JPH10132698A - 風洞模型用変角装置 - Google Patents

風洞模型用変角装置

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JPH10132698A
JPH10132698A JP28990396A JP28990396A JPH10132698A JP H10132698 A JPH10132698 A JP H10132698A JP 28990396 A JP28990396 A JP 28990396A JP 28990396 A JP28990396 A JP 28990396A JP H10132698 A JPH10132698 A JP H10132698A
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angle
fixed
tooth
wind tunnel
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JP28990396A
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Takeshi Abeta
武 阿部田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、風洞内に設置される供試体に所定
の姿勢角を設定し、固定するための風洞模型用変角装置
に関する。従来、摩擦固定式、変換金具式、ピン打替式
等、種々の風洞模型用変角装置が使用されているが、設
定精度が悪く、再現性がない等の不具合があった。本発
明は、従来の変角装置の不具合を解消できる風洞模型用
変角装置の提供を課題とする。 【解決手段】 本発明は、供試体3に固定され、円弧状
にされた一端面に歯形が形成された固定歯1、供試体支
持装置5の固定歯1に対向している位置に固定され、固
定歯1の歯形と嵌合して、供試体3を設定値の姿勢角に
して固定する歯形が形成された変角歯2とからなる。こ
れにより、従来の変角装置に付随する不具合を解消でき
る風洞模型用変角装置にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風洞内を流れる気
流の方向、若しくは特定された基準軸方向に対して、計
測を行う設定角の姿勢角にされて風洞内に設置され、空
力特性の計測を行うようにした供試体を、設定角に変角
し、保持するための風洞模型用変角装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機、ロケット等の飛行体の開発にお
いて実施される試験の中に飛行体、若しくは飛行体の飛
行又は飛行制御に必要なファンブレード、操縦舵面等の
装置の設計に必要な空力特性を把握するために、これら
を模擬する供試体を製作して風洞試験を行い、これらの
空力特性を取得することが行われている。このような風
洞試験においては、風洞内を設定された速度で流れる気
流の方向に対する、風洞内に設定された供試体の姿勢角
を外部より変えて、各姿勢角における供試体の空力特性
を計測するようにしたものがある。また、気流方向、若
しくは操縦舵面等の装置を装備する飛行体の機体軸等の
特定された基準軸方向に対する姿勢角を空力特性を、取
得する特定の設定角にした供試体を風洞内に設けられた
支持装置に固定して、風洞試験を行い設定された気流の
速度、姿勢角における供試体の空力特性を計測するよう
にしたものもある。
【0003】図5ないし図8は、空力特性を計測する一
定の設定角にした供試体を、支持装置に固定して行う後
者の風洞試験において、供試体の姿勢を設定角に変角
し、固定するために、従来から採用されている風洞模型
用変角装置を示す図である。図5に示す、風洞内に設置
されたスティング03の先端に支持された支持装置とし
ての機体模型01に装備される供試体としての操縦舵面
02を、機体模型01の機体軸等の特定された基準軸の
方向に対して設定された姿勢角にするために、図6、図
7に示すような風洞模型用変角装置が使用されている。
【0004】すなわち、図6に示すものにおいては、操
縦舵面02の機体模型01の機体軸04に対する姿勢角
の設定を、別体にした角度ゲージ05を使用して行い、
姿勢角が設定された後、機体模型01に穿設した螺穴に
螺合する螺08により、押し付け金具06を操縦舵面0
2と一体に形成された軸07に押しつけ、その摩擦力に
より、空力特性の計測を行う姿勢角にされた操縦舵面0
2を機体模型01に固定して、保持するようにしてい
る。
