JPH095157A - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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JPH095157A
JPH095157A JP15786895A JP15786895A JPH095157A JP H095157 A JPH095157 A JP H095157A JP 15786895 A JP15786895 A JP 15786895A JP 15786895 A JP15786895 A JP 15786895A JP H095157 A JPH095157 A JP H095157A
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signal
infrared
light
infrared light
input
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JP15786895A
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English (en)
Inventor
Shigeki Nakase
重樹 仲瀬
Shigeyuki Nakamura
重幸 中村
Hiromi Shimano
弘己 嶋野
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成で、安定して、精度良く赤外線を
検出する赤外線検出装置を提供する。 【構成】 入力光同期部100が周期的にパルス状の赤
外光を生成し、焦電素子210へ向けて出力する。焦電
素子210では、入力光同期部100で生成された赤外
光の入射/非入射による入射赤外線量に応じた温度上昇
/下降による表面電荷の変化を焦電効果にてとらえる。
こうした表面電荷の変化を反映した焦電素子210の出
力信号が同期検出部300に入力する。一方、入力光同
期部は、焦電素子210の出力信号の温度依存性の初期
変化の後に、サンプル指示信号X、Yを有意にしてサン
プリングを同期検出部300へ指示する。同期検出部3
00では、サンプル指示信号に従って同期増幅を実行
し、同期増幅信号S2が平滑回路400で平滑化され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入射した赤外線の強度
を検出する赤外線検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物体の温度の非接触測定やガス濃度測定
に赤外線検出装置が多用されている。こうした赤外線検
出装置で使用される赤外線検出素子の一つとして焦電素
子がある。焦電素子は、自発分極を示す強誘電体素子で
あって、入射赤外線による温度変化を、その表面電荷の
増減による焦電効果にてとらえ、これらの電荷を電気信
号として取り出すことで赤外線の変化量を検出する素子
である。
【0003】図10は、焦電素子を使用した従来の赤外
線検出装置の代表的な構成図である。図10に示すよう
に、この装置は、(a)発光指示信号Tに応じて周期的
なパルス状の赤外光を発生する赤外光源910と、
(b)入射した赤外光の強度に応じた電気信号を出力す
る焦電素子920と、(c)焦電素子920から出力さ
れた電気信号を入力して増幅する増幅器930と、
(d)増幅器930から出力された電気信号を入力する
とともに、発光指示信号Tと同相のサンプル指示信号R
1および発光指示信号Tと逆相のサンプル指示信号R2
を入力して、サンプル指示信号R1と同期して赤外光源
910の点灯時に同期増幅を行うとともに、サンプル指
示信号R2と同期して赤外光源910の消灯時に同期増
幅を行うロックインアンプ940と、(e)ロックイン
アンプ940から出力された電気信号を入力して平滑化
する平滑回路950と、(f)発光指示信号T、サンプ
ル指示信号R1、およびサンプル指示信号R2を発生す
るタイミング制御部960とを備える。
【0004】この装置では、以下のようにして赤外線量
を検出する。図11は、この装置の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【0005】まず、タイミング制御部960が発生する
発光指示信号の有意指示に応じて赤外光源910から出
力された赤外光が、例えば収納器970内の気体雰囲気
を通過した後、焦電素子920に入射する。焦電素子9
20では、赤外線の入射による入射赤外線量に応じた温
