JPH0947050A - 磁気エネルギー取り出し装置とそれを用いたエネルギー取り出し装置 - Google Patents

磁気エネルギー取り出し装置とそれを用いたエネルギー取り出し装置

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JPH0947050A
JPH0947050A JP22244495A JP22244495A JPH0947050A JP H0947050 A JPH0947050 A JP H0947050A JP 22244495 A JP22244495 A JP 22244495A JP 22244495 A JP22244495 A JP 22244495A JP H0947050 A JPH0947050 A JP H0947050A
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JP
Japan
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central
disc
extraction device
magnet
energy extraction
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JP22244495A
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Hidemi Yoshida
秀実 吉田
Hiroshi Shinomiya
浩 四之宮
Noritoshi Yamaguchi
文紀 山口
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BEESEI KK
Original Assignee
BEESEI KK
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁石に内在するエネルギーを、高度な機械的構
造によって取り出すことで、入力側の回転力よりも大き
い回転出力を得ること。 【解決手段】円板の外周に沿って、複数の磁石または磁
石帯が配置された回転自在の中央円板と、この中央円板
の周囲に、互いに隣接し合う位置関係で回転可能に設け
られた複数の円板であって、当該円板の外周に沿って複
数の磁石帯が配置された外側円板とを備え、中央円板の
回転中心軸を入力軸とする一方、複数枚の外側円板の回
転を中央円板から機械的に動力が伝達されることのない
1本の回転軸に合成してこれを出力軸とした磁気エネル
ギー取り出し装置とし、更に同装置の出力軸を、円板状
磁石によって銅円板をその表裏から挟み込んだ回転体の
回転中心に回転軸を設け、銅円板の外周縁と回転軸との
間に取り出し電極をそれぞれ設けた空間エネルギー取り
出し装置の前記回転軸に接続してエネルギー取り出し装
置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石に内在するエ
ネルギーを、高度な機械的構造によって取り出すこと
で、入力側の回転力よりも大きい回転出力を得ることの
できるエネルギー技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以前より磁石には、興味深い現象や作用
が知られており、その応用機器も多くのものが提案され
ている。その一つにNマシンがある。これは最近になっ
て世界的に注目を集めている空間エネルギー取り出し装
置であり、マイケル・ファラデーによって1831年に
発見されたN現象を利用したものである。このNマシン
とは、図8に示すように、表裏に磁極が存在する円板状
磁石11によって銅円板13をその表裏から挟み込んで
回転体15が構成され、この回転体15の回転中心には
導電体の回転軸17が、また銅円板13の外周縁と前記
導電体の回転軸17との間には取り出し電極19がそれ
ぞれ設けられた空間エネルギー取り出し装置21であ
り、回転軸17を回転させて取り出し電極19間より電
流を取り出すものである。そしてこれは、通産省工業技
術院電子技術総合研究所の主任研究官である猪股修二氏
の著書、KKロングセラーズ発行「超常現象には”絶対
法則”があった!」の中に述べられている。以下、同書
の内容を参照しつつ、Nマシンについて説明する。
【0003】このNマシンによれば、回転軸17と銅円
板13の外周縁との間で小さな直流電圧が発生する。そ
して発生する直流電圧は小さいながら、非常に大きな電
流が得られることがこのN現象の特徴である。さらに重
大な点は、Nマシンの場合その特徴的な構造からみて、
回転するNマシンから電力を取り出してもその駆動トル
クが増加しないことが予想される点にある。すなわち、
通常の物理学のエネルギー保存則が破れるのではないか
ということが考えられる。実際には10年以上前から、
米国のデ・パルマ氏、インドのテワリ氏らの実験によっ
て、Nマシンにおいては通常の物理学のエネルギー保存
則が破れていることが確認されている。そして、このよ
うなNマシンによって得られる現象は、実験事実として
得られるものであるので、自然法則に反するものではな
く、むしろそれを支配する自然法則が現代物理学によっ
て明らかにされていないだけのことであると考えざるを
得ない。この場合、現代の物理学のエネルギー保存則で
は説明されない余分の電気エネルギーがどこから来るの
か、ということが問題となる。ニューサイエンスの立場
では、我々の周囲の空間、すなわち真空は“影のエネル
ギー”、“影の電荷”に満ちた海であると考えられる。
従って、この余分なエネルギーは、空間や真空から流入
するものと考えるべきである。
【0004】Nマシンは現在インド、スイス、米国、日
本等で研究されており、日本では一大学、二企業で特に
熱心に研究されている。しかしこのようなNマシンで
は、Nマシンそのものを回転させるのにエネルギーを要
し、また駆動モーターの損失もあるという点が現在の課
題となっている。すなわち真空、空間そのものから流入
する電気エネルギーが小さいと、これらの損失にマスク
されてしまい、システム全体としての効率が極めて低い
ものになってしまう。これを克服するために、円板状磁
石にネオジウム磁石や超伝導磁石を用いて磁界の強さを
高め、真空、空間から流入する電気エネルギーを増大さ
せようとする試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように現在の研究
