【発明の詳細な説明】
白内障の予防法及び予防手段
本発明は、白内障予防用の眼に適合し得る化合物を製造するための、α,β−
不飽和ケトンを含むチオール結合性(thiol−binding)プロスタグ
ランジン又はプロスタグランジン様物質、特にA型若しくはJ型プロスタグラン
ジン又はその類似体の使用に関する。
白内障は、水晶体の不透明化に対する一般名である。白内障は多くの原因によ
って発生し、種類もいくつかある。例えば、白内障は、真性糖尿病のような代謝
性疾患及び種々の放射線、例えば、X線、紫外線及び赤外線が原因となって発現
し得る。しかし、最も一般的な形態の白内障は、老人性白内障であり、これは、
水晶体の正常な生理学的老化と見なし得る。また眼の局所的疾患及び外傷も白内
障の形成、例えば、水晶体の慢性虹彩炎及び外傷性病変の原因となり得る。不透
明化は、水晶体全体若しくは水晶体の特定の部分、例えば、核又皮質に局在する
か、あるいは、表面、例えば、水晶体の前部若しくは後部皮膜下に局在し得る。
また先天性の白内障も存在する。
ある種の薬剤は、その副作用として白内障を発症させ得
る。そのような薬剤には、例えば、コルチコステロイド及びコリンエステラーゼ
阻害剤が含まれる。現在のところ、白内障の唯一の治療法は手術である。従って
、不透明化した水晶体を除去し、人造の眼内水晶体を移植する。通常そのような
手術は成功し、患者の視力は回復するが、視力を脅かす合併症が発生し得る。例
えば、手術を受けた患者の約0.1〜0.3%に視力を脅かす内眼球炎が発生し
得、これは世界中で1年当たり10,000件を超える症例に相当する。さらに
、手術の成果に悪影響を与え得るいくつかの危険因子、例えば、緑内障、糖尿病
及び近視がある。従って、白内障の手術を行うと特定の危険が生じ得、手術を延
期するのが望ましい患者が存在する。
白内障の治療又は予防については多くの研究が行われ、白内障の形成を元に戻
したり停止させたりすべく数種の薬剤が示唆されたが、そのような薬剤が効果的
であるか否かについてはまだ議論がある。該薬剤が真の治療効果を有するという
科学的な証拠は今のところ存在しない。タンパク質の大きな凝集物の形成、相分
離のための最高臨界温度、Tcの増加についての関連、並びに特定の試薬の作用
が、例えば、Pandeら,Exp Eye Res 57(19
93)257−264、PandeのExp Eye Res 681(補足書
1)197及びTruscottらのExp Eye Res 49(1989
)927−940により研究されてきた。
本出願人は、ある種のプロスタグランジン及びプロスタグランジン様物質(本
明細書では、「プロスタグランジン」という用語に含まれる)が試験管内で白内
障の形成を効果的に予防又は遅滞させることを思いがけず見いだした。より特定
的に言えば、α,β−不飽和ケトン(エノン)を含むそのような化合物、特にシ
クロペンタン環中にα,β−不飽和ケトン(エノン)を含む化合物が効果的であ
ると知見された。プロスタグランジン群には、特にA型及びJ型のプロスタグラ
ンジン(定義は以下を参照)並びにその種々の誘導体及び類似体が含まれる。し
かし、全てのプロスタグランジンは、最初の代謝分解後には下方の側鎖(ω鎖)
にα,β−不飽和ケトンを有し、従って、似通った作用を有し得、そのために潜
在的に重要なものであり得るが、本発明に使用するには、シクロペンタン環にα
,β−不飽和ケトンを有するプロスタグランジン及びプロスタグランジン類似体
が好ましい。
プロスタグランジンの一般構造を以下に示す:
プロスタグランジンA、B、C、D、E、F及びJは、シクロペンタン環及び
2つの側鎖を含んでおり、上方の側鎖はα鎖で、下方の側鎖はω鎖である。炭素
原子の総数は20で、その番号はα鎖のカルボキシル基から始まる。α鎖は、炭
素原子5と6の間にシス形に二重結合を有するのに対し、ω鎖は炭素原子13と
14の間にトランス形に二重結合を有している。従って上記の2つの二重結合を
有するプロスタグランジンには数字2が末尾に付記され、α鎖に5,6二重結合
が無い場合には、数字1が末尾に付記される。従って、2つの二重結合を含むプ
