JPH09511520A - カルシウム/オキシアニオン含有粒子の微流体化 - Google Patents
カルシウム/オキシアニオン含有粒子の微流体化Info
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- JPH09511520A JPH09511520A JP7526296A JP52629695A JPH09511520A JP H09511520 A JPH09511520 A JP H09511520A JP 7526296 A JP7526296 A JP 7526296A JP 52629695 A JP52629695 A JP 52629695A JP H09511520 A JPH09511520 A JP H09511520A
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Abstract
(57)【要約】
磁気共鳴画像、X線、および超音波のような医療診断用イメージングに使用するための固体アパタイト粒子をマイクロフルイダイザーを使用して製造する方法。所望のアパタイト粒子を合成し、マイクロフルイダイザーに通し、そして精製して、該粒子の合成に用いられた過剰の塩基、塩、およびその他の物質を除去する。このマイクロフルイダイザーは、精確に定められた微細チャンネル中に、超高速の相互作用する二つの高圧流を惹起する。調製物の微流体化は、小さな(<5μm)そして均一な粒子の形成をもたらす。この粒子の被覆および精製(特に接線流濾過による)は、粒子の安定性を改善する。
Description
【発明の詳細な説明】
カルシウム/オキシアニオン含有粒子の微流体化
関連出願に対するクロスリファレンス
本発明は、「医療診断用イメージングのための処理アパタイト粒子」と題され
た1991年10月22日出願の米国特許出願第07/784325号の一部継
続出願である「医療診断用イメージングのための処理アパタイト粒子」と題され
た1992年9月22日出願の米国特許出願第07/948540号の一部継続
出願であって、これらの出願は引用されて本明細書の一部をなす。
発明の背景
本発明は、磁気共鳴イメージング(「MRI」)、超音波、およびX線といっ
たような医療診断用イメージングに使用するためのカルシウム/オキシアニオン
含有粒子の製造に関するものである。特に本発明は、均一な小さな(<5μm)
サイズ分布を有するカルシウム/オキシアニオン含有粒子を製造するためのマイ
クロフルイダイザーの使用を目的とするものである。本発明はさらに、粒子精製
のための接線流濾過(tangential flow filtration)の使用をも含む。
診断医学における造影剤の使用は急速に増加しつつある。X線診断においては
、例えば、腎臓、尿路、消化管、心臓の脈管系(血管造影)等のような体内臓器
の高度コントラストを、実質上放射線不透過性である造影剤を投与することによ
って得る。常套的プロトンMRI診断においては、周囲のプロトンの緩和性(リ
ラキシビティー)を増す常磁性金属種を含有する組成物を投与することにより、
体内臓器および組織の高度コントラストを得ることができる。超音波診断におい
ては、血液および他の組織とは異なる音響インピーダンスを有する組成物を投与
することにより、改善されたコントラストが得られる。
特定の臓器または組織をイメージングまたは処理することがしばしば望ましい
。有効な臓器または組織特異的診断薬は、目的とされる臓器または組織に蓄積す
る。本明細書に引用されその一部をなす、「医療診断用イメージングのための処
理アパタイト粒子」と題された1992年9月22日出願の同時係属特許出願第
07/948540号は、医療診断用イメージングのためのアパタイト粒子の製
造お
よび使用を開示している。この特許出願はさらに、臓器または組織特異的コント
ラストを提供するアパタイト粒子を製造するための方法を記載している。粒子サ
イズおよび投与経路を注意深く制御することにより、肝臓、脾臓、胃腸管、また
は血液貯留の臓器特異的イメージングが得られる。
一般に、このアパタイト粒子は、ヒドロキシアパタイト(時には「ヒドロキシ
ルアパタイト」と呼称される)を製造するための常法を改変することによって製
造される。例えば、燐酸アンモニウム溶液を水酸化カルシウム/アンモニウムの
溶液に添加することにより、化学量論的ヒドロキシアパタイトCa10(OH)2(P
O4)6が製造される。有用なアパタイト粒子は、カルシウムを常磁性金属イオン
に置き換えることによっても製造することができる。その他のアパタイト誘導体
は、OH-を、F-、Br-、I-、または1/2[CO3 2-]を包含する単純アニオンに
置き換えることによって製造される。
或る種の燐酸カルシウム含有化合物(アパタイト)の粒子サイズを調節するた
めの様々な技術が、同時係属出願第07/948540号に開示されている。例
えば、添加速度を遅くすること(沈澱するアニオンまたはカチオンの誘導)、攪
拌を速くすること、反応温度を高くすること、そして濃度を低くすることは、一
般に、より小さな粒子をもたらす。さらに、沈澱化の最中の超音波処理、乱流ま
たは衝撃混合機、ホモジナイゼーション、およびpH修飾を、粒子サイズの調節
に使用することができる。コンピューター制御化自動ビュレット、蠕動ポンプ、
およびシリンジといったその他の手段を用いて、沈澱するイオンの放出を制御し
、より小さな粒子を作り出すことができる。
アパタイト粒子の小さなサイズおよび性質の故に、これらは凝集し易い。粒子
