JPH10161127A - 垂直配向型の液晶表示デバイス - Google Patents

垂直配向型の液晶表示デバイス

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JPH10161127A
JPH10161127A JP33486396A JP33486396A JPH10161127A JP H10161127 A JPH10161127 A JP H10161127A JP 33486396 A JP33486396 A JP 33486396A JP 33486396 A JP33486396 A JP 33486396A JP H10161127 A JPH10161127 A JP H10161127A
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JP
Japan
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liquid crystal
substrate
display device
crystal display
pretilt angle
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JP33486396A
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Akihiro Yamazaki
哲広 山崎
Masanobu Shigeta
正信 茂田
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直配向型の液晶表示デバイスでは液晶分子
にプレティルト角を付与するとコントラスト比の低下が
顕著に現れるが、適正な配向規制力を与えながらコント
ラスト比の低下を抑制した構成を提供する。 【解決手段】 透明基板21側は能動要素を含まず、良好
な平坦性を有しているのに対し、能動素子基板11側には
能動素子が層形成されているためにその近傍に横方向電
界が発生し易く、またその表面は凹凸を有することが多
いために配向不良が生じ易い。各基板11,21でのプレテ
ィルト角を同一とせず、より強い配向規制力が求められ
る能動素子基板11側のプレティルト角α1を透明基板21
側のプレティルト角α2より大きく設定する。プレティ
ルト角α1,α2の付与は配向膜12,24で行うが、SiO2
斜方蒸着又はポリイミド膜のラビング処理による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフラットパネルディ
スプレイや光演算素子やビデオプロジェクタ等に適用さ
れる垂直配向型の液晶表示デバイスに係り、ディスクリ
ネーションを防止しながらコントラストの向上を図るた
めの改善に関する
【0002】
【従来の技術】近年、フラットパネルディスプレイやビ
デオプロジェクタ等の液晶を用いた装置が多種多様に開
発されているが、特に映像を大画面に表示するための投
射型のビデオプロジェクタの要望が高まっている。投射
型ビデオプロジェクタには大別すると透過型方式と反射
型方式のものがあり、前者は液晶層を介して共通電極膜
を成膜した透明基板と薄膜トランジスタ・透明電極から
なる一画素分の能動素子をマトリクス状に配設した能動
素子基板を対向させた液晶表示デバイスを用いて透過光
を投射させる方式であり、後者は液晶表示デバイスに反
射層を設けて反射光を投射させる方式である。
【0003】ここに、反射方式の液晶表示デバイスに
は、一例として図4に示されるような構造が採用されて
いる。同図において、1はSi基板であり、その上に半導
体プロセスによってMOS-FET2と電荷蓄積容量3が
形成されている。尚、4は絶縁体層、5はMOS-FET2
のドレイン、6はゲート、7はソースである。また、8は
絶縁体層4の上に形成されたAlの反射電極層であり、そ
の下側の一部がMOS-FET2のソース7に接続されて
いると共に、その接続部分から板状の信号検出部9を側
方へ延在せしめ、信号検出部9とSi基板1の間にSiO2
の絶縁膜10を介在させることで電荷蓄積容量3を構成し
