカル的に切断することにな
る。
【0014】さらに、本発明に従うボロン酸誘導体は、
DNAなどの核酸に結合する性質を利用してDNAなど
に対する標識物質としての用途も有する。この際、本発
明のボロン酸誘導体は、発蛍光など分光学的手段によっ
て検出されるので、従来の放射性同位元素を使用するこ
とに伴う問題は解消される。
【0015】したがって、本発明は、上記のボロン酸誘
導体を核酸に添加して該ボロン酸誘導体を核酸に結合さ
せ、ボロン酸誘導体に因る蛍光を測定することにより核
酸の存在を検出することから成る核酸の標識化方法を提
供し、さらに、そのようなボロン酸誘導体から成る核酸
標識化試薬を提供する。
【0016】本発明において用いる上記式(I)のボロ
ン酸誘導体は、既知の合成法を工夫することにより比較
的容易に合成することができ、その製造コストも従来よ
り使用されているヌクレアーゼ酵素の価格よりも非常に
安価である。ボロン酸誘導体の合成に用いられている最
も一般的な方法は、有機リチウム試薬、グリニアール試
薬( RMgX ) などの有機金属化合物と、ホウ酸エステル
の金属交換(トランスメタレーション)反応によるもの
である。炭素基の導入を1つで停止させボリン酸やボラ
ンの生成を避けるため、冷却(通常−78℃)したホウ
酸エステル(有機金属に対し正確に1当量または過剰量
を使用)の溶液に、滴下漏斗またはキャヌラを通して有
機金属の溶液を滴下することにより反応を進行させる。
得られた反応混合物を室温まで放置し、希酸で加水分解
することにより目的のボロン酸誘導体が得られる。
【0017】本発明に従い核酸の定量、切断、標識化等
の核酸の処理に使用されるのに好適な核酸試薬用ボロン
酸誘導体の好ましい例は、以下の構造式〔化1〕〜〔化
5〕で表されるものであり、それぞれ、発光性官能基
(原子団)が、ピレン基、テトラキス(N−メチルピリ
ジル)ポルフィリン基、アントラセン基、メチルピリジ
ル基、およびフェロセン基のボロン酸誘導体である。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】なお、本発明の説明に関連して用いる核酸
とは、一般的には、DNAおよびRNAを指称するが、
DNAやRNAと同様のホスホジエステル結合を有する
天然または合成の類縁化合物の処理にも本発明のボロン
酸誘導体を使用することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の特徴をさらに明らかにするた
め実施例に沿って本発明を説明するが、本発明は、これ
らの実施例によって限定されるものではない。
【0025】実施例1:ピレンボロン酸の調製 上記の式〔化1〕で表されるピレンボロン酸を以下のよ
うに合成した。1−ブロモピレン4.22g,1.6M
のn−ブチルリチウム10.6mlを無水エーテル21
0mlと0℃で混合し、これを0℃で1時間攪拌した。
内容物をトリメチルボレイト7.9g、無水エーテル2
0mlの入った別のフラスコに注ぎ−78℃で30分間
以上かけて徐々に注ぎ入れた。混合物を−70℃〜−5
0℃で3時間攪拌し、さらに室温で60時間攪拌した。
その後、80mlの2N塩酸を加え2時間攪拌した。エ
ーテル各分を200mlの水で2回洗浄した。有機層を
まとめて硫酸マグネシウムにて乾燥し、続いてろ過、濃
縮を行った。残さを50℃で真空乾燥し、目的物2.2
5g(収率60.9%)を薄黄色固体として得られた化
合物について以下の分析結果を得た。 (1)融点:293−297℃ (2)TLC:(クロロフォルム)Rf=0.16 (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 8.73(d,J=9,1H,2位−プロトン)、8.
