JPH1010898A - 樹脂被覆ローラの製造方法 - Google Patents

樹脂被覆ローラの製造方法

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JPH1010898A
JPH1010898A JP16183096A JP16183096A JPH1010898A JP H1010898 A JPH1010898 A JP H1010898A JP 16183096 A JP16183096 A JP 16183096A JP 16183096 A JP16183096 A JP 16183096A JP H1010898 A JPH1010898 A JP H1010898A
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roller
roller body
coated
layer
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JP16183096A
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Takao Nishikawa
隆雄 西川
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Mitsuma Giken Co Ltd
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Mitsuma Giken Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性に優れた樹脂被覆ローラの製造方法を
提供する。 【解決手段】 本発明では、ローラ本体の外周面に樹脂
繊維を巻回して繊維層を形成する。次に、ローラ本体を
加熱炉内に配置し、減圧下において主として赤外線加熱
を行ない、繊維層の各繊維を溶融させて樹脂膜を形成す
る。その後ローラ本体を冷却することにより完成する。
このように、樹脂繊維を巻回して繊維層を形成し減圧下
で溶融させることにより、作業性に優れると共に支持層
を熱劣化させることなく高い接合強度の樹脂被覆ローラ
を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローラ表面が特有
の物理特性を有する樹脂被覆ローラの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒートロール定着装置の加圧ロー
ラや帯電装置の帯電ローラのようにローラ表面が特有の
物理特性を有するローラが実用化されている。これらの
ローラは、ローラ表面に必要に応じた特有の物理特性、
例えば導電率、離型性、弾性特性等が要求されるため、
ローラ本体に必要に応じた物理特性を有する樹脂膜が形
成されている。例えば、ヒートロール定着装置の加圧ロ
ーラは高い離型性が要求されるため、金属性のローラシ
ャフトに弾性を有するシリコンゴム層が形成され、その
上に不活性なフッ素樹脂の膜が形成されている。このフ
ッ素樹脂の膜は、シリコンゴム上にフッ素樹脂のチュー
ブを装着し、加熱によりフッ素樹脂のチューブを収縮さ
せることにより形成されている。また、帯電ローラは、
導電率の異なる複数の導電層が必要なため、導電率の異
なる複数の樹脂層が順次各導電層毎に形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヒートロール定着装置
の加圧ローラを製造する際、シリコンゴムローラにテフ
ロンチューブを装着するのは作業性に難点があり歩留り
が著しく悪い欠点が指摘されている。また、帯電ローラ
を製造する際、導電率が異なる層を順次各層毎に積層形
成しなければならず、同様に作業性に難点がある。
【0004】従って、本発明の目的は、簡単な作業で種
々の樹脂膜を容易に形成でき、従って作業効率に優れた
樹脂被覆ローラの製造方法を提供することにある。
【0005】さらに、本発明の目的は、特性の異なる複
数の樹脂膜を極めて容易に積層形成できる樹脂被覆ロー
ラの製造方法を提供することにある。
【0006】さらに、本発明の目的は、膜厚の異なる複
数の層を簡単な処理で一体的に積層形成できる樹脂被覆
ローラの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による樹脂被覆ロ
ーラの製造方法は、ローラ面が樹脂の膜で被覆された樹
脂被覆ローラを製造するに際し、ローラ本体の外周面
に、必要な物理特性を有する樹脂の繊維を巻回して樹脂
繊維層を形成する工程と、樹脂繊維が巻回されているロ
ーラ本体を加熱炉内に配置し、減圧下において加熱する
