JPH09500286A - 中性子捕獲治療のための装置及び方法 - Google Patents
中性子捕獲治療のための装置及び方法Info
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Abstract
(57)【要約】
患者治療室(27)は原子炉心(16,17,18)の周りに順次円周方向に間隔を置いて設けられている。治療室と炉心の間に設けた遮蔽体(22)は適当なコリメーター手段としての中性子伝送通路(23)を有する。炉心は円筒形の多領域炉心であり、内側の2つ(16,17)又は3つ(16,17,18)の領域が核燃料を収容しており、内側炉心(16)が核分裂中性子の大部分を発生させ、第2炉心リング(17)が低濃縮燃料を収容し、第3領域(18)が中性子を非弾性散乱させると共にγ線を吸収するためトリウム又は劣化金属ウラン又はその他の重金属を収納する。それぞれが調節可能な熱中性子吸収体及びγ線吸収体を含む組成の異なる減速液の入った2つの減速リング(19,20)が多領域炉心を囲む。重金属γ線遮蔽体(21)が第2減速リングを囲む。このように構成すれば、いわゆるスペクトル整形フィルターを使用しなくても中性子スペクトルが炉心内で制限されて、患者には熱外中性子だけが伝送される。
Description
【発明の詳細な説明】
中性子捕獲治療のための装置及び方法
技術の背景発明の分野
本発明は癌性腫瘍に対する主としてホウ素−10における中性子捕獲治療(以
下、「BNCT」と呼称する)に係わり、特にこの治療を行なうための装置及び
方法に係わる。
BNCTはγ線、“熱”中性子、“熱外”中性子、“高速”中性子などに起因
する副作用を極力抑制しながら低い中性子ビーム発生コストで有効に行なわれる
ことが望まれる。上記3種類の中性子グループの典型的なエネルギーレベルは下
記の通りである。
すなわち、熱中性子は≦1eV、熱外中性子は1eV〜50keV、高速中性
子は≧50keVである。
発明者の所見によれば、低出力原子炉を設け、患者を充分なビーム強さが得ら
れる距離まで接近させれば、低出力でも上記要望を満たすことができる。そこで
、炉心と患者との間の短い距離に亘って中性子ビームを最適化することが必要と
なる。原子炉/減速体の組立体から放出される中性子がそのままBNCTに利用
できることが必須条件である。先行技術の説明
ホウ素−中性子−捕獲治療(BNCT)は癌性腫瘍治療の可能性を持つものと
して30年以上前から知られている。この治療に際しては施術中に最適化しなけ
ればならない2つの主要成分がある。
第1の成分は腫瘍内へ優先的に沈着するホウ素(B−10)化合物である。第
2の成分は腫瘍に沈着しているB−10と優先的に反応する中性子のビームであ
る。
B−10中に中性子が捕獲されると、複合核B−11(ホウ素−11)が1.5
及び1.0MeVのエネルギーをそれぞれ伴なう2つの原子核He−4(ヘリウ
ム−4)及びLi−7に分裂する。どちらの原子核もほぼ細胞1個分に相当する
短い距離でそれぞれのエネルギーを失う。これら2つの原子核の減速中に起こる
イオン化による損傷が高い確率で腫瘍細胞を破壊する。破壊される細胞が高い確
率で癌細胞であるためには、腫瘍内へのホウ素の優先的な沈着と腫瘍に対する適
正エネルギー中性子の優先的な照射を複合的に最大化しなければならない。
ホウ素による捕獲に代わる方法も考えられる。その1つはU−235(ウラン
−235)原子核の核分裂であり、その結果得られる2つの核分裂生成物も宿主
細胞を破壊することができる。
BNCTに関する幾つかの背景及び最近の考え方は“Nuclear Science and En
gineering”という標題の出版物に発表された2つの論文に記述されている。そ
の1つ(以下に“参考文献1”と呼称する)はVolume 110(1992)、330〜3
48頁に掲載されたOtto K.Harling氏等の論文である。もう1つ(以下に“参
考文献2”と呼称する)はVolume 110、349〜354頁に掲載されたManfred Papasp
yrou氏及びLudwig E.Feinendegen氏の論文である。Harling氏等の論文は第1図
に医療用として構成された5メガワットのマサチューセッツ工科大学原子炉(Ma
ssachusetts Institute of Technology Reactor(MITR))を図解している
。Papaspyrou氏及びFeinendegen氏の論文はBNCTの原理と低温中性子を実用
に供し得る可能性を記述している。Harling氏等の論文はこの論文に開示されて
いる原子炉が高品質のモデルであると指摘しているが、発明者の所見としては、
例えばMITR−II型装置よりも低コストで、しかもはるかに少ない副作用でよ
り多くの患者にこの治療を提供できるようにする装置を実現できるはずである。
発明者の知る限り、他の研究者によって現在実験的に試みられているBNCT
の応用では中性子の漏れスペクトルに基づいて原子炉の外側でビームを最適化す
る方式を採用しているが、それだけではBNCTに不充分である。そこで、ビー
ム修正“フィルター”を利用することによってBNCTに適したビームを発生さ
せている。本発明の思想は中性子最適化を原子炉容器内で達成することにより構
造を従来よりも簡単且つコンパクトにすると同時に副作用を最少限に抑制しよう
とするものである。本願作成の過程で副作用を最少限に抑制するための具体的な
設計基準としてビーム中に含まれる中性子総数ntが明らかになったが、発明者
の知る限り、このような形の基準はどの文献にも報告されていない。この基準は
本願の概念的構成に関連して後述する。
上記参考文献のほかにもBNCT用の原子炉について記述している参考文献3
〜10がある。以下にこれらの文献を列記する:
参考文献1:“Boron Neutron Capture Therapy and Radiation Synovectomy
Research at the Massachusetts Institute of Technology Research Reactor”
,Nuclear Science and Engineering,Otto K.Harling et al.,Vol.110,330〜
348頁,1992年4月。
参考文献2:“Possible Use of Cold Neutron for Boron Neutron Capture T
herapy”,Nuclear Science and Engineering,M.Papaspyrou and L.E.Feine
ndegen,Vol.110,349〜354頁,1992年4月。
参考文献3:“Performance of the Currently Available Epithermal Neutro
n Beam at the Massachusetts Institute of Technology Research Reactor(M
ITR−II)”Progress In Neutron Capture Therapy for Cancer,B.J.Allen
氏等編,Plenum Press,New York,1992年,53〜56頁。
参考文献4:“Installation and Testing of an Optimized Epithermal Neut
ron Beam at the Brookhaven Medical Research Reactor(BMRR)”,R.G.