【0005】また、図7に示すものにおいては、操縦舵
面02が基準軸である機体軸04方向と平行に設定され
たときに、軸07の頂部になる位置に角部を設けてお
き、この角部に操縦舵面02を所定の姿勢角δにする角
部を底面に設けた押し付け金具06を押し付け、角部同
志を嵌合させて操縦舵面02を空力特性の計測を行う姿
勢角に変角して、機体模型01に固定するようにしてい
る。
【0006】また、図5に示す機体模型01の姿勢角を
支持装置としてのスティング03の軸心等基準軸の方向
に対して、設定角に変角するため、図8に示す風洞模型
用変角装置を使用するようにした場合もある。すなわ
ち、機体模型01が先端部に固定され、機体模型01と
ともに供試体を構成するようにした前方スティング03
1の後端部と、風洞の変角装置に後端部が連結された支
持装置としての後方スティング032の前端部とは主軸
033で枢着されるとともに、前方スティング031の
後端部(若しくは後方スティング032の前端部)にあ
けられた複数の穴の何れかと、後方スティング032の
前端部(若しくは前方スティング031の後端部)にあ
けられた単数の穴との間にピン034を挿通して、前方
スティング031と後方スティング032を所定角度δ
に変角して、前方スティング031の先端部に固着され
た機体模型01をスティング03の基準軸方向に対して
所定の姿勢角に変角するようにしたものである。
【0007】このようにして、基準軸、すなわち後方ス
ティング032の軸心方向、に対して角度δに変角され
た前方スティング031に固着された機体模型01は、
風洞の変角機構が0°に保持されている場合には、気流
の方向に対して角度δの固定された姿勢角での風洞試験
を行うことができるとともに、変角装置を作動させる場
合には、機体模型01は変角装置による後方スティング
032の姿勢角の変角に加えて、角度δを付加した姿勢
角に変角されることになり、変角装置の作動範囲を越え
る大迎角での風洞試験等を行うことができるようにな
る。
【0008】しかしながら、このような従来の風洞模型
用変角装置では、次のような不具合がある。
【0009】(1)図6に示した、角度ゲージ05を使
用して、操縦舵面02の姿勢角を変角して、設定角にさ
れた操縦舵面02を押し付け金具06と軸07との摩擦
力で、その姿勢角に保持するようにした摩擦固定式の風
洞模型用変角装置では、(a)操縦舵面02に大きな力
がかかり、軸07に大きなトルクが入った時、設定され
た操縦舵面02の設定角度がズレることがある。(b)
また、操縦舵面02の舵角設定が、操縦舵面02の後縁
位置を角度ケージ05に罫書かれたケガキ線を一致させ
ることで行われているため、操縦舵面02の姿勢角設定
の精度が悪く、また再現性も悪い。特に、操縦舵面02
の空力特性を把握する風洞試験に於いては、舵角精度
は、一番大切な要素であり、その精度、再現性が悪い
と、これらの計測データをもとに開発された飛行体の飛
行特性に直接影響が及ぶとともに、操縦舵面02の駆動
装置、又は制御装置の設計に影響が生じる不具合があ
る。
【0010】(2)また、図7に示した、軸07と押し
付け金具06とにそれぞれ設けた角部を嵌合させて、操
縦舵面02の姿勢角を変角し、その姿勢角を保持するよ
うにした変換金具式の風洞模型用変角装置では、(a)
操縦舵面02に設定する姿勢角ごとに、押し付け金具0
6を用意する必要がある。このために、小さい舵角ピッ
チで大舵角までの空力特性を計測する必要のある操縦舵
面02の風洞試験を行う場合、操縦舵面02の姿勢角ご
とに角部を設けた多数の押し付け金具06を製作しなけ
ればならないという不具合がある。(b)また、変換金
具式の風洞模型用変角装置は、前述した摩擦固定式に比
し、操縦舵面02を設定された姿勢角に保持する固定能
力が増す利点はあるが、押し付け金具06に設ける角部
の加工方法の問題から操縦舵面02角度精度が悪くな
り、上述(1)(b)で述べた同様の不具合がある。
【0011】(3)さらに、図8に示した前方スティン
グ031と後方スティング032とをピン034の打ち
替えにより、変角して機体模型01の姿勢角を替えるよ
うにしたピン打替方式の風洞模型用変角装置では、
(a)供試体である機体模型01に設定される姿勢角度
毎に、ピン穴加工がスティング03の特定された場所に
必要なため、スペースの面から制約を受け、設定される
姿勢角度の数に制限が生じる。このために、風洞の変角
装置を併用して風洞試験を行う場合以外は、機体模型0
1の姿勢角度に対する空力測定値の数が少くなり、把握
できる空力特性の精度が悪くなる不具合がある。(b)
