JPH10105159A - 弦楽器のオゾン処理方法及び装置、並びに弦楽器の製造方法 - Google Patents

弦楽器のオゾン処理方法及び装置、並びに弦楽器の製造方法

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JPH10105159A
JPH10105159A JP8280320A JP28032096A JPH10105159A JP H10105159 A JPH10105159 A JP H10105159A JP 8280320 A JP8280320 A JP 8280320A JP 28032096 A JP28032096 A JP 28032096A JP H10105159 A JPH10105159 A JP H10105159A
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ozone gas
ozone
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Masayuki Node
正之 野手
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたる経年変化を待つことなく、年月
を経た名器に匹敵する性能を発揮し得る弦楽器を得る。 【解決手段】 弦楽器をオゾンガスに晒すことで経年変
化を人工的に創出する。本発明のオゾン処理装置11
は、弦楽器を収容する気密容器13と、オゾンガスを発
生させるオゾン発生器14と、オゾンガス発生器14で
発生したオゾンガスを気密容器13に供給するための供
給流路16と、気密容器13内のガスをオゾン発生装置
14に供給する環流流路17と、オゾンガス発生器14
で発生したオゾンガスを気密容器13に送給するエアー
ポンプ15と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバイオリン等の弦楽
器の音色や響きを向上させる技術に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】バイオリン等の弦楽器
は、演奏家用の高級品から一般用の製品までその性能に
は幅がある。その性能の違いは発生される音色や響きに
ある。特に、共鳴基本音の整数倍の振動数をもつ倍音が
強く発生されることが、良い音色を生み出すことに多大
に寄与するといわれている。例えばバイオリンでは、そ
の胴部を構成する表板及び裏板が共鳴板として働く。そ
して、木製である表板及び裏板の材質、加工状態、表面
の微細な凹凸、塗装の状態等が理想的条件を満たすと
き、倍音が効果的に発生され、その結果、良い音色とし
て評価される。
【0003】名器とされるバイオリンの多くは、いわゆ
る名工の手作りによるものであることに加え、製作時か
ら長い年月(2〜300年)を経ているものである。こ
れは長年にわたって理想的に使用され保存されることに
より、望ましい経年変化がそのバイオリンに現出した結
果であると考えられる。従って、現代の名工が最高の技
術をもってしても、長い年月を経過した名器の音色を越
えることができないと言われている。
【0004】ところで、年月を経過することにより音色
が変化する原因はバイオリンの構成部品が空気中で化学
反応を起こして材質に変化が生じたためであり、この化
学反応としては空気中の酸素による酸化が一番大きい。
【0005】本発明は上述のような知見に基づき成され
たものである。本発明の目的は長期にわたる経年変化を
待つことなく、年月を経た名器に匹敵する性能を発揮し
得る弦楽器を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め本発明は、弦楽器をオゾンガスに晒すことで経年変化
を人工的に創出することを特徴とする弦楽器のオゾン処
理方法を提供する。オゾンの酸化能力は酸素に比べて極
めて大きく、空気中で長い年月を経て達成される酸化作
用を短期間で得ることを可能とする。
【0007】弦楽器をオゾンに晒す場合、全体をオゾン
ガスに晒すようにしてもよいし、表板と裏板と該表板及
び該裏板を連結する横板とにより構成されるボックス状
の胴部の内部をオゾンガスに晒すようにしてもよい。
【0008】例えば、2ヶ月乃至6ヶ月間連続してオゾ
ンガスに晒すことにより、空気中での数百年分に相当す
る変化を得ることができる。
【0009】このオゾン処理方法によれば、既存の完成
した弦楽器に対して後から処理することが可能となる。
【0010】また、上述の目的を達成する本発明にかか
る弦楽器のオゾン処理装置は、弦楽器を収容する気密容
器と、オゾンガスを発生させるオゾン発生器と、前記オ
ゾンガス発生器で発生したオゾンガスを前記気密容器に
供給するための供給流路と、前記気密容器内のガスを前
記オゾン発生装置に供給する環流流路と、前記オゾンガ
ス発生器で発生したオゾンガスを前記気密容器に送給す
るエアーポンプと、を有することを特徴とする。
【0011】この弦楽器のオゾン処理装置によれば、気
密容器内の空気をオゾン発生器に戻して循環させること
で気密容器内のオゾン濃度を漸次増大させることがで
き、高濃度のオゾンガス環境を比較的低コストにて得る
ことができる。
【0012】また、上述の目的を達成する本発明にかか