ことにより、巻回された樹脂繊維を溶融させて樹脂膜を
形成する工程と、溶融した樹脂膜が形成されているロー
ラ本体を冷却する工程とを具えることを特徴とする。
【0008】本発明では、樹脂の膜を形成するため所望
の物理特性を有する樹脂の繊維を用意し、樹脂繊維をロ
ーラ本体に巻回して樹脂繊維層を形成する。繊維層は巻
回機を用いることにより均一に形成できるので、チュー
ブをかぶせる場合よりも一層容易にしかも均一に形成で
きる。
【0009】さらに、本発明では、繊維層が形成された
ローラ本体を主として赤外線により加熱する赤外炉のよ
うな加熱炉内に配置し、減圧下において樹脂繊維層を溶
融させる。この際、大気圧下で加熱すると炉内の空気も
加熱してしまい、熱効率が悪く加熱に長時間かかる不都
合が生じてしまう。特に、下地が樹脂層の場合加熱に長
時間かかると下地の樹脂層に炭化等の劣化が生じてしま
う。これに対して、減圧下で加熱すれば、熱伝導はほと
んど生じないため、主として赤外線により加熱されるこ
とになる。従って、輻射される赤外線の大部分が樹脂繊
維層に吸収され、熱効率が一層良好になるばかりでな
く、下地の樹脂層がほとんど加熱されず、下地層の劣化
を防止することができる。例えば、ヒートローラ定着装
置の加圧ローラのようにシリコンゴム上にその耐熱温度
よりも高い融点のテフロン層を被覆する場合、テフロン
を溶融するのに長時間かかると下地のシリコンゴムが劣
化する不具合が生じてしまう。これに対して、本発明の
ように減圧下で赤外線加熱を行えば、輻射される赤外線
はほとんど外側の樹脂繊維層に吸収され下地のシリコン
ゴムには吸収されず下地のシリコンゴムは加熱されにく
いので、下地のシリコンゴムを劣化させることなくテフ
ロン被覆を形成できる。すなわち、減圧下により赤外線
加熱する場合放射される熱エネルギーの大部分が繊維層
に吸収され、繊維層は下地のシリコンゴム層に対する保
護層として機能し、この結果下地層を熱劣化させること
なくテフロン被覆を形成することができる。この場合、
樹脂繊維は短時間で溶融するので、下地層の材料の耐熱
温度よりも高い融点の樹脂膜を形成するのに有効であ
る。
【0010】さらに、本発明では、ローラ本体の外周面
に形成した繊維層はローラ本体の外周面に均一に形成さ
れるので、減圧下での赤外線加熱との組合わせにおいて
極めて良好な加熱処理を行うことができる。すなわち、
巻回機を用いて樹脂繊維を巻回すれば、下地のシリコン
ゴム層上に樹脂繊維を密着するように巻回でき、すなわ
ち下地層と繊維層との間の接触面積が大きく、従って加
熱溶融後の下地層と樹脂層との間でより強い接合強度が
得られる。これに対して、粉体の樹脂を静電塗装により
形成して溶融接合する場合、粉体と下地との間の接触面
積が小さいため下地層と樹脂層との間に強い接合強度を
得ることができない。従って、樹脂繊維を用いて繊維層
を形成することと減圧下で赤外線加熱を行うこととを組
み合わせることにより、下地層を熱劣化させることなく
一層良好な接合強度を得ることができる。
【0011】さらに、形成される樹脂層の膜厚さは、ほ
ぼ樹脂繊維の直径により制御されるので、使用する繊維
の直径を規定するだけで正確に膜厚制御できる。この結
果、製造の歩留りを一層向上させることができる。特
に、直径の小さい繊維を用いれば、膜厚が50μm程度
の薄い樹脂層を正確に形成することができる。
【0012】さらに、本発明による樹脂被覆ローラの製
造方法は、物理的特性が相異する2以上の樹脂の膜で被
覆された樹脂被覆ローラを製造するに際し、ローラ本体
の外周面に、物理的特性が互いに異なる2以上の樹脂繊
維を積層するように巻回して2以上の樹脂繊維層を形成
する工程と、樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加
熱炉内に配置し、減圧下において加熱することにより巻
回された樹脂繊維を溶融させて物理的特性の異なる2以
上の樹脂膜を積層形成する工程と、溶融した樹脂膜が形
成されているローラ本体を冷却する工程とを具えること
を特徴とする。
【0013】このように、ローラ本体の外周面に、物理
的特性が互いに異なる2以上の樹脂繊維を積層して加熱
炉内で各繊維層を溶融させれば、1回の溶融工程で特性
の異なる複数の樹脂層を同時に形成することができ、製
造工程が一層簡単化できる。特に、従来の帯電ローラは
導電率が異なる複数の層が各層毎に積層形成されるの
で、帯電ローラの製造に極めて好適である。尚、例えば
ナイロン繊維とレーヨン繊維のように組成の異なる繊維
を積層形成することもできる。
【0014】さらに、本発明による樹脂被覆ローラの製
造方法は、膜厚が異なる2以上の樹脂の膜で被覆された
樹脂被覆ローラを製造するに際し、ローラ本体の外周面