では、モーター等の一般的な回転手段でNマシンを回転
させるという前提の上に立っており、効率向上の手段と
して、円板状磁石を強力なものにすることに主眼が置か
れている。しかしながら、ネオジウム磁石や超伝導磁石
等の超強力な磁石を使用しても、磁力の向上には当然な
がら限界があり、Nマシンの効率向上にも自ずと限界が
ある。特に超伝導磁石の場合は冷却装置等の周辺機器へ
のエネルギー投入が大きく、トータルとしては決して効
率が向上するとは限らない。また一方では、回転手段側
の効率を向上させることも考えられるが、現在考えられ
る回転手段はモーターやエンジン等公知のものに限ら
れ、いずれのものでも入力以上の出力は絶対に得ること
はできない。このように従来の技術では、1831年に
マイケル・ファラデーによって発見されたN現象を、産
業上利用できる水準で活用することはできなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は回転手段側の効
率向上に着目し、N現象の効率を飛躍的に向上させるこ
とを狙ったものであり、入力側の回転力よりも大きな回
転出力を得ることのできるところの、Nマシンの回転手
段となり得る磁気エネルギー取り出し装置と、それによ
ってNマシンを回転させることで、N現象による出力を
高い効率で得ることのできるエネルギー取り出し装置を
提供するものである。そして磁気エネルギー取り出し装
置については、円板の外周に沿って、複数の磁石または
磁石帯が等間隔でかつ隣合う磁極が異極となるよう配置
された、回転自在の中央円板と、この中央円板の周囲
に、互いに隣接し合う位置関係で回転可能に設けられた
複数の円板であって、当該円板の外周に沿って複数の磁
石帯が等間隔でかつ隣合う磁極が異極となるよう配置さ
れた外側円板とを備え、中央円板の回転中心軸を入力軸
とする一方、複数枚の外側円板の回転を中央円板から動
力が伝達されることのない1本の回転軸に合成してこれ
を出力軸とした構造によって実現することができる。こ
こで、中央円板における隣合う磁石または磁石帯中央間
の中心角に対して、外側円板における隣合う磁石帯中央
間の中心角が整数倍関係となる構成を取ると良い。さら
に具体的には、中央円板の外周に沿っては、6極の磁石
または磁石帯がそれぞれ60°の中心角距離を隔てて、
等間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配置され、外
側円板にあってはこの中央円板の周囲に、中央円板から
機械的に動力が伝達されることなく配置され、それぞれ
の外側円板の外周に沿っては、それぞれが異なる磁極配
置であって両端間の中心角距離が90°となる2つの磁
石帯が、当該磁石帯中央間の中心角距離が180°とな
る位置関係で設けられた構造が良い。また、運転時にお
いて、外側円板の回転数を中央円板の回転数の前記整数
倍にすると良い。
【0007】さらにエネルギー取り出し装置は、表裏に
磁極が存在する円板状磁石によって銅円板をその表裏か
ら挟み込んで回転体が構成され、この回転体の回転中心
には導電体の回転軸が、また銅円板の外周縁と前記導電
体の回転軸との間には取り出し電極がそれぞれ設けられ
た空間エネルギー取り出し装置の回転軸と、円板の外周
に沿って、複数の磁石または磁石帯が等間隔でかつ隣合
う磁極が異極となるよう配置された、回転自在の1枚の
中央円板と、この中央円板の周囲に、互いに隣接し合う
位置関係で回転可能に設けられた複数の円板であって、
当該円板の外周に沿って複数の磁石帯が等間隔でかつ隣
合う磁極が異極となるよう配置された外側円板とを備
え、中央円板の回転中心軸を入力軸とする一方、複数枚
の外側円板の回転を中央円板から機械的に動力が伝達さ
れることのない1本の回転軸に合成してこれを出力軸と
した、磁気エネルギー取り出し装置の前記出力軸とが接
続された構造とすることで実現できる。ここで、前記磁
気エネルギー取り出し装置の出力軸と前記空間エネルギ
ー取り出し装置との間に発電機が介在した状態で両者を
接続し、発電機および空間エネルギー取り出し装置の取
り出し電極間の両方より電気エネルギーを取り出す構成
でもよい。また、中央円板における隣合う磁石または磁
石帯中央間の中心角に対して、外側円板における隣合う
磁石帯中央間の中心角が整数倍関係となる構成を取ると
良い。さらに具体的には、中央円板の外周に沿っては、
6極の磁石または磁石帯がそれぞれ60°の中心角距離
を隔てて、等間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配
置され、外側円板にあってはこの中央円板の周囲に、中
央円板から機械的に動力が伝達されることなく配置さ
れ、それぞれの外側円板の外周に沿っては、それぞれが
異なる磁極配置であって両端間の中心角距離が90°と
なる2つの磁石帯が、当該磁石帯中央間の中心角距離が
180°となる位置関係で設けられた構造が良い。また
運転時において、外側円板の回転数を中央円板の回転数
の前記整数倍にすると良い。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て説明する。ある高さhにある質量mの物体は、U=m
ghの位置エネルギーを持ち、自由落下をさせると、V
=2ghにより決まる速度vで地表に到達する。一
方、摩擦が無い平面上で距離Hを隔てた鉄の物体に向か
って、質量mの磁石が自身の磁気吸引力によって移動す
る現象を考えると、この磁石は、U=mαHの磁気
位置エネルギー(αは磁気吸引力によって得られる磁
石の加速度で、磁石の材料や体積によって決まる)を、
運動エネルギーに変えて移動していると見なせる。な
お、ここでこの磁気位置エネルギーとは、「磁気吸引力
によって発生する加速度系の位置エネルギー」という考
え方に基づくものであり、重力加速度系における前記一
般的な位置エネルギーの考え方を、磁気吸引力による運
動に当てはめたものである。つまり前述の自由落下にお
ける重力加速度gを、磁気吸引力による加速度αに置
き換えたものとして考えることができる。すなわちこの
磁気位置エネルギーとは、任意の距離Hの系において磁
気吸引力により移動する物体に対する考え方であり、
「磁場の任意の一点から単位の正磁極が無限遠まで移動
するとき、磁気力のなす仕事の量」として定義される磁
位とは異なるものである。また「磁気位置エネルギー」
という用語については、磁気吸引力による磁石の運動を