の凝集は粒子を被覆剤で被覆することによって阻害することができ、一方、塊と
なった粒子は、機械的または化学的手段により粉砕させ、次いでそのアパタイト
との親和性を有する被覆剤で被覆することができる。
小さな均一サイズの、マンガン添加されたアパタイト粒子を得る、一つの好ま
しい方法は、(NH4)2HPO4およびNH4OHの脱気溶液を、Ca(NO3)2・4
H2OおよびMn(NO3)2・6H2Oの激しく攪拌しつつある脱気溶液に滴下する
ことである。得られたアパタイト粒子を次いで1−ヒドロキシエタン−1,1−
ジホスホン酸(HEDP)の溶液と反応させる。反復遠心分離および上清の収集
により、小さな粒子を大きな粒子から分離する。次に、高rpmで遠心分離し、上
清を捨て、固体ペレットを水に再懸濁しそして再遠心分離することにより、この
粒子を洗浄して塩基および塩を除去する。
上記の方法は、良好なサイズ分布および良好な医療診断用イメージング特性を
有する小サイズアパタイト粒子を生成するが、再三の遠心分離、デカンテーショ
ンおよび洗浄は、この方法を冗長で時間のかかるものとする。故に、医療診断適
用のために制御された粒子サイズ分布および良好な収率を有するカルシウム/オ
キシアニオン含有粒子を迅速に製造する改良法を提供することは、当分野におい
て著しい進歩となるであろう。
カルシウム/オキシアニオン含有粒子を製造するこのような方法が、本明細書
中に開示され特許請求される。
発明の概要
本発明は、アパタイトおよびアパタイト前駆体を包含するカルシウム/オキシ
アニオン含有粒子をマイクロフルイダイザーを使用して製造する方法を提供する
ものである。このようにして製造された粒子は、磁気共鳴イメージング、X線、
および超音波施用のような医療診断用イメージングに使用されるためのものであ
る。所望のカルシウム/オキシアニオン含有粒子を、合成し、マイクロフルイダ
イザーに通し、そして精製して、この粒子の合成に用いられた過剰の塩基、塩、
およびその他の物質を除去する。このマイクロフルイダイザーは、精確に定めら
れた微細チャンネル中に、相互作用する超高速の二つの高圧流を惹起する。マイ
クロフルイダイザーの使用は、平均粒子サイズの有意な低下を生む。好ましくは
接線流濾過ならびに粒子の被覆を用いたこの粒子の精製は、粒子の安定性を改善
する。
図面の簡単な説明
図1は、実施例8に従って製造されたマンガン添加されたヒドロキシアパタイ
ト粒子の、マイクロフルイダイザーを通す前および後の粒子サイズ分布のグラフ
表示である。
図2は、実施例8に記載されるような接線流濾過系を連続的に通過させた後の
粒子懸濁液の浸透圧のグラフ表示である。
発明の詳細な説明
本発明は、アパタイトおよびアパタイト前駆体、特にヒドロキシアパタイトを
包含する、均一な小さな(<5μm)粒子サイズおよび均一な分布を有するカル
シウム/オキシアニオン含有粒子を、マイクロフルイダイザーの使用によって製
造するための方法を提供するものである。
本明細書中使用されるカルシウム/オキシアニオン含有粒子は、一般式Can
MmXrYs[式中、Mは常磁性金属イオン、放射線不透過性金属イオン、放射性
金属イオン、または化学量論的金属イオン混合物であり、Xは単純アニオンであ
り、Yは四面体オキシアニオンを包含するオキシアニオン、カルボナート、また
はそれらの混合物であり、mは0ないし10であり、nは1ないし10であり、
sは≧1であり、そしてrは電荷の中立性(charge neutrality)を供するため
に適宜調節される]を有する燐酸カルシウム無機質、アパタイト、およびアパタ
イト前駆体を包含する。
本明細書中使用されるアパタイト前駆体は、1またはそれ以上の無定形相を持
ち、焼結すると、結晶アパタイトとなり得る上記一般式の範囲内の化合物を包含
する。
本発明に係るカルシウム/オキシアニオン含有粒子に使用することのできる可
能な常磁性金属イオンは、クロミウム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄
(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、イッテ
ルビウム(III)、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム
(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、またはこれら相互とのもし
くはアルカリもしくはアルカリ土類金属との混合物を包含する。
ビスマス、タングステン、タンタル、ハフニウム、ランタンおよびランタニド
、バリウム、モリブデン、ニオビウム、ジルコニウム、ならびにストロンチウム
のような幾つかの放射線不透過性重金属もまた粒子に加えてX線コントラストを
提
供することができる。放射線不透過性金属は、常磁性金属イオンと同様の方法で
カルシウム/オキシアニオン含有粒子中に組み入れる。
本発明に係るカルシウム/オキシアニオン含有粒子に使用することのできる典
型的な単純アニオンは、OH-、F-、Br-、I-、1/2[CO3 2-]、またはこれら
の混合物を包含する。本発明に使用される四面体オキシアニオンは、所望により
放射線不透過性金属または放射性金属を含み得る。好適な四面体オキシアニオン
は、非酸化性であり加水分解に対し安定である。本発明における使用に好適な四
面体オキシアニオンの例は、PO4 3-、AsO4 3-、WO4 2-、MoO4 2-、VO4 3 -
