JPH0943170A - 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法 - Google Patents

流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法

Info

Publication number
JPH0943170A
JPH0943170A JP7193163A JP19316395A JPH0943170A JP H0943170 A JPH0943170 A JP H0943170A JP 7193163 A JP7193163 A JP 7193163A JP 19316395 A JP19316395 A JP 19316395A JP H0943170 A JPH0943170 A JP H0943170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
neutron
pressure
measurement point
count rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7193163A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3134043B2 (ja
Inventor
Akio Aoki
昭雄 青木
Hideyuki Miyamoto
英幸 宮本
Noburo Inokawa
修郎 猪川
Kiyoshi Uyama
清 宇山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N K K PLANT KENSETSU KK
NKK Plant Engineering Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
N K K PLANT KENSETSU KK
NKK Plant Engineering Corp
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N K K PLANT KENSETSU KK, NKK Plant Engineering Corp, NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical N K K PLANT KENSETSU KK
Priority to JP07193163A priority Critical patent/JP3134043B2/ja
Publication of JPH0943170A publication Critical patent/JPH0943170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3134043B2 publication Critical patent/JP3134043B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送管内を流れる流動物中の有機物、無機
物、水分、気泡の体積含有率を測定する汚泥の成分比測
定装置及び方法を提供する。 【解決手段】 輸送管と、計測点Aで流体圧力を検出す
る第1圧力計と、計測点Aで流動物に管外から中性子を
照射する第1中性子線源と、散乱中性子を検出する第1
中性子検出器と、検出散乱中性子の計数率を計数する第
1中性子計数手段と、他の任意の計測点Bで流体圧力を
検出する第2圧力計と、計測点Bで流動物に管外から中
性子を照射する第2中性子線源と、散乱中性子を検出す
る第2中性子検出器と、検出散乱中性子の計数率を計数
する第2中性子計数手段と、計測点Aで流動物に管外か
らγ線を照射するγ線源と、流動物を透過したγ線を検
出するγ線検出器と、検出透過γ線の計数率を計数する
γ線計数手段と、流動物の流速を測定する流速計と、得
られた計数率、圧力、流速に基づき、流動物中の各成分
の体積含有率を求める演算手段と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、輸送管内を流れ
る流動物の成分比測定装置及びその方法、とくに輸送管
内を流れる汚泥等の流動物を構成する水、有機物および
無機物の成分比を気泡の混入の有無にかかわらず高精度
で測定することができる装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】輸送管内を流れる水、有機物、無機物で
構成される流動物の成分体積比(以下、成分比あるいは
含有比という場合は「体積含有率」を意味するものとす
る)は、通常、以下に説明する中性子計測法により測定
される。
【0003】輸送管内を流れる流動物として汚泥を例に
とって説明する。汚泥には水と有機物以外にカルシウ
ム、ケイ素を主成分とする無機物が含まれているが、無
機物は中性子の吸収、散乱の反応断面積が小さい。それ
ゆえ中性子計測においては無機物含有比が変動しない限
り、あまり問題とならない。よって、無機物含有比を輸
送管から採取した汚泥を用いて下水試験法等により予め
求め、定数として扱うことができる。
【0004】水および有機物については、それぞれが水
素を多量に含む分子であることから、中性子計測法によ
り各成分比を求めることができる。水素の中性子に対す
る減速能は、他の元素と比較してずば抜けて大きいた
め、中性子は被測定物中の水素原子と主に衝突すること
によってエネルギを失い、最終的にはエネルギの非常に
小さい熱中性子となる。
【0005】一方、水と有機物が単位体積あたり含んで
いる水素原子数、つまり水素密度は異なっており、この
ため汚泥中の水と有機物の各体積含有率(含有比)が変
動すると中性子の散乱あるいは透過線量が変化する。し
たがって、この散乱あるいは透過線量を測定した中性子
計数率(中性子計数値/計測時間;cpm)を測定し、
次式により水と有機物の各体積含有率を求めることがで
きる。
【0006】 J/J0 =Tw+C・To …(A) Tw+To=1−Ta …(B) ただし、J0 は輸送管内を水で満たしたときの中性子係
数率(cpm)、Jは輸送管内を汚泥で満たしたときの
中性子係数率(cpm)、Twは汚泥の水体積含有率
(含有比)、Toは汚泥の有機物体積含有率(含有
比)、Taは汚泥の無機物体積含有率(含有比)(定
数)、Cは水に対する有機物の水素密度比、をそれぞれ
表わす。
【0007】しかしながら、汚泥中に気泡が混入すると
上式(B)が成立しなくなる。つまり、気泡も汚泥の構
成成分の1つとした汚泥中の気泡の含有比Tvを考慮し
た次式(C)の関係となるため、一義的な解を求めるこ
とができず、基本的に測定不能となる。
【0008】 Tw+To+Tv=1−Ta …(C) さらに、大雨が降ったような場合には道路の排水溝から
泥(無機物)が下水管に流入し、汚泥の無機物含有比が
急激に増加する。この結果、無機物含有比を定数として
扱ったままでは成分比測定に誤差が生じる。
【0009】特開昭58−223039号公報には、汚
泥中への気泡の混入による測定誤差の解決方法が開示さ
れている。この方法は、スラリーの輸送管路内に容積式
流量計と質量式流量計とを直列に接続し、それぞれの流
量計によってスラリーの流量を測定し、そして質量式流
量計によって測定した流量値を容積式流量計によって測