ロスタグランジンは、PGA2,PGB2、PGC2、PGD2、PGE2、PGF2 a
、PGJ2と称され、二重結合を1つ含むプロスタグランジンは、PGA1、P
GB1、PGC1などと称される。さらに、ある種のプロスタグランジンは、炭素
原子17と18の間に3番目の二重結合を含み得、その二重結
合はシス立体配置を示す。これらは、PGA3、PGB3、PGC3、PGD3な
どと称される。
シクロペンタン環(X)の立体配置及び置換基により、プロスタグランジンが
A、B、C、D、E、F又はJ型のものであるかどうかが決定される。シクロペ
ンタン環の種々の立体配置を以下に示す:
これらのうち、A型及びJ型のプロスタグランジン及びそれらの誘導体は、シ
クロペンタン環中にα,β−不飽和ケトンを含んでいるために特に重要である。
α,β−不飽和ケトンは非常に反応性であり、チオール基、例えば、タンパク質
上のスルフヒドリル基との付加物を形成する。従って、そのようなチオール結合
性基(thiol−binding group)を有するプロスタグランジン
は、水晶体のクリスタリンと反応してチオール付加物を形成し、
それによって、スルフヒドリル基の水晶体タンパク質間でのジスルフィド架橋の
形成を防止し、従って、酸化ストレス(oxidative stress)に
よるタンパク質の凝集を防ぐ。
本発明の1つの実施態様においては、シクロペンタン環がα,β−不飽和ケト
ンを含むプロスタグランジンタイプの化合物を用いる。これらのタイプの物質の
例としては、スルフヒドリル基がそれぞれ炭素11及び9に結合するPGA及び
PGJが含まれる。
特定のシクロペンタン環立体配置を有するPGA1-3又はPGJ1-3の任意の誘
導体並びに該機能特性を示すように設計された類似分子は、本発明に有用である
と予測され得る。この点に関してA型又はJ型の安定化プロスタグランジン、例
えば、△7−PGA2及び△12−PGJ2は重要なものであると思われる。
ある種のプロスタグランジンは、例えば眼において顕著な生物学的作用を有す
ることが知られており、緑内障及び眼圧亢進症の治療に種々の誘導体を使用する
ことを含むいくつかの特許出願が出願された(例えば、EP 093380号、
WO90/02553号及びEP 0344235号
を参照されたい)。これらの中、環置換されたω鎖を含むプロスタグランジン、
特に炭素17上にフェニル置換基を有するものは極めて有効であり、副作用が全
く無いか又は殆ど無いことが知見された。
これは最も重要なことである。というのは、本発明により使用すべきプロスタ
グランジンは、タンパク質のスルフヒドリル基結合能以外は生物学的活性が全く
無いか又は弱い活性しか有していないことを特徴とするからである。プロスタグ
ランジン化合物と水晶体タンパク質との間に形成される付加物又は錯体(com
plex)は、活性化合物の所要用量及び適用頻度を低減させるために、かなり
高い生成定数を有している必要がある。
従って、そのようなプロスタグランジン、例えば、A型及びJ型誘導体から、
眼に不利であり得るプロスタグランジンの全ての典型的な副作用、例えば、刺激
及び結膜充血(眼が赤くなる)及び眼の虹彩の色素沈着、並びに他の適用におい
ては望ましい生物学的活性、例えば眼内圧低下作用を排除することが必要である
。
従って、新規なプロスタグランジンA型及びJ型のような分子を製造して白内
障の形成の予防に用い得る。
A型及びJ型プロスタグランジンの重要な特徴は、上述のように、シクロペン
タン環(X)のα,β−不飽和ケトンである。追加のα,β−不飽和ケトンをω
鎖及びα鎖に導入すると、チオール結合活性に関して二官能性又は多官能性分子
が得られることは勿論である。
従って、本発明に用いるべきプロスタグランジン誘導体又は類似体は、構造
〔ここで、該環は、α,β−不飽和ケトンを含む5〜7員環、例えば、
であり、該環は、例えば1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有する1種以上の
低級アルキル基で任意に置換される〕
に一般化され得る。
R1はH又は上記に定義の低級アルキルである。
α鎖及びω鎖は、天然のプロスタグランジンに関連した上記の構造を有し得る
