JPH0947759A - 排水処理方法 - Google Patents

排水処理方法

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JPH0947759A
JPH0947759A JP21984595A JP21984595A JPH0947759A JP H0947759 A JPH0947759 A JP H0947759A JP 21984595 A JP21984595 A JP 21984595A JP 21984595 A JP21984595 A JP 21984595A JP H0947759 A JPH0947759 A JP H0947759A
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water
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aromatic
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Takeshi Morinaga
豪 森永
Takashi Nishimura
隆 西村
Sumi Mori
寿美 森
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水に含まれる微量の芳香族炭化水素を、高
い効率で経済的に有利に除去する。 【解決手段】 アルキルベンゼン、スチレンなどの芳香
族化合物を含む被処理水を、オレフィン又はジエンを単
量体とする単独又は共重合体で構成された高分子吸着剤
と接触させ、前記芳香族化合物を吸着除去する。芳香族
化合物には、揮発性芳香族炭化水素類などが含まれ、被
処理水中の芳香族化合物の濃度は1〜1000ppm程
度である。高分子吸着剤には、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのオレフィン系樹脂が使用でき、粒状、ペレ
ット状などいずれの形態であってもよい。吸着処理の
後、被処理液は、活性汚泥法などの生物学的処理工程に
供してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子吸着剤によ
り、排水中の芳香族化合物の濃度を低下させ、活性汚泥
法などの生物学的処理により効率的に処理する上で有用
な排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学工場などから排出される排水中に
は、芳香族炭化水素を含有するものが多く、これらの排
水は、通常、活性炭などによる吸着処理や活性汚泥法な
どの生物学的処理に供された後、排水されたり、処理水
として再利用される。しかし、活性炭は高価であるの
で、主に小規模の排水に適用され、大規模に排水する施
設では、主に生物学的処理、特に好気的生物学的処理で
ある活性汚泥法による処理が行われる場合が多い。
【0003】前記芳香族炭化水素は、一般に揮発性で悪
臭を生成させるとともに、生物学的処理によって分解、
資化されにくく、濃度が低下しにくい。そのため、この
ような芳香族炭化水素を含む排水を、曝気槽で大量の空
気と接触させる活性汚泥法により処理すると、排水中の
芳香族炭化水素が気化して大気中に放出され、悪臭の原
因となったり、環境を汚染する虞れがある。このような
悪臭の発生や環境汚染を防ぐためには、密閉型の曝気槽
を用いて、排出ガスを再処理して芳香族炭化水素を分離
する必要があり、処理工程が複雑化する。従って、より
簡便な排水処理方法の開発が望まれている。
【0004】特開昭61−254289号公報には、高
分子吸着剤と、有機物質を含む水流とを接触させて吸着
処理し、吸着した有機物質を溶剤を用いて吸着剤から分
離し、有機物質を含む溶剤の少なくとも一部を蒸発させ
て、多相系を生成させ、溶剤の多い蒸気を凝縮して液化
し、この液体を循環させる水処理法が開示されている。
この文献には、有機物質として、ナフタレンなどの多核
芳香族化合物、エチルベンゼンなどのアルキルベンゼン
などが記載され、高分子吸着剤材としては、スチレン重
合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル
エステル、トリメチロールプロパントリメタクリレート
及びトリメチロールプロパンジアクリレートの重合体が
記載されている。
【0005】特開昭55−49186号公報には、油分
