JPH0996A - 生分解性海藻養殖網 - Google Patents
生分解性海藻養殖網Info
- Publication number
- JPH0996A JPH0996A JP14857695A JP14857695A JPH0996A JP H0996 A JPH0996 A JP H0996A JP 14857695 A JP14857695 A JP 14857695A JP 14857695 A JP14857695 A JP 14857695A JP H0996 A JPH0996 A JP H0996A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- biodegradable
- seaweed
- resin
- net
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Cultivation Of Seaweed (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 海苔の胞子付着、海苔葉体育苗、さらに2〜
3年の実用に耐え、最終的には海洋中で生分解する海苔
の養殖に好適な海藻養殖網を提供する。 【構成】 生分解性繊維により構成された海藻養殖網
であって、繊維の表面にポリビニルアルコ−ル系樹脂が
存在することを特徴とする海藻養殖網。
3年の実用に耐え、最終的には海洋中で生分解する海苔
の養殖に好適な海藻養殖網を提供する。 【構成】 生分解性繊維により構成された海藻養殖網
であって、繊維の表面にポリビニルアルコ−ル系樹脂が
存在することを特徴とする海藻養殖網。
Description
【産業上の利用分野】本発明は、海苔等の養殖に好適な
海藻養殖網に関する。
海藻養殖網に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコ−ル系繊維(P
VA系繊維)とポリアミド系繊維(ナイロン繊維)の各
々のヤ−ンを交撚したコ−ドを製網したものが海藻養殖
網として使用されている。PVA系繊維は水酸基(OH
基)を有する親水性繊維であるため、海苔の胞子が付着
しやすく成育しやすい特長を有しているため養殖網用と
して好適であり、さらにナイロン繊維を交撚することで
網用コ−ドの屈曲耐久性を向上させていた。また、同様
の目的でポリエチレン繊維をさらに交撚することも知ら
れていた。しかしながら、かかる繊維糸を用いた海藻養
殖網は、トラブルで海洋に流出した場合等に、微生物に
より実質的に分解されることがないため(あるいは分解
速度が極めて遅いため)、海洋生物の生態系に悪影響を
与えていた。また使用済みの網を処分するには、産業廃
棄物として埋めたり焼却するしかなく、使用後の処理の
方法も問題となっていた。以上のことから、生分解性繊
維を用いた海藻養殖網も開発されている。
VA系繊維)とポリアミド系繊維(ナイロン繊維)の各
々のヤ−ンを交撚したコ−ドを製網したものが海藻養殖
網として使用されている。PVA系繊維は水酸基(OH
基)を有する親水性繊維であるため、海苔の胞子が付着
しやすく成育しやすい特長を有しているため養殖網用と
して好適であり、さらにナイロン繊維を交撚することで
網用コ−ドの屈曲耐久性を向上させていた。また、同様
の目的でポリエチレン繊維をさらに交撚することも知ら
れていた。しかしながら、かかる繊維糸を用いた海藻養
殖網は、トラブルで海洋に流出した場合等に、微生物に
より実質的に分解されることがないため(あるいは分解
速度が極めて遅いため)、海洋生物の生態系に悪影響を
与えていた。また使用済みの網を処分するには、産業廃
棄物として埋めたり焼却するしかなく、使用後の処理の
方法も問題となっていた。以上のことから、生分解性繊
維を用いた海藻養殖網も開発されている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】生分解性繊維として
は、「バイオポ−ル(ゼネカ社製)」、「ビオノ−レ
(昭和電工株式会社製)」、「PCL(株式会社グンゼ
製)」などの高分子からなる繊維が知られているが、か
かる繊維は海藻成育性が低い問題があった。たとえば、
海苔を22日培養した場合、PVA系繊維が生残率75
%、ナイロン繊維が生残率70%であるのに対して、バ
イオポ−ル22%、ビオノ−レ45%、PCL33%で
あり、養殖網として不十分なものであった。この原因
は、海藻培養中に繊維表面が生分解されて溝や穴が生
じ、素材表面の脱落と同時に、付着した海苔葉体も同時
に脱落するためと考えられる。またさらに、生分解性繊
維は3か月程度で強度が大幅(繊維強度残存率30%程
度)に低下するため、海苔等の海藻を収穫する2〜3年
後には、強度の低下により繊維が破断し、回収する海藻
に繊維片が混入する問題が生じることとなる。本発明者
等は、以上の問題に鑑み、繊維の生分解を抑制すること
(特に海藻葉体が育成する間)及び繊維強度の低下を抑
制することが重要であることを見出だし、海藻生育性、
生分解性、強度保持性に優れた海藻養殖網を提供するも
のである。
は、「バイオポ−ル(ゼネカ社製)」、「ビオノ−レ
(昭和電工株式会社製)」、「PCL(株式会社グンゼ
製)」などの高分子からなる繊維が知られているが、か
かる繊維は海藻成育性が低い問題があった。たとえば、
海苔を22日培養した場合、PVA系繊維が生残率75
%、ナイロン繊維が生残率70%であるのに対して、バ
イオポ−ル22%、ビオノ−レ45%、PCL33%で
あり、養殖網として不十分なものであった。この原因
