JPH0986360A - 車両の側面衝突検知装置 - Google Patents

車両の側面衝突検知装置

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JPH0986360A
JPH0986360A JP7241934A JP24193495A JPH0986360A JP H0986360 A JPH0986360 A JP H0986360A JP 7241934 A JP7241934 A JP 7241934A JP 24193495 A JP24193495 A JP 24193495A JP H0986360 A JPH0986360 A JP H0986360A
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JP
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strain
vehicle
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collision
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JP7241934A
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Inventor
Takashi Tabata
隆司 田畑
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Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の側面への衝突を高精度に検知すること
ができ、安価に実現することができる車両の側面衝突検
知装置を提供することである。 【解決手段】 衝突処理装置1は、車両の側面の衝突の
際の側面の変形によって発生するひずみを検知し、その
ひずみ量に応じた信号を出力するn個の圧電板センサs
1〜snと、各圧電板センサs1〜snの各出力を処理
して中央処理装置2に出力する信号処理回路a1〜an
と、判断手段3とアナログ/デジタル変換器4とを備え
る中央処理装置2とを含んで構成される。判断手段3
は、予め定める演算を行って、演算値を算出し、その演
算値が予め定めるしきい値以上であるときに、衝突が発
生したと判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の側方からの
衝突時の衝撃から乗員を保護する装置を作動するために
好適に用いられる車両の側面衝突検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】衝突時の衝撃から乗員を保護する保護装
置、たとえばエアバッグ装置において、従来、正面への
衝突を検知する手段として、一般的に機械式センサと、
電気的処理が必要な加速度センサおよび圧力センサとが
利用されている。
【0003】前記機械式センサを用いた保護装置におい
て、機械式センサは衝突の衝撃によって、重り等が動い
て機械的にバネ等を抑えていたストッパをはずし、保護
装置は前記バネの弾性力を利用して始動する。
【0004】前記加速度センサを用いた保護装置におい
て、加速度センサは時々刻々と加速度を信号として出力
し、その信号を受け取った処理回路が一定期間の加速度
の積分値が予め定めるしきい値以上の値であると判断す
ると、保護装置に信号を出力し、保護装置が始動する。
【0005】前記圧力センサを用いた保護装置におい
て、圧力センサは、時々刻々と外部からの圧力の状態を
信号として出力し、その信号を受け取った処理回路が一
定期間の圧力の積分値が予め定めるしきい値以上である
と判断すると、保護装置に信号を出力し、保護装置が始
動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近では、乗員の安全
性をさらに向上させるために、正面衝突だけでなく側面
への衝突に対応したいわゆるサイドエアバッグを装備し
た乗用車も市販されている。車両の側面への衝突を検知
する手段としては、正面衝突検知手段として用いられて
いる上記各種のセンサを利用することができる。しかし
ながら、機械式センサは構造が複雑なため比較的高価で
あり、また左右両側面に設ける必要があり、コスト高と
なる。加速度センサの場合も同様に比較的高価であり、
コスト高となる。圧力センサも同様に比較的高価であ
り、さらに高精度に衝突を検知するためには、広範囲な
面積を有する車両側面にそれぞれ複数個設置する必要が
あり、さらにコストが増大する。
【0007】本発明の目的は、車両の側面への衝突を高
