JPH0947772A - 浄化装置 - Google Patents

浄化装置

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JPH0947772A
JPH0947772A JP6132496A JP6132496A JPH0947772A JP H0947772 A JPH0947772 A JP H0947772A JP 6132496 A JP6132496 A JP 6132496A JP 6132496 A JP6132496 A JP 6132496A JP H0947772 A JPH0947772 A JP H0947772A
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浩一 都築
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隆司 水守
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武夫 高木
Hiroaki Yoda
裕明 依田
Kazuo Kobayashi
和男 小林
Hiroaki Okajima
裕明 岡島
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  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省エネルギー及び省メンテナンスの流動床式濾
過方式の浄化装置を提供する。 【解決手段】複数の流動床式濾過槽1a〜1cを湖沼の
処理対象水域にその下部を水没させると共に頭部を水面
よりも上に出すように設置してメンテナンス作業を容易
にし、各槽に供給する被処理水を大気に接触させて酸素
を補給することにより曝気のための消費電力を低減す
る。濾過後の浄水は沈殿槽に溜めて汚泥を沈殿させ、こ
の汚泥を汚泥溜めに移して天日乾燥させることで回収作
業を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活雑排水,家畜
尿汚水,下水等の流入により、窒素やリン等の栄養塩類
の濃度が高くなって汚濁した湖沼や池の水を浄化処理す
る浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】わが国における水の使用量は年々増加し
ている。例えば、総務庁統計局のまとめでは、上水道,
簡易水道,専用水道を合わせた年間給水量は、昭和60
年度当時には151.6億トンであったが、平成3年度
には167.8億トンに増加している。このことは排水
量の増加をも意味しており、この排水の流入によって河
川や湖沼の水質が悪化している。各種の水質改善策によ
って河川の水質は、全体としては、徐々に改善の傾向を
示しているが、河川とは異なり、湖沼やダムなどのよう
な閉鎖系水域では、依然として富栄養化に伴う水質の悪
化が大きな問題になっている。しかも、最近の20年間
では、水道水源に占める湖沼やダムの割合が20%から
35%に増加する(高橋裕 編:首都圏の水−その将来
を考える東大出版会p.114)など、安定した水供給
のために、水源を河川から湖沼やダムへ転換してきたこ
とが、これらの水域の水質問題をより深刻なものにして
おり、水質保全システムの確立が強く求められている。
【0003】霞ヶ浦や手賀沼などのように汚濁の進んだ
湖沼の多くは、湖面積に対する集水域の面積の割合が大
きく(霞ヶ浦で8.3、手賀沼で23)、また、集水域
の人口が多いので流入負荷が大きい。また、湖岸の改変
が進んでいて自然の浄化力が低下している。これらの湖
沼での水質汚濁に対する根本的対策は、下水道の整備等
による流入負荷の削減と周辺及び湖岸の自然を復活して
自然浄化力を回復させることである。しかし、これらの
対策は何れも長期間を要するので、同時に比較的速効性
のある湖内対策を講じることも必要である。水質汚濁が
進んだ湖沼では、湖底に堆積した栄養塩が溶出すること
による内部負荷も無視できない。例えば、霞ヶ浦では、
夏期に湖底から溶出する窒素の量は外部からの流入量に
略匹敵し、リンについても内部負荷は外部負荷の50%
に相当する(細見:底質からの窒素およびリンの溶出と
その制御 水環境学会誌 16(2) p.23−27
1993)。内部負荷の削減には、浚渫により湖底に堆
積した栄養塩を除去したり、湖底の覆土によって栄養塩
の流出を防止することが効果的である。しかしながら、
このように対策した湖底も何れは植物プランクトンの死
骸などで覆われてしまい、対策の効果が消滅してしま
う。前記水環境学会誌によれば、湯の湖を対象として浚
渫や覆土の効果をシミュレーションで予測しているが、
その効果は2〜5年で消滅してしまう。
【0004】従って、湖内対策としては、湖底の対策と
は別に、植物プランクトンの量を減らす手段を講じるこ
とが必要である。植物プランクトンの量を削減する手段
としては、(1)植食性の魚(ソウギョなど)などの放
流、(2)植物プランクトンの直接除去、(3)湖水中
からの栄養塩の直接除去、などが考えられる。
【0005】このうち、(1)については、特定種の魚
などが特異的に繁殖することによる生態系への影響が解
明されていない現状では、本格的な実施は困難である。
そして、(2)及び(3)については、植物プランクト
ンやその他の有機汚濁物を含んだ有機性の湖沼水(原
水)を浄化する場合は、生物膜を使った接触浄化処理が
多く用いられている。この浄化処理方法は、接触材(濾
材)を充填した濾過槽に原水を通過させることによって
原水中の有機汚濁物を除去するものであるが、原水中に
存在する各種の微生物が接触材上に付着及び増殖して該
接触材の表面に生物膜を形成し、その微生物の作用が主
たる浄化処理機能であることから、生物膜濾過と呼ばれ
ることもある。
【0006】その1つに接触曝気式水処理法がある。こ
の接触曝気式水処理法を実施する処理装置として、被処
理水を好気性微生物を付着させた接触体に触れさせなが
ら、上流側から下流側に幾つかに分割された段を流下さ
せる間に処理する多段型の処理装置が知られている。そ
の中で特開昭62−74489号公報に記載された浄化
装置は、接触曝気槽を汚水発生源から離れた地中に埋設
して、多段型処理槽が地上に出ないようにしている。
【0007】また、他の接触浄化法としては、濾過部材
に生物膜を付着させてその中に原水を導く、浸漬濾床式
接触浄化法がある。この場合、浸漬濾床として生物膜層
が付着した接触体を固定する固定床式と、接触材として
粒径が小さな粒子を用いて被処理水を下から上向きに流
し、接触材が濾過槽から流出しない程度に、被処理水の
流れで該接触材を流動させる流動床式の2種類があり、
例えば、特開平1−218691号公報には、非常に高
濃度の原水の処理を、曝気を併用した流動床式接触浄化
法を用いて、処理場で処理する例が記載されている。ま
た、特開平6−99185号公報には、水中に埋没した
流動床に空気を混入した被処理水を流入して浄化処理す
る例が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】湖沼や池の浄化では、
それに要するエネルギーが小さいことやメンテナンス作
業が容易あるいは不必要であることが求められる。前述
した生物膜濾過方式は、浄化処理に伴う汚泥の発生量が
少ないことと生物作用による浄化処理であることから、
必要なエネルギーが小さくて済むという利点がある。ま
た、生物膜濾過方式のうちでも流動床式は、目詰まりが
少なく、メンテナンス作業が容易であるという利点をも
つ。
【0009】しかしながら、このような利点をもった流
動床式の生物膜濾過方式の浄化装置も、実際の装置とし
て考えると、それらの利点を真に生かすためには、解決
しなければならない幾つかの課題がある。先ず第1に