に、直径が互いに異なる2以上の樹脂繊維を積層するよ
うに巻回して2以上の樹脂繊維層を形成する工程と、樹
脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
し、減圧下において加熱することにより巻回された樹脂
繊維を溶融させて膜厚が互いに相違する2以上の樹脂膜
を積層形成する工程と、溶融した樹脂膜が形成されてい
るローラ本体を冷却する工程とを具えることを特徴とす
る。
【0015】溶融形成される樹脂層の膜厚はほぼ巻回し
た繊維の直径により制御されるので、直径が互いに異な
る2以上の樹脂繊維を積層すれば、1回の加熱溶融処理
により膜厚が互いに異なる複数の樹脂層を同時に形成す
ることができる。
【0016】さらに、本発明の樹脂被覆ローラの製造方
法は、ローラ面が樹脂の膜で被覆された樹脂被覆ローラ
を製造するに際し、ローラ本体の外周面に、直径が互い
に異なると共に物理的特性が互いに異なる2以上の樹脂
繊維を積層するように巻回して2以上の樹脂繊維層を形
成する工程と、樹脂繊維が巻回されているローラ本体を
加熱炉内に配置し、減圧下において加熱することによ
り、巻回された樹脂繊維を溶融させて膜厚及び物理的特
性が互いに相違する2以上の樹脂膜を積層形成する工程
と、溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却
する工程とを具えることを特徴とする。このように、物
理的特性及び直径が異なる複数の樹脂繊維層を形成して
加熱溶融処理を行えば、物理的特性及び膜厚の両方が互
いに異なる複数の樹脂層を同時に形成することができ
る。
【0017】さらに、本発明の樹脂被覆ローラの製造方
法は、ローラ面が樹脂の膜で被覆された樹脂被覆ローラ
を製造するに際し、ローラ本体の外周面に、樹脂繊維を
ローラ本体の軸線方向に沿って巻回密度が変化するよう
に巻回して樹脂繊維層を形成する工程と、樹脂繊維が巻
回されているローラ本体を加熱炉内に配置し、減圧下に
おいて加熱することにより、巻回された樹脂繊維を溶融
させてローラ本体の軸線方向に沿って膜厚が連続的に変
化する樹脂膜を形成する工程と、溶融した樹脂膜が形成
されているローラ本体を冷却する工程とを具えることを
特徴とする。このように、樹脂繊維の巻回密度をローラ
本体の軸線方向に沿って連続的に変化させることによ
り、軸線方向に沿って膜厚が連続的に変化するローラを
容易に製造することができる。特に、ヒートローラ定着
装置の加圧ローラのように軸線方向に沿って直径が連続
的に変化するクラウンローラ又は逆クラウンローラを容
易に製造することができる。
【0018】本発明による樹脂被覆ローラの製造方法
は、ローラ軸線方向に沿って膜厚が連続的に変化する樹
脂の膜で被覆されローラを製造するに際し、ローラ本体
の軸線方向に沿って積層数が連続的に変化するように樹
脂繊維を巻回して繊維層を形成する工程と、繊維層が形
成されたローラ本体を加熱炉内に配置し、減圧下におい
て加熱することにより巻回された樹脂を溶融させてロー
ラ軸線方向に沿って膜厚が連続的に変化する樹脂膜を形
成する工程と、溶融した樹脂膜が形成されているローラ
本体を冷却する工程とを具えることを特徴とする。
【0019】さらに本発明の樹脂被覆ローラの製造方法
は、2以上の樹脂の膜で被覆された樹脂被覆ローラを製
造するに際し、ローラ本体の外周面に樹脂繊維を巻回し
て繊維層を形成する工程と、この樹脂繊維層上に粉体の
樹脂を塗布して粉体層を形成する工程と、樹脂繊維層及
び粉体層が形成されているローラ本体を加熱炉内に配置
し、減圧下において加熱することにより、巻回された樹
脂繊維及び粉体の樹脂を溶融させて2以上の樹脂膜を同
時に形成する工程と、溶融した樹脂膜が形成されている
ローラ本体を冷却する工程とを具えることを特徴とす
る。
【0020】シリコンゴム層上にその耐熱温度よりも高
い温度の融点を有し高い離型性を有するフッ素樹脂の膜
を形成する場合、十分な接合強度が得られないことがあ
る。この場合下側の繊維層としてシリコンゴム及びフッ
素樹脂の両方に対して相溶性を有する樹脂材料として用
い、粉体層の樹脂材料としてPFAやPFTEのような
優れた離型性は有する材料を用いれば、加熱時に下側の
繊維層にシリコンゴムに対する保護層として作用し、こ
の結果シリコンゴム層に熱劣化が生ずることなく高い離
型性を有する弾性樹脂被覆ローラを製造することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】図1A〜Dは本発明による樹脂被
覆ローラの製造方法の順次の製造を示す線図的断面図で
ある。本例では、ヒートロール定着装置の加圧ローラの
外周面にフッ素樹膜を形成する場合について説明する。
