JPH09501099A - 錯化剤を使用する錯形成反応で媒介された結晶形成反応 - Google Patents
錯化剤を使用する錯形成反応で媒介された結晶形成反応Info
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Abstract
(57)【要約】
同一の化学組成を有する従来のクリスタリットと比較して、新しい晶癖および/または結晶形態を有するクリスタリットを形成するのに適した方法および反応系が開示されている。本発明の方法および反応系は、液体(またはゲル)中に存在する少なくとも2種の反応体の間の化学反応を含み、この反応によって不溶性結晶質生成物が形成する。反応体の少なくとも一方を、ある薬剤を添加することによって通常では反応体が溶解しない溶媒に可溶性にする。前記薬剤としては、該化学物質と反応体とから成る可溶性分子錯体を形成するものを使用する。この錯化剤は、溶媒中における反応体の溶解を容易にするほか、クリスタリット生成物の形成中にこのクリスタリット生成物を含む結晶面を拡大する作用をする。このようなクリスタリット構造が変更されている生成物は多くの可能性のある用途を有する。
Description
【発明の詳細な説明】
錯化剤を使用する錯形成反応で媒介された結晶形成反応発明の分野
本発明は、新規な結晶形状を有する有機および無機の種々の化学化合物を製造
する方法に関するものである。発明の背景
結晶化および結晶の形状および構造を変える種々の方法に対する関心には長い
歴史がある。結晶化方法を変えて新しい結晶形状の物質を生成しようとする努力
は、例えば、粒状物質の大量取扱い(mass-handling)特性の改善、実在する物質
より強度または耐久性の大きい物質の製造、および改善された物理特性、例えば
、光透過性を有する物質の製造を包含する種々の反応にとって、従来から極めて
重要であった。
結晶質物質の形状(すなわち「晶癖」)または結晶格子(すなわち、「結晶形
態(morphology)」)を変える1つの従来方法は、添加剤を使用する方法である。
Weissbuch等、「Science」253:637−645(1991);Addadi等、「
Topics in Stereochem.」16:1−85(1986);Addadi等、「Angew,
Chem.Int.Ed,Engl.」24:466−485(1985);およびAddadi等、
「Nature」296:21−26(1982)。添加剤の作用は劇的なものである
ことがある。有名な例は、尿素の存在下における立方晶NaClから八面体Na
Clへの転化である。しかし、添加剤は結晶の成長中に結晶のなかに混入するこ
とがあり、これは特に高純度の結晶質物質が必要である場合に望ましくない。結
晶質物質の晶癖または結晶形態を変えるもう1つの従来方法は、晶出した溶質を
溶解するのに使用する晶出溶媒(気相からの晶出を含む)を変える方法である。
不幸なことには、晶出溶媒を変えることができないことがある。それは、晶出溶
質が使用溶媒に可溶性である必要があり、しかも替わりの溶媒がほとんど入手で
きないことがあるからである。例えば、塩類のような極性の極めて大きい溶質は
主として極めて極性の大きい溶媒、特に水から晶出される。それは、このような
溶質が極性の小さい溶媒に不溶性であるからである。同様に、前駆物質であ塩の
溶液を混合して沈殿させることによって、エレクトロニック用途または光学的用
途を有する物質(例えば、金属カルコゲニド)を生成する場合でも、前駆物質で
ある塩を溶解するために極性の極めて大きい媒質が必要である。このような物質
を製造するために水性溶媒が必要になるのを回避する種々の方法が提案されたが
、これらの技術は有機−元素(organo-element)前駆物質の製造または毒性を有
する揮発性無機物質の使用を必要とすることが多く、広く適用することはできな
い。
水に自由に溶解することができる塩化カリウムのような塩は、無極性溶媒には
不溶性である。従来、このような塩の結晶成長の変化に対する溶媒の作用は、単
に塩を溶解した後に溶液から晶出させる必要があるという理由から、余り探究さ
れていなかった。
クラウンエーテルを使用する錯形成反応は、最初にPedersen,「J.Am.Chem
.Soc.」89:2495−2496(1967)に報告され、またPedersen,
「J.Am.Chem.Soc.」89:7017−7036(1967)にも報告されて
いるように、塩類をその錯体の形態で無極性溶媒中に可溶化する従来方法を提供
する。Doxsee 等、「J.Inclus.Phenom.& Molec.Recog.in Chem.」9:32
7−336(1990)は、酢酸ナトリウムが完全に不溶性であるシクロヘキサ
ン溶液から、簡単な有機塩である酢酸ナトリウムを晶出させることについて報告
している。溶質である酢酸ナトリウムは、有機溶媒中で塩のクラウンエーテル錯
体として可溶化される。この溶液をゆるやかに蒸発させると、遊離塩が結晶の形
で沈殿する。酢酸ナトリウムを従来方法のように水性溶液から晶出させる場合に
は、結晶は六方板状晶癖を有する。酢酸ナトリウムをそのクラウンエーテル錯体
の有機溶液から晶出させると、針状結晶が形成する。この針状結晶は、その晶癖
が互いに全く異なるにもかかわらず、X線回折分析によって確認されるように、
六方晶と同一の結晶格子を有する。
従って、クラウンエーテルのような錯化剤を添加すると、化合物は、該化合物
が通常完全に不溶性である溶媒に対して可溶性になる。そこで、晶出が開始する
と、「通常の」結晶成長条件とは全く異なる溶媒和条件下に、結晶の成長を観察
する機会が得られる。
簡単な無機塩を有機溶媒から晶出させることが提案されているが、この方法は
多くの制約を持っている。例えば、この方法は、溶液中に既に溶解している特定
の溶質の結晶を製造する場合に限定される。著しく異なる種々の他の結晶質物質
を製造するには、1種より多い溶質によって供給される反応体間の化学反応が必
要である。
従来の反応技術を使用して商業的に重要な多くの化合物を製造するのは困難で
あり、危険であり、かつ/または費用がかかることが多い。適当な反応前駆物質
(すなわち、「反応体」)は入手不能であったり、極めて高価であることがあり
、また反応体は毒性または易燃性が大きいことがあり、あるいは揮発性が極めて
大きいというような或る他の望ましくない性質を持っていることがある。最後に
、いくつかの反応体は役に立たず、望ましくない副生物を生成する、すなわち適
当な純度レベルの所望の生成物を得るには追加の処理工程を必要とする。例えば
、セレン化亜鉛は従来ジメチル亜鉛とセレン化水素とを反応させることにより製
造されている。ジメチル亜鉛は高価であり、揮発性が大きく、自然発光し易い。
セレン化亜鉛を、安価でしかも使用するのに安全な塩化亜鉛のような無機塩から
製造することがてきれば、有利である。
従って、溶液からの簡単な晶出によって製造される結晶質物質とは晶癖の点で
異なる結晶形状を有する物質を、化学反応によって製造することができる方法が
必要である。このような異なる結晶形状を有する物質は、特定用途に一層適当で
あることがある。
また、従来の反応系では使用する必要のある反応体と比較して、作業に対する
危険性の小さい反応体を使用して、上述の結晶形状を有する物質を製造すること
ができる、上述の製造方法が必要である。発明の概説
上述の必要性は、結晶質生成物を形成する方法および反応系を提供する本発明
によって満たされる。