また、ピン034 1本の剪断力で、機体模型01に負
荷される空力荷重を受け持たせるようにしているため、
荷重負荷容量を大きくできず、供試体の大きさおよび姿
勢角に制限が生じる不具合もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来の風洞模型用変角装置の不具合を解消するため、風洞
に設置され、空力特性を計測する供試体の風洞内に設け
た支持装置による支持を、歯車の嵌み合せ位置を替える
ことにより、供試体を精度の良い、しかもガタのない姿
勢角に変角できるとともに、単一の部材で、しかも強度
を劣化させることなく、多数の設定角に供試体を設定で
き、しかも供試体に大きな力がかかる場合においても、
充分荷重に耐えるとともに、設定された供試体の姿勢角
が変化することのない風洞模型用変角装置を提供するこ
とを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の風洞
模型用変角装置は、次の手段にした。
【0014】(1)空力特性の計測を行う姿勢角の設定
角にされ、風洞内に設定される供試体に固定され、その
外周面を含む、円弧状にされた一端面に歯形を刻設した
固定歯を設けた。なお、供試体とは、図8おいて示した
ような機体模型等が固着され、後方スティング等の支持
装置との間で、機体模型とともに変角するようにした、
前方スティングのようなものも含むものである。また、
一端面に設ける歯形を刻設する範囲は、供試体を変角す
る姿勢角の大きさに応じて決定すれば良い。さらに、固
定歯は供試体と1体にして設けるようにすることもでき
る。
【0015】(2)供試体を支持して風洞内に設置する
支持装置における、供試体に固定された固定歯に対向す
る位置に固定され、供試体を設定角に変角したとき、供
試体の変角とともに位置が変動した固定歯の歯形に嵌合
して、設定角に変角した供試体を支持装置に固定して、
保持する歯形を、固定歯と対向する面に刻設した変角歯
を設けた。なお、変角歯に設ける歯形は、固定歯に設け
る歯形の数に比べて少くしても良いが、少くとも複数列
設けることが好ましく、好ましくは6列程度設けること
が好ましい。また、変角歯は、支持装置に設けるように
することもできる。
【0016】さらに、固定歯および変角歯に刻設される
歯形は、ワイヤカット又は放電加工等の高精度加工機に
より、短時間で加工して、供試体の姿勢角の精度が高く
なるよう精密加工することが好ましい。また、歯形の歯
幅は供試体に設定される姿勢角ピッチ、例えば、5°毎
の姿勢角が設定されるピッチを考慮して、固定歯と変角
歯との間の歯形1個のカミ合わせ変更で、この姿勢角1
ピッチが変更できる大きさにすることが好ましい。
【0017】本発明の風洞模型用変角装置は、上述の手
段にしたことにより、風洞内に設置され、空力特性を計
測する供試体の姿勢角は、供試体に固定した固定歯、お
よび風洞内に設けた支持装置に固定した変角歯の、それ
ぞれに設けた歯形の嵌み合せ位置を替えることにより、
精度の良い、しかもガタのない姿勢角に設定できる。ま
た、固定歯、変角歯からなる単一の部材で、しかも強度
を劣化させることなく、多数の設定角が供試体に設定で
きるようになる。
【0018】また、気流の作用により供試体に発生した
空力荷重、若しくは操縦舵面に空気力による発生するヒ
ンジ中心回りのトルクは、固定歯と変角歯の噛み合わさ
れた歯形の剪断強度で受持ち、しかも、固定歯は円弧状
の面に歯形が形成されているため、供試体の姿勢角を大
きくする場合でも、多数の固定歯の歯形と変角歯の歯形
との噛み合いが可能となり、非常に大きな空力荷重、若
しくはトルクが生じる供試体の場合でも、充分、これら
の空力荷重若しくはトルクに耐えるとともに、供試体を
設定した姿勢角に、精度良く固定することが可能であ
り、また、設定した供試体の姿勢角が変動することはな
い。
【0019】さらに、供試体の姿勢角の変角を、固定歯
と変角歯の歯形位置の変更により行うようにしたことに
より、色々のニーズに合った風洞模型の変角装置の設計
が可能となるとともに、変角作業が容易な構造設計を行
うことが可能となる。また、固定歯、変角歯の歯形をワ
イヤカットで加工するようにすれば、歯形加工の時間を
短縮できるとともに、加工精度を高くすることができ、
供試体の設定角を精度の高いものにして、計測される空
力特性が信頼性の高いものにできるとともに、固定歯を
設ける軸が外径12mm程度の小径の軸においても、5°
毎の供試体姿勢角を設定できる歯形加工が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の風洞模型用変角装
