JPH1014990A - 下肢保持具 - Google Patents

下肢保持具

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JPH1014990A
JPH1014990A JP8172431A JP17243196A JPH1014990A JP H1014990 A JPH1014990 A JP H1014990A JP 8172431 A JP8172431 A JP 8172431A JP 17243196 A JP17243196 A JP 17243196A JP H1014990 A JPH1014990 A JP H1014990A
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JP8172431A
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English (en)
Inventor
Rie Akiyama
理恵 秋山
Eiko Sado
栄子 佐渡
Yoko Noda
葉子 野田
Sayuri Hoshida
小百合 星田
Jiro Ozaki
二郎 尾▲崎▼
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ARISU KK
Original Assignee
ARISU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 介助者の熟練度に関係なく同一条件で、しか
も少人数で体位変換を安全且つ確実な外転・回旋中間位
にて保持することができ、さらに、側臥位時における股
関節の良肢位を長時間維持させることのできる下肢保持
具を提供する。 【解決手段】 横向きにした割筒状台部内に健肢を配置
し、患肢受け部に患肢を添えて固定し体位変換を行う
と、外転・回旋中間位が確実に保持される。また、健肢
は割筒状台部内で自由であり束縛されておらず、患肢及
び保持具の重量は健肢に加わらないため、患者に負担が
なく、側臥位時における股関節の良肢位を長時間維持さ
せることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大腿骨頚部骨折術
後または人工股関節置換術後の患者、或いは下肢に機能
障害を持つ患者等に対し、良肢位を保持し、体位変換を
する際に適用される下肢保持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大腿骨頚部骨折手術または人工股関節置
換手術を行った術後の患者の体位変換は、外転・回旋中
間位を保持した状態で、側臥位を取る必要がある。上記
外転・回旋中間位とは、大腿骨頭の前後軸を軸とした蝶
番運動であって、外転とは、股関節の中心より外側に開
いた状態を示し、また、回旋中間位とは、内旋や外旋を
していない中間位置を示している。このような患者に対
して適用されている一般的な固定具としては、図5に示
すような外転枕(アプダクションピロー)30が使用さ
れている。
【0003】この種の外転枕30は、外転・回旋中間位
を保持できるよう楔状をなしており、その上側面30a
には患肢31を載せ、その下側面30bには健肢32を
配置し、2本のベルト33,34を用いて両肢を固定
し、それにより外転・回旋中間位を保持できるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
外転枕30の構成では、外転・回旋中間位を確実に保持
することができるものの、側臥位において上側面30
a,下側面30bの幅が狭いということから極めて不安
定である。さらに、患肢及び外転枕の重量が直接健肢に
加わってしまい、患者に対して著しく負担を強いること
から、側臥位時における股関節の良肢位を長時間継続さ
せることができないという問題もある。
【0005】このような外転枕を使用せず、例えばクッ
ションを用いて下肢を固定しようとすると、健肢を押圧
することによる負担は軽度解消されるものの、側臥位を
安定させることができないため、多数の看護婦が患者の
下肢を支えつつ極めて不安定な体位変換を行わなければ
ならない。従って、現状では上記したような外転枕が依
然として使用されている。このように、従来の外転枕の
構成では、患者に対して負担が強いられるだけでなく、
体位変換時における看護婦の負担は改善されない。
【0006】本発明は以上のような従来の下肢固定具の
課題を考慮してなされたものであり、安全且つ少人数で
体位変換を行うことができ、側臥位時において外転・回
旋中間位を確実に保持することができ、さらに、側臥位
時における股関節の良肢位を長時間維持させることので
きる下肢保持具を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、健肢をアーチ
状に覆うように構成される割筒状台部と、該割筒状台部
の外壁面に備えられ、患肢を載せるための患肢受け部と