図1Aに示すように、ローラ本体1を用意する。このロ
ーラ本体1は金属製のローラシャフト2の外周面にシリ
コンゴム層3が形成されている。図1Bに示すように、
ローラ本体1のシリコンゴム層3上に接着剤層4を形成
する。この接着剤層3として、シリコン系接着剤又はフ
ッ素系接着剤或いはこれら2個の接着剤を用いることが
できる。尚、接着剤層は必要に応じて形成するものと
し、接着剤が不要な場合、勿論接着剤層を省略すること
ができる。
【0022】次に、図1Cに示すように、接着剤層4上
にフッ素樹脂繊維を巻回してフッ素樹脂の繊維層5を形
成する。この繊維層5は巻回機を用いることにより、極
めて容易に均一な密度で下地のシリコンゴム層上に密着
して巻回形成することができる。また、形成すべきフッ
素樹脂層の膜厚に応じてフッ素樹脂繊維の直径法を選択
する。すなわち、厚いフッ素樹脂層を形成する必要があ
る場合には大きい直径の繊維を用い、薄いフッ素樹脂層
を形成する場合には細い直径の維持を用いる。尚、図面
上、繊維層5は1層構造としたが、形成すべき樹脂層の
膜厚に応じて複数層巻回することもできる。
【0023】次に、繊維層5が形成されているローラ本
体を赤外線加熱炉内に配置してフッ素樹脂繊維層5を溶
融させてフッ素樹脂層を形成する。この際、炉内は減圧
条件に設定する。この減圧条件として例えば0.1トー
ル程度に設定することができる。尚、この減圧は、加熱
しながら脱気して炉内圧力を低下させてもよく、又は炉
内圧力を一定値まで減圧してから加熱してもよい。
【0024】次に、ローラ本体を冷却することにより、
図1Dに示すように、シリコンゴム層3上に均一な膜厚
のフッ素樹脂膜6が形成された樹脂被覆ローラが完成す
る。
【0025】図2A〜Cは本発明の変形例の順次の工程
を示す線図的断面図である。本例では、導電率の異なる
2個の導電層を有する樹脂被覆ローラを製造する例につ
いて説明する。図2Aに示すように、ローラ本体1は金
属性のシャフト2を有し、この上に導電性の弾性ゴム層
3を形成する。この導電性の弾性ゴム材料として例えば
導電性のウレタンゴムを用いる。
【0026】次に、図2Bに示すように、弾性ゴム層2
上に第1の導電性繊維を巻回して第1の繊維層10を形
成し、この上に第2の導電性繊維を巻回して第2の繊維
層を形成する。これらの導電性繊維として例えばナイロ
ン系、レーヨン系、ポリアミド系、ポリエステル、ポリ
オレフェル、再生セルロース、ポリアクリロニトリル等
の繊維を用いることができる。これら第1及び第2の導
電性繊維の導電率はローラの用途に応じて定めることが
でき、本例では下側の第1の導電性繊維を高い導電率を
有する繊維で構成し、上側の第2の導電性繊維より低い
導電率を有する導電性繊維で構成する。また、第1及び
第2の繊維は誘電率に基づいて規定することもでき、例
えば下側の第1の繊維は高誘電率材料とし、上側の第2
の繊維を低誘電率材料で構成することもできる。この場
合、誘電率の異なる複数の樹脂層を同時に形成すること
ができる。この場合においても、膜厚が正確に規定され
るので、厳格な誘電率の精度が要求されるローラに好適
である。
【0027】次に、第1及び第2の繊維層10及び11
が形成されたローラ本体1を赤外線加熱炉内に配置し、
減圧下において加熱して第1及び第2の繊維層10及び
11を溶融させる。その後、ローラ本体を冷却すること
により、図2Cに示すように、ローラ本体上に第1の樹
脂膜20及び第2の樹脂膜21が積層形成された複合樹
脂ローラが完成する。尚、本例では2個の繊維層を巻回
形成して2個の樹脂層を積層する構造としたが、2個以
上の繊維層を巻回形成することにより2個以上の樹脂層
を積層形成できることは勿論のことである。
【0028】さらに、本例では電気的特性に着目した複
合ローラについて説明したが、離型性に着目した複合ロ
ーラとすることもできる。この場合弾性ゴム層2として
シリコンゴム層を用い、第2の樹脂繊維として離型性の
高いフッ素樹脂繊維を用い、弾性ゴム層2と第2の繊維
層の樹脂材料としてシリコンとフッ素樹脂の両方に対し
て相溶性を有する樹脂材料を用いる。この場合第1の樹
脂膜20はシリコンとフッ素樹脂に対するバインダとし
ての効果を有し、シリコンゴム上にフッ素樹脂被膜を強
い接合強度を以って形成することができる。この複合ロ
ーラはヒートロール定着装置用の加圧ローラとして並び
にヒートロールとして極めて高い有用性を有している。
【0029】図3は図2に示す製造方法の変形例を示
す。本例では、第1の繊維層10と第2の繊維層11と
の間に第3の樹脂層12を介在させる。この第3の層に
はエマルジョン型の樹脂層とすることもでき、又はフィ
ルム状の樹脂層とすることもできる。尚、この第3の樹