ている。従って、Si基板1に対して一画素単位でスイッ
チング素子であるMOS-FET2と電荷蓄積容量部3か
らなる能動素子回路を形成することにより、全体として
能動素子基板11側が構成されている。一方、21は透明基
板であり、ガラス基板22の片面に透明な共通電極膜23を
形成した構造になっている。そして、能動素子基板11側
の反射電極層8と絶縁体層4が現れた表面と、透明基板21
側の共通電極膜23の表面にはそれぞれ配向膜12,24が覆
設され、各基板11,21の配向膜12,24の間に液晶層30を挾
装・封止して、全体として液晶表示デバイスを構成して
いる。
【0004】次に、この液晶表示デバイスの動作を図5
の等価回路図も参照しながら説明する。先ず、ゲート6
の電極には選択信号を通電するゲート線Xjが、ドレイ
ン5の電極には画像信号を通電する信号線Yjが接続され
ている。ここで、ゲート線Xjを通じて選択信号がゲー
ト6に印加されるとMOS-FET2はオンとなり、信号
線Yjの画像信号がドレイン5からソース7を通じて反射
電極層8に印加されると共に、信号検出部9を介して電荷
蓄積容量3が充電される。また、ゲート線Xjの選択信号
が0レベルになって非選択状態へ移行しても、電荷蓄積
容量3に蓄積された電荷により、その容量と放電抵抗に
よる時定数で定まる時間だけ反射電極層8の電位が保持
される。そして、その間には、液晶層30に対して反射電
極層8と共通電極膜23の間の電位差が印加されるために
その電界に対応した液晶分子の再配列(転移)が生じて偏
光が制御されるが、前記の電位差を信号線Yjの画像信
号で制御することによって、ガラス基板22へ入射して反
射電極層8で反射されて再びガラス基板22から出射する
光を変調することが可能になる。具体的には、ゲート線
Xjに選択信号を通電してそのX方向の全てのMOS-F
ET2をオン状態にし、オン状態になったMOS-FET
2に接続された各電荷蓄積容量3に対して、信号線Yjを
通じて画像信号をY方向へ走査しながら書込むという方
式で入射光(読出し光)を画素単位で変調した反射光を得
る。
【0005】また、反射方式の液晶表示デバイスには、
図6に示されるような所謂液晶ライトバルブ型の構造の
ものもある。この液晶表示デバイスでは、2枚のガラス
基板41,42に成膜した透明電極膜43,44の間に、液晶層45
と誘電体多層膜ミラー46と遮光膜47と光導電層(アモル
ファスシリコン層)48が順に介装されており、ガラス基
板41と誘電体多層膜ミラー46の液晶層45側の表面に配向
膜49,50が成膜されている。また、この液晶表示デバイ
スは次のように動作する。両透明電極膜43,44の間に交
流電圧を供給しながら書込み光をガラス基板42側から光
導電層48へ入射させると、その書込み光に応じて光導電
層48のインピーダンスが変化し、液晶層45に印加される
電圧が変化する。一方、ガラス基板41に入射される読出
し光は液晶層45を通過し、誘電体多層膜ミラー46で反射
されて再度液晶層45を通過して出射されるが、液晶層45
に印加される電圧が書込み光に対応して変化している。
その結果、電界の変化に伴う液晶分子の再配列によって
偏光が制御され、書込み光に応じた変調光が反射光とし
て得られることになる。
【0006】そして、従来の液晶表示デバイスは、液晶
の動作モードとしてTN(ツイスティッドネマティック)
モードを利用したものが主流を占めているが、最近、ビ
デオプロジェクタ等においては垂直配向(ホメオトロピ
ック配向)を利用した液晶表示デバイスが注目されてい
る。垂直配向型の液晶表示デバイスは負の誘電異方性を
有したネマティック液晶を用い、基板に垂直に配列させ
た液晶分子を印加電圧によって傾斜配向させるものであ
るが、垂直配向を利用すれば印加電圧に対する光透過率
の変化が急峻であり(鋭いしきい特性が得られ)、コント
ラスト比が大きくとれるために高い表示品質が得られ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記の垂直
配向型の液晶表示デバイスにおいても、TNモードを利
用したものと同様に、配向膜によってその膜と接する液
