JPH0934863A - ニューラルネットワークによる情報統合処理方法 - Google Patents

ニューラルネットワークによる情報統合処理方法

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JPH0934863A
JPH0934863A JP7178977A JP17897795A JPH0934863A JP H0934863 A JPH0934863 A JP H0934863A JP 7178977 A JP7178977 A JP 7178977A JP 17897795 A JP17897795 A JP 17897795A JP H0934863 A JPH0934863 A JP H0934863A
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neural network
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Hironari Masui
裕也 増井
Yasunari Obuchi
康成 大淵
Masaru Oki
優 大木
Akihito Sakurai
彰人 櫻井
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Hitachi Ltd
Original Assignee
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パターン情報と言語的情報とを同時に考慮
し、かつ、時系列情報と画像情報とを統合処理するよう
にし、また、リアルタイムで適切に収束判定を行うこと
により、高速・高精度な認識処理を可能とするニューラ
ルネットワークによる情報統合処理方法を提供するこ
と。 【構成】 手話認識を例にすると、まずデータグローブ
を用いて手動作の時系列データ106を得、CCDカメ
ラを用いて口形や表情等の画像データ107を得る。入
力された時系列データから手動作の個々の構成要素であ
る手話素の認識処理111が行われ、更にその手話素か
ら手話単語認識処理112が行われる。手話単語認識処
理の結果に対してネットワークでの認識処理113を行
う。そこでは意味的な共起関係も考慮して最適化処理
し、かつ、漸近特性をモニターして収束判定を行うこと
により、手話文を高速・高精度に認識できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニューラルネットワーク
による情報統合処理方法に関し、特にこれに基づくパタ
ーン認識方法に関する。より具体的には、手話認識方法
あるいは音声認識方法等に有効に利用し得るパターン認
識方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の認識方式としては、例え
ば、佐川等による「圧縮連続DP照合を用いた手話認識
方式」(電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J77-D-II,
No.4,pp.753-763,1994年4月、以下、「文献1」という)
や、酒匂等による「手話通訳装置および手話通訳システ
ム」(特開平6-67601号公報、以下、「文献2」という)に述
べられている如く、手話認識処理においてパターン的情
報のみに着目してDPマッチング処理等を適用し、一
方、言語的な制約として意味的な共起関係までも同時に
考慮するような処理は行われていなかった。また、例え
ば、本発明者等により提案されている「ニューロ処理と
統計処理との融合処理方法」(特願平5-335664号 平成5年
12月28日出願、以下、「文献3」という)や、同じく本発
明者等により提案されている「平均場近似アニーリング
法の最適解に対する漸近的特性」(1992年電子情報通信学
会春期大会予稿集 D-32,pp.6-32,1992年、以下、「文献
4」という)に述べられている如く、平均場近似アニーリ
ング法によって最適化を行う際に、反復状態更新の収束
判定条件で使用する臨界温度パラメータを事前に調査す
る必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来は、言
語的制約を受けている計測データについての認識処理に
おいて、パターン情報と言語的情報とを影響の大きさの
重み付けを考慮して同時に認識処理することは行われて
いなかった。また、平均場近似アニーリング法によって
最適化を行う際に、反復状態更新の収束判定条件で使用
する臨界温度パラメータを事前に調査する必要があっ
た。本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、従来の技術においては考慮されてい
なかった、パターン情報と言語的情報とを同時に考慮
し、かつ、時系列情報と画像情報とを統合処理するよう
にし、また、リアルタイムで適切に収束判定を行うこと
で、高速・高精度な認識処理を可能とするニューラルネ
ットワークによる情報統合処理方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上述の目的は、 (1)手話や音声等の言語的制約を受けるパターン的情報