を、一体若しくは別体に設けてなる下肢保持具である。
【0008】本発明の患肢受け部の一例としては、割筒
状台部の長手方向稜線に沿って配置される帯板状部材が
示される。この場合、帯板状部材と割筒状台部とによっ
て挟まれる角度が、患者の外転に応じて調整できるよう
に構成することが好ましい。その角度を調整するための
構成としては、帯板状部材と割筒状台部の一方端部を蝶
着し、他方端部が高さ調整部材を介装できる様に構成す
ればよい。また、本発明の患肢受け部の他の例として
は、外転位を支持し得る傾斜面を割筒状台部の外壁面に
一体に形成したものが示される。
【0009】本発明においては、患肢受け部に、患肢の
脱落を防止するための枠を形成することが好ましく、ま
た、患肢受け部に載せられた患肢を、割筒状台部に固定
するためのベルトを備えることが好ましい。
【0010】本発明に従えば、割筒状台部を横向きにし
て健肢を挿通し、患肢受け部に患肢を添えて固定し体位
変換すれば、側臥位時における外転・回旋中間位が安全
且つ確実に保持される。また、健肢は割筒状台部内で自
由であり束縛されておらず、患肢及び保持具の重量は健
肢に加わらないため、患者に負担がなく、側臥位時にお
ける股関節の良肢位を長時間維持させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施例に基づ
いて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る下
肢保持具の一実施例を示したものである。同図におい
て、下肢保持具は、健肢をアーチ状に覆うようにして配
置される、アーチ状断面を有する割筒状台部1と、その
割筒状台部1の長手方向稜線に沿ってその外壁面に備え
られ、患肢を載せるための患肢受け部2とから主として
構成されている。以下、各部の構成について詳しく説明
する。割筒状台部1は、多数の窓部1aが配列形成され
て篭状をなす合成樹脂製板を基体1bとし、その断面
(長手方向と直交する方向における)がアーチ状になる
ように成形したものを使用している。この基体1bの表
面には、通気性を有する不織布テープ1cが巻き付けら
れ、さらに全体がストッキネット1dで被覆されてい
る。なお、皮膚と接触する部分についてはレストンクッ
ション(図示しない)を貼着している。
【0012】また、割筒状台部1の左右の肩部には樹脂
製パイプ1eを基体1b外表面に固定し、患肢受け部2
を安定させるためのガイド1fを隆起形成している。こ
の割筒状台部1は、健肢のつま先側に向けて(図中矢印
A参照)若干幅広に形成されており、割筒状台部1内に
おける健肢の自由度を高めている。
【0013】一方、患肢受け部2は合成樹脂製板を基体
とし、その表面を上記と同じ構成の不織布テープ、スト
ッキネットを用いて被覆したものである。この患肢受け
部2においてもその左右に樹脂製パイプを配置し、隆起
部2a,2bを形成している。これら隆起部2a,2b
は患肢受け部2の断面形状を凹状とし、患肢の脱落を防
止するための枠として機能するものである。
【0014】また、患肢受け部2の一方端部(図におい
て手前側)には孔部2cが形成されており、ひも3を用
いて割筒状台部1と接続されている。それにより、患肢
受け部2は孔部2c側を支点として蝶番運動することが
でき、股関節の蝶番運動、すなわち外転に追従させるこ
とができる。そして矢印B方向に傾斜させた状態を形成
し、その傾斜させた患肢受け部2と割筒状台部1との間
に、厚さの異なるウレタンフォーム等の挿入物(高さ調
整部材)を選択的に挿入すれば、患肢受け部2の角度を
調整することができ、外転中間位を支持することができ
る。
【0015】なお、上記割筒状台部1及び患肢受け部2
は、衛生面を考慮し、洗濯可能なカバーを用いて着脱自
在に被覆することが好ましい。また、下肢保持具及び患
肢の安定性を保つために固定用バンドを装備することが
好ましい。
【0016】上記下肢保持具のサイズは、患者の股下
と、大腿周径の計測結果から算出した大腿直径に基づい
て決定される。例えば、股下が63.5〜64.0cm,
大腿直径が10.78〜15.76cmである場合、下肢
保持具の長さLは65cm,割筒状台部1の内壁直径Dは
19cmに設定される。このような構成を有する本実施例
の使用方法を、図2及び図3を参照しながら以下に説明
する。
【0017】まず、図2(a)において、仰臥位の患者
に対し、両肢の下にベルト11及び12を平行に通し、
図2(b)に示すように、割筒状台部1を横向きにした
状態で健肢Paに挿通する。次いで図2(c)に示すよ
うに、患肢Pbを患肢受け部2に添えるとともにベルト
11,12を用いて固定する。次に患者の腰部と患肢P
b及び下肢保持具を支えながら側臥位にする(図2の矢
印C方向)。図3は側臥位に体位変換した状態を示して
いる。
【0018】この作業では、従来の外転枕30のように
3〜4名の看護婦を動員する必要がなく、1〜2名の看
護婦で体位変換をスムーズに行うことができる。側臥位