度上昇による表面電荷の変化を焦電効果にてとらえる。
こうした表面電荷の変化を反映した焦電素子920の出
力電気信号は、増幅器930を介してロックインアンプ
940に入力し、赤外光源910の点灯中には、サンプ
ル指示信号R1に応じて同期増幅される。同期増幅され
た信号は平滑回路950に入力する。
【0006】赤外光源910の点灯指示後、所定時間の
経過後に、タイミング制御部960は発光指示信号の非
有意指示を発生し、赤外光源910を消灯する。この結
果、焦電素子920の温度下降が発生し、表面電荷の変
化が発生する。こうした表面電荷の変化を反映した焦電
素子920の出力電気信号は、増幅器930を介してロ
ックインアンプ940に入力し、赤外光源910の消灯
中には、サンプル指示信号R2に応じて同期増幅され
る。同期増幅された信号は平滑回路950に入力する。
【0007】赤外光源910の点灯中の同期増幅信号と
赤外光源910の消灯中の同期増幅信号とは、平滑回路
950において発光指示信号Tの周期よりも充分に長い
時定数で平滑化される。この平滑化された信号の値か
ら、例えば収納器970内の気体雰囲気を通過した後の
赤外線の強度を検出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の赤外線検出装置
は上記のように構成されるので、次のような問題点があ
った。
【0009】すなわち、周囲温度の変化によって焦電素
子の温度変化が生じた場合、同一の入射赤外線に対する
焦電素子の熱的応答速度は過敏に変化する。熱的応答速
度、すなわち、赤外線入射に対する出力信号の上昇率
(あるいは、下降率)および赤外線入射の中断に対する
出力信号の下降率(あるいは、上昇率)は、強誘電体の
熱伝導率、および強誘電体の保持部や接着剤などの熱伝
導率といった、総じての熱時定数に依存する。したがっ
て、周囲温度が変化すると平滑化後の出力値が変化する
こととなり、精度の良い赤外線検出ができないという問
題点がある。
【0010】また、焦電素子での赤外線入射時あるいは
赤外線入射中断時の過渡状態での熱的変化率は経時的な
再現性が良くないことが知られている。したがって、長
期間にわたっての赤外線の検出においては、同一の赤外
線量の入射であっても検出値が経時変化するという問題
点がある。
【0011】こうした問題点の解消方法として、熱的応
答速度の変化の改善が考えられるが、熱時定数の不変化
および焦電素子間の均一性を達成することは困難である
ことが現状である。
【0012】また、焦電素子の出力信号をロックインア
ンプによって同期増幅するのではなく、ピークホールド
回路により保持された焦電素子の出力信号のピーク値を
計測する方法も考えられるが、同期増幅の場合に比べて
応答特性の低下や中心値のドリフトによる誤出力などが
発生するという問題が発生する。こうした問題点を解消
するためには、補正機構などを追加する必要があり、装
置として複雑な構成となってしまう。
【0013】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、簡易な構成で、安定して、精度良く赤外線を検出す
る赤外線検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線検出装置
は、(a)周期的なパルス状の赤外光を生成するととも
に、サンプル指示信号を出力する入力光同期部と、
(b)入力光同期部を介した赤外光を入力し、赤外線強
度に応じた第1の電気信号を出力する焦電素子を備える
受光部と、(c)サンプル指示信号に応じて、受光部か
ら出力されるパルス状の赤外光の入力に伴う第1の電気
信号の初期変化の後であって、パルス状の赤外光の入力
期間内の第1の所定期間の間に第1の電気信号をサンプ
ルして同期検出するとともに、受光部から出力されるパ
ルス状の赤外光の無入力に伴う第1の電気信号の初期変
化の後であって、パルス状の赤外光の無入力期間内の第
1の所定期間と同一の長さの第2の所定期間の間に第1
の電気信号をサンプルして同期検出する同期検出部と、
(d)同期検出部から出力された第2の電気信号を入力
して平滑化する平滑回路とを備えることを特徴とする。
【0015】ここで、同期検出部は、各周期内の第1の
電気信号の初期変化の後、第1の電気信号のピーク値付
近の信号値の期間にわたって、第1の電気信号をサンプ
ルすることを特徴としてもよい。
【0016】また、入力光同期部は、周期的に点灯指
示と消灯指示とを繰り返す光源制御信号を出力する光源
制御部と、光源制御信号に応じて、パルス状の赤外光