本発明の1つの面においては、本発明は、第1溶媒中において第2溶媒中にお
けるより溶解性の大きい第1反応体を使用する上述の方法を提供する。また、第
1溶媒中で第1反応体と反応してクリスタリット生成物を形成することができる
第2反応体を使用する。第2溶媒中における第1反応体の解離を容易にするため
に、第2溶媒に可溶性であり、第1反応体との分子錯体を形成することができる
錯化剤を使用する。第1反応体および第2反応体を錯化剤と共に第2溶媒に添加
し、第1反応体と第2反応体とを反応させ、第2溶媒に不溶性のクリスタリット
生成物を形成する。錯化剤によって容易になる第2溶媒中における反応によって
形成するクリスタリット生成物は、別の方法により第1溶媒中で第1反応体と第
2反応体とを反応させることにより形成することができるクリスタリット生成物
の結晶とは異なる結晶を含有する。このような相違は、特に晶癖および/または
結晶形態における相違として明らかである。別の方法では、第2溶液中で形成し
た結晶は、代表的な例においては(現時点において数少ない例外が知られている
)、第1溶液中で形成したクリスタリット中に見い出される結晶と化学的に同一
である。
上述の方法において、代表的な例においては、第1溶媒は極性を有し、第2溶
媒は第1溶媒より極性が小さい。(通常、第1溶媒は水であり、第2溶媒は有機
溶媒である。)このような例において、第1反応体および第2反応体は、代表的
な例においては、第1溶媒中で解離してそれぞれの陰イオンおよび対応する陽イ
オンを形成する塩である。
本発明の他の面においては、所要に応じて、第2錯化剤を使用して、第2溶液
中における第2反応体の解離を容易にすることができる。
本発明の他の面においては、(前記解離を容易にするために錯化剤を使用して
)第1反応体を第1溶媒中に少くとも部分的に溶解して第1溶液を形成すること
ができ、(所要に応じて、解離を容易にするために錯化剤を使用して)第2反応
体を第2溶媒中に少くとも部分的に溶解して第2溶液を形成することができる。
第1溶液と第2溶液とを一緒にしてクリスタリット形成反応を生起させる。
あるいはまた、実質的に第1溶液から成る領域を形成し、実質的に第2溶液か
ら成る領域と接触させて、両領域の間に界面を形成させることができる。このよ
うにして、第1反応体と第2反応体との反応は、主として拡散により両領域間の
界面で生起して、両溶液のいずれにも不溶性のクリスタリット生成物を形成する
。この例では、第1溶液および第2溶液は互に混和性であっても不混和性であっ
て
もよい。
本発明の他の面においては、2つの溶液を使用する例を含む他の反応系の例を
実施することができる。この例において、第1溶液は、第1反応体、第1溶媒、
および第1反応体と錯体を形成して第1反応体を第1溶媒に可溶性にする錯化剤
を含有する。第2溶液は、第2溶媒およびそのなかに少くとも部分的に溶解する
第2反応体を含有する。これらの2種の溶液は一緒に混合することができ、ある
いは互に界面で接触する2つの領域を形成することができる。第1反応体と第2
反応体とが反応するにつれて、それぞれ、混合物中または界面に沈殿が形成する
。
本発明のさらに他の面においては、(2種の溶液を含む反応系において)両溶
液の一方または両方がゲルであってもよい。あるいはまた、第1溶液と第2溶液
との間にゲルを置き、両反応体がゲルを通って移行してゲル中でクリスタリット
生成物が形成するようにすることができる。
本発明の方法および反応系の上述の例は、錯化剤を使用しなくても両反応体が
可溶性である溶媒中に形成するクリスタリットと比較して、新規な晶癖および/
または結晶形態を有する結晶から成るクリスタリットの製造を可能にする。上述
のように、これらの新規なクリスタリットは、クリスタリットの組成に応じて、
多くの可能性のある用途を有する。
図面の簡単な説明
図1は、実験例5に記載されているように、酢酸鉛(II)と硫化ナトリウムと
の反応によって、従来技術により水溶液中に形成した金被覆された明らかに無定
形のPbSを示す走査型電子顕微鏡写真(倍率20,000×)である。
図2は、実験例1に記載されているように、本発明により無水テトラヒドロフ
ランとベンゾ−18−クラウン−6との溶液中に形成した金被覆された結晶質P
bSを示す走査型電子顕微鏡写真(倍率10,000×)である。
図3は実験例36に記載されているように、塩化第二水銀と硫化ナトリウムと
の反応によって、従来技術によって水溶液中に形成した金被覆された明らかに無
定形のHgSを示す走査型電子顕微鏡写真(倍率20,000×)である。
図4は、実験例38に記載されているように、本発明により塩化メチレン中の
クラウンエーテル(ベンゾ−18−クラウン−6)と塩化第二水銀水溶液とが層
を形成している二相系中に形成した金被覆された結晶質PbSを示す走査型電子
顕微鏡写真(倍率10,000×)である。
図5は、図4(実験例38)に示すクリスタリットを生成した系を長期間反応
させた後に形成したウイスカー様クリスタリットを示す光学顕微鏡写真である。詳細な説明
「錯体で媒介された晶出」は既に報告されている。Doxsee等、「J.Inclus.P
henom.& Molec.Recog.in Chem.」9:327−336(1990)。この方
法によれば、水に自由に溶解するほか普通無極性溶媒であるシクロヘキサンに可
溶性である溶質(酢酸ナトリウム)を、この溶媒にクラウンエーテル(15−ク
ラウン−5)を添加することにより、シクロヘキサンに溶解している。このクラ
ウンエーテルは前記溶媒に可溶性である。クラウンエーテル分子は、溶質を構成
するナトリウムイオンおよび酢酸塩イオンと錯体を形成し、これにより溶質を溶
媒に「溶解」することができた(なお、クラウンエーテルと錯体を形成している
が)。次に、溶媒を蒸発させることにより、酢酸ナトリウム三水和物を溶液から
沈殿させている。生成した結晶は、水溶液からこの化合物を晶出させることによ
って生成する代表的な六方板状晶癖(hexagonal plate habit)を示さず、針状で
あった。しかし、生成した結晶は酢酸ナトリウムの六方板状結晶と同じ格子パラ
メータを持っていた。針状結晶が生成する現象は、結晶成長中の酢酸ナトリウム
結晶の各面における溶質の微分吸着速度に対するクラウンエーテルの作用によっ
て「説明」された。特に、クラウンエーテルは、相対的に無極性の側面(この側
面に対しては酢酸塩のメチル基間のファンデルワールス接触が明らかに優位を占
める)に対して溶媒和作用を及ぼすと仮定された。クラウンエーテルは、相対的
に無極性の軸面(この軸面はNa+イオンと水分子とアセテートカルボキシレー
トとが交互に配置されている層から形成されている)に対して極めて僅かな溶媒
和を示した。このようにして、軸面は側面より速やかに成長した。
本発明は、単に溶液からの晶出によってではなく、化学反応によって結晶質生
成物(すなわち、クリスタリット)を製造する方法を提供する。本発明による反
応では、結晶質生成物の結晶は、従来法によって形成する結晶と比較して、異常
な結晶形(晶癖)および/または結晶格子構造(結晶形態)を示すことがある。
本発明において、「反応系」は、少くとも2種の反応体、1種または2種以上
の反応体を溶解することができる(しかし、溶解させようとする少くとも1種の
反応体は自由には溶解しない)少くとも1種の溶媒、および溶質を溶媒に溶解さ
せるのに適当な少くとも1種の化学薬剤(すなわち、「錯化剤」)を含有する。
以下に、反応体、溶媒、および錯化剤について一層詳細に説明する。
上述のように、少くとも1種の反応体は、対応する溶媒中で溶解性が少くとも
小さいという性質ないし実質的に不溶性であるという性質を持っているのが普通
である。充分な量の反応体を溶媒に溶解して、反応体分子を反応に利用できるよ
うにするには、溶媒に可溶性で、反応体と分子錯体を形成する化学薬剤を使用す
る。従って、このような化学薬剤は「錯化剤」と呼ばれる。
本発明における化学反応は、少くとも2種の反応体を包含する。反応体の分子
は、両反応体(すなわち、溶質)の分子を含有する1つの溶液中、または互に接
触させる別個の溶液中で反応させるために互に対して提供される。溶媒は互に混
和性である必要はない。従って、それぞれの場合に、反応体は、必ずしも同一溶
媒中ではないが、溶解状態で互に相互作用する。また、2種の異なる溶媒を使用
する場合、すなわち各反応体に対して1種の溶媒を使用する場合には、一方の溶
液と他方の溶液とを混合する必要はない。反応体の相互作用は拡散のみによって
生起することがあり、あるいは両溶媒が不混和性である場合には両溶媒の間の界
面で生起することがある。
錯化剤の使用によって溶質の溶解が容易になる場合には常に、反応開始前にす
べての溶質を溶解しておく必要はない。代表的な例では、錯化剤は反応中に消費
されず、従って対応する溶質に対する「溶解触媒」として働くことがある。溶質
分子は錯化剤分子から解離し、結晶生成物中に組み入れられた状態になり、錯化
剤の遊離した分子は残りの未反応溶質のさらなる解離を容易にすることができる
。従って、錯化剤は「触媒」量(すなわち、化学量論的より少ない(substoichio
meteic)量)で存在させることができる。
反応生成物は1種または2種以上の結晶質物質(クリスタリット)として形成
され、反応生成物は沈殿し、従って従来の分離技術を使用して溶液から容易に分
離することができる。生成したクリスタリットは目で識別できる結晶から成るこ
とがあり、あるいは無定形と思われるような小さい結晶から成ることがある。
溶質が溶媒中に溶解するか否かを決める重要な因子は、溶媒分子に対する溶質
分子の極性である。一般的に、極性溶質(解離した際に構成イオンに解離する塩
のような)は、極性溶媒中では無極性溶媒中におけるより溶解性が大きく、無極
性溶質は無極性溶媒中では極性溶媒中におけるより溶解性が大きい。従って、所
定温度において、極性溶質は極性溶媒中では比較的無極性の溶媒中におけるより
多量に溶解する。同様に、無極性溶質は無極性溶媒中では極性溶媒中におけるよ
り多量に溶解する。錯化剤は溶質に結合することにより溶質の極性を変え、通常
溶質分子(または構成イオン)の極性を小さくする。
限定するつもりはないが、極めて多くの場合に、少なくとも1種の反応体溶質
は、通常水に可溶性であり、反応に使用される少なくとも1種の溶媒を包含する
極性の小さい溶媒に対しては限られた溶解度を有するか、あるいは実質的に不溶
性である。従って、このような場合には、少なくとも1種の溶媒は実質的に純粋
な水以外のもの、すなわち極性が純水より実質的に小さい溶媒である。このよう
な溶媒中に溶質を溶解するには、溶媒に可溶性であり、溶媒中に溶解させようと
する溶質と錯体を形成することができる錯化剤を選定する。
また、本発明においては、通常溶質反応体を有機溶媒に可溶性にすることがで
きる。このような場合には、適当な錯化剤を使用して溶質を水含有溶媒中に溶解
することができる。
本発明の反応系においては、第1反応体を反応溶媒に可溶性にすることができ
、第2反応体が溶媒に限られた溶解性を有するようにすることができる。このよ
うな場合には、錯化剤を使用して溶媒中における第2溶質の解離を容易にする。
また、本発明の反応系は、第1反応体および第2反応体の両方が溶解するのに
錯化剤が必要である系を含む。錯化剤は同一のものまたは異なるものとすること
ができる。このような反応系の代表的な例では、錯化された第1反応体を含有す
る第1溶液を、錯化された第2反応体を含有する第2溶液の上に層として設ける
。第1溶液と第2溶液との界面において反応が生起する。また、追加の「相(pha
ses)」も可能である。
反応系が相界面を有することは全く不必要である。反応体の全部(および少な
くとも1種の錯化剤)を含有する1つの溶液を含む「単相」反応は、本発明の範
囲内にある。
錯化剤は次の作用の少なくとも1つを行う:
(a)反応体を溶媒中で可溶化する作用;および(b)おそらく特にある結晶
面上における微分成長速度に作用を及ぼすことによって、形成する結晶質生成物
の晶癖および/または結晶形態に影響を与える作用。錯化剤の不存在下では両反
応体が溶媒に不溶性である反応系においては、普通錯化剤は両方の作用をする。
一方の反応体が溶媒に不溶性であって、溶媒に溶解するには錯化剤による錯形成
反応を必要とし、かつ他方の反応体が溶媒に可溶性である反応系においては、錯
化剤は主として第2の作用をする。
錯化剤分子は、反応体分子と錯体を形成することにより、反応体分子の溶解を
容易にする。主として使用溶媒中における錯化剤の溶解性のために、生成する錯
体も溶媒に可溶性である。このような錯体形成は、この技術分野において既知の
ように、電子対を共有しないように(すなわち、供与結合により)反応体分子と
相互作用して配位化合物を形成する錯化剤(キレート化剤として作用する)の分
子を含むキレートの形成を行わせることにより、例示することができる。このよ
うな配位化合物では、溶質イオンは同じ錯化剤分子中の通常非金属の2種または
3種以上の原子に対して多座配位結合によって結合している。イオンに対して結
合する2個の基を提供する錯化剤は二座配位子と呼ばれ、3個の基を提供する錯
化剤は三座配位子と呼ばれ、以下同様である。溶質の結合に関与する錯化剤にお
ける化学基は、代表的な例では電子供与体である。また、錯化剤は当技術分野に
おいて「配位子」と呼ばれる。
上述の説明から推測されるように、代表的な例においては、錯化剤分子は電子
供与体である結合基を持っているので、このような錯化剤に結合する対応する溶
質分子の領域は電子受容体である。すなわち、代表的な例においては、対応する
溶質「分子」は陽イオン性であり、実際に多原子または単原子の陽イオンとする
ことができる。また、水素結合のような他の結合機構によって、溶質「分子」を
錯化剤と相互作用させることができる。
また、対応する溶質の陽イオンの面と相結合するように互作用する錯化剤を、
他の方法で溶質と相互作用させて、溶質の溶解を容易にすることができる。例え
ば、錯化剤は、相対的に無極性の溶媒中で、例えば、「疎水」結合によって溶質
の無極性領域と相互作用することができる。
溶質と錯化剤との結合は、クリスタリット形成反応中に、溶質が錯化剤から解
離できない程強くてはいけない。
溶質が錯化剤から遊離してクリスタリット生成物を形成するのが、極めて好ま
しいはずである。
候補となる錯化剤としては次のものがあるが、これ等に限定されるものではな
い:クラウンエーテル(エーテル基がジメチレン結合またはケイ素結合によって
連結され、エーテルの酸素原子が電子供与体として作用する種々の環状ポリエー
テルのうちの任意のもの);エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびこの化
合物の同族体;ニトリロ三酢酸N(CH2COOH)3;エチレングリコール−ビ
ス(β−アミノエチルエーテル)−N,N−四酢酸(HOOCCH2)2NCH2
