JPH0985001A - 蒸留分離方法及び蒸留分離装置 - Google Patents

蒸留分離方法及び蒸留分離装置

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JPH0985001A
JPH0985001A JP26461695A JP26461695A JPH0985001A JP H0985001 A JPH0985001 A JP H0985001A JP 26461695 A JP26461695 A JP 26461695A JP 26461695 A JP26461695 A JP 26461695A JP H0985001 A JPH0985001 A JP H0985001A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 資材、特に樹木等の植物等の天然資材が本来
持っている複雑な組成、複雑な分子構造をより自然に近
い状態で蒸留できる。 【解決手段】 水蒸気発生部Aで発生した水蒸気は電子
付加制御部Eにより水素と一酸化水素の電子移動状態が
付加、さらに加速される。この水蒸気は、蒸発部Bに入
れられている目的とする資材に散布される。蒸留物を含
む水蒸気は、凝縮部Cで冷却され、分離部Dで油性成分
と水溶性成分の二層に分離される。水溶性成分は再び水
蒸気発生部Aに戻され、電子付加制御部Eを経て、上記
の蒸留分離回路に利用される。蒸発部Bから凝縮部Cの
間にも電子付加制御部Eを介在させてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の化学成分を
含有する資材から特定成分を蒸留分離する方法及び装置
に関する。特に植物などの天然資材からの蒸留分離に適
し、有機化学的試薬や反応剤を使用せずに、光化学反応
や熱反応の活性化エネルギー等によって、複合化学成分
から構成されている天然資材の油性成分や水溶性成分の
それぞれの分子特性を、天然資材に含有されている状態
を維持したままで蒸留分離することができる。そのため
に、特に水蒸気内に水素と一酸化水素との電子移動状態
をつくりだし、電子の共役付加反応等の有機電子論的作
用と水蒸気の熱力学的作用を利用することで、天然資材
が含有する油性成分と水溶性成分を最大限自然の状態に
近づけつつ、天然資材に含まれる油性成分と水溶性成分
を蒸留分離することができる蒸留分離の方法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】植物油の好ましい香気・香味有効成分
(香水、 オーデコロン、クリーム、化粧水、ローショ
ン、口紅、白粉、 ファンデーション、ポマード、チッ
ク、ヘアクリーム等の香粧品や食品等の香料等)、医薬
品としての有効成分(例えば強心作用、利尿作用、ホル
モン作用、抗ビールス作用、抗免疫作用、代謝改善作
用、食欲増進作用、整腸作用、精神安定化作用、抗菌作
用、抗真菌作用、防ダニ防虫作用や抗癌作用等)や食料
等の栄養素としての有効成分さらにはゴム、染料、燃料
等の日常生活空間に必要な有効成分が含まれており、古
来より人類が英知を集めて利用してきていることはよく
知られている。また有機化学の知識の集積にともなっ
て、植物油の中に存在する有用な化合物については、合
成が比較的容易なものはほとんど人工的に合成されてい
るにもかかわらず、複雑な一次構造式やコンフィギュレ
イション、コンフォメーションをもった化合物を合成す
るのは技術的にも経済的にも困難なことがある。また既
知の化合物と構造の近似した化合物または誘導体を合成
し、それらの中から天然に存在するかたちで有用な新規
化合物やその複合体を製造することは効率が著しく低い
上に、天然に存在する場合にくらべて不自然な物質組成
ならびに組成比率さらに人体に害を及ぼす副産物を混入
することがある。
【0003】従来、天然資材に含まれる油性成分やそれ
に含まれる有機質成分を得るには、水蒸気蒸留法(特開
昭64−38496、特開昭61−279247、特開
昭62−143997、特開昭60−161929)や
溶剤抽出法(特開平5−86396、特開平5−345
899、特開平3−91456、特開平2−22839
6、特開平2−235996、特開昭62−14399
7、特開昭61−221299、特開昭55−343
4、特開昭59−24795、特開昭58−9669
9、特開昭58−187497)等の方法またはロジウ
ム錯体またはコバルト錯体等(特開昭59−8139
9、特開昭63−69891)や複合鉄塩(特開平2−
208398)の触媒反応、さらに二酸化炭素等の気相
流体(特開平4−246500、特開平2−18099
7、特開平2−235996、特開昭63−11029
1、特開昭61−221299、特開昭61−1290
03、特開昭60−97993)を利用して蒸留分離ま
たは抽出されている。
【0004】しかし、これらの方法で蒸留分離または抽
出分離された油性成分や洗浄脱臭等の処理がされた精油
の中には、熱劣化しやすく且つ酸化されやすい芳香性有
機質成分が存在していることもあり、芳香性有機質成分
を質的量的に自然状態で含まれている状態に近似して抽
出分離することができる方法は現段階においては例示さ
れていない。さまざまな有機化学反応論に基づいて、上
述のような方法・装置が数多く公開されているにもかか
わらず、現状ではいまだ質的量的に自然状態で含まれて
いる状態に最大限近似して蒸留分離または抽出分離して
いる方法や、化学的に安定状態の複合生成物を蒸留分離
または抽出分離している方法は見当たらない。
【0005】また、特に植物油等には、テルペン類や脂
肪族の炭化水素の化合物が多く含まれており、植物油の
蒸留分離の方法や操作過程では、本来植物油に存在しな
い電子軌道を持った物質、異なったコンフィギュレイシ
ョンやコンフォメーションを持った物質に変換変質され
ていることは、現在の有機化学的知識から十分論理的に
考え得ることである。さらに、従来の植物油の蒸留分離
の方法では、光化学反応や熱反応の活性化エネルギー的
にまた有機化学反応論的に、植物油の蒸留分離の方法や
操作過程で起こり得る酸素ラジカルや酸化水素ラジカル
等の物質の生成による植物油の変質や劣化を防止する目