を発生する赤外光源とを備えることを特徴としてもよ
い。この場合、入力光同期部を一定の圧力下で気体を収
納するとともに、第1の端面から赤外光源から出力され
た赤外光を入力し、内部雰囲気を通過後に第2の端面か
ら出力する収納器を更に備えて、収納器内の気体を透過
した赤外線の強度を測定することが可能である。
【0017】また、同期検出部は、サンプル指示信号に
応じて第1の電気信号を同期増幅するロックインアンプ
を備えることを特徴としてもよい。
【0018】
【作用】本発明の赤外線検出装置では、入力光同期部が
周期的にパルス状の赤外光を生成し、焦電素子へ向けて
出力する。
【0019】この入力光同期部は、例えば、周期的に
点灯指示と消灯指示とを繰り返す光源制御信号を出力す
る光源制御部と、光源制御信号に応じて、パルス状の
赤外光を発生する赤外光源と、一定の圧力下で気体を
収納するとともに、第1の端面から赤外光源から出力さ
れた赤外光を入力し、内部雰囲気を通過後に第2の端面
から出力する収納器と備えて構成することが可能であ
る。そして、周期的なパルス状の赤外光であって、収納
器の内部雰囲気を通過した赤外光を出力する。こうし
た、入力光同期部を採用すると、本発明の赤外線検出装
置によって、収納器内の赤外域に吸収のある特定ガス成
分の濃度の測定が可能である。
【0020】焦電素子では、入力光同期部で生成された
赤外光の入射による入射赤外線量に応じた温度上昇によ
る表面電荷の変化を焦電効果にてとらえる。こうした表
面電荷の変化を反映した焦電素子の出力信号に応じた第
1の電気信号が受光部から出力され、同期検出部に入力
する。
【0021】入力光同期部は、焦電素子の既知の時定数
からみて第1の電気信号の初期変化後、すなわち立ち上
がり(あるいは立ち下がり)後に、サンプル指示信号を
有意にして第1の電気信号のサンプリングを指示する。
同期検出部では、サンプル指示信号が有意となると、第
1の電気信号をサンプル指示信号が有意の間、サンプリ
ングして同期増幅する。なお、サンプル指示信号はパル
ス時間が経過して、赤外光が一時的に途絶えるまでには
非有意に設定される。
【0022】同期検出部が、第1の電気信号の初期変化
の後第1の電気信号のピーク値付近の信号値の期間にわ
たって、第1の電気信号をサンプルすることとすれば、
赤外光パルス時間中に第1の電気信号がピーク値に達し
た後、信号値の絶対値が低下したとしてもS/Nを維持
できる。
【0023】こうして、同期増幅された信号は平滑回路
に入力する。
【0024】パルス時間が経過して、入力光同期部で生
成されたパルス状の赤外光の入射が途絶えると、焦電素
子では温度下降が発生し、表面電荷の変化が発生する。
こうした表面電荷の変化を反映した焦電素子の出力信号
である第1の電気信号は、同期検出部に入力する。
【0025】入力光同期部は、焦電素子の既知の時定数
からみて第1の電気信号の初期変化後、すなわち立ち下
がり(あるいは立ち上がり)後に、サンプル指示信号を
有意にして第1の電気信号のサンプリングを指示する。
同期検出部では、サンプル指示信号が有意となると、第
1の電気信号をサンプル指示信号が有意の間、サンプリ
ングして同期増幅する。なお、サンプル指示信号は非パ
ルス時間が経過して、赤外光が再度入力光同期部から出
力されるまでには非有意に設定される。
【0026】同期検出部が、第1の電気信号の初期変化
の後第1の電気信号のピーク値付近の信号値の期間にわ
たって、第1の電気信号をサンプルすることとすれば、
赤外光パルス時間中の場合と同様に、赤外光の非入力中
に第1の電気信号がピーク値に達した後、信号値の絶対
値が低下したとしてもS/Nを維持できる。
【0027】こうして、同期増幅された信号は平滑回路
に入力する。
【0028】同期増幅された信号は、平滑回路によって
入力光同期部が生成するパルス光発生の周期よりも充分
に長い時定数で平滑化される。この平滑化された信号の
値から、例えば収納器内の気体雰囲気を通過した後の赤
外線の強度を検出する。
【0029】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明のガス濃度
測定装置の実施例を説明する。なお、図面の説明にあた
って同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
【0030】(第1実施例)図1は、本発明の赤外線検
出装置の第1実施例の構成図である。本実施例の装置
は、赤外線パルス周期よりも大きな時定数を有し、初期
変化状態が赤外線パルス周期の1/4程度以下の焦電素