置の実施の一形態を、図面にもとづき説明する。図1は
本発明の風洞模型用変角装置の実施の第1形態を示す図
で、本実施の形態を風洞試験を行うファンブレードの変
角装置に適用したものを示す。
【0021】図に示すように、風洞試験を行う供試体と
してのファンブレード3の翼根部に、半径7mmの円筒状
の固定歯1を設け、この固定歯1の外周縁に沿って、ワ
イヤカット放電加工により高さh0.3mmに刻設された
歯形4が形成されている。また、ファンブレード3の翼
根部が挿入される、支持装置としてのハブ5の内部に
は、翼根部に設けられた固定歯1が挿入される区画の一
方の側に空所6が形成されており、固定歯1の歯形4の
方向と直交する方向に、空所6内を進退する変角歯2が
内蔵されている。
【0022】このハブ5内に挿入される変角歯2の固定
歯1と対向する先端面には、歯形4と同様にして加工さ
れ、歯形4と嵌合する変角歯2の歯形7が刻設されてい
る。また、空所6に内蔵された変角歯2の後方のハブ5
には、螺溝を切った穴を進退する押しねじ8が挿入され
るようにしてあり、この押しねじ8の押し込みにより、
固定歯1の歯形4に変角歯2の歯形7を噛み合わせ、気
流Fの方向に対して所定の姿勢角(迎角)にされたファ
ンブレード3を固定するようにしている。
【0023】この固定歯1および変角歯2の、それぞれ
に設けた歯形4,7の噛み合わせ位置を変えることによ
り、ファンブレード3は、気流Fの方向に対する姿勢角
を変角することができ、風洞内を流れる気流Fの方向に
対するファンブレード3の姿勢角を所定の設定角に設定
し、固定することができる。また、気流Fによりファン
ブレード3に発生する空力荷重で、翼根部に生じるトル
クは、歯形4,7の剪断力として受け持たれる。
【0024】本実施の形態の風洞模型用変角装置は、上
述のように構成されているので、風洞内に設置され、そ
の空力特性を計測するファンブレード3の気流Fに方向
に対する姿勢角は、ファンブレード3の翼根部に形成さ
れた固定歯1、およびハブ5に押しねじ8で押し付けら
れ、固定される変角歯2のそれぞれに設けた歯形4,7
の嵌み合せ位置を替えることにより、精度良く、しかも
容易に設定できるとともに、設定された姿勢角にガタが
生じることなく固定することができる。
【0025】また、多数の設定角をファンブレード3に
設定できるようにするために、固定歯1、又は変角歯2
の強度が損われるようなこともない。さらに、気流Fの
作用によりファンブレード3に発生した空力荷重、又は
ファンブレード3の翼根部に発生するトルクは、固定歯
1と変角歯2の歯形4,7のカミ合わせによる歯形4,
7の剪断強度で受持ち、しかも固定歯1は、円形の外周
面に歯形4を形成するようにしているため、多数の固定
歯1の歯形4と変角歯2の歯形7とのカミ合いを可能と
なり、非常に大きな空力荷重、若しくはトルクが生じる
ファンブレード3の姿勢角、大きさにした場合でも、充
分これらの空力荷重、若しくはトルクに耐えるととも
に、ファンブレード3を設定した姿勢角に固定すること
が可能であり、設定したファンブレード3の姿勢角が、
風洞試験中に変動することがない。
【0026】次に、図2は、本発明の風洞模型用変角装
置の実施の第2形態を示す図で、本実施の形態を操舵翼
の変角装置に適用したものを示す。
【0027】図に示すように、風洞内に設置される支持
装置としての機体模型9の両側に、供試体としての操舵
翼10,10が装着される。この左右の操舵翼10,1
0を、機体模型9に取り付けるために、各操舵翼10,
10の翼根部12には軸13,13が設けられており、
機体模型9内に挿入されるこの軸13,13の内端部に
は、図1に示す固定歯1と同様にして製作された固定歯
11,11がそれぞれ固着されている。また、固定歯1
1,11を設置するため、機体模型9の内部に区画され
た空所14の上方には、図1に示す変角歯2と同様にし
て製作された変角歯12が内蔵されている。
【0028】さらに、変角歯12が内蔵された空所14
の上方には、螺溝を切った鉛直穴を昇降する押しねじ1
5の下端が突出するようにして、押しねじ15が機体模
型9の上方から空所14に向けて挿入されており、この
押しねじ15の下降方向の押込みにより、固定歯11,
11に刻設された歯形と変角歯12に刻設された歯形と
が嵌合して、操舵翼10,10の気流の方向に対する姿
勢角(迎角)を変角するとともに、変角され、設定角に
された操舵翼10,10の姿勢角を固定して保持するよ
うにしている。