CH2OCH2CH2OCH2CH2N(CH2COOH)2;ジエチレン−トリアミ
ン五酢酸(DTPA);デスフェロキサミンおよびその同族体;アンミン誘導体
;メタロセン;ヒドロキシカルボン酸、ポリエチレングリコールおよび対応する
ジメチルエーテル;ポリエチレンイミン;トリス−(メトキシエトキシエチル)
アミンおよび関連する化合物;およびコウジ酸(これはマンガンキレート化剤で
ある)。候補となるクラウンエーテルとしては12−クラウン−4,15−クラ
ウン−5、18−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、およ
びジベンゾ−18−クラウン−6があるが、これ等に限定されるものではない。
各クラウンエーテルはクラウンエーテル分子の中央空孔の大きさに応じて特定の
範囲の陽イオンと結合する。例えば、12−クラウン−4はLi+とは十分に結
合するが、K+とは不十分に結合し;ジベンゾ−18−クラウン−6はK+とは十
分に結合するが、Li+とは不十分に結合する。同様に、ジベンゾ−18−クラ
ウン−6はSr2+およびHg2+とは十分に結合するが、Ca2+,Cd2+,Zn2+
とは比較的不十分に結合する。クラウンエーテルは、簡単な陽イオンの錯体を形
成するために、従来最も広く使用されているが、クラウンエーテルは、アミン、
フェノール、および他の化合物の錯体を形成することもできる。
また、錯化剤は本質的に、窒素原子または酸素原子、あるいは1種より多くの
ヘテロ原子を有するクラウンエーテル同族体である「大環状」化合物とすること
ができる。このような化合物として、取り囲まれるイオンを二次元ではなく三次
元で取り囲むことができる二環式化合物がある。
反応体の溶解を達成するのに困難がある場合には、使用できる可能性のある他
の錯化剤、例えば、「スフェランド(spherand)、「カリクサレン(calixarene)、
「クリプトファン」(cryptophane)」、「ヘミスフェラント(hemispherand)」、
「ポダント(podant)」および「ラリアト(lariat)エーテル」を包含するクリプタ
ンドと呼ばれる種々の化合物のうちのいずれかを考慮に入れることができる。
所望の反応系における錯化剤の最大使用量は、経済的理由から、対応する反応
体の量に対する化学量論的分量以下である。勿論、錯化剤が「触媒として」作用
する場合には、化学量論的量より著しく少ない量が必要である。
普通、錯化剤であるクラウンエーテルおよび「クリプトファン」は、アルカリ
金属陽イオンを有する溶質を溶解する場合には、十分に作用する。クラウンエー
テルは、遷移金属陽イオンを有する溶質に対しては満足できるものであるが、酸
素以外の電子供与体を有する錯化剤は一層良好に作用する。
所望の反応に対して、この技術分野において通常の知識を有する者は、上述の
作用をする錯化剤を選択することができる。多くの候補となる錯化剤を商業的に
入手することができ、簡単な試験管実験によって所定の反応における効果につい
て試験することができる。また、多くの錯化剤、例えばクラウンエーテル(これ
に限定されるものではない)を、その分子に親油性部分を化学的に結合させるこ
とにより、ある疎水性溶媒中における溶解性を大きくすることができることも、
理解されている。
特定の錯化剤の効果を試験するための実験台上(bench top)の実験は、この技
術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる範囲内にある。例えば
、多くの候補となる溶質は着色溶液を形成する。このような溶質に関し、特定の
錯化剤を使用しても色が着かない場合には、おそらく溶解は実質的に起こってい
ないと考えられる。例えば、クロム酸塩を含有する溶液は黄色になる傾向があり
、CoCl2溶液は暗青色になる傾向がある。溶液が本来無色である場合には、
目
に見える沈殿が形成するかどうかを確認するために、古典的分析化学の技術を使
用して、沈殿作用をする陰イオンを添加することができる。例えば、ニッケル塩
溶液については、試験される溶液がニッケルイオンを含有している場合には、N
a2S溶液を添加すると、沈殿が形成する。勿論、最新の分析技術、例えば、原
子吸光分析法を使用して試験することができる。
通常水溶性である反応体溶質に関しては、本発明の反応系に使用する候補とな
る溶媒としては、水より極性の小さい種々の溶媒のうちの任意のもの、特に比較
的無極性の有機溶媒がある。このような溶媒としては、疎水性溶媒およびある程
度の親水性(通常水より小さい)を有する溶媒がある。また、このような溶媒は
純溶媒の混合物であってもよい。このような混合物は水を含有していてもよい。
また、溶媒は超臨界溶媒の1種、例えば、超臨界二酸化炭素とすることができる
。
溶媒の選択は幾分経験によるものであることがある。基本的には、種々の錯化
剤を使用して溶解を容易にしようと試みた後でも、溶質を溶媒に溶解することが
できない場合には、異なる溶媒を選択する必要がある。時には、単に異なる錯化
剤を使用することにより、ある溶媒を使用した場合の困難を解決することができ
る。溶質の溶解速度が遅すぎる場合には、攪拌が有用であることがあり、これは
超音波発生器(ultrasonicator)の使用を含む。
溶媒は自由流動性液体である必要はない。また、種々の無極性ゲルのうちの任
意のものを使用することができ、これには種々の有機重合体ゲルのうちの任意の
もの、例えばポリスチレンゲルおよびPVCゲルがあるが、これらに限定される
ものではない。ゲル溶媒の使用は、本発明における二相反応(すなわち、ある溶
液が他の溶液の上に層として設けられていて、その界面で反応が生起する場合の
反応)において特に有用である。この際、ゲルは反応速度をゆるやかにする作用
をすることができ、反応開始前における層の形成を簡単にすることができる。溶
媒で膨潤した有機重合体も使用することができ、この重合体は本発明の反応体系
においてゲルと同様に作用する。
本発明の反応系において生じる結晶質生成物の形成は、自然発生的であること
があり、普通自然発生的である。しかし、種晶または他の核形成助剤を反応系に
導入することにより、晶出を誘発させることができる。結晶形成を誘発させる他
の方法としては、熱衝撃、物理的衝撃、および少なくとも局部的に過飽和にする
方法がある。
本発明における反応の生成物は結晶質物質(すなわち、「クリスタリット」)
であり、有機物質または無機物質であることがある。このような物質は顕微鏡的
大きさの個々の結晶が集合したものであることがある。一般に、反応が速い程、
生成物の結晶の大きさは小さくなる。
本発明における反応の結晶質生成物は、必ずしも、従来技術における対応する
反応の生成物より大きい結晶から成るとは限らない。むしろ、本発明における反
応の結晶質生成物は、異なる晶癖および/または結晶形態を示すことが分かった
。本発明において小さい結晶から成る生成物が形成する場合には、生成したクリ
スクリットは、大きい結晶から成るクリスタリットと比較して、異常な物理的性
質を持っていることがある。
本発明において使用できる好ましい溶質は、他の水溶性化合物と反応して結晶
質生成物を形成することができる種々の水溶性化合物のうちの任意のものである
。このような化合物は、代表的な例においては「塩」と呼ばれ、塩は対応する陰
イオンおよび陽イオンに解離する。代表的な陰イオンおよび陽イオンを、それぞ
れ、表1および表2に示すが、これらに限定されるものではない。