表すために便宜上用いるものである。
【0009】従って磁石の体積が大きいほど、持ってい
る磁気位置エネルギーも大きくなるので、大質量の磁石
をその磁気吸引力によって移動させると、この磁石の移
動による大きな仕事をさせることができる。そして、磁
石が鉄物体に到達する直前にこの鉄物体を遠ざけると、
磁石は停止することなく移動し続けることになる。仮に
磁気吸引力(加速度α)の源泉とならない質量mAD
の物体、すなわち合成樹脂等、非磁性体の物体を負荷と
してこの磁石に取り付けたとすると、磁石の持っている
磁気位置エネルギーU=mαHと、鉄物体に到達時
の運動エネルギーK=(m+mAD)v/2とが等
しくなることから、これら2式より、負荷物体を取り付
けた磁石は、v=2mαH/(m+mAD)によっ
て決まる速度で鉄物体に到達することが分かる。一方、
質量mADの物体(負荷)を取り付けない場合には、v
=2αHによって決まる速度になる。すなわち質量
ADの物体を移動させるために磁気位置エネルギーが
消費され、ΔV=2
αGH{1−(m/m+m AD)}によって決まる速度
差ΔVの分だけ、速度が遅くなることは明らかである。
従って、回転機構やてこ等の構造的工夫により、上述の
消費された磁気位置エネルギーより、この鉄物体を遠ざ
け続けるのに要するエネルギーが小さくなるように構造
設計をすると、鉄物体を遠ざけるためのエネルギーを入
力、消費された磁気位置エネルギーによってなされる仕
事を出力として、入力より出力が大きくなる、あたかも
「出力増幅装置」の如き現象を得ることができる。この
ように本発明の磁気エネルギー取り出し装置の原理は、
磁石自身の持つ大きな磁気位置エネルギーを、僅かの入
力によって回転運動として取り出し、入力以上の大きな
回転出力を得るというものである。
【0010】以下、図面をもとに、本発明の磁気エネル
ギー取り出し装置の原理を、さらに詳細に説明する。図
1に示した本発明の磁気エネルギー取り出し装置は、上
述のように「円板の外周に沿って、複数の磁石または磁
石帯1が等間隔でかつ隣合う磁極が異極となるよう配置
された、回転自在の1枚の中央円板3と;この中央円板
3の周囲に、互いに隣接し合う位置関係で回転可能に設
けられた複数の円板であって、当該円板の外周に沿って
複数の磁石帯5が等間隔でかつ隣合う磁極が異極となる
よう配置された外側円板7と;を備え、中央円板3の回
転中心軸を入力軸とする一方、複数枚の外側円板7の回
転を中央円板3から機械的に動力が伝達されることのな
い1本の回転軸に合成してこれを出力軸とした」構造で
ある。なおここでは図示していないが、入力軸は中央円
板3の中心位置に、出力軸は中央円板3から隔てられて
入力軸の延長線上にそれぞれ設けられているが、その詳
細な取り付け構造については後述する。ここでは同図に
示すように、「中央円板3の外周に沿っては、6極の磁
石または磁石帯1が、それぞれ60°の中心角距離を隔
てて等間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配置さ
れ、外側円板7にあってはこの中央円板3の周囲に、中
央円板3から機械的に動力が伝達されることなく配置さ
れ、それぞれの外側円板7の外周に沿っては、それぞれ
が異なる磁極であって両端間の中心角距離が90°とな
る2つの磁石帯5が、当該磁石帯中央間の中心角距離が
180°となる位置関係で設けられた」構造を例として
説明する。なお図は、それぞれの円板面の一方側に現れ
る磁極のみを表しているが、円板面の他方側では各磁極
は逆極性となっている。そこで図では、中央円板3の磁
石1によって円板面の一方側に現れる磁極をN1〜N3
とS1〜S3、外側円板7の磁石帯5によって得られる
円板面の一方側に現れる磁極をNa〜NdとSa〜Sd
と表している。
【0011】先ず、中央円板3と外側円板7の回転数比
が1:3となるように、回転始動時に全ての円板3,7
をスタータ等によって矢印方向に回転始動し、定常回転
に入ったならば中央円板3のみに回転駆動力を与え続け
る。定常回転中における図1の状態では、中央円板3の
N1極と外側円板7のNb極端部、同S3極とSd極端
部の間に生じる反発力によって、これに該当する2枚の
外側円板7に矢印方向の回転力が与えられる。この時、
4枚の外側円板7はスタータの始動回転による慣性力で
回転しているので、Na極とSb極の間、およびNd極
とSc極の間の極間距離の減少に伴って磁気吸引力が急
速に増大し、磁気位置エネルギーを消費しながら4枚の
外側円板7は矢印方向に回転する。
【0012】図2は、図1の状態から中央円板3が15
°回転した状態を示している。この瞬間においては、外
側円板7の磁石帯5の端部が、それぞれ異極同士で向か
い合う状態となる。従って、この異極間に働く磁気吸引
力は、外側円板7の回転を停止するように働くが、全
ての外側円板7は回転しているので磁気止点が無いこ
と、中央円板3のN1極と外側円板7のSb極端部、
同S3極とNd極端部の間に磁気吸引力が働いているこ
と、外側円板7には回転に伴う慣性力が働いているの
で、向かい合っている外側円板7の異極間距離は急速に
増大すること、によって外側円板7はさらに回転を続け
る。
【0013】図3は、図2の状態から、さらに中央円板
3が15°回転した状態を表している。この状態は、図
1の状態から中央円板3と外側円板7の位置関係が90
°ずれた状態である。従って、中央円板3のN3極と外
側円板7のNa極端部、同S2極とSc極端部の間に生
じる反発力によって、これに該当する2枚の外側円板7
に矢印方向の回転力が与えられる。この時、4枚の外側
円板7は慣性力によって回転しているので、Nc極とS
b極の間、およびNd極とSa極の間の極間距離の減少
に伴って磁気吸引力が急速に増大し、磁気位置エネルギ
ーを消費しながら4枚の外側円板7は矢印方向に回転し
続ける。
【0014】図1〜図3に示したこの3つの段階を繰り
返しながら、4枚の外側円板7は矢印方向に定常回転を
続ける。以上の説明からもわかるように、図示の構造で
は中央円板3がその隣合う磁極間の中心角に相当する
分、すなわち60°回転する度に、外側円板7は180
°回転する。従って、中央円板3は60°、外側円板7
は180°回転する度にそれぞれの円板3,7の磁極が
反転し、連続して磁気位置エネルギーを消費し続けなが
ら回転を続けることになる。このように、本発明の磁気
エネルギー取り出し装置は、中央円板3における磁石ま