01〜8.31(m,8H,3〜10位−プロトン) (4)質量分析スペクトル(EI;m/e=198(M
+ )) これらの分析結果より〔化1〕のボロン酸誘導体である
ことが確認できた。
【0026】実施例2:ピレンボロン酸によるDNAの
定量 実施例1のように合成した式〔化1〕のピレンボロン酸
を用いてDNAの定量実験を行った。DNAは牛胸腺由
来のDNA(ファルマシア社製、分子量:3.56×1
6ダルトン)を使用した。この乾燥DNAを、DNA
分解酵素の活性をなくす目的でオートクレーブ処理(1
21℃で20分間)した純水(pHは中性)に溶解させ
てDNA原液とし、これにピレンボロン酸を添加した。
ピレンボロン酸/DNA複合体の量に応じて発光する、
ピレン由来の蛍光の強度を蛍光分光光度計で測定した。
蛍光分光光度計は−77型(日本分光社製)を使用し
た。条件は励起波長346nm、測定波長380nmで
行った。結果を図1に示した。ピレンボロン酸濃度0.
4μMで、DNA濃度が20から50μM濃度の範囲に
おいて直線関係(相関係数0.998)が得られた。こ
のようにピレンボロン酸を用いることにより高感度でD
NAの定量が可能であることが確認された。
【0027】実施例3:ピレンボロン酸によるDNAの
切断 DNAは Col EI プラスミドDNA(ニッポンジーン社
製、分子量:4.2×106 ダルトン、濃度:1.8×
10-6M)を使用した。この乾燥DNAを、DNA分解
酵素の活性をなくす目的でオートクレーブ処理した純水
(pHは中性)に溶解させてDNA原液とし、これに実
施例1で調製したピレンボロン酸を添加してDNAの切
断実験を行った。DNA切断反応は温度30℃、pH
7.5の炭酸緩衝液中で365nmの光を30分間照射
した。試料について電気泳動を行い、DNAの切断の有
無を確認した。電気泳動の結果を図2および図3に示
す。
【0028】図2の電気泳動パターンのうち、レーン1
はDNA原液のパターンであり、切れ目のないよじれの
入った Closed Circular DNA(タイプI)型プラス
ミドと、1ヵ所切断されたよじれのない Open Circula
r DNA(タイプ II )型プラスミドを含むことが認め
られる。比較のために制限酵素( EcoRI )を加えるとレ
ーン2に示されるように2ヵ所切断された線状の Linea
r DNA(タイプ III)に切断されていることが理解さ
れる。これに対して、ピレンボロン酸(濃度4.0×1
-6M)を添加すると光照射しない場合は切断されてい
ないが(レーン3)、上述のように光照射すると1ヵ所
切断されてタイプIIに変化したことが認められる(レー
ン4)。しかし、同じ濃度のピレンボロン酸を添加し光
照射してもD−フラクトース(濃度1mM)を存在させ
るとDNAは切断されず(レーン5)、同様に、ピレン
ボロン酸を添加し光照射してもD−グルコース(濃度1
0mM)を存在させるとDNAの切断は認められなった
(レーン6)。
【0029】図3は、ピレンボロン酸の濃度を高くした
場合のDNA切断電気泳動パターンを示すものであり、
図2の場合と同様にレーン1は原液DNA、また、レー
ン2は制限酵素( EcoRI )を加えた場合のパターンであ
る。ピレンボロンを添加し(濃度8.0×10-6M)、
上述のように光照射するとタイプIIの他に、2ヵ所切断
されたタイプIII の存在が認められる(レーン3)。し
かし、同じ濃度のピレンボロン酸を添加し光照射しても
D−フラクトース(濃度1mM)を存在させるとDNA
は切断されず(レーン4)、同様に、ピレンボロン酸を
添加し光照射してもD−グルコース(濃度10mM)を
存在させるとDNAの切断は認められなかった(レーン
5)。
【0030】実施例4:ポルフィリンボロン酸の合成 実施例1と同様の方法により上述の式〔化2〕のポルフ
ィリンボロン酸を合成した。すなわち、5,10,1
5,20−テトラキス(4−ピリジル)ポルフィリン2
00mgと2−ブロモメチルフェニルボロン酸を脱水D
MF30mlに溶解した。その後この溶液を80℃に加
熱し、24時間反応を行った。溶媒を減圧除去し、残さ
をアセトンに溶かした。沈殿をろ過し、再度メタノール
に溶かした。不要物を除き、さらに溶媒を除いた。残さ
を50℃で真空乾燥し、目的物100mg(収率65
%)を得た。暗紫色固体として得られた化合物について
以下の分析を行った。 (1)融点:350℃以上 (2)IR:3200(OH)、1340(B−O) (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 6.32(8H、s、ArCH2 )、7.5−7.9
(16H、m、ArH)、7.5−8.94(8H、
d、ピリジンのArH)、9.01(8H、br s、
β−H)、9.34(8H、d、ピリジンのArH) (4)元素分析(測定値:C、55.0%;H、4.2
%;N、7.2%、計算値:C、54.72%;H、
4.02%;N、7.16% これらの分析結果よりポルフィリンボロン酸であること
が確認できた。
【0031】実施例5:ポルフィリンボロン酸によるD
NAの切断 DNAは Col EI プラスミドDNA(ニッポンジーン社
製、分子量:4.2×106 ダルトン、濃度:1.8×
10-6M)を使用した。このDNAを、DNA分解酵素
の活性をなくす目的でオートクレーブ処理した純水(p
Hは中性)に溶解させてDNA原液とし、これに実施例
4で調製したポルフィリンボロン酸を添加してDNAの