る弦楽器の製造方法は、製造対象物をオゾンガスに晒す
オゾン処理工程を有することを特徴とする。このオゾン
処理工程は、弦楽器を構成する部品の組み立て工程の後
に設けてもよいし、組み立て工程の前に設けてもよい。
【0013】これらはバイオリンに好適に適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に代表的な弦楽器であるバイ
オリンに適用した本発明の実施の形態について説明す
る。
【0015】最初に、バイオリンの構造の概要を述べ
る。バイオリンの共鳴箱である胴部は、独特の曲線形状
からなる輪郭を有し弦が張られる側の表板と、弦のない
側の裏板と、これら2枚の板をその輪郭に沿って連結す
る横板とから構成される。表板、裏板、及び横板で構成
される胴部の内部は中空の共鳴箱となる。さらに表板に
は、中央部両側2カ所にf孔が設けられる。通常、表板
にはスプルス材が使用され、裏板にはカエデ材が使用さ
れる。
【0016】本発明にかかるオゾン処理方法は、弦楽器
(バイオリン)をオゾンガスに晒すことで経年変化を短
期間で人工的に創出するものである。オゾン(O3)の
酸化能力は酸素に比べて極めて大きいので、自然の状態
で空気中で長い年月を経て達成される酸化作用を短期間
で得ることができる。この処理を施されたバイオリンは
倍音が豊かとなり、甘い響きのするものとなり、数百年
を経た名器に匹敵する性能を発揮し得るようになる。
【0017】図1にこの方法に使用するオゾン処理装置
の概略構成図を示す。図1に示すように、このオゾン処
理装置11は、バイオリン12を収容する気密容器13
と、オゾンガスを発生させるオゾン発生器14と、循環
気流を生じさせるエアーポンプ15を有している。気密
容器13には図示しない開閉蓋があり、そこからバイオ
リン12を出し入れできるようにされ、気密容器13内
でバイオリン12は適当な支持具(図示せず)により固
定支持されるようになっている。
【0018】オゾンガス発生器14の吐出側にエアーポ
ンプ15が接続され、エアーポンプ15の吐出側に気密
容器13につながる供給流路16が接続される。オゾン
ガス発生器14で発生したオゾンガスはエアーポンプ1
5により供給流路16を通って気密容器13に供給され
る。オゾン発生器14の吸入側には気密容器13につな
がる環流流路17が接続され、気密容器13内の空気が
オゾン発生器14に供給されるようになっている。
【0019】このオゾン処理装置11では、気密容器1
3内のオゾン入り空気がオゾン発生器14に入り、オゾ
ン発生器14にて新たに生成されたオゾンに混入されて
気密容器13に戻されて循環する。従って、気密容器1
3内のオゾン濃度を漸次増大させることができ、気密容
器13内に高濃度のオゾンガス環境を比較的低コストに
て達成することができる。
【0020】例えば、オゾン発生器14が数十PPMの
オゾン生成能力しか有しない場合でも、循環を繰り返す
ことで気密容器13内を50%以上のオゾン濃度とする
ことが可能である。尚、本処理装置11に必要な気密容
器13内のオゾン濃度は、数PPM程度でも足りるが、
濃度を上げることでより短期間にて所要の処理を行うこ
とができるようになる。
【0021】ここで、バイオリン12に対してオゾンガ
スを接触させる場合において、図1に示すように、オゾ
ンガスの入った気密容器13内にバイオリン12を置く
ことでバイオリン12の全体をオゾンガスに晒すように
してもよい。また、表板、裏板、横板とにより構成され
るボックス状のバイオリン胴部18にオゾンガスを供給
してにその内部を直接オゾンガスに晒すようにしてもよ
い。胴部18内に直接オゾンガスを入れるには、例えば
気密容器13内にバイオリン12を配置した状態で配管
(図示せず)を用いて胴部18のf字孔からオゾンガス
を供給すると共に緒留枕を差し込む孔からオゾンガスを
排出するようにする。
【0022】而して、上記オゾン処理装置11を用いて
気密容器13内にバイオリン12を入れ、一例として6
0PPMのオゾン生成能力を有するオゾン発生器14を
2ヶ月間連続して作動させた結果、バイオリン12の音
色の倍音が豊かとなり、甘い響きのするものとなった。
【0023】上述した処理は既存の完成したバイオリン
に対して後から処理することにより性能の向上を計った
ものであるが、製造過程でこのオゾン処理を施すことも
有効である。つまり、バイオリンの製造工程に製造対象
物をオゾンガスに晒すオゾン処理工程を設けるようにし
てもよい。ここで製造対象物とは、組み立てる前のバイ
オリンの部品、組み立てた後、さらにはニス塗り等を終
えた従来の完成品等を指標するものであり、製造過程の
どの段階において行ってもオゾン処理は有効である。自
然の経年変化を人為的に生じさせる観点から見れば、ニ
ス塗り等通常の製造工程をすべて終えた従来の完成品の
状態でオゾン処理するのが好ましいと考えられるが、例
えば共鳴箱である胴部を構成する部品だけをオゾン処理
してもよい。部品の状態で処理を行うことで省スペース
等効率的なオゾン処理が可能となる。尚、この場合の処
理装置、処理条件等は上述と同様である。
【0024】以上、本発明をバイオリンを例として説明
したが、本発明は、例えばビオラ、チェロ、ギター等の
他の弦楽器にも同様に適用でき、同様の作用を実現でき