定した流量値で除してスラリーの密度を演算するもので
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法は汚泥の成分比を求めるものではなく、しかも大容
量かつ高粘性のスラリーの質量を測定する質量式流量計
が現存せず、実用的ではないという問題点がある。
【0011】この発明の目的は、大容量かつ低粘性のス
ラリーは勿論のこと、高粘性のスラリーや無機物を多量
に含む汚泥であっても、その水、有機物、無機物の体積
含有率を気泡の有無にかかわらず輸送管外から高精度で
測定することができる流動物の成分比測定装置及びその
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る流動物の成分比測定装置は、(a)流動
物が通流する輸送管と、(b)この輸送管の任意の計測
点Aで流体圧力を検出する第1の圧力計と、(c)前記
計測点Aで輸送管内を通流する流動物に管外から中性子
を照射する第1の中性子線源と、(d)流動物によって
散乱される中性子を検出する第1の中性子検出器と、
(e)この検出散乱中性子の計数率を計数する第1の中
性子計数手段と、(f)前記計測点Aから離れた他の任
意の計測点Bで流体圧力を検出する第2の圧力計と、
(g)前記計測点Bで輸送管内を通流する流動物に管外
から中性子を照射する第2の中性子線源と、(h)流動
物によって散乱される中性子を検出する第2の中性子検
出器と、(i)この検出散乱中性子の計数率を計数する
第2の中性子計数手段と、(j)前記計測点Aで輸送管
内を通流する流動物に管外からガンマ線を照射するガン
マ線源と、(k)流動物を透過したガンマ線を検出する
ガンマ線検出器と、(l)検出透過ガンマ線の計数率を
計数するガンマ線計数手段と、(m)前記計測点Aと計
測点Bとの間で流動物の流速を測定する流速計と、
(n)得られた計数率、圧力、流速に基づき、流動物中
に含まれる水、有機物、無機物、気泡の各成分の体積含
有率のうち少なくとも1つを求める演算手段と、を備え
ることを特徴とする。
【0013】本発明に係る流動物の成分比測定方法は、
(a)輸送管の任意の計測点Aで基準となる第1の流体
圧力Pを検出する工程と、(b)前記計測点Aから離れ
た輸送管の任意の計測点Bで第2の流体圧力P0 を検出
する工程と、(c)前記計測点Aを通過する流動物に中
性子を照射し、散乱中性子を検出し、これを計数して中
性子計数率Nを求める第1の中性子計数率測定工程と、
(d)前記計測点Aから計測点Bまでの間における流動
物の流速を測定する流速測定工程と、(e)この測定流
速と前記計測点Aから計測点Bまでの管路長とから、計
測点Aを通過した流動物が計測点Bに到達する時刻を算
出する工程と、(f)この時刻に前記計測点Bを通過す
る流動物に中性子を照射し、散乱中性子を検出し、これ
を計数して中性子計数率N0 を求める第2の中性子計数
率測定工程と、(g)得られた中性子計数率Nと、予め
第1の流体圧力P下で水のみのサンプルについて求めて
おいた中性子計数率N1 とから中性子計数率の比(N/
1 )を算出し、得られた中性子計数率N0 と、予め第
2の流体圧力P0 下で水のみのサンプルについて求めて
おいた中性子計数率N1 0 とから中性子計数率の比(N
0/N1 0 )を算出し、さらに、これらの中性子計数率
の比から比(N0 /N1 0)/(N/N1 )を算出する
工程と、(h)得られた比(N0 /N1 0 )/(N/N
1 )に基づき前記第1圧力Pの条件下での流動物中の気
泡の体積含有率Svを下式を用いて算出する工程と、 Sv=P0 (N0 ・N1 −N・N10)/(N0 ・N1
0 −N・N10P) を有することを特徴とする。
【0014】本発明では、2種の放射線(中性子線とガ
ンマ線)を利用して流動物の成分比計測を行う。放射線
源と流動物と検出器の位置関係から、測定方法には散乱
法と透過法がある。散乱法は、流動物に対して線源と検
出器が同一方向に位置している。検出器は、線源より放
射された放射線のうち、流動物で多重散乱され、ほぼ1
80度方向転換されたものを検出している。透過法は、
線源と検出器の間に流動物が位置しており、線源より放
射された放射線のうち流動物中を透過してきたものを検
出器により検出する。本発明では、中性子線は散乱法
で、γ線は透過法により測定している。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に放射線を用いた気泡体積含
有率(含有比)、有機物体積含有率、水体積含有率、無
機物体積含有率の各測定法について図1を参照しながら
説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る流動物
の成分比測定装置を示すブロック構成図である。
【0016】輸送管2は実質的に水平に設置されてい
る。この輸送管2内を汚泥1が計測点Aから計測点Bへ
向かって所定の流速で流れるようになっている。なお、
計測点Aから計測点Bまでの間は内径がほぼ一様であ
る。輸送管2の外周面に近接対面するように第1の中性
子線源3、第2の中性子線源4、及びガンマ線源5がそ
れぞれ設けられている。これらの線源3,4,5には検
出器6,7,8がそれぞれ組み合わせられている。
【0017】ガンマ線源5およびガンマ線検出器8は計
測点Aに設置した。第1の中性子線源3および中性子検
出器6も計測点Aに設置した。第2の中性子線源4およ
び中性子検出器7は計測点Bに設置した。
【0018】計測点A,B間には流速計9が設けられ、
輸送管2内を流れる汚泥1の流速が測定されるようにな
っている。また、第1の圧力計10が計測点A側に、第
2の圧力計11が計測点Bに側に設けられている。計数
器18,19,20、流速計9および圧力計10,11
のそれぞれは演算処理器21の入力部に接続されてい
る。演算処理器21のメモリには所定の数式や必要なデ
ータがストアされており、検出データが入力されると内
蔵CPUが必要な数式を呼び出して演算を実行するよう
になっている。
【0019】計測点Aにおいて第1の中性子線源3から
は速中性子を管外部から汚泥1に照射すると、汚泥1に
より多重散乱され熱中性子となり、第1中性子検出器6
によって検出される。第1中性子検出器6の出力信号は
前置増幅器12で増幅され、波高弁別器15において雑
音信号を除去した後に計数器18で計数される。
【0020】また、計測点Aにおいてガンマ線源5から
放射されたγ線のうち汚泥1を透過してきたγ線はガン
マ線検出器8によって検出される。ガンマ線検出器8の
出力信号は前置増幅器13で増幅され、波高弁別器16
において雑音信号を除去した後に計数器19で計数され
る。
【0021】次に、計測点Bにおいて第2の中性子線源
4からは速中性子を管外部から汚泥1に照射すると、汚
泥1により多重散乱され熱中性子となり、第2中性子検
出器7によって検出される。第2中性子検出器7の出力
信号は前置増幅器14で増幅され、波高弁別器17にお
いて雑音信号を除去した後に計数器20で計数される。
ただし、計測点Bでは流速計で測定した流速および管路
長Lから求めた、計測点Aで測定した汚泥1が計測点B
を通過する時刻に同期して、圧力および中性子計数率の
測定を行なう。
【0022】最終的に、第1圧力計10、第2圧力計1
1、計数器18,19,20の各測定結果を演算処理器
21で演算処理して汚泥1の成分比を求める。以上のよ