本発明は結晶形態の変更が有利であるどのような用途にも使用することができ
る。下記のものは代表的な用途であるが、これらに限定されるものではない:
(a)新規または改善された性質を有する複合材料の製造:例えば、ZnSは
赤外放射を透過する。不運にも、現在入手できる形態のZnSは脆い。本発明は
、従来とは異なる晶癖を有するZnS、例えば、繊維状ZnSの製造を可能とし
、このようなZnSは赤外透過性を有し、脆さの改善された複合材料を製造する
のに用いることができる。
(b)改善された写真用乳剤の製造:ハロゲン化銀は写真用乳剤における重要
な成分である。この化合物の結晶形の変更は解像度、例えば写真用フィルムの解
像度の改善を助ける。
(c)爆薬:爆発性を有する結晶質物質においては、このような物質の結晶格
子のエネルギー密度をできる限り高くするのが望ましいのが普通である。本発明
は、結晶の晶癖および形態が変更されている、従ってエネルギー密度が変更され
ている爆発性化合物、例えば、種々の爆発性アンモニウム化合物の形成を可能に
する。
(d)非線形光学材料:本発明の反応系では、いわゆる「非対称(assymeteric
)」溶媒を使用することができ、この溶媒は非線形光学材料として使用すること
ができる非対称結晶質生成物の生成に使用することができる。例えば、有機化合
物は極めて高度の非線形の光学的性質を示すことが多い。有機分子の高い分極率
は非線形性を高めるのに寄与することが多い(例えば、p−ニトロアニリン)。
不運にも、有機化合物の大部分は中心に対して対称な空間群として結晶化するの
で、非線形物質ではなくなる。従来方法によって単に溶媒を変えて晶癖または結
晶形態を変えることには制約があり、全く極性の媒質中でのみ溶解性が大きい注
目する分極性の大きい多くの化合物の場合には特にそうである。本発明の反応系
を使用してこれらの問題を解消することができる。
(e)半導体材料および他の電子材料:CdSe,ZnSおよびZnSeのよ
うな金属カルコゲナイドの形成は、従来、例えば、CdSO4およびNa2Seを
包含するイオン前駆物質を使用して行われている。その結果、この物質の製造は
従来水性溶媒中において凝縮相(condensed phase)で行われている。また、従
来技術では、気相反応または有機溶媒を使用してこのような化合物を製造してい
る。しかし、これらの方法はH2SeおよびCdMe2のような毒性を有する揮発
性前駆物質の使用を伴うことが多い。本発明においては、錯形成反応によりイオ
ン前駆物質を可溶化し、次いで反応する溶液をゆるやかに拡散させて溶媒から所
望の生成物を沈殿または晶出させることができる。従来、この方法は反応する種
(reacting species)が不溶性であるため使用できなかった。例えば、硫化物、
セレン化物、およびテルル化物は、これらのリチウム塩、ナトリウム塩またはカ
リウム塩のクラウンエーテル錯体を形成させることにより、炭化水素およびエー
テル性溶媒中に可溶化することができる。また、商業的に入手できるクラウンエ
ーテルは、Hg2+、Cd2+、およびPb2+を包含する注目される多数の金属イオ
ンの塩を可溶化することができる。多数の関連するイオンを可溶化するために簡
単な合成錯化剤を製造することは、容易に実施することができる。例えば、Lind
oy,「The Chemistry of Macrocyclic Ligand Complexes」Cambridge Univ.Pre
ss(1989)を参照されたい。上述のようにして、反応体溶液は同時に拡散す
るので、対応する金属カルコゲニドを形成することができる。
また、本発明は、極めて小さいクリスタリットを含有する半導体材料、例えば
、CdSおよびZnSを形成することができる。現在、このような半導体材料は
、「量子ドット(quantum dot)」または「量子閉込め(quantum-confined)」系
に関する多くの研究の主題となっている。また、本発明は、光触媒的に活性で、
性質の変更されている半導体クリスタリットの合成を可能にする。
(f)潤滑剤:MoS2およびWS2のようないくつかの金属硫化物は潤滑剤と
して有用であり、その性質はこれらの化合物の晶癖および結晶形態によって左右
される。本発明は、これらの化合物の結晶形状を有利と思われるように変えるこ
とができる。
(g)表示技術:本発明によって形成することができるいくつかのクリスタリ
ット、例えば、TiS2およびZrS2は、高解像度のビデオ表示技術に特に有用
である。
(h)バイオ/医学用途:医学分野において重要な多数の塩を本発明によって
合成することができ、この際このような物質の晶癖および結晶形態を有利に変え
ることができる。自然界において、無機の性質または主として無機の性質を有す
る多数のクリスタリットが非水性雰囲気において形成されており、従って従来の
水性系を使用して同様なクリスタリットを形成するのは困難である。(Bianconi
等、「Nature」349:315−317(1991)を参照されたい。)本発明
は、非水性雰囲気における反応によって新しい形状のクリスタリットを製造する
ことができ、自然界において生成する物質とよく似た物質を製造することができ
る可能性を提供する。
(i)物質の晶癖または結晶形態における変化(物質の化学組成における変化
ではない)の結果として内部特性が変化している物質の製造:本発明によって可
能になるクリスタリットにおける変化は、詰め込み(packing)特性、例えば、粒
状物質が固まったり詰め込まれたりしなような形態、すなわち比較的大きい「自
由流動」特性を有する形態にすることを、可能にする。
本発明を次の実験例について説明する。実験例1〜35:
これらの実験例は単一溶媒相中において溶質を触媒作用によって可溶化するこ
とを含む反応に関するものである。
化学量的分量の細かに砕いた表3に示すような固体反応体を、錯化剤(クラウ
ンエーテルであるベンゾ−18−クラウン−6)の存在下または不存在下に、対
応する無水の有機溶媒(表3)と混合した。ジベンゾ−18−クラウン−6の重
金属錯体の可成り小さい溶解度を考慮して、固体の金属塩および硫化ナトリウム
の懸濁液を、対応する有機溶媒中で、「触媒」量の錯化剤と共にかきまぜた。錯
化剤の存在下または不存下に生成した結晶質生成物を、走査型電子顕微鏡および
X線粉末回折によって調べ(Hilgenfeld等、「Top.Curr.Chem.」101:1−
82(1982)参照)、水溶媒を含有する対照実験(実験例5,10,15,
20,25,30,および35)または錯化剤を含有していない対照実験(例え
ば、実験例1c,2c,3c,および4c)において生成した結晶質生成物と比
較した。結晶質生成物は従来技術を使用して溶媒液体から回収した。回収後に、
錯化剤を含有していない追加の溶媒を使用して、結晶を洗浄した。
表3において、「THF」は無水テトラヒドロフランであり、「N,N−DM
F」は無水N,N−ジメチルホルムアミドであり、「シベンゾ−18−C−6」
はクラウントエーテルであるジベンゾ−18−クラウン−6である。
親のクラウンエーテルである18−クラウン−6より若干大きい親油性を示す
安価で商業的に入手可能なクラウンエーテルとして、ジベンゾ−18−クラウン
−6を選択した。親油性が若干大きくなっているにもかかわらず、ベンゾ−18
−クラウン−6の重金属塩錯体は、普通の有機溶媒中で限定された溶解性を示す
にすぎなかった。
上述のすべての実験例において、対応する有機溶媒中に結晶質生成物が形成し