脂層は複合ローラの用途に応じて種々の特性をもたせる
ことができ、例えば第1の繊維層10と第2の繊維層と
を接合させるためのバインダ層として利用することもで
きる。尚、電気的な用途に用いる場合には、例えば高導
電性材料又は高抵抗性材料とすることもできる。
【0030】次に、繊維層が形成されたローラ本体を加
熱炉内に配置し、減圧条件下に置いて加熱処理を行い3
個の樹脂をほぼ同時に溶融させることにより、第1、第
2及び第3の樹脂20,21及び22が積層形成された
複合樹脂が完成する。
【0031】図4は本発明による樹脂被覆ローラの変形
例を示す線図的断面図である。本例では、膜厚の異なる
複数の樹脂膜を同時に形成する例について説明する。図
4Aに示すように、ローラ本体1の外周面に第1の繊維
層10を巻回形成し、その上に第2の繊維層11を巻回
形成する。そして、第1の繊維層10の樹脂繊維の直径
を第2の繊維層11の樹脂繊維の直径よりも小さくす
る。
【0032】次に、2個の繊維層が形成されたローラ本
体を加熱処理し、各繊維層の樹脂繊維を溶融して2個の
樹脂膜10及び11を積層形成する。この場合樹脂膜の
膜厚は主として繊維の直径により制御されるので、膜厚
の薄い第1の樹脂層20と厚い膜厚の第2の樹脂膜21
が1回の加熱処理工程により同時に形成される。尚、第
1及び第2の繊維層の樹脂繊維は、直径を互いに相違さ
せるだけでなく、その物理的特性例えば導電率や誘電
率、或いは離型性を併せて相異させることができる。こ
の場合膜厚だけでなく物理的特性も相違する2以上の樹
脂膜を1回の加熱処理により同時に形成することがてき
る。
【0033】図5は本発明の樹脂被覆ローラの別の変形
例を示す。本例では、ローラの軸線方向に沿って樹脂膜
の膜厚が連続的に変化した樹脂被覆ローラの製造方法に
ついて説明する。図5Aに示すように、軸線lに沿って
同一直径の金属製造のローラシャフトをローラ本体1と
して用い、その外周面に樹脂繊維を巻回する。巻回に際
し、ローラ軸線lに沿って巻回密度を変化させる。本例
では、ローラ軸線lの両端側において密に巻回し、中央
部に向くに従って疎に巻回する。
【0034】次に、このローラ本体を加熱処理し、樹脂
繊維を溶融させる。溶融形成される樹脂膜の膜厚は巻回
される樹脂繊維の巻回密度により制御されるので、冷却
後図5Bに示す樹脂膜31が樹脂膜が形成される。この
樹脂膜の膜厚は、中央部が薄く、両端に向くに従って連
続的に厚くなるように形成される。この結果、ストレー
トのローラシャフトを用いて軸線方向に沿って直径が連
続的に変化するローラを製造することができる。この場
合、巻回密度を適切に設定することによりクラウン形状
又は逆クラウン形状の樹脂被覆ローラを製造することが
できる。
【0035】図6は本発明によるヒートロール定着装置
に用いられるヒートロールの製造方法を示す。本例で
は、逆クラウン形状のヒートロールを製造する例につい
て説明する。図6Aに示すように、芯金としてアルミパ
イプ40を用いる。このアルミパイプ40は軸線lに沿
って同一の外形を有するストレートのパイプとする。こ
のアルミパイプの外周面にフッ素子の接着層(図示せ
ず)を形成する。次に、フッ素樹脂繊維を巻回してフッ
素樹脂繊維層41を形成する。このフッ素樹脂繊維層4
1は、ローラ軸線lに沿って両端側から中央部に向けて
積層数が徐々に減少するように巻回形成する。
【0036】次に、このーラ本体を加熱炉内に配置し、
減圧下において赤外線加熱を行い。フッ素樹脂の繊維を
溶融させる。この加熱溶融は、ローラ本体を水平に支持
し重力の影響を回避することが好ましい。その後冷却す
る。この際、アルミパイプ40上に形成されるフッ素樹
脂膜41の膜厚は、積層した繊維の数に応じて決まるの
で、量感側が厚く中央部に向く従って薄くなる膜厚とな
る。従って、ストレートのパイプを用いて逆クラウン形
状のヒートロールが得られる。その後、アルミパイプの
両端にギィヤを取りつけることによりヒートロールが完
成する。尚、本例では逆クラウン形状のヒートロールと
したが、中央部の積層繊維数を多くし、両端に向くに従
って積層繊維数を少なくすれば、クラウン形状のヒート
ロールが完成する。さらに、本例では、アルミパイプ上
に直接フッ素樹脂層を形成したが、勿論アルミパイプ上
に約0.5mm厚のシリコンゴム層を形成し、その上に
フッ素樹脂層を形成することもできる。
【0037】さらに、図6に示す実施例は、ローラ本体
としてシリコンゴム層が形成されている加圧ローラを用
い、その上に軸線l方向に沿って積層繊維数が徐々に変
化するようにフッ素樹脂繊維を積層巻回し、その後加熱
処理することによりクラウン又は逆クラウン形状の加圧