Fairchild氏等,Neutron Beam,Development,and Performance for Neutron Capt ure Therapy
,O.K.Harling氏等編,Plenum Press,New York,1990年,1
85〜199頁。
参考文献5:“Epithermal Neutron Beam Design for Neutron Capture Thera
py at the Power Burst Facility and the Brookhaven Medical Research React
or”,Floyd J.Wheeler氏等,Nuclear Technology,Vol.92,1990年10月
,106〜117頁。
参考文献6:“Demonstration of three-dimensional deterministic radiati
on transport theory dose distribution analysis for boron neutron
capture therapy”,David W.Nigg氏等,Medical Physics,Vol.18(1),199
1年1月/2月,43〜53頁。
参考文献7:“Reactor physics design for an epithermal neutron beam at
the Power Burst reactor Facility”,F.J.Wheeler氏等,Strahlenther.On
kol.,Vol.165,1989年69〜71頁。
参考文献8:“Conceptual Physics Design of an Epithermal-Neutron Facil
ity for Neutron Capture Therapy at the Georgia Tech Research Reactor”
,David W.Nigg氏及びFloyd J.Wheeler氏,米国政府DOE契約に基づきIN
EL BNCTプログラムに従ってIdaho National Engineering Laboratory発
行,No.DE−ACO7−761DO1570。 参考文献9:“Conceptual
Design of a Medecal Reactor for Neutron Capture Therapy”,William A.N
euman氏及びJames L.Jones氏,Nuclear Technology,Vol.92,1990年10
月,77〜92頁。
参考文献10:“Investigation of a Nuclear Reactor for Cancer Therapy”
,Yutaka Mishima氏,the Special Institute for Cancer Neutron Capture The
rapyによるレポート,神戸大学,日本,1990年3月。
これらの文献の多くは下記の4つの原子炉によるビーム発生を記述している:
* MITR−II(参考文献3;これは参考文献1の原子炉とは別型)。
* BMRR(Brookhaven Medical Research Reactor,参考文献4〜6)。
* PBF(Power Burst Facility,参考文献5及び7)。
* GTRR(Georgia Tech Research Reactor,参考文献8)。 第5の原
子炉(オランダ国ペッテンに所在のヨーロッパ高中性子束炉−European High Fl
ux Reactor)におけるビーム最適化も同様の原理に基づいている;参考文献9の
第78頁を参照)。参考文献9は低濃縮ウラン−ジルコニウム混成燃料を使用す
る原子炉と、ソリッドプレート、非循環D2O、及び冷却水を使用するフィルタ
ーと連携する多重治療室の構想を記述している。この構想は低出力原子炉を利用
し、例えば全出力で10分間作動、1%出力で50分間待機というような“出力
サイクリング”を採用するというものである。全出力モードの全部又は一部に亘
って複数の治療室で複数の患者を同時に治療するが、治療時間は各患
者の必要に合わせて選択することができ、ビームシャッターによって制御される
。
これらの試みの共通点は主として熱中性子から成る不適当な中性子スペクトル
を嵩張った外部“フィルター”で整形することによってBNCT用の中性子スペ
クトルを得ることにある。これらの試みの主要な仕事は、有害な熱中性子を“フ
ィルター”処理し、漏れスペクトルの高速中性子及びγ線成分を減らすことであ
る。
発明の概要
要約すると、本発明の代表的な実施態様では、強力な熱外中性子源となるよう
に原子炉を構成する。炉心はほぼ円筒形であり、多領域構造であることが好まし
い。ここでは核燃料を収容する2つの領域を有する構成を説明する。典型的には
20%濃縮ウランを収納する内側炉心が核分裂中性子の大部分を発生させる。外
側炉心リングは濃縮度がはるかに低い、典型的には3〜5%の燃料を収容する。
この低濃縮燃料リングにおいて、共に内側炉心から発生する中性子の大部分の非
弾性減速散乱とγ線の吸収が開始される。次のリングは重金属から成り、非弾性
減速散乱とγ線吸収をさらに補足する。本発明の場合、重金属は原子量が鉄より
も大きいものを意味する。非弾性散乱能力に優れた重金属としてはタングステン
(W)、ルテニウム(Re)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)が挙げられる。ト
リウム(Th)はさらに優れた非弾性散乱能力を有するが、劣化ウランの形態を
取るU−238と同様に核分裂中性子及びγ線を追加発生させるという欠点を有
する。3つの内側ゾーンを吸収体をも含む2つの液状減速体リングによって囲む
。これら2つのリングは中性子を減速すると同時に中性子スペクトルの低エネル
ギ端を狭め、γ線の吸収を補足するという機能を果たす。これら2つのリングに
おける中性子スペクトルの整形はこれら2つのリングの循環液中の吸収材濃度を
変えることによって変化させることができる。治療室は原子炉/減速体の組立体
を囲んで円周方向に順次間隔を置いて設け、一実施例では2段形式とする。2つ
の減速体/吸収体を複数のセクターに区分し、それぞれの治療室を各セクターと
連携させる。これらのセクターの循環液中の吸収材濃度を変えることによって各
セ
クターにおいて中性子スペクトルを異なる態様で整形することができる。原子炉