【0029】本実施の形態の風洞模型用変角装置は、上
述した実施の第1形態と同様の作用、効果を奏するとと
もに、左右の操舵翼10,10の軸13,13に固定し
た固定歯11,11を別々に作る事により左右の操舵翼
10,10は別々な角度つまりディファレンシャル変角
にすることも可能である。
【0030】次に、図3は本発明の風洞模型用変角装置
の実施の第3形態を示す図で、本実施の形態を操縦舵面
のヒンジモーメントを測定する場合の変角装置に適用し
たものを示す。
【0031】図に示すように、機体模型若しくは翼模型
に枢着される操縦舵面16のヒンジ部に発生するヒンジ
モーメントを計測するため、ヒンジモーメント天秤17
を設けるようにした操縦舵面16の変角装置の原理も、
実施の第1形態、第2形態で示したものと同じである。
【0032】支持装置としての軸受18に定められた基
準軸20の方向に対して、変角δが設定された操縦舵面
16には、空力荷重Lが生じ、この空力荷重Lにより操
縦舵面16を枢着するヒンジ部には、ヒンジモーメント
が発生する。このヒンジモーメントを測定するため、操
縦舵面16にヒンジモーメント天秤17を固着し、ヒン
ジモーメント天秤17に設けたゲージ部17aで発生す
るヒンジモーメントを測定するようにしている。
【0033】また、操縦舵面16を基準軸20に対して
変角した姿勢角にするため、供試体としての操縦舵面1
6に一端部が固着されたヒンジモーメント天秤17の他
端部に固定歯21が設けられている。このヒンジモーメ
ント天秤17と固定歯21との連結は、ヒンジ中心HC
位置に挿通され、ヒンジモーメント天秤17を回動自在
に固定歯21に連結するとともに、固定歯21を回動自
在に軸受18に枢着する回転軸19と、回転軸19より
前方位置に挿通され、ヒンジモーメント天秤17を回動
自在に固定歯21に連結する回転軸23とで行われる。
また、固定歯21の前端面には歯形が刻設されている。
【0034】一方、軸受18には固定歯21と対向する
位置に変角歯22が配設されており、固定歯21の歯形
とカミ合う様に変角歯22の歯形が配置されており、こ
れらの固定歯21と変角歯22との歯形の噛み合わせの
変更により、ヒンジモーメント天秤17および操縦舵面
16を変角するようにしている。また、変角歯22は、
軸受18に対し左右どちらの側面からも、ガタ無く挿入
が出来る構造にしている。
【0035】本実施の形態の風洞模型用変角装置は、上
述した実施の第1形態、第2形態と同様の作用、効果を
奏するとともに、ヒンジモーメント天秤17のヒンジ中
心HCまわりの回動が阻害されないので、操縦舵面16
に作用する空力荷重Lによって発生するヒンジモーメン
トは、ゲージ部17aで正確に測定することができる。
【0036】次に、図4は本発明の風洞模型用変角装置
の実施の第4形態を示す図で、本実施の形態をスティン
グの変角装置に適用したものを示す。
【0037】本実施の形態の風洞模型用変角装置では、
右方向に偏揺角度ψが設けられ、先端部に供試模型を固
着するようにした、供試体としての前方スティング23
の後端部と、後端部が風洞の変角装置に連結された後方
スティング24の前端部とには凹凸が設けられ、凸状に
された前方スティング23の後端部を、凹状にされた後
方スティング24の前端部に嵌合し、両者を回転軸26
で枢着することにより、前方スティング23の軸心方向
の後方スティング24の基準線25に対する変角を行う
ようにしている。
【0038】この変角の設定は、後方に向けて凸状にさ
れた前方スティング23の後端面に設けた固定歯27
と、前方スティング23の後端部が挿入される、後方ス
ティング24の前端部に画成された凹所26内に挿入さ
れた変角歯28の嵌合位置を変えることにより行うよう
にしている。また、所定の姿勢角に変角された前方ステ
ィング23を固定するための変角歯28の固定歯27へ
の押し付けは、コーター29のテーパの作用を使い、上
下方向に後方スティング24に設けられた螺穴を進退す
る押しねじ30で、変角歯28の後端面を押し付けて行
うようにしている。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の風洞模型
用変角装置によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、 (1)風洞内に設置され、空力特性を計測する供試体の
姿勢角は、供試体に固定した固定歯、および風洞内に設
けた支持装置に固定した変角歯の、それぞれに設けた歯
形の嵌み合せ位置を替えることにより精度の良い、しか
もガタのない姿勢角に設定できる。また、固定歯、変角