子を採用した場合に好適な装置であって、収納器内の気
体を通過した赤外光の強度を検出する赤外線検出装置で
ある。
【0031】図1に示すように、この装置は、(a)周
期的なパルス状の赤外光を生成するとともに、サンプル
指示信号X、Yを出力する入力光同期部100と、
(b)入力光同期部100を介した赤外光を入力し、赤
外線強度に応じた電気信号を出力する焦電素子210を
備える受光部200と、(c)サンプル指示信号X、Y
に応じて、パルス状の赤外光の入力に伴う微分電気信号
の初期変化の後のパルス状の赤外光の入力期間に電気信
号S1をサンプルして同期検出するとともに、パルス状
の赤外光の無入力に伴う微分電気信号の初期変化の後の
赤外光の無入力期間に電気信号S1をサンプルして同期
検出するロックインアンプを備える同期検出部300
と、(d)同期検出部300から出力された電気信号S
2を入力して平滑化する平滑回路400とを備える。
【0032】入力光同期部100は、基本タイミング
に従って、発光指示信号Pとサンプル指示信号X、Yを
生成するタイミング制御部110と、発光指示信号P
が有意のときには点灯し、発光指示信号Pが非有意のと
きには消灯する赤外光源120と、気体を収納する収
納器130と、収納器130の内部雰囲気を通過した
光から検出対象となる赤外域の波長と略同一の波長の赤
外光を選択して出力するバンドパスフィルタ140とを
備える。
【0033】タイミング制御部110は、装置の動作
の基本タイミングであるデューティが1対1のクロック
信号CLKと、クロック信号CLKを1/2分周した発
光タイミング信号Qとを生成する基本タイミング回路1
11と、発光タイミング信号Qを入力し、出力形態を
変換して発光指示信号Pを出力する光源駆動回路112
と、クロック信号CLKと発光タイミング信号Qとを
入力し、論理演算をしてサンプル指示信号X、Yを出力
するサンプルタイミング回路113とを備える。
【0034】図2は、基本タイミング回路111の構成
図である。図2(a)は基本タイミング回路111の回
路構成を示し、図2(b)は基本タイミング回路111
の動作のタイミングを示す。発振器XTLから出力され
たクロック信号CLKがそのまま出力されるとともに、
クロック信号CLKがD型フリップフロップDFFで分
周されて発光タイミング信号Qが生成されて出力され
る。
【0035】図3は、サンプルタイミング回路113の
構成図である。図3(a)はサンプルタイミング回路1
13の回路構成を示し、図3(b)はサンプルタイミン
グ回路113の動作のタイミングを示す。サンプルタイ
ミング回路113は、クロック信号CLKと発光タイミ
ング信号Qとを入力し論理演算を行って、赤外光源12
0への点灯指示の後半で有意になるサンプル指示信号X
と、赤外光源120への消灯指示の後半で有意になるサ
ンプル指示信号Yとを生成して出力する。
【0036】受光部200は、入力光同期部100を
介した赤外光を入力し、赤外線強度に応じた電気信号を
出力する焦電素子210と、焦電素子210から出力
された信号を入力し、微分する抵抗素子Rと容量素子C
とからなる微分回路220と、微分回路220から出
力された微分電気信号を入力して増幅する増幅器230
とを備える。
【0037】本実施例の装置は、以下のようにして赤外
線を検出する。図4は、本実施例の装置の動作を説明す
るタイミングチャートである。
【0038】本実施例の装置では、まず、基本タイミン
グ回路111がクロック信号CLKと、クロック信号C
LKを分周して発光タイミング信号Qを出力する。光源
駆動回路112は、発光タイミング信号Qを入力し、出
力形態を変換して発光指示信号Pを赤外光源120に向
けて出力する。
【0039】赤外光源120は、発光指示信号Pが有意
の場合は点灯し、発光指示信号Pが非有意の場合は消灯
して、周期的なパルス状の赤外光を発生する。赤外光源
120から出力された赤外光は、収納器130の内部雰
囲気を通過した後、バンドパスフィルタ140を介して
受光部200に入力する。
【0040】受光部200では、焦電素子210で赤外
光を受光し、焦電素子210が入射赤外線量に応じた焦
電素子210の温度上昇による表面電荷の変化を焦電効
果にてとらえる。こうした表面電荷の変化を反映した焦
電素子210の出力信号は、微分回路220に入力して
微分された後、微分電気信号が増幅器230で増幅され
て同期検出部300に入力する。
【0041】一方、基本タイミング回路111で生成さ
れたクロック信号CLKと発光タイミング信号Qとはサ
ンプルタイミング回路113に入力する。サンプルタイ