切断実験を行った。DNA切断反応は温度30℃、pH
7.5の炭酸緩衝液中で365nmの光を30分間照射
した。電気泳動の結果を図4に示した。図4から理解さ
れるように、切れ目のないよじれの入った Closed Cir
cularDNA(タイプI)型と1ヵ所切断されたよじれ
のない Open Circular DNA(タイプ II ) 型を含む
DNA原液(レーン1)は制限酵素( EcoRI )を添加す
ると2ヵ所切断された線状の Linear DNA(タイプ I
II)型に切断されている(レーン2)が、ポルフィリン
ボロン酸(濃度3.0×10-6M)を添加して上述のよ
うに光照射を行うと切断されてタイプ II に変化してい
ることが認められる(レーン3)。しかし、同じ濃度の
ポルフィリンボロン酸を添加し光照射してもD−フラク
トース(濃度1mM)を存在させるとDNAは切断され
ない(レーン4)。
【0032】実施例6:ボロン酸誘導体によるDNAの
標識化 DNAは Col EI DNAを使用した。まず Col EI DN
A1μgを制限酵素である EcoRIで切断後100℃で2
分間加熱後、氷冷してDNA鎖を解離させた。これに
0.1モルの炭酸水素ナトリウム10μl、ピレンボロ
ン酸20ngを加え滅菌水にて全量を100μlにし
た。37℃で30分間反応させた。本溶液を氷冷し、そ
のままサザンハイブリダイゼーションのプローブとして
使用した。DNAは Col EI DNAを EcoRIで切断後ア
ガロースゲルを用いて電気泳動を行い、アルカリ変性
後、ニトロセルロース膜に転写後ハイブリダイゼーショ
ンを行った。トランスイルミネーターを用いて波長36
5nmで検出したところ、蛍光発光が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うピレンボロン酸を用いてDNAを
定量した場合において、DNA濃度と蛍光強度の関係を
示すグラフである。
【図2】本発明に従うピレンボロン酸を用いてDNAを
切断した場合の電気泳動パターンを示す写真である。
【図3】本発明に従うピレンボロン酸を用いてDNAを
切断した場合の電気泳動パターンを示す写真である。
【図4】本発明に従うポルフィリンボロン酸を用いてD
NAを切断した場合の電気泳動パターンを示す写真であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外または可視領域の光エネルギーを吸
    収して蛍光または紫外光として発光する発光性官能基ま
    たは原子団にB( OH )2 が結合した構造を有し、核酸
    のホスホジエステル結合に結合するボロン酸誘導体から
    成ることを特徴とする核酸処理試薬。
  2. 【請求項2】 発光性官能基または原子団が、ピレン
    基、テトラキス(N−メチルピリジル)ポルフィリン
    基、アントラセン基、メチルピリジル基、およびフェロ
    セン基から選ばれることを特徴とする請求項1の核酸処
    理試薬。
  3. 【請求項3】 請求項1のボロン酸誘導体を核酸に添加
    して該ボロン酸化合物を核酸に結合させ、ボロン酸誘導
    体/核酸複合体の量を分光学的に分析することを特徴と
    する核酸の定量方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のボロン酸誘導体を核酸に添加
    し紫外線または可視光を照射して該核酸のホスホジエス
    テル結合を切断することを特徴とする核酸の切断方法。
  5. 【請求項5】 ボロン酸誘導体とともに糖類を添加する
    ことを特徴とする請求項4の核酸の切断方法。
  6. 【請求項6】 請求項1のボロン酸誘導体を核酸に添加
    して該ボロン酸誘導体を核酸に結合させ、ボロン酸誘導
    体に因る蛍光を測定することにより核酸の存在を検出す
    ることを特徴とする核酸の標識化方法。
JP19561396A 1996-07-05 1996-07-05 ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬 Pending JPH1017573A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19561396A JPH1017573A (ja) 1996-07-05 1996-07-05 ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19561396A JPH1017573A (ja) 1996-07-05 1996-07-05 ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1017573A true JPH1017573A (ja) 1998-01-20

Family

ID=16344084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19561396A Pending JPH1017573A (ja) 1996-07-05 1996-07-05 ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1017573A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE3785591T2 (de) Kompetitiver homogener test.