は、装置として真に省エネルギー化するための課題であ
る。流動床式では、濾過槽部分に水を流す際に必要な水
頭(圧力)はたかだか1mから2m程度である。ところ
が、湖沼や池の岸辺や周辺地区に浄化処理設備を設置し
て浄化処理を実施しようとすると、原水を取水口から処
理場まで移動させるための水路の圧力損失分と、水面よ
りも水位の高い処理場に原水を送り込むために、実際に
は、浄化処理に必要な最小限のエネルギーに比べて相当
大きなエネルギーが必要となる。第2は、メンテナンス
作業に関する点である。先に述べた、特開平6−991
85号公報で提案されている方法は、流動床の処理槽
(濾過槽)の全体を水中に水没させる方式であり、装置
を湖岸に設置する場合のように大きな搬送エネルギーを
必要とはしない。しかし、メンテナンス作業上の問題が
生じてしまう。生物膜濾過方式の場合、浄化処理に伴う
汚泥の発生量は少ないが、完全に零ではない。流動床式
濾過においても、接触材の表面に繁殖した微生物の膜が
ある期間を過ぎると膜厚が厚くなり過ぎて接触材から剥
離して汚泥になることはよく知られている。また、流動
床濾過では土砂の粒子などのような無機の懸濁物は除去
できない。従って、時折、接触材から生物膜が剥離して
生じる汚泥と水中の無機懸濁物は速やかに処理槽外に排
出しなければ、結局、これらが処理槽内に堆積して目詰
まりを発生することになる。しかるに、特開平6−99
185号公報で提案している技術では、処理装置が完全
に水没しているので、そのような汚泥あるいは無機懸濁
物が槽内に残留することによる目詰まり等を解消するた
めのメンテナンス作業上の問題を解決しなければならな
い。しかも、生物膜濾過では、微生物作用の活性を維持
するために空気が必要であるが、特開平6−99185
号公報で提案の技術では装置全体が水没しているが故に
曝気が必要となり、そのための給気に大きなエネルギー
が必要となる。
【0010】次の課題として、浄化装置を設置する土地
の確保や設置に伴う工事の手間を省くことが上げられ
る。処理場建設用地を確保するための方法として、比較
的処理容量の小さな浄化槽は地中に埋設する方法も可能
であるが、湖沼や池の浄化処理では下水処理場などに比
べて低濃度で大容量の水を扱うことから浄化槽も大きく
なって地中に埋没させることは困難であり、処理場の用
地の確保が困難であるという問題がある。また、仮に用
地が確保できても施設工事が必要となり、そのために余
分なコストがかかるという問題があった。
【0011】また、特開平6−99185号公報に記載
されているように、処理槽を水中に埋没させた場合に
は、注入する被処理水に曝気処理を行う必要があり、濾
材が水域へ流出する事故を完全に防止するための対策が
必要となる。
【0012】更なる課題として、著しい水質悪化は浅い
湖沼で発生することが多く、従って浄化装置は、浅い湖
沼にも容易に適用可能な形態であることが必要である。
【0013】以上のような検討から、湖沼等の閉鎖水域
の水を浄化する浄化装置としては、(1)動力(消費エ
ネルギー)が少なくて済むこと、(2)メンテナンス作
業が容易であること、(3)設置が容易で、設置に伴う
工事が少ないことが必要とされる。
【0014】本発明の第1の目的は、メンテナンス作業
が容易な浄化装置を提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、消費するエネルギ
ーが小さい浄化装置を提供することにある。
【0016】本発明の第3の目的は、流動床方式の浄化
装置の浄化処理性能を安定に維持することにある。
【0017】本発明の第4の目的は、汚泥が浄化装置か
ら湖沼に流出して該湖沼を再汚染することを防止するこ
とにある。
【0018】本発明の第5の目的は、浄化装置から汚泥
を回収する作業の回数を低減することにある。
【0019】本発明の第6の目的は、様々な環境に容易
に対応できる浄化装置を提供することにある。
【0020】本発明の第7の目的は、景観を悪化させる
ことが少ない浄化装置を提供することにある。
【0021】本発明の第8の目的は、太陽発電を利用し
た電力供給において、発電量が減少した場合でもそのエ
ネルギーを有効に活用して浄化処理を継続できるように
することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
処理対象水域から取水し、処理対象水域の水面よりも高
い位置に設けられた濾過槽の被処理水導入部に供給する
取水ポンプと、前記処理対象水域の水面よりも高い位置
に設けられ、前記濾過槽を通過した浄水を放出する放水
部を備えた浄化装置を処理対象水域に設置することによ
り達成される。すなわち、このような浄化装置は、濾過
槽の上部が処理対象水域の水面よりも高くなるように該
処理対象水域に位置することにより、そのメンテナンス
作業を容易にすることができる。また、地上設備が不要
になるので、設置場所の確保が容易であり、設置に伴う
工事も少なくすることができる。
【0023】また、本発明の第2の目的は、濾過槽の下
部を処理対象水域の水面下に水没するように設置し、ま
た、前記濾過槽に被処理水を供給する前に該被処理水を
大気に開放することによって達成される。浄化処理対象
水域に濾過槽の下部を水没させて設置した浄化装置は、
取水から放水までの被処理水の輸送動力を少なくするこ
とができ、且つ、濾過槽の被処理水導入部が水面に近づ
くために取水ポンプによる取水動力(消費電力)を少な
くすることができる。更に、被処理水を濾過槽に供給す
る前に大気に開放することにより該被処理水を空気に曝
して酸素を供給することができるので、濾過槽内を曝気
して該濾過槽内の好気性微生物に酸素を供給する必要性
が少なくなり、曝気用の動力を低減することができる。
【0024】また、本発明の第3の目的は、濾過槽内部
を被処理水の流れる方向に並列状態に複数の流路に分割
し、濾過槽内の流動床の流動が局部的に停止するのを抑
制することで達成することができる。
【0025】また、本発明の第4の目的は、濾過槽を通
過した浄水を溜めて汚泥成分を沈降させる容器を設ける
ことにより、濾過槽内に蓄積した汚泥が処理対象水域に
流出する危険性を減らすことで達成することができる。
更に、この容器内に植物を植えることによって、景観を
良くすることができるほか、植物の根等が汚泥成分の沈
降を促進して、微小な汚泥成分までも容器内に沈降させ
ることが可能となる。更に、沈殿した汚泥から窒素やリ
ンが浄水中に溶出した場合でも、これを植物に吸収させ
ることができる。また、この容器の内部に曝気手段を設
けることによって、該容器内の浄水に酸素を補給するこ
とが可能となる。
【0026】また、本発明の第5の目的は、濾過槽を通
過した浄水を溜めて汚泥成分を沈降させる第1容器と、
汚泥を蓄積する第2容器と、前記第1容器の底部に吸入
口が設置されて該第1容器内の汚泥を前記第2容器に排
出する手段を設けることによって達成される。浄化装置
から排出される浄水に含まれる汚泥成分は、第1容器で
沈降して下部に沈殿して濃縮され、更に、この沈殿した
汚泥を第2容器に入れて天日で乾燥させることにより体
積を減少させることが可能となり、汚泥回収作業の回数
を減らすことができる。
【0027】また、本発明の第6の目的は、処理対象水
域に設置され、内部に濾材を有し、上部に吸水口と排水
口を備えたそれぞれ高さの異なる複数の濾過槽と、前記
処理対象水域から取水して濾過槽に給水する取水手段
と、前記各濾過槽毎に設けられた給水口に前記取水手段
からの被処理水を並列に導入する手段と、最も高い濾過
槽を除いた前記各濾過槽に前段の濾過槽からの被処理水
を給水口に導入する手段とを設けることにより達成され
る。複数の濾過槽を被処理水が一方向に流れるようにし
た直列通水濾過、複数の濾過槽に並行して被処理水を供
給する並列通水濾過、またはその組み合わせによる濾過