及び金属微粒子などを含む水溶液を、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレンなどの親油性繊維からなる
塊状吸着材と接触させて、前記油分などを吸着除去し、
得られた濾過水をさらに多孔質中空糸膜外面に接触さ
せ、中空糸膜内部から浄化水を回収する汚染水の浄化方
法が開示されている。また、特開平6−15261号公
報には、ポリエチレン及びエチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体の混合物を溶融押出し、発泡させて得られる
発泡体ペレットからなる高分子油吸着剤が開示されてい
る。これらの文献は、いずれも、機械油や重油などの油
分を除去しており、水に含まれる微量の揮発性の芳香族
炭化水素(すなわち、水に対して溶解した微量の芳香族
炭化水素)を除去する方法は開示されていない。特に、
オレフィン系樹脂により、芳香族化合物を高い効率で除
去できることについては開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、排水に含まれる芳香族炭化水素を、高い効率で効率
よく除去できる排水処理方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、プラスチック廃材などを有効に利用
しつつ、排水中に溶解する微量の芳香族化合物を経済的
に有利に除去できる排水処理法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、生物学的処理に先だって、
排水中の芳香族炭化水素の含有量を低減する前処理とし
て好適な排水処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、高分子(特に、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂)の
廃材を充填した処理槽に、微量の芳香族炭化水素を含む
被処理水を流すと、被処理水中の芳香族化合物を効率よ
く除去できることを見いだし、さらに検討を重ねること
により、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の方法では、芳香族化合
物を含む被処理水を、高分子吸着剤で処理し、前記芳香
族化合物を除去する。この方法において、高分子吸着剤
は、オレフィン又はジエンを単量体とする単独又は共重
合体、例えば、オレフィン系樹脂で形成してもよく、粒
状、ペレット状などの高分子で構成してもよい。前記芳
香族化合物には、揮発性芳香族炭化水素類又はその誘導
体、例えば、アルキルベンゼン、芳香族ビニル化合物な
どが含まれる。前記被処理水中の芳香族化合物の濃度
は、例えば、1〜1000ppm程度であってもよい。
本発明の他の態様においては、メチル基、エチル基、ビ
ニル基から選択された少なくとも一種の置換基を1〜3
個有するベンゼン誘導体を含有する被処理水を、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、又はエチレン−プロピレン共
重合体の破砕物で構成された高分子と接触させ、前記芳
香族化合物を吸着除去してもよい。なお、本明細書にお
いて、「高分子吸着剤」「吸着」とは、細孔構造による
物理的又は化学的吸着機構に限らず、物理化学的な親和
力などによる吸着や固相への溶質分子の拡散などを含む
広い概念で用い、吸着能を付与する処理及び加工が施さ
れていない高分子も本発明の高分子吸着剤に含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】前記被処理水中に含まれる芳香族
化合物の種類は特に制限されず、例えば、ピリジンなど
の芳香族複素環化合物であってもよいが、芳香族炭化水
素類及びその誘導体などが含まれる。芳香族炭化水素類
及びその誘導体には、例えば、ベンゼン;アルキル基を
有する芳香族炭化水素、例えば、トルエン、エチルベン
ゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、ア
ミルベンゼンなどのモノ−C1-10アルキル−ベンゼン
(好ましくはモノ−C1-4 アルキル−ベンゼン)、o
−,m−又はp−キシレン、シメンなどのジ−C1-10
ルキル−ベンゼン(好ましくはジ−C1-4 アルキル−ベ
ンゼン)、トリメチルベンゼン(ヘミメリテン、プソイ
ドクメン、メシチレン)、テトラメチルベンゼン(プレ
ニテン、イソジュレン、ジュレン)などのアルキルベン
