JPH0966A - 樹木育成方法および装置 - Google Patents

樹木育成方法および装置

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JPH0966A
JPH0966A JP15585195A JP15585195A JPH0966A JP H0966 A JPH0966 A JP H0966A JP 15585195 A JP15585195 A JP 15585195A JP 15585195 A JP15585195 A JP 15585195A JP H0966 A JPH0966 A JP H0966A
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heating element
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temperature
heating
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JP15585195A
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Susumu Kiyokawa
川 晋 清
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 樹木の根下方に敷設される根加温用発熱体を
設けるとともに、該樹木の幹を被覆するように配置され
た面状発熱体からなる幹加温用発熱体を設け、これら発
熱体によって、前記根および幹を加温して樹木を育成す
る方法。 【効果】 上記方法によれば、前記根加温用発熱体およ
び幹加温用発熱体により、樹木の根および幹を加温して
防寒するようにしたため、その原産地より高緯度のより
寒冷な地域にあっても、公園および一般家庭の庭等に直
接植樹し、戸外に開放された状態で育成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、樹木の育成方法およびそ
の装置に関し、特に、冬季および寒冷地において、有効
に冷害を防止できる樹木の育成方法および装置に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】木本に属する植物、所謂樹木を、
庭木、街路樹あるいは果樹として、その原産地より高緯
度(あるいは高高度)のより寒冷な地域で育成すると、
冷害によってその成長が阻害され、特に冬季に、甚だし
くは枯死する場合がある。
【0003】したがって、庭木、街路樹および果樹等の
樹木は、何ら防寒設備を施さずに戸外の地面に植樹した
のでは、このような冷害による成長阻害および枯死によ
り、植樹可能な緯度(あるいは高度)が著しく制限され
ている。
【0004】そこで、従来より、冬季に樹木の幹にむし
ろなどを巻き回して防寒する等の工夫もなされている
が、このような方法では、樹木を、原産地との気温差が
大きな地域で育成する場合、例えば、熱帯性あるいは亜
熱帯性の樹木を、温帯あるいはそれ以上の寒冷地で育成
するには不十分であった。
【0005】このような熱帯性あるいは亜熱帯性の樹木
は、その原産地の気温に近い室温に維持された温室内に
て育成することが可能である。ところが、このような温
室設備は、建設費用および維持費用が高く、特に背の高
い樹木を育成しようとする場合には、これらの費用は莫
大なものとなる。
【0006】また、温室設備では、樹木を温室という閉
鎖空間内に植える必要があり、開放空間に美観を付与す
ることはできなかった。さらに、具体的に言うと、例え
ば熱帯性および亜熱帯性の樹木は、温帯以上の高緯度地
域では、耕作地、街路、公園および一般家庭の庭等に直
接植樹し、戸外に開放された状態で育成することはでき
なかった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、このような従来技術に伴う問
題点を解決するためになされたものであり、樹木を、そ
の原産地より高緯度のさらに寒冷な地域で育成するに際
して、耕作地、街路、公園および一般家庭の庭等に直接
植樹し、開放された状態で育成することができるととも
に、安価、簡便かつ有効に冷害の発生を防止できる樹木
の育成方法および装置を提供することを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る樹木育成方法は、樹木の根
下方に埋設される根加温用発熱体を設けるとともに、該
樹木の幹を被覆するように配置される面状発熱体からな
る幹加温用発熱体を設け、これら発熱体によって、前記
根および幹を加温して樹木を育成することを特徴とす
る。本発明の方法では、前記根加温用発熱体が、面状発
熱体であってもよい。
【0009】また、本発明の方法では、前記樹木の根近