が、一般的には、炭素鎖Z−R(ここで、Zは4〜10個の炭素原子及び任意で
1種以上のα,β−不飽和ケトンを含む)と定義される。同一又は異なるα鎖及
びω鎖は、任意で1種以上のアルキル基、特に上記に定義の低級アルキル基で置
換される。
Rは、水素、又はアルキル基、好ましくは1〜10個、特には1〜6個、例え
ば、1〜4個の炭素原子を有する基、又は基C(O)−O−R2(ここで、R2は
水素、又は1〜10個、特には1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、例えば
、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ネオペンチ
ル若しくはベンジルである)、あるいは、芳香環、例えば、フェニル若しくは5
〜6環原子を有する芳香族複素環式基、例えば、チアゾール、イミダゾール、ピ
ロリジン、チオフェン及びオキサゾール、又は環中に3〜7個の原子を有するシ
クロアルカン若しくはシクロアルケンからなる群から選択され、任意に上記に定
義のアルキル基で置換される環構造である。
ω鎖並びにα鎖は、任意に、好ましくはせいぜい1個の
ヘテロ原子O、S又はNで遮断され得る。
α及びω鎖は、上記プロスタグランジンの一般的な記述に示されている構造を
有し得る。本発明の好ましい実施態様において、該鎖の一方又は両方は、以下の
構造:
(ここで、Rは上記定義の通りである)
により例示されるα,β−不飽和ケトンを含んでいる。
プロスタグランジン又はそれらの誘導体を眼に局所的に投与するために、種々
の親油性プロドラッグを用い得る。そのようなプロドラッグには、上記に示され
た一般式で表される、例えば、1〜10個の炭素原子を有するエステル(例えば
アルキルエステル)及び特に1〜6個の炭素原子を有するエステルが含まれる。
そのようなエステルには、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、ネオペンチル及びベンジルが含まれる。側鎖上のヒドロキ
シル基を、例えばピバロル酸(Pivalolic acid)又は酪酸などで
エステル化しても
よい。代替の親油性プロドラッグ類にはアミドが含まれる。プロスタグランジン
の化学特性に応じて、ナトリウム、クロリド又はトロメタミン(trometh
amine)塩のような塩を用いてもよい。
該化合物は、眼に許容し得るpH範囲で、水性又は油性溶液である生理学的に
許容しうる溶液として調製し得る。該化合物の眼への浸透を増強するためには、
増粘剤、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール
、ポリビニルピロリドン、ヒアルロン酸及び眼用として公知の他のポリマーを本
発明の調剤に用いてもよく、該調剤にはさらに、プロスタグランジン可溶化剤及
び安定剤、例えば、シクロデキストリン又はその類似体を用いた系も含まれる。
徐放マトリックス、ゲル又は固体挿入物を用いて、眼に対する薬剤の浸透を強化
し、必要な適用回数を減らすことができる。活性化合物を含むそのような調剤は
、塩化ベンザルコニウム又は他の保存剤、例えば、クロルヘキシジン、クロロブ
タノール、パラヒドロキシ安息香酸及びフェニル水銀酸塩、例えば、硝酸塩、塩
化物、酢酸塩及びホウ酸塩などを加えて保存し得る。該調剤はさらに、添加剤、
例えば、EDTA、EGTA、ソルビトール、ホ
ウ酸などを含んでいてよく、多用量ディスペンサーに封入し得る。あるいは、該
調剤を単用量ディスペンサーに封入してもよく、その場合、該調剤に保存剤を加
えても加えなくてもよい。
典型的には、白内障を予防するための新規な薬剤は、1日当たり1〜4回、一
定の間隔をあけて、通常長期的に、又は間欠的に眼に局所的に投与する必要があ
る。間欠的にとは、有効成分による治療期間の後に治療しない期間を置き、その
後再び有効成分による治療を繰り返すことを意味する。徐放調剤によっては、軟
質又は硬質眼薬挿入物を、例えば、週に1回、又は月に1回、又はもっと長い間
隔をおいて交換することにより、薬剤を連続的に投与してもよい。
局所的治療に用いるべき用量は、特定のプロスタグランジン化合物及びその物