の周り及び治療室の間に適当な遮蔽体を設け、遮蔽体に中性子伝送通路を設け、
これらの通路内に適当なコリメーター機能、合焦機能及びシャッター機能を備え
た手段を設けるスペースを確保する。中性子伝送通路にはそれぞれ異なるビーム
管を収納させることができる。このようにすれば、減速体セクター中の吸収材濃
度に差を設けたことと相俟って治療室ごとに治療すべき腫瘍の深さとサイズに応
じて最適化することが可能になる。中性子スペクトル及びその平均エネルギーを
変化させるのは所与の腫瘍深さに合わせて最適化するのがその目的であり、通路
を変化させれば主としてビームの合焦及び横方向広がりが変わり、所与のサイズ
に応じて最適化することになる。
発明の説明
本発明の原理及び利点を好ましい実施例に基づいて説明する。同じ原理に基づ
く他の実施例をも以下に説明する。
好ましい実施例の図面の簡単な説明
図1は本発明の典型的実施例としてのBNCT装置の平面図である。
図2は図1の2−2線における矢印方向に見た縦断面図である。
図3は各レベルにおける治療室数の2倍の治療室が得られるように治療室を2
つのレベルに配列した構成を示す。ビーム管はいずれも原子炉中心面付近に配置
されているが、一方のビーム管をやや上向き、他方のビーム管をやや下向きとす
る。適当な治療テーブル又はチェアが患者をビーム管開口に向かって上げ下げす
る。
好ましい実施例の説明 概 要
本発明の原理の理解を深めるため、図面に示す実施例を参照し、特定の用語を
かかる実施例の説明のために用いる。ただし、本発明の範囲は、この実施例によ
って制限されるものではなく、当業者において想到できる図示装置に対する変更
及び本発明の原理の図示用途以外の応用も本発明の範囲に含まれる。
詳細を示す図面のうち、図1は4つの治療室11,12,13及び14を有す
る建物の一部を略示する平面図である。治療室は実質的に同じであるから、ここ
では1つの治療室だけを説明すれば充分である。治療室群の中心に原子炉があり
、内側炉心16、外側炉心リング17、及び重金属リング18を含む。2つの異
なる減速体リング19及び20が設けられている。炉心と減速体リングを原子炉
遮蔽体21及び22が囲む。リング21は、典型的には鉛(Pb)又はビスマス
(Bi)から成る特殊なγ線遮蔽体である。リング22はコンクリートから成る
公知の生物学的遮蔽体である。コンクリート内の全ては、ステンレススチールま
たはアルミニウムその他の公知材料から成る原子炉容器15内に閉じ込められて
おり、図面では容器を線15の厚さで示すにとどめた。同様に、各炉心及び重金
属領域内の構造も公知であるから詳しくは図示しない。例えば、内側炉心は燃料
棒及び安全のための数本の制御棒の束と、炉心の間隙部分を流動する冷却水とで
構成すればよい。第2炉心領域は燃料棒の束と領域の間隙部分を流動する冷却水
とで構成すればよい。本発明の特徴の1つとして、ウラン燃料の濃縮度が次第に
低くなるように領域を構成するから、領域17では燃料棒を比較的密に束ねるこ
とになる。
3つの金属領域にはすべて冷却材として軽水(H2O)を使用する。領域17
が必要とする冷却は中心領域16よりも少ない。重金属領域18ではさらに少な
い。従って、第3領域は冷却水流路が貫通している主として鋳造金属で形成すれ
ばよい。パイプで汲み上げられて3つの炉心金属領域を通過する冷却水は共通で
よく、2枚のスチール製原子炉支持ベースプレート15Bの中心部間の密閉スペ
ース15Bにおいて混ざり合う。即ち、炉心の3つの領域に対する冷却水は同じ
ポンプで同じ熱交換器を通して循環させればよい。
炉心/金属領域を減速体/吸収体領域が囲み、これを原子炉容器に、次いでコ
ンクリート遮蔽体に収納する。コンクリートの総半径は約1mである。
炉心16から半径方向にビーム管23が遮蔽リング22を貫通し、治療室11
の治療ステーション28の床27に置かれたカート26上の患者24への中性子
伝送を可能にする。治療室の壁と天井には例えば参照番号29で示すように遮蔽
体を設ける。治療室のドア31についても同様である。上下に摺動自在な遮蔽シ
ャッター23Sをビーム管を横切るように設けてこれを閉じ、治療室における患
者に対する短い(例えば、10分間の)治療時間だけ図示位置まで解放する。内
部シャッターを採用する代わりに外部からビーム間に“栓をする”ように構成し
てもよい。炉心/金属領域
原子炉の2つの炉心領域は核燃料を収容している。最大限のマクロ非弾性散乱
断面積を得るため、換言すれば、最少限のスペース内で高速中性子に対して可能
な限り有効な減速散乱能力を発揮させるためには金属燃料が好ましい。
スペクトルの高エネルギー端又は高エネルギーウイング(high energy wing)
を最大限に抑制する一方、核分裂によるγ線の透過を最少限に抑制するため、2
通りの燃料濃縮度と重金属リングを利用する。
内側炉心の燃料は約20%濃縮ウランから成り、その半径は約30cmである
。核分裂中性子の大部分は内側炉心から発生する。
第2領域では、炉心リング17も金属ウラン燃料を収容するがその濃縮度は低
く、例えば、4%のU−235と96%のU−238から成る。その厚さは典型
的には約15cmである。
第3領域を形成するリング18は中性子の非弾性散乱を一段と促進し、γ線吸
収効果を補足するため重金属の体積比が高い。素材として非核分裂性のものを選
択すればよい。例えば、約99.7%のU−238中に約0.23%の−235
を含む劣化ウラン又は要約の項で述べたような金属トリウムを利用することがで
きる。その厚さを約15cmとし、金属領域の総半径が約60cmとなるように
構成すればよい。この第3領域におけるエネルギー発生は極めて低く、冷却の必
要はほとんどない。減速体/吸収体領域
本発明の新規性の1つは、腫瘍の深さに応じて最大限の治療効果が得られるよ
うに中性子スペクトルを調節自在に整形(shaping)できることである。好ましい
実施例では、2つの液状減速体領域を利用する。内側の領域は軽水(H2O)を
、外側の領域は重水(D2O)をそれぞれ収容している。発明者の知る限り、従
来の構成では、例外なく減速体領域の機能はD2Oと金属アルミニウム及び/又
はAl2O3(アルミナ)の組み合わせを利用する特殊なフィルター装置によって
得られる。双方の減速液(H2O及びD2O)には“1/v−吸収体”、即ち、逆