晶分子にプレティルト角を与えておく。但し、ホモジニ
アス配向やツイスト配向等の水平配向型の液晶では、プ
レティルト角をディレクタ(液晶分子の長軸方向の向き)
が基板面となす角度として定義されるが、垂直配向型の
液晶ではディレクタと基板面に立てた法線のなす角度と
して定義され、以下、「プレティルト角」というときは後
者の定義に基づくものとする。
【0008】ここで、プレティルト角が付与されるの
は、次のような理由に基づく。 (1) 電圧の無印加時でプレティルト角が0であると電圧
印加時に液晶分子の傾斜方向が2通りに別れるため、デ
ィレクタが相互に逆の方向になるリバースティルトが発
生してディスクリネーションによる明暗の顕著なムラが
現れ、コントラスト比の低下や残像等の表示特性の悪化
原因になる。 (2) 図4に示した液晶表示デバイスでは能動素子基板11
側には能動素子2,3や信号線が高精細に層形成されてお
り、図6に示した液晶表示デバイスでは書込み光に応じ
て光導電層48にキャリアが発生するため、それぞれ能動
素子基板11や誘電体多層膜ミラー46の近傍では基板面と
平行な方向に電界が発生してディスクリネーションを生
じさせる原因となる。特に、図4の液晶表示デバイスで
は、能動素子基板11側の表面が凹凸面となるため、その
近傍では配向不良や横方向電界が発生し易い傾向があ
る。
【0009】従って、図4や図5の液晶表示デバイスで
は、配向膜(12,24),(49,50)で液晶分子に対して2°乃
至7°程度のプレティルト角を与えておき、配向規制力
を大きくしてディスクリネーションの発生を防止するよ
うにしているが、逆にプレティルト角を大きくするとコ
ントラスト比が低下するという問題が生じ、特に、液晶
分子の垂直配向を用いるとその傾向が顕著に現れる。
【0010】ここで、その問題を論ずる前に、図7を参
照しながら液晶の複屈折モードについて説明しておく。
先ず、液晶分子60のディレクタDの方向に係る屈折率を
neとし、それに垂直な方向に係る屈折率をnoとする。
その液晶分子60にディレクタDとある角度をもって振動
する直線偏光を入射させると、入射した直線偏光の振動
ベクトルはディレクタDの方向の異常光とそれに垂直な
方向の常光に分かれて液晶分子60内を進むが、異常光と
常光はそれぞれ屈折率がneとnoの媒体内を進むために
進行速度が異なる。従って、液晶分子60の出口では前記
の屈折率の差に応じた位相のズレが発生しており、液晶
分子60から出ると同一媒体内を同一速度で進むが、進行
速度が同一でありながら前記のように位相ズレが発生し
ているため、異常光と常光を再度合成すると振動ベクト
ルの方向が時間と共に回転する楕円偏光となる。その振
動ベクトルの回転方向は液晶分子60の対称性で定まる
が、何れにしてもその楕円偏光に対して偏向板を置く
と、偏向板と軸が一致した偏光のみが通過し、光は弱め
られるが入射光と異なった直線偏光となる。そして、液
晶表示装置では、その液晶の複屈折モードに基づく偏光
軸の変化を印加電圧で制御することによって変調光を得
ている。
【0011】その結果、前記の原理に基づけば、液晶層
全体の光透過率は液晶分子60の長短軸の屈折率差(Δn
=ne−no)と液晶層の厚みdの積Δn・dであるリター
デーションの関数で表現でき、垂直配向型の液晶表示デ
バイスにおいて、液晶層で90°だけ位相がズレるよう
にリターデーションを設定すれば、その液晶層へ入射す
る直線偏光を90°回転した直線偏光として射出させる
ことでき、電圧の非印加状態では偏向板をほぼ全ての直
線偏光が透過するノーマリーホワイト状態とし、印加電
圧でリターデーションを制御して透過光量を変化させる
ことができる。
【0012】ところで、上記のように配向膜で液晶分子
に対してプレティルト角を付与すると、リターデーショ
ンがノーマリーホワイト状態からズレる。従って、垂直
配向の液晶表示デバイスにおいては、ノーマリーホワイ
ト状態における液晶層の光透過率が低下し、結果的に液
晶表示デバイスでのコントラスト比が低下することにな
る。また、垂直配向型の場合には、プレティルト角の付
与によって光線が液晶分子内を通過する距離が大きく変
化し、水平配向型の場合よりもコントラスト比の低下が