理化学特性に応じて変化し得る。点眼用組成物は、典型的には0.001〜10
mg/ml、特に0.1〜10mg/mlの有効成分を含んでいなければならな
い。
関連の試験管内モデル及び白内障予防用の新規な有効成分として現今の好まし
い活性化合物PGA2−トロメタミ
ン塩を用いる以下の比限定的実施例により本発明を例示する。
メタノール(3.0ml)中のPGA2(Cayman Chemicals
;30mg,0.0897mmol)溶液に、トリス(ヒドロキシメチル)−ア
ミノエタン(10.8mg;0.0897mmol)を加えた。混合物を室温で
3時間激しく撹拌した。真空下に溶媒を除去し、薄黄色の油状物としてPGA2
−トロメタミン塩41mgを得た。B.試験管内での白内障形成の予防
ウシ水晶体を用いて実験を行った。該水晶体を、死後5〜6時間以内に眼の後
部から取り出した。水晶体を出来るだけ傷つけないように嚢と共に取り出し、1
5mlのリン酸緩衝溶液(pH7.5)に入れた。水晶体を2つのグループに分
割し、一方のグループをリン酸緩衝液中10-3Mの最終濃度でプロスタグランジ
ンA2トロメタミン塩と共にインキュベートし、他方のグループをリン酸緩衝液
のみと共にインキュベートした。室温で24時間インキュベートした後、水晶体
を同じ緩衝液中0.2%の最終濃度の過酸化水素(H2O2)を用い、39〜40
℃で酸化ストレ
スを加えたが、試料の半分はプロスタグランジンA2トロメタミン塩を含み、後
の半分は該塩を含んでいなかった。さらに、PGA2−トロメタミン塩で予備イ
ンキュベートした1個の水晶体及びPGA2−トロメタミン塩で予備インキュベ
ートしなかった1個の水晶体を、同一ではあるがH2O2を含まないインキュベー
ション媒質中でインキュベートして、陰性対照として用いた。
過酸化水素と共にインキュベーションを開始後24時間までの間に一定の間隔
でカラー写真を撮った。インキュベーション媒質中に水晶体を含むバイアルを、
紙に描いた格子模様上に置き、水晶体を通し格子模様の見え具合に基づいて白内
障の程度を評価した。0〜3までの等級を用いたが、0は完全に透明な水晶体、
1はやや不透明化した水晶体、2は中程度の不透明化水晶体、3は水晶体を通し
て格子模様が実質的に全く見えない完全な白内障を示す。
PGA2−トロメタミン塩と共に予備インキュベートした水晶体、PGA2−ト
ロメタミン塩と共に予備インキュベートしなかった水晶体(陽性対照)並びに陰
性対照を用いた実験の結果を表Iに示す。
表Iからわかるように、PGA2−トロメタミン塩と共に予備インキュベート
した水晶体は、PGA2−トロメタミン塩と共に予備インキュベートしなかった
陽性対照水晶体より不透明化度が低く且つ不透明化するのがかなり遅かった。過
酸化水素攻撃(challenge)を全く加えなかった水晶体(C−1及びC
−2)は、不透明化を全く示さないか又は極く僅かな不透明化を示しただけであ
り、これは、39〜40℃で24時間インキュベーションしても水晶体の透明度
に全く影響を与えないか又は極くわずかな影響しか及ぼさなかったことを示して
いる。
これらの実験により、39〜40℃で0.2%過酸化水素溶液のような著しい
酸化を用いた場合でさえ、PGA2が水晶体を酸化損傷から保護することが確認
される。臨床条件下においては、水晶体に加えられる酸化ストレスの程度は本発
明の実験で用いられたものに比べて極く僅かに過ぎず、通常、白内障は数年又は
数十年の間に進行する。従って、はるかに少量の有効成分でさえ、水晶体の酸化
及び他の損傷に対する保護的な作用を有すると予測され得、薬剤を長期的に又は
一定の間隔をおいて眼に局所的に投与し得る。Detailed Description of the Invention
Cataract prevention methods and preventive measures
The present invention provides α, β- for the manufacture of ophthalmically compatible compounds for cataract prevention.