うな構成の装置において、第1の中性子線源3と第2の
中性子線源4に252 Cf(放射性同位体)を、ガンマ線
源5に137 Cs(放射性同位体)を用いて汚泥1の計測
点Aでの各成分比を測定した例について説明する。
【0023】[気泡体積含有率(含有比)測定]気泡体
積含有率は散乱法による中性子計測によって測定する。
第1中性子線源3から放射されるエネルギーの高い速中
性子は汚泥1によって散乱され、エネルギーを徐々に失
っていく。中性子に対する減速能は、他の元素と比較し
て水素がずば抜けて大きいため、汚泥1中の水、有機物
を構成している水素原子と主に衝突することによって中
性子はエネルギーを失い、最終的にはエネルギーの非常
に小さい熱中性子となる。第1中性子検出器6( 3He
計数管)の検出効率は、熱中性子に対して高く、速中性
子に対しては低いので、結局中性子計数率(=中性子計
数値/計測時間;cpm)は汚泥1中の水、有機物体積
含有率を反映した量となる。第1中性子検出器6の測定
有効範囲体積Ve1 (cm3 )内の汚泥1に含まれる水
素原子数Nt(個)と、第1中性子検出器6によって測
定された計測器18の中性子計数率N(cpm)との間
には比例関係が成立するから N=K1 Nt …(1) ただし、K1 は比例定数(cpm/個)を表わす。
【0024】第1中性子検出器6の測定有効範囲体積V
1 内において、の第1圧力P(atm)(基準圧力)
の条件下での気泡、水、有機物、無機物の各体積をVv
(cm3 ),Vw(cm3 ),Vo(cm3 ),Va
(cm3 )とすると、 Vv+Vw+Vo+Va=Ve1 両辺をVe1 で除せば、第1圧力Pの条件下での気泡、
水、有機物、無機物の各体積含有率Sv,Sw,So,
Saの関係式として次式(2)が得られる。
【0025】 Sv+Sw+So+Sa=1 …(2) また、水、有機物、無機物の体積が圧力に依らずほぼ一
定であることから、測定中次の関係が保たれている。
【0026】 Vo=mVw (0≦m<1) …(3) Va=nVw (0≦n<1) …(4) ここでm,nは定数であり、一般的に汚泥1の主成分は
水であるから上式のように仮定してよい。式(3)及び
式(4)の各両辺をVeで除したものを式(2)に代入
すれば、 Sv+(1+m+n)Sw=1 m+n=k(定数)とおくと、 Sv+(1+k)Sw=1 …(5) となる。
【0027】水素を多量に含む汚泥成分は水と有機物で
あるから、体積Ve1 中に含まれる水、有機物が含有す
る水素原子数を各々Nw(個)、No(個)とするとN
tは、 Nt=Nw+No と表される。ここで水素密度を定義しておく。水の水素
原子密度(個/cm3 )をDwとし、有機物の水素原子
密度(個/cm3 )をDoとすると、 Dw=Hw[ρwNa/Mw] …(6) Do=Ho[ρoNa/Mo] …(7) であるから、Nw,Noはそれぞれ Nw=Hw[ρwNa/Mw](Ve1 Sw) No=Ho[ρoNa/Mo](Ve1 So) である。上式中において、Hw:水1分子に含まれる水
素原子数、Ho:有機物1分子に含まれる水素原子数、
ρw:水の密度(g/cm3 )、ρo:有機物の密度
(g/cm3 )、Na:アボガドロ数(個/mol)、
Mw:水の分子量、Mo:有機物の分子量である。式
(6)及び式(7)の右辺[]内は、単位体積に含まれ
る水、有機物の分子数であって、これにHw,Hoを乗
じれば水、有機物の水素密度が求められる。
【0028】したがって体積Ve中の水素原子数Ntは Nt=Nw+No =Hw[ρwNa/Mw](Ve1 Sw) +Ho[ρoNa/Mo](Ve1 So) =(NaVe1 /MwMo)(HwρwSwMo+HoρoSoMw) =(NaVe1 /MwMo) (HwρwMo+mHoρoMw)Sw(式(3)より) と表される。このときの中性子計数率Nは、上式(1)
より N=K1 Nt =K1 (NaVe1 /MwMo)(HwρwMo+mHoρoMw)Sw となる。
【0029】次に、図1の計測点Bで圧力および中性子
計数率を測定する。汚泥は粘性が高いために輸送管内を
圧送される間に圧力損失が生じ、計測点Aと計測点Bで
は圧力条件が異なるため計測点Bでの管内圧力をP0
(atm)とする。計測点Aと計測点Bの間の管路長お
よび流速計で測定した流動物の流速から、計測点Aで測
定された汚泥1が計測点Bに到達するのに同期させて、
圧力および中性子計数率を測定する。
【0030】ところで、第1中性子検出器6と第2中性
子検出器7の測定有効範囲体積および検出効率は、個体
差により異なっているのが一般的である。そこで、第2
中性子検出器7の測定有効範囲体積をVe2 (cm3
と定義する。測定有効範囲体積が変化したので、まず下
式を用いて圧力Pの状態におけるVe2 内での各体積含
有率を求める。Ve2 とVe1 の間には次の様な関係が
成立していると仮定できる。ただし、式中の係数qはゼ
ロでない定数を表わす。
【0031】Ve2 =qVe1 したがって気泡、水、有機物、無機物の各体積Vv2
Vw2 ,Vo2 ,Va2 についてもそれぞれ次式の関係
が成り立つ。
【0032】Vv2 =qVv Vw2 =qVw Vo2 =qVo Va2 =qVa Ve2 =Vv2 +Vw2 +Vo2 +Va2 ゆえに、このときの気泡,水,有機物,無機物の各体積
含有率Sv2 ,Sw2,So2 ,Sa2 については次式
が成立し、同一圧力条件においては第2中性子検出器7
が測定する体積含有率は第1中性子検出器6が測定する
体積含有率と同一である。
【0033】 Sv2 =Vv2 /Ve2 =qVv/(qVe1 )=Sv Sw2 =Sw So2 =So Sa2 =Sa Sv2 +Sw2 +So2 +Sa2 =1 次に、計測点Bでの計測条件である圧力P0 での気泡,
水、有機物、無機物の各体積含有率Sv0 ,Sw0 ,S
0 ,Sa0 を求める。計測点Bでの管内圧力P0 の条
件下の気泡体積をVv0 (cm3 )とすれば、ボイルの
法則から次式(8)の関係が成り立つ。
【0034】 Vv0 =VvP/P0 …(8) P0 <PであるからVv0 >Vvとなり、体積Ve2
おいて上式(8)の関係にしたがって気泡の体積が増加
し、その増加分だけ上式(3),(4)の関係を保ちつ
つ体積Ve2 に占める水、有機物、無機物の体積が減少
する。
【0035】よって、式(8)より次式(9)の関係が
得られる。 Sv0 =Vv0 /Ve2 =(P/P0 )(Vv2 /Ve2 ) =(P/P0 )Sv …(9) 上述したように圧力P0 の条件下では水、有機物、無機
物の体積含有率も各々Sw0 ,So0 ,Sa0 に変わっ
ており、上式(2)と同様に Sv0 +Sw0 +So0 +Sa0 =1 と表わすことができ、式(5)と同様に次式(10)の
ように表わされる。
【0036】 Sv0 +(1+k)Sw0 =1 …(10) 式(5)及び式(10)からkを消去し、さらに式
(9)を用いてSv0 を消去すると、次式(11)を得
る。
【0037】 Sw0 /Sw=(P0 −PSv)/[P0 (1−Sv)] …(11) また、このとき体積Ve2 内に含まれている水素原子数
Nt0 (個)は、 Nt0 =(NaVe2 /MwMo)(HwρwMo+mHoρoMw)Sw0 =q(NaVe1 /MwMo)(HwρwMo+mHoρoMw)Sw0
であるから、第2圧力P0 の条件下での中性子計数率N0 (cpm)は、式