た。しかし、一般的に、有機溶媒中に錯化剤が存在している場合には、錯化剤が
存在していない有機溶媒中で観察されるものより一層明瞭に規定された結晶が生
成した。さらに、錯化剤の存在下に有機溶媒中で形成した結晶は、水性溶媒中で
形成した結晶質生成物より著しく一層明瞭に規定されていた。例えば、実験例5
においては、酢酸鉛(II)および硫化ナトリウムの水溶液を混合することによっ
て生成するPbS沈殿は、走査型電子顕微鏡下に観察されるように、ほぼ無定形
の沈殿を生成した(図1)。X線粉末回折分析の結果、生成した沈殿は普通「方
鉛鉱」として知られている立方晶系硫化鉛の極めて微細な結晶を含んでいること
が分った。錯化剤の不存在下に無水テトラヒドロフランからPbSを沈殿させた
場合(実験例1c)には、実験例5の生成物と定性的に類似している微晶質生成
物が生成した。これに対し、触媒量のベンゾ−18−クラウン−6が無水THF
中に存在している場合(実験例1)には、結晶化度の極めて大きい沈殿が生成す
る(図2)ので、この場合は本発明に係る反応からの結晶質生成物の形成に対す
る錯形成反応の衝撃的作用を示す劇的な例である。
錯化剤を使用していない実験例2c,3c,および4cは、実験例1cおよび
5と類似した微晶質方鉛鉱生成物の形成を示した。実験例2〜4では、錯化剤が
存在している結果、比較的粗大であって、特有の結晶構造を有するPbS生成物
が形成した。また、錯化剤の存在下に得られた結晶は溶媒の選択によって影響を
受けた。特に、DMF中で得られた結晶は、トルエン中またはTHF中で得られ
た結晶よりプリズム状の性質が大きかった。従って、結晶質生成物の定性的収率
は、錯化剤の配位能力(coordinating ability)のほか溶媒によっても左右され
る。
錯化剤を使用している残りの実験例(すなわち、実験例6〜9、11〜14、
16〜19、21〜24、26〜29、および31〜34)は、PbSの場合に
得られた結果と類似していたが、明瞭さは劣っていた。
用をするほか、反応生成物の結晶の形状および大きさに影響を及ぼすことを示す
。実験例36〜38:
表4に示すこれらの実験例は、二相溶媒一溶媒反応系内で生起する本発明に係
る反応を検討するためのものである。
表4において、「t」は反応系における頂部相の層を意味し、「b」は底部相
の層を意味し;「d−18−C−6」は錯化剤ジベンゾ−18−クラウン−6を
意味し;「メチ.クロ.」は塩化メチレンを意味する。対照実験である実験例3
6では、反応系はHgCl2およびNa2Sを水溶液中に含有していた。実験例3
7の反応系は頂部相および下側相を有し、頂部層はHgCl2水溶液を含有し、
下側相は本質的にクロロホルムと塩化メチレンとの溶媒混合物およびこの下側層
中に溶解しているNa2Sから構成されていた。実験例38の反応系は、錯化剤
18−クラウン−6が下側相中に存在している点を除けば、実験例37と同じで
あった。これらの3つの反応系のすべてにおいて、沈殿は液相の界面に形成した
。実験例36および37においては、生成沈殿は、走査型電子顕微鏡で観察した
場合に、実質的に無定形であり、黒シン砂のみから構成されていた。実験例38
においては、生成沈殿はほぼ同じ量の立方晶系黒シン砂結晶と六方晶系シン砂結
晶とから構成されていた。さらに、これらの結晶は実質的に比較的粗大であり、
明瞭に規定された小面(facet)を有していた(図4)。
実験例38の場合には、長時間接触させることにより、肉眼で見えるシン砂結
晶が、図5に示すように、ウイスカー様クリスタリットの繊維束の形態で得られ
た。
上述のように、この反応系中に錯化剤を存在させた場合には、結晶形状が実質
的に変化しているHgSが容易に生成した。実験例39〜40:
これらの実験例では、錯化剤ベンゾ−18−クラウン−6の存在下(実験例4
0)または不存在下(実験例39)に、沃化第二水銀(Hgl2)および硫化ナ
トリウム(Na2S)の均一溶液を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で作
った。実験例39で形成した結晶質沈殿は黒シン砂のみから構成されていた。実
験例40で形成した結晶質沈殿は同量のシン砂と黒シン砂とから構成されていた
。実験例41〜44:
これらの実験例は、ゲル中における結晶質生成物の形成に関する本発明の反応
系を検討したものである。
実験例41および42では、従来技術を使用してDMF溶媒中のPVC(ポリ
塩化ビニル)ゲルを製造したこれらのゲルも溶解したHgCl2を含有していた
。ゲルの上に、Na2Sを含有しかつ錯化剤としてジベンゾ−18−クラウン−
6を含有するDMF(実験例42)、またはNa2Sを含有しかつ錯化剤を含有
していないDMF(実験例41)をかぶせた。室温においてゲル中に拡散を生じ
させた後に、それぞれの実験例において沈殿を観察した。次いで、DMFで洗浄
してゲルを溶解し、沈殿を回収できるようにした。錯化剤の存在下に沈殿を形成
した場合(実験例42)、生成沈殿はHgSのプリズム状結晶を含有していた。
錯化剤の不存下に沈殿を形成した場合(実験例41)、生成沈殿は目に見える結
晶構造を示さなかった。
実験例43および44では、DMSOをゲル溶媒として使用した点を除き、実
験例41,42と同様にして、類似したゲルを製造した。これらのゲルも溶解し
たHgCl2を含有していた。ゲルの上に、Na2Sを含有しかつ錯化剤としてジ
ベンゾ−18−クラウン−6を含有するDMSO(実験例44)、またはNa2
Sを含有しかつ錯化剤を含有していないDMSO(実験例43)をかぶせた。室
温においてゲル中に拡散を生じさせた後に、それぞれの実験例において沈殿を観
察した。ゲルを溶解し、生成した沈殿を捕集した。両実験例において、生成沈殿
は類似しており、結晶化度は小さかった。これらの結果は、本発明の反応系にお
ける生成物の結晶化度を決める際に、溶媒および錯化剤が役割を演じることを示
唆している。実験例45〜46:
これらの実験例では、CaCl2水溶液をPVC−DMSOゲルの一方の側の
上に置いた。このゲルの反対側の上に(NH4)2CO3水溶液を置いた。ゲルは錯
化剤ジベンゾ−18−クラウン−6を含有していた(実験例46)か、あるいは
錯化剤を含有していなかった(実験例45)。ゲルを通ってこれらの水溶液を互
に反応するのに充分な時間の間拡散させた。実験例45では、沈殿は全く形成し
なかった。これに対し、実験例46では、CaCO3結晶がゲル中に形成した。実験例47〜48:
これらの実験例では、二相反応系を検討し、この反応系では溶媒が反応体とし
て作用する脱プロトン化反応が行われることを確かめた。実験例47では、酒石
酸二カリウム水溶液を、18−クラウン−6を塩化メチレンに溶解した溶液の上
に、層状に載せた。これらの2つの溶液を長時間接触させると、界面に単結晶が
現われた。生成した沈殿の赤外分析、核磁気共鳴分析、および溶解度分析の結果
、生成した結晶は酒石酸二カリウムではなく、酒石酸水素カリウムであることが
分った。これは単結晶X線回折分析によって確認された。これに対し、酒石酸二
カリウムを水から再結晶した場合(実験例48)は、酒石酸水素カリウムを形成
せず、酒石酸二カリウム結晶が再形成した。明らかに、モノプロトン化された塩
の沈殿が形成するのは、酒石塩が塩化メチレン中で可溶化されて酒石酸塩が比較
的強い塩基として挙動するからである。面白いことには、実験例47において形
成する酒石酸水素カリウムの示すプリズム状の結晶形状は、水から晶出させた同