EP0242527B1 (en) Analyte detection by means of energy transfer
EP0871774B1 (en) Detection of nucleic acids and nucleic acid units
Graves et al. Ethidium bromide and its photoreactive analogs: Spectroscopic anlysis of deoxyribonucleic acid binding properties
EP0747706A1 (en) Adduct protection assay
DK164407B (da) Modificerede nucleotider og fremgangsmaader til deres fremstilling, fremgangsmaade til paavisning af et dobbeltstrenget polynucleotidduplex indeholdende et modificeret nucleotid, fremgangsmaade til bestemmelse af tilstedevaerelsen af et deoxyribonucleinsyremolekyle eller et ribonucleinsyremolekyle, fremgangsmaade til test af en bakterie, fremgangsmaade til diagnosticering af en genetisk forstyrrelse, fre
JPS62249049A (ja) 分離されたオリゴヌクレオチド類を電気泳動的に検出する方法
AU5791998A (en) Dioxetane labeled probes and detection assays employing the same
Motson et al. Potential applications for the use of lanthanide complexes as luminescent biolabels
Houston et al. Spectrophotometric assay for enzyme-mediated unwinding of double-stranded DNA.
JP2883824B2 (ja) ボロン酸基を有する発蛍光性化合物
EP1476557B1 (en) A rapid and sensitive assay for the detection and quantification of coregulators of nucleic acid binding factors
Holloway et al. An organometallic route to oligonucleotides containing phosphoroselenoate
Wang et al. N-acetylcysteine induced quenching of red fluorescent oligonucleotide-stabilized silver nanoclusters and the application in pharmaceutical detection
WO1990008838A1 (en) Labeling of nucleic acids with fluorescent markers
Gan et al. Recent advances in quinone methide chemistry for protein-proximity capturing
JPH1017573A (ja) ボロン酸誘導体から成る核酸処理試薬
Politz et al. Ribonucleic acid-protein cross-linking in Escherichia coli ribosomes:(4-azidophenyl) glyoxal, a novel heterobifunctional reagent
Shang et al. An Aptasensing Strategy Using the Phosphatase‐mimic Nanozyme and pH Meter as Signal Readout
Shepherd et al. Formation of a nonchemiluminescent excited-state species in the decomposition of 4a-(alkylperoxy) flavins
Amagasa Mechanisms of photodynamic inactivation of acridine orange-sensitized transfer RNA: participation of singlet oxygen and base damage leading to inactivation
US7476738B2 (en) Method for identifying molecular weight of a phosphoric acid monoester compound and an additive for mass spectrometry
Vincent et al. An Expeditious Approach towards the Synthesis and Application of Water-Soluble and Photostable Fluorogenic Chromones for DNA Detection
Akolgo et al. Alternative boronic acids in the detection of Mycolactone A/B using the thin layer chromatography (f-TLC) method for diagnosis of Buruli ulcer
Eyberg et al. Caging of a strongly pairing fluorescent thymidine analog with soft nucleophiles