に関する計測データの認識処理において、前記パターン
的情報データと言語的情報データとに基づいてニューラ
ルネットワークを構成する2次以上からなる結合荷重と
しきい値とを決定し、それらの結合荷重およびしきい値
をパラメータとして構成される目的関数であるエネルギ
ー関数を設定する際に、各情報要因に該当する項の係数
値の大きさを各情報要因を考慮する比率として予め調整
しておき、適切なエネルギー最小化方法に基づき人工ニ
ューロン素子の出力状態について反復状態更新を行い、
最終的に収束した人工ニューロン素子の出力状態分布を
認識結果として採用することを特徴とするニューラルネ
ットワークによる情報統合処理方法。 (2)上述のエネルギー最小化方法の1つである平均場近
似アニーリング法において、反復状態更新時に反復計算
回数に対してエネルギー値が大局的最適解へ向かう漸近
線の傾き係数をモニターし、その傾き係数に有意な変化
が見られた時点で温度パラメータが臨界温度以下になっ
ていると判断して反復演算処理を停止することを特徴と
する、上記(1)記載のニューラルネットワークによる情
報統合処理方法。もしくは、 (3)学習過程においては、認識対象から計測された画像
データと時系列データとを別々の特徴抽出用ニューラル
ネットワークに入力して、入力パターンと出力パターン
とを等しくさせる恒等写像の学習を行い、この際、中間
層の人工ニューロン素子数を情報量基準に基づいて最適
な値に調整しておくこととし、次に恒等写像を連想した
ときに各中間層に出現するパターンを認識用ニューラル
ネットワークに入力して学習を行っておき、新規パター
ンの認識過程においては、画像データと時系列データと
を、恒等写像を学習済みの各ニューラルネットワークへ
入力し、中間層に出現したパターンを特徴量データとし
て認識用ニューラルネットワークへ入力したときに出力
されるパターンとして認識結果を得ることを特徴とする
ニューラルネットワークによる情報統合処理方法。によ
って達成される。
【0005】
【作用】本発明に係るニューラルネットワークによる情
報統合処理方法においては、手話や音声等の言語的制約
を受けているパターン的情報に関する計測データから認
識処理を行うために、パターン的情報データと言語的情
報データとを反映させてニューラルネットワークを構成
する2次以上の結合荷重およびしきい値を決定する。そ
れらの結合荷重およびしきい値をパラメータとした目的
関数であるエネルギー関数を設定する際に、各情報要因
に該当した項の係数値の大きさを各情報要因を考慮する
重みとしてあらかじめ調整しておく。そして適切な最適
化方法を適用して人工ニューロン素子の出力状態に関し
て反復状態更新を行い、最終的に収束した人工ニューロ
ン素子の出力状態分布を認識結果とする。これにより、
パターン的情報と言語的情報とを同時に考慮した形で認
識処理を実現することが可能となる。また、平均場近似
アニーリング法を適用して最適化計算を行う際に、反復
計算回数に対してエネルギー値が大局的最適解へ向かう
漸近線の傾き係数をモニターし、その傾き係数に有意な
変化が見られた時点で温度パラメータが臨界温度以下に
なっていると判断して反復演算処理を停止するようにす
る。これにより、事前に臨界温度の推定処理を行う必要
がなくなる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例に係る手話認識
用システムの全体構成を示す図である。本実施例に係る
システムでは、図1に示すようなコンピュータシステム
を利用して、ニューラルネットワークによる情報統合処
理等の計算を実現する。図1に示すシステムにおいて
は、入力センサ104を通して時系列データあるいは画
像データ等を計測し、キーボード103を通してパラメ
ータデータを入力し、外部メモリ105にデータを貯蔵
し、コンピュータ102により演算を実行して、ディス
プレイ101を通して演算結果を表示する。
【0007】<実施例1>ここでは、説明をより具体的
にするため、手話認識用システムを例に取る。図2に、
システムの機能構成を示す。手話では、手の動作以外に
口の形(口形)や表情を使って情報を伝達している。本シ
ステムでは、データグローブを用いて手動作の時系列デ
ータ106を得る。時系列データとしては、32次元の
データが得られる。また、CCDカメラを用いて口形や
表情等の画像データ107を得る。高精度でロバスト性
の高い認識を行うためには、時系列情報と画像情報との
異種情報統合認識114が有効である。更に、マイクロ
フォンを用いて音声の時系列データ120(健常者の場
合)や、キーボードを用いて文章の文字データ122を
取り入れて、異種情報統合認識114を行うことができ
る。一般に、入力手段を増やして情報量を増加させるこ
とによって、認識精度の向上が期待できる。
【0008】データグローブから入力された時系列デー
タ106を使い、手動作の個々の構成要素である手話素
の認識処理111が行われる。更に、認識された手話素
を用い、手話単語認識処理112が行われる。従来はデ
ータグローブから採取された時系列データ全体にDPマ
ッチング処理を施すことによって、直接に手話単語認識