から仰臥位に体位変換する場合は上記と逆の動作を行え
ばよい。なお、固定ベルト11,12のどちらか一方を
ベッドの柵に固定すれば、側臥位をより安定させること
ができる。
【0019】また、本発明において割筒状台部の基体
は、上記した合成樹脂製板に限らず、患肢を支えて健肢
に接触しない部材であれば、例えばギプス等のように任
意の素材を使用することができる。また、合成樹脂製の
フレキシブルパイプを半割りしたものを連結して基体と
することもでき、この構成によれば、割筒状台部を屈曲
可能に構成することができる。
【0020】また、患肢受け部の基体についても合成樹
脂製板に限らず、患肢を支えることができるものであれ
ば、例えば籐等のように任意の素材を使用することがで
きる。さらに、患肢受け部は、本実施例では一枚の板状
部材で構成したが、これに限らず、患肢の屈曲動作に応
じて折れ曲がる(水平方向において)ような複数の板状
部材で構成することもできる。患肢受け部の角度調整
は、上記実施例に示した如く、ウレタンフォーム等の挿
入物を挿入する方法に限らず、機械的に角度を調整し得
るよう構成してもよい。
【0021】また、本発明の患肢受け部は上記実施例に
限らず、図4に示すように、割筒状台部と一体に構成す
ることもできる。同図に示す構成は、割筒状台部の基体
20と患肢受け部の基体21とをポリウレタンフォーム
で一体成形したものである。このような構成では、患肢
受け部の角度調整機能は備わっていないものの、患肢受
け部の角度が異なっている複数種類の基体20,21を
成形することによって上記実施例と同様の効果を得るこ
とができる。なお、この場合、基体表面をストッキネッ
ト1dで被覆し、上記実施例と同様に適当なクッション
材を貼り付け、全体を洗濯可能なカバーを用いて被覆す
ればよい。
【0022】本発明は、大腿骨頚部骨折術後または人工
股関節置換術後の患者、或いは下肢に機能障害を持つ患
者等に対して適用することができ、また、寝たきり老人
等のように自ら体位変換することができない患者に対し
ても好適に実施することができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば、介助者の熟練度に関係なく同一条件
で、しかも少人数で外転・回旋中間位での体位変換を安
全且つ確実に保持することができる。また、健肢は割筒
状台部内で自由であり束縛されておらず、患肢及び保持
具の重量も加わらないため、患者に負担がなく、側臥位
時における股関節の良肢位を長時間維持させることが可
能になるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る下肢保持具の一具体例を示す一部
断面を有する斜視図である。
【図2】同実施例の使用方法を示す説明図である。
【図3】同実施例による側臥位を示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】従来例の下肢固定具の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 割筒状台部 1b 基体 1c 不織布テープ 1d ストッキネット 1f ガイド 2 患肢受け部 2a,2b 隆起部 2c 孔部 11,12 固定用バンド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 健肢をアーチ状に覆うように構成される
    割筒状台部と、 該割筒状台部の外壁面に備えられ、患肢を載せるための
    患肢受け部とを、一体若しくは別体に設けてなることを
    特徴とする下肢保持具。
  2. 【請求項2】 前記患肢受け部は、前記割筒状台部の長
    手方向稜線に沿って配置される帯板状部材からなる請求
    項1記載の下肢保持具。
  3. 【請求項3】 前記帯板状部材と前記割筒状台部とによ
    って挟まれる角度が外転に応じて調整できるように構成
    されている請求項2記載の下肢保持具。
  4. 【請求項4】 前記帯板状部材と前記割筒状台部の一方
    端部が蝶着され、他方端部には高さ調整部材を介装でき
    る様に構成されている請求項3記載の下肢保持具。
  5. 【請求項5】 前記患肢受け部は、外転位を支持し得る
    傾斜面を前記割筒状台部の外壁面に一体に形成したもの
    である請求項1記載の下肢保持具。
  6. 【請求項6】 前記患肢受け部に、患肢の脱落を防止す
    るための枠が形成されている請求項2〜5のいずれかに
    記載の下肢保持具。
  7. 【請求項7】 前記患肢受け部に載せられた前記患肢
    を、前記割筒状台部に固定するベルトを備えてなる請求
    項1〜6のいずれかに記載の下肢保持具。
JP8172431A 1996-07-02 1996-07-02 下肢保持具 Pending JPH1014990A (ja)

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