精度に検知することができ、安価に実現することができ
る車両の側面衝突検知装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両の側面に
設けられる複数のひずみ検出素子と、前記ひずみ検出素
子からの出力に基づいて予め定める演算を行い、演算値
が予め定めるしきい値以上であるときに、側面に衝突が
発生したと判断する判断手段とを含むことを特徴とする
車両の側面衝突検知装置である。 本発明に従えば、車両の側面への衝突の際の外力によっ
て、車両の側面は変形してひずみが発生する。複数のひ
ずみ検出素子は、そのひずみを検出し、そのひずみ量に
対応した信号を出力する。判断手段は、ひずみ検出素子
の出力信号を用いて予め定める演算を行って演算値を算
出し、その演算値と予め定めたしきい値とを比較して、
演算値がしきい値以上であるときに衝突が発生したと判
断する。このように、各ひずみ検出素子が車両の側面の
ひずみを検出することによって、判断手段は確実に車両
の側面への衝突の発生を判断することができる。またひ
ずみ検出素子は比較的構造が簡単であるため、一般に安
価であり、比較的低コストで衝突検知装置を実現するこ
とができる。
【0009】また本発明のひずみ検出素子は、圧電板で
あることを特徴とする。 本発明に従えば、ひずみ検出素子は力が加わると電荷を
発生する圧電効果を有する圧電板で構成される。圧電板
は比較的構造が簡単であるため、ひずみ検出素子を安価
に構成することができ、比較的低コストで衝突検知装置
を実現することができる。
【0010】さらに本発明の複数のひずみ検出素子は、
走行面からの高さが異なる位置に、車両の走行面とほぼ
平行に配列されることを特徴とする。 本発明に従えば、複数のひずみ検出素子は、車両の側
面、たとえばドアに上下2列にかつ車両の走行面とほぼ
平行に配列される。このため、車高の低い乗用車等が車
両の側面に衝突した場合には、主に車両の側面の下方部
分が変形してひずみが生じ、下方部分に設置されている
複数のひずみ検出素子がひずみを検出する。また、車高
の高いトラックやバス等が車両の側面に衝突した場合に
は、車両の側面全体が変形してひずみを生じ、車両の側
面に設置された複数のひずみ検出素子のほぼ全部がひず
みを検出する。したがって、衝突した車両の車高の高低
に関係なく衝突によって生じたひずみを検出することが
でき、衝突発生の判断の精度が向上する。
【0011】さらにまた本発明は、各ひずみ検出素子ご
とに設けられ、出力の直流成分を除去する複数のフィル
タ手段を備えることを特徴とする。 本発明に従えば、ひずみ検出素子の出力は、フィルタ手
段によって直流成分が除去されて判断手段に与えられ
る。衝突とは判断されない程度の外力によって、車両の
側面に変形が生じ、その変形が残存してひずみが残留し
たとき、各ひずみ検出素子は残留したひずみを検出し、
残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信号が重畳さ
れた信号を出力する。フィルタ手段は、残留したひずみ
量に応じた一定のレベルの信号によって生じる直流成分
を取り除いて判断手段に出力する。したがって、車両の
側面に残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信号が
演算値に加味されることによって生じる判断手段の誤っ
た判断を防ぐことができる。
【0012】また本発明の判断手段は、ひずみ検出素子
の出力から演算処理によって直流成分を除去することを
特徴とする。 本発明に従えば、ひずみ検出素子の出力は、演算処理に
よって直流成分が除去されてから、予め定める演算に用
いられる。衝突とは判断されない程度の外力によって、
車両の側面に変形が生じ、その変形が残存してひずみが
残留したとき、各ひずみ検出素子は残留したひずみを検
出し、残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信号が
重畳された信号を出力する。判断手段は、残留したひず
み量に応じて出力された一定のレベルの信号によって生
じる直流成分を演算処理によって取り除いて、衝突の判
断を行う。したがって、車両の側面の残留したひずみ量
に応じた一定のレベルの信号が演算値に加味されること
によって生じる判断手段の誤った判断を防ぐことができ
る。
【0013】また本発明の判断手段は、前記演算値とし
て予め定める期間における各ひずみ検出素子からの出力
の積分値をそれぞれ求めることを特徴とする。 本発明に従えば、判断手段は、各ひずみ検出素子の出力
信号の一定期間における積分値をそれぞれ算出し、算出
した積分値を予め定めるしきい値と比較して衝突の発生
