JPH09503453A - 工作機械用のドリルチャック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この工作機械用のドリルチャックはその後端部（１３）により工作機械と連結されかつその前端部（１５）において前側の円錐形ソケット（７）を備え、前側ソケット（７）の内部には、ドリルを保持しかつ主本体と共軸をなす押しねじ（６）の作用を受けるための締付けジョー（８）を担持する別の１個のソケット（９）が配置されている。窓（１２）が主本体（２）を通し開口部として配置されている。窓（１２）の各々の内部には、衛星歯車（４）が配置され、衛星歯車（４）の軸線は主本体（２）の軸線に平行でありかつ衛星歯車（４）の直径は主本体の壁部の厚さよりも実質的に大きく形成されている。衛星歯車（４）は中央歯車（３）の外側の歯とかみ合いかつ手またはキーにより作動させることができる外側リング（５）の内側の歯とかみ合っている。また、前記中央歯車（３）の内側部は押しねじ（６）とかみ合っている。

Description

【発明の詳細な説明】 工作機械用のドリルチャック 技術分野 本発明は工作機械用のドリルチャックに関し、またはさらに正確に述べると、 工具を開閉しかつ取り付けるシステム、例えば、工具を両方向に回転可能であり かつ内部の冷凍装置を備えることができるツイストドリルに関する。 最高技術水準 ドリルチャックは、工具、例えば、切断力を伝達しかつ各々の用途に必要な精 度を保持することが可能でなければならない様々な直径のツイストドリルを締め 付けるために携帯用工作機械および自動工作機械の両方に取り付けられる装置で ある。これらのドリルチャックは、携帯用機械、例えば、日曜大工仕事（ＤＩＹ ）または産業用機械および個々の加工ステーションの役目をなすことができる定 置式機械または多重工作機械、例えば、機械加工センターと共に使用することが できる。 携帯用機械においては、ドリルチャック閉鎖機構は、手または補助キーを使用 することにより作動させることができる。携帯用機械用のこれらのドリルチャッ クは精度がより低くかつ０．２mmを超える心振れ（ｒｕｎ−ｏｕｔｓ）を有して いる。定置式機械用のドリルチャック閉鎖機構は、自己錠止装置または補助キー により作動させることができる。自己錠止ドリルチャックの精度は、低い精度に 相当する０．１mmを超える心振れから高い精度に相当する０．０４mmまでの心振 れまでの範囲内にある。補助キーにより閉鎖されるドリルチャックは中程度の品 質および高精度の作業のために使用される。 特に、工作機械センターのための高精度のドリルチャックとして現在知られか つ使用されているシステムは、自己錠止システムおよび補助キー締付けシステム である。 自己錠止システムにおいては、工具がそのハウジング内にいったん配置される と、該工具はドリルチャックの外側部を回転することにより手動で取り付けられ る。工具に対して回転するドリルチャックの実際の抵抗のために、取付け装置を 構成するねじ山がドリルチャックの駆動軸の回転と反対の方向に切られるので、 これは運転中ドリルチャックが工作が行われる間に工具を確実に支持するように ジョーを堅く閉ざすことを意味する。 このシステムの不利点は、もしもシステムが反対方向に回転されれば、ジョー がゆるみ、従って、工具を十分に強固に支持し、または締め付けることができな くなるので、運転中に、該システムを単一の方向に回転するように駆動すること のみが可能であることである。別の一つの不利点は、自己錠止システムの実際の 設計の結果、前記の誘発された（ｉｎｄｕｃｅｄ）締付けのために、自己錠止装 置の実際の設計のために、ドリルチャックが工具を極めて強く保持するので、工 具を交換しなければならないときに工具を弛めることが困難になることである。 そのうえ、慣用の自己錠止ドリルチャックの設計は運転中にドリルチャックを 工具冷却システムに取り付けることが困難である別の一つの不利点を有している 。 慣用の自己錠止ドリルチャックのさらに一つの不利点は、高い運転速度を使用 するときに、もしも工作機械がなんらかの理由で突然に停止すると、ドリルチャ ックがゆるみ、従って、工具が落下するおそれがあることである。 その他の既知システムは補助キー締付け装置である。このシステムにおいては 、二つの認識された技術が現在使用されている。 