(1)より次式のようになる。 N0 =K2 Nt0 =K2 (NaVe2 /MwMo)(HwρwMo+mHoρoMw)Sw0 =qK2 (NaVe1 /MwMo)(HwρwMo+mHoρoMw)Sw0 ただし、第1中性子検出器6と第2中性子検出器7は上
述したように検出効率等が異なっている他、第1中性子
線源3と第2中性子線源4の放射能が同一でないため、
一般的に係数Kは係数K2 に等しくならない。したがっ
て、N,N0 を比較する場合には、この個体差を補正す
る補正する必要がある。
【0038】そこで、管路を水で満たした状態(Sw=
Sw0 =1)で各計測点A,Bにおいて第1中性子検出
器6と第2中性子検出器7により中性子計数率をそれぞ
れ測定する。測定した中性子計数率をN1 ,N1 0 とす
ると、N1 につき次式の関係が成り立つ。
【0039】 N1 =K1 Nw =K1 HwρwNaVe1 Sw/Mw =K1 HwρwNaVe1 /Mw 同様にN1 0 につき次式の関係が成り立つ。
【0040】 N1 0 =K2 Nw =K2 HwρwNaVe2 Sw0 /Mw =K2 HwρwNaVe2 /Mw =qK2 HwρwNaVe1 /Mw これらのN1 ,N1 0 で上述のN,N0 を除すと、 N/N1 =(HwρwMo+mHoρoMw)Sw/
[HwρwMo] N0 /N1 0 =(HwρwMo+mHoρoMw)Sw
0 /[HwρwMo] これらの式から明らかなように、N/N1 とN0 /N1
0 から検出器に固有な定数K1 ,K2 ,Ve1 ,Ve2
が消去され、水含有比のみに依存する量となった。両者
の比をとると式(11)の関係から [N0 /N1 0 ]/[N/N1 ]=Sw0 /Sw =(P0 −PSv)/[P0 (1−Sv)] これを変形して次式(12)により第1圧力Pの条件下
での気泡体積含有率Svを得る。
【0041】 Sv=P0 (N0 ・N1 −N・N1 0 )/(N0 ・N1 ・P0 −N・N1 0 ・P) …(12) 第1圧力Pの条件下での気泡体積含有率Svを得る。な
お、第2圧力P0 の条件下での気泡体積含有率Sv0
式(8)より、 Sv0 =SvP/P0 である。
【0042】以上により第1圧力Pの条件下での中性子
計数率N、第2圧力P0 の条件下での中性子計数率N
0 、および第1圧力P、第2圧力P0 を測定すること
で、第1圧力Pの条件下での気泡体積含有率Svおよび
第2圧力P0 の条件下での気泡体積含有率Sv0 が求め
られた。 [有機物、水、無機物の体積含有率測定]図2及び図3
を参照しながら中性子計数率およびγ線計数率の測定結
果に基づきSw,So,Saのそれぞれを求める手順を
説明する。
【0043】上記の気泡体積含有率測定の場合と同様に
第1圧力Pの条件下での汚泥1の各成分の体積含有率を
次式(2)のようにおく。 Sv+Sw+So+Sa=1 …(2) まず中性子計数率(cpm)は汚泥に含まれる水素原子
数に比例するから、考慮すべき汚泥の成分は水素を多量
に含む水と有機物である。そこで上式(2)において、 SH =Sw+So とおき、 SSw=Sw/SH SSo=So/SH と定義すれば、下記の関係式が得られる。なお、SSw
は汚泥内の(水+有機物)部分を基準とした水の混合比
を表わし、SSoは汚泥内の(水+有機物)部分を基準
とした有機物の混合比を表わす。
【0044】SSw+SSo=1 図2は中性子計数率を説明するための概念図である。以
下、この概念図を参照しながらモデル化したサンプル
A,B1,B2,B3に対する中性子計測を考え、各試
料での中性子計数率を定義して水体積含有率を表す式を
導く。ただし、いずれの測定においても圧力条件は第1
圧力Pとする。
【0045】 サンプルA) 水(Sw=1):N1 (cpm) サンプルB1) 汚泥(0<SSw<1,0<SSo<
1):N2 (=N)(cpm) サンプルB2) 有機物+無機物+気泡(SSo=
1):N3 (cpm) サンプルB3) 水+無機物+気泡(SSw=1):N
4 (cpm) なお、上述の中性子計数率N2 は気泡体積含有率の測定
で測定したNと等しい。
【0046】ところで上式(6),(7)より、 Do/Dw=ρoHoMw/(ρwHwMo) である。N3 とN4 では同体積の有機物と水を測定して
いるから、両者の関係は水素密度比Do/Dwにより次
式(13)のように表わされる。
【0047】 N3 =[ρoHoMw/(ρwHwMo)]N4 …(13) また、中性子計数率N1 とN4 は水の体積比の違いから
次式(14)の関係がある。
【0048】 N4 =(1−Sv−Sa)N1 …(14) 次に、図3を用いて上記中性子計数率N2 からサンプル
B1中の(水+有機物)部分における水と有機物の混合
比[SSw(またはSSo)]が求められることを説明
する。
【0049】図3は、横軸にサンプルB1中の(水+有
機物)部分における水と有機物の混合比[SSw(また
はSSo)]をとり、縦軸に中性子計数率をとって、水
と有機物の混合比に対する中性子計数率の依存性を示す
特性線図である。いま、SSwが0から1に変化して中
性子計数率がN3 からN4 に変化したことから、サンプ
ルB1のN2 は次のように表わされる。
【0050】 N2 =N3 +(N4 −N3 )SSw =N3 +(N4 −N3 )[Sw/SH ] =N3 +(N4 −N3 )[Sw/(Sw+So)] =N3 +(N4 −N3 )[Sw/(1−Sv−Sa)] これをSwについて解くと下式(15)を得る。
【0051】 Sw=[(N2 −N3 )/(N4 −N3 )](1−Sv−Sa) =(ρwHwMoN2 −ρoHoMwN4 )(1−Sv−Sa) /[(ρwHwMo−ρoHoMw)N4 ](式(13)より) =[ρwHwMoN2 −ρoHoMw(1−Sv−Sa)N1 ] /[(ρwHwMo−ρoHoMw)N1 ](式(14)より) …(15) また、式(2)より 1−Sv−Sa=Sw+So であるから、これを上式(15)に代入してSwについ
て整理すると下記のように変形することができる。
【0052】 Sw=[ρwHwMo(N2 /N1 )−ρoHoMwSo] /(ρwHwMo) …(15−1) 先述したようにN2 は気泡体積含有率測定で測定したN
と等しいので、結局は次の関係式が得られる。
【0053】 Sw=[ρwHwMo(N/N1 )−ρoHoMwSo] /(ρwHwMo) …(15−2) ところで、γ線測定系で測定しているγ線計数率(=γ
線計数値/測定時間)の意味は次の通りである。一般に
γ線源5から放射されたγ線は、試料により散乱され方
向を変えるので、試料を透過してγ線検出器8に入射す
る透過γ線強度I(=γ線計数率G1 ,G2 )(cp
m)は下式(16)で表わされる。
【0054】 I=B・G・exp(−μρt) …(16) ただし、G:試料入射γ線強度(cpm) μ:質量減弱係数(cm2 /g) ρ:試料の平均密度(g/cm3 ) t:透過経路長(cm) B:ビルドアップ係数 Gはγ線源の放射能により規定された定数である。入射
したγ線を減弱するγ線と物質との相互作用は、光電効
果、コンプトン散乱及び電子対生成があり、これらの反
応断面積(相互作用の確率)は物質及び入射γ線のエネ
ルギーに依存する。
【0055】ところで、コンプトン散乱が主な損失過程
である場合、式(16)の質量減弱係数μは元素に依ら