を行っていた。なお、計測データから直接手話単語認識
を行うよりも、手話素認識を行ってからの方が、認識精
度が向上すると期待される。手話単語認識処理112の
結果として、複数の単語候補が一般に出力される。本実
施例においては、コネクショニストモデルの一つである
確率的最適化方式に基づくネットワーク(以下、「確率的
最適化ネットワーク」と呼ぶ)での認識処理113を行
う。この処理では、意味的な共起関係をも考慮して最適
化処理を実行することにより、手話文を一意に高精度に
認識できる。意味的な共起関係データ118は、適切な
手話文のコーパス116を入力として自己組織化に基づ
く学習処理117を行って、事前に作成しておく。
【0009】図3は、図2に示した処理の全体のフロー
チャートである。以下、図3に基づいて動作を説明す
る。演算の開始(ステップ201)の後、まず、共起関係
データの自己組織化による作成(ステップ202)を行っ
ておく。次に、認識対象から、時系列データと画像デー
タの取り込み(ステップ203)を行い、そのデータに対
して手話素・手話単語の認識処理および口形・表情の特
徴抽出(ステップ204)を施し、ネットワークでの手話
文認識処理(ステップ205)を行う。そして、時系列認
識結果と画像認識結果からの統合認識処理(ステップ2
06)を行い、認識結果が出力(ステップ207)され
て、演算の終了(ステップ208)となる。前述の確率的
最適化ネットワークは、コネクショニストモデルの一つ
であり、ノード(人工ニューロン素子に相当する)間のリ
ンクが確率として定義されていることを特徴とする。本
実施例では、問題を表現するネットワークのリンクが、
2項関係の場合を取り上げて、文献3および文献4で記
述している高速近似最適化手法である 平均場近似アニ
ーリング(Mean Field Approximate Annealing、以
下、「MFAA」と略す)法を適用している。
【0010】単語とネットワークのノードとを1対1で
対応させ、ノードの出力値 iを例えば{0,1}の2値と
定義して、Vi=1であれば i番目の単語が解として選
択され、Vi=0であれば、選択されなかったことを表
現するものとした。DPマッチングによる手話単語認識
処理によって、複数の単語候補がリストアップされ、そ
の出力は、例えば、図4の形式となる。図4中で、各線
分306〜311が各々1つの単語を表わしている。i
を単語番号とすると、縦方向はDPマッチング処理での
認識対象パターンと基準パターンとの誤差である距離3
02を示しており、横方向は時間301の経過を示して
いる。例えば、単語候補1には、距離値D1 305と単
語の始点時間Ts1 303、終点時間Te1 304が決
められている。なお、Tを1つの文の時間長とする。
【0011】本発明では、パターンの制約や共起関係の
制約を表わすために、以下の4項目の目的関数を設定し
た。 (a)総距離の最小化:選択された単語の総距離を最小化
する。
【数1】 式(1)は、解として選択された単語(すなわち、Vi=1
であるもの)の距離Diの総和を示している。この総距離
が小さいほど、DPマッチング処理におけるマッチング
性の高い単語の組み合わせが選択されたことを示す。
【0012】(b)連続性の成立:単語が時間的に連続に
つながるようにする。
【数2】 上述の式(2)は、解として選択された単語(すなわち、
i=1であるもの)の時間長(すなわち、Tei−Tsi)
の総和と、その文全体の時間長Tとの差の2乗として単
語の連続性を定義する。つまり、この値が小さくなり最
小値0に近づく程、選択された単語を連ねたときの時間
長が文全体の時間長に近くなることを示している。
【0013】ここで、式(2)において、T・Tは Vi
依存しない定数であるから省略すると、結局、最小化と
して考慮すべき式は、以下のようになる。
【数3】 (c)同時性の排除:複数の単語が同時に生起しないよう
にする。
【数4】
【0014】i番目の単語とj番目の単語の重なり時間
長をSijとおくと、式(4)は、解として選択された2単
語間の重なり時間の総和を示している。ここで、分母項
は2単語のうち時間長(すなわち、Tex−Tsx)が短い
方の値であり、正規化のために設けているものである。
この値が小さくなり最小値0に近づく程、選択された単
語間に時間的な重複がなくなることを示している。 (d)共起性の成立:単語の共起性の強い組み合わせを選
択する。i番目の単語とj番目の単語との共起の強さを
ijとする。
【数5】
【0015】式(5)は、解として選択された2単語間の
共起性の強さを文全体で総和することを示している。単
語間の共起性の強い組み合わせが選択されるほど、この
値は小さくなる。参照データKijは、事前に準備してお
く必要がある。この2単語間の共起関係を自己組織化に
より獲得するための手法は、後述する。最終的な目的関
数G(Vi)は、以上4項目 F1(Vi)〜F4(Vi)の重み付
き線形和として、式(6)のように表わす。
【数6】 ここで、 係数Ci(i=1,・・・,4)は任意の定数で
あり、それぞれの目的関数の重要性を反映して適切な値
に設定することが可能である。
【0016】図5に、ネットワークによる求解手順を示