ミング回路113では、赤外光源120の点灯時の後半
でのサンプルを指示するサンプル指示信号Xと、赤外光
源120の消灯時の後半でのサンプルを指示するサンプ
ル指示信号Yとが生成されて、同期検出部300へ向け
て出力する。
【0042】同期検出部300では、サンプル指示信号
X、Yに従って、赤外光源120の点灯時の後半および
赤外光源120の消灯時の後半で、微分電気信号を同期
検出してロック信号S2を出力する。ここで、焦電素子
210の時定数は赤外線パルス周期よりも大きく、初期
変化状態が赤外線パルス周期の1/4程度以下なので、
赤外光源120の点灯時の後半および赤外光源120の
消灯時の後半というサンプル時には周囲温度の変化によ
る焦電素子210の出力値の変化は実質的に存在しな
い。
【0043】同期検出部300から出力されたロック信
号S2は、平滑回路400に入力し、平滑化されて出力
信号V0 として出力される。この出力信号V0 の値は、
収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光の強度を反
映したものであり、出力信号V0 の値を計測することに
より収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光の強度
を知ることができる。
【0044】(第2実施例)図5は、本発明の赤外線検
出装置の第2実施例の構成図である。本実施例の装置
は、赤外線パルス周期と同等以下の時定数を有する焦電
素子を採用した場合に好適な装置であって、収納器内の
気体を通過した赤外光の強度を検出する赤外線検出装置
である。
【0045】図5に示すように、本実施例の装置は、第
1実施例の装置のタイミング制御部110のサンプルタ
イミング回路113に替えてサンプルタイミング回路1
53としたタイミング制御部150を使用したものであ
る。
【0046】図6は、サンプルタイミング回路153の
構成図である。図6(a)はサンプルタイミング回路1
53の回路構成を示し、図6(b)はサンプルタイミン
グ回路153の動作のタイミングを示す。サンプルタイ
ミング回路153は、発光タイミング信号Qを入力し、
立ち上がりトリガのワンショット回路M11、M12と
立ち下がりトリガのワンショット回路M21、M22と
によって、赤外光源120の点灯時の微分電気信号のピ
ーク値付近で有意になるサンプル指示信号X′と、赤外
光源120への消灯時の微分電気信号のピーク値付近で
有意になるサンプル指示信号Y′とを生成して出力す
る。
【0047】本実施例の装置は、以下のようにして赤外
線を検出する。図7は、本実施例の装置の動作を説明す
るタイミングチャートである。
【0048】本実施例の装置では、第1実施例と同様に
して、基本タイミング回路111が出力した発光タイミ
ング信号Qに従って、赤外光源120から周期的なパル
ス状の赤外光を発生する。赤外光源120から出力され
た赤外光は、収納器130の内部雰囲気およびバンドパ
スフィルタ140を介して焦電素子210に入力し、焦
電素子210から出力された信号は、微分回路220、
増幅器230を順次介して同期検出部300に入力す
る。
【0049】一方、基本タイミング部111で生成され
た発光タイミング信号Qはサンプルタイミング回路15
3に入力する。サンプルタイミング回路153では、赤
外光源120の点灯時の微分電気信号のピーク値付近で
有意になるサンプル指示信号X′と、赤外光源120の
消灯時の微分電気信号のピーク値付近で有意になるサン
プル指示信号Y′とが生成されて、同期検出部300へ
向けて出力する。
【0050】同期検出部300では、サンプル指示信号
X′、Y′に従って、赤外光源120の点灯時および赤
外光源120の消灯時に同期検出を行ってロック信号S
2′を出力する。ここで、サンプル時には、焦電素子2
10の出力の温度依存性の初期変動に伴う微分電気信号
の初期変動は終了しており、かつ、微分電気信号のピー
クの絶対値の低下にともなう重畳ノイズの信号値に対す
る比率の増加を防止しているので、温度依存性無く、か
つ、高S/Nのロック信号S2を出力する。
【0051】同期検出部300から出力されたロック信
号S2は、平滑回路400に入力し、平滑化されて出力
信号V0 ′として出力される。この出力信号V0 ′の値
は、収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光の強度
を反映したものであり、出力信号V0 ′の値を計測する
ことにより収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光
の強度を知ることができる。
【0052】(第3実施例)図8は、本発明の赤外線検
出装置の第3実施例の構成図である。本実施例の装置
は、赤外線源が外部に存在する場合に使用される赤外検
出装置である。また、第1実施例と同様に、赤外線パル
ス周期よりも大きな時定数を有し、初期変化状態が赤外
線パルス周期の1/4程度以下の焦電素子を採用した場
合に好適な装置である。
【0053】図8に示すように、本実施例の装置は、第
1実施例の装置の入力光同期部100に替えて、入力光
同期部160を使用した装置である。
【0054】入力光同期部160は、対象物800か
ら放射された赤外線を周期的に透過する回転チョッパ1
61と、回転チョッパ161の光透過時および光非透
過時を検出して光透過時に有意となる光透過信号Q′を
出力する回転モニタ162と、光透過信号Q′を入力
して2倍の周波数の信号CLK′を発生する周波数逓倍
器163と、信号CLK′と光透過信号Q′とを入力
し、論理演算をしてサンプル指示信号X、Yを出力する
サンプルタイミング回路113とを備える。
【0055】ここで、回転モニタ162としては、フォ
トインタラプタが好適に使用できる。また、サンプルタ
イミング回路113の入力としては、第1実施例のクロ
ック信号CLKが本実施例の信号CLK′に、第1実施
例の発光タイミング信号Qが光透過信号Q′に相当す
る。
【0056】本実施例の装置は、以下のようにして赤外
線を検出する。図9は、本実施例の装置の動作を説明す
るタイミングチャートである。
【0057】回転チョッパ161が回転し、周期的に対
象物800から放射された赤外線を透過して、バンドパ
スフィルタ140を介することにより、焦電素子210
にパルス状の赤外光が入射する。以後、第1実施例と同
様にして、焦電素子210から出力された信号が微分さ
れ、増幅されて同期検出部300に入力する。
【0058】一方、回転チョッパ161の回転は回転モ
ニタ162によってモニタされ、回転モニタ162から
は、赤外線の透過時に有意となる光透過信号Q′が出力
される。光透過信号Q′は、サンプルタイミング回路1
13に入力するとともに、周波数逓倍器163に入力す
る。周波数逓倍器163では、光透過信号Q′を逓倍し
て、信号CLK′を生成してサンプルタイミング回路1
13へ向けて出力する。
【0059】サンプルタイミング回路113では、赤外
光源120の点灯時の後半でのサンプルを指示するサン
プル指示信号Xと、赤外光源120の消灯時の後半での
サンプルを指示するサンプル指示信号Yとが生成され
て、同期検出部300へ向けて出力する。
【0060】同期検出部300では、第1実施例と同様
にして、サンプル指示信号X、Yに従って、赤外光源1
20の点灯時の後半および赤外光源120の消灯時の後
半で、微分電気信号を同期検出してロック信号S2を出
力する。ここで、焦電素子210の時定数は赤外線パル
ス周期よりも大きく、初期変化状態が赤外線パルス周期
の1/4程度以下なので、第1実施例と同様に、赤外光
源120の点灯時の後半および赤外光源120の消灯時
の後半というサンプル時には周囲温度の変化による焦電
素子210の出力値の変化は実質的に存在しない。
【0061】同期検出部300から出力されたロック信
号S2は、平滑回路400に入力し、平滑化されて出力
信号V0 として出力される。この出力信号V0 の値は、
収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光の強度を反
映したものであり、出力信号V0 の値を計測することに
より収納器130の内部雰囲気を通過した赤外光の強度
を知ることができる。
【0062】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく変形が可能である。例えば、上記第3実施例に
おいても、第1実施例における第2実施例への変形と同
様の変形が可能である。この場合には、周波数逓倍器は
不要となる。
【0063】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の赤
外線検出装置によれば、焦電素子とロックインアンプを
代表とする同期検出器を使用するとともに、焦電素子の
温度依存性の有る初期変動時以後にサンプルを行い同期
検出するので、簡易な構成で、温度依存性を低減して精
度良く赤外線の検出ができる。
【0064】また、更に、焦電素子の初期変動後、ピー
ク値付近をサンプルして同期検出することとすれば、ピ