顕著に現れる。即ち、液晶表示デバイスにとってプレテ
ィルト角は上記の理由から配向規制力を付与してディス
クリネーションを防止するために不可欠であるが、逆に
プレティルト角を大きくするとコントラスト比の低下を
招き、プレティルト角とコントラスト比は相反する関係
にある。
【0013】一方、従来の垂直配向型の液晶表示デバイ
スでは、例えば、図4の構造のものであれば、図8に示
すように透明基板21側の配向膜12と能動基板11側の配向
膜24によって液晶層30の液晶分子に対して同一のプレテ
ィルト角αを付与するようにしている。しかし、上記の
ようにディスクリネーションを誘発させる横方向電界は
主に能動基板11の表面近傍で発生し、また配向不良を生
じさせる凹凸も能動基板11に固有の問題であり、平坦な
透明基板21側ではそれらの問題を考慮する必要がない。
【0014】そこで、本発明は、その条件を考慮したプ
レティルト角の設定条件を与え、配向不良やディスクリ
ネーションを抑制しながら、高いコントラスト比が得ら
れる液晶表示デバイスを提供することを目的として創作
された。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、共通電極膜と
配向膜が形成された第1基板と、少なくとも電圧を変化
させる能動要素層と配向膜が形成された第2基板と、前
記の第1基板と第2基板の間に挾装・封止された液晶層
とからなる垂直配向型の液晶表示デバイスにおいて、前
記第2基板の配向膜が与えるプレティルト角を前記第1
基板の配向膜が与えるプレティルト角より大きく設定し
たことと特徴とする垂直配向型の液晶表示デバイスに係
る。
【0016】上記のように、垂直配向型の液晶表示デバ
イスではプレティルト角の大きくするとコントラスト比
が低下し、両者は相反する関係にある。ところで、第1
基板側は能動要素を含まず、良好な平坦性を有しいるの
に対し、第2基板側には能動素子層や光導電層等の能動
要素層が構成されているためにその近傍に横方向電界が
発生し易く、またその表面は絶縁層等の形成を工夫して
平坦化されることもあるが、一般的には凹凸を有する場
合が多い。従って、第1基板側よりも第2基板側におい
て配向不良やディスクリネーションが発生し易い。本発
明では、各基板でのプレティルト角を同一とせずに、液
晶分子の配向規制力がより強く求められる第2基板側の
プレティルト角を第1基板側のそれよりも大きくしてお
り、プレティルト角の付与に基づくリターデーションの
変化を全体的に抑制しながら各基板での適正な配向規制
力を確保させ、ディスクリネーションや動作時の配向の
不安定化を防止すると共に高いコントラスト比を得るこ
とを可能にする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の「垂直配向型の液
晶表示デバイス」の実施形態を図1から図4を用いて詳
細に説明する。図1は、図4に示した液晶表示デバイス
に対して本発明を適用した場合の液晶分子の配向状態を
示す模式図である。同図に示すように、この実施形態で
は、能動素子基板11側の配向膜12と透明基板21側の配向
膜24によって液晶層30の液晶分子に付与するプレティル
ト角をそれぞれα1とα2とした場合に、α1>α2の関係
で設定されている。
【0018】図4の液晶表示デバイスでは、能動素子基
板11にはMOS-FET2や電荷蓄積容量3や信号線が層
形成されており、また表面が凹凸状になっているため
に、その表面近傍において横方向電界や配向不良が生じ
易いが、透明基板21側はガラス基板に共通電極23と配向
膜24が成膜されているだけで平坦な表面になっている。
従って、透明基板21側よりも能動素子基板11側の方が液
晶分子が不定な配向状態になり易い傾向があり、この実
施形態ではその条件を考慮して各プレティルト角をα1
>α2に設定し、能動素子基板11側での配向規制力を大
きくしてある。
【0019】各基板11,21側でのプレティルト角α1,α2
はそれぞれの配向膜12,24によって付与されるが、この
実施形態では各配向膜12,24を斜方蒸着法の一種である
イオンアシスト蒸着法によって成膜させており、その成