傍の地中温度を検出する地中温度検出器と、幹の温度を
検出する幹温度検出器とを設け、これらの検出温度か
ら、前記発熱体の発熱量を制御することにより、根およ
び幹の温度を、例えば所望の温度差を持って安定して維
持することが可能である。また、この場合、前記樹木の
根の温度が、前記幹の温度よりも高くなるように発熱体
の発熱量が設定されることが好ましい。
【0010】また、本発明に係る樹木の育成装置は、樹
木の根下方に敷設される根加温用発熱体と、前記樹木の
幹を被覆するように配設された面状発熱体からなる幹加
温用発熱体と、前記根近傍の地中温度を検出する地中温
度検出器と、前記幹の温度を検出する幹温度検出器と、
前記地中温度検出器および前記幹温度検出器による検出
温度に基づき、前記発熱体の発熱量を制御し、樹木の根
および幹の加温を所定温度に制御・維持する温度維持手
段と、を備えることを特徴としている。
【0011】本発明に係る樹木の育成方法および装置に
よれば、前記根加温用発熱体および幹加温用発熱体によ
り、樹木の根および幹を加温して防寒するようにしたた
め、その原産地より高緯度のより寒冷な地域にあって
も、公園および一般家庭の庭等に直接植樹し、戸外に開
放された状態で育成することができる。
【0012】また、本発明に係る装置あっては、根加温
用および幹加温用発熱体と、これらの発熱量を制御する
温度維持手段を設けるだけで、樹木の防寒を行なうこと
ができるため、防寒設備に要する費用が廉価でかつ設備
作業が簡便である。また、幹および根という樹木の特定
部位のみを加温するだけでよく、かつ充分高い気温を期
待できる夏期には、幹より幹加温用発熱体を脱着し、根
加温用発熱体からの発熱を停止することができるため、
防寒に要するエネルギーを有効に節約することができ
る。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る樹木の育成方
法および装置を、図面を参照してさらに具体的に説明す
る。
【0014】図1は、本発明に係る樹木の育成装置の好
ましい一実施例を示す模式図であり、図2は、面状発熱
体の幹への配設状態を説明するための一部分解側面図で
あり、図3は、面状発熱体の斜視図である。
【0015】図示されるように、本実施例の樹木の育成
装置は、地面Rに植樹されたヤシ1の根2下方に敷設さ
れる根加温用発熱体としての面状発熱体3(以下、根加
温用発熱体3と記す)と、このヤシ1の幹4に巻回され
る面状発熱体5(以下、幹加温用発熱体5と記す)とを
有しており、これらは電源6に電気的に接続されてい
る。
【0016】本実施例において、根加温用発熱体3およ
び幹加温用発熱体5は、図3に示されるような面状発熱
体である。この面状発熱体は、鉄粉、アルミ粉、カーボ
ン等の導電性材料の粉体を、ゴム、軟質プラスチックな
どの軟質樹脂に混入してなる導電性ゴムまたは導電性プ
ラスチックを帯状に成形した発熱部15と、この発熱部
15の両側に埋設された通電用のリード線16,16と
で構成されている。
【0017】このような面状発熱体からなる発熱体3,
5は、電源6によって通電されることによって発熱し、
その発熱量は、通電される電流の大きさ、および/また
は印可される電圧の大きさによって制御される。また、
面状発熱体は、発熱部15が導電性ゴムまたは導電性プ
ラスチックから形成されているため、柔軟性に優れてお
り、後述するように、根加温用発熱体3および幹加温用
発熱体5として配設することが容易である。
【0018】根加温用発熱体3は、例えば、所定深さD
を有する穴の底に敷設し、土壌をかぶせ、その上方に植
樹することによって所定位置に埋設することができる。
なお、本発明では、根加温用発熱体3は特に限定され
ず、例えば面状発熱体以外にも、温水パイプあるいはニ
クロム線ヒータなどを用いることも可能である。
【0019】しかしながら、面状発熱体は、柔軟性を有
するために敷設が容易で、土壌の部分沈下などによって
破壊されることがなく、かつ防水性および耐水性に優れ
ている。また、面状発熱体は、根の下方に複数枚を並べ
て敷き詰めることにより、樹木の根が広い範囲に広がっ
ていても、むらなく均一に加温することが可能である
他、複数埋設した発熱体個々の発熱量を別個に制御し
て、根近傍の地中温度分布を好適に維持することができ
るなど多くの利点を有している。したがって、根加温用
発熱体3としては、この面状発熱体を用いることが好ま
しい。
【0020】幹加温用発熱体5は、図2に示すように、
ヤシ1の幹4に、この幹を保護するための麻布等からな
る内側保護用帯体21を巻き回し、その上に帯状の上記
面状発熱体巻き回して幹4に取着される。この幹を被覆
する幹加温用発熱体5上には、その保護および確実な固
定を実現するために、麻布等からなる外側保護用帯体2
3が巻き回されている。
【0021】このような幹加温用発熱体5は、柔軟性を
有し、かつ防水性および耐水性に優れた面状発熱体を用