歯からなる単一の部材で、強度を劣化させることなく、
多数の設定角が供試体に設定できるようになる。
【0040】(2)また、気流の作用により供試体に発
生した空力荷重、若しくは操縦舵面等に作用する空気力
による発生するヒンジ中心回りのトルクは、固定歯と変
角歯の歯形のカミ合わせによる歯形の剪断強度で受持
ち、しかも、固定歯は円弧状の面に歯形が形成されてい
るため、供試体の姿勢角を大きくした場合でも多数の固
定歯の歯形と変角歯の歯形との噛み合せが可能となり、
非常に大きな空力荷重、若しくはトルクが生じる供試体
の場合でも、充分これらの空力荷重、若しくはトルクに
耐えるとともに、設定した姿勢角に供試体を、精度良く
固定することが可能であり、また風洞試験中に、設定し
た供試体の姿勢角が変動することがない。
【0041】(3)さらに、次に示す技術的な特有の効
果も得られる。 (a)変角機構を設けるスペースが小さくでき、固定歯
Φ12mmの一対の歯形の噛み合わせで5°ピッチの変角
が可能となる。 (b)変角歯の押し付け方式の変化により、ニーズに合
わせた変角装置の立案が可能となる。 (c)固定歯と変角歯の噛み合わせの歯数が6コ程度の
小さな歯形でも、非常に大きいトルクの固定が可能であ
る。 (d)変角歯をキー方式にすることで簡単に変角できる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の風洞模型用変角装置の実施の第1形態
を示し、風洞試験を行うファンブレードの変角装置に適
用したものを示す図で、図1(a)はハブ内部を示す正
面図、図1(b)は図1(a)に示す矢視A−Aにおけ
る断面図、図1(c)は図1(b)のA部詳細図、
【図2】本発明の風洞模型用変角装置の実施の第2形態
を示し、操舵翼の変角装置に適用したものを示す図で、
図2(a)は機体模型内部を示す平面図、図2(b)は
図2(a)に示す矢視B−Bにおける断面図、
【図3】本発明の風洞模型用変角装置の実施の第3形態
を示し、操縦舵面のヒンジモーメントを測定する場合の
変角装置に適用したものを示す図で、図3(a)は水平
断面図、図3(b)は図3(a)に示す矢視C−Cにお
ける側面図、
【図4】本発明の風洞模型用変角装置の実施の第4形態
を示し、スティングの変角装置に適用したものを示す図
で、図4(a)はスティング内部を示す側断面図、図4
(b)は図4(a)に示す矢視D−Dにおける水平断面
図、
【図5】従来のスティングで風洞内に設置される機体模
型を示す側面図、
【図6】従来の摩擦固定式の風洞模型用変角装置を示す
図で、図6(a)は正面図、図6(b)は図6(a)に
示す矢視E−Eにおける横断面図、
【図7】従来の変換金具式の風洞模型用変角装置を示す
図で、図7(a)は側面図、図7(b)は押しねじ中心
部での縦断面図、
【図8】従来のピン打替式の風洞模型用変角装置を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 固定歯 2 変角歯 3 供試体としてのファンブレード 4 固定歯の歯形 5 支持装置としてのハブ 6 空所 7 変角歯の歯形 8 押しねじ 9 支持装置としての機体模型 10 供試体としての操舵翼 11 固定歯 12 変角歯 13 操舵翼の軸 14 空所 15 押しねじ 16 操縦舵面 17 ヒンジモーメント天秤 17a ゲージ部 18 軸受 19 回転軸 20 基準軸 21 固定歯 22 変角歯 23 前方スティング 24 後方スティング 25 基準線 26 回転軸 27 固定歯 28 変角歯

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持装置で支持され、風洞内に設置され
    た供試体の姿勢角を、空力特性の計測を行う設定角に変
    角するための風洞模型用変角装置において、前記供試体
    に固定され、円弧状にされた一端面に歯形が形成された
    固定歯と、前記支持装置の前記固定歯と対向する位置に
    固定され、前記供試体を前記設定角に変角したときの前
    記固定歯の歯形に嵌合して、前記設定角に変角された前
    記供試体を前記支持装置に固定し、保持する歯形が形成
    された変角歯とを設けたことを特徴とする風洞模型用変
    角装置。
JP28990396A 1996-10-31 1996-10-31 風洞模型用変角装置 Withdrawn JPH10132698A (ja)

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