を判断する。したがって、誤動作などが原因で瞬間的に
発生するひずみ検出素子からの比較的大きな出力信号に
よって衝突が発生したと判断することが防止され、判断
精度が向上する。
【0014】また本発明の判断手段は、ひずみ検出素子
の初期状態におけるひずみ量に対応した初期出力値を記
憶しておき、ひずみ検出素子の実出力値から初期出力値
を減算した値に基づいて演算値を算出することを特徴と
する。 本発明に従えば、判断手段は、各ひずみ検出素子の初期
状態における、たとえばイグニションスイッチを導通し
たときにおける、各ひずみ検出素子の出力信号のレベル
を初期出力値として記憶する。実出力値は、各ひずみ検
出素子が車両の側面の変形によって生じるひずみ量を時
々刻々と出力した信号のレベルを示す。判断手段は、そ
の実出力値から記憶された初期出力値を減算した値を用
いて演算値を算出し、予め定めるしきい値と比較する。
したがって、車両の側面に残留ひずみが存在する場合、
そのひずみ量に応じた一定のレベルの信号が重畳された
信号が各ひずみ検出素子の初期状態の初期出力値として
記憶されるため、車両の側面に残留ひずみが存在してい
ても、残留ひずみによる影響が除去されるので判断手段
は高精度に判断することができる。
【0015】また本発明の判断手段は、前記初期出力値
の大きさに応じて前記しきい値を変更することを特徴と
する。 本発明に従えば、衝突判断の基準となるしきい値は、ひ
ずみ検出素子の初期出力値の大きさに応じて変更され
る。衝突とは判断されない程度の外力によって車両の側
面に変形が発生してひずみが残留した状態において、残
留ひずみを有する部分に衝突が起こった場合にひずみ検
出素子が出力する信号のレベルは、車両の側面に残留ひ
ずみが存在していない状態で衝突が起こった場合のひず
み検出素子が出力する信号のレベルより小さくなる。そ
のため、判断手段は、ひずみ検出素子が初期状態である
ときに車両の側面のひずみ量に対応して出力した信号の
レベルである初期出力値の値が増加するにつれてしきい
値を小さくして、衝突の発生の判断を行う。したがっ
て、車両の側面にひずみが残留している状態であって
も、残留ひずみによる影響が除去されるので、判断精度
が向上する。
【0016】また、本発明の判断手段は、予め定める複
数個のひずみ検出素子からの出力に基づく演算値がそれ
ぞれ予め定めるしきい値以上であるときに、側面に衝突
が発生したと判断することを特徴とする。 本発明に従えば、判断手段は、1つのひずみ検出素子の
出力した信号に基づく演算値だけがしきい値以上である
ときは衝突が発生したとは判断せずに、複数個のひずみ
検出素子の出力した信号に基づく演算値がそれぞれしき
い値以上であるときに衝突が発生したと判断する。した
がって、故障や飛石などが原因で1つのひずみ検出素子
のみの出力が大きな値となっても、衝突が発生したと判
断することはなく、判断精度が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
電気的構成を示すブロック図を示す。衝突処理装置1
は、車両の側面に衝突が発生した際の側面の変形によっ
て発生するひずみを検知し、そのひずみ量に応じた信号
を出力するn個の圧電板センサs1〜snと、各圧電板
センサs1〜snの各出力を処理する信号処理回路a1
〜anと、信号処理回路a1〜anからの出力信号によ
って衝突の発生を判断する判断手段3とアナログ/デジ
タル変換器(以下、A/D変換器とする)4とを備える
中央処理装置(以下、CPUとする)2とを含んで構成
される。
【0018】図2は、車両のフロントサイド(運転席
側)のドア10の簡略化した正面図を示し、図3はドア
10の簡略化した断面図を示す。各圧電板センサs1〜
sn、たとえば各圧電板センサs1〜s6は、車両の走
行面9からの高さL1を有する平行線t1上に各圧電板
センサs1,s2,s3がたとえば等間隔に配列され、
車両の走行面9からの高さL2を有する平行線t2上に
各圧電板センサs4,s5,s6がたとえば等間隔に配
列され、さらに圧電板センサs1,s4と、s2,s5
と、s3,s6とは走行面9に垂直な各垂直線w1,w
2,w3上にそれぞれ配列される。また各圧電板センサ
s1〜snは、材質がチタン酸バリウム等から成る金属
板12,13を2枚重ね合わせた構成の圧電効果を有す
る圧電板14によって構成され、ドア10の外壁11の
内側面11a上に設けられる。
【0019】上述の構成によって、各圧電板センサs1
〜snが車両の側面のひずみを検出することによって、
判断手段3は、確実に衝突の発生を判断することができ
る。また各圧電板センサs1〜snは圧電板14で形成