Thiol-binding prostag containing unsaturated ketone
Landin or prostaglandin-like substance, especially A-type or J-type prostaglandin
Relates to the use of gin or an analogue thereof.
Cataract is a common name for opacification of the lens. Cataracts have many causes
There are several types. For example, cataract is a metabolic disorder like diabetes mellitus.
Manifested by sexually transmitted diseases and various radiations such as X-rays, ultraviolet rays and infrared rays
I can do it. However, the most common form of cataract is senile cataract, which
It can be considered as normal physiological aging of the lens. Also, local diseases and trauma of the eye are within white.
It can lead to the formation of disorders such as chronic iritis and traumatic lesions of the lens. Impermeable
Clarification is localized to the entire lens or to specific parts of the lens, such as the nucleus or cortex
Alternatively, it may be localized on the surface, eg, the anterior or posterior capsule of the lens.
There are also congenital cataracts.
Certain drugs can cause cataracts as a side effect.
You. Such agents include, for example, corticosteroids and cholinesterases.
Inhibitors are included. At present, the only cure for cataract is surgery. Therefore
Remove the opacified lens and implant a synthetic intraocular lens. Usually such
The surgery is successful and the patient's vision is restored, but vision-threatening complications can occur. An example
For example, about 0.1-0.3% of patients who have undergone surgery suffered from endophthalmitis, which threatens their eyesight.
This is equivalent to over 10,000 cases per year worldwide. further
, Some risk factors that can adversely affect the outcome of surgery, such as glaucoma, diabetes
And there is myopia. Therefore, performing cataract surgery can pose certain risks and delay surgery.
There are patients that are desirable to treat.
Much research has been done on the treatment or prevention of cataracts to reverse the formation of cataracts.
Several drugs have been suggested to start or stop, but such drugs are effective
Whether or not there is still debate. That the drug has a real therapeutic effect
No scientific evidence exists so far. Formation of large aggregates of proteins, phase separation
Maximum critical temperature for separation, implications for increasing Tc, and action of certain reagents
, For example, Pande et al., Exp Eye Res 57 (19).
93) 257-264, Pande's Exp Eye Res 681 (Supplementary Note)
1) 197 and Truscott et al. Exp Eye Res 49 (1989).
) 927-940.
Applicants have found that certain prostaglandins and prostaglandin-like substances (such as
In the specification, included in the term "prostaglandin")
We unexpectedly found that it effectively prevents or delays the formation of disorders. More specific
Specifically speaking, such compounds containing α, β-unsaturated ketones (enones), in particular
Compounds containing α, β-unsaturated ketone (enone) in the clopentane ring are effective
It was discovered. The prostaglandin group especially includes A-type and J-type prostaglandins.
(See definition below) and various derivatives and analogs thereof. I
However, all prostaglandins have lower side chains (ω chains) after the initial metabolic degradation.