ａ）クラウン歯車とかみ合うウォーム ｂ）クラウン歯車とかみ合うベベルピニオン 先ず、第一に、補助キーがクラウン歯車とかみ合うウォームねじに作用し、ク ラウン歯車の内部にねじが切ってあるので、クラウン歯車がドリルチャックの内 部ねじを前進させ、または引っ込める。ドリルチャックの内部ねじのこの前進お よび引っ込みは、工具をそれぞれ締め付けるジョーを一緒に引っ張り、または分 離する作用をする。 このようなシステムにおいては、締付け力がウォーム歯車の歯のうちの１個ま たは２個の歯に作用し、その結果、ウォームとクラウン歯車の歯の数との間の歯 車比が高いために、ウォームが破損するおそれが高まる。その結果、ほぼ１３mm である最大のドリルチャックのジョー開口部を得るために、補助キーを６０回な いし９０回、回転しなければならない。それに加えて、ウォームねじをドリルチ ャックに対して外方から正接するように配置させなければならないので、ドリル チャックが動的に不釣合の状態になる。 第二の場合には、ウォームねじに作用するかわりに、補助キーがかさ歯車に作 用し、またかさ歯車はその回転運動を前述した例に記載したように作動するクラ ウン歯車に伝達する。しかしながら、クラウン歯車とピニオン歯車との比が約３ 倍になったときに、補助キーをほぼ２５回転または３０回転、回転することのみ が必要である。それにもかかわらず、クラウン歯車とピニオンとのかみ合いは、 それ自体のハウジングとの摩擦のために不規則になり、かつこの摩擦が回転運動 をぎこちなくしかつ信頼できなくする。前述した例と同様に、動的つりあいもま た、より劣っている。 その結果、補助キー締付けシステムに適用される既知の技術の両方は、設計上 の欠陥のために、キーは把持された直径を変更し、それらの間のスペースを狭め 、または広げるために多数回、回転されなければならない。オペレーター自身は ジョーに対して最終の度合の圧力を加え、それにより両方の回転方向において作 動し得る工具の締付けを助けなければならない。 これらのシステムのさらに一つの不利点は、工具が締め付けられまたは弛めら れる都度、手動の補助キーが使用されなければならないことである。 そのうえ、一方の側のみに圧力を加えるウォームねじまたはかさ歯車補助機構 からなるこのシステムの実際の設計のために、前記機構が非対称であるので、ド リルチャックが動的に不釣合になる。しかしながら、このシステムは自己錠止シ ステムよりも正確に作動する。 発明の説明 本発明の目的は、既知の慣用のシステムの上記の不利点のすべてを回避すると 共に、自己錠止システムの精度を二方向に回転可能である補助キー閉鎖システム の操作性能と組み合わせたドリルチャックを製造することにある。 この明細書に記載したドリルチャックの主な特徴は、ドリルチャックの主本体 が少なくとも２個の開口した通路を有し、かつこれらの開口部の各々内に主本体 の軸線と平行な軸線を有しかつ主本体の壁部の厚さよりも僅かに大きい直径を有 する遊星ピニオンが配置され、該遊星ピニオンがジョーを押すねじをねじ込んだ 中央ピニオンの外側の歯とかみ合いかつ手またはキーにより作動させることがで きる外側リングの内側の歯とかみ合うことにある。 本発明の特性のうちの別の特性によれば、前記外側リングには補助締付けキー の突起部を保持するようになった１個またはそれ以上の外側の凹部が形成されて いる。 この明細書に記載したドリルチャックは下記の利点を有している。 ａ）ドリルチャックの作動精度が高められている。 ｂ）工具を締め付けるために、キーをそれ程、多数回、回転する必要がないの で、ドリルチャックを準備するために必要な時間が短い。 ｃ）工具を両方の方向に駆動することができる。 ｄ）ドリルチャックが対称の設計を有しており、従って、動的に釣り合ってい る。 ｅ）冷却流体が工具を通して効果的にかつ容易に通過することができる。 ｆ）設計が簡単であるために、製造コストが低廉である。 図面の簡単な説明 図示した実施例に限定されない添付図面はこのドリルチャックが作動する方法 を例示している。 第１図はドリルチャック、例えば、この明細書に記載したドリルチャックの部 分横断面図を示し、 第２図はドリルチャックの主本体に作用する中央ピニオンを回転する４個の遊 星ピニオンを示した第１図の部分Ａ−Ａの拡大図であり、 第３図および第４図はウォームねじの補助キーで作動するシステムの慣用の設 計の正面図および側面図であり、一方 第５図および第６図はかさ歯車の補助キーで作動するシステムの慣用の設計の 第３図および第４図に示した正面図および側面図と類似した二つの正面図および 側面図を示す。 