は、海藻培養中に繊維表面が生分解されて溝や穴が生
じ、素材表面の脱落と同時に、付着した海苔葉体も同時
に脱落するためと考えられる。またさらに、生分解性繊
維は3か月程度で強度が大幅(繊維強度残存率30%程
度)に低下するため、海苔等の海藻を収穫する2〜3年
後には、強度の低下により繊維が破断し、回収する海藻
に繊維片が混入する問題が生じることとなる。本発明者
等は、以上の問題に鑑み、繊維の生分解を抑制すること
(特に海藻葉体が育成する間)及び繊維強度の低下を抑
制することが重要であることを見出だし、海藻生育性、
生分解性、強度保持性に優れた海藻養殖網を提供するも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、生分解性繊維
により構成された海藻養殖網であって、繊維の表面にポ
リビニルアルコ−ル系樹脂が存在している海藻養殖網を
提供するものである。かかる養殖網を用いることによ
り、海藻育成時の葉体の生残率を高め、繊維強度の低下
を抑制することができる。PVA系樹脂を付与する方法
は、生分解性繊維のヤ−ンをPVA樹脂の水溶液中に浸
漬し、ロ−ル等で絞液した後に、熱風乾燥後250℃程
度の高温で熱処理し、耐水性を付与させる方法等を採用
することができる。繊維をコ−ドや網とした後に加工液
に浸漬して樹脂を付着させてもよい。PVA系樹脂液を
浸漬した場合でも、時間の経過と共にPVA樹脂が溶出
し、さらに製編工程等で樹脂層に亀裂が生じるため、生
分解性繊維の表面が完全に被覆されない。従って、繊維
は生分解を受けにくくなるものの、最終的に生分解され
ることになる。
により構成された海藻養殖網であって、繊維の表面にポ
リビニルアルコ−ル系樹脂が存在している海藻養殖網を
提供するものである。かかる養殖網を用いることによ
り、海藻育成時の葉体の生残率を高め、繊維強度の低下
を抑制することができる。PVA系樹脂を付与する方法
は、生分解性繊維のヤ−ンをPVA樹脂の水溶液中に浸
漬し、ロ−ル等で絞液した後に、熱風乾燥後250℃程
度の高温で熱処理し、耐水性を付与させる方法等を採用
することができる。繊維をコ−ドや網とした後に加工液
に浸漬して樹脂を付着させてもよい。PVA系樹脂液を
浸漬した場合でも、時間の経過と共にPVA樹脂が溶出
し、さらに製編工程等で樹脂層に亀裂が生じるため、生
分解性繊維の表面が完全に被覆されない。従って、繊維
は生分解を受けにくくなるものの、最終的に生分解され
ることになる。
【0005】繊維の生分解性は、PVA樹脂の付着の程
度やPVA樹脂の耐水性を変化させることで調節するこ
とができる。PVAとしては、重合度1000〜300
0、ケン化度95%以上のものが好ましい。PVA系樹
脂の水中への溶出を抑制し耐水性を高めるためには、架
橋剤を添加することが有効である。たとえば、トリメチ
ロ−ルメラミンやヘキサメチロ−ルメラミン、メチロ−
ル尿素等を架橋反応触媒と合わせてPVA系樹脂に添加
し、生分解性繊維糸に処理した後、乾燥し、150℃程
度の温度で架橋反応させることで達成することができ
る。勿論、繊維糸へ樹脂を付与した後、ホルマリン等の
アルデヒド化合物で架橋反応を起こすことも可能であ
る。PVA系樹脂の付着量は生分解速度と関係するが、
繊維重量に対して5〜100重量%付着させるのが好ま
しい。繊維糸の表面をほぼ完全に被覆させるのが好まし
い。なお、本発明でいう生分解性繊維とは、総繊維デニ
−ル1500デニ−ルとしたものを引き揃えて片端を縛
り、自然海洋中(岡山県児島湾沿岸)に1年放置した際
に強力保持率が10%以下となるものをいう。
度やPVA樹脂の耐水性を変化させることで調節するこ
とができる。PVAとしては、重合度1000〜300
0、ケン化度95%以上のものが好ましい。PVA系樹
脂の水中への溶出を抑制し耐水性を高めるためには、架
橋剤を添加することが有効である。たとえば、トリメチ
ロ−ルメラミンやヘキサメチロ−ルメラミン、メチロ−
ル尿素等を架橋反応触媒と合わせてPVA系樹脂に添加
し、生分解性繊維糸に処理した後、乾燥し、150℃程
度の温度で架橋反応させることで達成することができ
る。勿論、繊維糸へ樹脂を付与した後、ホルマリン等の
アルデヒド化合物で架橋反応を起こすことも可能であ
る。PVA系樹脂の付着量は生分解速度と関係するが、
繊維重量に対して5〜100重量%付着させるのが好ま
しい。繊維糸の表面をほぼ完全に被覆させるのが好まし
い。なお、本発明でいう生分解性繊維とは、総繊維デニ
−ル1500デニ−ルとしたものを引き揃えて片端を縛
り、自然海洋中(岡山県児島湾沿岸)に1年放置した際
に強力保持率が10%以下となるものをいう。
【0006】
【0007】[実施例1]生分解性高分子(「バイオポ
−ル」ゼネカ社製:海洋中1年放置後の強度保持率10
%以下)からなる250dのモノフィラメントを合撚
し、製編された養殖網をPVA(重合度1700、ケン
化度99%)の10%水溶液に浸漬し、搾液した後に1
10℃の熱風で乾燥後200℃×5分間の熱処理を行っ
た(PVA樹脂の付着量10重量%)。この網は乾燥時
は硬いものであったが、水に再浸漬すると柔軟な状態に
もどった。この養殖網の小片を用い海苔葉体を付着後室
内培養試験(1か月)を行い、海苔葉体の数を拡大鏡を
用いて肉眼で確認したところ残存率65%であった。次
に野外養殖試験(3か月)で現行のビニロン−ナイロン
交撚海苔網と比べ海苔葉体の育苗生存率は60%と同等
であり、しかも繊維強度の残存率は70%であり、現行
海苔網よりも若干劣る程度で実用上問題ないことが判っ