を行なわせることが可能となり、様々な環境に適応した
状態で運転できる浄化装置とすることができる。特に、
水質モニターにより検出した湖沼の水質に応じて、直列
通水濾過または並列通水濾過を選択することで、例え
ば、水質が良い環境では並列通水運転として濾過処理水
量を増やし、水質が悪化している環境では直列通水運転
として排出する水質を向上させることができる。
【0028】本発明の第7の目的は、処理対象水域に設
置され、内部に濾材を有する濾過槽と、前記処理対象水
域から取水して濾過槽に供給する手段とを備えた浄化装
置において、前記濾過槽を通過した浄水を溜める沈殿槽
を設け、この沈殿槽内で水生植物を栽培することによっ
て達成される。また、沈殿槽に沈殿した汚泥を移して蓄
積する汚泥溜めに草木を植え付けることによって達成さ
れる。
【0029】本発明の第8の目的は、濾過槽を通過した
浄水を溜める沈殿槽と、この沈殿槽内の水を曝気する曝
気手段と、前記濾過槽に湖沼水を供給する取水ポンプと
前記曝気手段に電力を供給する太陽発電手段とを設け、
前記曝気手段の消費電力を前記取水ポンプの消費電力よ
り小さく設定することで達成される。浄化装置の取水ポ
ンプを太陽発電手段で発生する電力だけで運転する場
合、曇天が続く環境では充分な取水を行なうことができ
ない。このような状態では、沈澱槽内の水が淀み、汚泥
を分解する微生物作用で、沈澱槽内の浄水の溶存酸素が
消費されて該沈澱槽内の水質が悪化することが懸念され
る。このようなときには、取水ポンプよりも小さな電力
で運転できる曝気手段を作動させて沈澱槽内の浄水に酸
素を補給することで水質の悪化を防止することが可能で
ある。
【0030】また、この第8の目的は、処理対象水域に
設置され、内部に濾材を有し、上部に吸水口と排水口を
有し、それぞれ高さの異なる複数の濾過槽と、この処理
対象水域から取水して前記濾過槽に給水する取水手段
と、前記取水手段に電力を供給する太陽発電手段と、前
記各濾過槽毎に設けられた給水口に前記取水手段から被
処理水を導入する被処理水並列導入手段と、これら被処
理水並列導入手段毎に設けられた開閉手段と、最も高い
濾過槽を除いた前記濾過槽に設けられた前段の濾過槽か
らの被処理水を給水口に導入する処理水直列導入手段
と、前記太陽発電手段の発電力に応じて前記開閉手段を
制御する手段とを設け、前記太陽発電手段の発電量が十
分なときには最も高い濾過槽まで被処理水を導入して処
理性能を向上させ、発電量が減少したときにはその発電
量で給水できる高さの濾過槽に被処理水を導入するよう
に開閉手段を制御することで、例えば、曇天の日でも、
濾過性能は多少低下するものの、濾過を継続することが
できるようにすることで達成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を説明する前
に、発明者らが浄水処理に関して行った検討結果を説明
する。発明者らは、湖水中の植物プランクトン及び栄養
塩の直接除去による湖沼水浄化処理の効果を検討するた
めに、霞ヶ浦モデル(松岡:国立公害研究所報告 第5
4号 1984)を使用したシミュレーションを行っ
た。湖沼全体の水を1回/15日で循環する浄化装置を
仮定し、ケース1では被処理水中の植物プランクトンを
はじめとする粒子状有機懸濁物を除去効率50%で除去
する場合、ケース2では被処理水中の植物プランクトン
だけを除去効率50%で除去する場合、ケース3では無
機体リンを同じく除去効率50%で除去する場合、ケー
ス4では無機体リンと植物プランクトン以外の有機体リ
ンを除去効率50%で除去する場合のそれぞれについて
の計算を行った。なお、浄化処理による湖底デトリタス
の変化が魚類等に及ぼす影響については確定したモデル
がないために、ここでは考慮していない。
【0032】各ケースでのクロロフィルaの年間平均濃
度及び浄化対策による削減率は次の表1のようになる。
【0033】
【表1】
【0034】このシミュレーションでは、クロロフィル
aの浄化(低減)については、植物プランクトンの直接
除去方式(ケース1,2)の方が栄養塩(リン)の直接
除去方式(ケース3,4)よりも効果が大きい。従っ
て、植物プランクトンの量を削減するためには、植物プ
ランクトン自身を効率よく除去する方法が有効である。
【0035】1回/15日の循環水量は、例えば手賀沼
(貯水容量600万t)の例では、4.6t/sの処理
水量に相当する。浄化装置は、このような量の水処理を
小さな消費エネルギーで実現できるものでなくてはなら
ない。
【0036】流動床式濾過方式については、霞ヶ浦の水
を原水として行った濾過能力の研究で、植物プランクト
ンをはじめとする有機汚濁物質を約50%除去し得るこ
とが報告されている(金ら5名:生物活性炭流動床パイ
ロットプラントによる霞ヶ浦湖水の高度処理、霞ヶ浦臨
湖実験施設研究発表会講演報告集8、1994)。従っ
て、流動床式濾過方式を用いた浄化装置では、浄化処理
対象湖沼の水を10日から15日間で1循環することが
できれば、前記したシミュレーションのケース1に相当
する浄化効果が得られる。以下に説明する実施の形態に
おいては、このような湖沼水浄化処理を実現するため
に、湖沼中に設置する流動床式濾過方式の浄化装置を提
案するものである。
【0037】ここで、流動床式濾過方式の浄化装置を説
明する。先ず、図1を参照してこの方式の水処理の原理
を簡単に説明する。濾過槽1内には粒径の小さな粒子状
の濾材2が充填されている。この濾材2の粒径は約0.
35mmである。原水(湖沼水)3は被処理水として給
水管4によって濾過槽1内の下部に導入され、該濾過槽
1の中を上方に向かって流れる。濾材2は上向きに流れ
に抵抗することにより発生する浮上力と下向きに作用す
る重力の双方の作用により完全に沈殿することなく、し
かも、上向きの流れによって完全に浮上して流出するこ
ともなく、濾過槽1内にて浮遊した流動状態(流動床)
となっている。湖沼水3の中には各種細菌や原生動物な
どの微生物が存在しており、これらの微生物が濾材2の
表面で繁殖して付着微生物膜5を形成する。そして、湖
沼水3の中の水中汚濁源(各種有機物や植物プランクト
ン等)は前記生物膜5を形成する微生物によって捕食分
解され、放水管6から浄水(浄化された湖沼水)7とし
て放出される。
【0038】以下、このような浄化処理原理を採用した
流動床式濾過式浄化装置を図2から図6を参照して説明
する。図2は本発明になる浄化装置の外観斜視図、図3
はこの浄化装置における流動床式濾過槽の縦断側面図、
図4はその流動床式濾過槽の横断平面図、図5はその制
御装置の電気的回路図、図6はこの浄化装置を浄化処理
対象水域に設置した状態の側面図である。
【0039】図2に示すように、この実施形態における
湖沼水の浄化装置(一点鎖線は水面、破線は水面下にあ
る部分を示す)は、主として、濾材(2)を充填した流
動床式濾過槽1と、処理対象水域から湖沼水(以下、原
水とも云う)3を汲み上げて給水管4を介して濾過槽1
に供給するための水中取水ポンプ11と、浄化装置から
処理対象水域に浄水7を放流する放水管6と、前記水中
取水ポンプ11等に供給する電力を太陽光を利用して発
生するソーラー発電パネル12a,12bと、浄化装置
を処理対象水域に浮漂させるコ字状に連結された浮子1
3a〜13c及び制御装置14から構成される。因に、
この浄化装置の全体の大きさ(設置平面積)は、5m×
5m程度である。
【0040】前記流動床式濾過槽1は、図3に詳述する
ように、直列関係の浄化処理水路を形成するように接続
された3段の濾過槽1a〜1cで構成され、これらの濾
過槽1a〜1bはその下部が設置水域に水没するように
浮子13a〜13cの間に並べて支持されている。各濾
過槽1a〜1cの水位はこの浄化装置が浮漂する処理対
象水域の水面15よりも高い位置にあり、且つ、濾過槽