、SiO4 4-、およびGeO4 4-を包含する。ホスフェートは現在好ましい四面
体オキシアニオンである。
粒子サイズを調節することにより、肝臓または胃腸管の臓器特異的イメージン
グまたは療法が得られる。約5nmから約5μmまでの範囲の大きさを有するア
パタイト粒子が脈管系に注射されると、肝臓または脾臓の正常な機能は血液から
外来粒子を精製することであるため、この粒子はこれらの臓器(RES系)に集
まる。粒子がいったん肝臓または脾臓に集まると、これらの臓器は所望の医療診
断用イメージング技術によって画像化することができる。
診断用イメージング技術に応じて、カルシウム/オキシアニオン含有粒子は、
常磁性、放射線不透過性、または反響性となるよう処理される。例えば、この粒
子に常磁性金属種を組み入れて磁気共鳴コントラストを改善し、放射線不透過性
種を組み入れてX線コントラストを与える。粒子密度および対応する反響性を調
節して、血液に比較して低いまたは高い音響インピーダンスを付与することがで
きる。カルシウム/オキシアニオン含有粒子はまた、弗素化して19Fイメージン
グのために有用な安定な非毒性組成物を形成させることもできる。この粒子中に
常磁性金属種が存在することで19Fおよびプロトンの緩和性が低下し、それによ
りMRI、MRS、またはMRSIが向上し得る。
常磁性金属が添加されたヒドロキシアパタイトは、塩基性(pH10−12)
ホスフェート溶液を本来のpHのカルシウム/常磁性金属溶液と混合することに
よって製造することができる。アパタイト粒子中に組み入れられた常磁性イオン
は粒子の合成中に酸化することが判明している。金属の酸化を防止するため、水
性反応溶液中の酸素の量は最少限とする。酸素の最少化は、高温、例えば100
℃での合成、またはアルゴン、窒素、またはヘリウムのような不活性ガスで水性
反応溶液を脱気することによって達成される。
アパタイト粒子合成の最中または後に添加される、ゲンチジン酸およびアスコ
ルビン酸のような抗酸化剤もまた、金属イオン酸化を防止するために使用するこ
とができる。NaBH4のような還元剤は、アパタイト粒子合成中に非意図的に
酸化される金属イオンを還元することが見いだされている。
常磁性金属イオンを粒子上に吸着させることにより、常磁性粒子を製造するこ
ともまたできる。例えば、ヒドロキシアパタイトのスラリーを取り、攪拌しなが
らMn(NO3)2を加えることにより、ヒドロキシアパタイト粒子にマンガンを吸
着させることができる。得られた混合物に超音波または熱といったようなエネル
ギーを適用することもまた反応を促進し得る。得られた混合物は遠心分離および
デカンテーションまたは濾過によって分離することができる。過剰のマンガンが
あればそれは、大量の水で洗浄することにより除去することができる。次に、マ
ンガンの吸着した粒子を、適当な被覆剤を用いて、酸化および粒子の集塊に対し
て安定化させることができる。他の常磁性カチオンにも同じ方法を用いることが
できる。粒子表面に吸着されたマンガンの量は、粒子の総カルシウム中のパーセ
ンテージとして約0.1%ないし約50%の範囲である。このような粒子は、磁
気共鳴イメージング研究において極めて高度の緩和性および迅速な肝臓の増強を
表す。
マイクロフルイダイザーを使用する粒子サイズの縮小および均一なサイズの粒 子の製造
アパタイトおよびアパタイト前駆体を包含するカルシウム/オキシアニオン含
有粒子をマイクロフルイダイザーに通すことは、劇的な粒子サイズの縮小をもた
らすことが判明した。例えばマイクロフルイディクスコーポレーション、ニュー
トン、マサチューセッツにより製造されたマイクロフルイダイザーは、超高速で
相互作用する二つの高圧流体流を引き起こす。剪断、衝撃およびキャビテーショ
ン力が流体流に働き、均一な分布を有するミクロン以下の粒子への縮小を達成す
ると考えられる。流体圧は典型的には2000psiないし30000psiの
範囲であるが、或る製造サイズのマイクロフルイダイザーは40000psiま
での圧力で操作することができる。
実験結果は、その粒子が、最初に被覆剤で安定化されるのか、または該粒子の
製造に用いられる塩基、塩、およびその他の化合物から精製されるのかに拘わら
ず、マイクロフルイダイザーを用いる粒子サイズの縮小をアパタイト粒子から得
ることができるという事を示唆している。粒子は、マイクロフルイダイザーを通
過させる際、精製されていてもいなくても良く、被覆されていてもいなくても良
い。しかしながら、微流体化(microfluidized)アパタイト粒子は、反応混合物
中の塩基、塩、およびその他の化合物の除去に伴って、より良好な安定性を示す
ように見える。この粒子は塩基性反応溶液中に保存されると大きくなる傾向があ
るが、精製された粒子の増大は、混合物から該粒子を精製することによって停止
または阻害される。粒子の精製は、反復遠心分離およびデカンテーション、脱塩
カラムに通すこと、そして濾過、好ましくは接線流濾過または限外濾過のような
工程によって達成することができる。
粒子の被覆
アパタイトおよびアパタイト前駆体を包含する安定化されたカルシウム/オキ
シアニオン含有粒子は、医療診断用イメージング剤としてインビボでの使用に望
ましい。このような粒子は凝集する傾向がある。カルシウム/オキシアニオン含
有粒子が凝集する理由は完全に理解されてはいないが、幾つかの異なる被覆剤が
粒子の凝集を阻害できることが判明している。例えば、これらの粒子は、ジおよ
びポリホスホネート含有化合物またはそれらの塩、例えば1−ヒドロキシエタン