たは磁石帯1の中央間の角度距離と、外側円板7におけ
る磁石帯中央間の角度距離の比率が、それぞれの円板
3,7の回転数の比となる。そしてこれら4枚の外側円
板7の回転を、等速ギヤによって一本の回転軸に合成し
て出力として取り出す。この出力は、外側円板7の磁石
自身の持つ磁気位置エネルギーに起因して得られるもの
であり、しかも磁気位置エネルギーの消費が直径の大き
い外側円板7の外周部で行われるので、取り出された回
転出力は、中央円板3の回転に要するエネルギーより大
きくなる。従って、中央円板3の回転のために消費され
るエネルギーを入力、外側円板7の合成回転から得られ
る回転エネルギーを出力と考えると、入力よりも出力の
方が大きくなり、「出力増幅装置」のような現象となっ
て現れる。しかし入力が増幅されて出力されたのではな
く、磁石に内在しているエネルギーを、構造的工夫によ
り高い効率で取り出しているに過ぎない。またこのこと
は、垂直に立てた鉄板に磁石を吸いつけることを考えれ
ば、容易に理解できる。すなわち、電磁石を吸いつけ続
ける為には電流を流し続ける必要がある。従って、電磁
石は自身を鉄板に吸引し続けるために、この電流分のエ
ネルギーを消費していると見なせる。一方、これが永久
磁石である場合には、電流等の外部からのエネルギーを
供給する必要は無く、永久磁石それ自身にエネルギーが
内在していると考えられる。このような原理によって、
大まかには中央円板3の磁石体積と外側円板7の磁石体
積の比が、入出力の比となる。これは磁気吸引/反発力
の大きさが、磁石の体積にほぼ比例するからである。そ
してこの効果は、永久磁石が磁力を保持している限り得
ることができる。
【0015】また、複数の磁気エネルギー取り出し装置
を接続し、最終的な出力軸から回転出力を取り出すこと
もできる。すなわち、第一の磁気エネルギー取り出し装
置の出力軸によって第二の磁気エネルギー取り出し装置
の入力軸を回転させ、第二の磁気エネルギー取り出し装
置の出力軸によって、さらに第三の磁気エネルギー取り
出し装置の入力軸を回転させる、と言ったように複数の
磁気エネルギー取り出し装置を順次多段に接続すると、
第一の磁気エネルギー取り出し装置の入力軸への入力に
比べて、極めて大きな出力が最終段の出力軸から得られ
る。従って、本発明の磁気エネルギー取り出し装置で
は、理論上は出力向上の限界が無くなることになる。
【0016】そしてこの磁気エネルギー取り出し装置
は、後述するように汎大な用途が考えられるが、一例と
して発電機への応用の場合には入力軸を通常のモーター
によって回転させ、出力軸によって発電機を回転させる
ことで、モーターへの投入電力を上回る発電電力が発電
機から得られる。この時、発電機の損失割合よりも磁気
エネルギー取り出し装置の入力/出力比が上回るよう、
同装置を設計しなければならないことは当然である。
【0017】また本発明のエネルギー取り出し装置は、
この磁気エネルギー取り出し装置の出力軸と、空間エネ
ルギー取り出し装置の回転軸が接続された構造であり、
入力軸に投入される外部入力よりも大きな出力によって
空間エネルギー取り出し装置の回転体が回転することに
なる。従って空間エネルギー取り出し装置の効率が向上
し、真空、空間そのものから流入する電気エネルギーが
マスクされてしまうことが無くなる。また、複数の磁気
エネルギー取り出し装置を接続し、最終的な出力軸によ
って前記空間エネルギー取り出し装置の回転体を回転さ
せると、より大きな回転力を空間エネルギー取り出し装
置に与えることができる。すなわち、第一の磁気エネル
ギー取り出し装置の出力軸によって第二の磁気エネルギ
ー取り出し装置の入力軸を回転させ、第二の磁気エネル
ギー取り出し装置の出力軸によって、さらに第三の磁気
エネルギー取り出し装置の入力軸を回転させる、と言っ
たように複数の磁気エネルギー取り出し装置を順次多段
に接続すると、第一の磁気エネルギー取り出し装置の入
力軸への入力に比べて、極めて大きな出力が最終段の出
力軸から得られ、これによって空間エネルギー取り出し
装置の回転体を回転させることで、空間エネルギー取り
出し装置、すなわちNマシンの効率が飛躍的に向上す
る。従って、本発明のエネルギー取り出し装置では、理
論上は効率向上の限界が無くなることになる。さらに、
磁気エネルギー取り出し装置の出力軸と空間エネルギー
取り出し装置との間に発電機が介在した状態で両者を接
続すると、発電機および空間エネルギー取り出し装置の
取り出し電極間の両方より電気エネルギーを取り出すこ
とができる。
【0018】
【実施例】続いて本発明の詳細を、具体的実施例に基づ
いて説明する。図4は、図1〜図3に示した本発明の磁
気エネルギー取り出し装置を用いた、エネルギー取り出
し装置の全体構造を表している。この装置は、「表裏に
磁極が存在する円板状磁石11によって銅円板13をそ
の表裏から挟み込んで回転体15が構成され、この回転
体15の回転中心には導電体の回転軸17が、また銅円
板13の外周縁と前記導電体の回転軸17との間には取
り出し電極19がそれぞれ設けられた空間エネルギー取
り出し装置21の回転軸」と、「円板の外周に沿って、
複数の磁石または磁石帯1が等間隔でかつ隣合う磁極が
異極となるよう配置された、回転自在の1枚の中央円板
3と、この中央円板3の周囲に、互いに隣接し合う位置
関係で回転可能に設けられた複数の円板であって、当該
円板の外周に沿って複数の磁石帯5が等間隔でかつ隣合
う磁極が異極となるよう配置された外側円板7とを備
え、中央円板3の回転中心軸を入力軸9とする一方、複
数枚の外側円板7の回転を中央円板3から機械的に動力
が伝達されることのない1本の回転軸に合成してこれを
出力軸23とした、磁気エネルギー取り出し装置25の
出力軸23」とが接続されたエネルギー取り出し装置2
7である。なお本図では、構造を判りやすく説明するた
め、軸受け等の付帯部材は省略して描いている。
【0019】以下さらに具体的に説明すると、磁気エネ
ルギー取り出し装置25としては、1枚の中央円板3の
外周に沿って、その板面の上側と下側にそれぞれN,S
極が現れるように6極の棒状磁石1が、それぞれ60°
の中心角距離を隔てて等間隔にかつ隣合う磁極が異極と
なるよう配置され、この中央円板3の周囲には、中央円
板3から機械的に動力が伝達されることなく4枚の外側
円板7が配置され、それぞれの外側円板7の外周に沿っ
て、外側円板7の板面の上側と下側にN,S極が現れ、
且つ両端間の中心角距離θが90°となる2つの磁石