1aの上部は濾過槽1bの上部よりも高く、濾過槽1b
の上部は濾過槽1cの上部よりも高くなるように設計さ
れている。水中取水ポンプ11は、処理対象水域から汲
み上げた湖沼水3を濾過槽1aに供給し、各濾過槽1a
〜1cの高さの差に基づく水頭差によって濾過槽1a,
濾過槽1b,濾過槽1cの順番に流下させるようにす
る。
【0041】水中取水ポンプ11で汲み上げられた湖沼
水3は、初段の濾過槽1aの上部から下部に至る導水管
16aにて濾過槽1aの下部に導かれる。導水管16a
の下部は濾過槽1a内の下端近傍で開放端となってお
り、湖沼水3はこの開放端から被処理水として濾過槽1
a内に流出し、濾過槽1a中に充填された濾材(接触
材)2aと接触して浄化処理されながら上方に向かって
流れる。濾過槽1aの上部に達した被処理水は、濾過槽
1aの上部に設けられた連結流路(樋)17aに流れ込
んで次段の濾過槽1bの上部から下部に至る導水管16
bの上部に導かれる。この導水管16bの下部は濾過槽
1b内の下端近傍で開放端となっており、被処理水はこ
の開放端から濾過槽1b内に流出し、濾過槽1bの中に
充填された濾材(接触材)2bと接触して浄化処理され
ながら上方に向かって流れる。濾過槽1bの上部に達し
た被処理水は、濾過槽1bの上部に設けられた連結流路
(樋)17bに流れ込んで終段の濾過槽1cの上部から
下部に至る導水管16cの上部に導かれる。導水管16
cの下部は濾過槽1c内の下端近傍で開放端となってお
り、被処理水はこの開放端から濾過槽1c内に流出し、
濾過槽1cの中に充填された濾材(接触材)2cと接触
して浄化処理されながら上方に向かって流れる。そし
て、この濾過槽1cの上部に達した被処理水は、該濾過
槽1cの上部に設けられた連結流路(樋)17cで集め
られて放水管6から浄水7として湖沼中に放出される。
【0042】この浄化処理中の被処理水は、濾過槽1a
〜1cの大気に開放された上部において、少なくとも、
前段の濾過槽から次段の濾過槽に移動する過程において
大気に触れ、好気性の微生物が必要とする酸素をこの大
気中から吸収する。この実施形態では、総ての濾過槽1
a〜1cの出入口を大気中に開放して被処理水を大気に
曝すようにしている。濾過槽1aの導水部での開放は該
濾過槽1a内の微生物が必要とする酸素を被処理水に供
給し、濾過槽1cの出水部での開放は該濾過槽1c内の
微生物によって消費されて減少した被処理水中の酸素を
補って湖沼に戻す意味合いがある。
【0043】濾材2a〜2cに付着した微生物の活動に
よる浄化処理作用を促進させるためには、濾過槽1内で
の被処理水の滞留時間をある程度長くする必要がある。
図3に詳述するように、水頭差を利用して濾過槽1内に
被処理水の流れを起こさせる場合、被処理水の流動は与
えられた水頭差と濾過槽1の圧力損失がバランスするよ
うに起こる。濾過槽1の圧力損失は、濾過槽1の高さと
濾過槽1内の流速(濾過速度)から概算することができ
る。例えば、濾材2a〜2cとしてクリストバライト
(粒径:0.35mm、水中見かけ比重:1.6g/c
3)を用いた場合に、装置の仕様を表2のようにする
と、
【0044】
【表2】
【0045】濾過速度は約1.5mm/secとなる。
3段の濾過槽1a〜1cの高さを合計すると6.5mで
あるから、滞留時間は約1.2時間となり、微生物の分
解作用による浄化処理を充分に期待することができる。
しかも、第1段の濾過槽1aと水頭を足し合わせた高さ
が3.9mであり、且つ、濾過槽1aの下部は処理対象
水域に水没していることから、6.5mの高さの1つの
濾過槽を使用する場合に比べて、浄化装置の地上(水
上)高さを低くすることができると共に水中取水ポンプ
11の揚程を小さくできる。水上に露出させる濾過槽1
a〜1cの量(高さ)は、各段で必要な水頭を確保でき
る量があれば足りるので、できる限り低くして水中取水
ポンプ11の負荷を軽くするために、設置する湖沼の水
深を勘案しなければならないが、水没量を多く(深く)
することが望ましい。
【0046】また、微生物による分解作用を活性化させ
るためには酸素が必要であるが、この実施形態では各濾
過槽1a〜1cの各被処理水面が大気と接触しているの
で、各段において該被処理水に自然に酸素を補給するこ
とができる。すなわち、曝気するために必要な動力を低
減することができる。この実施形態では、3段の濾過槽
1a〜1cを採用して各槽の出入口部分で被処理水を大
気に曝すようにしたが、1段の濾過槽1によって濾過
(浄化処理)する場合においても、被処理水を一度は空
気に接触させることが望ましい。被処理水は、濾過槽1
内を上昇するにつれて酸素が消費されて少なくなり、該
槽1内の汚泥から栄養塩(主にリン)が溶出し易くな
る。栄養塩(リン)が溶出した被処理水をそのまま湖沼
に戻すと再びリンを戻すことになってしまう。被処理水
中へのリンの溶出は、被処理水中の溶存酸素を高めるこ
とによって押さえることができる。被処理水中の溶存酸
素は、前述したように、処理する前の被処理水に酸素を
多く溶け込ませることによって高めることができる。
【0047】流動床式濾過槽1における各濾過槽1a〜
1cの水流路は、図4に詳述するように、各濾過槽1a
〜1c内において導水管16a〜16cを中心とした4
つの並列流路に分割されている。若し、この実施形態の
ように並列流路構成をとらないで、大きな断面積の1つ
の流路で流動床濾過を実行すると、流路内で局所的な流
速のばらつきが生じ、流速の小さいところで濾材2が流
動しない現象が観測され、浄化処理性能が低下する。し
かし、図4に示すように、各濾過槽1a〜1c内の流路
を並列に分割することによって各濾過槽1a〜1c内の
流れが均一化され、長期にわたって安定した浄化処理性
能を得ることができる。ここで、分割する範囲は、各濾
過槽1a〜1cの高さ方向に全域でなくても良い。特
に、濾材2a〜2cの粒径にばらつきがある場合には、
各濾過槽1a〜1cの下部に粒径の大きな濾材2a〜2
cが留まる恐れがあり、当然、粒径が大きいほど流動し
にくいので該部で流れが不均一になり易く、従って、各
濾過槽1a〜1cの下部領域で流路を並列に分割するこ
とが効果的である。
【0048】次に、電力供給について説明する。図2に
示すように、この実施形態における浄化装置は、搭載し
たソーラー発電パネル12a,12bにより発生した電
力により水中取水ポンプ11等の動力装置を運転するこ
とによって該浄化装置のランニングコストを大幅に低減
することができるように制御装置14によって運転制御
を行っている。
【0049】図5は、この浄化装置の電気回路の一例を
示している。ソーラー発電パネル12(12a,12
b)は、発生電力をインバータ18に給電しつつバッテ
リー19を浮遊充電する。インバータ18は、交流電圧
を発生して水中取水ポンプ11等を駆動する。従って、
ソーラー発電パネル12からの出力電力が負荷に対して
過剰状態にあるとき(昼間)にはその余剰電力でバッテ
リー19を充電して蓄電し、夜間などのようにソーラー
発電パネル12による発電が不十分なときにはバッテリ
ー19からの電力補給により水中取水ポンプ11を運転
することによって昼夜の連続運転を可能にしている。逆
電流によるソーラー発電パネル12の故障を防止するた
めに、ソーラー発電パネル12の出力回路には逆流防止
ダイオード20が組み込まれている。
【0050】また、切り換えリレー21は、必要に応じ
て商用電源などの外部電源22と接続して運転すること
を可能にする。何らかの事情で大型のソーラー発電パネ
ル12あるいはバッテリー19を使用できない場合に
は、浄化装置を昼夜にわたって連続して運転することが
困難になる。電圧モニター23はソーラー発電パネル1
2及びバッテリー19からの出力電圧を監視し、電圧が
不十分な場合には外部電源22から電力が供給されるよ
うに切り換えリレー21を切り換えて運転すると共にイ