−1,1−ジホスホネート(HEDP)、ピロホスフェート、アミノホスホネー
ト、カルボキシレートおよびシトレートのようなカルボキシレートおよびポリカ
ルボキシレート含有化合物;アルコールおよびポリアルコール含有化合物;1ま
たはそれ以上のホスフェート、スルフェート、またはスルホネート部分を含む化
合物;ならびにペプチド、タンパク質、抗体、および脂質といったような被覆剤
による処理によって安定化することができ、これらは全て粒子の凝集を阻害する
ことが示されている。このような被覆剤は、粒子のさらなる増大を低下させ粒子
の懸濁を促進することにより、小さな粒子を安定化する。
磁気共鳴イメージングに使用される場合、粒子の緩和性は、より多くの水が粒
子表面に接近できるようにすることによって亢進される。粒子サイズを制限し利
用し得る表面積を増大させることにより、緩和性は改善され得る。
上に特定された被覆剤に加えて、常套的粒子被覆技術もまた本発明に係る製造
工程で使用することができる。典型的な被覆技術は国際公開第WO85/027
72号、WO91/02811号、および欧州公開第EP0343934号に特
定されており、これらは引用して本明細書の一部とする。
例えば、集塊した粒子は機械的または化学的手段により粉砕し、次いで炭水化
物、タンパク質、および合成ポリマーのようなポリマーで被覆することができる
。約10000から約40000までの範囲の分子量を有するデキストランは、
現在好ましい一つの被覆材料である。アルブミンおよび界面活性剤、例えばトゥ
イーン80もまた粒子の凝集を低減するために用いられている。有用なアパタイ
ト被覆剤に共通する一つの性質は、その粒子の表面電荷、またはゼータ電位を修
飾する能力である。
本発明の範囲内にある燐酸カルシウム含有粒子は、マイクロフルイダイザーを
通過させる前、最中、または後で被覆することができるという事が理解されるで
あろう。マイクロフルイダイザーを通過させている最中に被覆する場合、一方の
流体流は被覆剤であり、他方の流体流は粒子の流れである。
粒子サイズを縮小する現在好ましい機械的手段は微流体化であるが、その他の
手段、例えば加熱、超音波処理、その他の型の粒子賦活、例えば照射、および化
学的手段、例えばpH修飾またはこれらの型の処理の組み合わせ、例えば超音波
処理と組み合わせたpH修飾もまた使用することができる。
診断用薬用製剤
本発明に係るカルシウム/オキシアニオン含有粒子は非経口投与のための診断
用組成物に製剤化することができる。例えば、非経口製剤は、本発明に係る処理
アパタイトまたはアパタイト前駆体粒子の無菌水溶液または懸濁液を有利に含有
する。適当な薬用溶液および懸濁液を製造するための様々な技術が当分野で知ら
れている。このような溶液はさらに、医薬的に許容し得る緩衝剤、および所望に
より塩化ナトリウムのような電解質を含有させることができる。非経口組成物は
、直接に注射するか、または全身投与のため大容量の非経口組成物と混合するこ
とができる。
本発明に係る診断用組成物は、磁気共鳴、X線、および超音波イメージングの
ような医療診断用イメージング法において常套的なやり方で使用される。この診
断用組成物を、温血動物に全身的にまたはイメージングすべき臓器または組織へ
局所的に、十分な視覚化を提供するに足る量で投与し、次いでその動物を医療診
断法に付す。かかる用量は、用いられる診断技術ならびにイメージングされるべ
き臓器に応じて広範に変わり得る。
以下の実施例を、本発明をさらに例示するために供する。これらの実施例は純
粋に例示を意図するものであって、特許請求したいかなる態様をも制限するもの
と解してはならない。
実施例1
Mnでドープし、HEDPで処理し、精製しそしてマイクロ
フルイダイザーを通過させたヒドロキシアパタイト粒子の製造
マンガン含有ヒドロキシアパタイト粒子を以下の一般法により製造した。10
%Mn(総金属含有量と比較して)を含有する粒子の場合の方法を記載するが、
他のパーセンテージもまた適用可能である。
1Lエーレンマイヤーフラスコに(NH4)2HPO410.5g、濃NH4OH 1
00mLおよびD.I.水350mLを入れた。この混合物を、持続的な多量のア
ルゴン気流と共に2時間攪拌した(脱気)。別の1Lエーレンマイヤーフラスコ
に、D.I.水400mL中のCa(NO3)2・4H2O 28.9gおよびMn(NO3
)2・6H2O 2.4gを入れた。この金属硝酸塩溶液をアルゴンで2時間脱気し
た。次に、激しく攪拌した金属硝酸塩混合物に、燐酸塩溶液を2時間かけて蠕動
ポンプで滴下した。反応の経過中ずっと持続的アルゴン気流を維持した。添加
が完了した後さらに2時間、反応混合物を攪拌した。D.I.水25mL中の60
%溶液HEDP(酸型)8.3mLの溶液を30分間脱気し、次いでヒドロキシ
アパタイト混合物に一度に加えた。得られたスラリーを15分間攪拌した。
全反応混合物を1回2400rpmで15分間遠心した。上清を捨て、各々の
管の固体残留物を水に再懸濁した。このスラリーを2400rpmで再遠心し、
乳状の上清を集めた。固体をさらに2回再懸濁し、2400rpmで遠心した。
三つの洗液を合し、7000rpmで30分間遠心した。得られた固体ペレット
をデカンテーションにより上清から分離し、このペレットを洗浄し(D.I.H2
O)、3回遠心し、そして上清を捨てた。洗浄後、固体ペレットをD.I.H2O
30mLに懸濁した。
この調製物を室温で1ヶ月保存した。粒子サイズを分析し、280nmである
ことが判明した(カイ二乗2.9、変動係数0.31)。この粒子懸濁液をおよそ