ずほぼ一定であるので、本測定方法ではコンプトン散乱
が主なエネルギー損失過程であるようなエネルギーを持
つγ線を利用する。
【0056】さらに、汚泥1が流れる輸送管2のγ線透
過経路方向での変形も無いのでtも一定であり、γ線検
出器8で検出した透過γ線計数率は透過経路中の汚泥密
度ρに依存した量となる。つまり、透過γ線強度Iを測
定することにより、汚泥1の平均密度を知ることができ
る。なお、γ線源から放射されるγ線は必ずしも指向性
が良くないため、散乱γ線がγ線検出器8に入射する事
象が発生する。この見かけ上の透過γ線強度Iの増加
を、ビルドアップ係数Bで補正している。
【0057】ところで、第1圧力Pの条件下での汚泥1
の成分比は次式(2)の関係にある。 Sv+Sw+So+Sa=1 …(2) いま、第1圧力Pの条件下でのγ線測定を考える。
【0058】汚泥輸送管の片側肉厚をh(cm)、汚泥
1中のγ線透過長をX(cm)とする。また、それぞれ
の質量減弱係数については空気をμv(cm2 /g)、
水をμw(cm2 /g)、有機物をμo(cm2
g)、無機物をμa(cm2 /g)、輸送管壁をμs
(cm2 /g)とする。また、それぞれの密度について
は空気をρv(g/cm3 )、水をρw(g/cm
3 )、有機物をρo(g/cm3)、無機物をρa(g
/cm3 )、輸送管壁をρs(g/cm3 )とする。さ
らに、輸送管2への入射γ線数がG(cpm)、試料が
汚泥1のときの透過γ線数をG2 (cpm)とすると、
式(16)の関係より G2 =B・G・exp{−μvρvSvX} ・exp{−μwρwSwX}・exp{−μoρoS
oX} ・exp{−μaρaSaX}・exp{−μsρs2
h} また、輸送管2内が空気のみのとき(つまり空の状態)
の透過γ線数G1 (cpm)は、 G1 =B・G・exp{−μvρvX・exp{−μs
ρs2h} となる。
【0059】これらより G2 /G1 =exp{−μvρv(Sv−1)X} ・exp{−μwρwSwX} ・exp{−μoρoSoX} ・exp{−μaρaSaX} ここで質量減弱係数は物質によらずほぼ一定であるか
ら、 μ(cm2 /g)=μv=μw=μo=μa この関係を代入し、さらに自然対数をとると、 ln(G2 /G1 )=−μρv(Sv−1)X −μρwSwX−μρoSoX−μρaSaX =−μX[ρv(Sv−1) −ρwSw−ρoSo−ρaSa] これをさらに変形して ρvSv+ρwSw+ρoSo+ρaSa=[ln(G
2 /G1 )]/(μX)+(2Sv−1)ρv 従って、汚泥の平均密度ρ(g/cm3 )は次式(1
7)で与えられる。
【0060】 ρvSv+ρwSw+ρoSo+ρaSa=ρ …(17) よって、平均密度ρは次式(18)のように求まる。 ρ=[ln(G2 /G1 )]/(μX)+(2Sv−1)ρv …(18) ところで、以上に述べてきたことから次の関係式が成立
している。
【0061】 Sw=[ρwHwMo(N/N1 )−ρoHoMwSo] /(ρwHwMo) …(15−2) Sa=1−(Sv+Sw+So)(式(2)より) …(19) ρ=ρvSv+ρwSw+ρoSo+ρaSa …(17) 上式(15−2)及び(19)を式(17)に代入して
Soについて解くと、次式(20)のようになる。
【0062】 So=ρwHwMo[ρ−ρa+(ρa−ρv)Sv +(ρa−ρw)(N/N1 )] /[(ρo−ρa)ρwHwMo +(ρa−ρw)ρoHoMw] …(20) よって、求めたSoを用いて式(15−2)からSwが
求まる。さらに、So,Swが解けたのでSaも解け
る。このようにしてSo,Sw,Saを全て決定するこ
とができる。
【0063】また、以上の説明においては、圧力条件と
して第1圧力Pを想定し、第1圧力Pのときの汚泥成分
比So,Sw,Saをそれぞれ求めた。これと同様にし
て圧力条件を第2圧力P0 に想定し、第2圧力P0 のと
きの汚泥成分の各体積含有率So0 ,Sw0 ,Sa0
求めることもできる。この場合はSo,Sw,Saを求
める説明文中において、第1圧力Pを第2圧力P0 と、
SvをSv0 と、SoをSo0 と、SwをSw0 と、S
aをSa0 と、NをN0 と、それぞれ読み換えればよ
い。
【0064】なお、以上述べてきた方法においては第1
圧力Pの条件下、第2圧力P0 の条件下での各測定値か
ら第1圧力Pの条件下での汚泥の各成分の体積含有率S
v,Sw,So,Saを求めた。しかし以下の式により
第1圧力Pの条件下での各体積含有率から、任意の圧力
0 0 の条件下での汚泥の各成分の体積含有率を求める
こともできる。圧力P0 0 の条件下での気泡、水、有機
物、無機物の各体積含有率をSv0 0 ,Sw0 0 ,So
0 0 ,Sa0 0 とする。
【0065】まず、気泡体積含有率Sv0 0 は式(8)
の関係から下式(21)が成立する。 Sv0 0 =SvP/P0 0 …(21) 第1圧力P下では式(3)と式(4)から Vw+Vo+Va=(1+m+n)Vw 上式の両辺をVe1 で除して次式(22)とする。
【0066】 Sw+So+Sa=(1+m+n)Sw …(22) 同様に圧力P0 0 では、 Vw0 0 +Vo0 0 +Va0 0 =(1+m+n)Vw0
0 よって、次式(23)が成り立つ。
【0067】 Sw0 0 +So0 0 +Sa0 0 =(1+m+n)Sw0 0 …(23) ゆえに、式(22)と式(23)からSw0 0 /Swが
求まる。 Sw0 0 /Sw=(Sw0 0 +So0 0 +Sa0 0 )/(Sw+So+Sa) =(1−Sv0 0 )/(1−Sv) 式(21)を用いてSv0 0 を消去し、さらにSw0 0
について解くと、次式(24)を得る。
【0068】 Sw0 0 =Sw(P0 0 −PSv)/[P0 0 (1−Sv)] …(24) 同様にして有機物体積含有率So0 0 も次式(25)で
与えられる。
【0069】 So0 0 =So(P0 0 −PSv)/[P0 0 (1−Sv)] …(25) 結局、無機物体積含有率Sa0 0 は次式(26)のよう
に求まる。
【0070】 Sa0 0 =1−Sv0 0 −Sw0 0 −So0 0 …(26) このように第1圧力Pの条件下での各体積含有率から任
意の圧力P0 0 の条件下での各体積含有率を求めること
ができる。
【0071】同様に第2圧力P0 の条件下での汚泥の各
体積含有率Sv0 ,Sw0 ,So0,Sa0 を求め、こ
れを用いて任意の圧力P0 0 の条件下での各成分比Sv
0 0,Sw0 0 ,So0 0 ,Sa0 0 を求めることもで
きる。この場合に、各式(21),(24),(25)
においてPをP0 と、SvをSv0 と、SwをSw
0と、SoをSo0 と、それぞれ読みかえればよい。
【0072】以上に述べてきたように、圧力、中性子計
数率、γ線計数率をそれぞれ測定し、これらの測定値に
基づき所定の関係式を用いて演算することにより、短時
間で汚泥に含まれる各成分の体積含有率を得ることがで
きる。すなわち気泡を含む流動物(汚泥)が流れる輸送
管において、計測点Aおよび計測点Bでの各圧力を第1
圧力Pと第2圧力P0 の二条件に設定し、それぞれの圧
力と中性子計数率を測定し、また第1圧力Pもしくは第
2圧力P0 のいずれかのときにγ線計数率を測定する。
この測定結果である2つの圧力値、2つの中性子計数
率、1つのγ線計数率を用いて演算処理器により演算