With α, β-unsaturated ketones and therefore can have a similar effect, and
It may be of significant importance, but for use in the present invention, the cyclopentane ring contains α
And prostaglandin analogs containing β-unsaturated ketones
Is preferred.
The general structure of prostaglandins is shown below:
Prostaglandins A, B, C, D, E, F and J are cyclopentane ring and
It contains two side chains, the upper side chain is the α chain and the lower side chain is the ω chain. carbon
The total number of atoms is 20, and the number starts with the carboxyl group of the α chain. α chain is charcoal
While there is a cis double bond between elementary atoms 5 and 6, the ω chain has carbon atom 13
It has a double bond between 14 in a trans form. Therefore, the above two double bonds
The number 2 is added to the end of the prostaglandins that it has, and there are 5,6 double bonds in the α chain.
If there is no, the number 1 is added to the end. Therefore, a probe containing two double bonds
Rostaglandin is PGA2, PGB2, PGC2, PGD2, PGE2, PGF2 a
, PGJ2And a prostaglandin containing one double bond is called PGA.1, P
GB1, PGC1And so on. In addition, some prostaglandins contain carbon
It may contain a third double bond between atoms 17 and 18, which double bond
Indicates a cis configuration. These are PGAThree, PGB3, PGCThree, PGDThreeWhat
Is called.
Depending on the configuration of the cyclopentane ring (X) and the substituent, the prostaglandin can be
It is determined whether it is of type A, B, C, D, E, F or J. Cyclope
The various configurations of the tan ring are shown below:
Among these, A-type and J-type prostaglandins and their derivatives are
It is particularly important because it contains an α, β-unsaturated ketone in the clopentane ring.
α, β-unsaturated ketones are very reactive and can react with thiol groups such as proteins
Form an adduct with the above sulfhydryl group. Therefore, such thiol bond
Prostaglandin having a thiol-binding group
Reacts with the crystalline of the lens to form a thiol adduct,
As a result, disulfide bridges between sulfhydryl group lens proteins can be formed.
To prevent formation and thus to oxidative stress
To prevent protein aggregation.
In one embodiment of the invention, the cyclopentane ring is an α, β-unsaturated keto
A prostaglandin-type compound containing benzene is used. Of these types of substances
Examples include PGA in which the sulfhydryl group is attached to carbons 11 and 9 respectively and
PGJ is included.
PGA having specific cyclopentane ring configuration1-3Or PGJ1-3Any invitation of
Conductors as well as similar molecules designed to exhibit such functional properties are useful in the present invention
Can be predicted. In this regard, type A or type J stabilized prostaglandins, eg
For example, △7-PGA2And △12-PGJ2Seems to be important.
Certain prostaglandins have significant biological effects, for example in the eye
It is known to use various derivatives for the treatment of glaucoma and hypertension
Several patent applications have been filed (eg EP 093380,
WO 90/02553 and EP 0344235
See). Among these, prostaglandins containing ring-substituted ω chains,
Especially, those having a phenyl substituent on carbon 17 are extremely effective and have no side effects.
It was found to be either poor or almost absent.
This is the most important thing. This is because the prosta to be used according to the invention
Glandin has no biological activity except for the sulfhydryl group-binding ability of proteins.
This is because it is characterized by having no or only weak activity. Prostag
An adduct or complex formed between a lundine compound and a lens protein (com
Plex) is used to reduce the required dose of active compound and the frequency of application.
It must have a high production constant.
Therefore, from such prostaglandins, eg, A-type and J-type derivatives,
All typical side effects of prostaglandins that can be detrimental to the eye, eg irritation
And conjunctival hyperemia (reddening of the eye) and pigmentation of the iris of the eye, and in other applications
It is necessary to eliminate the desired biological activity, for example the effect of reducing intraocular pressure
.
Therefore, by producing novel prostaglandin type A and J type molecules,
It can be used to prevent the formation of disorders.