5000psiでマイクロフルイダイザーに通した。マイクロフルイダイザーを
1回通過した後、粒子サイズは125nmに縮小した(カイ二乗0.43、変動
係数0.35)。およそ10000psiの圧力でマイクロフルイダイザーにも
う1回通した後には、サイズは有意に変化せず、144nmであった(カイ二乗
0.20、変動係数0.28)。マイクロフルイダイザー通過の3時間および36
時間後では、粒子サイズは本質的に一定のままで、それぞれ159nmおよび1
48nmであった。
実施例2
Mnでドープし、HEDPで処理し、そして精製せずにマイクロ
フルイダイザーを通過させたヒドロキシアパタイト粒子の製造
粒子を遠心、デカンテーション、および洗浄によって精製せずに塩基および塩
溶液中に放置する外は実施例1の方法に従って、マンガン含有ヒドロキシアパタ
イト粒子を製造した。この粒子懸濁液(平均サイズ>1μm、カイ二乗>20)
をおよそ5000psiでマイクロフルイダイザーに通した。マイクロフルイダ
イザーに1回通した後、粒子サイズは87nmであった(カイ二乗2.3、変動
係数0.41)。5000psiないし7000psiの圧力で5回マイクロフ
ルイダイザーを通過させた後、粒子サイズは89nmであった(カイ二乗0.8
8、変動係数0.37)。
得られた粒子は小さすぎて2400rpmではペレット化せず、塩基および塩
の中に残った。マイクロフルイダイザーに複数回通すとより小さな粒子ができる
という徴候はなかったが、均一性が増大したように見受けられる。マイクロフル
イダイザー通過の20時間後、粒子サイズは713nmに増大した(カイ二乗2
1.1、変動係数0.53)。カイ二乗は大きく、これはガウス分布にあまり当て
はまらないことを示しているが、変動係数は小さく、粒子の99%は2μm未満
であり、75%は825nm未満であった。生成の2時間後のこれら粒子の緩和
性(R1)はおよそ22mM-ls-1であった。
実施例3
Mnでドープし、精製せずにHEDPの同時同軸流と共にマイクロ
フルイダイザーを通過させたヒドロキシアパタイト粒子の製造
粒子をHEDPで被覆せず、遠心、デカンテーション、および洗浄によって精
製せずに塩基および塩溶液中に放置する外は実施例1の方法に従って、マンガン
含有ヒドロキシアパタイト粒子を製造した。この粒子懸濁液を一方の流れとして
マイクロフルイダイザー中を通過させた。他方のマイクロフルイダイザー流は、
実施例1の方法に従って製造されたHEDP溶液で構成された。二つの流れを1
0000psiの圧力でマイクロフルイダイザーに通した。得られた粒子懸濁液
は70nmの粒子サイズであった(カイ二乗2.4、変動係数0.42)。この粒
子は塩基および塩から精製されなかった。生成の2時間後、粒子サイズは87n
mであった(カイ二乗1.8、変動係数0.41)。生成の36時間後、粒子サイ
ズは903nmであり(カイ二乗0.84、変動係数0.45)粒子が一様に大き
く成長したことを示した。これらの粒子の緩和性(R1)は24mM-1s-1であ
った。
実施例4
Mnでドープし、精製せずにマイクロフルイダイザーを通過させ
中性HEDP溶液中に導いたヒドロキシアパタイト粒子の製造
粒子をHEDPで被覆せず、遠心、デカンテーション、および洗浄によって精
製せずに塩基および塩溶液中に放置する外は実施例1の方法に従って、マンガン
含有ヒドロキシアパタイト粒子を製造した。この粒子懸濁液を10000psi
でマイクロフルイダイザーに通し、中性HEDPのビーカー中に導いた。中性H
EDP溶液は、D.I.水25mL中の60%HEDP溶液(中性型)8.3mL
から製造した。
得られた粒子溶液は1333nmの平均粒子サイズを有していた(カイ二乗7
.3、変動係数0.40)。生成の2時間後、粒子サイズは884nmであった(
カイ二乗8.3、変動係数0.46)。この結果は、酸性HEDPの使用は小さな
粒子の生成に有用であり、より大きな粒子を所望する場合は中性型のHEDPが
使用できることを示唆している。
実施例1−4は、マンガンドープ化ヒドロキシアパタイトの粒子サイズは、マ
イクロフルイダイザー内に存在する剪断、衝撃およびキャビテーション力によっ
て実質上縮小できることを示している。
実施例5
Mnでドープし、洗浄し、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)
で被覆し、そしてマイクロフルイダイザーを通過させたヒドロキシアパ
タイト粒子の製造
粒子をHEDPで被覆せず、2400rpmで3回遠心することにより塩基お
よび塩を含まないよう洗浄する外は実施例1の方法に従って、マンガン含有ヒド
ロキシアパタイト粒子を製造した。遠心後のペレット化した粒子の洗浄には脱気
した水を使用した。50%水溶液0.0027モルまたは1.6mLをD.I.H2
O 25mLと混合し、アルゴン雰囲気下で30分間脱気することによりATM
P溶液を製造した。このATMP溶液を、洗浄した粒子に滴下すると「白色」の
スラリーが生成した。このスラリーを10000psiでマイクロフルイダイザ
ーに通した。マイクロフルイダイザー通過後、粒子は84nmの予測サイズであ
った(カイ二乗1.3、変動係数0.52)。粒子の茶色の外観から明らかなよう
に、時間がたつにつれて若干のマンガンの酸化があった。6日後、二つの粒子集
団、
46nmおよび>2μmがあった。各構成成分のパーセンテージは、粒子分析機
の限界およびより大きな粒子の沈降のため、測定できなかった。
実施例6
Mnでドープし、HEDPで被覆し、マイクロフルイダイザーを
通過させ、そして精製したヒドロキシアパタイト粒子の製造
粒子をHEDPで被覆せず、遠心、デカンテーション、および洗浄によって精
製せずに塩基および塩溶液中に放置する外は実施例1の方法に従って、マンガン
含有ヒドロキシアパタイト粒子を製造した。この粒子に、実施例1の方法に従っ
て製造したHEDP溶液を滴下した。マイクロフルイダイザーを通過させる前の
粒子サイズは1498nmであった(カイ二乗13.4、変動係数0.93)。こ
の粒子懸濁液を10000psiでマイクロフルイダイザーに通した後、粒子サ
イズは62nmであった(カイ二乗0.27、変動係数0.47)。微流体化の2
−3時間後、粒子懸濁液の半分をセファデックス10(S−10)脱塩カラムに
通し、塩基、塩、および過剰のリガンドを除去した。残りの粒子懸濁液は対照と
して保存した。S−10精製の後、粒子サイズは78nmであった(カイ二乗3
.3、変動係数0.44)。6日後、S−10精製試料の粒子サイズは100nm
であった(カイ二乗0.40、変動係数0.38)。12日後、マイクロフルイダ
イザーに通したが精製せず塩基溶液中に保存した粒子のサイズは、744nmに
増大した(カイ二乗4.22、変動係数0.57)。対照的に、S−10精製画分
は、12日後、77nmの粒子サイズを有していた(カイ二乗0.65、変動係
数0.44)。
実施例7
Mnでドープし、ATMPで被覆し、マイクロフルイダイザーを
通過させ、そして精製したヒドロキシアパタイト粒子の製造
粒子をHEDPで被覆せず、遠心、デカンテーション、および洗浄によって精
製せずに塩基および塩溶液中に放置する外は実施例1の方法に従って、マンガン
含有ヒドロキシアパタイト粒子を製造した。50%水溶液0.0027モルまた
は1.6mLをD.I.H2O 25mLと混合し、アルゴン雰囲気下で30分間脱
気することによりATMP溶液を製造した。このATMP溶液を粒子に滴下した
。マイクロフルイダイザーに通す前の粒子サイズは1465nmであり、沈降の
ため分析は困難であった。この粒子懸濁液を10000psiでマイクロフルイ
ダイザーに通した後、粒子サイズは85nmであった(カイ二乗0.58、変動
係数0.41)。この粒子懸濁液を2部に分けた。一部はセファデックス10(
S−10)脱塩カラムに通して塩基、塩、および過剰のリガンドを除去した。粒
子懸濁液の残りの部分は対照として保存した。S−10精製の後、粒子サイズは
67nmであった(カイ二乗0.25、変動係数0.44)。6日後、S−10精
製試料の粒子サイズは131nmであった(カイ二乗0.60、変動係数0.39
)。S−10画分には三つの集団があった:66nm(45%)、193nm(
38%)および665nm(16%)。12日後、塩基溶液中に保存された画分
は、515nmの粒子サイズを有していた(カイ二乗0.50、変動係数0.47
)。
上記の実施例から、アパタイト粒子は、塩基、塩、および過剰のホスホネート
を除去するとより良好に安定化するようである。この粒子は、反応溶液中に保存
される場合、速い速度で成長する傾向があるが、精製された粒子の増大は停止す
るかまたは阻害される。マイクロフルイダイザー実験が、洗浄された粒子ではな
く塩基中で実施される時、より小さな粒子が形成される傾向があるようである。
実施例8
Mnでドープし、HEDPで被覆し、マイクロフルイダイザーを
通過させ、そして接線流濾過により精製したヒドロキシアパタ
イト粒子の製造
マンガン含有ヒドロキシアパタイト粒子を以下の一般法により製造した。10
%Mnを含有する粒子の場合の方法を記載するが、他のパーセンテージもまた適
用可能である。
1Lエーレンマイヤーフラスコに(NH4)2HPO410.55g、濃NH4OH
100mLおよびD.I.水300mLを入れた。この混合物を、持続的な多量の
アルゴン気流と共に1時間攪拌した(脱気)。別の1Lエルレンマイヤーフラス
コに、D.I.水200mL中のCa(NO3)2・4H2O 28.9gおよびMn(N
O3)2・6H2O 2.42g(0.01355モル)を入れた。この金属硝酸塩溶
液をアルゴンで1時間脱気した。次に、激しく攪拌した金属硝酸塩混合物に、燐
酸塩溶液を15分間かけて蠕動ポンプで滴下した。反応の経過中ずっと持続的ア
ルゴン気流を維持した。添加が完了した後さらに1時間、反応混合物を攪拌した
。D.I.水20mL中の60%HEDP溶液(酸型)5gまたは8.3mLの溶
液を30分間脱気し、次いでヒドロキシアパタイト混合物に滴下した。得られた
スラリーを1.5時間攪拌した。
反応混合物の三分の二を10000psiでマイクロフルイダイザーに通した
。マイクロフルイダイザーを通過させる前の粒子サイズは800nmであった(
カイ二乗27、変動係数0.92)。粒子懸濁液をマイクロフルイダイザーに通
した後、粒子サイズは53nmであった(カイ二乗2.2、変動係数0.48)。
次にこの粒子懸濁液を接線流濾過(時に「限外濾過」と称される)系に通すこと
により精製して、塩基、塩、および過剰のリガンドを除去した。接線流濾過系は
コッホ・メンブレン・システムズ、Inc.、ウィルミングトン、マサチューセ
ッツより取得した。各々の濾過の後、重量オスモル濃度を測定した。合計10回
の濾過と引き続き3倍の濃縮工程を実施した。
濾過の後、粒子サイズは67nmであった(カイ二乗0.43、変動係数0.4
4)。12日後、マイクロフルイダイザーを通しはしたが精製せず塩基溶液中に
保存した粒子のサイズは744nmに増大した(カイ二乗4.22、変動係数0.