し、汚泥中の気泡体積含有率、水体積含有率、有機物体
積含有率、無機物体積含有率を求めることができる。
【0073】上記輸送管内を流れる流動物の成分比測定
装置によれば、中性子計数率、γ線計数率は汚泥中の特
定原子の存在比のみにほぼ依存した量であるため、測定
に際して汚泥の前処理を必要としない。加えて中性子お
よびγ線と特定原子との反応は即発性であり、中性子検
出器およびγ線検出器はこの反応結果を測定するため、
測定時間も短時間である。このことにより輸送管内を流
れる流動物の成分比を輸送管外から測定することが可能
となる。
【0074】次に、上記実施例の装置において、第1中
性子線源3と第2中性子線源4に 2 52Cf(放射性同位
体)を、γ線源5に 137Cs(放射性同位体)をそれぞ
れ用いて、計測点Aでの圧力Pの条件下における汚泥1
の各成分の体積含有率を測定した場合について説明す
る。
【0075】先述したように、計測点Aにおける汚泥1
中の気泡、水、有機物、無機物の各体積含有率Sv,S
w,So,Saは、 Sv=P0 (N0 ・N1 −N・N10)/(N0 ・N1 ・P0 −N・N10P) …(12) So=ρwHwMo[ρ−ρa+(ρa−ρv)Sv +(ρa−ρw)(N/N1 )] /[(ρo−ρa)ρwHwMo +(ρa−ρw)ρoHoMw] …(20) Sw=[ρwHwMo(N/N1 )−ρoHoMwSo] /(ρwHwMo) …(15−2) Sa=1−(Sv+Sw+So) …(19) ρ=[ln(G2 /G1 )]/(μX)+(2Sv−1)ρv …(18) によって求めることができる。
【0076】上式においてN1 ,N1 0 ,G1 は計算に
必要な定数であって、予め測定しておく必要がある。N
1 は計測点Aにおける管路内を水で満たしたときの中性
子計数率であり、N1 0 は計測点Bにおける管路内を水
で満たしたときの中性子計数率であり、G1 は管路内を
空気とした時のγ線計数率である。これを定数として演
算処理器21に予め入力しておく。
【0077】いま、測定開始(t=0)の時刻に計測点
Aにおいて輸送管2内を輸送される汚泥1の成分比の測
定を行う。第1中性子線源3である 252Cfから放射さ
れる平均約2MeVの速中性子は、主に汚泥1中の水素
原子によって散乱され、エネルギを徐々に失っていく。
最終的にはエネルギーの非常に小さい熱中性子となり、
第1中性子検出器6によって検出された結果、計数器1
8において計数率Nを得る。
【0078】また、同時にγ線源5である 137Csから
放射される約0.66MeVのエネルギーを持ったγ線
のうち多くは汚泥1により散乱されて方向を変えるが、
一部は散乱されずに透過してγ線検出器8に入射して検
出され、この結果、計数器19においてγ線計数率G2
を得る。
【0079】ここで、流速計9の測定した汚泥1の流速
をY(m/秒)とし、計測点Aと計測点Bの間の管路長
をL(m)とし、また計測点Aと計測点Bの間において
輸送管2の管内径に変化がない場合には、t0 =L/Y
(秒)の時刻に前記汚泥1が計測点Bを通過する。した
がって、時刻t0 のときに計測点Bにおいて圧力および
中性子計数率を測定する。なお、計測点Aの第1圧力P
と計測点Bの第2圧力P0 は任意に選ぶことができる
が、粘性の高い乾燥汚泥(低湿分汚泥)の場合は輸送管
2内における圧力損失が約0.3[(kg/cm2 )/
m]になるので、両者の間には次式の関係が成り立つ。
【0080】P=P0 +0.3L これに基づいて計測点Aと計測点B間の管路長Lを決定
する。本実施例では管路長Lを5(m)とし、約1.5
(kg/cm2 )の圧力損失が得られた。計測点Aと同
様に第2中性子源4である 252Cfから放射される速中
性子が散乱され熱中性子となり、第2中性子検出器7に
よって検出された結果、計数器20において計数率N0
を得る。
【0081】以上、測定したP,P0 ,N,N0 を演算
処理器21に入力し、式(12)に基づき汚泥1の第1
圧力P下における気泡体積含有率Svを求める。また上
記の式(20)、(15−2),(19),(18)の
各定数においてXは汚泥1中のγ線透過経路長であり、
管路内径に依存した量である。質量減弱係数μとして汚
泥の主成分が水であることから0.66MeVのγ線に
対する水の質量減弱係数を採用してμ=0.085(c
2 /g)を、密度として水:ρw=1.0(g/cm
3 )、有機物:ρo=1.5(g/cm3 )、無機物:
ρa=2.44(g/cm3 )、空気:ρv=1.29
3×10-3(g/cm3 )を、さらにHw=2、Mw=
18(水の分子式H2 Oより)、有機物はセルロース
(C6105 )で代表してHo=10,Mo=162
を、予め演算処理器21に入力しておく。式(12)よ
り求めたSvおよび測定値N,N0 ,G2 を用いて式
(20)、(15−2),(19),(18)に基づき
演算処理器21でSo,Sw,Saを計算する。
【0082】上記の実施形態では、圧力条件の一つに第
1圧力Pを採用して、第1圧力Pの条件下の気泡、有機
物、水、無機物の各体積含有率を求めたが、任意の異な
る圧力条件で各種計測値を測定し、最終的に式(2
1),(24),(25),(26)を用いて第1圧力
Pの条件下の気泡、有機物、水、無機物の各体積含有率
を求めることも可能である。
【0083】また、上記の実施形態においては、無機物
体積含有率、有機物(水)体積含有率を求める際に予め
測定したG1 ,N1 を使用して計算により汚泥1の成分
比を求めたが、汚泥平均密度とG2 の較正曲線を予め求
めておくことにより汚泥平均密度を、また有機物(水)
体積含有率とN/N1 、N0 /N10較正曲線を予め求め
ておき、気泡体積含有率に応じた補正をすることで有機
物(水)体積含有率を各々求めることもできる。
【0084】さらに、上記実施形態では流動物として汚
泥の例について説明したが、本発明は汚泥のみに限定さ
れることなく、微粉炭と油と水とからなるスラリー、あ
るいは重油と水と砂とからなるスラリー等にも適用する
ことができる。
【0085】さらに、上記実施形態では第1中性子線源
3及び第2中性子線源4として 252Cfを用いたが、A
mーBe等の他の中性子線源を用いてもよい。また、γ
線源5として 137Csを用いたが、192 Ir等の他のガ
ンマ線源を用いてもよい。
【0086】またさらに、計測点Aと計測点Bとの圧力
差が大きいほど気泡の体積変化が増加するため、得られ
る計測値の変化量も増大し、気泡、水、有機物、無機物
の各成分の体積含有率の測定精度が大幅に向上する。し
かし、水体積含有率が非常に高い汚泥あるいは水と重油
等、粘性が低い流動物の場合には、水平輸送管内におけ
る圧力損失が小さく、計測点Aと計測点Bとの間におい
て実用的な圧力差が得られないことがある。
【0087】このような低粘性流動物の場合は、図4に
示す第2実施形態の装置のように、計測点Aと計測点B
との間に高低差を設け、重力による圧力差を生じさせる
ことが好ましい。この場合は計測点Bのレベルを計測点
AのレベルよりもZ(m)だけ高くし、圧力損失を高低
差によって生じさせている。図4において管路長Lは輸
送管2の中心線に沿って測った計測点Aと計測点Bとの
間の管路長である。なお、この方法以外に圧力差を生じ
させるには、輸送管の内径を部分的に細くする等の方法
が考えられる。