An important feature of the A-type and J-type prostaglandins is that, as mentioned above, cyclopenes
It is an α, β-unsaturated ketone having a tan ring (X). Ω for additional α, β-unsaturated ketone
Introduced into the chain and the α-chain, the bifunctional or multifunctional molecule with respect to thiol binding activity
Of course,
Therefore, the prostaglandin derivative or analog to be used in the present invention has the structure
[Wherein the ring is a 5- to 7-membered ring containing an α, β-unsaturated ketone, for example,
And the ring is, for example, one or more having 1 to 6, especially 1 to 4 carbon atoms.
Optionally substituted with a lower alkyl group]
Can be generalized to
R1Is H or lower alkyl as defined above.
The α and ω chains may have the above structure associated with natural prostaglandins.
However, in general, a carbon chain Z-R (where Z is 4-10 carbon atoms and optionally
Containing one or more α, β-unsaturated ketones). Same or different α chain
The ω chain is optionally substituted with one or more alkyl groups, especially lower alkyl groups as defined above.
Will be replaced.
R is hydrogen or an alkyl group, preferably 1-10, especially 1-6, for example
A group having 1 to 4 carbon atoms, or a group C (O) -OR2(Where R2Is
Hydrogen, or an alkyl group having 1 to 10, especially 1 to 6 carbon atoms, for example
, Methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl, isobutyl, neopentyl
Or benzyl) or an aromatic ring such as phenyl or 5
Aromatic heterocyclic groups having 6 to 6 ring atoms, for example thiazole, imidazole, pyridine
Rolidine, thiophene and oxazole, or a system having 3 to 7 atoms in the ring.
Selected from the group consisting of chloroalkanes or cycloalkenes, optionally defined above.
It is a ring structure substituted with a meaningful alkyl group.
The ω-chain as well as the α-chain are optionally, preferably at most one
It may be blocked at the heteroatoms O, S or N.
The α and ω chains have the structure shown in the general description of prostaglandins above.
Can have. In a preferred embodiment of the invention one or both of the chains is
Construction:
(Where R is as defined above)
And an α, β-unsaturated ketone exemplified by
To administer prostaglandins or their derivatives locally to the eye, various
Lipophilic prodrugs of Such prodrugs include those indicated above.
Represented by the general formula, for example, an ester having 1 to 10 carbon atoms (for example,
Alkyl esters) and especially esters having 1 to 6 carbon atoms.
Such esters include, for example, methyl, ethyl, propyl, isopropyl,
Includes butyl, isobutyl, neopentyl and benzyl. Hydroxy on the side chain
For example, a silyl group can be formed with pivalolic acid or butyric acid.
Even if esterified
Good. Alternative lipophilic prodrugs include amides. Prostaglandin
Sodium, chloride or tromethamine depending on the chemical properties of
Amine) salts such as salts may be used.
The compounds are physiologically aqueous or oily solutions in the ophthalmically acceptable pH range.
It can be prepared as an acceptable solution. To enhance the penetration of the compound into the eye,
Thickeners such as hydroxypropylmethyl cellulose, polyvinyl alcohol
, Polyvinylpyrrolidone, hyaluronic acid and other polymers known for the eye
It may be used in the preparation of the invention, which further comprises a prostaglandin solubilizer and
And stabilizers, such as systems with cyclodextrin or analogs thereof.
Enhanced drug penetration into the eye using sustained release matrices, gels or solid inserts
However, the required number of applications can be reduced. Such formulations containing the active compound are
, Benzalkonium chloride or other preservatives such as chlorhexidine, chlorobutane
Tanols, para-hydroxybenzoic acid and phenylmercuric acid salts, eg nitrates, salts
Compounds, acetates, borates and the like may be added for storage. The preparation further comprises additives,
For example, EDTA, EGTA, sorbitol, ho
It may include uric acid and the like and may be enclosed in a multi-dose dispenser. Alternatively,
The preparation may be enclosed in a single dose dispenser, in which case a preservative will be added to the preparation.
It may or may not be added.
Typically, new agents to prevent cataracts are taken 1 to 4 times daily,
It is necessary to administer to the eye locally at regular intervals, usually over a long period of time or intermittently.
You. Intermittent means that there is a period of no treatment after the period of treatment with the active ingredient, and
This means that the treatment with the active ingredient is repeated again. Depending on the sustained-release preparation, soft
Quality or hard eye drop inserts, eg once a week, or once a month, or longer
The drug may be administered continuously by exchanging at intervals.
The dose to be used for local treatment depends on the specific prostaglandin compound and its substance.
It may change depending on physicochemical properties. The ophthalmic composition is typically 0.001-10.
Must contain mg / ml, especially 0.1-10 mg / ml of active ingredient
Yes.
Related in vitro model and presently preferred as new active ingredient for cataract prevention
Active compounds PGA2-Tromethami
The present invention is illustrated by the following non-limiting examples using salt salts.
PGA in methanol (3.0 ml)2(Cayman Chemicals
30 mg, 0.0897 mmol) solution, tris (hydroxymethyl) -a
Minoethane (10.8 mg; 0.0897 mmol) was added. Mix at room temperature
Stir vigorously for 3 hours. The solvent was removed under vacuum and PGA as a pale yellow oil2
-41 mg of tromethamine salt was obtained.B. Prevention of cataract formation in vitro
The experiment was performed using a bovine lens. The lens is placed within 5-6 hours after death after the eye.
I took it out from the department. Take out the lens together with the capsule so as not to damage it 1
It was placed in 5 ml of phosphate buffer solution (pH 7.5). Divide the lens into two groups
And one group 10 in phosphate buffer-3Prostaglandin at final concentration of M
A2Incubate with tromethamine salt and the other group in phosphate buffer
Incubated with chisels. After incubating for 24 hours at room temperature, the lens
To a final concentration of 0.2% hydrogen peroxide (H2O2), 39-40
Oxidation storage at
Was added, but half of the sample was prostaglandin A2With tromethamine salt, after
Half of these did not contain the salt. Furthermore, PGA2-Prepare with tromethamine salt
Incubated one lens and PGA2− Pre-incubate with tromethamine salt
The same lens that was not used2O2Incubate without
Incubation medium and used as negative control.
At regular intervals within 24 hours after starting the incubation with hydrogen peroxide
I took a color photo at. A vial containing the lens in the incubation medium,
Place on a grid pattern drawn on paper, put the crystalline lens through and see how the grid pattern looks
The degree of disability was evaluated. We used grades from 0 to 3, where 0 is a completely transparent lens,
1 is a slightly opacified lens, 2 is a medium opacified lens, 3 is through the lens
And shows a complete cataract with virtually no visible grid pattern.
PGA2-Lens pre-incubated with tromethamine salt, PGA2−
Lenses that were not preincubated with lomethamine salt (positive control) as well as negative
The results of the experiments with sex controls are shown in Table I.
As you can see from Table I, PGA2-Preincubation with tromethamine salt
The crystalline lens is PGA2-No preincubation with tromethamine salt
It was less opaque and much slower to opaque than the positive control lens. Excessive
Lenses (C-1 and C) without any hydrogen oxide attack (challenge)
-2) showed no opacity or only a very slight opacity.
This is because of the transparency of the lens even after incubation at 39-40 ° C for 24 hours.
Showing that it had no or only a negligible effect on
I have.
These experiments show that at 39-40 ° C., it is significantly more like a 0.2% hydrogen peroxide solution.
PGA even when using oxidation2Confirmed that protects the lens from oxidative damage
Is done. Under clinical conditions, the degree of oxidative stress applied to the lens is
Much less than that used in the Ming experiment, cataracts usually last for years or
It progresses in several decades. Therefore, even with much smaller amounts of active ingredient, lens oxidation
And can be expected to have a protective effect against other injuries,
It may be administered topically to the eye at regular intervals.
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