57)。対照的に、12日後、濾過された画分は82nmの粒子サイズを有して
いた(カイ二乗2.7、変動係数0.41)。
この実施例の結果を図1および2にグラフとして示す。
実施例9
表面吸着させたMn、HEDPでの被覆、マイクロフルイダイザー
の通過、および精製によって修飾された100℃でのヒドロキシア
パタイトの製造
ヒドロキシアパタイトカルシウム粒子を以下の方法により製造した:
D.I.水120mLに(NH4)2HPO46.5gを含有する溶液を、濃NH4O
H60mLで、その後D.I.水90mLで処理する。得られた溶液を室温で3時
間攪拌する。
水冷および低温コンデンサー配列(ドライアイス/イソプロパノール)、機械
的攪拌装置およびゴム隔壁を備え付けた1Lの三頸丸底フラスコに、D.I.水4
68mL中のCa(NO3)2・4H2O 19.4gを入れる。この溶液を加熱還流
する。激しく攪拌した硝酸カルシウム溶液に、燐酸塩混合物を1時間かけて蠕動
ポンプで滴下する。添加の完了時に熱源を除き、反応混合物を室温に冷却する。
このヒドロキシアパタイトスラリーを室温で一夜攪拌する。
反応混合物のpHを1N HCl 169mLで9.53から8.50に下げる。
硝酸マンガンMn(NO3)2・6H2O(2.10g)をヒドロキシアパタイト混合
物に加え、1時間15分間攪拌する。スラリーの色は薄い黄褐色である。この混
合物を接線流フィルターに通し、アパタイト粒子から過剰の硝酸マンガンを除去
する。次に粒子スラリーを0.54M HEDP(Ca/HEDPモル比=1.2
)で処理し、1.5時間攪拌する。混合物の色は薄い桃色/紫色である。
HEDP処理されたヒドロキシアパタイト粒子懸濁液を5000psiの圧力
でマイクロフルイダイザーに通す。次いで、粒子懸濁液を接線流濾過系に通すこ
とにより、精製して塩基、塩、および過剰のリガンドを除去する。
実施例10
機能化された被覆剤を伴い、マイクロフルイダイサーを通過させ、
濾過により精製されたMnドープ化ヒドロキシアパタイト粒子の製造
この実施例は、機能化された被覆剤[ここで、機能化された被覆剤とは、当該
粒子に強固に結合する能力を有するものとして定義され、且つ、他の有機生体分
子または有機物が結合し得る付随基を含む]を有するヒドロキシアパタイト粒子
の一般的製造を記載するものである。この粒子は、反応に用いられるCaを基準
にして0.1ないし100モル%のMnを有するMn(II)置換ヒドロキシアパ
タイトのスラリーに、0.1ないし100モル%の適当な被覆剤を添加すること
により製造する。この混合物を4℃から100℃までの範囲の温度で1ないし3
60分間攪拌する。この粒子懸濁液を2000から20000psiまでの範囲
の圧力でマイクロフルイダイザーに通し、固体を上清から分離し、接線流濾過に
よって過剰のイオンおよび被覆剤から精製する。この固体は金属塩で処理するこ
とができる(製造における総金属を基準にして0.01ないし10モル%)。こ
れは、インビトロおよび/またはインビボ溶液に適用される時に金属を捕捉し強
固に保持するよう意図された付随するキレート基が被覆剤に含まれている場合、
特に好適である。得られた固体は、接線流濾過により精製して、緩く結合した被
覆剤または遊離金属/被覆剤複合体を除去する。
実施例11
ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)による処理、
Mnの表面吸着、マイクロフルイダイザーの通過、および精製によ
る、ヒドロキシアパタイト粒子の製造
ヒドロキシアパタイトカルシウムを以下の方法により製造し、以下の式:
を有するポリホスホネート、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸
)(DETAPMDPと略記)で処理する。
D.I.水120mL中の(NH4)2HPO46.34gを用いて塩基性燐酸アンモ
ニウム溶液を製造する。濃水酸化アンモニウム(60mL)、引き続きD.I.水
90mLを加える。この混合物を室温で4時間攪拌する。
D.I.水468mL中のCa(NO3)2・4H2O 19.0gの溶液を1Lの三
頸丸底フラスコに入れる。反応装置には、機械的攪拌器、水冷および低温(ドラ
イアイス/イソプロパノール)コンデンサー装置、およびゴム隔壁が含まれる。
この溶液を激しく攪拌しながら加熱還流する。塩基性燐酸塩溶液を1時間かけて
蠕動ポンプで滴下する。添加が完了した後熱源を除き、反応混合物を室温で一夜
攪拌する。
ヒドロキシアパタイトスラリーをDETAPMDPの溶液で処理し(Ca/D
ETAPMDPモル比=1.1、DETAPMDPのpH6.3)、室温で2.5
時間攪拌する。ホスホナート処理された混合物を次にMn(NO3)2・6H2Oと
反応させ(Ca/Mnモル比=2.3)、さらに3.5時間攪拌する。反応混合物
を5000psiの圧力でマイクロフルイダイザーに通し、接線流濾過によって
精製する。
以上のことから、本発明は、調節された粒子サイズ分布および良好な収率を有
する、医療診断適応のための固体燐酸カルシウム含有粒子を製造するための改良
法を提供することが理解されるてあろう。
本発明は、その精神または本質的性格から乖離することなく、その他の個別的
態様に具体化することができる。記載された態様は、全ての面において例示に過
ぎず、限定的ではないと考えるべきである。故に、本発明の範囲は、前記記載に
よるよりむしろ、別記請求の範囲によって示される。請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内に入る変更は全てそれらの範囲内に包含される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.(a)以下の一般式: CanMmXrYs [式中、Mは常磁性金属イオン、放射線不透過性金属イオン、放射性金属イオ ン、または化学量論的金属イオン混合物であり、Xは単純アニオンであり、Yは オキシアニオン、四面体オキシアニオン、カルボネート、またはそれらの混合物 であり、nは1ないし10であり、mは0ないし10であり、sは≧1であり、 そしてrは電荷の中立性を供するために適宜調節される] を有するカルシウム/オキシアニオン含有粒子を得;そして、 (b)このカルシウム/オキシアニオン含有粒子をマイクロフルイダイザーに 通す、 工程からなる、身体臓器および組織の医療診断用イメージングに使用するための カルシウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法。 2.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、Mが、21−25、27 −29、42−44、および58−70の原子番号、ならびに2+から3+まで の範囲の原子価を有する元素群から選ばれ、mが≧1である、方法。 3.Mがマンガン(II)である、請求項2に定義される医療診断用イメージン グに使用するためのカルシウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法。 4.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、マイクロフルイダイザー を通過した粒子が約5nmから約5μmの範囲の粒子サイズを有し、肝臓および 脾臓のイメージングに使用される方法。 5.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、マイクロフルイダイザー を通過した粒子が約1nmから約50nmの範囲の粒子サイズを有し、血液貯留 のイメージングに使用される方法。 6.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシアニ オン含有粒子を安定化するため、被覆剤で粒子を被覆する工程をさらに含む方法 。 7.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤が、アミノホスホ ネート、生体分子、および1またはそれ以上のホスホネート、カルボキシレート 、ホスフェート、スルフェート、またはスルホネート部分を含む化合物から選ば れる方法。 8.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤が1またはそれ以 上のホスホネート部分を含む方法。 9.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシウ ム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤が1−ヒドロキシ エタン−1,1−ジホスホン酸および生理学上適合し得るその塩である方法。 10.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤が反応性官能基 を含む方法。 11.請求項10に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、反応性官能基がアミ ン、エステル、アルコール、またはカルボキシレート官能基である方法。 12.請求項10に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、反応性官能基が金属 イオンをキレート化することができる方法。 13.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤で粒子を被覆す る工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の後に実施される方法。 14.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤で粒子を被覆す る工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の最中に実施される方法。 15.請求項6に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、被覆剤で粒子を被覆す る工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の前に実施される方法。 16.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシア ニオン含有粒子の合成に用いられる塩基および塩からカルシウム/オキシアニオ ン含有粒子を精製する工程をさらに含む方法。 17.請求項16に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシ アニオン含有粒子が濾過によって精製される方法。 18.請求項16に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシ アニオン含有粒子が接線流濾過によって精製される方法。 19.請求項16に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシ アニオン含有粒子が脱塩カラムを通過することによって精製される方法。 20.請求項16に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシ アニオン含有粒子を精製する工程が、この粒子をマイクロフルイダイザーに通す 工程の後に実施される方法。 21.請求項16に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカル シウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシ アニオン含有粒子を精製する工程が、この粒子をマイクロフルイダイザーに通す 工程の前に実施される方法。 22.請求項1に定義される医療診断用イメージングに使用するためのカルシ ウム/オキシアニオン含有粒子を製造する方法であって、カルシウム/オキシア ニオン含有粒子を取得する工程が、このカルシウム/オキシアニオン含有粒子の 合成に必要な塩基および塩を含有する反応流をマイクロフルイダイザーに通すこ とによって実施される方法。 23.(a)以下の一般式: CanMnm(OH)2(PO4)6 [式中、mは1から10までであり、nは1から10までであり、そしてm+ n=10である] を有する粒子を取得し; (b)この粒子をマイクロフルイダイザーに通し;そして、 (c)この粒子を、粒子の合成に用いられた塩基および塩から精製する、 工程からなる、身体臓器および組織の磁気共鳴イメージングに使用するためのア パタイトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法。 24.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、マイクロフルイダイ ザーを通過した粒子が約5nmから約5μmまでの範囲の粒子サイズを有し、肝 臓および脾臓のイメージングに用いられる方法。 25.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、マイクロフルイダイ ザーを通過した粒子が約1nmから約50nmまでの範囲の粒子サイズを有し、 血液貯留のイメージングに用いられる方法。 26.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、粒子を安定化するた め、被覆剤で粒子を被覆する工程をさらに含む方法。 27.請求項26に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、被覆剤が、アミノホ スホネート、生体分子、および1またはそれ以上のホスホネート、カルボキシレ ート、ホスフェート、スルフェート、またはスルホネート部分を含む化合物から 選ばれる方法。 28.請求項26に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、被覆剤が、1−ヒド ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)およびその生理学上許容し得 る塩である方法。 29.請求項26に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、粒子を被覆剤で被覆 する工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の後に実施される方法。 30.請求項26に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、粒子を被覆剤で被覆 する工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の最中に実施される方法 。 31.請求項26に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、粒子を被覆剤で被覆 する工程が、粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の前に実施される方法。 32.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子が濾 過によって精製される方法。 33.請求項32に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子が接 線流濾過によって精製される方法。 34.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子が脱 塩カラムを通過することによって精製される方法。 35.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子を精 製する工程が、該粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の後に実施される方 法。 36.請求項23に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子を精 製する工程が、該粒子をマイクロフルイダイザーに通す工程の前に実施される方 法。 37.(a)アパタイトまたはアパタイト前駆体粒子、該アパタイト粒子の表 面に吸着された常磁性金属種、およびジまたはポリホスホネート被覆剤を含むア パタイト粒子を取得し; (b)このアパタイト粒子をマイクロフルイダイザーに通し;そして、 (c)このアパタイト粒子を該アパタイト粒子の合成に使用された塩基および 塩から精製する、 工程からなる、身体臓器および組織の磁気共鳴イメージングに使用するためのア パタイトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法。 38.請求項37に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、常磁性金属種がマン ガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、またはそれらの混合物である方法。 39.請求項37に定義される磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する方法であって、アパタイト粒子表面 に吸着されるホスホナート被覆剤が1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(H EDP)である方法。 40.(a)約5nmから約50μmまでの範囲の粒子サイズを有するアパタ イトまたはアパタイト前駆体粒子を製造し; (b)常磁性金属イオンとキレート複合体を形成することのできる二官能性被 覆剤をアパタイト粒子表面に吸着させ; (c)二官能性被覆剤および常磁性金属イオンの間にキレート複合体を形成さ せ;そして、 (d)アパタイト粒子をマイクロフルイダイザーに通し;そして、 (e)このアパタイト粒子を、アパタイト粒子の合成に使用された塩基および 塩から精製する、 工程からなる、磁気共鳴イメージングに使用するためのアパタイトまたはアパタ イト前駆体粒子を製造する方法。 41.二官能性被覆剤が、以下の一般構造: を有するポリホスホネートジエチレンアミンペンタ(メチレンホスホン酸)を含 む、請求項40に定義されるアパタイトまたはアパタイト前駆体粒子を製造する 方法。
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FI964057A0 (fi) | 1996-10-10 |
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