ゼンなど;スチレン、α−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−ビニルナフタリン、ジビニルベンゼンな
どの芳香族ビニル化合物;ビフェニル、ジフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン、スチルベンなどの複数の芳香
環を有する環集合芳香族炭化水素;インデン、ナフタリ
ン、テトラリン、アントラセン、フェナントレンなどの
縮合環式芳香族炭化水素;官能基を有する芳香族炭化水
素(例えば、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、
ブロモベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物、フェノー
ル、クレゾールなどのフェノール系化合物、ベンジルア
ルコールなどの芳香族アルコール、安息香酸、テレフタ
ル酸などの芳香族カルボン酸、安息香酸アルキルエステ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどの芳香族
エステル、ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香
族エーテル、アニリンなどの芳香族アミン、ニトロベン
ゼンなどの芳香族ニトロ化合物など)などが挙げられ
る。被処理水は、これらの芳香族化合物を単独で又は二
種以上含んでいてもよい。
【0010】本発明は、ろ過、沈殿や遠心分離などでは
分離できない芳香族化合物、好ましくは室温(10〜3
5℃)で液体の化合物、特に室温で揮発性を有する液体
化合物を含む被処理水の処理に好適である。さらに、芳
香族化合物は、水に対して可溶であってもよく、懸濁又
は分散してもよいが、本発明は、水に対して僅かに溶解
する水不溶性又は難溶性化合物を除去するのに有用であ
る。本発明の方法では、前記揮発性の芳香族化合物、微
量だけ溶解している芳香族化合物を効率よく除去でき
る。そのため、被処理水を、さらに他の排水処理、例え
ば生物学的処理に供しても、処理中に芳香族化合物が揮
発して悪臭を発したり、大気汚染のおそれが殆どない。
【0011】そのため、好ましい芳香族化合物には、室
温で液体で、揮発性を有する水不溶性又は難溶性芳香族
化合物であり、微量が水に対して溶解する化合物、例え
ば、ベンゼン、アルキル基の炭素数が1〜10(好まし
くは炭素数1〜4)程度のアルキルベンゼン(例えば、
トルエン、エチルベンゼン、キシレンなど)、芳香族ビ
ニル化合物(例えば、スチレンなど)が含まれる。特
に、本発明は、炭素数1又は2程度のアルキル基(すな
わち、メチル基やエチル基)、ビニル基から選択された
置換基を1〜3個程度有するベンゼン誘導体(アルキル
ベンゼン、スチレンなど)を除去する上で好適である。
被処理水中の芳香族化合物の含有量は、例えば、1〜1
000ppm、好ましくは5〜700ppm、より好ま
しくは10〜500ppm(例えば100〜300pp
m)程度である場合が多い。なお、被処理水は、前記芳
香族化合物以外に、種々の無機物、溶解性有機物などの
有機物を含有していてもよい。
【0012】前記被処理水には、吸着処理に先だって、
例えば、ろ過、貯溜、普通沈殿、自然浮上、中和、凝集
沈殿、加圧浮上などの一次処理を施してもよい。このよ
うな一次処理により、被処理水中の粗大固形物質、浮遊
物質などが除去され、排水の処理効率を高めることがで
きる。
【0013】本発明の特色は、吸着工程において、前記
芳香族化合物を含む被処理水を、高分子吸着剤で処理
し、芳香族化合物を除去する点にある。高分子吸着剤と
しては、芳香族化合物に対して吸着能や親和力を有する
限り、各種のポリマー(例えば、ポリメタクリル酸メチ
ルなどのアクリル樹脂、ナイロンなどのポリアミド、ポ
リカーボネートなど)が使用できるが、ポリスチレンな
どのスチレン系樹脂、オレフィン又はジエンを単量体と
する単独又は共重合体で形成されているのが好ましい。
オレフィンを単量体とする単独又は共重合体(オレフィ
ン系樹脂)には、例えば、エチレン、プロピレン、ブテ
ン−1、ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、4−
メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オ
クテン−1、ノネン−1、デセン−1などの炭素数2〜
10程度のα−オレフィンを構成単位として含む重合体
又は共重合体が含まれる。好ましいα−オレフィンに
は、炭素数2〜6程度、特に炭素数2〜4程度のα−オ
レフィン(なかでもエチレン及びプロピレン)が含まれ
る。
【0014】オレフィン系樹脂には、ポリエチレン(例
えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレンなど);エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−3−メ
チルペンテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペン
テン−1共重合体などのエチレンと炭素数3〜6程度の
α−オレフィンとの共重合体;ポリプロピレン;プロピ
レン−ブテン−1共重合体、プロピレン−3−メチルペ
ンテン−1共重合体、プロピレン−4−メチルペンテン
−1共重合体などのプロピレンと炭素数4〜6程度のα
−オレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレン−ジ
エン共重合体などが含まれる。
【0015】ジエンを単量体とする単独又は共重合体に
は、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,4−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,5−デカジエンなどの炭素
数4〜10程度のアルカジエンを構成単位として含む重
合体が含まれる。特にブタジエンを単量体とする単独又
は共重合体が好ましい。このようなジエン系重合体とし
ては、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが
例示できる。これらの高分子は、単独で又は二種以上組
み合わせて使用できる。
【0016】好ましい吸着剤を構成する高分子には、オ
レフィン系樹脂、特に、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などが含まれる。な
お、芳香族化合物を除去するためには、親和性などの点
から、通常、芳香族性の高分子、例えば、ポリスチレン
などが好ましいと考えられる。しかし、本発明者らが検
討したところ、意外にも、芳香環を有しないオレフィン
系樹脂やジエン系樹脂を用いて処理すると、水に溶解し
た微量の芳香族化合物を高い除去率で効率よく除去でき
る。さらに、吸着能を付与するための特別な処理や加工
が施されていない高分子(例えば、オレフィン系樹脂な
ど)であっても、芳香族化合物を効率よく除去するのに
有用である。
【0017】吸着剤を構成する高分子は、芳香族化合物
に対する親和性、吸着性などの特性を損なわない範囲
で、慣用の種々の添加剤、例えば、可塑剤;酸化防止
剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定剤;充填剤や補
強剤(例えば、ゼオライト、タルク、マイカ、炭酸カル
シウム、シリカ、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維な
ど);滑剤;帯電防止剤;アンチブロッキング剤;着色
剤;難燃剤;発泡剤などを含有していてもよい。
【0018】前記高分子吸着剤の比表面積は、通常、2
cm2 /g以上(例えば、2〜10000cm2
g)、好ましくは5cm2 /g以上(例えば5〜300
0cm2/g)、より好ましくは10〜1000cm2
/g程度であり、高分子吸着剤は、10〜100cm2
/g(例えば20〜50cm2 /g)程度の比表面積を
有する場合が多い。なお、高分子吸着剤による吸着速度
は、吸着剤の表面積に略比例すると考えられる。従っ
て、通水性などの作業性を損なわない範囲で、吸着剤の
比表面積は大きい方が好ましいが、本発明の処理方法に
よれば、比表面積が10〜100cm2 /g(例えば、
20〜50cm2 /g)程度であっても、効率よく被処
理水中の芳香族化合物を吸着除去できる。なお、高分子
吸着剤は、発泡していてもよい。このような発泡した高
分子吸着剤は、比表面積が大きく、吸着速度が高い場合
が多い。
【0019】高分子吸着剤の形状は、処理効率を損なわ
ない限り特に限定されず、粉粒状、ペレット状、繊維
状、棒状、不定形の破砕状などいずれの形状であっても
よい。高分子吸着剤は、粉粒状(特に粒状)、ペレット
状又は破砕状である場合が多い。さらに、ペレット状や
破砕状高分子は、廃材プラスチックを切断、粉砕などに
より得ることができ、経済的に有利である。破砕物で構
成された高分子吸着剤は、比較的比表面積も大きく、安
価であるとともに、プラスチックを回収して再利用する
上で有用である。特に、プラスチック廃棄物の破砕物で
高分子吸着剤を構成すると、プラスチック廃材の有効利
用が可能であるとともに、芳香族化合物を高い効率で円
滑に除去できる。
【0020】高分子吸着剤の平均粒径は、通水性を損わ
ない範囲で選択できるが、通常、0.1〜20mm、好
ましくは0.5〜10mm(例えば、1〜10mm)程
度である場合が多い。
【0021】本発明の方法によれば、排水に含まれる芳
香族化合物、特に蒸留、ろ過などの精製手段に供しても
分離することが困難な芳香族化合物(水に対して微量に
溶解している芳香族化合物)であっても、高分子吸着剤
と接触させるという簡単な操作で安価に効率よく除去で
き、芳香族化合物の含有量を大きく低減できる。そのた
め、高分子吸着剤で一次処理した排水などの被処理液を
生物学的処理に供しても、生物学的処理における負荷お
よび悪臭や環境汚染の発生などを大きく低減できる。
【0022】本発明において、前記吸着処理された被処
理水は、必要に応じて、さらに生物学的処理に供し、処
理効率を高めてもよい。前記生物学的処理には、被処理
水の種類に応じて、慣用の処理、例えば、好気的生物学
的処理(例えば、活性汚泥処理、散水濾床処理、酸化池
処理、回転円盤処理、生物的硝化・脱窒素処理、好気的
消化処理など)と嫌気的生物学的処理(例えば、メタン
発酵処理(嫌気的消化処理)など)が含まれる。好まし
い生物学的処理には、例えば、好気的生物学的処理、特
に曝気工程を含む活性汚泥処理が含まれる。この活性汚
泥処理において、例えば、被処理水のpH、水温、酸素
量(曝気量)、微生物の種類と量、流入水量、汚泥返送
量などは、排水中に含有される成分の種類、量、濃度な
どに応じて適宜選択できる。
【0023】前記吸着工程と生物学的処理とを組み合わ
せると、予め吸着処理するので、生物学的処理単独で
は、処理効率が低く、被処理水中の濃度が低下しにくい
芳香族化合物であっても、生物学的処理を効率よく行う
ことができる。そのため、生物学的処理を行った後の被
処理水は、さらに高度処理する必要がない。
【0024】なお、本発明の方法は、前記芳香族化合物
を含む種々の被処理水に適用できるが、被処理水の生物
学的酸素要求量(BOD)は、通常、1〜50000m
g/リットル、好ましくは10〜10000mg/リッ
トル、より好ましくは50〜5000mg/リットル程
度である場合が多い。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法では、高分子吸着剤で処理
するので、排水に含まれる芳香族炭化水素類を、高い効
率で除去できる。そのため、生物学的処理に先だって、
排水中の芳香族炭化水素類の含有量を低減する前処理と
して好適である。また、芳香族炭化水素類を含む排水で
あっても、悪臭の発生などを抑制しつつ、効率よく生物
学的処理を行うことができる。特に、プラスチック廃材
などのオレフィン系樹脂やその破砕物を吸着剤として用
いると、排水中に溶解した微量の芳香族化合物であって
も、高い効率で経済的に有利に安価に除去でき、処理効
率を高めることができる。そのため、プラスチック廃材
を有効に利用できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、被処理水中の芳香族化合物の含有
量の測定は、水中の全有機炭素量(TOC)を測定する
ことにより行った。TOC測定:酸化触媒を充填した高
温燃焼管中で、試料中の炭素物質を燃焼、分解させ、生
成したCO2 濃度を非分散型赤外線ガス分析計で定量
し、全炭素量(TC)を求めた。一方、試料中の有機物
が分解されない温度(約150℃)に保った低温燃焼管
から生成するCO2 濃度を定量し、無機体炭素量(I
C)を求めた。TCとICの差から、全有機炭素量(T
OC)を算出した。
【0027】吸着による芳香族化合物の除去率(%)は
下記式に従って算出した。 除去率(%)=[(TOCi−TOCt)/TOCi]×100 (式中、TOCは処理開始時のTOCを表し、TOC
は処理後のTOCを表す) 実施例1〜3 芳香族化合物として、スチレン150ppm、トルエン
40ppm及びエチルベンゼン50ppmを含む排水5
00mlを、それぞれ3つのフラスコに入れた。前記フ
ラスコに、下記の粒状ポリエチレン10g又は粒状ポリ
スチレン10gを添加し、マグネチックスターラーで撹
拌しながら処理し、TOCの経時変化を測定した。
【0028】実施例1:粒状高密度ポリエチレン(HD
PE;三井日石(株)製,商品名707;平均直径3.
8mm,厚み2.6mmの偏球状ペレット) 実施例2:粒状低密度ポリエチレン(LDPE;三井日
石(株)製,商品名128;平均直径4.0mm,厚み
2.0mmの偏球状ペレット) 実施例3:粒状ポリスチレン(ダイセル化学工業(株)
製;平均直径4.0〜5.0mm,厚み2.5〜4.0
mmの偏球状ペレット) その結果、処理開始から48時間経過後の芳香族化合物
の除去率は、実施例1で70%、実施例2で80%、お
よび実施例3で50%であった。
【0029】実施例4〜6 実施例2で用いた粒状低密度ポリエチレンの使用量を1
0g(実施例4)、20g(実施例5)および50g
(実施例6)とし、処理時間を2時間とする以外は実施
例1と同様にして、排水を処理したところ、芳香族化合
物の除去率は、実施例4で65%、実施例5で75%、
実施例6で80%であった。
【0030】実施例7 芳香族化合物として、スチレン150ppm、トルエン
40ppm及びエチルベンゼン50ppmを含有する排
水500mlを、ポリエチレン((株)サンプラテック
製)の容器(容積500ml、内表面積566cm2
に入れて静置し、TOCの経時変化を測定し、芳香族化
合物の除去率を算出した。その結果、処理開始から48
時間経過後の除去率は、75%であった。また、吸着し
た各成分の量をガスクロマトグラフィーにより測定し、
各成分の除去率を算出したところ、スチレンの除去率は
80%、トルエンの除去率は60%、エチルベンゼンの
除去率は80%であった。
【0031】実施例8および9 ポリエチレン製容器に代えて、ポリプロピレン((株)
サンプラテック製)の容器(実施例8)又はスチレン−
ブタジエン共重合体((株)サンプラテック製)の容器
(実施例9)を用いる以外は実施例7と同様にして、排
水を処理したところ、48時間経過後の芳香族化合物の
除去率は、実施例8で65%、実施例9で85%であっ
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族化合物を含む被処理水を、高分子
    吸着剤で処理し、前記芳香族化合物を除去する排水処理
    方法。
  2. 【請求項2】 高分子吸着剤が、オレフィン又はジエン
    を単量体とする単独又は共重合体で形成されている請求
    項1記載の排水処理方法。
  3. 【請求項3】 高分子吸着剤がオレフィン系樹脂である
    請求項1記載の排水処理方法。
  4. 【請求項4】 高分子吸着剤が粒状、ペレット状の高分
    子で構成されている請求項1記載の排水処理方法。
  5. 【請求項5】 芳香族化合物が、揮発性芳香族炭化水素
    類又はその誘導体である請求項1記載の排水処理方法。
  6. 【請求項6】 芳香族化合物が、アルキルベンゼン又は
    芳香族ビニル化合物である請求項1記載の排水処理方
    法。
  7. 【請求項7】 芳香族化合物を濃度1〜1000ppm
    で含む被処理水を吸着処理する請求項1記載の排水処理
    方法。
  8. 【請求項8】 メチル基、エチル基、ビニル基から選択
    された少なくとも一種の置換基を1〜3個有するベンゼ
    ン誘導体を含有する被処理水を、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、又はエチレン−プロピレン共重合体の破砕物
    で構成された高分子と接触させ、前記芳香族化合物を吸
    着除去する排水処理方法。
JP21984595A 1995-08-04 1995-08-04 排水処理方法 Pending JPH0947759A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7074356B2 (en) * 1999-03-16 2006-07-11 Brightwater Engineering Limited Use of pre-sorted plastic material wastes and process for producing a granular material as a filter for the purification of sewage
JP2013071057A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Toshiba Corp 水処理装置
JP2016104464A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 国立研究開発法人物質・材料研究機構 吸着除去フィルター及び吸着除去方法

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