じ塩の結晶形状とは異なっていた。実験例49:
この実験例は、溶媒として塩化メチレンではなく四塩化炭素を使用した点を除
き、実験例47と同様に実施した。生成した沈殿はブロック(block)の形状をし
た酒石酸水素カリウムの結晶であった。実験例50〜51:
これらの実験例は、水を含有している溶媒(すなわち、本質的に純水から構成
されていない溶媒)を使用して、本発明に従って実施した結晶形成を検討したも
のである。実験例50および51では、AgNO3溶液とK2CrO4溶液とを混
合することにより、2種のクロム酸銀(Ag2CrO4)を製造した。
実験例50は対照実験であって、この実験例50では、AgNO3水溶液をK2
CrO4水溶液に滴下した結果、赤褐色粉末が直ちに沈殿した。この粉末を濾別
し、水洗し、エタノールで洗浄し、次いでジエチルエーテルで洗浄して、Ag2
CrO4を褐色粉末として高収率で得た。
実験例51では、AgNO3を0.5mLの水に溶解し、次いで4mLのエタ
ノールで希釈した。生成した溶液を、K2CrO4をエタノールに溶解した溶液に
3当量の18−クラウン−6を含有させた溶液6mLに滴下すると、赤色粉末が
直ちに沈殿した。(注:K2CrO4は18−クラウン−6の不存在下ではエタノ
ールに完全に不溶性であると思われる。)この粉末を濾別し、エタノールで洗浄
し、水洗し、さらにエタノールで洗浄し、次いでジエチルエーテルで洗浄して、
Ag2CrO4を赤色粉末として高収率で得た。
実験例50の褐色粉末および実験例51の赤色粉末をX線粉末回折によって調
べた結果、この粉末が既知の斜方晶系のAg2CrO4であることが分った。各粉
末は明らかに結晶質であった。しかし、実験例50のもの(水から製造したもの
)は、粉末回折パターンにおける比較的鋭い線によって証明されるように、明ら
かに有意に大きいクリスタリットから構成されていた。走査型電子顕微鏡によっ
て、実験例50のものは、全体的に小面が十分作られている(well-faceted)ク
リスタリットから成り、クリスタリットの直径が約0.5〜1.0μmであると
いうX線粉末回折の結果を確認した。実験例51のものは、個々の結晶が実験例
50のものより実質的に小さく、クリスタリットにほぼ無定形の外観を与える程
小さかった。
この例では実験例51は対照実験(実験例50)より小さい結晶を生成したが
、これらの実験例も、少なくとも1種の反応体の溶解を容易にするのに使用され
る錯化剤を含有する溶液から反応生成物を晶出させた場合には、錯化剤を使用し
ない対照実験と比較して、生成物の結晶形状が変化していることを示す。事実、
これらの実験例は、本発明が「量子ドット」または「ナノ粒子」の製造に使用で
きるという特殊用途を有することができることを示し、「量子ドット」またはナ
ノ粒子の多くは現在の技術において著しく重要ないくつかの異常な性質を示す。実験例52〜54:
これらの実験例はクラウンエーテル以外の錯化剤の使用を検討した例である。
次の各実験例では、錯化剤としてトリス(メトキシエトキシエチル)アミン:
N(CH2CH2OCH2CH2OCH3)3を使用した。この錯化剤(または使用す
ることができた種々の他の錯化剤のうちの任意のもの)は、充分な量のAgNO3
をジエチルエーテル中に溶解して満足できる量の反応生成物を形成するのに必
要であった。
実験例52では、AgNO3を、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンを
含有するジエチルエーテル中に溶解した。この溶液をK2CrO4水溶液に導入し
て層を形成させると、両溶液の界面に赤褐色のAg2CrO4が形成した。
実験例53では、AgNO3を、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンを
含有するジエチルエーテル中に溶解した。この溶液をNaBr水溶液に導入して
層を形成させると、両溶液の界面に白色のAgBrが形成した。
実験例54では、AgNO3を、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンを
含有するジエチルエーテル中に溶解した。この溶液を(NH4)2MoO4水溶液に
導入して層を形成させると、両溶液の界面に白色のAg2MoO4が形成した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.クリスタリット生成物を形成するに当り、 (a)第1溶媒中では第2溶媒中におけるより溶解性の大きい第1反応体化 合物を使用し; (b)前記第1溶媒中で前記第1反応体化合物と反応してクリスタリット生 成物を形成することができる第2反応体化合物を使用し; (c)前記第2溶媒に可溶性であり、かつ前記第1反応体化合物との分子錯 体を形成して前記第2溶媒中における前記第1反応体化合物の溶解を容易にする ことができる分子から成る錯化剤を使用し; (d)前記第1反応体化合物および前記第2反応体化合物を、前記錯化剤と 共に前記第2溶媒に添加し; (e)前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物とを前記第2溶媒中で 互に反応させ、この際前記第2溶媒に不溶性であって、前記第1溶媒中における 前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物との反応によって前記第1溶媒中 に形成することができるクリスタリット生成物の結晶とは異なる結晶を含有する クリスタリット生成物の形成を、前記錯化剤によって容易にする ことを特徴とするクリスタリット生成物の形成方法。 2.工程(a)において、前記第1溶媒が極性溶媒であり、前記第2溶媒が前記 第1溶媒より極性の小さい溶媒であることを特徴とする請求の範囲第1項記載の 方法。 3.工程(a)において、前記第1溶媒が水であることを特徴とする請求の範囲 第2項記載の方法。 4.前記第1反応体化合物および前記第2反応体化合物は、第1溶媒中で解離し てそれぞれの陰イオンおよび対応する陽イオンを形成する塩であることを特徴と する請求の範囲第3項記載の方法。 5.工程(a)において、前記第2溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求 の範囲第2項記載の方法。 6.工程(a)において、前記第2溶媒が実質的に無極性であることを特徴とす る請求の範囲第5項記載の方法。 7.工程(d)において、ゲルである前記第2溶媒に、前記第1反応体化合物、 前記第2反応体化合物および前記錯化剤を添加することを特徴とする請求の範囲 第1項記載の方法。 8.工程(e)において、前記第2溶媒中に形成したクリスタリット生成物が、 前記第1溶媒中に形成することができるクリスタリット生成物とは異なる晶癖を 有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 9.工程(e)において、前記第2溶媒中に形成したクリスタリット生成物が、 前記第1溶媒中に形成することができるクリスタリット生成物とは異なる結晶形 態を有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。 10.