JPH10151355A - 光触媒体 - Google Patents

光触媒体

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Publication number
JPH10151355A
JPH10151355A JP8315012A JP31501296A JPH10151355A JP H10151355 A JPH10151355 A JP H10151355A JP 8315012 A JP8315012 A JP 8315012A JP 31501296 A JP31501296 A JP 31501296A JP H10151355 A JPH10151355 A JP H10151355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
carrier
silica
porous body
titanium oxide
Prior art date
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Pending
Application number
JP8315012A
Other languages
English (en)
Inventor
Takenobu Sakai
酒井  武信
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP8315012A priority Critical patent/JPH10151355A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒体の効率を高める。 【解決手段】 光触媒体において、光触媒を担持又はコ
ーティングする担体として、直径2〜50nmの細孔を有す
る、シリカからなる多孔体を用いる。光触媒としては、
酸化チタン又は五酸化二バナジウムが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒体に関す
る。より詳細には、本発明は、大気中もしくは水中の臭
気成分、排気ガス成分、不純物等を化学的に分解除去し
て浄化する光触媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】光触媒とは、光を吸収してそのエネルギ
ーを光を吸収しない反応物に与え、反応を起こさせるも
のをいい、当初は水を分解して水素を製造する目的で開
発された。すなわち、チタニア(TiO2)を電極にし、
白金電極を対極として閉回路を構成し、光を照射するこ
とによって水を光分解させていた。その後、この原理を
利用して、例えば有機化合物の酸化や不飽和化合物の水
素化等の有機合成、廃液や排気ガス中の有害な化学物質
の除去及び分解等の各種応用が試みられている。また、
同様の作用を利用することにより、殺菌作用や汚れを分
解する防汚作用への応用も試みられている。
【0003】このような光触媒の応用例として、例えば
特開平5−49861号公報では、可視から紫外域まで
の光に対して透明なシート状の保護層と特定の環境汚染
物質に対し選択的透過性もしくは選択的吸着性を有する
多孔質層とで光触媒もしくは光触媒を担持した担体の薄
層をはさんだ多層構造を有するシート状環境浄化装置が
開示されている。この環境浄化装置を用いることによ
り、環境中に拡散した比較的低濃度の環境汚染物質を、
光エネルギーを主たる駆動力として光触媒によって低コ
ストで分解し除去することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の環境浄化装置で
は、酸化チタン等の光触媒が、紫外線を受けることがで
きるように厚さ1μm程度の薄膜状の層として使用され
ている。それは、これ以上に触媒層を厚くすると光透過
性が損なわれ、光触媒の機能を発揮できなくなるからで
ある。しかしながら、このような薄膜状として光触媒を
用いた場合、触媒量自体が十分でなく、その効果、すな
わち汚染物質の分解・除去の発現までに時間を要し、速
効性の点で問題があり、又はその効果が十分でないとい
う問題がある。また、触媒量を増やすには触媒層の面積
を広くすればよいが、通常は設計上の制約があり、困難
なことが多い。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに1番目の発明によれば、光触媒を担持又はコーティ
ングする担体として、直径2〜50nmの細孔を有する、シ
リカからなる多孔体が用いられている。シリカは紫外線
透過性であり、このシリカの多孔体を用いることによ
り、触媒層の厚さを厚くすることができ、小さな体積で
より多くの光触媒を担持又はコーティングさせることが
できる。
【0006】2番目の発明では上記問題点を解決するた
めに1番目の発明において、光触媒として、酸化チタ
ン、五酸化バナジウム、又はこれらの混合物が用いられ
ている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、光触媒として
は、当該分野において知られている光触媒作用を有する
各種のものを用いることができる。その例としては、酸
化チタン(TiO2)、五酸化二バナジウム(V2 5)、
酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO2)、酸化鉄(Fe
2 3)、酸化錫(SnO2)等が挙げられ、これらのう
ち、触媒効率の点から酸化チタン及び五酸化二バナジウ
ムがより好ましい。
【0008】この光触媒を担持又はコーティングさせる