中性子速度vにほぼ比例する中性子吸収断面積を有する例えばLi−6のような
アイソトープを添加する。リチウム−6は中性子吸収には好ましい1/v−吸収
材であり、他の強力な1/v−吸収材であるB−10の場合に見られるように吸
収後γ−線を放出することはない。天然のリチウムを使用できるから簡単である
。アイソトープLi−6の天然存在度は約7.5%である。
H2O及びD2Oリングにおける1/v−吸収材濃度は個々の腫瘍に合わせて各
セクターにおいて調節することができる。2種類の減速液を冷却ループに通しな
がらLiの可溶化合物の濃度を容易に変化させることができる。吸収材濃度を低
下(又は上昇)させるには既存溶液を純粋液(または高濃度液)に代えればよい
。治療と治療の間には吸収材濃度を変化させるのに充分な時間がある。
第1減速体領域(H2O)の厚さは約10乃至20cm、第2減速体領域の厚
さは約30乃至40cmである。これらの減速体領域はγ線束を著しく減少させ
るが、残るγ線の大部分は原子炉容器15の内側(図示実施例の場合)又は外側
に配置した鉛又はビスマスのリング21によって吸収される。
図1では減速体リングを分割する分割線30を示した。減速体の4つの90°
セクターにはそれぞれ濃度の異なるLiを使用することによってそれぞれ異なる
熱外中性子スペクトルを発生させることができる。これにより、個々の腫瘍の中
性子被ばく量を最適化するのに有用な熱外中性子スペクトルのフレキシビリティ
が達成される。例えば、左下セクターでは1/v−吸収体を省いて皮膚癌治療の
ための熱中性子スペクトルを発生させる。また、図1右上に示すように減速体リ
ングのいずれか1つにおいて液体と共にプレート又はロッド36のような固形の
1/v−吸収材を使用してもよい。この方式は特定セクターに恒久的な最少限の
1/v−吸収能力が必要な場合に有用である。原子炉/減速体以外の部材に関する説明
ビーム管23は公知の態様でコリメーター機能及び場合によっては補足的減速
機能を行なう装置を含み、従ってここでは詳細な説明を省く。4つの治療室にそ
れぞれ互いに異なるビーム管を連携させ、それぞれの腫瘍のサイズ又は深さに合
わせて最適化する。図1に示すように、原子炉の周り及び隣接する治療室間に遮
蔽体を設ける。原子炉の構成及びサイズに応じて原子炉の周りに4つ以上の治療
ステーション、場合によっては(図3に示すように)2段方式で8つ又は10の
治療室を設けることができる。下段の治療室には患者搬送カートを床からその治
療室と連携するビーム管の端部付近にカート上の患者が来る高さまで持ち上げる
ためのリフトを設ける。種々の大きさの動物を治療するようにシステムを寸法設
定することもできる。
図2に断面で示すように、減速体リングのそれぞれ及び3つの炉心領域ごとに
導管が原子炉を貫通している。図面ではこれらの導管は上方ボックス32及び下
方ボックス33内にまで延設されている。
これらのボックスは流体を移動させたり操作したりする適当なポンプ、熱交換
器のほか、必要に応じて原子炉制御装置をも収納する。4つのセクターを画定す
る線、例えば30の両側に位置する原子炉の部分はそれぞれ別々の治療室と連通
関係にあり、それぞれ異なる治療に当てることができるから、減速体領域はそれ
ぞれ独立の貯液タンク、調合手段、ポンプ、熱交換器、及び制御手段(一括して
ボックス32,33,32A,33Aで示す)を有するが、炉心及び重金属領域
はその冷却水のための同じポンプ及び熱交換器を共用し、ボックス35A,35
Bで示すように公知の制御手段を有する。
発明の物理的原理
本発明は極めて短い距離に亘って副作用を最少限に抑えながら所要の中性子エ
ネルギーを得ようとする発明者の努力に基づく。このアプローチは発明者の知る
限り他のいかなる公知技術とも異なる。その理由は下記の通りである。
所要の中性子エネルギー
ビーム中の中性子エネルギーを最も有利なレベルにする決定要素は次の2種類
のアイソトープの核特性である。
* 中性子を捕獲する確率の目安であるB−10の中性子捕獲断面積。この断
面積が広ければ広いほど中性子速度vが1/vの関係で低下する。
* 人体組織の最も豊富な成分である水素の散乱断面積。この断面積はエネル
ギー範囲の大部分に亘って一定であるが、エネルギーが1eVと平均熱平衡エネ
ルギー(約Eth=1/40eV)以下のエネルギーとの間に低下すると2倍にな
る。
ホウ素・中性子−捕獲を利用する腫瘍の治療が極めて有効であるための条件は
下記の通りである。
第1に、中性子を約1ないし2MeVのエネルギーを伴う核分裂によって発生
させる。即ち、ホウ素中へ最も効率的に捕獲するには中性子をできる限り、即ち
、体温に起因する熱エネルギ限界まで“スローダウン”させねばならない。この
スローダウンの大部分は原子炉内で達成され、残りは減速体領域において行われ
る。
皮フ癌(メラノーマ)に対しては、中性子が皮フに侵入する前に、例えば、H2
O/D2Oセグメントにおいて1/v−吸収体なしで完了しなければならない。
その時の中性子エネルギーは最適(最低)でなければならない。
腫瘍の大部分がそうであるように深い部位の腫瘍に対しては事情が全く異なる
。
皮フ癌に対する場合のように、熱中性子を利用すると、それ以上のスローダウ
ンは起らないが、酸素、炭素及び窒素による場合よりは軽度であるが腫瘍として
人体の水素によるかなり顕著な偏向及び拡散が起る。その結果、腫瘍に到達する
ビーム中性子が著しく減少する。
そこで、一般に、0.7eVないし10KeV、最大限50KeVの熱外エネ
ルギーに対する水素の比較的低い散乱断面積を利用してビームに“熱外”中性子
を使用する。熱外中性子は偏向及び拡散の可能性が低く、中性子の比較的広範囲
の部分が腫瘍に到達する。中性子の残りのスローダウンは皮フから腫瘍までの途
中に主として水素による散乱を介して行われる。
照射中性子の最適熱外スペクトルは腫瘍部位の深さに応じて異なる。即ち、腫
瘍の部位に応じて最適のビームを提供する特定の中性子スペクトルが必要である
。
副作用
中性子捕獲に基づく治療法が成果を上げるためには隣接する正常な組織に対す
るよりもかなり大きい線量を腫瘍に照射しなければならない。隣接する正常な組
織に対する線量には下記のいくつかの要因が含まれている。
第1に典型的には50KeV以上のいわゆる“高速中性子”が水素原子核(陽
子)と衝突して“反跳エネルギー”を伝達し、これがイオン化を介して消失する
。