クリスタリット生成物を形成するに当り、 (a)第1溶媒中では第2溶媒中におけるより溶解性の大きい第1反応体化 合物を使用し; (b)前記第1溶媒中で前記第1反応体化合物と反応してクリスタリット生 成物を形成することができ、かつ前記第1溶媒中では前記第2溶媒中におけるよ り溶解性の大きい第2反応体化合物を使用し; (c)前記第2溶媒に可溶性であり、かつ前記第1反応体化合物との分子錯 体を形成して前記第2溶媒中における前記第1反応体化合物の溶解を容易にする ことができる分子から成る第1錯化剤を使用し; (d)前記第1反応体化合物および前記第2反応体化合物を前記第1錯化剤 と共に前記第2溶媒に添加し; (e)前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物とを、前記第2溶媒中 で互に反応させ、この際前記第2溶媒に不溶性であって、前記第1溶媒中におけ る前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物との反応によって前記第1溶媒 中に形成することができるクリスタリット生成物の結晶とは異なる結晶を含有し 、前記第2溶媒中における前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物との反 応によって前記第2溶媒中に形成するクリスタリット生成物の形成を、前記第1 錯化剤によって容易にする ことを特徴とするクリスタリット生成物の形成方法。 11.さらに、工程(c)の次に、前記第2溶媒に可溶性であり、前記第2反応体 化合物との分子錯体を形成して前記第2溶媒中における前記第2反応体化合物の 溶解を容易にすることができる分子から成る第2錯化剤を使用することを特徴と する請求の範囲第10項記載の方法。 12.クリスタリット生成物を形成するに当り、 (a)第1溶媒中では第2溶媒中におけるより溶解性の大きい第1反応体化 合物および第2溶媒を使用し; (b)前記第1溶媒中で前記第1反応体化合物と反応してクリスタリット生 成物を形成することができ、前記第1溶媒中では前記第2溶媒中におけるより溶 解性の大きい第2反応体化合物を使用し; (c)前記第2反応体化合物が少なくとも部分的に可溶性である第3溶媒を 使用し;第2溶媒に可溶性であり、前記第2溶媒中で前記第1反応体化合物と分 子錯体を形成することができる分子から成り、前記第2溶媒中への前記第1反応 体化合物の溶解を容易にすることができる第1錯化剤を使用し; (d)前記第1反応体化合物および前記錯化剤を前記第2溶媒に添加して、 前記第2溶媒中に前記第1反応体化合物を少なくとも部分的に溶解して、第1溶 液を形成し; (e)前記第2反応体化合物を前記第3溶媒に添加し、前記第3溶媒中に前 記第2反応体化合物を少なくとも部分的に溶解して、第2溶液を形成し; (f)実質的に前記第1溶媒から成る領域を実質的に前記第2溶媒から成る 領域に接触させて形成して、両領域の間に界面を形成させ; (g)前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物とを、前記界面で互に 反応させて、前記界面に、前記第2溶媒および前記第3溶媒に実質的に不溶性で あるクリスタリット生成物を形成し、この際第1錯化剤に、前記第1溶媒中にお ける前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物との反応によって前記第1反 応溶媒中に形成することができるクリスタリット生成物の結晶とは異なる結晶を 有するクリスタリット生成物の形成を容易にする作用をさせる ことを特徴とするクリスタリット生成物の形成方法。 13.工程(c)において、前記第3溶媒が前記第2溶媒と実質的に不混和性であ ることを特徴とする請求の範囲第12項記載の方法。 14.工程(f)において、前記第1溶液の層を前記第2溶液の層と接触させて形 成して、両層の間に相界面を形成することを特徴とする請求の範囲第13項記載 の方法。 15.前記第1溶液および前記第2溶液の少なくとも一方がゲルであることを特徴 とする請求の範囲第12項記載の方法。 16.前記第3溶媒に不溶性であり、前記第3溶媒中で前記第2溶媒と分子錯体を 形成することができる分子から成り、前記第3溶媒中における前記第2反応体化 合物の溶解を容易にする第2錯化剤を使用する工程を有し;さらに、工程(e) において、前記第3溶媒に前記第2反応体化合物および前記第2錯化剤を添加し て、前記第2溶液を形成することを特徴とする請求の範囲第12項記載の方法。 17.少なくとも2種の反応体化合物の反応によってクリスタリット物質を形成す ることができる反応系において、 (a)溶媒; (b)通常、前記溶媒中で溶解性が小さいないし不溶性である第1反応体化 合物; (c)前記溶媒中に溶解していて、前記第1反応体化合物と分子錯体を形成 して前記溶媒中における前記第1反応体化合物の溶解を容易にする第1錯化剤; および (d)前記溶媒中で前記第1反応体化合物と反応することができる第2反応 体化合物 を含有し、前記反応系は、前記第1錯化剤を使用しない場合でも前記第1反応 体化合物および前記第2反応体化合物が両方とも溶解する溶媒中における前記第 1反応体化合物と前記第2反応体化合物との反応によって形成することができる クリスタリット生成物中の結晶とは異なる結晶を含有するクリスタリット生成物 を生成することができることを特徴とする反応系。 18.前記溶媒がゲルであることを特徴とする請求の範囲第17項記載の反応系。 19.前記溶媒が有機溶媒であることを特徴とする請求の範囲第17項記載の反応 系。 20.前記溶媒が実質的に無極性溶媒であることを特徴とする請求の範囲第19項 記載の反応系。 21.前記第1反応体化合物が通常水に可溶性の第1塩であり、前記第1錯化剤が クラウンエーテルであることを特徴とする請求の範囲第19項記載の反応系。 22.前記第2反応体化合物が通常水に可溶性の第2塩であることを特徴とする請 求の範囲第19項記載の反応系。 23.さらに、前記溶媒中に溶解しており、前記第2反応体化合物と分子錯体を形 成して前記溶媒中における前記第2反応体化合物の溶解を容易にする第2錯化剤 を含有することを特徴とする請求の範囲第22項記載の反応系。 24.少なくとも2種の反応体化合物の反応によってクリスタリット物質を形成す ることができる反応系において、 (a)第1溶媒、第1反応体化合物、および該第1反応体化合物と錯体を形 成して前記第1反応体化合物を前記第1溶媒に可溶性にする第1錯化剤を含有す る第1溶液;および (b)第2溶媒および該第2溶媒に少なくとも部分的に溶解している第2反 応体化合物を含有する第2溶液 を含有し、前記第1溶液は第1領域を形成し、前記第2溶液は前記第1溶液と 接触する第2領域を形成して、前記第1領域と前記第2領域との間に界面が形成 され、該界面において前記第1反応体化合物と前記第2反応体化合物とが化学反 応して、前記第1溶液または前記第2溶液に不溶性のクリスタリット生成物を形 成することができることを特徴とする反応系。 25.前記第2溶液は、さらに、前記第2反応体化合物と錯体を形成して前記第2 反応体化合物を前記第2溶媒に可溶性にする第2錯化剤を含有することを特徴と する請求の範囲第24項記載の反応系。 26.前記第2溶液が前記第1溶液に不混和性であることを特徴とする請求の範囲 第24項記載の反応系。 27.前記界面がゲルを含有することを特徴とする請求の範囲第24項記載の反応 系。 28.前記第1溶液および前記第2溶液の少なくとも一方がゲルであることを特徴 とする請求の範囲第24項記載の反応系。
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