膜工程は次のような手順によっている。先ず、SiO2
蒸着源に対して、配向膜12,24が成膜されていない状態
での能動素子基板11と透明基板12をそれぞれθ1,θ2(θ
1>θ2)だけ傾斜させてセットし、イオンビームを照射
させながらSiO2を蒸着させる。但し、前記の傾斜角θ
1,θ2は経験的に知得されたデータに基づいて設定さ
れ、それぞれ製品の完成後にプレティルト角α1,α2を
与える角度である。また、成膜速度はθ1,θ2が0°で
ある場合を基準にして10Å/sec、イオンビームの出力
は500V×40mA、イオン化ガスはO2とした。次
に、前記の蒸着後、そのSiO2膜の表面に垂直配向処理
剤(東レダウコーニングシリコーン社製,AY43-02
1)を塗布し、塗布後に110℃で1時間焼成させて配
向膜12,24の成膜を完了させた。尚、各配向膜12,24を施
した能動素子基板11と透明基板12は周縁部にスペーサを
介在させて対向せしめられ、その対向空間内に液晶を封
止させて図4の液晶表示デバイスが完成する。
【0020】一方、実験的に、前記と同様の工程で斜方
蒸着角度θ1とθ2を同一の角度θとし、その角度θを4
0°,50°,60°,70°と変化させて液晶表示デバ
イスを製作して、その蒸着角度に対するコントラスト比
の変化を求めたところ、図2に示すような結果が得られ
た。但し、コントラスト比は、偏向板をクロスニコルと
して、反射電極層8に電圧を印加して透過光が最大強度
になった際の光量値を電圧の無印加時の透過光の光量値
で除した値として求められている。斜方蒸着角度θを大
きくすれば、それに対応してプレティルト角も大きくな
るが、同図に示されるように、斜方蒸着角度θにほぼ比
例する態様でコントラスト比が低下しており、プレティ
ルト角の増大によってリターデーションが変化してコン
トラスト比が低下することが確認できる。
【0021】そして、前記の工程で製作したこの実施形
態に係る液晶表示デバイスにおいて、斜方蒸着角度θ1
とθ2を適宜設定することにより、透明基板21側のプレ
ティルト角α2を2°に固定しながら、能動素子基板11
側のプレティルト角α1を2°から10°まで変化させ
た場合のコントラスト比を求め、また、図8に示したよ
うに双方の基板11,21におけるプレティルト角を同一角
度αにして、その角度を2°から10°まで変化させた
場合のコントラスト比のシミュレーション結果を求め、
双方のコントラスト比を比較した。その結果は図3に示
され、α1≧α2に設定しているこの実施形態の液晶表示
デバイスは、α1=α2とした従来の液晶表示デバイスよ
りもコントラスト比の点で優れていることが確認でき、
特に、α1≧4°,α2=2°の条件下では大きな改善が
みられる。換言すれば、垂直配向型の液晶表示デバイス
においては、プレティルト角を付与した場合に水平配向
型の場合よりもコントラスト比が大きく低下するが、能
動基板側のプレティルト角を透明基板側のプレティルト
角より大きく設定しておくことにより、コントラスト比
の低下を抑制しながら適切な配向規制力を与えることが
可能になる。
【0022】尚、この実施形態では、プレティルト角を
付与する配向膜12,24の成膜にSiO2の斜方蒸着法を適
用したが、他の金属酸化物やフッ化物の斜方蒸着膜、更
に最も一般的に用いられている有機配向膜であるポリイ
ミドの高分子膜をラビング処理したものでも実現が可能
である。また、この実施形態では、図4に示した構造の
液晶表示デバイスに関して説明したが、図6に示した構
造のものに適用しても同様の効果が得られることは当然
であり、更には反射方式又は透過方式を問わずに一般の
垂直配向型の液晶デバイスにとっても有効である。
【0023】
【発明の効果】本発明の「垂直配向型の液晶表示デバイ
ス」は、以上の構成を有していることにより、次のよう
な効果を奏する。垂直配向型の液晶表示デバイスでは液
晶分子にプレティルト角を付与するとコントラスト比の
低下が大きいが、能動要素層が形成された第2基板側の
プレティルト角を共通電極を構成する第1基板側のプレ
ティルト角より大きく設定することにより、コントラス
ト比の低下を抑制しながら十分な配向規制力を与えるこ