第2に、組織中に豊富に存在する窒素と14N(n,p)との反応もイオン化陽
子を発生させる。
第3に、原子炉からの残留γ線も線量に加わる。
第4に、衝突する中性子の大部分は人体の水素に吸収され、約2.2MeVの
γ−エネルギーを放出する。皮フに進入する中性子のうち、腫瘍−ホウ素に吸収
されるのはごく僅かである。中性子の一部は再び外部に漏れるが、大部分は患者
に吸収される。設計基準として患者に照射される中性子の総数(nt)を最小限
にしなければならないのはこの事実に基づく。上述した通り、この設計基準を直
接的に示している文献は皆無である。この基準が設計に及ぼす影響については後
述する。
副作用の第5の原因となる要素は腫瘍に沈着する分よりも低濃度ではあるが正
常な組織に沈着したB−10に起こる中性子捕捉である。
要するに、副作用を極力避けるためには患者に照射される高速中性子、γ線、
及び中性子総数を大幅に減らす必要がある。副作用の5つの要因すべてを同時に
減らすことが望ましい。
中性子スペクトルの幅の縮小
核分裂で発生する中性子は多くの場合100KeVから4MeVまでの比較的
広い“スペクトル”内に現われ、その平均エネルギーは約2MeV、多くの場合
約0.7MeVである。弾性散乱によるスローダウンの過程で散乱前にエネルギ
ーが部分的に失われる。一定の相対エネルギー損(即ち、一定の部分)は対数目
盛における一定の飛び(a constant jump)に相当するから、結果的に中性子ス
ペクトルが対数エネルギー目盛上で広がる。例えば2.5MeVから熱中性子エ
ネルギー(0.025eV)へのスローダウンはエネルギーが108分の1に低
下することを意味する。これに伴なって対数エネルギー目盛上に現われる広がり
は核分裂スペクトルそのものにおける広がりよりもはるかに大きい。
中性子スペクトルの広がりは再び自動的に熱中性子エネルギーの範囲に狭めら
れ、中性子は平均熱エネルギー0.025eV付近に集中する。従って、熱中性
子を直接照射する皮フ癌治療の場合、(熱)ビーム中性子は0.025eVを中
心とする比較的狭いエネルギー範囲にある。
熱外中性子を照射される深い部位の腫瘍の場合、エネルギー幅が広い(対数的
な)ビームが患者に照射される。当然のことながらエネルギー幅が広ければ腫瘍
を被曝させる上で不都合である。
腫瘍の位置における中性子スペクトルの両端又は両ウイングについて考察して
みよう。
もしスペクトルの低エネルギ端が皮フから腫瘍に至る途中で熱化されると、中
性子の大部分、さらには高エネルギーウイングも上記熱エネルギーを伴なって腫
瘍を通過してホウ素による中性子捕獲効率を低下させる。このことはスペクトル
の低エネルギー端又は低エネルギーウイング(low-energy wing)を極力狭めねば
ならないことを示唆している。
また、皮フと腫瘍の間の所与の距離に合わせて中性子スペクトルを選択するこ
とによって高エネルギー端も熱化されるようにすると、中性子の大部分、さらに
は低エネルギー端も早過ぎる時点で熱化され、腫瘍に到達する前に偏向、拡散す
るから、この場合にも捕獲の効率が悪くなる。
当然の結論として、熱外中性子による効果的な中性子捕獲治療を達成するには熱外中性子スペクトルを可能な限り狭くする
ことによって最小限のビーム中中性
子総数(nt)で腫瘍治療を行わねばならない。従って、本発明では熱外中性子 スペクトルを極力狭くする
ように装置を構成する。このような構成は以下に述べ
る態様で実現される。
中性子スペクトルの高エネルギー端における最も効率的なエネルギー損メカニ
ズムは重金属による非弾性散乱である。重金属のうちにはその非弾性散乱断面積
があらゆる核種のうちで最も高いものがあり、しかも高エネルギー中性子のエネ
ルギー損は水素による弾性散乱の場合よりも大きい;例えば数MeVの中性子に
重金属との1回の非弾性衝突で平均してそのエネルギーの約80ないし90%を
失う。非弾性散乱のもう1つの利点として、弾性散乱ほど中性子スペクトルを広
げることがないから、中性子スペクトルを縮小しやすい。
低エネルギー端だけでなく中エネルギー域についても、水素での弾性散乱が最
も効率的なスローダウンメカニズムであり、これに次ぐのが重水素(D)である
。ただし、軽水及び重水(H2O及びD2O)だけを使用した場合にはスペクトル
が限界以上に広がる。そこで減速体領域にLi−6を添加し、Li−6の長い1
/v断面積を利用して低エネルギー中性子を捕獲することによって中性子スペク
トルの下側を縮小する。D2O領域ではLi−6をその(n,α)反応に利用す
る。γは放出されない。H2O領域ではB−10を利用すればよい。B−10に
よる中性子捕獲後放出される45KeVのγ線はビームポートに達するまでの途
中でほぼ完全に吸収される。幾何学的構成と最適化
高エネルギー端における非弾性散乱と低エネルギー端におけるB−10/Li
−6添加水中でのスローダウンを最も効率的に組み合わせるには過当な幾何学的
構成が必要である。
最初に高エネルギー端のスローダウンを行う必要があるから、金属燃料を使用
することによって炉心内に高濃度のU−238を設けねばならない。次いで好ま
しい非弾性散乱による減速散乱を重金属リングにおいて行う。可能な限り短い距
離に沿ってスローダウンを継続するため、これらの燃料/金属領域をまず吸収体
を含む、或いは含まない軽水(H2O)領域19(図1)で囲む。次のリング2
1はLi−6を添加されたD2Oを含む。
上記特殊な燃料/金属領域を可変1/v−吸収体を含む2つの水リングで囲む
構成は本発明の新規な原子炉構成を表わす。
中性子が所要の程度にまで減速されたら、次の仕事は残留γ線を吸収すること
である。この補足的なγ線吸収のためにはPb/Biリングを利用するのが普通
である。γ線吸収後、ビーム管によって中性子をコリメートする。
幾何学的構成の最適化は下記の考察に基づいて行われる。
約20%濃縮の内側燃料領域の外半径と約4%濃縮の外側燃料リングの外半径
を設計時の計算で最適化しなければならない。核臨界は制約条件であり、最適化
そのものは次の条件を含む。
* 充分低い電力ですむように冷却材量を最小限にすること。
* 高さ/直径が1.00よりもかなり大きい細長い燃料領域を採用して燃料
外半径を極力小さくすること。
重金属リングを2つの減速体領域が囲み、内側の減速体領域は軽水(H2O)
を含み、外側の減速体領域は重水(D2O)を含む。重金属リングの外半径、従