担体として、直径2〜50nmの細孔を有する、シリカから
なる多孔体を用いる。ここでシリカとは、二酸化珪素
(SiO2)及びその塩、すなわち珪酸塩を意味する。シ
リカは一般に透明であり、可視から紫外領域までの広範
囲において光透過率が高い。結晶構造によっては、この
シリカは白濁していることもあるが、紫外線透過性であ
り、問題はない。すなわち、光触媒は紫外線により励起
されるものであるため、この光触媒の担体として紫外線
透過性であるシリカを用いることにより、触媒層の厚
さ、すなわち担体の厚さを厚くしても紫外線を担体の内
部にまで到達させることができ、光触媒の機能を発揮さ
せることができるのである。
【0009】また、このシリカ担体は、直径2〜50nmの
細孔を有することが必要である。このような細孔を有す
ることにより、臭気成分、例えばアセトアルデヒド、酢
酸、アミン等、あるいは排気ガス成分、例えばNOx
SOx 等をこの細孔内に物理的に吸着することができ
る。
【0010】このような細孔を有するシリカの担体の製
造方法の一例を図1を参照して説明する。まず材料とし
てカネマイト(NaHSi2 5 ・32 O)を用意す
る。このカネマイトは、層間にナトリウムイオンを有す
る単層の珪酸塩シートからなっており、非晶質の珪酸ソ
ーダを700 ℃で焼成し、水に浸漬することにより容易に
合成することができる。この複数のカネマイトを界面活
性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム(ATM
A)の水溶液中に入れ加熱する。すると、ATMAはイ
オン交換によりカネマイトの層間に侵入するとともに、
カネマイトのシートが折れ曲がり、ATMAとの複合体
が形成される。次いで、界面活性剤を除去し、シラノー
ル基の脱水縮合によりカネマイトの層間が架橋され、安
定な3次元骨格が形成され、6角状の細孔が形成され
る。細孔の径は、複合体形成の際の用いる界面活性剤の
アルキル鎖長を変化させることにより制御することがで
きる。すなわち、より鎖長の長い界面活性剤を用いれ
ば、より大きな細孔を形成することができる。
【0011】こうして製造したシリカの多孔体に光触媒
を担持又はコーティングさせる。ここで、担持とは光触
媒が担体表面の一部を覆っている状態をいい、コーティ
ングとは、担体表面のほぼ全面を覆っている状態をい
う。この方法は、通常の担体に触媒を担持させる各種方
法を用いることができる。例えば、光触媒粒子を分散さ
せた水溶液もしくはゾル中にシリカの多孔体を浸し、次
いでこの多孔体を取り出し、乾燥する含浸法により、光
触媒の粒子をシリカの多孔体の細孔表面に分散させる。
この場合、上記のように、光触媒粒子がシリカ表面の全
体を覆ったものをコーティングといい、まばらに付着し
たものを担持という。
【0012】この他に、光触媒、例えば酸化チタンをシ
リカの多孔体の結晶構造上に置換させてもよい。すなわ
ち、シリカは図2に示すように、Siを中心として酸素
が4配位して四面体を形成し、この酸素の1つがとなり
の四面体と共有している。この共有されていない酸素に
酸化チタンを置換させる。このように置換によって光触
媒を担持又はコーティングさせることにより、含浸によ
り担持又はコーティングさせた場合と比較して、結合力
が強く、安定な光触媒体が得られる。この光触媒の置換
は、例えば、シリカの多孔体材料を有機溶媒に分散さ
せ、これに光触媒、例えば酸化チタンの有機溶媒液を混
合し、100 ℃で10時間加熱攪拌することにより行われ
る。こうして酸化チタンが置換したシリカ材料を用いて
上記のようにして多孔体を製造することにより、本発明
の光触媒体が得られる。
【0013】図3に、上記のようにして製造した六角状
の細孔を有する、酸化チタンで置換された多孔体の原子
構造を示す。この図に示すように、細孔の六角頂点では
酸化チタンを置換することは困難であり、従って酸化チ
タンの置換量は、Ti/Si比で最大0.8 程度であると
考えられる。
【0014】こうして製造した本発明の光触媒体の脱臭
能を調べ、その結果を図4に示す。光触媒として酸化チ
タンを用い、臭気成分としてトリメチルアミンを用い、
このトリメチルアミンの除去率を長期にわたって測定し
た。また、対照として、従来用いられてた酸化チタン薄
膜及び活性炭を用いて同様に測定した。
【0015】図4に示すように、本発明の光触媒体は、
多孔体であるために臭気成分等を吸着する能力を有して
いる。しかしながら、光を照射しないと、いずれはこの
臭気成分等が飽和してしまい、吸着能が失われてしまう
が、光を照射した場合、吸着した臭気成分等が光触媒の
作用によって分解除去されるため、初期から脱臭能を有
しており、長期間にわたって脱臭能を持続させることが
できる。これに対し、活性炭においては、臭気成分は蓄
積するのみであり、吸着能が失われる結果として脱臭能
が失われ、約100 日間の使用で除去率は30%以下とな
り、臭気が感じられるようになる。酸化チタン薄膜は、
臭気成分を吸着させることができず、従って初期におい
ては脱臭効果が低い。時間の経過と共に徐々に光触媒の
効果が現れ、1日経過後にはじめて除去率が30%を上回
るようになり、脱臭能を発揮することになるが、光触媒
の担持量に限界があるため、すなわち、本発明の光触媒
体ほど光触媒を担持させることができないため、その能
力には限界がある。
【0016】本発明の光触媒体において、担体の光透過
率とトリメチルアミンの除去率の関係を測定し、その結
果を図5に示す。この図より、従来の光触媒のトリメチ
ルアミン除去率30%以上を確保するためには、担体の光
透過率は少なくとも13%以上必要である。