ンバータ18を停止するようにすることで、省エネ運転
を図ることを可能にしている。外部電源21が接続され
ていない場合には、ソーラー発電パネル12及びバッテ
リー19からの出力電圧が不足して切り換えリレー21
が切り換わると浄化装置は運転を停止する。
【0051】このように構成された本発明になる浄化装
置は、図6に示すように、ワイヤーロープ24a,24
b及びアンカー25a,25bにより浄化処理対象水域
内に係留した定位置で運転される。従って、湖沼内の汚
濁の著しい水域や浄化処理に適した流域に係留して効率
良く浄化処理運転を行うことができる。また、浄化装置
を水域内で移動する場合は、ワイヤーロープ24a,2
4b及びアンカー25a,25bを引き上げ、船などに
より牽引して容易にその位置を変更することができる。
また、ワイヤーロープ24a,24bを長めに設定して
浮子13を上下動可能に係留することにより、処理対象
水域の水位15が変化した場合でも浮子13がこれに追
従して処理対象水域の水面15と流動床式濾過槽1の相
対位置関係を一定に保つことができるので、安定した浄
化処理運転を継続することができる。
【0052】この浄化装置は、浮子13によって浄化処
理対象の水域に浮漂するように設置されているので、該
浄化装置を地上に設置する場合に比べて、処理対象水域
から浄化装置までの原水輸送及び浄化装置から処理対象
水域への浄水返送を行うための所要動力が少なくなり、
浄化装置全体で必要とする動力を大幅に低減することが
できる。また、浄化装置の設置場所として広大な水域の
水面を利用することができるので、浄化装置を大型化し
て大量の水を浄化処理する設備を設置することが容易に
なり、また、その施設工事も少なくて済むことになる。
【0053】また、濾過槽1の下部は水没しているの
で、水面上に露出する濾過槽1の高さを低くすることが
でき、しかも、水没した部分には浮力が発生するのでそ
の分だけ浮子13を小型にすることができる。そして、
浄化装置の水没量(深さ)を小さくしてその大部分が水
域水面15に浮漂するようにすれば、水深の浅い水域に
対しても浄化処理能力の大きい浄化装置を設置すること
が容易になる。
【0054】このような浄化装置を湖沼等に浮かべて浄
化処理を実行した場合、濾過槽1の最終段から排出され
る浄水7は、必ずしも完全なものであるとは云えない。
例えば、濾材2に付着していた生物膜が剥がれ落ちて流
出したり、元々原水3中に含まれていた物質が流出した
りする。浄化処理効果を高めるためには、このような浮
遊物質が再び湖沼に戻らないようにすることが望まし
い。
【0055】図7は、前述した浄化装置における流動床
による浄化処理を行った後の浄水7中に含まれる浮遊物
質を沈降させて除去するための沈殿槽26を浄水排出側
に設置した浄化装置における処理槽の縦断側面図であ
る。前述した実施形態と共通する構成手段には同一の参
照符号を付して詳細な説明を省略し、または図示説明を
省略する。
【0056】この実施形態における沈殿槽26は、浄水
7中に含まれる浮遊物質が湖沼に流出しないようにする
と共に、万一、何らかの原因で濾材2が濾過槽1から流
出した場合でも該流出濾材2を沈殿させて除去できるよ
うにして処理対象水域の再汚染を防止するためのもので
ある。沈殿槽26の底に開口する排泥管27は、バルブ
28及び汚泥ポンプ29を介して汚泥溜め30に開放す
る。そして、定期的にバルブ28を開放して汚泥ポンプ
29を運転することにより、沈殿槽26に沈殿して蓄積
された汚泥を汚泥溜め30に移送する。排泥管27を沈
殿槽26の底に開口させた理由は、水分の多い汚泥を極
力濃縮して回収したいためである。
【0057】沈殿槽26の上部水面は、処理対象水域の
水面15よりも高くして放水管31から放出される浄水
32は大きな流速で水域中に放水されるようにしてい
る。従って、浄水32をこの浄化装置のより遠方に拡散
させることができ、浄水32がすぐに水中取水ポンプ1
1で汲み上げられて還流することを防いでいるので、処
理対象水域内を均一に浄化することができる。
【0058】汚泥は極めて多量の水分を含んでおり、単
に沈殿槽26を設けただけではすぐに沈殿槽26内が汚
泥で一杯になってしまい汚泥運搬船による汚泥回収作業
の回数が増えてしまう。沈殿によりある程度濃縮された
汚泥を沈殿槽26の底から汚泥溜め30に移して天日で
乾燥することにより体積を減少させるようにすれば、汚
泥回収の回数を減らすことができる。この考え方を実現
するため、図8に示す実施形態は、沈殿槽26と汚泥溜
め30を浮子13に取り付けて浄化槽1に近接した状態
で水面に浮かべて設置し、汚泥ポンプ29によって沈殿
槽26から引き上げた汚泥を汚泥溜め30に移して日光
により自然乾燥させるようにしている。
【0059】図9は、このような浄化装置を貯水容量約
5000tの溜め池33の中に設置した状態を示してお
り、15日に1回の割りで溜め池33の水を浄化装置で
循環濾過して浄化処理できるようにしたものである。
【0060】なお、浄化処理対象水域の水位が安定して
おり且つこの浄化装置を設置する位置にコンクリートの
底面や壁面などの基盤が確立している場合には、浮子1
3a〜13cを省略し、基盤に濾過槽等を支持させるよ
うにすることもできる。また、逆に浄化処理する水域の
水位が極端に変動したり、あるいは水位が低すぎて浄化
装置の底部が処理対象水域の底に接触して安定した状態
に設置することが困難な場合にも、基盤に濾過槽等を支
持させて設置することができる。
【0061】図10は、沈澱槽26で植物を栽培するよ
うにした浄化装置の実施形態を示している。沈澱槽26
で栽培する植物としては、水に浮遊させて栽培するホテ
イアオイのような浮き草状の水草や、該沈澱槽26内に
浮かべた筏状の栽培床に植え付けて栽培する葦,芹,パ
ピルス等の水生植物が好適である。これらの植物は、好
ましい景観を提供するだけでなく、その根が汚泥成分の
沈降を促進して微小な汚泥成分までも沈降させることが
可能となり、更に汚泥や浄水中の窒素やリンを吸収して
消費する効果を付加する。また、浄化装置に隣接して設
置した浮島の上に樹木や草木を植え付けた植生浮島を設
置している。この植生浮島は、図7に示した実施形態に
おける汚泥溜め30を利用しており、好ましい景観を提
供するだけでなく、汚泥中の窒素やリンを樹木や草木に
吸収させて消費し、更に水分蒸発を助ける効果を付加す
る。
【0062】次に、ソーラー発電によるポンプ等の運転
制御について図11を参照して説明する。この実施形態
は、沈澱槽26内に該槽26内の浄水に酸素を供給する
ための循環ポンプ34を設置している。また、浄化装置
の水中取水ポンプ11を運転するための電力は、ソーラ
ー発電パネル12a,12bからのみ供給するように構
成している。制御装置14の制御機能を維持したり監視
のために必要な最小限の電源を確保するためのバッテリ
ーを搭載しているが、ポンプ等の動力源を運転する電力
はソーラー発電パネル12a,12bからのみ供給する
ようにしている。従って、ソーラー発電パネル12a,
12bの発電能力が低下する曇天の日や夜間は、水中取
水ポンプ11を運転するに足りる電力を確保することが
できないので、装置の運転を停止させることになる。し
かしながら、梅雨時などは高温で曇天が続くことがある
ので、水が淀んだ沈澱槽26内では汚泥が分解され、水
中の酸素が不足して水質が悪化する可能性が高い。この
ような環境に対処するためには、沈澱槽26内の水を、
時々、循環ポンプ34で流動させて表面と内部の水を混
合させながら酸素を供給するようにすることが望まし
い。このような目的で用いる循環ポンプ34はヘッド及
び流量ともに小さいもので足りるので、運転に必要な動
力(消費電力)も小さい。浄化処理容量が1日当り15
00トンの浄化装置において、水中取水ポンプ11に給
電するソーラー発電パネル12a,12bの定格発電量