とができ、動作特性が安定した高コントラスト比の液晶
表示デバイスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の「垂直配向型の液晶表示デバイス」に
おける液晶分子の配向状態を示す模式図である。
【図2】実験例として、能動素子基板側と透明基板側で
SiO2の斜方蒸着角度を同一角度とし、その角度を変化
させた場合における液晶表示デバイスのコントラスト比
の変化を示すグラフである。
【図3】透明基板側のプレティルト角を2°に固定し、
能動素子基板側のプレティルト角を2°から10°まで
変化させた場合のコントラスト比の変化と、双方の基板
でのプレティルト角を同一角度として、その角度を2°
から10°まで変化させた場合のコントラスト比の変化
(シミュレーション演算)とを対比させたグラフである。
【図4】反射方式の液晶表示デバイスの1画素分に係る
断面構造図である。
【図5】能動素子基板側の等価回路図である。
【図6】液晶ライトバルブ型の液晶表示デバイスの断面
構造図である。
【図7】液晶の複屈折モードを表した模式的説明図であ
る。
【図8】従来の垂直配向型の液晶表示デバイスにおける
液晶分子の配向状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…Si基板、2…MOS-FET、3…電荷蓄積容量、4…
絶縁体層、5…ドレイン、6…ゲート、7…ソース、8…反
射電極層、9…信号検出部、10…絶縁膜、11…能動素子
基板(第1基板)、12,24,49,50…配向膜、21…透明基板
(第2基板)、22,41,42…ガラス基板、23…共通電極膜、
30,45…液晶層、43,44…透明電極膜、46…誘電体多層ミ
ラー、47…遮光膜、48…光導電層、60…液晶分子、D…
ディレクタ、ne…液晶分子のディレクタ方向に係る屈
折率、no…液晶分子のディレクタと垂直な方向に係る
屈折率、α,α1,α2…プレティルト角。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通電極膜と配向膜が形成された第1基
    板と、少なくとも電圧を変化させる能動要素層と配向膜
    が形成された第2基板と、前記の第1基板と第2基板の
    間に挾装・封止された液晶層とからなる垂直配向型の液
    晶表示デバイスにおいて、前記第2基板の配向膜が与え
    るプレティルト角を前記第1基板の配向膜が与えるプレ
    ティルト角より大きく設定したことと特徴とする垂直配
    向型の液晶表示デバイス。
  2. 【請求項2】 第2基板の配向膜が与えるプレティルト
    角を4°以上とし、第1基板の配向膜が与えるプレティ
    ルト角が2°以下とした請求項1の垂直配向型の液晶デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 各配向膜がSiO2を斜方蒸着したもので
    ある請求項1又は請求項2の垂直配向型の液晶デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 各配向膜がポリイミド膜を成膜した後に
    ラビング処理を施したものである請求項1又は請求項2
    の垂直配向型の液晶デバイス。
  5. 【請求項5】 第2基板の能動要素層がアクティブマト
    リクス構造である請求項1、請求項2、請求項3、又は
    請求項4の垂直配向型の液晶デバイス。
  6. 【請求項6】 第2基板の能動要素層が少なくとも誘電
    体多層膜ミラーと光伝導層を含む積層構成からなる請求
    項1、請求項2、請求項3、又は請求項4の垂直配向型
    の液晶デバイス。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0895115A3 (en) * 1997-07-29 2000-09-13 Victor Company Of Japan, Ltd. Liquid crystal displaying apparatus
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