って、H2Oリングの内半径は高速中性子の減速散乱を半径の関数として量化す
る適当な評価値(FOM)による設計計算で決定される。先ず重金属においては
後者より著しく低下する。従って、下記のように過渡半径R*が与えられる。即
ち、
適当な評価値はエネルギーに応じた散乱源であり、この評価値を採用することに
よって高速中性子スペクトルの下端が人工的に数値定義されるのを回避すること
ができる。
H2Oリングの外半径、即ち、H2OリングとD2Oリングの間の過渡半径が最
適化される;ただし、この設定にはいくつかの点を考慮しなければならない。3
つの要点を以下に述べる。
(a) H2Oのスローダウン能力はD2Oの約7倍である。従って、最もコンパク
トな構造を得るにはD2OではなくH2Oを使用すべきである。
(b) ただし、熱中性子の場合ほど顕著ではないにしても熱外中性子においても
水素(H)によるある程度の捕獲が行われる。捕獲ごとに2.2MeVの
γ線が放出される。重水素(D)による中性子捕獲はほとんど起こらない。この
ことはH2Oを余り患者に近い位置で使用せず、むしろ外側リングにD2Oを使用
すべきであることを示唆する。これらのγ線が炉心からの残留γ線と複合される
。この複合γ線束は患者に到達する前に強力に軽減しなければならない。これが
Pb/Biγ線遮蔽体がH2O/D2O過渡半径の最適化に果す役割である。
(c) 比較的重要度は低いが第3の要点として水素(H)による散乱は低エネル
ギー中性子スペクトルを重水素(D)による散乱の場合よりも大きく広げる。中
性子スペクトルの低エネルギー端はH2O及びD2O中の“1/v−吸収体”によ
って縮小され、これらの吸収体の濃度がある程度H2O/D2O過渡半径の最適化
に影響する。
立体角を最大にすること
中性子は光や帯電粒子のように集束させることはできない。集束させるために
は、もし原子炉の出力、従ってコストをできるだけ小さくしなければならないな
ら、腫瘍から見て中性子源によって表わされる立体角を可能な限り大きく設定し
なければならない。立体角を最大にするということはいわゆる“幾何学的減衰”
を最小限にととめることと等価である。本発明では原子炉の中性子源をコンパク
トに構成し、患者をできる限り原子炉に接近させる。
発明の構成上の長所
上述したスペクトルを狭めるという着想は本発明の最もユニークな特徴である
。スペクトルの広がりを極力抑制しながら高速中性子の必要な減速散乱を達成す
る非弾性散乱に力点を置いている。炉心を出てから起こる弾性散乱はU−238
及びその他の重金属中での非弾性散乱ほど有効ではないから、高速中性子の減速
はほとんどすべて炉心内で達成しなければならない。
炉心におけるウランを高濃度にすること及び上記補足重金属リングを設けるこ
との利点はγ線をその発生源の近くで強力に吸収できることにある。
各リングの各セクターごとに別々の液体循環ループを有する減速体リングは炉
心と各治療ステーションの間における減速体中の吸収材濃度を個々のステーショ
ンにおいて治療すべき腫瘍のタイプ及び深さに最適の中性子スペクトルに合わせ
て調整することを可能にする。
高速中性子の減速、スペクトル縮小及びγ線吸収という重要な機能を原子炉−
燃料−金属領域に帰属させれば全体の構成を比較的コンパクトにすることができ
る。その結果、患者を原子炉に接近させて幾何学的中性子減衰を最小限に抑える
ことができる。また、設備資金を軽減する低出力原子炉の使用を可能にする。出
力が低いということは安全性の点でも有利である。
要約すれば、本発明の原子炉はBNCTに必要な熱外中性子スペクトルを発生
させると同時にあらゆる副作用を極力抑制する。このコンパクトな炉心の要点は
炉心の中心から可能な限り短い距離で所要の質と強さのビームが得られるから低
出力原子炉の使用を可能にし、このことは低コスト、高い安全性及び操作し易さ
を意味する。
低い出力を、オペレーターが治療と治療の間原子炉を低出力待機モードに切換
えることを可能にする構成上の特徴と組み合わせると、全出力で運転する時間は
1日のごく一部ですむ。従って、燃料の消費は軽微であり、燃料交換し易いよう
に炉心をサブアセンブリー形式に構成する必要はない。コアがコンパクトである
ことは基本的なガイドラインであるが、もしコンパクトにすることがさほど重要
でない用途があるなら、金属ウラン燃料ではなく炭化ウラン燃料を使用してもよ
い。
図面に沿って以上に本発明を説明したが、上記実施例はあくまでも本発明の理
解を容易にするためのものであって本発明を制限するものではなく、好ましい実
施例を図示し、説明したに過ぎず、本発明の思想を逸脱しない限り、いかなる変
更もすべて保護されねばならない。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年7月28日
【補正内容】
請求の範囲
1.核分裂中性子源と、中性子源を囲む遮蔽媒体と、前記媒体を貫通する複数の
中性子伝送通路と、通路の末端において遮蔽媒体の外側に設けた治療ステーショ
ンと、高速中性子を極めて強力に非弾性散乱させるため中性子源に含有させた物
質と、腫瘍の種類に応じて熱外及び熱中性子スペクトルを最適化するため調整で
きる減速体及び1/v−吸収体の複合体とから成ることを特徴とする治療装置。
2.中性子源から治療ステーションの所定スポットに熱外中性子を向けるため通
路内に設けたコリメーター手段をも含むことを特徴とする請求項1に記載の装置
。
4.治療ステーションを水平面内で原子炉の周りに順次円周方向に間隔を置いて
設けたことを特徴とする請求項3に記載の装置。
5.減速−吸収複合体が液状媒体であり、原子炉が別々のセクターに分割されて
おり、液状媒体から成る減速体が中性子源と少なくとも幾つかのセクターに対応
する治療ステーションとの間に配置され、1つのセクターの減速体が他のセクタ
ーの減速体から分離されており、少なくとも1つのセクターがこのセクターと対
応する治療ステーションに熱中性子を伝送するため1/v−吸収体を欠く液状媒
体を含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
6.治療ステーションを中性子源の周りに順次円周方向に間隔を置いて、且つ上
下に間隔を保つ2つの水平面内に設け、両平面間のスペースに放射線遮蔽媒体を
配置したことを特徴とする請求項3に記載の装置。
7.下方平面の治療ステーションにターゲットとなる患者を支持する手段を配置