る。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、弦楽器をオゾンガスに
晒すことで経年変化を人工的に創出するようにしたの
で、空気中で長い年月を経て達成される酸化作用を短期
間で得ることが可能となる。その結果、古い名器に特徴
的な響きにおける倍音の増加、音色の甘さの増大等の弦
楽器の性能の向上が達成される。
【0026】従って本発明によれば、名器と称される弦
楽器に匹敵する音色を発生可能な一般使用のための弦楽
器が、安価に提供されることとなり、よって当該音楽部
門の専門家、教師、学生等に対して多大な恩恵をもたら
すこととなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の態様の一例にかかるオゾン処
理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
11 オゾン処理装置 12 バイオリン 13 気密容器 14 オゾン発生器 15 エアーポンプ 16 供給流路 17 環流流路 18 胴部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弦楽器をオゾンガスに晒すことで経年変
    化を人工的に創出することを特徴とする弦楽器のオゾン
    処理方法。
  2. 【請求項2】 弦楽器の全体をオゾンガスに晒すことを
    特徴とする請求項1記載の弦楽器のオゾン処理方法。
  3. 【請求項3】 弦楽器は表板と裏板と該表板及び該裏板
    を連結する横板とにより構成されるボックス状の胴部を
    有し、前記胴部の内部をオゾンガスに晒すことを特徴と
    する請求項1記載の弦楽器のオゾン処理方法。
  4. 【請求項4】 2ヶ月乃至6ヶ月間連続してオゾンガス
    に晒すことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載
    の弦楽器のオゾン処理方法。
  5. 【請求項5】 弦楽器を収容する気密容器と、オゾンガ
    スを発生させるオゾン発生器と、前記オゾンガス発生器
    で発生したオゾンガスを前記気密容器に供給するための
    供給流路と、前記気密容器内のガスを前記オゾン発生装
    置に供給する環流流路と、前記オゾンガス発生器で発生
    したオゾンガスを前記気密容器に送給するエアーポンプ
    と、を有することを特徴とする弦楽器のオゾン処理装
    置。
  6. 【請求項6】 製造対象物をオゾンガスに晒すオゾン処
    理工程を有することを特徴とする弦楽器の製造方法。
  7. 【請求項7】 弦楽器を構成する部品を組み立てた後に
    オゾンガスに晒すことを特徴とする請求項6記載の弦楽
    器の製造方法。
  8. 【請求項8】 弦楽器を構成する部品を組み立てる前に
    オゾンガスに晒すことを特徴とする請求項6記載の弦楽
    器の製造方法。
  9. 【請求項9】 弦楽器の全体をオゾンガスに晒すことを
    特徴とする請求項7記載の弦楽器の製造方法。
  10. 【請求項10】 弦楽器は表板と裏板と該表板及び該裏
    板を連結する横板とにより構成されるボックス状の胴部
    を有し、前記胴部の内部をオゾンガスに晒すことを特徴
    とする請求項7記載の弦楽器の製造方法。
  11. 【請求項11】 2ヶ月乃至6ヶ月間連続してオゾンガ
    スに晒すことを特徴とする請求項6乃至10いずれかに
    記載の弦楽器の製造方法。
JP8280320A 1996-10-01 1996-10-01 弦楽器のオゾン処理方法及び装置、並びに弦楽器の製造方法 Pending JPH10105159A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1758094A1 (en) 2005-08-23 2007-02-28 Yamaha Corporation Component of musical instrument, musical instrument and production method of the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1758094A1 (en) 2005-08-23 2007-02-28 Yamaha Corporation Component of musical instrument, musical instrument and production method of the same
JP2007057676A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Yamaha Corp 楽器用部材または楽器とその製造方法
US7671260B2 (en) 2005-08-23 2010-03-02 Yamaha Corporation Component of musical instrument, musical instrument and production method of the same

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