ーク値発生後のS/Nの低下を防止することができるの
で、更に精度良く赤外線の検出ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の赤外線検出装置の構成図
である。
【図2】第1実施例の赤外線検出装置の基本タイミング
回路の構成図である。
【図3】第1実施例の赤外線検出装置のサンプルタイミ
ング回路の構成図である。
【図4】第1実施例の赤外線検出装置の動作のタイミン
グチャートである。
【図5】本発明の第2実施例の赤外線検出装置の構成図
である。
【図6】第2実施例の赤外線検出装置のサンプルタイミ
ング回路の構成図である。
【図7】第2実施例の赤外線検出装置の動作のタイミン
グチャートである。
【図8】本発明の第3実施例の赤外線検出装置の構成図
である。
【図9】第3実施例のガス測定装置の動作のタイミング
チャートである。
【図10】従来の赤外線検出装置の構成図である。
【図11】従来の赤外線検出装置の動作のタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
100,160…入力光同期部、110,150…タイ
ミング制御部、111…基本タイミング回路、112…
光源駆動回路、113,153…サンプルタイミング回
路、120…赤外光源、130…気体収納器、140…
バンドパスフィルタ、161…回転チョッパ、162…
回転モニタ、163…周波数逓倍器、200…受光部、
210…焦電素子、220…微分回路、230…増幅
器、300…同期検出部、400…平滑回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的なパルス状の赤外光を生成すると
    ともに、サンプル指示信号を出力する入力光同期部と、 前記入力光同期部を介した赤外光を入力し、赤外線強度
    に応じた第1の電気信号を出力する焦電素子を備える受
    光部と、 前記サンプル指示信号に応じて、前記受光部から出力さ
    れるパルス状の赤外光の入力に伴う前記第1の電気信号
    の初期変化の後であって、パルス状の赤外光の入力期間
    内の第1の所定期間の間に前記第1の電気信号をサンプ
    ルして同期検出するとともに、前記受光部から出力され
    るパルス状の赤外光の無入力に伴う前記第1の電気信号
    の初期変化の後であって、パルス状の赤外光の無入力期
    間内の前記第1の所定期間と同一の長さの第2の所定期
    間の間に前記第1の電気信号をサンプルして同期検出す
    る同期検出部と、 前記同期検出部から出力された第2の電気信号を入力し
    て平滑化する平滑回路と、 を備えることを特徴とする赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記同期検出部は、各周期内の前記第1
    の電気信号の初期変化の後、前記第1の電気信号のピー
    ク値付近の信号値の期間にわたって、前記第1の電気信
    号をサンプルする、ことを特徴とする請求項1記載の赤
    外線検出装置。
  3. 【請求項3】 前記入力光同期部は、 周期的に点灯指示と消灯指示とを繰り返す光源制御信号
    を出力する光源制御部と、 前記光源制御信号に応じて、パルス状の赤外光を発生す
    る赤外光源と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の赤外線検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記入力光同期部は、一定の圧力下で気
    体を収納するとともに、第1の端面から前記赤外光源か
    ら出力された赤外光を入力し、内部雰囲気を通過後に第
    2の端面から出力する収納器を更に備える、ことを特徴
    とする請求項3記載の赤外線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記同期検出部は、サンプル指示信号に
    応じて前記第1の電気信号を同期増幅するロックインア
    ンプを備える、ことを特徴とする請求項1記載の赤外線
    検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4663883B2 (ja) * 1999-03-08 2011-04-06 ガスビートル ゲーエムベーハー ガスセンサーおよびガスセンサーの動作方法

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