ローラを製造することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明にれば、ロー
ラ本体に樹脂繊維を巻回して樹脂繊維層を形成し、加熱
炉内において減圧下で加熱溶融させているので、下地層
を熱劣化させることなく高い接合強度の樹脂被覆を形成
することができる。
【0039】図7A〜Cは本発明による樹脂被覆ローラ
の製造方法の別の変形例を示す線図的断面図である。本
例では、ローラ本体の下地層である弾性シリコンゴム層
上にPFAやPTFAのような極めて高い離型性を有す
る粉体材料から形成される樹脂膜を形成する側について
説明する。図7Aに示すように、外周面に弾性シリコン
ゴム層3が形成されているローラ本体1を用意する。
【0040】次に、図7Bに示すように、ローラ本体1
上に繊維層50を巻回形成する。この樹脂繊維として、
シリコン及びフッ素樹脂の両方の材料に対して相溶性を
有する樹脂材料を用いる。次に、繊維層5上にPFAや
PTFAのような粉体のフッ素樹脂を塗布して粉体層5
1を形成する。このローラ本体を加熱炉内に配置し減圧
下において加熱して繊維層50及び粉体層51を溶融
し、図7Cにしめすようなシリコンゴム層上に2個の樹
脂層52及び53が形成された複合樹脂被覆ローラが完
成する。このように構成することにより、粉体の樹脂材
料からも所望の物理特性を有する樹脂被覆ローラが完成
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂被覆ローラ 製造方法の順次工程
を示す線図的断面図である。
【図2】2個の樹脂層を積層形成する例を示す線図的断
面図である。
【図3】2個の樹脂層を積層形成する例を示す線図的断
面図である。
【図4】2個の樹脂層を積層形成する例を示す線図的断
面図である。
【図5】軸線方向に沿って膜厚が変化する例を示す線図
的断面図である。
【図6】逆クラウン形状のヒートローラを製造する例を
示す線図的断面図である。
【図7】本発明の樹脂被覆ローラの製造方法の別の変形
例を示す線図的断面図である。
【符号の説明】
1 ローラ本体 2 ローラシャフト 3 シリコンゴム層 4 接着剤層 5 繊維層 6 フッ素樹脂膜 10 第1の繊維層 11 第2の繊維層 20 第1の樹脂層 21 第2の樹脂層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ面が樹脂の膜で被覆された樹脂被
    覆ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に、必要な物理特性を有する樹脂の
    繊維を巻回して樹脂繊維層を形成する工程と、 樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
    し、減圧下において加熱することにより、巻回された樹
    脂繊維を溶融させて樹脂膜を形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記ローラ本体が弾性ゴム層を有し、こ
    の弾性ゴム層上に樹脂繊維を巻回して樹脂膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆ローラの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記ローラ本体の弾性ゴム層上に接着剤
    層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の
    樹脂被覆ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱炉を主として赤外線により加熱
    する赤外線加熱炉としたことを特徴とする請求項1、2
    又は3に記載の樹脂被覆ローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 2以上の樹脂の膜で被覆された樹脂被覆
    ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に、物理的特性が互いに異なる2以
    上の樹脂繊維を積層するように巻回して2以上の樹脂繊
    維層を形成する工程と、 樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
    し、減圧下において加熱することにより巻回された樹脂
    繊維を溶融させて物理的特性の異なる2以上の樹脂膜を
    積層形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記物理特性を導電率としたことを特徴