的から、物質の結晶化が可能であり、かつ一次構造の安
定していると考えられる物質の蒸留分離が主体であっ
た。
【0006】不飽和二重結合を有する化合物と、その成
分として含有する精油の香気変調方法を提供するため
に、ロジウム錯体またはコバルト錯体、ヒドロホルミル
化触媒を用いて水素および二酸化炭素で処理する方法も
提案されている(特開昭59−81399)。しかし、
この方法では、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水
素、テトラヒドロフラン、クロロフォルム、塩化メチレ
ン等のハロゲン化炭化水素等の溶媒が用いられており、
上記の課題を解決していない上に、目的を限定した特定
の芳香性有機質成分を自然に近い状態で抽出分離するこ
とができるとしながらも、その有機化学的な理由につい
ては説明されておらず、目的とする物質以外の天然資材
に含まれている他の複合成分の有効利用や変質等は考慮
されていない。
【0007】ニッケル含有触媒を使用して水素添加して
精製油を回収する方法(特開昭63−69891)も示
されている。さらにシアン化銅と塩化リチウムを加えて
調整したアリル化反応剤がハロゲン化アリル型化合物の
共役触媒反応を利用する方法(特開平3−27123
6)も示されているが、これは水素化のためにハロゲン
化アリル型化合物の共役触媒作用に基づいて発案された
ものである。これらの共役触媒反応を利用した方法は、
いずれも樹脂や精油そのものと混和過熱して反応をおこ
させ、特定した反応生成物を吸着等の何らかの方法で回
収操作がなされねばならない。
【0008】以上のように、複雑な成分の複合化学物質
から構成されている天然資材、特に樹木等の植物油を蒸
留分離精製する原理として、有機電子論や分子軌道論さ
らに量子力学や熱力学的な論理構成で提案された方法は
なく、しかも従来から提案されている水蒸気による蒸留
分離や溶媒抽出分離方法は樹木等の植物の持っている自
然科学的意義とその産業利用方法に関する科学史的さら
に文明史的な発展を制約しているという課題がある。
【0009】ここで、一般に分子はコンフィギュレーシ
ョン、コンフォメーションや分子軌道を持っており、電
子分布に応じた空間領域があり、それに基づくエネルギ
ー状態で分子それ自身の構造、物理化学特性や別の分子
との結合等の相互作用や反応速度が波動方程式やフロン
テイヤ軌道理論で説明出来ることは周知のことである
(参考文献:有機電子論解説、第4版、井本稔著、東京
化学同人、1990年;フロンテイア軌道法入門、フレ
ミング著、福井謙一監修、竹内友田訳、講談社、199
2年;分子軌道法をどう理解するか、第2版、吉田政幸
著、東京化学同人、1992年)。一方、それぞれの分
子の有機化学における有機電子論、分子軌道論や量子論
に立脚して多くの化学反応の理論説明がなされてきてい
る(例えばウッドワード−ホフマン則第一則:電子環状
反応では熱反応の場合はHOMOで光反応ではLUMO
で反応様式が決まる。第二則:電子開環反応は生成する
π電子系が熱反応ではHOMO、光反応ではLUMOの
形になるように起こる。第三則:(1、j)次のシグマ
トロピーでは熱反応ではHOMO、光反応ではLUMO
が反応を決める。第四則:原型で切断シグマ結合箇所で
2個のπ電子系を生じそれぞれが2枚の平面となって上
下に平行にある遷移系をつくる。そして熱反応では共に
HOMOで、光反応では一方がHOMOで他方がLUM
Oで反応する。第五則:二つの分子の環状付加では熱反
応においてはジエンのHOMO、親ジエンのLUMOで
反応が規制され、光反応では両方ともLUMOで反応が
規制される。第六則:生成するπ電子系が4π系以上の
場合には熱反応では電子数が4の整数倍であるときには
逆旋、4の整数倍プラス2のときは同旋の反応となる。
光反応ではこの逆である)。
【0010】また、分子間化合物は相手に電子を与える
電子供与体(給体)と、相手から電子を受け取る電子受
容体(受体)とから成り立っている。前者の例として
は、π分子軌道の電子を与える芳香族化合物の分子や二
重結合をもった不飽和化合物の分子、あるいはアルコー
ル類のような不共有電子対の電子を与えるもの(窒素原
子を含んだ有機塩基の分子も同様)等があるが、これら
を一般的にDとする。受容体には、例えば塩素、臭素、
ヨウ素のハロゲン分子、ブロモフォルム、ヨードフォル
ム、クロロフォルム等の有機ハロゲン化合物、あるいは
ニトロベンゼンのようなニトロ化合物等があるが、これ
らをAとする。いま、DとAとをたがいに近づけたとす
ると、まずファンデルワールス力(分子間に働く引力)
が働いて弱い結合がDとAとの間に生じる。この状態
を”非結合構造”と名付け、A..Dで表すことにす
る。さらにAとDとの距離が小さくなると、それぞれの
電子雲が重なり始め、電子が移動する可能性を生ずる。
もしDからAに1個の電子が移動すれば、それぞれが1
個の不対電子をもった形になるために、これらの電子が
新たな電子対を形成することによってA−Dの結合が起
こる。この状態はA..D−のように表すことができ
る。これが、”電荷移動構造”と言われる状態である。
従って、このような分子間化合物の構造は、A−Dと
A..D+との共鳴構造として表現さなければならない
ことも良く知られている点である。さらに遷移金属であ
る酸化チタンに紫外線を照射すると電子(−)と陽子
(+)に分かれ、生成した陽子が、空気中の場合酸素を
活性酸素(OHラジカル)に変える。また水中での反応
の場合には、水を酸素と水素に分解し、同時に活性酸素
も作り出すことが知られている。このような光エネルギ
ーに対する効果を持った遷移金属は光触媒性金属として
知られており、近年の有機化学並びに合成化学の発展に
寄与してきている。しかし従来での遷移金属の使用は特
定の分子の合成や単離、集率向上のために利用されてお
り、天然資材であるところの樹木等の植物が含有してい
る油性成分や水溶性成分の複合化学物質が、質的ならび
に量的な比率、それぞれの分子のコンフォメーション、
コンフィギュレーションや電子密度を自然状態に近かず
けることを考慮した蒸留分離の方法や具体的装置の提案
はなされていない。さらに未知の分子を含む複数の分子
組成や分子構造から構成されている天然資材の油性成分