帯5が、それぞれが異なる磁極配置で当該磁石帯中央間
の中心角距離θが180°となる位置関係、すなわち
中央円板3における隣合う棒状磁石1間の中心角に対し
て、外側円板7における隣合う磁石帯中央間の中心角が
1:3となるよう、外側円板7の外周端部に嵌着させて
設けられた構造である。なお、各円板3,7の板面に対
して上下方向に現れる磁極については、図1と同じ要領
で符号を付している。
【0020】中央円板3の回転中心軸、すなわち入力軸
9にはその回転駆動用の電動機29が連結され、4枚の
外側円板7は、この中央円板3から機械的に動力が伝達
されることなく、図示しない軸受けを介して、その回転
中心軸31によって支持されている。4枚の外側円板7
の配置中心、すなわち中央円板3の回転中心位置には、
出力軸23が取り付けられた中央歯車33が設けられ、
この中央歯車33に対して、4枚の外側円板7に取り付
けられた回転合成用歯車35が噛み合っている。ここ
で、中央歯車33と4枚の回転合成用歯車35はそれぞ
れ同一径であり、回転する4枚の外側円板7の回転を、
同じ回転数で一本の出力軸23に合成する為のものであ
る。従って、中央円板3と中央歯車33との間では、機
械的に動力は伝達されないようになっており、入力軸9
と出力軸23との間も同様、機械的に動力が伝達されな
いようになっている。また本図例ではそれぞれの円板を
1段に構成しているが、出力軸23から得られる回転出
力は、中央円板3の磁石体積と外側円板7の磁石体積の
比に応じて大きくなるので、後述するように2段や3段
等、必要に応じて段数を多くしてもよい。
【0021】中央歯車33から延びる出力軸23には発
電機37が連結され、出力軸23の回転に伴って発電機
37の回転子39が回転することで、4枚の外側円板7
の磁石帯5に内在する磁気位置エネルギーを、2本の第
1出力線41から発電電力という形で取り出せるように
なっている。回転子39からさらに延びる出力軸23は
導電性を有し、表裏に磁極が存在する円板状磁石11に
よって銅円板13をその表裏から挟み込んだ回転体15
の回転軸17となり、銅円板13の外周縁とこの回転軸
17との間に取り出し電極19がそれぞれ設けられて空
間エネルギー取り出し装置21を構成している。この取
り出し電極19は、鉄道におけるパンタグラフと架線と
の関係のように、摺動しながら電力を取り出し得るよう
な構造となっている。そして、回転軸17の回転ととも
に空間からのエネルギーが、2本の第2出力線43を介
して流れる電流という形で取り出される。さらに回転軸
17の終端部は、クラッチ45を介して始動用の電動機
47の回転軸49に続いている。
【0022】ここで、複数の磁気エネルギー取り出し装
置25…を接続して、最終的な出力軸から回転出力を取
り出すこともできる。すなわち、第一の磁気エネルギー
取り出し装置25の出力軸23によって、第二の磁気エ
ネルギー取り出し装置25′の入力軸9′を回転させ、
第二の磁気エネルギー取り出し装置25′の出力軸2
3′によって、さらに第三の磁気エネルギー取り出し装
置25″の入力軸9″を回転させる、と言ったように複
数の磁気エネルギー取り出し装置25,25′,25″
を順次多段に接続すると、第一の磁気エネルギー取り出
し装置25の入力軸9に与えられる入力に比ぺて、極め
て大きな出力が最終段の出力軸23″から得られるの
で、この最終段の出力軸23″によって発電機37や空
間エネルギー取り出し装置21を回転させると、入力に
比べて極めて高い電気的出力を得ることができる。さら
に、各磁気エネルギー取り出し装置25,25′,2
5″の間に、それぞれ発電機37と空間エネルギー取り
出し装置21を配設することもできる。いずれの構成に
おいても、磁気エネルギー取り出し装置25…を多段に
接続する場合には、前段の磁気エネルギー取り出し装置
25…の出力軸23…が後段の同装置25′,25″…
の入力軸9′,9″…になっていることから、図4のよ
うに最終的な出力軸23″の端部にのみ始動用の電動機
47を取り付けて始動させることは困難である。従っ
て、このように多段に接続する場合には、一例として各
段の磁気エネルギー取り出し装置25…の外側円板7の
回転中心軸31の一つに、それぞれ始動用の電動機47
を取り付けておけばよい。すなわち、一つの外側円板7
に始動用の回転を与えると、他の全ての外側円板7は、
中央歯車33と回転合成用歯車35によって回転するこ
とになる。
【0023】このような図4のエネルギー取り出し装置
27は、先ずクラッチ45を接続した状態で、回転駆動
用の電動機29と始動用の電動機47を、それぞれ矢印
で示す回転方向に1:3の回転数比で回転させ、中央円
板3と外側円板7をそれぞれ矢印で示す回転方向に1:
3の回転数比で回転させる。そして、それぞれの円板の
回転が定常状態に入るとクラッチ45を切る。クラッチ
45が切られても、前記「発明の実施の形態」の項で説
明したように、回転駆動用の電動機29から中央円板3
に回転を与えている限り、外側円板7は中央円板3の回
転数の3倍の回転数で回転を続け、入力軸9の3倍の回
転数で出力軸23が回転を続ける。そして出力軸23の
回転エネルギーは、入力軸9の回転に要するエネルギー
よりも大きいので、出力軸23の回転によって、発電機
37からは回転駆動用の電動機29に与える電力よりも
大きな発電電力が取り出され、また空間エネルギー取り
出し装置21の両取り出し電極19間からは、空間から
のエネルギーが電流という形で取り出される。
【0024】次に、図4に示した本発明のエネルギー取
り出し装置27の性能評価の為に、磁気エネルギー取り
出し装置25の出力を、図5の構造の試作機によって確
認した。図は、構造をわかりやすく説明するために、部
分断面図として表している。図例のものは出力を稼ぐ為
に、それぞれの円板3,7を3段に構成したものであ
る。すなわちこれは、前記「発明の実施の形態」の項で
説明したように、出力軸23から得られる回転出力が、
中央円板3の磁石体積と外側円板7の磁石体積の比に応
じて大きくなるからである。図例の磁気エネルギー取り
出し装置25は、中央円板3と外側円板7をともに合成
樹脂で作製し、中央円板3の直径を70mm、外側円板
7の直径を168mm、厚さをいずれも6mmとした。
そして中央円板3と外側円板7との間隔が1mm、外側
円板7同士の間隔が1.7mmとなるようにそれぞれ軸
支した。磁石については、5mm×25mm、重量3.
76g/本の棒状アルニコ磁石を、各円板の外周端から
1mmの間隔をあけて開設した取り付け穴に挿通し、接
着剤によって固着した。磁石の本数は、外側円板7の一
つの磁石帯5あたり17本とし、中央円板3については
各磁極につき1本とした。従って、外側円板7の磁石帯
5については、17本の磁石が互いに僅かの間隔をあけ
て帯状に並立している構造となっている。なお、それぞ
れの磁石の配置については、図1に示したものと同一で
ある。また、それぞれの外側円板7には、図4と同様の
回転合成用歯車35を取り付け、中央歯車33とかみ合
わせて1本の軸に合成して出力軸23とした。そして、
始動用の電動機47とクラッチ45を用い、前述と同様
の方法により始動した。
【0025】このような構造の磁気エネルギー取り出し
装置25において、回転駆動用の電動機29として、2
0WのDCモーターによって入力軸9を1400rpm
で回転させ、4200rpmの出力軸23から得られる
回転出力を測定した。この測定に当たっては、図示する
ように出力軸23に取り付けた制動板51に、テンショ
ンゲージを当てて行った。その結果、20Wの入力に対
して400Wの回転出力が得られた。また本例はそれぞ
れの円板を3段に構成しているが、出力軸23から得ら
れる回転出力は、中央円板3の磁石体積と外側円板7の
磁石体積の比に応じて大きくなるので、4段や5段等、
必要に応じて段数を多くしてもよい。
【0026】そして、このような図5の磁気エネルギー
取り出し装置25の出力軸23に、制動板51を取り外
して図4に示したような発電機37と空間エネルギー取
り出し装置21を取り付け、4200rpmの出力軸回
転数におけるそれぞれの出力を評価した。発電機37か
らの発電電力については、発電機37の効率によって変
動するものの、本例では直流発電機を用いて350W〜
400Wの出力が得られ、空間エネルギー取り出し装置
21の取り出し電極19からは、空間からのエネルギー
と見られる電流出力が確認された。
【0027】以上の実験では、中央円板3の回転数を1
400rpm、外側円板7の回転数を4200rpmと
したが、これ以外でも中央円板3を2800rpmと
し、外側円板7を8400rpmとする等、適宜回転数
を設定することが可能であることは言うまでもない。こ
れは、回転数が大きくなるにつれて、単位時間当たりに
外側円板7の磁石帯5同士がすれ違う回数が多くなり、
それだけ大きな加速度が得られることになるためであ
る。従って、回転数が大きくなるほど、入力軸9への入
力と出力軸23からの出力との比は大きくなる。このこ
とは、各円板の回転エネルギーは、その周速度の2乗に
比例することからも容易に理解できる。
【0028】さらに、図6に示すようなフライホイール
53を、例えば図4における中央歯車33と発電機37
との間に設けることにより、出力軸23の回転をより滑
らかにすることができる。図例のフライホイール53
は、出力軸23に設けられる大円板55と、その周囲
に、大円板55から機械的に動力が伝達されることな
く、図示しない軸受けによって軸支されて設けられた4
枚の小円板57からなり、大円板55の外周に沿って
は、6極の磁石帯59がそれぞれ60°の中心角距離を
隔てて、等間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配置
され、それぞれの小円板57の外周に沿っては、それぞ
れが異なる磁極配置であって両端間の中心角距離が90
°となる2つの磁石帯61が、当該磁石帯中央間の中心
角距離が180°となる位置関係で設けられたものであ
る。このようなフライホイール53を設けることによ
り、大円板55の磁石帯59と小円板57の磁石帯61
との間で磁気吸引力が働く結果、出力軸23の回転がよ
り滑らかになる。なお図例では、大円板55と小円板5
7の回転数の比は1:3となる。また、小円板57と大
円板55との直径比は、中央円板3と外側円板7の直径
比と無関係に設定可能であり、1:4〜1:6程度とす
るのがよい。
【0029】しかしながら、このようなフライホイール
53を設けず、空間エネルギー取り出し装置21の回転
体15の直径を大きくすることでも、同様のフライホイ
ール効果を持たせることができる。しかもN現象は、銅
板内から電荷を取り出すものなので、直径を大きくする
ことによって銅板の体積が大きくなり、取り出される電
流を大きくすることが可能と考えられる。従って、本発
明のエネルギー取り出し装置27における空間エネルギ
ー取り出し装置21の存在は、空間からのエネルギーの
取り出しと、磁気エネルギー取り出し装置25の出力軸
23へのフライホイール効果とを、併せて付与するもの
である。
【0030】さらに本発明は、太陽光発電システムとの
結合により、完全に化石エネルギーを消費しない発電シ
ステムに応用発展可能である。具体的には、太陽電池パ
ネルと、この太陽電池パネルからの発電出力を入力する
インバータと、インバータからの出力によって本発明の
磁気エネルギー取り出し装置25またはエネルギー取り
出し装置27の入力軸9に回転を与える回転駆動用の電
動機29と、磁気エネルギー取り出し装置25またはエ
ネルギー取り出し装置27の出力軸23によって駆動す
る発電機37とを備えた太陽光発電システムによって実
現できる。ここで、太陽電池パネルとインバータとの間
に蓄電池を設け、電動機への供給電力の安定化を図るこ
ともできる。
【0031】さらに具体的に、この太陽光発電システム
における発電出力の流れとしては図7の例に示すよう
に、太陽電池パネルによって得られた直流の発電出力
は、先ずインバータに投入されて任意の周波数の交流に
変換される。そして、インバータからの交流出力は、回
転駆動用の電動機29として機能する交流電動機に投入
される。太陽電池からの発電出力が日射量によって若干
変動しても、インバータによって一定周波数に制御され
て常に一定の回転数を維持することができるよう、この
交流電動機は、通常の誘導電動機の使用が好適である。
しかし、直流電動機も使用できることは勿論である。し
かしながら日射量が一定している場合や、太陽電池パネ
ルと蓄電池を組み合わせて使用する場合は、回転駆動用
の電動機29として直流モーターを用い、インバータを
使用することなく蓄電池からの電力を供給させることも
できる。
【0032】このような構成によって、太陽電池の発電
量を上回る出力を得ることができるので、太陽光発電が
直面するエネルギー変換効率の限界を越えることがで
き、太陽光発電の発電コストを実用的レベルにまで大幅
に低減することができる。そして何よりも、化石エネル
ギーや原子力を使用することなく、現在の商用電力コス
トと同等かそれ以下のコストでの電力供給が可能となる
点で、極めて革新的なものである。また、太陽電池のみ
ならず風力発電機、波力発電機、水力発電機等、自然の
エネルギーを利用した各種の発電機によって得られる電
力で本装置25,27の入力軸9を回転させることも可
能であり、その構成に応じて蓄電池やインバータ等の周
辺機器を取捨選択すればよいことは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
以下の優れた効果が得られる。本発明の磁気エネルギー
取り出し装置は、磁石に内在していると考えられるエネ
ルギー、すなわち磁石自身の持つ大きな「磁気位置エネ
ルギー」を、僅かの入力によって回転運動として取り出
すことで入力以上の大きな回転出力を得るというもので
あり、入力より出力が大きくなる「出力増幅装置」と等
価的な効果を得ることができる。現在の物理学の法則で
は、入力よりも出力が大きくなることはあり得ないが、
本発明の磁気エネルギー取り出し装置は、前述のように
磁石に内在するエネルギーを、高度な構造的工夫によっ
て取り出すものであり、物理学の法則に反するものでも
ない。そしてこのことは、以上に説明したように実験デ
ータによって立証されているものである。また、複数の
磁気エネルギー取り出し装置を多段に接続し、最終的な
出力軸から大きな回転出力を得ることもできる。従っ
て、例えば前記実施例のように、本発明の磁気エネルギ
ー取り出し装置に発電機を接続すると、その回転に要す
るエネルギーよりも大きなエネルギーを発電機から取り
出すことが可能となるので、人類の直面するエネルギー
問題を根本的に解決することができる革新的なものとな
る。そしてこの効果は、永久磁石が磁力を保持している
限り得ることができる。
【0034】次いで、本発明のエネルギー取り出し装置
は、この磁気エネルギー取り出し装置の出力軸と空間エ
ネルギー取り出し装置の回転軸が接続された構造であ
り、入力軸に投入される外部入力よりも大きな出力によ
って空間エネルギー取り出し装置が回転することにな
る。従って空間エネルギー取り出し装置の効率が向上
し、真空、空間そのものから流入する電気エネルギーが
マスクされてしまうことが無くなり、現在のNマシンの
研究上の課題となっている効率向上の障壁を極めて高い
水準で突破し、しかも実用レベルの効率を達成すること
ができる。また複数の磁気エネルギー取り出し装置を多
段に接続し、最終的な出力軸によって前記空間エネルギ
ー取り出し装置を回転させることにより、より大きな回
転力を空間エネルギー取り出し装置に与えることもで
き、空間エネルギー取り出し装置、すなわちNマシンの
効率が飛躍的に向上する。さらに、磁気エネルギー取り
出し装置の出力軸と空間エネルギー取り出し装置との間
に発電機が介在した状態で両者を接続すると、発電機お
よび空間エネルギー取り出し装置の取り出し電極間の両
方より電気エネルギーを取り出すことができ、さらにエ
ネルギー効率が高まる。
【0035】このように、本発明の両装置は多段に接続
して極めて大きな出力、すなわち理論上の上限値の無い
極めて大きな出力を取り出すことができることから、応
用面において必要とされる出力の大小等の用途に応じ
て、あらゆる規模の装置設計が可能である。さらに、太
陽電池と組み合わせることによって、太陽電池の発電量
を上回る出力を得ることができるので、太陽光発電が直
面するエネルギー変換効率の限界を越えることができ、
太陽光発電の発電コストを実用的レベルにまで大幅に低
減することができる。そして何よりも、化石エネルギー
や原子力を使用することなく、現在の商用電力コストと
同等かそれ以下のコストでの電力供給が可能となる点
で、極めて革新的かつ意義深いものである。
【0036】このように、本発明の磁気エネルギー取り
出し装置とそれを用いたエネルギー取り出し装置によれ
ば、発電機や太陽電池、その他の自然エネルギーを利用
した発電システム等との組み合わせにより、電力発電用
や機械的動力用を始め、紙面上で説明しきれないまでの
汎大な利用分野が考えられ、完全に化石燃料の消費や原
子力利用が不要となる道が開ける。さらに、本装置から
の電力によって、磁石を始めとして本装置の製造に要す
るエネルギーも賄うことができるので、化石燃料の消費
や原子力利用が不要な、本装置によるエネルギーサイク
ルを実現することができる。これは一見エネルギー保存
則に反するようであるが、永久磁石には前述のようにエ
ネルギーが内在していると考えられること、永久磁石の
寿命は長く、極めて長期間にわたって本発明の効果が持
続できることにより、現実的な技術として実現可能なの
である。以上のように本発明の磁気エネルギー取り出し
装置とそれを用いたエネルギー取り出し装置は、人類が
直面するエネルギー危機を一挙に解決する革新的なもの
であると言える。また、「従来の技術」および「発明が
解決しようとする課題」の項では、Nマシンとその課題
について述べたが、本発明は上述のように極めて幅広い
用途、便益が考えられるので、あらゆるエネルギー、動
力分野の現状に、本発明によって解決されうる課題が内
在していることを付言しておく。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気エネルギー取り出し装置の原理を
表す説明図
【図2】本発明の磁気エネルギー取り出し装置の原理を
表す説明図
【図3】本発明の磁気エネルギー取り出し装置の原理を
表す説明図
【図4】本発明のエネルギー取り出し装置の構造例を表
す説明図
【図5】本発明の磁気エネルギー取り出し装置の構造例
を表す説明図
【図6】本発明に使用されうるフライホイールの構造例
を表す説明図
【図7】本発明を利用した太陽光発電システムにおける
発電出力の流れを表す説明図
【図8】Nマシンと称する空間エネルギー取り出し装置
の構造例を表す説明図
【符号の説明】
1 磁石または磁石帯 3 中央円板 5 磁石帯 7 外側円板 9 入力軸 11 円板状磁石 13 銅円板 15 回転体 17 導電体の回転軸 19 取り出し電極 21 空間エネルギー取り出し装置 23 出力軸 25 磁気エネルギー取り出し装置 27 エネルギー取り出し装置 29 回転駆動用の電動機 31 回転中心軸 33 中央歯車 35 回転合成用歯車 37 発電機 39 回転子 41 第1出力線 43 第2出力線 45 クラッチ 47 始動用の電動機 49 始動用電動機の回転軸 51 制動板 53 フライホイール 55 大円板 57 小円板 59 大円板の磁石帯 61 小円板の磁石帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 四之宮 浩 東京都保谷市富士町6−6−20 グランデ ィール・エコー103 (72)発明者 山口 文紀 滋賀県近江八幡市中小森町690−18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板の外周に沿って、複数の磁石または磁
    石帯が等間隔でかつ隣合う磁極が異極となるよう配置さ
    れた、回転自在の中央円板と、 この中央円板の周囲に、互いに隣接し合う位置関係で回
    転可能に設けられた複数の円板であって、当該円板の外
    周に沿って複数の磁石帯が等間隔でかつ隣合う磁極が異
    極となるよう配置された外側円板と、を備え、 中央円板の回転中心軸を入力軸とする一方、複数枚の外
    側円板の回転を中央円板から機械的に動力が伝達される
    ことのない1本の回転軸に合成してこれを出力軸とし
    た、磁気エネルギー取り出し装置。
  2. 【請求項2】中央円板の隣合う磁石または磁石帯中央間
    の中心角に対して、外側円板における隣合う磁石帯中央
    間の中心角が整数倍関係である、請求項1記載の磁気エ
    ネルギー取り出し装置。
  3. 【請求項3】中央円板の外周に沿っては、6極の磁石ま
    たは磁石帯がそれぞれ60°の中心角距離を隔てて、等
    間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配置され、外側
    円板にあってはこの中央円板の周囲に、中央円板から機
    械的に動力が伝達されることなく配置され、それぞれの
    外側円板の外周に沿っては、それぞれが異なる磁極配置
    であって両端間の中心角距離が90°となる2つの磁石
    帯が、当該磁石帯中央間の中心角距離が180°となる
    位置関係で設けられた、請求項2記載の磁気エネルギー
    取り出し装置。
  4. 【請求項4】運転時において、外側円板の回転数を中央
    円板の回転数の前記整数倍とする、請求項2または3記
    載の磁気エネルギー取り出し装置。
  5. 【請求項5】表裏に磁極が存在する円板状磁石によって
    銅円板をその表裏から挟み込んで回転体が構成され、こ
    の回転体の回転中心には導電体の回転軸が、また銅円板
    の外周縁と前記導電体の回転軸との間には取り出し電極
    がそれぞれ設けられた空間エネルギー取り出し装置の回
    転軸と、 円板の外周に沿って、複数の磁石または磁石帯が等間隔
    でかつ隣合う磁極が異極となるよう配置された、回転自
    在の中央円板と、この中央円板の周囲に、互いに隣接し
    合う位置関係で回転可能に設けられた複数の円板であっ
    て、当該円板の外周に沿って複数の磁石帯が等間隔でか
    つ隣合う磁極が異極となるよう配置された外側円板とを
    備え、中央円板の回転中心軸を入力軸とする一方、複数
    枚の外側円板の回転を中央円板から機械的に動力が伝達
    されることのない1本の回転軸に合成してこれを出力軸
    とした、磁気エネルギー取り出し装置の前記出力軸とが
    接続されたエネルギー取り出し装置。
  6. 【請求項6】前記磁気エネルギー取り出し装置の出力軸
    と前記空間エネルギー取り出し装置との間に、発電機が
    介在した状態で両者を接続し、発電機および空間エネル
    ギー取り出し装置の取り出し電極間の両方より電気エネ
    ルギーを取り出す、請求項5記載のエネルギー取り出し
    装置。
  7. 【請求項7】中央円板の隣合う磁石または磁石帯中央間
    の中心角に対して、外側円板における隣合う磁石帯中央
    間の中心角が整数倍関係である、請求項5または6記載
    のエネルギー取り出し装置。
  8. 【請求項8】中央円板の外周に沿っては、6極の磁石ま
    たは磁石帯がそれぞれ60°の中心角距離を隔てて、等
    間隔にかつ隣合う磁極が異極となるよう配置され、外側
    円板にあってはこの中央円板の周囲に、中央円板から機
    械的に動力が伝達されることなく配置され、それぞれの
    外側円板の外周に沿っては、それぞれが異なる磁極配置
    であって両端間の中心角距離が90°となる2つの磁石
    帯が、当該磁石帯中央間の中心角距離が180°となる
    位置関係で設けられた、請求項7記載のエネルギー取り
    出し装置。
  9. 【請求項9】運転時において、外側円板の回転数を中央
    円板の回転数の前記整数倍とする、請求項7または8記
    載のエネルギー取り出し装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100187930A1 (en) * 2009-01-24 2010-07-29 Guillaume Marquis Magnetic amplifier
CN103481774A (zh) * 2013-10-21 2014-01-01 哈尔滨工业大学 径向并联式多电机驱动装置
CN108100267A (zh) * 2017-11-29 2018-06-01 中国直升机设计研究所 一种马达集群动力系统

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