いて形成されるため、配設が簡単である他、自然環境内
で、長期間安定して使用することが可能である。
【0022】上記の根加温用発熱体3および幹加温用発
熱体5を有する本実施例の装置は、さらにこれら発熱体
3および5の発熱量を制御する温度維持手段を備えてい
る。この温度維持手段は、地中の根2近傍に埋設される
地中温度検出器としての第一および第二地中温度検出器
7,8と、幹部4に取着される幹温度検出器9と、これ
ら温度検出器7〜9が接続される制御装置10とからな
る。
【0023】図1に示すように、第一地中温度検出器7
は、根2と根加温用発熱体3との間、即ち根2の直下に
埋設され、そして第二地中温度検出器8は、根2の側方
に、根2とほぼ同一の深さとなるように埋設されてい
る。これら地中温度検出器7,8は、ヤシ1が植樹され
る際に、根加温用発熱体3とともに埋設される。これら
地中温度検出器7,8にて検出された地中温度は、電気
信号(温度検出信号i,ii)として制御装置10に送
られる。
【0024】また、幹温度検出器9は、図2に破線で示
すように、幹加温用発熱体5の下に設けられており、こ
の幹温度検出器9で検出された幹温度も、電気信号(温
度検出信号iii)として制御装置10に送られる。
【0025】次に、制御装置10による温度維持機能に
付き説明する。先ず、この制御装置10は、適性な育成
が期待できる地中温度分布から割り出した設定温度と、
上記第一地中温度検出器7からの温度検出信号iおよび
/または第二地中温度検出器8からの温度検出信号ii
とを比較し、その差に基づいて電源6から根加温用発熱
体3に印可される電圧および/または電流量を調節し
て、発熱体3にて根近傍が適性な地中温度分布を有する
ように加温される状態を維持する。なお、第一地中温度
検出器7,8の温度検出信号i,iiと比較する設定温
度は、各々適性な地中温度分布を得られるよう割り出し
た値であって、同一であっても異なっていてもよい。
【0026】本実施例の装置では、2個の地中温度検出
器7,8を埋設しており、これらの検出信号iおよびi
iのいづれか一方、または両方に基づいて、根加温用発
熱体3の発熱量を制御することが可能である。
【0027】例えば、制御装置10は、根2の下方に設
けられた第一地中温度検出器7の温度検出信号iのみに
基づいて発熱体3の発熱量を制御し、もう一方は地中温
度分布をモニタするためだけに使用するようにできる。
また、制御装置10は、根加温用発熱体3を複数埋設し
た場合、温度検出信号iに基づいて一部の発熱体3の発
熱量を、温度検出信号iiに基づいて他の発熱体3の発
熱量を制御するようにしてもよい。
【0028】さらに具体的に説明すると、地中の深い部
分は、その温度が比較的安定しており、表面に近いほど
外気温度に影響され易い。したがって、根2の下方に位
置する第一温度検出器7の検出温度信号iは安定してい
るため、検出温度信号iと設定温度との差を小さくする
ために発熱体3の発熱量を小まめに変化させる必要はな
い。ところが、地表に近い第二温度検出器8の検出温度
信号iiは不安定で1日の変化が大きく、この検出信号
iiに基づいて発熱体3の発熱量を制御する場合、電源
6により通電される電気の電圧あるいは電流量を頻繁に
変化させなければならない。何れの温度検出信号i,i
iで発熱体3の発熱量を制御するかによって、実現され
る地中温度分布が異なることとなるが、これはその育成
する植物種および植樹環境によって適宜選択される。
【0029】以上説明したように、第一および第二の地
中検出器7,8の検出信号i,iiの何れに基づいて
も、発熱体3の発熱量を制御することが可能であるが、
検出信号i,iiの両方を発熱体の発熱量の制御に用い
ることも可能である。
【0030】例えば、発熱体3を複数敷設し、これら発
熱体3の最も外側に位置する発熱体、あるいは根2の側
方、地表近傍にさらに埋設した第二の根加温用発熱体の
発熱量を、第二温度検出器8の検出信号iiによって制
御し、他の発熱体3の発熱量を第一温度検出器7の検出
信号iによって制御するようにしてもよい。
【0031】また、所定の条件下にて一方の温度検出信
号を無視し、他方の温度検出信号のみによって発熱体3
の発熱量を調節するようにして、検出信号i,iiに優
先順位を付けることも可能である。具体的には、気温が
安定し、第二温度検出器8からの温度検出信号iiが所
定の温度変化勾配以下を示した場合に、検出信号iiを
無視して、第一温度検出器7からの検出信号iのみによ
って発熱体3の発熱量を調節するようにし、気温が急激
に変化し、温度検出信号iiが所定温度変化勾配を越え
る場合に、検出信号iを無視して、第二温度検出器8か
らの検出信号iiのみによって発熱体3の発熱量を調節
するようにすることができる。
【0032】このように、根加温用発熱体3の発熱量を
制御する制御装置10は、さらに、適性な育成が期待で
きる設定幹温度と、上記幹温度検出器9からの温度検出
信号iiiとを比較し、その差に基づいて電源6から幹
加温用発熱体5に印可される電圧および/または電流量
を調節し、この発熱体5によって幹が所望の温度で加温
される状態を維持する。
【0033】設定幹温度は、制御装置10の検出信号
i,iiに対応する設定地中温度、あるいはそれらの平
均値と同一である必要はなく、ある程度の差を持ってい
てもよい。樹木の種類にもよるが、通常、設定地中温度
あるいはその平均値を、設定幹温度よりも高く設定し、
具体的には前者が25℃程度の場合には、後者が20℃
程度とすることが好ましい。
【0034】このような構成の樹木の育成方法および装
置によれば、ヤシ1の根2および幹4の温度を、根加温
用発熱体3および幹加温用発熱体5の発熱量制御によっ
て、例えば所望の温度差を持って加温することにより、
ヤシ1の防寒を行なっているため、その原産地である熱
帯あるいは亜熱帯より高緯度のより寒冷な地域、例えば
温帯にあっても、公園および一般家庭の庭等に直接植樹
し、戸外に開放された状態で育成することができる。
【0035】また、本実施例では、根加温用および幹加
温用発熱体3,5と、これらの発熱量を制御する温度維
持手段を設けるだけで、ヤシ1の防寒を行なうことがで
きるため、このような高木を収容する大容積の温室と比
較して、防寒設備に要する費用が廉価でかつ設備作業が
簡便である。また、幹4および根2という特定部位のみ
を加温するだけでよく、かつ充分高い気温を期待できる
夏期にあっては、幹4より発熱体5を脱着することがで
き、かつ発熱体3からの発熱を停止することができるた
め、防寒に要するエネルギーを有効に節約することがで
きる。
【0036】以上、本発明をその好ましい一実施例を挙
げて具体的に説明したが、本発明はこの実施例に限定し
て解釈されるものではない。例えば、本発明の方法で
は、発熱体の発熱により、植物種および育成環境に応じ
て、適性な地中温度分布、即ち設定地中温度分布が達成
されればよく、この温度分布が特に温度検出をしなくて
も達成できる場合には、温度検出器を埋設しなくてもよ
い。また、本発明の装置では、温度検出器は、その個数
は特に限定されず、1個であっても複数個であってもよ
い。また、本発明では、根加温用発熱体および幹加温用
発熱体、温度検出器等の配設方法、配設箇所および配設
個数は、本発明の技術概念を逸脱しないかぎり特に限定
されず、さらに所定時間間隔または所定乾燥状態で、自
動的に給水を行なう自動給水機構等を設けてもよい。特
に好ましくは、本発明の装置では、ヤシ1の根2近傍に
埋設した水分検出器と、ヤシ1に給水する給水ポンプ
と、水分検出器の検出信号に応じて給水ポンプの作動を
制御する給水制御装置とを備える自動給水機構を有して
いてもよい。
【0037】さらに、本発明を適用される樹木の種類
は、特に限定されず、防寒を要する地域および条件下で
育成される果樹、街路樹および庭木等のいづれにも適用
できることは言うまでもない。本発明は、特に例えば、
ヤシ(図1参照)、アカテツ、ビロウ、ヘゴ、ソテツ、
オヒルギ及びメヒルギ等の熱帯および/または亜熱帯の
樹木を、温帯で庭木あるいは街路樹として育成する場
合、マツ、チャ、クワ、スギ、ヒノキ、ナラ及びブナ等
の温帯植物を、亜寒帯あるいは寒帯で庭木等として育成
する場合等に用いることができる。また、特に地中海性
気候において通常育成される果樹等の食用植物、例えば
レモン、オレンジ等の柑橘類、オリーブ及びブドウ等
を、より寒冷な地域で育成する場合にも有効に用いるこ
とができる。
【0038】ここで、図4を参照して、本発明をブドウ
の育成に用いた例を説明する。図4は、本発明に係る樹
木の育成装置の他の実施例を示す模式図である。なお、
図4中で、図1〜図3と同様の部分は、同様の符号を付
してその説明を省略する。
【0039】図示されるように、ブドウ21は、地面R
に植樹され、地面に立設される柱部31,31と、該柱
31間に架橋される棚部33からなるブドウ棚34に巻
きつく幹24を有している。
【0040】このようなブドウ21に適用される本実施
例の樹木の育成装置は、ブドウ21の根22下方に敷設
される根加温用発熱体としての面状発熱体23(以下、
根加温用発熱体23と記す)と、このブドウ21の幹2
4の、柱部31に達する迄の部分にに巻回される面状発
熱体25(以下、幹加温用発熱体25と記す)とを有し
ており、これらは電源6に電気的に接続されている。そ
して、根加温用発熱体23および幹加温用発熱体25
は、図1に示される実施例と同様に、面状発熱体であ
る。
【0041】本実施例にあっても、このような面状発熱
体からなる発熱体23,25は、電源6によって通電さ
れることによって発熱し、その発熱量は、通電される電
流の大きさ、および/または印可される電圧の大きさに
よって制御される。
【0042】根加温用発熱体23および幹加温用発熱体
25は、図1〜図3と同様にして配設できる。また、本
実施例の装置は、これら発熱体23および25の発熱量
を制御する温度維持手段を備えている。この温度維持手
段は、地中の根22近傍に埋設される地中温度検出器と
しての第一および第二地中温度検出器7,8と、幹部4
に取着される幹温度検出器9と、これら温度検出器7〜
9が接続される制御装置10とからなり、図1と同様
に、適性な育成が期待できる設定幹温度と、上記幹温度
検出器7〜9からの温度検出信号i,iiおよびiii
とを比較し、その差に基づいて電源6から発熱体23,
25に印可される電圧および/または電流量を調節し、
この発熱体5によって幹および根が所望の温度で加温さ
れる状態を維持することができる。なお、具体的な発熱
量の制御方法に関しては、第一の実施例と同様である。
【0043】このように、本発明の方法および装置を、
食用植物であるブトウ21に適用することにより、第一
の実施例と同様の作用効果が期待でき、したがってより
寒冷な地域で育成できるようにし、食用植物の栽培可能
範囲を広げることが可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る樹木
の育成方法および装置によれば、前記根加温用発熱体お
よび幹加温用発熱体により、樹木の根および幹を加温し
て防寒するようにしたため、その原産地より高緯度のよ
り寒冷な地域にあっても、公園および一般家庭の庭等に
直接植樹し、戸外に開放された状態で育成することがで
き、さらにこれを果樹等の商品植物に利用すれば、食用
植物の栽培可能範囲を広げ、より寒冷な地域で育成する
ことが可能となる。
【0045】また、本発明にあっては、根加温用および
幹加温用発熱体と、これらの発熱量を制御する温度維持
手段を設けるだけで、樹木の防寒を行なうことができる
ため、防寒設備に要する費用が廉価でかつ設備作業が簡
便である。また、幹および根という樹木の特定部位のみ
を加温するだけでよく、かつ充分高い気温を期待できる
夏期にあっては、幹より面状発熱体を脱着し、地中発熱
体からの発熱を停止することができるため、防寒に要す
るエネルギーを有効に節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る樹木の育成装置の好まし
い一実施例を示す模式図である。
【図2】図2は、面状発熱体の幹への配設状態を説明す
るための一部分解側面図である。
【図3】図3は、面状発熱体の斜視図である。
【図4】図4は、本発明に係る樹木の育成装置の他の実
施例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ヤシ 2,22 根 3,23 根加温用発熱体 4,24 幹 5,25 幹加温用発熱体 6 電源 7,8,9 温度検出器 10 制御装置 21 ブドウ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹木の根下方に埋設された根加温用発熱体
    を設けるとともに、該樹木の幹を被覆すように配置され
    た面状発熱体からなる幹加温用発熱体を設け、これら発
    熱体によって、前記根および幹を加温して樹木を育成す
    ることを特徴とする樹木育成方法。
  2. 【請求項2】前記根加温用発熱体が、面状発熱体である
    ことを特徴とする請求項1記載の樹木育成方法。
  3. 【請求項3】前記樹木の根近傍の地中温度を検出する地
    中温度検出器と、幹の温度を検出する幹温度検出器とを
    設け、これらの検出温度から、前記根加温用および幹加
    温用発熱体の発熱量を制御することを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の樹木育成方法。
  4. 【請求項4】前記樹木の根の温度が、前記幹の温度より
    も高くなるように発熱体の発熱量が設定されることを特
    徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹
    木育成方法。
  5. 【請求項5】樹木の根下方に敷設される根加温用発熱体
    と、 前記樹木の幹を被覆すように配置された面状発熱体から
    なる幹加温用発熱体と、 前記根近傍の地中温度を検出する地中温度検出器と、 前記幹の温度を検出する幹温度検出器と、 前記地中温度検出器および前記幹温度検出器による検出
    温度に基づき、前記発熱体の発熱量を制御し、樹木の根
    および幹の加温を所定温度に制御・維持する温度維持手
    段と、を備えることを特徴とする樹木育成装置。
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Cited By (9)

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