し、この支持手段が治療ステーションの患者を該ステーションにおける前記通路
の端部に近い点まで持ち上げるリフトを含むことを特徴とする請求項6に記載の
装置。
8.原子炉が、濃縮ウランを含有する第1中央炉心領域と、前記炉心領域を囲む
円筒状リングを形態を呈し、第1炉心領域よりも低濃縮の核燃料を含有する第2
炉心領域と、第2炉心領域を囲む円筒状リングの形態を呈し、中性子を非弾
性散乱させると共にγ線を吸収するための重金属を含有する第3領域と、第3領
域を囲み、流動液状減速体を含有する第1減速体領域と、第1減速体領域を囲み
、流動液状減速体を含有する第2減速体領域から成ることを特徴とする請求項3
に記載の装置。
9.第1炉心領域が20%又はそれ以下に濃縮されたウランを含有し、第2炉心
領域が低濃縮ウラン燃料、即ち約4%のU−235及び約96%のU−238を
含有し、第3領域の重金属が約99.77%のU−238中に約0.23%のU
−235を混入した劣化金属ウラン、又は金属トリウムを含有することを特徴と
する請求項8に記載の装置。
10.第1炉心領域が20%又はそれ以下に濃縮されたウランを含有し、第2炉心
領域が低濃縮ウラン燃料、即ち、約4%のU−235及び約96%のU−238
を含有し、第3領域の重金属が非核分裂性であることを特徴とする請求項8に記
載の装置。
11.第1炉心領域が約30cmの半径を有し、第2炉心領域が約45cmの外半
径を有し、第3領域が約60cmの外半径を有することを特徴とする請求項8に
記載の装置。
12.第1減速体領域の液体がLi又はホウ素を添加した水(H2O)であり、第
2減速体領域の液体がLiを添加したD2Oであることを特徴とする請求項8に
記載の装置。
13.第1減速体領域が厚さ約10乃至20cmのリング状であり、第2減速体領
域が厚さ約30乃至40cmのリング状であることを特徴とする請求項12に記
載の装置。
14.第2減速体領域の周りに非放射性重金属から成る円筒状γ線遮蔽体をも設け
たことを特徴とする請求項8に記載の装置。
15.第1炉心領域の中心からγ線遮蔽体の外側までの半径が約1mであることを
特徴とする請求項14に記載の装置。
16.中性子源が大きい非弾性中性子散乱断面積が得られるように構成された燃料
コアを有する原子炉であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
17.炉心が中心を有し、中心から遠ざかるに従って核分裂物質を有することを特
徴とする請求項16に記載の装置。
18.炉心が中心に第1領域、第1領域の周りに第2領域、第2領域の周りに第3
領域を有する多領域炉心であり、3つの領域の濃縮度が第1領域において最も高
く第3領域において最も低くなるように順次低くなっていることを特徴とする請
求項17に記載の装置。
19.第1領域が約20%U−235に濃縮されたウランから成り、第2領域が約
4%U−235に濃縮されたウランから成り、第3領域が重金属から成ることを
特徴とする請求項18に記載の装置。
20.減速−吸収複合体が原子炉内にあって、通路を介して伝送される中性子の平
均熱エネルギーを任意に変化させることができるように構成した循環液から成る
リングを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
21.一方のリングの液体が他方のリングの液とは異なることを特徴とする請求項
20に記載の装置。
22.リングが中心を囲む複数のセクターに分割されていて、1つのセクターのリ
ング中の液体が他のセクターのリング中の液体とは分離されていることを特徴と
する請求項21に記載の装置。
23.複数の患者を中性子捕獲療法で治療する方法において、核燃料を有する原子
炉を囲む複数の治療ステーションに個々の患者を配置し、原子炉の3つの領域に
おいてほぼすべての高速中性子の減速散乱されたのち、原子炉からの放出中性子
を患者に照射するステップから成ることを特徴とする方法。
24.原子炉内で高エネルギー中性子を非弾性散乱させ、原子炉内で低エネルギー
中性子を弾性散乱させると共に金属領域を囲む減速体において1/v吸収するこ
とによって中性子エネルギースペクトルの幅を縮小するステップをも含むことを
特徴とする請求項23に記載の方法。
25.炉心を囲む減速液リングにおいて中性子を吸収し、少なくとも2つの減速液
リングにおいて組成の異なる液体を使用するステップをも含むことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
26.炉心を囲む少なくとも1つの減速液リングにおいて中性子を吸収するステッ
プをも含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
27.患者を炉心から1乃至2mの距離に位置させるステップをも含むことを特徴
とする請求項26に記載の方法。
28.減速液リングをセクターに分割し、1つのセクターにおいて少なくとも1つ
の他のセクターとは組成の異なる減速液を使用するステップをも含むことを特徴
とする請求項26に記載の方法。
29.一部は固体の形で、一部は液体の形で1/v中性子吸収材をリングに設ける
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,L
V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU
,SD,SK,UA,UZ,VN
(72)発明者 オットー,カール,オー
アメリカ合衆国,インディアナ州 47906,
ウエスト・ラファイエット,グレン・コー
ト 132