(晴天時の昼間の発電量)は約1.5kWである。これ
に対して沈澱槽27内の循環ポンプ34を運転するのに
必要な電力は約100Wであり、曇天時でも昼間であれ
ばソーラー発電パネル12a,12bの発電量で充分に
賄える場合が多い。そこで、この実施形態では、ソーラ
ー発電パネル12a,12bの発電量が水中ポンプ11
を運転するには足りないが循環ポンプ34を運転するた
めの電力を賄うことができるときには、ソーラー発電パ
ネル12a,12bの発生電力を循環ポンプ34に供給
して該循環ポンプ34を運転し、沈澱槽26内の水を循
環して曝気するようにした。
【0063】図12は、図11に示した実施形態におけ
る沈澱槽26に設置した循環ポンプ34を詳述してい
る。沈殿槽26は浮子35によって処理対象水域に浮漂
するように設置され、循環ポンプ34は浮子36によっ
て沈殿槽26内の水面に浮漂するように設置され、水面
上に位置するように電動空気圧縮機37が取り付けられ
ている。電動空気圧縮機37は、ソーラー発電パネル
(12a,12b)から電力が供給されると回転して空
気を圧縮して導管38により水中に吹き込んで気泡とし
て上昇させる。この気泡は水中に酸素を補給すると共
に、その上昇に伴って水の流れを引き起こして沈澱槽2
6の内部に水流を発生させる。この水流により沈澱槽2
6内の水が表面と内部で混合され、表面にて大気から水
中に溶け込んだ酸素を沈澱槽27内の全体に行きわたら
せる。
【0064】これまで説明した実施形態は、濾過槽1a
に汲み上げた原水3を濾過槽1a,濾過槽1b,濾過槽
1cを順次に通過させて濾過した後に再び湖沼内に戻す
直列濾過方式であった。以下に示す実施の形態は、1段
若しくは2段の濾過槽をバイパスするバイパス流路を設
けて、様々な環境に適応できるように構成したものであ
る。
【0065】図13に示す実施形態は、水中取水ポンプ
11につながる給水管4の途中にバルブ40a,40
b,40cを設け、各バルブ40a〜40cには給水管
4で送られてくる原水3を分岐して第1段の濾過槽1
a,第2段の濾過槽1b,第3段の濾過槽1cに送る送
水管39a,39b,39cが連結される。バルブ40
a〜40cは電磁バルブであり、図16に示すようなコ
ントローラー58からの制御信号でそれぞれ独立に開閉
制御される。これらのバルブ40a〜40cの開閉によ
り、各濾過槽1a,1b,1cに送る被処理水を制御す
ることができる。この被処理水制御は、水中取水ポンプ
11に供給される電力量や取水する原水の状態や各濾過
槽1での水の状態に応じて次のように実行される。
【0066】水中取水ポンプ11が専らソーラー発電パ
ネル12a,12bからの給電で運転される場合は、該
水中取水ポンプ11に供給される電力量は、天候の状態
で変化する。ソーラー発電パネル12a,12bからの
供給電力が小さい場合には、水中取水ポンプ11の回転
速度も低くなるので、吸い込んだ原水を充分に昇圧する
ことができない。水中取水ポンプ11の昇圧力が原水を
水面15からバルブ40cを経て濾過槽2cに流すこと
ができる程度である場合には、バルブ40cを開き、取
水した原水を濾過槽1cにのみ供給して濾過するように
する。太陽光線が強くなってソーラー発電パネル12
a,12bの発電量が増加し、水中取水ポンプ11に供
給される電力が増加して該水中取水ポンプ11の吐出圧
力が原水を濾過槽1bまで供給できるようになった場合
には、バルブ40cを閉じてバルブ40bを開き、水中
取水ポンプ11で取水した原水を濾過槽1bに供給する
ようにする。濾過槽1bに供給された原水は、該濾過槽
1bを通過して濾過された後に更に濾過槽1cを通過し
て濾過されて放出される。太陽光線が更に強くなってソ
ーラー発電パネル12a,12bの発電量が増加し、水
中取水ポンプ11の吐出圧力が濾過槽1aまで給水でき
る程度に増加した場合には、バルブ40b,40cを閉
じてバルブ40aのみを開き、水中取水ポンプ11で取
水した原水を濾過槽1aに供給するようにする。これに
より、原水は、濾過槽1a,1b,1cを順次に通過し
て濾過される。
【0067】このようなバルブ開閉制御を行うことによ
り、例えば、晴天状態で朝10時〜夕方3時程度が運転
可能な太陽光線を得ることができる時間帯であるような
設置環境において、朝8時〜夕方4時過ぎの時間帯での
運転が可能になる。
【0068】また、秋から冬の期間は、浄化対象の湖沼
では植物プランクトンが減って水質が良くなることが多
い。湖沼における植物プランクトンが減少すると言うこ
とは、濾過槽1内部の微生物の活動も低下し、そもそも
流動床濾過の原理である生物作用による浄化処理能力も
低下することを意味する。このような環境では、濾過槽
1内を上昇する被処理水の流速を落とし、濾過槽内の濾
材を流動させずに、上向き固定床濾過の原理で汚濁物を
物理的に捕捉するようにしたとしても、もともとの被処
理水に含まれる汚濁物(負荷)が少ないため、濾過槽1
が目詰まりすることもなく、能力が低下した流動床濾過
よりも浄化処理効率が高いことがある。
【0069】この現象を考慮して、秋季及び冬季におい
ては、総てのバルブ40a,40b,40cを開き、各
濾過槽1a,1b,1cに並列状態に給水するようにす
る。このようにすると、濾過槽1aには、各濾過槽1a
〜1cに直列に給水するようにした場合の1/3の量の
被処理水が供給される。この水量では濾過槽1a内の濾
材が流動しないようにしておけば、この濾過槽1aでは
上向き固定床濾過が実現される。濾過槽1bには濾過槽
1aを通過した被処理水とバルブ40bを経て供給され
る被処理水が供給される。この水量は、各濾過槽1a〜
1cを直列に連結する場合の2/3の水量となる。濾過
槽中の濾材はある程度の粒径分布を有しているので、こ
の流量では流動しない濾材もかなり存在し、濾過槽1b
では固定床濾過と流動床濾過の混合濾過が実現される。
更に、濾過槽1cでは各濾過槽1a〜1cを直列に連結
した場合と同量の被処理水が供給されるので、この濾過
槽1cでは流動床濾過となる。
【0070】また、この実施の形態では、水中取水ポン
プ11で取水する水量を取水する原水の状態によって変
化させることも可能である。通常時の取水量では、濾過
槽内の濾材のうちで粒径が大きいものが流動を開始する
下限流量になるようにして、固定床濾過と流動床濾過の
混合濾過により濁質の捕捉率を高めるようにする。そし
て、降雨の後などのように原水が粘土状の濁質を多く含
む場合などには、そのような濁質分を捕捉させることは
得策ではないので、取水流量を多くして濾材を完全に流
動化させ、粘土のような濁質分はそのまま流出(通過)
させるようにする。
【0071】更に、濾過槽1aで処理された被処理水の
水質が充分に清浄になっている場合には、図13に示す
ように、バルブ40a,40bを開き、且つ、水中取水
ポンプ11の取水量を定格の2倍とすることで、処理流
量を定格の2倍にして運転することも可能である。この
場合には、濾過槽1aを通過して濾過された被処理水は
連結流路17aを経て濾過槽1bの上部に供給される
が、濾過槽1bには送水管39bを介して濾過定格流量
の原水が供給されているために、濾過槽1aから供給さ
れた被処理水はオーバーフローしてそのまま濾過槽1c
の上部に流下する。濾過槽1cには、濾過槽1aを通過
した被処理水と濾過槽1bを通過した被処理水が合流し
て定格流量の2倍の被処理水が供給されるが、定格流量
分のみが濾過槽1c内を通過して濾過され、残りはその
ままオーバーフローして流下する。
【0072】なお、図13に示す実施の形態では、濾過
槽1aに送水する送水管39aの終端と導水管16aの
始端の間に空間を設け、導水管16aの最上部の高さに
よる水頭で被処理水を流す構造にしているが、この構造
では、どうしても導水管16aが高くなるので、図14
に示す実施形態では、送水管39aと導水管16aを直