た。長期間の生分解性については、土中埋没による強制
生分解試験で強度保持率が0%になることから、海洋中
での長期の放置で強度がなくなり、海洋生物への悪影響
が抑制できるものであった。
−ル」ゼネカ社製:海洋中1年放置後の強度保持率10
%以下)からなる250dのモノフィラメントを合撚
し、製編された養殖網をPVA(重合度1700、ケン
化度99%)の10%水溶液に浸漬し、搾液した後に1
10℃の熱風で乾燥後200℃×5分間の熱処理を行っ
た(PVA樹脂の付着量10重量%)。この網は乾燥時
は硬いものであったが、水に再浸漬すると柔軟な状態に
もどった。この養殖網の小片を用い海苔葉体を付着後室
内培養試験(1か月)を行い、海苔葉体の数を拡大鏡を
用いて肉眼で確認したところ残存率65%であった。次
に野外養殖試験(3か月)で現行のビニロン−ナイロン
交撚海苔網と比べ海苔葉体の育苗生存率は60%と同等
であり、しかも繊維強度の残存率は70%であり、現行
海苔網よりも若干劣る程度で実用上問題ないことが判っ
た。長期間の生分解性については、土中埋没による強制
生分解試験で強度保持率が0%になることから、海洋中
での長期の放置で強度がなくなり、海洋生物への悪影響
が抑制できるものであった。
【0008】[比較例1]PVAによる樹脂加工を行わ
ない以外は実施例1と同様の方法で行った。その結果室
内培養試験で海苔葉体の生存率は22%で、野外養殖試
験3か月後の繊維の海苔葉体生存率は15%、強度生存
率は32%であった。
ない以外は実施例1と同様の方法で行った。その結果室
内培養試験で海苔葉体の生存率は22%で、野外養殖試
験3か月後の繊維の海苔葉体生存率は15%、強度生存
率は32%であった。
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、PVA系樹脂を生分解
性繊維に施すことにより、海苔の胞子付着、海苔葉体育
苗、さらに2〜3年の実用に耐え、最終的には海洋中で
生分解する海苔等に好適な海藻養殖網を得ることができ
る。
性繊維に施すことにより、海苔の胞子付着、海苔葉体育
苗、さらに2〜3年の実用に耐え、最終的には海洋中で
生分解する海苔等に好適な海藻養殖網を得ることができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 生分解性繊維により構成された海藻養殖
網であって、繊維の表面にポリビニルアルコ−ル系樹脂
が存在することを特徴とする海藻養殖網。 【0001】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14857695A JPH0996A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 生分解性海藻養殖網 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14857695A JPH0996A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 生分解性海藻養殖網 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0996A true JPH0996A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15455840
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14857695A Pending JPH0996A (ja) | 1995-06-15 | 1995-06-15 | 生分解性海藻養殖網 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0996A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006180721A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Daiichi Seimou Co Ltd | 海藻養殖用網の被覆剤及び被覆加工方法 |
WO2010077146A1 (en) | 2008-12-30 | 2010-07-08 | Seaweed Energy Solutions As | Carrier for growing macroalgae in a water volume, and an arrangement for suspending such carriers |
-
1995
- 1995-06-15 JP JP14857695A patent/JPH0996A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006180721A (ja) * | 2004-12-27 | 2006-07-13 | Daiichi Seimou Co Ltd | 海藻養殖用網の被覆剤及び被覆加工方法 |
WO2010077146A1 (en) | 2008-12-30 | 2010-07-08 | Seaweed Energy Solutions As | Carrier for growing macroalgae in a water volume, and an arrangement for suspending such carriers |
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