    とする請求項5に記載の樹脂被覆ローラの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記物理特性を誘電率としたことを特徴
    とする請求項5に記載の樹脂被覆ローラの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記物理特性を融点とし、ローラ本体の
    内側に第1の融点の樹脂の繊維層を形成し、その上に第
    1の融点よりも高い融点の樹脂の繊維層を形成し、ロー
    ラ本体の外周側により高い融点の樹脂層を形成すること
    を特徴とする請求項5に記載の樹脂被覆ローラの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂繊維層間に接着剤層が介在する
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂被覆ローラの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 膜厚が異なる2以上の樹脂の膜で被覆
    された樹脂被覆ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に、直径が互いに異なる2以上の樹
    脂繊維を積層するように巻回して2以上の樹脂繊維層を
    形成する工程と、 樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
    し、減圧下において加熱することにより巻回された樹脂
    繊維を溶融させて膜厚が互いに相違する2以上の樹脂膜
    を積層形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 膜厚及び物理特性が異なる2以上の樹
    脂の膜で被覆された樹脂被覆ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に、直径が互いに異なると共に物理
    的特性が互いに異なる2以上の樹脂繊維を積層するよう
    に巻回して2以上の樹脂繊維層を形成する工程と、 樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
    し、減圧下において加熱することにより、巻回された樹
    脂繊維を溶融させて膜厚及び物理的特性が互いに相違す
    る2以上の樹脂膜を積層形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 ローラ軸線に沿って膜厚が変化する樹
    脂の膜で被覆された樹脂被覆ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に、樹脂繊維をローラ本体の軸線方
    向に沿って巻回密度が連続的に変化するように巻回して
    樹脂繊維層を形成する工程と、 樹脂繊維が巻回されているローラ本体を加熱炉内に配置
    し、減圧下において加熱することにより、巻回された樹
    脂繊維を溶融させてローラ本体の軸線方向に沿って膜厚
    が連続的に変化する樹脂膜を形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  13. 【請求項13】 ローラ軸線方向に沿って膜厚が連続的
    に変化する樹脂の膜で被覆されローラを製造するに際
    し、 ローラ本体の軸線方向に沿って積層数が連続的に変化す
    るように樹脂繊維を巻回して繊維層を形成する工程と、 繊維層が形成されたローラ本体を加熱炉内に配置し、減
    圧下において加熱することにより巻回された樹脂を溶融
    させてローラ軸線方向に沿って膜厚が連続的に変化する
    樹脂膜を形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 2以上の樹脂の膜で被覆された樹脂被
    覆ローラを製造するに際し、 ローラ本体の外周面に樹脂繊維を巻回して繊維層を形成
    する工程と、 この樹脂繊維層上に粉体の樹脂を塗布して粉体層を形成
    する工程と、 樹脂繊維層及び粉体層が形成されているローラ本体を加
    熱炉内に配置し、減圧下において加熱することにより、
    巻回された樹脂繊維及び粉体の樹脂を溶融させて2以上
    の樹脂膜を同時に形成する工程と、 溶融した樹脂膜が形成されているローラ本体を冷却する
    工程とを具えることを特徴とする樹脂被覆ローラの製造
    方法。
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