【0017】次に、担体の厚さとトリメチルアミンの除
去率の関係を図6に示す。光触媒作用は、臭気成分と光
触媒が接触する部位でおこるため、従来の酸化チタン薄
膜では、その表面付近の数μmの厚さにおいてのみこの
反応がおこる。また、この反応部位に光があたる必要が
ある。光は光触媒に吸収されるため、このような薄膜タ
イプではその薄膜分はそのまま吸収層となっている。従
って膜厚はせいぜい0.5 〜1μm程度が限界であった。
本発明の触媒体は、担体自体が紫外線透過性であるた
め、10mm以上の厚さとすることが可能である。また、担
体に担持されている光触媒が分子状、粒状であるため、
光が構造体の内部にまで到達することができ、さらに、
ガラス体であるシリカの表面での反射を繰り返すことに
より、構造体の内部にまで光が到達しやすくなってい
る。本発明の光触媒体は、従来の酸化チタン薄膜を多層
に積層し、その各々の面に光を照射できるようにした構
造体であるといえる。
【0018】図7に、酸化チタンの担持量を変化させた
トリメチルアミンの除去量の変化を示す。酸化チタンを
担持させない場合(Ti/Si=0)においても、担体
は多孔体であるため、物理的吸着能によりトリメチルア
ミンの除去能を示す。Ti/Si比が大きくなるにつれ
てトリメチルアミンの除去量が増加していく。Ti/S
i=1とは、TiとSiが等量であることを意味する
が、これ以上ではSiO 2 の構造体を維持することが困
難となり、従って、これ以上の酸化チタンの担持は困難
である。
【0019】
【発明の効果】本発明の光触媒体は、担体として紫外線
透過性であるシリカの多孔体を用いている。この多孔体
は、比表面積が大きく、それ自身、臭気成分等を物理的
に吸着する能力が高い。さらに、この吸着された臭気成
分等は光触媒により随時分解除去されるため、その能力
が長期にわたって維持される。また、担体が紫外線透過
性であるため、触媒体の厚さを大幅に厚くすることがで
き、触媒量を多くすることができるために触媒としての
能力・効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる触媒担体の製造工程の一実施例
を示す略図である。
【図2】酸化チタンを置換させたシリカの原子構造を示
す図である。
【図3】本発明の光触媒体の原子構造を示す図である。
【図4】トリメチルアミンの除去率の経時的変化を示す
グラフである。
【図5】担体の光透過率とトリメチルアミンの除去率の
関係を示すグラフである。
【図6】担体の厚さとトリメチルアミンの除去率の関係
を示すグラフである。
【図7】光触媒体中のTi/Si比とトリメチルアミン
飽和除去量の関係を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径2〜50nmの細孔を有する、シリカか
    らなる多孔体に光触媒が担持又はコーティングされてい
    ることを特徴とする光触媒体。
  2. 【請求項2】 前記光触媒が、酸化チタン、五酸化バナ
    ジウム、又はこれらの混合物であることを特徴とする、
    請求項1記載の光触媒体。
JP8315012A 1996-11-26 1996-11-26 光触媒体 Pending JPH10151355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8315012A JPH10151355A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 光触媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8315012A JPH10151355A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 光触媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10151355A true JPH10151355A (ja) 1998-06-09

Family

ID=18060366

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8315012A Pending JPH10151355A (ja) 1996-11-26 1996-11-26 光触媒体

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JP (1) JPH10151355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8206568B2 (en) * 1999-06-22 2012-06-26 President And Fellows Of Harvard College Material deposition techniques for control of solid state aperture surface properties

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8206568B2 (en) * 1999-06-22 2012-06-26 President And Fellows Of Harvard College Material deposition techniques for control of solid state aperture surface properties

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