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.核分裂中性子源と、中性子源を囲む遮蔽媒体と、前記媒体を貫通する複数の 中性子伝送通路と、通路の末端において遮蔽媒体の外側に設けた治療ステーショ ンと、高速中性子を極めて強力に非弾性散乱させるため中性子源に含有させた物 質と、腫瘍の種類に応じて熱外及び熱中性子スペクトルを最適化するため調整で きる減速体及び1/v−吸収体の複合体とから成ることを特徴とする治療装置。 2.中性子源から治療ステーションの所定スポットに熱外中性子を向けるため通 路内に設けたコリメーター手段をも含むことを特徴とする請求項1に記載の装置 。 3.中性子源が建築物内に設けた原子炉であることを特徴とする請求項1に記載 の装置。 4.治療ステーションを水平面内で原子炉の周りに順次円周方向に間隔を置いて 設けたことを特徴とする請求項3に記載の装置。 5.減速−吸収複合体が液状媒体であり、原子炉が別々のセクターに分割されて おり、液状媒体から成る減速体が中性子源と少なくとも幾つかのセクターに対応 する治療ステーションとの間に配置され、1つのセクターの減速体が他のセクタ ーの減速体から分離されており、少なくとも1つのセクターがこのセクターと対 応する治療ステーションに熱中性子を伝送するため1/v−吸収体を欠く液状媒 体を含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。 6.治療ステーションを中性子源の周りに順次円周方向に間隔を置いて、且つ上 下に間隔を保つ2つの水平面内に設け、両平面間のスペースに放射線遮蔽媒体を 配置したことを特徴とする請求項3に記載の装置。 7.下方平面の治療ステーションにターゲットとなる患者を支持する手段を配置 し、この支持手段が治療ステーションの患者を該ステーションにおける前記通路 の端部に近い点まで持ち上げるリフトを含むことを特徴とする請求項6に記載の 装置。 8.原子炉が、濃縮ウランを含有する第1中央炉心領域と、前記炉心領域を囲む 円筒状リングの形態を呈し、第1炉心領域よりも低濃縮の核燃料を含有する第2 炉心領域と、第2炉心領域を囲む円筒状リングの形態を呈し、中性子を非弾性散 乱させると共にγ線を吸収するための重金属を含有する第3領域と、第3領域を 囲み、流動液状減速体を含有する第1減速体領域と、第1減速体領域を囲み、流 動液状減速体を含有する第2減速体領域から成ることを特徴とする請求項3に記 載の装置。 9.第1炉心領域が20%又はそれ以下に濃縮されたウランを含有し、第2炉心 領域が低濃縮ウラン燃料、即ち約4%のU−235及び約96%のU−238を 含有し、第3領域の重金属が約99.77%のU−238中に約0.23%のU −235を混入した劣化金属ウラン、又は金属トリウムを含有することを特徴と する請求項8に記載の装置。 10.第1炉心領域が20%又はそれ以下に濃縮されたウランを含有し、第2炉心 領域が低濃縮ウラン燃料、即ち、約4%のU−235及び約96%のU−238 を含有し、第3領域の重金属が非核分裂性であることを特徴とする請求項8に記 載の装置。 11.第1炉心領域が約30cmの半径を有し、第2炉心領域が約45cmの外半 径を有し、第3領域が約60cmの外半径を有することを特徴とする請求項8に 記載の装置。 12.第1減速体領域の液体がLi又はホウ素を添加した水(H2O)であり、第 2減速体領域の液体がLiを添加したD2Oであることを特徴とする請求項8に 記載の装置。 13.第1減速体領域が厚さ約10乃至20cmのリング状であり、第2減速体領 域が厚さ約30乃至40cmのリング状であることを特徴とする請求項12に記 載の装置。 14.第2減速体領域の周りに非放射性重金属から成る円筒状γ線遮蔽体をも設け たことを特徴とする請求項8に記載の装置。 15.第1炉心領域の中心からγ線遮蔽体の外側までの半径が約1mであることを 特徴とする請求項14に記載の装置。 16.中性子源が大きい非弾性中性子散乱断面積が得られるように構成された燃料 コアを有する原子炉であることを特徴とする請求項1に記載の装置。 17.炉心が中心を有し、中心から遠ざかるに従って核分裂物質を有することを特 徴とする請求項16に記載の装置。 18.炉心が中心に第1領域、第1領域の周りに第2領域、第2領域の周りに第3 領域を有する多領域炉心であり、3つの領域の濃縮度が第1領域において最も高 く第3領域において最も低くなるように順次低くなっていることを特徴とする請 求項17に記載の装置。 19.第1領域が約20%U−235に濃縮されたウランから成り、第2領域が約 4%U−235に濃縮されたウランから成り、第3領域が重金属から成ることを 特徴とする請求項18に記載の装置。 20.減速−吸収複合体が原子炉内にあって、通路を介して伝送される中性子の平 均熱エネルギーを任意に変化させることができるように構成した循環液から成る リングを含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。 21.一方のリングの液体が他方のリングの液とは異なることを特徴とする請求項 20に記載の装置。 22.リングが中心を囲む複数のセクターに分割されていて、1つのセクターのリ ング中の液体が他のセクターのリング中の液体とは分離されていることを特徴と する請求項21に記載の装置。 23.複数の患者を中性子捕獲療法で治療する方法において、核燃料を有する原子 炉を囲む複数の治療ステーションに個々の患者を配置し、原子炉の3つの領域に おいてほぼすべての高速中性子の減速散乱されたのち、原子炉からの放出中性子 を患者に照射するステップから成ることを特徴とする方法。 24.原子炉内で高エネルギー中性子を非弾性散乱させ、原子炉内で低エネルギー 中性子を弾性散乱させると共に金属領域を囲む減速体において1/v吸収するこ とによって中性子エネルギースペクトルの幅を縮小する ステップをも含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。 25.炉心を囲む減速液リングにおいて中性子を吸収し、少なくとも2つの減速液 リングにおいて組成の異なる液体を使用するステップをも含むことを特徴とする 請求項23に記載の方法。 26.炉心を囲む少なくとも1つの減速液リングにおいて中性子を吸収するステッ プをも含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。 27.患者を炉心から1乃至2mの距離に位置させるステップをも含むことを特徴 とする請求項26に記載の方法。 28.減速液リングをセクターに分割し、1つのセクターにおいて少なくとも1つ の他のセクターとは組成の異なる減速液を使用するステップをも含むことを特徴 とする請求項26に記載の方法。 29.一部は固体の形で、一部は液体の形で1/v中性子吸収材をリングに設ける ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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