され、構造が簡単なため、安価に実現することができ
る。さらに、車高の低い乗用車等が車両の側面に衝突し
た場合には、主に車両の側面の下方部分が変形してひず
みを生じ、下方部分に設置されている複数の圧電板セン
サがひずみを検出する。また、車高の高いトラックやバ
ス等が車両の側面に衝突した場合には、車両の側面全体
が変形してひずみを生じ、車両の側面全体に設置された
複数の圧電板センサがひずみを検出する。したがって、
衝突した車両の車高の高低に関係なく衝突によって生じ
たひずみを検出することができ、衝突発生の判断の精度
が向上する。
【0020】なお、ひずみ検出素子としては、上記圧電
板以外に、圧電抵抗素子や、ひずみゲージを用いてもよ
い。
【0021】車両の側面への衝突の際の外力Pによって
車両の側面のドア10が変形することによってひずみが
発生し、圧電板14は、そのひずみ量に応じてひずみ、
そのひずみ量に対応した電荷を発生する。各圧電板セン
サs1〜snは、その電荷によって発生したひずみ量に
対応した信号を各信号処理回路a1〜anに出力する。
【0022】各信号処理回路a1〜anは、各圧電板セ
ンサs1〜snに対して1つずつ設けられる。各信号処
理回路a1〜anは、各圧電板センサs1〜snの出力
信号を入力し、その入力された信号を増幅し、信号に重
畳されている雑音等を除去してCPU2に信号を出力す
る。
【0023】CPU2は、A/D変換器4と判断手段3
とを備え、各信号処理回路a1〜anからの信号を順次
入力する。A/D変換器4は、入力した信号をアナログ
信号からデジタル信号に変換する。判断手段3は、変換
されたデジタル信号の一定期間(たとえば10mse
c)における積分値を演算値としてそれぞれ算出し、演
算値と予め定めたしきい値とを比較し、演算値がしきい
値以上である場合に衝突が発生したと判断する。なお、
CPU2は、順次入力された信号を用いて一定期間にお
ける積分値である演算値を算出し、算出される度に演算
値としきい値とを比較し、しきい値以上である演算値が
複数以上、たとえば、3以上になった場合に衝突が発生
したと判断する構成でもよい。衝突が発生したと判断手
段3が判断すると、CPU2は保護装置5にエアバッグ
の展開信号を出力する。
【0024】したがって、判断手段3は、1つの圧電板
センサの出力した信号に基づく演算値だけがしきい値以
上であるときは衝突が発生したとは判断せずに、複数個
の圧電板センサの出力した信号に基づく演算値がそれぞ
れしきい値以上であるときに衝突が発生したと判断す
る。したがって、故障や飛石などが原因で1つの圧電板
センサのみの出力が大きな値となっても、衝突が発生し
たと判断することはなく、判断精度が向上する。
【0025】保護装置5は、CPU2から出力される展
開信号を増幅する増幅器6と、エアバッグ7と、エアバ
ッグ7を展開する点火装置8とを含んで構成される。増
幅器6は、展開信号を入力し、増幅して点火装置8に出
力する。点火装置8は、エアバッグ7を膨張させるガス
を発生するガス発生源とガス発生源に点火するスクイブ
とを備える。また点火装置8は、増幅された展開信号が
入力されるとスクイブがガス発生源を点火し、このガス
発生源から発生したガスによってエアバッグ7を膨張さ
せて乗員を支持して、衝突時の衝撃から乗員を保護す
る。
【0026】なお、保護装置5は、車両の運転席側のド
ア10の内壁15側の内部16に備えられるが、これ以
外にも、たとえば助手席側のドアおよび後部座席のドア
あるいは側壁にも備えられる。また、各圧電板センサs
1〜snは、車両の運転席側のドア10に配置されるの
と同様に、助手席側のドアおよび後部座席のドアあるい
は側壁にも配置される。したがって、運転席側のドア1
0以外の側面に衝突が発生しても、圧電板センサは衝突
によるひずみを検出することができ、運転席以外に座っ
ている乗員も車両の衝突による衝撃から保護される。
【0027】図4は本発明の実施の他の形態の電気的構
成を示すブロック図であり、図5は処理装置20内に形
成されるハードフィルタH1〜Hnの内部構成を示す電
気回路図である。なお、図4において、図1と類似する
部分には、同一の参照符号を付与する。
【0028】各ハードフィルタH1〜Hnは、各信号処
理回路a1〜an毎に1つずつ、各信号処理回路a1〜
anとCPU2との間に設けられる。各ハードフィルタ
H1〜Hnは、演算増幅器21と、一端子が演算増幅器
21の逆相入力端子に接続されている抵抗R23と、抵
抗R23の他端子に接続されるコンデンサ25と、演算
増幅器21の出力端子と逆相入力端子との間に接続され
る抵抗R22と、演算増幅器21の正相入力端子に接続
される直流電圧源24とを含んで構成される。
【0029】衝突と判断されない程度の外力によって、
車両の側面のドア10に変形が生じ、その変形が残存し
たときにひずみが残留するため、各圧電板センサs1〜
snは残留したひずみを検出し、残留したひずみ量に応
じた一定のレベルの信号が重畳された信号を出力する。
【0030】たとえば、衝突として判断されない程度の
外力が車両の側面のひずみ残留部分に与えられたとき
に、残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信号と、
衝突として判断されない程度の外力によって発生した車
両の側面のひずみ量に応じたレベルの信号とが重畳され
て判断手段3に入力される。そのため、判断手段3にお
いて、衝突が発生したと誤って判断される場合が生じ
る。したがって、残留したひずみ量に応じた一定のレベ
ルの信号成分を取り除く必要がある。
【0031】各圧電板センサs1〜snの出力した残留
したひずみ量に応じたレベル信号が重畳された信号は、
各信号処理回路a1〜anを介して、ハードフィルタH
1〜Hnに出力される。残留したひずみ量に応じたレベ
ルの信号は、直流成分として各信号処理回路a1〜an
の出力信号に重畳されている。ハードフィルタH1〜H
nは、コンデンサ25において各信号処理回路a1〜a
nの出力信号の直流成分を取り除き、演算増幅器21に
よって増幅した信号を出力する。これによって、各信号
処理回路a1〜anの出力信号は、残留したひずみ量に
応じたレベルの信号成分だけがハードフィルタH1〜H
nによって取り除かれ、CPU2に入力される。したが
って、残留したひずみ量に応じた信号によって生じる判
断手段3の誤った判断を防ぐことができる。
【0032】図6は、本発明の実施のさらに他の形態の
電気的構成を示すブロック図である。なお、図1と類似
する部分には、同一の参照符号を付与する。
【0033】CPU30は、A/D変換器4と、ソフト
フィルタ31と、判断手段33とを有する。衝突と判断
されない程度の外力によって、車両の側面のドア10に
変形が生じ、その変形が残存したときにひずみが残留す
るため、各圧電板センサs1〜snは、残留したひずみ
を検出し、残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信
号が重畳された信号を出力する。各圧電板センサs1〜
snが出力した信号は、各信号処理回路a1〜anを介
して、CPU30に入力されて、A/D変換器4によっ
て変換される。
【0034】ソフトフィルタ31は、A/D変換器4に
よって変換された信号のレベルと、残留ひずみ量のない
状態の信号のレベルとを比較して演算処理を行い、車両
の側面に残留したひずみ量によって生じる信号成分を取
り除く。したがって、ハードフィルタH1〜Hnと同様
の効果を演算処理によって得ることができる。
【0035】判断手段33は、各圧電板センサs1〜s
nの初期状態のときの、たとえばイグニションスイッチ
を導通したときの各圧電板センサs1〜snの出力信号
のレベルを、たとえば2秒間モニタして初期出力値とし
て記憶する。なお一定の時間間隔で初期出力値を更新す
る構成でもよい。また判断手段33は、時々刻々と入力
される各圧電板センサs1〜snの出力信号のレベルを
実出力値とし、その実出力値から初期出力値を減算した
値を求め、その値を用いて一定期間の積分値を算出す
る。
【0036】衝突と判断されない程度の外力によって、
車両の側面に変形が発生してひずみを生じた状態におい
て、さらに衝突が起こった場合に各圧電板センサs1〜
snの出力信号のレベルは、車両の側面にひずみを生じ
ていない状態において、さらに衝突が起こった場合の各
圧電板センサs1〜snの出力信号のレベルより小さく
なる。そのため、判断手段33が衝突の発生を高精度に
判断するためには、各圧電板センサs1〜snの初期状
態の違いによる出力信号のレベル差を除去することが必
要である。判断手段33は、記憶している各圧電板セン
サs1〜snの初期出力値の値に応じてしきい値を小さ
くし、初期状態の違いによるセンサの出力信号のレベル
差を除去する。
【0037】図7は、衝突処理装置29のCPU30の
動作を示すフローチャートである。この処理は、一定の
時間間隔、たとえば100msecごとに繰返し実行さ
れる。ステップm1では、各圧電板センサs1〜snの
出力信号を各信号処理回路a1〜anを介して順次入力
し、A/D変換器4によって順次変換を行い、各圧電板
センサs1〜snの各実出力値を得る。このときには、
上述したように、初期出力値として各圧電板センサs1
〜snのそれぞれの初期状態の信号レベルが記憶されて
いる。ステップm2では、実出力値から初期出力値を減
算した値を求め、その値を用いて一定期間における積分
値である演算値を算出する。
【0038】ステップm3では、初期出力値の大きさに
応じて補正を行ったしきい値と演算値を比較して、しき
い値より大きい演算値が複数、たとえば、3つ以上の場
合にはステップm4に進み、それ以外の場合にはステッ
プm1に戻る。ステップm4では、保護装置5にエアバ
ッグ7を展開する展開信号を出力する。
【0039】上述のように、判断手段33において、初
期状態に車両の側面に残留したひずみが存在した際、そ
のひずみ量に応じた一定のレベルの信号を重畳した信号
が各圧電板センサs1〜snの初期状態の初期出力値と
して記憶されるため、車両の側面に残留したひずみが存
在していても、判断手段33は高精度に衝突が発生した
か否かを判断することができる。
【0040】また、衝突と判断されない程度の外力によ
って車両の側面に変形が発生してひずみを生じた状態
で、さらに衝突が起こった場合の圧電板センサの出力信
号のレベルの減少を考慮して、判断手段33は初期出力
値の値に応じてしきい値を小さくするため、車両の側面
にひずみを有する状態で衝突が起こった場合の判断手段
33の誤った判断を防ぎ、高精度に衝突発生の判断がで
きる。
【0041】さらに、判断手段33は、1つの圧電板セ
ンサの出力した信号に基づく積分値だけがしきい値を超
えたときには衝突が起こったとは判断せずに、複数個の
圧電板センサの出力した信号に基づく積分値がそれぞれ
しきい値を超えたときに衝突が起こったと判断する。そ
のため、圧電板センサの故障による信号の出力または、
飛石などのように微小な領域に外力が加わったことによ
る信号の出力による判断手段33の誤った判断を防ぐこ
とができる。
【0042】なお、CPU2,30は、側面の衝突発生
の有無を判断するだけでなく、車両の縦方向に生じる加
速度を検出する加速度センサからの出力に基づいて正面
衝突の発生の有無を判断するようにしてもよい。さらに
は、車両に搭載された種々の電子装置の制御を行うよう
にしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車両の側
面への衝突の際の外力によって車両の側面に発生したひ
ずみは、複数のひずみ検出素子によって検出され、その
ひずみ量に対応した信号が出力される。判断手段は、ひ
ずみ検出素子の出力信号を用いて予め定める演算を行っ
て演算値を算出し、その演算値と予め定めたしきい値と
を比較して、演算値がしきい値以上であるときに衝突が
発生したと判断する。このように、各ひずみ検出素子が
車両の側面のひずみを検出することによって、判断手段
は確実に車両の衝突の発生を判断することができる。ま
たひずみ検出素子は比較的構造が簡単であるため、一般
に安価であり、比較的低コストで衝突検知装置を実現す
ることができる。
【0044】また本発明によれば、ひずみ検出素子は、
力が加わると電荷を発生する圧電効果を有する圧電板で
構成されるため、比較的構造が簡単であり、安価に実現
することができ、比較的低コストで衝突検知装置を実現
することができる。
【0045】また本発明によれば、複数のひずみ検出素
子は、車両の側面、たとえばドアに上下2列にかつ車両
の走行面とほぼ平行に配列されるため、衝突した車両の
車高の高低に関係なく、衝突によって生じたひずみを検
出することができ、衝突発生の判断の精度が向上する。
【0046】また本発明によれば、フィルタ手段は、残
留したひずみ量に応じた一定のレベルの信号によって生
じる直流成分を取り除いて判断手段に出力するので、車
両の側面に残留したひずみ量に応じた一定のレベルの信
号が演算値に加味されることによって生じる判断手段の
誤った判断を防ぐことができる。
【0047】また本発明によれば、演算処理によって、
車両の側面に残留したひずみ量に応じた一定のレベルの
信号によって生じる直流成分を取り除いて、衝突の判断
を行うため、車両の側面に残留したひずみ量に応じた一
定のレベルの信号が演算値に加味されることによって生
じる判断手段の誤った判断を防ぐことができる。
【0048】また本発明によれば、判断手段は、ひずみ
検出素子の出力信号の一定期間における積分値を算出
し、その積分値を予め定めるしきい値と比較して衝突の
発生を判断するため、誤動作などが原因で瞬間的に発生
するひずみ検出素子からの比較的大きな出力信号によっ
て衝突が発生したと判断することが防止され、判断精度
が向上する。
【0049】また本発明によれば、車両の側面に残留ひ
ずみが存在する場合、そのひずみ量に応じた一定のレベ
ルの信号を重畳した信号が各ひずみ検出素子の初期状態
の初期出力値として記憶されるため、車両の側面に残留
ひずみが存在していても、残留ひずみによる影響が除去
されるので、判断手段は高精度に判断することができ
る。
【0050】また本発明によれば、判断手段に衝突と判
断されない程度の外力によって車両の側面に変形が発生
してそのひずみが残留した状態で、さらに衝突が起こっ
た場合のひずみ検出素子の出力信号のレベルの減少を考
慮して、判断手段は初期出力値の値が増加するにつれて
しきい値を小さくするため、車両の側面にひずみが残留
している状態であっても、残留ひずみによる影響が除去
されるので、判断精度が向上する。
【0051】また本発明によれば、判断手段は、1つの
ひずみ検出素子の出力した信号の演算値だけがしきい値
以上であるときは衝突が発生したとは判断せずに、複数
個のひずみ検出素子の出力した信号の演算値がそれぞれ
しきい値以上であるときに衝突が発生したと判断するた
め、故障や飛石などが原因で1つのひずみ検出素子のみ
の出力が大きな値となっても、衝突が発生したと判断す
ることはなく、判断精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図2】車両の側面の右フロントサイド(運転席側)の
ドア10の簡略化した正面図である。
【図3】ドア10の簡略化した断面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図5】衝突処理装置1内に形成されるハードフィルタ
H1〜Hnの内部構成を示す電気回路図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の電気的構成を
示すブロック図である。
【図7】衝突処理装置29のCPU30の動作を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
3,33 判断手段 10 ドア 14 圧電板 31 ソフトフィルタ s1〜sn 圧電板センサ H1〜Hn ハードフィルタ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の側面に設けられる複数のひずみ検
    出素子と、 前記ひずみ検出素子からの出力に基づいて予め定める演
    算を行い、演算値が予め定めるしきい値以上であるとき
    に、側面に衝突が発生したと判断する判断手段とを含む
    ことを特徴とする車両の側面衝突検知装置。
  2. 【請求項2】 前記ひずみ検出素子は、圧電板であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の側面衝突検知装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数のひずみ検出素子は、走行面か
    らの高さが異なる位置に、車両の走行面とほぼ平行に配
    列されることを特徴とする請求項1記載の車両の側面衝
    突検知装置。
  4. 【請求項4】 各ひずみ検出素子ごとに設けられ、出力
    の直流成分を除去する複数のフィルタ手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載の車両の側面衝突検知装置。
  5. 【請求項5】 前記判断手段は、ひずみ検出素子の出力
    から演算処理によって直流成分を除去することを特徴と
    する請求項1記載の車両の側面衝突検知装置。
  6. 【請求項6】 前記判断手段は、前記演算値として予め
    定める期間における各ひずみ検出素子からの出力の積分
    値をそれぞれ求めることを特徴とする請求項1記載の車
    両の側面衝突検知装置。
  7. 【請求項7】 前記判断手段は、ひずみ検出素子の初期
    状態におけるひずみ量に対応した初期出力値を記憶して
    おき、ひずみ検出素子の実出力値から初期出力値を減算
    した値に基づいて演算値を算出することを特徴とする請
    求項1記載の車両の側面衝突検知装置。
  8. 【請求項8】 前記判断手段は、前記初期出力値の大き
    さに応じて前記しきい値を変更することを特徴とする請
    求項1記載の車両の側面衝突検知装置。
  9. 【請求項9】 前記判断手段は、予め定める複数個のひ
    ずみ検出素子からの出力に基づく演算値がそれぞれ予め
    定めるしきい値以上であるときに、側面に衝突が発生し
    たと判断することを特徴とする請求項1記載の車両の側
    面衝突検知装置。
JP7241934A 1995-09-20 1995-09-20 車両の側面衝突検知装置 Withdrawn JPH0986360A (ja)

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