や水溶性成分を水蒸気の電子移動状態を付加制御して蒸
留分離することができる方法や蒸留分離装置等について
は言及されていない。
【0011】また、従来の水蒸気蒸留法では、油分と、
共に留出する水溶液とに分離されているが、この留出水
(留液)は水溶性のフェノール性水酸基やカルボキシル
基を有する多数の有機化学成分を含んでいるにもかかわ
らず、ベンゼン、トルエン等の芳香性化合物、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、テト
ラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン等のハロ
ゲン化炭化水素等の抽出有機溶剤やそれによる副生成物
等が含まれており、殆ど利用されないで廃棄されてい
る。大量に生じる留出水その他の水溶液中には、有用成
分が溶解しているにもかかわらず、その回収が煩雑であ
るため有害物として利用できず、ほとんど廃棄せざるを
得ない。また、廃棄物には抽出に用いた有機溶剤やそれ
による副生成物等が含まれており、環境汚染防止上、廃
棄物のために中和廃水処理が必要で、廃棄処理施設の設
置等を余儀なくされている。
【0012】さらに、水蒸気蒸留法での留液その他の水
溶液中にある有用成分を利用するための蒸留分離や濃縮
方法やその装置、加えて天然資材である樹木等の植物の
基本骨格の構造形態を維持している繊維構造形態等の残
留基質材の構造骨格を破壊せずに油性成分ならびに水溶
性の有機化学成分の蒸留分離が可能な方法や装置の提案
はなされていない。
【0013】このような点より、自然界の天然資材(特
に樹木等の植物)を利用した将来的な産業発展のために
も、特に植物油等の好ましい香気・香味有効成分、医薬
品としての有効成分や食料としての有効成分、さらには
ゴム、染料、燃料等の有効成分、そして水蒸気蒸留法で
の留液その他の水溶液中の有用成分、さらに天然資材で
ある樹木等の植物の繊維等の残留基質材を壊さずに有効
に利用することができるような一連の処理方法と具体的
装置の提案が待望されていた。また、蒸留分離した複合
化学成分の立体障害や蒸留分離過程で発生する分子構造
の変化を起こさず、光や熱等による変質を極力少なくし
て、天然資材であるところの樹木等の植物から安定した
複合化学成分を蒸留分離することができる方法や装置の
提案が待望されていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
解決すべくなされたものであり、その主たる目的は、資
材に含まれる複数の化学成分を、有機化学的試薬や反応
剤を使用せずに、蒸留分離することにある。また、天然
資材について、複合化学成分から構成されているそれぞ
れの油性成分や水溶性成分の分子特性を、天然資材に含
有されているままの自然の状態を最大限に維持しつつ、
蒸留分離することを目的とする。さらに、有用成分を無
駄なく分離処理することによって、産業の効率化は勿論
のこと、現在知りえない未知の有効成分の解明やその利
用、現在合成化学的に合成することが困難な有効成分の
分離、環境汚染や自然破壊の防止等に役立つことを目的
とする。さらにまた、フリーラジカル等の産生を抑制
し、植物油や動物油等の油性成分や水溶性成分の化学組
成や分子構造を最大限自然の状態に近づけつつ蒸留分離
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、本発
明者らは鋭意検討を重ねた結果、有機化学的試薬、反応
剤や溶媒を使用することなく、光化学反応や熱反応の活
性化エネルギー等により複合化学成分それぞれの分子特
性を変調または調節するために、これらの複数から構成
されている化学成分それぞれの分子相互作用に加えて、
複合化学物質のそれぞれの分子間での付加反応系に、熱
力学的に水蒸気内に水素と一酸化水素の電子移動状態を
作り出すこととした。すなわち本発明は、蒸留分離の過
程において、資材に供給される溶媒蒸気(特に水蒸気)
及び/または資材から出た成分を含む凝縮分離前の混合
ガスについて、電子付加を行うことにより水分子の電子
移動状態を作り出す構成とした。
【0016】電子移動状態とは、活性化エネルギー等を
分子に作用させることにより、適当な共鳴または共振現
象を経て、電子が反結合性分子軌道に遷移している状態
を言う。ここでは量子状態の差のエネルギーが発生して
おり、励起状態での高エネルギー状態の不安定性を振動
降下(vivrational cascade) させて新たな基底状態に戻
すことにより、好適な蒸留分離を実現できる。また、こ
の構成によれば、有機溶媒による抽出法では選択する溶
媒によって抽出される成分が異なるため、低沸点分画全
体を効率的に抽出することができないばかりか、一部不
揮発性成分を同時に抽出してしまうという不都合も解決
することができる。電子付加の手段は種々考えられ、例
えば遷移金属に接触させる方法、放電、マイクロ波、紫
外線、可視光線のような電磁波を作用させる方法等があ
る。
【0017】また低沸点物質と高沸点物質と、あるいは
溶媒に可溶性の成分(水溶性成分)と不溶性の成分(油
性成分)とに分離された液体のうち、大部分の溶媒を含
む方の液体(留液)を再循環させることにより、留液に
含まれている分子に、電子移動状態を再度作り出すと、
含有されている複合化学成分の励起状態が誘発され、複
合化学成分を含有する各成分を、より蒸留分離前に近い
状態のままで得ることができる。
【0018】本発明の蒸留分離の過程においては、天然
資材である樹木等の植物の持っている油性成分や水溶性
成分以外の繊維等の構造維持基質の破壊変質を起こさ
ず、その構造維持基質の堆肥等としての自然への還元は
勿論のこと、建材、パルプ、家具、不織布等の生活用品
等の産業的利用価値を高めることができる。
【0019】本発明に係る蒸留分離方法及び蒸留分離装
置により処理可能な資材は、天然資材である樹木等の植
物や動物に限定されるものではなく、石油、石炭液化の
原油の分離精製にかかわる蒸留操作、食品及び医療品分
野における酵素、ホルモン、ビタミン等の濃縮回収、薬
品の精製、香料、スパイスの蒸留等にも利用することが
できる。樹木等の植物の天然資材はもとより、別の方法