結して閉管路とすることにより濾過槽1aにおける水頭
を確保することで装置全体の高さを低くするように工夫
している。
【0073】また、本発明になる浄化装置は、濾過槽1
a,1b,1cを直列状態に連結し、且つ、水中取水ポ
ンプ11で取水する原水量を定格処理容量よりも多くし
て各濾過槽1a〜1cにおいてオーバーフローするよう
な形態で運転できる実施形態とすることも可能である。
例えば、原水の汚濁が著しくて該原水中の溶存酸素が少
ない場合などにこのような運転を実施すると、定格濾過
流量以上の原水は各濾過槽1a〜1cの上部でオーバー
フローし、外気に曝されて自然曝気される。すなわち、
定格濾過流量分は各濾過槽1a〜1c内を通過して濾過
され、それ以上の分はオーバーフローによる落下で自然
曝気されて酸素が補給されるようになる。
【0074】図15は、水中取水ポンプ11で取水する
原水の状態や各濾過槽1a〜1cで濾過された被処理水
の状態をモニターして浄化処理を制御するようにした浄
化装置を示している。水質モニター部51にはパイプ5
2a,52b,52c,52dが連結しており、各パイ
プ52a〜52dは電磁バルブ53a,53b,53
c,53dを開閉制御することで、水中取水ポンプ11
で取水した原水及び各濾過槽1a,1b,1cで濾過し
た被処理水を、それぞれ、水頭差により水質モニター部
51に送り込むようにしている。なお、図15におい
て、格子状構造物50a,50b,50cは、各濾過槽
1a,1b,1cの上部に設置され、メンテナンス作業
時などに作業者が濾過槽1内に転落するのを防止する。
【0075】図16は、図15に示した浄化装置を詳細
に示す制御系のブロック図である。バルブ53a,53
b,53c,53dをそれぞれ開閉制御することにより
パイプ52a,52b,52c,52dを介して試料5
5として水質モニター部51に送られた原水及び各被処
理水は、水質センサー54によって温度,pH,濁度な
どが測定された後にそのまま処理対象水域に放出され
る。水質センサー54は、信号線64でコントローラー
58と電気的に接続されており、測定して得た水質デー
タをコントローラー58に送る。コントローラー58
は、水質の測定や水中ポンプ11の運転制御のように浄
化装置の運転制御に必要な総てのシーケンスをプログラ
ムとして内蔵している。各バルブ53a,53b,53
c,53dの開閉制御もコントローラー58から信号線
65を介して送られる制御信号によって行なわれる。コ
ントローラー58は、その他に、水中取水ポンプ11の
吐出側に設けられた圧力計57や各送水管39a,39
b,39cにそれぞれ設けられた流量計56a,56
b,56cの測定値を信号線68,66を介してモニタ
ーし、それらの値や水質センサー54の測定値あるいは
ソーラー発電パネル(12a,12b)の発電量などに
基づいて、送水管39a,39b,39cにそれぞれ設
けられたバルブ40a,40b,40cを予め設定され
たシーケンスに従って信号線67を介して開閉制御し、
あるいは信号線60で接続された制御装置14を介して
該制御装置14に給電線63を介して接続された水中取
水ポンプ11の運転を制御し、あるいは図11及び図1
2を参照して説明した沈澱槽26内の循環ポンプ34の
運転を制御する。
【0076】コントローラー58は、更に、無線装置5
9を備え、前記各モニターの値や浄化装置の運転状態を
電波69を使用して陸上の管理棟(図示せず)に無線連
絡する。管理棟では送信されてきたデータを解析し、場
合によっては、コントローラー58に内蔵されているシ
ーケンスプログラムの変更を無線通信で実行できるよう
にする。
【0077】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば次のよう
な効果が得られる。
【0078】被処理水導入部と放水部が水面よりも高く
なるように濾過槽を処理対象水域に設置したことにより
メンテナンス作業が容易な浄化装置とすることができ
る。
【0079】また、濾過槽の下部を処理対象水域に水没
させて設置したことにより、水上に露出する部分を低く
することができ、従って、取水ポンプの揚程が低くすな
るので消費するエネルギーが低減する。また、濾過槽に
供給する被処理水を大気に開放して大気中の酸素を被処
理水に補給するようにしているので曝気用の動力を低減
することができ、従って、曝気のための消費エネルギー
を低減することができる。
【0080】また、流動床方式の濾過槽内を分割して複
数の流路を形成して槽内の被処理水の流れを均一にして
流動床を安定させることにより、浄化処理性能を安定さ
せることができる。
【0081】また、濾過槽から放出される浄水に含まれ
る浮遊物を沈殿槽で沈降させて除去するようにしたこと
により、湖沼の再汚染をすることを防止するがでる。
【0082】また、沈殿槽に沈殿した汚泥を汚泥溜めに
引き上げて乾燥させるようにしたことにより、浄化装置
からの汚泥の回収作業の回数を低減することができる。
【0083】また、濾過槽を通過した水を溜める容器を
設け、前記容器内で植物を栽培するようにしたことによ
り、浄化装置を設置することによる景観の低下を防止す
ることができる。
【0084】また、被処理水を複数の濾過槽に対して直
列または並列関係に通水して濾過処理させ、また、原水
や被処理水の水質に応じた通水量で浄化処理させること
ができるようにしたので、様々な環境に対応することが
できる。
【0085】また、ソーラー発電量に応じて濾過槽に対
する給水方法を制御し、また沈殿槽内の浄水を循環させ
て酸素を補給する曝気用の循環ポンプを設け、ソーラー
発電力が低下したときにも浄化処理を継続するような運
転制御を行なうようにしたので、ソーラー発電電力を有
効に活用した浄化処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる浄化装置で採用する流動床式濾過
の原理を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す浄化装置の外観斜視
図である。
【図3】本発明の前記実施の形態における流動床式濾過
槽の縦断側面図である。
【図4】本発明の前記実施の形態における流動床式濾過
槽の横断平面図である。
【図5】本発明の前記実施の形態における制御装置の電
気的回路図である。
【図6】本発明の前記実施の形態における浄化装置の設
置状態を示す側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である処理槽の縦断側
面図である。
【図8】本発明の更に他の実施の形態を示す浄化装置の
外観斜視図である。
【図9】図8に示した浄化装置を湖沼内に設置した状態
を示す平面図である。
【図10】本発明の更に他の実施の形態を示す浄化装置
の外観斜視図である。
【図11】本発明の更に他の実施の形態を示す浄化装置
の外観斜視図である。
【図12】図11に示した浄化装置における沈澱槽の部
分を示す縦断側面図である。
【図13】本発明の更に他の実施の形態を示す流動床式
濾過槽の縦断側面図である。
【図14】本発明の更に他の実施の形態を示す流動床式
濾過槽の縦断側面図である。
【図15】本発明の更に他の実施の形態の浄化装置の設
置状態を示す側面図である。
【図16】図15に示した浄化装置における制御系を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1,1a〜1c…流動床式濾過槽、2,2a〜2c…濾
材、3…原水(湖沼水)、4…給水管、6…放水管、7
…浄水、11…水中取水ポンプ、12a,12b…ソー
ラー発電パネル、13a〜13c…浮子、14…制御装
置、15…水域水面、16a〜16c…導水管、17a
〜17c…連結流路(樋)、19…バッテリー、21…
切り換えリレー、22…外部電源、24a,24b…ワ