【0088】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係わ
る輸送管内を流れる流動物の成分比測定装置によれば、
輸送管内を流れる流動物の同一部位に対する中性子計数
率を圧力差が生じる2箇所の計測点で測定することによ
って、流動物中への気泡の混入にかかわらず、流動物の
成分比を高精度で測定することができ、しかも、流動物
のガンマ線計数率を測定することによって流動物の無機
物の成分比をも高精度で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流動物の成分比測
定装置を切り欠いて模式的に示すブロック構成図であ
る。
【図2】各試料に対する中性子計数率の定義を説明する
ための模式図である。
【図3】水/有機物含有比の測定原理を説明するための
特性線図である。
【図4】第2実施形態に係る流動物の成分比測定装置を
切り欠いて模式的に示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1…汚泥、2…輸送管、3…第1中性子線源、4…第2
中性子線源、5…ガンマ線源、6…第1中性子検出器、
7…第2中性子検出器、8…ガンマ線検出器、9…流速
計、10…第1圧力計、11…第2圧力計、12,1
3,14…前置増幅器、15,16,17…波高弁別
器、18,19,20…計数器、21…演算処理器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪川 修郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 宇山 清 神奈川県横浜市鶴見区小野町61番1号 エ ヌケーケープラント建設株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動物中の各成分の体積含有率をそれぞ
    れ測定する流動物の成分比測定装置であって、(a)流
    動物が通流する輸送管と、(b)この輸送管の任意の計
    測点Aで流体圧力を検出する第1の圧力計と、(c)前
    記計測点Aで輸送管内を通流する流動物に管外から中性
    子を照射する第1の中性子線源と、(d)流動物によっ
    て散乱される中性子を検出する第1の中性子検出器と、
    (e)この検出散乱中性子の計数率を計数する第1の中
    性子計数手段と、(f)前記計測点Aから離れた他の任
    意の計測点Bで流体圧力を検出する第2の圧力計と、
    (g)前記計測点Bで輸送管内を通流する流動物に管外
    から中性子を照射する第2の中性子線源と、(h)流動
    物によって散乱される中性子を検出する第2の中性子検
    出器と、(i)この検出散乱中性子の計数率を計数する
    第2の中性子計数手段と、(j)前記計測点A及び計測
    点Bの少なくとも一方で輸送管内を通流する流動物に管
    外からガンマ線を照射するガンマ線源と、(k)流動物
    を透過したガンマ線を検出するガンマ線検出器と、
    (l)検出透過ガンマ線の計数率を計数するガンマ線計
    数手段と、(m)前記輸送管内での流動物の流速を測定
    する流速計と、(n)得られた計数率、圧力、流速に基
    づき、流動物中に含まれる水、有機物、無機物、気泡の
    各成分の体積含有率のうち少なくとも1つを求める演算
    手段と、を備えることを特徴とする流動物の成分比測定
    装置。
  2. 【請求項2】 流動物中の各成分の体積含有率をそれぞ
    れ測定する流動物の成分比測定方法であって、(a)輸
    送管の任意の計測点Aで基準となる第1の流体圧力Pを
    検出する工程と、(b)前記計測点Aから離れた輸送管
    の任意の計測点Bで第2の流体圧力P0 を検出する工程
    と、(c)前記計測点Aを通過する流動物に中性子を照
    射し、散乱中性子を検出し、これを計数して中性子計数
    率Nを求める第1の中性子計数率測定工程と、(d)前
    記計測点Aから計測点Bまでの間における流動物の流速
    を測定する流速測定工程と、(e)この測定流速と前記
    計測点Aから計測点Bまでの管路長とから、計測点Aを
    通過した流動物が計測点Bに到達する時刻を算出する工
    程と、(f)この時刻に前記計測点Bを通過する流動物
    に中性子を照射し、散乱中性子を検出し、これを計数し
    て中性子計数率N0 を求める第2の中性子計数率測定工
    程と、(g)得られた中性子計数率Nと、予め第1の流
    体圧力P下で水のみのサンプルについて求めておいた中
    性子計数率N1 とから中性子計数率の比(N/N1 )を
    算出し、得られた中性子計数率N0 と、予め第2の流体
    圧力P0 下で水のみのサンプルについて求めておいた中
    性子計数率N1 0 とから中性子計数率の比(N0/N1 0
    )を算出し、さらに、これらの中性子計数率の比から
    比(N0 /N1 0)/(N/N1 )を算出する工程と、
    (h)得られた比(N0 /N1 0 )/(N/N1 )に基
    づき前記第1圧力Pの条件下での流動物中の気泡の体積
    含有率Svを下式を用いて算出する工程と、 Sv=P0 (N0 ・N1 −N・N10)/(N0 ・N1
    0 −N・N10P) を有することを特徴とする流動物の成分比測定方法。
  3. 【請求項3】 さらに、(i)第1圧力Pの条件下で流
    動物のサンプルにガンマ線を照射し、流動物を透過する
    ガンマ線の計数率G2 を測定し、この測定ガンマ線計数
    率G2 と、予め第1圧力Pの条件下で空気のみのサンプ
    ルについて求めておいたガンマ線計数率G1 と、ガンマ
    線計数率の比(G2 /G1 )と前記気泡体積含有率Sv
    とに基づき下式を用いて流動物の平均密度ρを算出する
    工程と、 ρ=[ln(G2 /G1 )]/(μX)+(2Sv−
    1)ρv (j)前記中性子計数率の比(N/N1 )と、前記流動
    物の平均密度ρと、前記気泡の体積含有率Svと、に基
    づき下式を用いて第1圧力Pの条件下での流動物に含ま
    れる有機物の体積含有率Soを算出する工程と、 So=ρwHwMo[ρ−ρa+(ρa−ρv)Sv+
    (ρa−ρw)(N/N1 )]/[(ρo−ρa)ρw
    HwMo+(ρa−ρw)ρoHoMw] ただし、ρwは水の密度(g/cm3 )、 ρoは有機物の密度(g/cm3 )、 ρaは無機物の密度(g/cm3 )、 ρvは空気の密度(g/cm3 )、 Hwは水1分子に含まれる水素原子数、 Hoは有機物1分子に含まれる水素原子数、 Mwは水の分子量、 Moは有機物の分子量、をそれぞれ表わす。を有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の流動物の成分比測定方
    法。
  4. 【請求項4】 さらに、(k)前記中性子計数率の比
    (N/N1 )と、前記有機物体積含有率Soと、に基づ
    き下式を用いて第1圧力Pの条件下での流動物に含まれ
    る水分の体積含有率Swを算出する工程を有することを
    特徴とする請求項3記載の流動物の成分比測定方法。 Sw=[ρwHwMo(N/N1 )−ρoHoMwS
    o]/(ρwHwMo)