で抽出分離された柑橘系油、月桂樹油等の香気油分、果
実、野菜、種子や一般の樹木の材と葉、及び薬草等の草
木植物等の蒸留操作に利用することも可能であるが、例
示したものに限定されるものではない。
【0020】また比較的低温下での操作を必要とする際
には、液化炭酸ガス等を装置内に充満させることも可能
であり、超臨界流体蒸留分離を付加することも可能であ
る。さらに特定の目的とする化学物質を有効に蒸留分離
するために、さまざまな有機溶剤(例えばアセトン、ヘ
キサン、ベンゼン、フォルムアルデヒド、エーテル、ア
セトニトリル、テトラヒドロフラン、アルコール等)を
溶媒に用いて蒸留分離する従来の蒸留方法や蒸留装置に
応用できることは言うまでもない。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に係る方法の実施の形態を
図1に従って説明する。本発明の方法は、機構上から大
きく分類すると、水蒸気発生部A、蒸発部B、凝縮部
C、分離部D、電子付加制御部Eから構成されている。
水蒸気発生部Aで発生した水蒸気は電子付加制御部Eに
より水素と一酸化水素の電子移動状態が付加さらに加速
される。この水蒸気は、蒸発部Bに入れられている目的
とする資材に散布される。蒸留物を含む水蒸気は、凝縮
部Cで冷却され、分離部Dで油性成分と水溶性成分の二
層に分離される。水溶性成分は再び水蒸気発生部Aに戻
され、電子付加制御部Eを経て、上記の蒸留分離回路に
利用される。蒸発部Bからの凝縮部Cの間に電子付加制
御部Eを介在させてもよい。
【0022】この方法に従った工業的な生産工程につい
て装置の具体例を図2に示して説明する。しかし、本例
によって、本発明の各請求項で記載した方法や装置に何
ら制約を受けるものでないことは言うまでもない。
【0023】図2の装置によると、まず樹木等のおがく
ずやチップ等の天然資材はコンベア2により移送され、
ホッパである材料投入器3に投入される。天然資材はバ
ルブV3を通り、回転蒸発釜4の内部に落下する。所定
量の天然資材が投入されたらバルブV3を閉じ、モータ
8を起動して、回転蒸発釜4を水平軸回りに回転させ
る。回転蒸発釜4を回転させることにより、天然資材な
どの資材に熱を均一に伝達することができるようにして
いる。
【0024】次にバルブV6を開き、水供給装置25に
おいてイオン交換樹脂で処理された水を蒸気発生装置1
に供給する。蒸気発生装置1に供給された水は、温度調
節可能なボイラ19からバルブV5を介して熱を受ける
ことにより、水蒸気になる。バルブV2を開くと蒸気発
生装置1より供給される水蒸気が回転蒸発釜4のジャケ
ット5に流れ込んで、回転蒸発釜4が暖められる。回転
蒸発釜4の内温が所定の温度に達したら、調節弁V16
により水蒸気量を調節する。この例では、蒸気発生装置
1は1kg/cm2 Gの圧力で200キログラム/時の
流量の水蒸気を供給している。
【0025】回転蒸発釜4の内部には、蒸気発生装置1
からの水蒸気は、電子付加装置9を通って供給され、吹
き込み管6により天然資材に均等に吹きかけられる。電
子付加装置9は、図3に示すように、水蒸気通路内に配
置された金網9aである。金網9aは遷移金属の一つで
ある酸化銅製であって、直径0.2mm、5×5mmの
メッシュで充満された直径5cmの円柱状である。
【0026】水蒸気が金網9aを通り抜ける際に金網9
aに接すると、水蒸気の熱によって水分子が活性化エネ
ルギーを持った状態(遷移状態)になる。すなわち遷移
金属である酸化銅製の金網9aは電子錯体として作用す
る。なお、酸化銅の他に用いることのできる遷移金属錯
体としては、Fe,Ni,Co,Cu,Ti等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではなく、また水蒸気
に作用し得る形状であれば、金網状に限定されるもので
はない。
【0027】水蒸気は、回転蒸発釜4が回転しているた
めに天然資材に均等に吹きかけることができ、これによ
って、天然資材から目標の複合化学物質が蒸発し、水蒸
気と混合して混合ガスになる。混合ガスは排気口7を通
り、蒸留凝縮装置10へと導かれる。
【0028】回転蒸発釜4内部の圧力は、バルブV17
によって制御されており、回転蒸発釜4の内部は1kg
/cm2 Gの圧力を200kg/時の水蒸気量及び圧力
により維持するようにしている。
【0029】圧力調節器18及びバルブV4とバルブV
14との開閉調節により、回転蒸発釜4の出口から蒸留
凝縮装置10、分離装置11、低沸点物質回収器22ま
での圧力制御を行うことができる。通常、バルブV4を
閉鎖し、バルブ14を開放にすることで出口圧力を大気
圧としている。
【0030】混合ガスは蒸留凝縮装置10に導かれ、凝
縮して混合液体となる。蒸留凝縮装置10には、冷却装
置14から冷却水が循環供給される。温度はバルブV1
1の開閉により調節される。なお、冷却装置14は低沸
点物質回収器22の冷却にも利用される。
【0031】蒸留凝縮装置10内での混合ガスの均一化
を図るために、蒸留凝縮装置には自動攪拌装置21が備
えられている。自動攪拌装置21には、モータにより駆
動される羽根が備えられており、適時駆動することによ
って蒸留凝縮装置10内の混合ガスを攪拌することがで
きる。
【0032】蒸留凝縮装置10で凝縮された混合液体は
分離装置11に流入し、二相に分離する。上方が油性成
分であり、バルブV12を開けることにより分離物回収
器12に流入させる。油性成分はバルブV13を開ける
ことにより適宜回収することができる。
【0033】二相の下方の水溶性成分を含む留液は、適
宜バルブV8を開くことにより、蒸気発生装置1に再循
環し再利用することができる。この際、留液に含まれる
酸性物質を除去する目的で、再循環回路13上に吸着フ
ィルター(合成吸着剤、イオン交換樹脂、活性炭、逆相
分配型吸着剤)を付帯することもできる。この吸着フィ
ルターに付着した物質は適切な二次処理により脱着させ
て回収することができる。
【0034】蒸留凝縮装置10で凝縮液化されないガス
は、低沸点物質回収器22に導かれて、より低温で凝縮
液化される。低沸点物質回収器22は冷却装置14から
冷却水の供給を受ける冷却外套23によって低温に保持
されている。低沸点物質はバルブV15を開くことによ
り回収される。
【0035】回転蒸発釜4に残った天然資材は、バルブ
V17を開くことにより、真空ポンプ24で回転蒸発釜
4内を真空にしながら、ジャケット5に水蒸気を導入し
て熱することにより乾燥される。乾燥された天然資材は
残留物回収装置15を通り、コンベア16にて移送さ
れ、再利用に附され、あるいは処理される。また蒸気発
生装置1に残った留液中の水溶性成分は、バルブV9を
介して溶解物回収器17に導かれ、バルブV10を開け
て水溶性成分を適時回収することができる。
【0036】図2の装置においては、溶媒として水を用
いた水蒸気蒸留を例示したが、計画された有機溶媒を用
いる場合には、処理温度は摂氏25−200度、特に3
0−120℃が好ましい。
【0037】図2の装置では水蒸気を用いて蒸留してお
り、この回路上では水蒸気の”電子移動状態”を作り出
すのに、図3に示した金網9aを使用している。このよ
うな”電子移動状態”を醸し出すために、電子付加装置
9に図4に示すような加電発生装置20を装着して、回
路内の水蒸気に活性化エネルギーを供給することもでき
る。
【0038】加電発生装置20は、上下に適当な電極間
距離(2〜4mm)を空けて交互に配列された正負の電
極201に電圧を印加する。この電極は、水蒸気等が通
過しやすいように、金属、あるいは耐熱、耐薬性、導電
性を有するシリコンやカーボンなどの材料を網状に形成
して配置したものである。
【0039】通電状態のパターン(強度、持続通電時間
等)は、加電オンオフ回路202で表示パネル203を
参照しつつ自由に設計することも可能で、さらに装置内
にpH電極や電流計等の検出器204を装着して、加電
制御回路205により加電状態を計測しながら通電パタ
ーンを自動制御することも可能である。この場合に用い
られる加電圧は電極素材の電気抵抗度等によっても異な
るが、10−1000V、特に200−500Vが電圧
供給や安全管理上から好ましい。
【0040】さらに、電子付加装置9に電磁波、マイク
ロ波または磁場発生装置30を装着することによって
も、水蒸気など溶媒気体分子の”電子移動状態”を作り
出すことができる(図5参照)。電磁波、マイクロ波ま
たは磁場発生装置30は、電磁波、マイクロ波または磁
場発生部301から、電磁波、マイクロ波または磁場を
発生させて水蒸気に作用させる。発生のパターン(強
度、持続発生時間等)は、パルス電源オンオフ制御回路
302で表示パネル303を参照しつつ自由に設計する
ことも可能で、さらに検出器304を装着して、電磁
波、マイクロ波または磁場検出装置により発生状態を計
測しながら発生パターンを自動制御することもできる。
【0041】この場合のマイクロ波または電磁波は、波
長3ナノメーターから3センチメーターのスペクトル、
250−500kJ/molの活性化エネルギーが挙げ
られるが、目的に応じてスペクトルの範囲を選択される
ことは言うまでもないことであり、装置内の温度、圧力
等も自動制御できる。また電子付加装置9に用いられる
磁場強度は50−3万ガウス特に100−5000ガウ
スが好ましいが、磁場強度によって周辺の付帯部品特に
金属物の摩耗や破損を防ぐために、超短時間頻回付加
(例えば持続時間0.1ミリ秒で500−1000ヘル
ツ等の条件)することが好ましい。
【0042】さらにまた、電子付加装置9に太陽光線収
束装置40と紫外光、可視光線発生装置50との両方ま
たはいずれか一方を装着することによっても、水蒸気な
ど溶媒気体分子の”電子移動状態”を作り出すことがで
きる(図6参照)。太陽光線収束装置40は、太陽光線
を取り入れて収束して作用させ、紫外光、可視光線発生
装置50は紫外光または可視光線を作用させる。取り入
れる太陽光線の量は太陽光線収束制御回路401により
制御される。紫外光または可視光線の発生のパターン
(強度、持続発生時間等)は、パルス電源オンオフ制御
回路501で表示パネル502を参照しつつ自由に設計
することも可能で、さらに光度検出器503により光度
を検出して発生パターンを自動制御させることもでき
る。水蒸気流路の内面には反射板504が配置され、光
を反射させて光が充分に水蒸気に作用するようにしてい
る。
【0043】それぞれの電子付加手段は、単独で使用さ
れても複数の組み合わせで使用されてもかまわない。設
置位置は、水蒸気発生部Aと蒸発部Bとの間が好ましい
が、装置が閉鎖系で構成されているので、蒸発部Bと凝
縮部Cとの間でもかまわず、または両方に併設してもよ
い。さらには、蒸発部B内部に配置することも可能であ
る。
【0044】なお、蒸留分離回路上の何れかから採取し
た蒸留分離物質を質量分析機器や近赤外分光スペクトル
分析機器等の分子構造解析装置で解析し、その成績によ
り、目的物に合わせた条件(熱量、水蒸気量、水蒸気
圧、加電圧、電磁波長、磁場強度等)を設定することが
でき、またこの設定は適切な検出器を装置内に装着し、
検出器の出力をもとにして電算処理により自動制御する
ことも可能である。
【0045】本発明の装置及び方法は、水蒸気のみなら
ず、エーテル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、
アルコール、ヘキサン、ベンゼン等の有機溶媒を用いた
蒸留分離に応用でき、その場合各有機溶媒の沸点の高
低、有機電子論的特性が利用される。
【0046】図2の装置に適用すると、水供給装置25
を有機溶媒供給装置とし、蒸気発生装置1は溶媒蒸気を
発生する。有機溶媒の飽和蒸気は電子付加装置9を通過
して回転蒸発釜4に導かれる。材料投入器3からは天然
資材はもちろん、エーテル、アセトニトリル、テトラヒ
ドロフラン、アルコール、ヘキサン、ベンゼン等の有機
溶剤で予め処理されている溶媒抽出液を資材として投入
することができる。
【0047】混合ガスは蒸留凝縮装置10で凝縮され、
分離装置11で分離され、目的の物質が得られる。さら
に有機溶媒を多く含む分離物を蒸気発生装置1に再循環
し、分離物に含まれている物質を溶媒と共に電子付加装
置9による電子移動状態の加速再利用できる。循環回数
の制御等により、分離回収器12や溶解物回収器17に
溜まる溶液の組成物の成分の質的量的な差を作り出し、
また化学的に安定した組成物を得ることができる。
【0048】また図2の装置における電子付加装置9
を、既に実施されているオルダーショウ式、充填式、同
心円式、回転バンド式の従来の蒸留分離装置に装着付帯
させることにより、本発明の効果を得ることができる。
さらにまた、電子負荷装置9を単なる蒸留にも応用する
ことができる。すなわち、資材を溶媒に入れて熱し、あ
るいは溶媒と資材から抽出された成分とを含む混合液体
を熱し、発生した混合ガスが凝縮する以前にに電子負荷
装置9を作用させ、溶媒分子の電子移動状態を作り出す
ことにより、良好な蒸留分離を行うことができる。
【0049】本発明の蒸留装置の制御装置は図示してい
ないが、圧力コントロール、温度コントロール、液面制
御、重量制御、シーケンス制御等を行う。例えば液面制
御、重量制御は、それぞれの装置や回収器等の液面レベ
ルを検知し、一定レベルや予定重量になるよう電磁弁を
開閉することによって行われる。フィード量は定量ポン
プで制御される。蒸留水塔や回路中での熱損失を少なく
するために、補償ヒータにより蒸気温度を制御すること
もできる。蒸気上昇量は、蒸留中の蒸留塔の差圧を測定
し、一定値になるように制御される。蒸気発生装置1、
電子付加装置9、回転蒸発釜4等の内部の温度も測定さ
れ、設定温度に保持される。
【0050】
【実施例】次に上記の装置を用いてヒノキ科樹木の内で
わが国の代表的な樹木である木曽ヒノキのおがくず又は
チップから蒸留分離した芳香性樹脂油について説明す
る。しかし例示したものに本発明の方法ならびに装置が
制約されるものではない。
【0051】上記の工業的な具体的装置を用いて、乾燥
したヒノキ科ヒノキ属ヒノキ(長野県木曽山系産出)幹
材(樹齢100−300年)のおがくず100キログラ
ム、水蒸気用イオン交換処理水100リッターで油性成
分と水溶性成分を蒸留分離した。この際、留液は水層成
分と油性層成分(平均3リッター)に分離された。この
上層の油性成分は,平均pH7.1であり、芳香性は原
資材の醸し出す芳香に近いものである。
【0052】上記のヒノキ科ヒノキ属ヒノキより蒸留蒸
気して得られた油性成分についてガスクロマトグラフィ
ー法で内容成分の検討をおこなった。ガスクロマトグラ
フ二重収束質量分析計(日立M−2500)による測定
の結果、分子量164でC10122 の7員環ヒノキチ
オールやその他の7員環物質は存在せず、76種類の物
質が存在していることが判明した(図7)。そのうち6
3種が現存する物質と82%の確率で近似していると特
定された。その主な成分はエンドボルネオール、1−4
−テルピネオール、α−テルピネオール、(+)−α−
テルピネオール、エピビシクロセスキフェランドレン、
β−セリネン、α−アモルフェン、アロマデンドレン、
カデイネン、1、2、3、4、4a、7−ヘキサヒドロ
−1、6−ジメチル−4−(1−メチルエチル)ナフタ
レン、α−カデイノール等のモノテルペン類、ジテルペ
ン類やセスキテルペン類が主体であり、直鎖系脂肪族化
合物およびカルボン酸類の化合物も多く含まれている。
この植物油が含むそれぞれの物質の分子量分布では、1
36、154、204の大きな3つのピークが認められ
た。
【0053】蒸留分離後のおがくずは、炭化状態を認め
ず蒸留分離する前の外観と同様だった(図8参照)。さ
らに走査電子顕微鏡での観察でも蒸留前後の繊維構造の
表面の形態変化は認められなかった。また透過型電子顕
微鏡による観察では、繊維構造には蒸留前後で大きな変
化は認められないが、繊維構造外部の導管部には蒸留前
に約2−30ナノメーターの高密度粒子が配列し、時に
は導管内に噴出するような形態像が認められた(図9参
照)一方、蒸留後にはそれらの高密度微細粒子は認めら
れなかった(図10参照)。このことは、本発明による
蒸留分離の方法では、繊維等の構造形成体の基本的骨格
を破壊していないことを示している。
【0054】<本発明にかかわる基本的概念と本発明の
意義>一般的に原子核から離れていくにつれて電子の存
在密度が変化し、山の一番高いところに相当する距離は
電子がもっとも多く存在する場所(平衡距離)であり、
さらに電子雲すなわち電子が広がりうるところの存在確
率は、エネルギーにしたがって決定される。この点が量
子論として体系づけられてきている論理構築である。ま
た基本的なこととして、平衡半径は主量子数の自乗に比
例するといわれている。しかし、主量子数2の軌道の第
二の種類のものは変わっており、一つの軌道にも関わら
ず二つのボールを重ね合わせたような形をとっており、
重ね合わせた間に原子核がある。すなわちp軌道は上下
の縦の方向に方向性があり、p軌道にはpx、py、p
zの3軌道があることになる。また、常に同じエネルギ
ー水準の軌道は互いに干渉しないように分散するという
のが原則であり、s軌道、p軌道という種類の違った軌
道からエネルギー的に同一種の軌道ができるのが混成で
あり、新しいできた軌道を混成軌道と言われている。こ
のような分子軌道論を理解する一例としてCとHとの結
合(共有結合)について概説しておく。CとHがうまく
重なり合う(オーバーラップ)ことができれば2個の電
子は同時にCにもHにも属することになり、CとHに共
有されるので共有電子といわれるものである。そして重
要なことはスピンを逆にして2個の電子が一つの結合を
形成すると、重なりのエネルギー(オバーラッピングエ
ネルギー)等のエネルギーを大量に放出するために、そ
れ自身が持っている内部エネルギーは小さくなり安定化
するという、所謂、結合エネルギーが発生することであ
る。逆にC−H結合を分裂させて元の原子同士に分ける
ためには、この結合エネルギーを新しく何らかの方法で
加えなければならないのは当然のことである。また分子
には安定な軌道から不安定な軌道まで、それぞれ量子化
された(ということは不連続で、一定の軌道エネルギー
をもつということだが)軌道があり、安定なものから順
に二つずつの電子がスピンを逆にして軌道内にはいって
行くことが知られており、安定分子軌道のσ(シグマ)
軌道は一方のH.に比べてE2だけのエネルギーがあ
り、他方のC.よりE1のエネルギーだけ安定化して共
有結合のための電子を入れる分子軌道(電子対)にな
る。また、もう一つの新しい分子軌道は逆にE2とE1
だけ不安定化していてσ*と表現される軌道であり、こ
の軌道は重なり得ないので不安定化する。すなわち、こ
の軌道の重なりに関しては(+)と(−)の位相(Ph
ase)があり、位相が同符合のもののみ重なりあうこ
とができ、すなわち安定化する。逆に位相が(+)と
(−)に異なれば、重なり合うことができずに相互に反
発して不安定化することも良く知られている。このよう
な簡単な原理からも、従来の水蒸気蒸留法は方法そのも
のが熱によるエネルギー供給とそのエネルギーによる水
(H2 O)のイオン化が起こる。すなわち水素イオンは
+ として表記されるが、H+ はプロトンすなわち陽子
そのものであり、大変不安定な物である。水の存在する
ところでは必ず、H2 Oと一緒になって「H3 O」+
状態と平衡関係を維持している。しかし、もっともH+
が放たれるといっても、実際にはH+ を受け取る塩基が
必ず共存しなければならず、水であるところのH2Oが
+ を受け取るのであり、水蒸気内でも常に[H3
+ ]濃度と[OH- ]濃度の積が一定であるとすれば、
蒸留に伴う熱エネルギーとプロトンであるH+によっ
て、目的とする物質の分子軌道は容易に熱エネルギー的
に安定化の方向すなわちコンフィギュレーションの変
化、立体異性体の形成、電子の局在化をとり、また水酸
基の置換(酸性化)等により分子構造の安定化がおこ
る。言い替えれば、σ結合の生成には、円いs軌道同士
は重なってσ結合となり安定になり、円いs軌道はsp
3、sp2、spの各軌道と同一軸上で重なり合ってσ
結合となり、sp3、sp2、spの各軌道同士も、同
じ方向軸上で重なり合ってσ結合となり、p軌道も同じ
方向軸で向かい合ったとき重なり合ってσ結合となる。
さらにπ結合の生成p軌道が縦に平行にならんだとき重
なり合ってπ結合となる。また重なり合うことができな
い場合には、円いs軌道は方向軸のちがうp軌道とは重
なっても結合できない(すなわち直交と呼ばれる現象で
ある)。さらに位相の問題としては、p軌道は同一x軸
上にある時はσ結合となり、py軌道またはpx軌道上
にあれば平行となってπ結合となるが、py軌道とpx
軌道は直角に方向が異なっているので重ならず、また位
相が異なると反結合性の分子軌道になり、結合にはなら
ない。さらに電子異性効果(E効果)はI効果があくま
でσ結合であったのに比べて二重結合のπ結合になり、
大きく異なってくる。このような点から、水蒸気蒸留に
おいてさらなる電子付加を加えることは、分子に対する
非局在化エネルギーすなわち共鳴エネルギーを外部的に
補充させ、水蒸気とその熱エネルギーとともにπ電子が
分散し、その目的とする分子が熱力学的に構造変化によ
って安定になり、安定になった分だけのエネルギー量が
電子の非局在化エネルギーになり、他の分子構造の安定
化を進める連鎖反応系を制御、抑制または阻止すること
がその役割であると考えられる。また樹木等の油性成分
に含まれる複合化合物は主に炭素、水素、酸素さらに窒
素原子から構成されているが、葉緑素等で太陽光線の光
エネルギーを化学変換してそれぞれの樹木等の植物の生
育、生存維持に必要な物質を合成していると共に、この
合成された複合化学物質はそれぞれの生命維持のための
エネルギー蓄積容量体としても役割を果たしている。例
えば本発明の実施例でも示したように、繊維構造物の周
辺で導管部に接する表面にはグルタールアルデヒドで固
定されオスニュウム酸で高密度に染色される油状の微細
粒子が付着しており、それらの粒子のあるものは導管内
に向かって曝発状または噴火状に点在しており、これら
の物質が化学的には親水性ならびに疎水性の性格を持ち
ながら、熱力学的にはエネルギー蓄積容量体として作用
することによって、ある場合には数十メーターに及ぶ根
部から葉の先端までの樹木内の水の移動に関するパイプ
ラインの形成はもとより、ポンプ駆動源としての重要な
役割を果たしていると考えられる。そのようなエネルギ
ー蓄積容量体としての複合化学成分から構成されている
植物油を水蒸気等の熱エネルギーや有機溶媒それ自身が
もっている結合エネルギーによって、複合化学物質に対
して外部的エンタルピーが増加され、樹脂のエネルギー
蓄積容量体としての特性が自然状態から隔たった物質に
転換されることは十分に考えられることであり、物質の
構造(立体構造を含む)や分子軌道の電荷分布(電子密
度)を変換することにより蒸留分離操作過程での樹脂に
含まれる複合化学物質の熱力学的安定化が起こる。この
ような点が従来からのさまざまな蒸留方法や抽出方法の
改良工夫であり、蒸留分離されるべき樹木等の植物等が
内包する生命維持に必要な複合化学物質の熱力学的考慮
や分子軌道論的考慮が欠落していることが、天然資材を
取り扱う際の問題点として現在まで取り残されていた科
学的課題であった。本発明は上述の問題点を考慮して、
さらに天然資材特に樹木等の複合化学物質が樹木等それ
自身の生命維持に必要不可欠な物質であり、生命維持に
関与する物質はそれぞれが”動的非平衡系開放系”の熱
力学的秩序化をしているという観点から発案されたもの
であり、本発明の根幹をなすものである。より具体的に
説明するならば、植物油にはカルボキシル基、カルボニ
ル基、メチル基や水酸基等の側枝を持った化学物質が数
多く含まれていることは周知のことであり、例えばカル
ボキシル基−C(=O)−OHはそれ自身がH+ を相手
に供与する特性ないし構造をもっており、H+ を放ちや
すい第二の原因としてH+ を出してしまったあとの−C
O−O−であるところのアニオンでは電子が分散してい
るので、非局在化エネルギーすなわち共鳴エネルギーが
発生し、H+ を放つことによって、さらに安定化するこ
とができ、この状態がさらにH+ を放つ第一の要因を再
び決定的にする。このような反応系は熱エネルギーや光
エネルギーの負荷により容易に起こり、物質の変性変質
過程に伴う一般的なことであった。熱エネルギーが加わ
る水蒸気蒸留においても同様な変化が起こることが従来
から指摘されていた。本発明は蒸留過程で起こる熱力学
的な分子の構造(立体構造を含む)の連鎖的な化学反応
を外部的に電子を付加することにより、制御、抑制、阻
止できる方法とその装置に関するものであり、天然資材
特に樹木等の植物が本来持っている複雑な組成、複雑な
分子構造をより自然に近い状態で蒸留できることを論理
的に説明できるだけでなく、産業上の効果は勿論のこ
と、自然から人類への効果役割のさらなる探究や人類か
ら自然生態系への関わりを探究する上にも、本発明の意
義は大なるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る蒸留分離の方法の実施の
形態を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明に係る蒸留分離装置の一例を示
す図である。
【図3】図3は、図2に装置の電子附加制御部Eの金網
を示す図である。
【図4】図4は、電子附加制御のための加電発生装置の
一例を示す図である。
【図5】図5は、電子附加制御部のための電磁波、マイ
クロ波または磁場発生装置の一例を示す図である。
【図6】図6は、電子附加制御のための太陽光線収束装
置及びや紫外光、可視光線発生装置の一例を示す図であ
る。
【図7】図7は、図2の装置により木曽ヒノキから蒸留
分離された植物油成分のガスクロマトグラフィー分析の
例を示す分析図である。
【図8】図8は、図2の装置により木曽ヒノキから油性
成分と水溶性成分が蒸留分離される前後の材料の外観像
を示したものである。
【図9】図9は、図2の装置により木曽ヒノキから油性
成分と水溶性成分が蒸留分離される前の材料の透過型電
子顕微鏡像での高密度粒子の状態を示したものである。
【図10】図10は、図2の装置により木曽ヒノキから
油性成分と水溶性成分が蒸留分離される前後の材料の透
過型電子顕微鏡像を示したものである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒蒸気雰囲気内に置かれた資材から出
    た成分を含む混合ガスを凝縮分離する蒸留分離方法であ
    って、資材の置かれている箇所に供給される以前の溶媒
    蒸気、資材の置かれた箇所の混合ガス及び/または凝縮
    分離する以前の混合ガスについて、溶媒分子の電子移動
    状態を作る電子付加過程を含むことを特徴とする蒸留分
    離方法。
  2. 【請求項2】 前記溶媒は水である請求項1に記載の蒸
    留分離方法。
  3. 【請求項3】 資材から出た成分を含む混合ガスを凝縮
    分離する蒸留分離方法であって、凝縮分離する以前の混
    合ガスについて、溶媒分子の電子移動状態を作る電子付
    加過程を含むことを特徴とする蒸留分離方法。
  4. 【請求項4】 溶媒と溶質とを含む混合ガスを生成する
    混合ガス生成手段と、生成した混合ガスを凝縮する凝縮
    手段と、凝縮した混合液体を高沸点成分と低沸点成分と
    に分離する分離手段とを含む蒸留分離装置であって、凝
    縮手段の以前に、溶媒分子の電子移動状態を作る電子付
    加手段を配置したことを特徴とする蒸留分離装置。
  5. 【請求項5】 溶媒蒸気を供給する溶媒蒸気発生手段
    と、溶媒蒸気が供給され、資材から成分が蒸発して混合
    ガスを生成する蒸発手段と、蒸発手段から送られた混合
    ガスを凝縮する凝縮手段と、凝縮した混合液体を高沸点
    成分と低沸点成分とに分離する分離手段とを含む蒸留分
    離装置であって、溶媒蒸気発生手段と蒸発手段との間、
    蒸発手段中及び/または蒸発手段と凝縮手段との間に、
    溶媒分子の電子移動状態を作る電子付加手段を配置した
    ことを特徴とする蒸留分離装置。
  6. 【請求項6】 前記溶媒は水である請求項5に記載の蒸
    留分離装置。
  7. 【請求項7】 前記分離手段において分離された液体の
    うち、溶媒の大部分を含む方の液体を、前記溶媒蒸気発
    生手段に再循環させて蒸気とする請求項5に記載の蒸留
    分離装置。
  8. 【請求項8】 前記電子付加手段は、水蒸気及び/また
    は混合ガスに接触する遷移金属である請求項5に記載の
    蒸留分離装置。
  9. 【請求項9】 前記電子付加手段は、水蒸気及び/また
    は混合ガス中に放電する放電装置である請求項5に記載
    の蒸留分離装置。
  10. 【請求項10】 前記電子付加手段は、水蒸気及び/ま
    たは混合ガス中に放電する放電装置である請求項5に記
    載の蒸留分離装置。
  11. 【請求項11】 前記電子付加手段は、水蒸気及び/ま
    たは混合ガスに電磁波を作用させる電磁波発生装置であ
    る請求項5に記載の蒸留分離装置。
  12. 【請求項12】 前記電磁波発生装置は、マイクロ波発
    生装置である請求項11に記載の蒸留分離装置。
  13. 【請求項13】 前記電磁波発生装置は、紫外線発生装
    置である請求項11に記載の蒸留分離装置。
  14. 【請求項14】 前記電磁波発生装置は、可視光線発生
    装置である請求項11に記載の蒸留分離装置。
  15. 【請求項15】 前記電子付加手段は、水蒸気及び/ま
    たは混合ガスに収束した太陽光線を当てる太陽光線収束
    装置である請求項5に記載の蒸留分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007098383A (ja) * 2005-09-07 2007-04-19 Tokyo Electric Power Co Inc:The マイクロ波を用いた植物バイオマスからの油の抽出方法、それに用いる装置
JP2007231196A (ja) * 2006-03-02 2007-09-13 Tokyo Electric Power Co Inc:The マイクロ波を用いた精油抽出装置
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JP2010100735A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Kiyoyasu Yamakawa ハーブ等植物の精油抽出方法並びにハーブ等植物の蒸留液製品

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