発明の好ましい設計 第１図は工作機械の駆動システムに取り付けるために好適なテーパシャンクを 有する主本体２と、中央ピニオン３と、少なくとも１個の円筒形の遊星ピニオン ４と、外側リング５と、ジョー８を有する押しねじ６と、前側の円錐形ブッシン グ７と、ジョーガイド９と、内部の工具端部着座ブッシング１０と、軸受ボール １１とからなる本発明によるドリルチャックの好ましい設計を示す。 主本体２はジョーガイド９、中央ピニオン３および軸受ボール１１を軸線方向 に通すことができる種々の内径を有する中空の円筒形の前側部分、すなわち、延 長部１５を有している。また、前記前側部分１５の端部は前側の円錐形ブッシン グ７内に収容するに適した形状に形成されている。 前記主本体２は外側リング５とかみ合うように周囲に歯を形成された中間部分 １４を有し、該中間部分の内径は中央ピニオン３を通すことのできるものである 。前記中間部分１４は内部に対応した遊星ピニオン４を収容することができる等 間隔に設けられた完全な開口部１２を有している。 また、主本体２は、外部が工作機械の駆動装置と結合されるように形成され、 内部がドリルチャックを工作機械および冷却媒体供給ダクトまたは好適な形状に 形成された補助ストッパーに取り付けるタイロッドを収容するように形成された 外側円錐形端部１３を有している。 外側に歯を有する中央ピニオン３は、１個またはそれ以上の遊星ピニオン４と かみ合い、かつピニオン３を押しねじ６のジョー８と結合させるための内側にね じを切った軸線方向の穴を有している。 外側リング５は１個またはそれ以上の遊星ピニオン４とかみ合うように内側に 歯を形成されており、かつ補助キーを挿入するに適した形の少なくとも１個の周 囲みぞ１６を有している。 ジョー８押しねじ６の端部は工具を締め付けかつ固定するジョー８を結合する に適した形状に形成されている。 この明細書に記載したドリルチャックを構成する部品の説明に続き前記ドリル チャックの作動方法を説明する。 先ず、外側リング５を手で回転し、この回転により遊星ピニオン４が回転し、 それによりより中央ピニオン３を駆動し、その結果、中央ピニオンがジョー８押 しねじ６をねじ込み、または釈放する。工作機械の工具を締め付けかつ固定する ジョー８はこの押しねじ６の前端部に支持され、かつ前記ねじ６が前進し、また は引っ込むときに、円錐形の前側ブッシング７の内面の円錐形の形状のために、 締付けジョー８が一緒により接近し、または相互から離れ、従って、工具を強固 に締め付け、または工具を弛める。 外側リング５のみぞ１６の中に挿入される補助キーは、ツイストドリルまたは 工具の完全な締付けを改善しまたは保証するために前述した操作の終りのみに使 用されるようになっている。 本発明の性質および操作方法の十分詳細な説明に引き続き、本発明の基本的な 原理が変更されないか、または改造されない限り、本質的な特徴および特許を請 求する理由が以下の請求の範囲に記載されているように、すべての事項を細部に おいて変更することができることを述べておく。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．端末部（１３）により工作機械と連結されかつ前端部（１５）により前側 の円錐形ブッシング（７）と連結された内径が変化する中空の円筒形の主本体（ ２）により構成された型式の工作機械用のドリルチャックにして、ブッシング（ ７）の内部には、別の１個のブッシング（９）が設けられ、ブッシング（９）は その内部に少なくとも３個のツイストドリル締付けおよび固定ジョー（８）を長 手方向に移動するための案内みぞを有しかつ作動装置の作用により主本体に共軸 をなして長手方向に移動させることができるジョー押しねじ（６）を備えている ドリルチャックにおいて、主本体（２）が少なくとも２個の開口部（１２）を備 え、開口部（１２）の各々の内部には遊星ピニオン（４）が配置され、遊星ピニ オン（４）は主本体（２）の軸線に平行な軸線を有しかつ前記主本体の壁部の厚 さよりも僅かに大きい直径を有し、前記遊星ピニオン（４）が中央ピニオン（３ ）と外側においてかみ合いかつ外側リング（５）の内側の歯とかみ合い、外側リ ング（５）が手またはキーにより操作させることができ、中央ピニオン（３）が ジョー（８）を押すねじ（６）に螺合していることを特徴とする工作機械用のド リルチャック。