  5. 【請求項5】 さらに、(l)前記気泡体積含有率Sv
    と、前記有機物体積含有率Soと、前記水分体積含有率
    Swとに基づき下式を用いて第1圧力Pの条件下での流
    動物に含まれる無機物の体積含有率Saを算出する工程
    を有することを特徴とする請求項4記載の流動物の成分
    比測定方法。 Sa=1−(Sv+Sw+So)
JP07193163A 1995-07-28 1995-07-28 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法 Expired - Fee Related JP3134043B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07193163A JP3134043B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07193163A JP3134043B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0943170A true JPH0943170A (ja) 1997-02-14
JP3134043B2 JP3134043B2 (ja) 2001-02-13

Family

ID=16303345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07193163A Expired - Fee Related JP3134043B2 (ja) 1995-07-28 1995-07-28 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3134043B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064385A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスハイドレートの生成システムおよび生成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064385A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスハイドレートの生成システムおよび生成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3134043B2 (ja) 2001-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4788852A (en) Metering choke
US5654551A (en) Method and apparatus for the measurement of the mass flow rates of fluid components in a multiphase slug flow
US4868856A (en) Multi-component flow measurement and imaging
US9086306B2 (en) Apparatus and method for measuring multi-phase fluid flow
US7492859B2 (en) Buildup-robust density, level and interface measurement with γ-backscattering
RU2334972C2 (ru) Способ и устройство для определения состава многофазного потока скважинной продукции
NO338594B1 (no) Fremgangsmåte og tilhørende apparat for overvåkning av strømning i et strømningsrør, og en anvendelse av apparatet og fremgangsmåten for overvåkning av strømning i en rørledning med blandet strømning.
JPS58135437A (ja) γ線伝送分析による多成分混合物の平均密度並びに体積配分の検出方法
US4200792A (en) Method of and apparatus for ascertaining the volume components of a three-component mixture
CN101017126B (zh) 双探测器在线密度测量方法和在线密度计
JP3134043B2 (ja) 流動物の成分比測定装置及び成分比測定方法
CA2992330C (en) Calibration of nuclear density meters
Ramos-Lerate et al. A new method for gamma-efficiency calibration of voluminal samples in cylindrical geometry
US6332351B1 (en) Detection of salt content of water through measurement of radiation attenuation
Eberle et al. Optimization of a one-shot gamma densitometer for measuring area-averaged void fractions of gas-liquid flows in narrow pipelines
US4025788A (en) Radiometric analyzer
Yan et al. Radiometric determination of dilute inhomogeneous solids loading in pneumatic conveying systems
JPH0933452A (ja) 汚泥の成分比測定装置及び成分比測定方法
Mayer et al. A scintillation counter technique for the X-ray determination of bone mineral content
US20190226963A1 (en) Calibration of nuclear density meters
RU2086955C1 (ru) Способ измерения параметров газожидкостного потока
Zych et al. Radioisotope measurement of selected parameters of liquid-gas flow using single detector system
Islami Rad Optimization of energy window for gamma densitometer based backscatter method in oil industry
CN113325014A (zh) 一种管道内混合三物质的质量含量分析方法
JPH07260664A (ja) 水分計

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees