JPH10113171A - 造血幹細胞様未分化細胞株 - Google Patents

造血幹細胞様未分化細胞株

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JPH10113171A
JPH10113171A JP9224611A JP22461197A JPH10113171A JP H10113171 A JPH10113171 A JP H10113171A JP 9224611 A JP9224611 A JP 9224611A JP 22461197 A JP22461197 A JP 22461197A JP H10113171 A JPH10113171 A JP H10113171A
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JP
Japan
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hematopoietic stem
cell line
cell
bone marrow
undifferentiated
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JP9224611A
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English (en)
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Masuo Tatewaki
益夫 帯刀
Nobuaki Yanai
信昭 矢内
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Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の骨髄間質細胞株との
相互作用を選択手段として、造血幹細胞様未分化細胞株
または不死化造血幹細胞様未分化細胞株が得られる。 【効果】 造血幹細胞様未分化細胞株または不死化造血
幹細胞様未分化細胞株が得られた。得られた細胞株か
ら、種々の因子や分化特異的抗原に対する抗体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の造血幹細胞様未分化細胞
株、不死化造血幹細胞様未分化細胞株および温度感受性
突然変異SV40ラージT抗原遺伝子を導入したトラン
スジェニックマウスの骨髄から樹立された造血幹細胞様
の未分化の血液細胞株THS119などは、次のような
産業上の利用分野がある。
【0002】これらの細胞株は、造血幹細胞の自己再生
を司る因子、分化誘導因子および分化抑制因子の生産に
利用できる。
【0003】また、造血幹細胞特異的マーカーの作成
や、それに対する抗体の作成に有用である。得られた造
血幹細胞特異的マーカーに対するマウスなどの抗体を基
に、ヒトの抗体も通常の遺伝子操作技術で取得可能とな
る。この抗体は、骨髄移植等の際に、造血幹細胞の分
離、同定、定量等に必要となる。
【0004】骨髄移植および遺伝子治療に、本発明の細
胞株を利用できる。
【0005】更に、本細胞株は造血幹細胞の分化の研究
に応用できる。血液細胞の分化の研究は進んでいるが、
まだ未解決の部分もあり、本発明で得られた細胞株を用
いて分子レベルでその分化の仕組みが理解できるように
なり、引いては、各種機能を有する因子が得られる。こ
れらの因子は、医薬品としての利用も考えられる。
【0006】その他、本細胞株自身の生産する新しいサ
イトカインの生産およびそのクローニング等にも用いる
ことができ、また、様々な物質の薬理試験、毒性試験等
にも使用できる。
【0007】
【従来の技術】造血幹細胞は1個の細胞から赤血球、白
血球、巨核球、血小板、TおよびBリンパ球などあらゆ
る成熟血液細胞を作りだす能力、即ち多分化能を有する
と同時に、自己再生能を持つ細胞である。分化の進んだ
細胞の多くは分裂回数に限りがあるため、造血系を枯渇
することなく維持させるために、この幹細胞は自分自身
を複製する能力を持っている。自分自身を複製するに
は、何か因子が存在すると考えられているが、現在まだ
見いだされていない。
【0008】この因子の発見も含めて造血幹細胞に関す
る情報は少なく、株化の報告も今までに無い。
【0009】株化されることがなかった故、造血幹細胞
はその存在が知られているにもかかわらずその本態は不
明のままとなっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、造血幹細胞
の株化の方法や造血幹細胞の機能を維持させたまま株化
した不死化造血幹細胞様分化細胞株などを提供し、更に
細胞株が得られたことにより以下に述べるものをも提供
する。
【0011】本発明は、温度感受性突然変異SV40ラ
ージT抗原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の骨髄間質細
胞株を用いることを特徴とする、造血幹細胞様未分化細
胞株を得る方法に関する。
【0012】更に、温度感受性突然変異SV40ラージ
T抗原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の不死化骨髄間質
細胞株を用い、温度感受性突然変異SV40ラージT抗
原遺伝子導入哺乳動物の骨髄から不死化造血幹細胞様未
分化細胞株の樹立方法に関する。
【0013】また、本発明は、温度感受性突然変異SV
40ラージT抗原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の骨髄
間質細胞株を用いることを特徴とする、細胞の分化マー
カーがLin- 、Sca−1+ およびc−Kit+ の造
血幹細胞様未分化細胞株を得る方法に関する。
【0014】更に、温度感受性突然変異SV40ラージ
T抗原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の不死化骨髄間質
細胞株を用い、温度感受性突然変異SV40ラージT抗
原遺伝子導入哺乳動物の骨髄から、細胞の分化マーカー
がLin- 、Sca−1+ およびc−Kit+ の不死化
造血幹細胞様未分化細胞株の樹立方法に関する。
【0015】これらの方法は、温度感受性突然変異SV
40ラージT抗原遺伝子導入哺乳動物が、温度感受性突
然変異SV40ラージT抗原遺伝子導入マウスである方
法が好ましい。
【0016】具体的には、温度感受性突然変異SV40
ラージT抗原遺伝子導入マウスの骨髄由来の骨髄間質細
胞株TBR59との相互作用により選択することを特徴
とする、造血幹細胞様未分化細胞株を得る方法である。
【0017】上記の方法で得た造血幹細胞様未分化細胞
株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株は、本発明の
一態様では、細胞株THS119(受託番号:FERM
BP−5613)である。
【0018】また、造血幹細胞様未分化細胞株または不
死化造血幹細胞様未分化細胞株を用いることを特徴とす
る治療方法に関する。
【0019】上記方法で得られた造血幹細胞様未分化細
胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株からは、細
胞自己再生因子、分化誘導因子および分化抑制因子など
が得られる。
【0020】更に、造血幹細胞様未分化細胞株または不
死化造血幹細胞様未分化細胞株の分化に特異的なマーカ
ー抗原で作成される抗体が得られ。これらより、1つ以
上の抗体からなる造血細胞分化段階の判定用キットが組
み立てられる。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の造血幹細胞様未
分化細胞株は、造血幹細胞の多分化能をほとんど保持し
たまま株化した未分化の細胞を意味する。造血幹細胞様
未分化細胞株は、正常の組織からも得られ、更に種々の
変化や変異等によっても得られる。本発明の一態様でも
ある温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺伝子導
入哺乳動物の骨髄から得る場合、その細胞株は不死化造
血幹細胞様未分化細胞株となり安定に保持できる。
【0022】不死化細胞株の樹立方法は、特開平5−2
92958号公報などで行なえる。造血幹細胞様未分化
細胞株を得るには、造血組織の間質細胞との相互作用を
指標として選択すればよい。つまり造血幹細胞をはじ
め、未分化な血球の増殖は造血組織の間質細胞に依存し
ている。造血幹細胞や未分化な血球は間質細胞との共培
養系で、間質細胞に潜り込むようにして敷石状のコロニ
ーを形成することが知られている。本発明の実施例で詳
述する方法では、様々な機能細胞株を樹立するのに有用
であることが分かっている温度感受性突然変異のSV4
0ラージT抗原遺伝子を導入したトランスジェニックマ
ウスの骨髄から、幹細胞を含む未分化な血球画分を取り
出し、株化させた。
【0023】つまり、細胞の増殖を促すSV40Tラー
ジ抗原遺伝子を導入したマウスの造血幹細胞を敷石状コ
ロニー形成能を指標に間質細胞と共培養し、造血幹細胞
または未分化血球の安定した培養系を作成し、細胞株を
樹立した。
【0024】具体的には、温度感受性突然変異SV40
ラージT抗原遺伝子導入マウスの骨髄より造血幹細胞を
含むLin抗体(−)/Sca−1抗体(+)の細胞を
取り出し、骨髄間質細胞株TBR59(受託番号;FE
RM BP−5612)と共培養した。この骨髄間質細
胞層の下に潜り込んだ細胞を選択的に継代すると、3カ
月程で間質細胞依存的に増殖する単一血球細胞集団とな
った。この細胞集団はLin抗体(−)/Sca−1抗
体(+)のまま間質細胞層の下に潜り込んで増殖し、各
血球の分化マーカーは陰性の細胞集団であった。
【0025】これは造血幹細胞の未分化細胞株であると
考えられる。不死化造血幹細胞様未分化細胞株THS1
19は、工業技術院生命工学工業技術研究所、特許微生
物寄託センターに寄託した。受託番号はFERM BP
−5613である。
【0026】造血組織の間質細胞との相互作用を選択指
標として、正常の組織からも造血幹細胞様未分化細胞株
または不死化造血幹細胞様未分化細胞株を得ることがで
きる。
【0027】細胞株は、造血幹細胞の細胞表面の分化マ
ーカーによりその性質が同定できる。この分化マーカー
のうち、単球、B細胞、T細胞それぞれの分化抗原に対
する抗体(Mac−1、Gr−1、B220、CD4、
CD8など)に陰性の細胞を系統特異的抗原陰性という
意味でLin- という。また、Sca−1抗体およびc
−Kit抗体は幹細胞特異的抗原を認識するものであ
る。
【0028】本発明の、造血幹細胞様未分化細胞株また
は不死化造血幹細胞様未分化細胞株を分化させるには、
脾コロニー形成法(Till J. E., McCulloch E. A., Ra
d. Res. 14, 213-222, 1961)、in vitroコロニー形成
法(三浦恭定、血液幹細胞、中外医学社、1983)お
よび長期骨髄再構築(Smith, L. G., Weissman, I. L.,
Heimfeld, S., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 278
8, 1991 )などで行えばよい。分化させた後に、その分
化マーカーを決め、分化段階(ステージ)を判定すれば
よい。
【0029】得られた細胞株から、種々の因子を分離す
るには以下のようにすればよい。
【0030】休止期の状態にある細胞株に、ある種のコ
ンディションド培地(conditionedmedium)を添加し、細
胞が分裂を開始することがわかれば、その conditioned
medium 中に自己再生を司る因子が含まれていることに
なる。常法に従いこの因子の精製を行い、更に遺伝子操
作技術を用いれば、造血幹細胞の自己再生を司る因子が
取得できる。同様のやり方で分化誘導因子や分化抑制因
子の取得もできる。
【0031】また、これらの生物的基礎となる機構に関
与している因子は遺伝子レベルで保存されていると考え
られる。つまり、マウスの種々の因子がヒトで機能する
可能性も大いに考えられ、更に、マウスのものからその
ホモロジーなどを利用して、ヒトの因子を取得すること
ができる。ヒトの因子を用いることで、白血病、再生不
良性貧血、骨髄移植等の臨床応用ができる。
【0032】更に、遺伝子レベルで保持されていること
から、本発明のマウスの造血幹細胞様未分化細胞株また
は不死化造血幹細胞様未分化細胞株を導入することによ
り、重症複合免疫不全症に代表される原発性免疫不全症
候群の治療に用いることができる。導入する方法として
は、骨髄移植によってもよいし、正常な遺伝子を数多
く、欠損遺伝子等を有する疾患細胞に導入するという遺
伝子治療によってもよい。
【0033】以下に実施例を挙げ、具体的に本発明を説
明する。
【0034】
【実施例】
[実施例1]骨髄間質細胞株 骨髄間質細胞株TBR59は、温度感受性突然変異SV
40ラージT抗原遺伝子を導入したトランスジェニック
マウスの骨髄間質細胞から樹立された前脂肪細胞で、造
血を長期間維持できる細胞株である。(Kameoka, j., Y
aniai, N., and Obinata, M., J Cell Physiol, 164, 5
5-64, 1995、 Okuyama, R., Koguma, M., Yanai, N., an
d Obinata, M., Blood, 86, 2590, 1995、 Okuyama, R.,
Yanai, N., and Obinata, M., Exp. Cell Res., 218,
424, 1995) 。
【0035】細胞の維持は2%牛胎児血清、10μg/
mlトランスフェリン、10μg/ml上皮増殖因子
(エピダーマルグロースファクター)、1μg/mlイ
ンスリンを加えたRITC80−7培地(極東製薬工業
製)を用い、33℃で培養を行った。
【0036】[実施例2]温度感受性突然変異SV40
ラージT抗原遺伝子導入マウス大腿骨からのLin抗体
(−)/Sca−1抗体(+)細胞の採取と培養 大腿骨から得た骨髄のLin抗体(−)/Sca−1抗
体(+)の細胞を未分化血球とした。
【0037】使用した各Lin抗体とその抗体濃度は以
下の如くである。
【0038】 TER119抗体 1 mg/mlを、 2μl /1×106 細胞 Gr−1抗体 0.04 mg/mlを、 2μl /1×106 細胞 B220抗体 0.12 mg/mlを、 2μl /1×106 細胞 Mac−1抗体 0.2 mg/mlを、 2μl /1×106 細胞 CD4抗体 0.025 mg/mlを、1μl /1×106 細胞 CD8抗体 0.025 mg/mlを、1μl /1×106 細胞 および、 Sca−1抗体 0.4 mg/mlを、 10μl /2×105 細胞 温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺伝子導入マ
ウス大腿骨の骨髄から細胞を取り出し、10%血清を加
えたERDF培地(極東E−RDF培地、極東製薬工業
製)で1〜2時間37℃で培養し、接着性の細胞が基質
に接着した時点で、浮遊している血球細胞を回収した。
【0039】血球細胞をリン酸緩衝生理食塩液(ダルベ
ッコPBS)で洗い、5mMエチレンジアミン四酢酸2
ナトリウム(EDTA)と1%牛血清アルブミン(BS
A)を含むPBS(Washing Buffer)に懸濁後、上述の
Lin抗体を加え、30分間氷上に保持した。細胞を W
ashing Buffer で2回洗った後、MACS(磁性体ビー
ズ結合抗ラット1gG;10μl /1×106 cells)
を加え、さらに30分間氷上に保持してから Washing B
uffer で2回洗った。
【0040】マグネット(Miltenyi Biotec)でLin抗
体(+)細胞をカラムでトラップし、Lin抗体(−)
細胞を透過させ回収し、Washing Bufferで1回洗った
後、Sca−1抗体を加え、30分間氷上に保持した。
Washing Bufferで2回洗ってからさらに、MACSビー
ズを加え、30分間氷上に保持してからWashing Buffer
で2回洗い、マグネットでSca−1抗体(+)細胞を
カラムにトラップし、Sca−1抗体(−)細胞は透過
させて捨てた。
【0041】カラムにトラップしたSca−1抗体
(+)細胞を回収し、飽和して単層になったTBR59
と共培養した。培地は5%牛胎児血清と50μMのベー
タメルカプトエタノールを加えたERDF培地を用い、
33℃で培養した。培地は2日ごとに交換し、10日ご
とに継代した。
【0042】[実施例3]継代 Lin抗体(−)/Sca−1抗体(+)細胞はTBR
59との共培養で、浮遊して増殖するもの、接着して増
殖するものおよびTBR59細胞の下に潜り込んで増殖
するものが出現するが、このうち潜り込んで増殖するも
の選んだ。
【0043】共培養を0.1%コラゲナーゼ(和光純薬
の細胞分散用をDMEMに0.1%となるよう溶解した
もの)で20分から30分処理し、培養全体を穏やかな
ピペッティングによって細胞懸濁液とした。ナイロンメ
ッシュを通した後、接着性の細胞であるTBR59と血
球細胞を分離するために、5%牛胎児血清と50μMの
ベータメルカプトエタノールを加えたERDF培地を用
い、37℃で1時間培養した。穏やかなピペッティング
を加え、血球細胞のみを新しい単層のTBR59と共培
養した。
【0044】10日に一回の継代を行うと、4から5回
目の継代から、TBR59細胞層全体にわたって潜り込
んで増殖する細胞集団となり、7から8回目にはほぼ均
一な細胞集団となり、以後、安定して継代できるように
なる。10回目の継代時に、血球細胞の性状を調べ、こ
の細胞をTHS119とした。
【0045】
【発明の効果】図1に示されるように、骨髄からLin
抗体(−)/Sca−1抗体(+)細胞を取り出し、T
BR59と共培養した。この初代培養の特徴としては、
写真に示すような潜り込んで増殖する細胞が培養できる
ことで、潜り込んだ細胞だけを継代することによっての
み、未分化な血球集団とすることができた。
【0046】この未分化な血液集団は、図2に示される
ように、ギムザ染色ではこの細胞は大小二種類の細胞か
らなることが分かる。小型の細胞は細胞質の割合が少な
く、核の変形も少ないことから、未分化な血球の形態を
示した。トルイジンブルーに染まる顆粒はない。大型の
細胞はエステラーゼを持っていることが分かるので、分
化した血球と考えられた。小型の細胞は、細胞の突起を
染色しやすいアルカリ性フォスファターゼに染色される
ものがあることから未分化な顆粒球細胞の性状を示して
いた。
【0047】図3に表面抗原の解析結果を示す。得られ
た細胞株THS119は血球の分化マーカー判定用とし
て用いたGr−1抗体、Mac−1抗体、TER119
抗体およびCD3抗体すべてに陰性であった。幹細胞の
性状であるSca−1抗体およびc−Kit抗体は陽性
であった。
【0048】よって、細胞株THS119は不死化造血
幹細胞様未分化細胞株である。
【0049】本発明により、造血幹細胞様未分化細胞株
または不死化造血幹細胞様未分化細胞株が提供できる。
提供された細胞株より、細胞自己再生因子、分化誘導因
子または分化抑制因子が得られる。また、分化に特異的
なマーカー抗原も得られ、それより抗体も作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 培養系の説明の図である。
【図2】 THS119の染色像の図である。
【図3】 THS119の表面抗原の解析図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 ADV C07K 14/52 C07K 14/52 16/24 16/24 G01N 33/53 K G01N 33/53 A61K 37/43 // C12N 15/09 C12N 15/00 A (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
    原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の骨髄間質細胞株を用
    いることを特徴とする、造血幹細胞様未分化細胞株を得
    る方法。
  2. 【請求項2】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
    原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の不死化骨髄間質細胞
    株を用い、温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺
    伝子導入哺乳動物の骨髄から不死化造血幹細胞様未分化
    細胞株の樹立方法。
  3. 【請求項3】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
    原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の骨髄間質細胞株を用
    いることを特徴とする、細胞の分化マーカーがLin
    - 、Sca−1+ およびc−Kit+ である造血幹細胞
    様未分化細胞株を得る方法。
  4. 【請求項4】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
    原遺伝子導入哺乳動物の骨髄由来の不死化骨髄間質細胞
    株を用い、温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺
    伝子導入哺乳動物の骨髄から、細胞の分化マーカーがL
    in- 、Sca−1+ およびc−Kit+ の不死化造血
    幹細胞様未分化細胞株の樹立方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれか1項に記載の
    温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺伝子導入哺
    乳動物が、温度感受性突然変異SV40ラージT抗原遺
    伝子導入マウスである方法。
  6. 【請求項6】 温度感受性突然変異SV40ラージT抗
    原遺伝子導入マウスの骨髄由来の骨髄間質細胞株TBR
    59との相互作用により選択することを特徴とする、造
    血幹細胞様未分化細胞株を得る方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項に記載の
    方法で得られた造血幹細胞様未分化細胞株または不死化
    造血幹細胞様未分化細胞株。
  8. 【請求項8】 細胞株THS119(受託番号:FER
    M BP−5613)
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の造血幹細胞様
    未分化細胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株を
    用いることを特徴とする治療方法。
  10. 【請求項10】 請求項7または8に記載の造血幹細胞
    様未分化細胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株
    から得られる細胞自己再生因子。
  11. 【請求項11】 請求項7または8に記載の造血幹細胞
    様未分化細胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株
    から得られる分化誘導因子。
  12. 【請求項12】 請求項7または8に記載の造血幹細胞
    様未分化細胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株
    から得られる分化抑制因子。
  13. 【請求項13】 請求項7または8に記載の造血幹細胞
    様未分化細胞株または不死化造血幹細胞様未分化細胞株
    の分化に特異的なマーカー抗原で作成される抗体。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の1つ以上の抗体か
    らなる造血細胞分化段階の判定用キット。
JP9224611A 1996-08-23 1997-08-21 造血幹細胞様未分化細胞株 Pending JPH10113171A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004085632A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Japan Science And Technology Agency 幹細胞の分化誘導および分化能の制御

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WO2004085632A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Japan Science And Technology Agency 幹細胞の分化誘導および分化能の制御

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