イヤロープ、25a,25b…アンカー、26…沈殿
槽、30…汚泥溜め、34…循環ポンプ、51…水質モ
ニター部、58…コントローラー。
フロントページの続き (72)発明者 水守 隆司 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 高木 武夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 依田 裕明 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内 (72)発明者 小林 和男 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 岡島 裕明 茨城県土浦市神立町603番地 日立土浦エ ンジニアリング株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽を備えた浄化装置において、 処理対象水域から取水し、前記処理対象水域の水面より
    も高い位置に設けられた前記濾過槽の被処理水導入部に
    供給する取水ポンプと、前記処理対象水域の水面よりも
    高い位置に設けられ、前記濾過槽を通過した浄水を放出
    する放水部とを設けたことを特徴とする浄化装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記濾過槽は、その下
    部が前記処理対象水域に水没するように設置されたこと
    を特徴とする浄化装置。
  3. 【請求項3】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽を備えた浄化装置において、 処理対象水域から取水し、前記処理対象水域の水面より
    も高い位置に設けられた前記濾過槽の被処理水導入部に
    供給するポンプと、前記処理対象水域の水面よりも高い
    位置に設けられ、前記濾過槽を通過した浄水を放出する
    放水部と、前記濾過槽に被処理水を供給する前に該被処
    理水を大気に開放する手段とを設けたことを特徴とする
    浄化装置。
  4. 【請求項4】下部に導入された被処理水を内部の濾材を
    通過させた後に上部から排出する濾過槽を備えた浄化装
    置において、 前記濾過槽内部を被処理水が流れる方向に並列状態の複
    数の流路を形成するように分割したことを特徴とする浄
    化装置。
  5. 【請求項5】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽と、前記処理対象水域の水を前記濾過槽に供
    給する手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した浄水を溜めて汚泥成分を沈降させ
    る容器を設けたことを特徴とする浄化装置。
  6. 【請求項6】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽と、処理対象水域の水を前記濾過槽に供給す
    る手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した水を溜めて汚泥成分を沈降させる
    第1容器と、汚泥を蓄積する第2容器と、前記第1容器
    の底部に吸入口が設置されて該第1容器内の汚泥を前記
    第2容器に排出する手段とを設けたことを特徴とする浄
    化装置。
  7. 【請求項7】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽と、前記処理対象水域の水をこの濾過槽に供
    給する手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した水を溜める容器を設け、前記容器
    内で植物を栽培するようにしたことを特徴とする浄化装
    置。
  8. 【請求項8】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽と、前記処理対象水域の水を前記濾過槽に供
    給する手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した浄水を溜める容器と、前記容器内
    の浄水を曝気する手段とを設けたことを特徴とする浄化
    装置。
  9. 【請求項9】処理対象水域に設置され、内部に濾材を有
    する濾過槽と、前記処理対象水域の水を前記濾過槽に供
    給する給水手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した浄水を溜める容器と、前記容器内
    の浄水を曝気する曝気手段と、前記給水手段及び前記曝
    気手段に電力を供給する太陽発電手段とを設け、前記曝
    気手段の電力消費量を前記給水手段の電力消費量よりも
    少なく設定したことを特徴とする浄化装置。
  10. 【請求項10】処理対象水域に設置され、内部に濾材を
    有し、上部に吸水口と排水口を備えたそれぞれ高さの異
    なる複数の濾過槽と、前記処理対象水域から取水して前
    記濾過槽に給水する取水手段と、前記各濾過槽毎に設け
    られた給水口に前記取水手段からの被処理水を導入する
    手段と、最も高い濾過槽を除いた前記各濾過槽に前段の
    濾過槽からの被処理水を該濾過槽の給水口に導入する手
    段とを備えたことを特徴とする浄化装置。
  11. 【請求項11】処理対象水域に設置され、内部に濾材を
    有し、上部に吸水口と排水口を備えたそれぞれ高さの異
    なる複数の濾過槽と、前記処理対象水域から取水して前
    記濾過槽に給水する取水手段と、前記取水手段に電力を
    供給する太陽発電手段と、前記各濾過槽毎に設けられた
    給水口に前記取水手段から被処理水を並列に導入する被
    処理水並列導入手段と、これらの被処理水並列導入手段
    毎に設けられた開閉手段と、最も高い濾過槽を除いた前
    記各濾過槽に設けられて前段の濾過槽からの被処理水を
    給水口に導入する被処理水直列導入手段と、前記太陽発
    電手段の発電量に応じて前記開閉手段を制御する手段と
    を備えたことを特徴とする浄化装置。
  12. 【請求項12】処理対象水域に設置され、内部に濾材を
    有し、上部に吸水口と排水口を備えたそれぞれ高さの異
    なる複数の濾過槽と、前記処理対象水域から取水して前
    記濾過槽に給水する取水手段と、前記取水手段に電力を
    供給する太陽発電手段と、前記各濾過槽毎に設けられた
    給水口に前記取水手段からの被処理水を並列に導入する
    被処理水並列導入手段と、これら被処理水並列導入手段
    毎に設けられた開閉手段と、最も高い濾過槽を除いた前
    記各濾過槽に設けられて前段の濾過槽の被処理水を給水
    口に導入する処理水直列導入手段と、前記被処理水の水
    質を検出する手段と、前記水質検出手段の出力に基づい
    て前記開閉手段を制御する手段とを備えたことを特徴と
    する浄化装置。
  13. 【請求項13】処理対象水域に設置され、内部に濾材を
    有する濾過槽と、前記処理対象水域の水を前記濾過槽に
    供給する手段を備えた浄化装置において、 前記濾過槽を通過した水を溜めて汚泥成分を沈降させる
    第1容器と、第1容器に沈殿した汚泥を移動して蓄積す
    る第2容器を設け、前記第1容器内で水生植物を栽培
    し、第2容器内に草木を植え付けたことを特徴とする浄
    化装置。
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