す。本問題に対しては、ネットワーク構造として相互結
合型を使用する。1ノードを1単語412に対応させ、
各ノードはしきい値409を持ち、2つのノード間には
結合荷重408が存在する。このネットワークで使用す
るパラメータである結合荷重およびしきい値は、手話デ
ータ401の時系列データをDPマッチング処理404
した結果と、手話コーパスから自己組織化406した共
起関係データとを用いて計算405する。具体的な計算
式の導出を、以下に述べる。最適化問題を解くためのネ
ットワークのエネルギー関数は、一般に2次形式
【数7】 として与えられる。ここで、Wijはi番目のノードとj
番目のノードとの結合荷重、Iiはi番目のノードのし
きい値を表わす。
【0017】この式(7)と式(6)とが等価であるとして
比較すると、
【数8】
【数9】 となる。ここで、反復状態更新に基づく最適化処理での
収束性が保証されるためには、Wij=Wjiの対称性とW
ii=0の自己結合零であることが条件であることが知ら
れている。Wij=Wjiの対称性は、Kijを対称に設定す
ることによって、満足される。Wii=0の自己結合零と
いう条件を満足させるために、式(8)と式(9)とを変形
する必要がある。ここで、ノードの出力値が{0,1}で
あれば、Vi・Vi=Viの関係が成立している。
【0018】この関係と式(7)とを利用して、式(8)と
式(9)を変形すると最終的に
【数10】
【数11】 となる。従って、ノード出力値が{0,1}と定義された
ネットワークモデルに対して、ネットワークの結合荷重
およびしきい値の設定は、式(10)と式(11)とに従え
ば良い。
【0019】一方、MFAA法では、ノード出力が{−
1,1}となる必要がある。そこで、この出力形式に対
応させるための変形を行う。この場合のノード出力をV
i’とすると、
【数12】 の線形変換が成立する。この式(12)を式(7)に代入す
れば、
【数13】 となる。
【0020】この式(13)より、ノード出力{−1,1}
に対応した結合荷重Wij’およびしきい値Ii’は、
【数14】
【数15】 となる。ここで、Wijは式(10)、Iiは式(11)に従
う。なお、式(13)の第3項目および第4項目は、ノー
ド出力に依存しない定数であるため省略した。
【0021】結局ノード出力が{−1,1}で記述される
モデルに対しては、ネットワークを式(14)と式(15)
とに従い、設定すれば良い。以上のようにして設定した
ネットワークに対して、エネルギー最小状態を求めるた
めに、本実施例ではMFAA法に基づく反復状態更新計
算を行う。計算の初期には各ノードは適当な初期状態4
07に設定されているが、充分な回数の状態更新410
により、最終的にエネルギー(準)最小の安定状態411
に到達する。そのとき発火している単語の組み合わせ
が、手話文の認識結果になる。
【0022】相互結合型ネットワークによる最適化問題
の求解技法として、最急降下法が、その簡便さと汎用性
とから広範囲な応用分野への適用例が報告されている。
しかし、この方法では、局所的極小解へのトラップとい
う問題が生じる。それを回避するために、エネルギー関
数の最小化を確率分布(ボルツマン分布)の最大化に置き
換えて最適化を図る手法として Simulated Annealing
(以下、「SA」と略す)法が提案されており、近年、種々
の分野への応用展開が進展している。しかし、このSA
法には、極めて長い計算時間がかかるという問題があっ
た。こうした問題を克服するものとして、前述のSA法
の高速近似解法であるMFAA法がある(文献4参照)。
【0023】これまでの方法では、1つのノードに着目
したとき他のノードがそれに及ぼす作用は、本来他のノ
ード状態に依存して様々な値を確率的に取っていた。し
かしながら、MFAA法では、その作用が平均的に定ま
るある場としてそのノードに働くと近似する。その平均
場中の1つのノード出力の平均値 miは、統計力学的手
法である平均場近似法により解析的に計算でき、その結
果は次式となる。
【数16】 ここで、ノード出力の取り得る状態範囲は、−1以上か
つ1以下の連続値であり、Tは温度パラメータである。
【0024】式(16)で得られるのは、あくまでもボル
ツマン分布に従うノード出力の平均値である。そこでノ
ード出力が2値化された状態配置を求めるために、数値
計算での反復解法処理時に T→0という冷却操作を行
うことにより、{mi}はボルツマン分布を最大化する状
態配置と近似的に等価となる。なお、MFAA法の適用
は2ノード間の結合のみからなるネットワークに限定さ
れるわけではなく、3ノード間以上の高次結合を有する
ネットワークをも対象としている。NP完全問題の範疇
に属するスピングラスのエネルギー最小化問題をベンチ
マーク問題とした場合に、大局的最適解へ接近する漸近
的特性が、SA法では反復回数tの対数の逆数 c/log
(t)に比例することが知られている。
【0025】それに対して、MFAA法では 反復回数
のべき乗の逆数 c/taに比例することを数値実験で確
認している(文献4参照)。つまり、無限の反復計算が可
能ならSA法を用いて大局的最適解へ到達できるが、有
限時間の数値計算では、MFAA法の方が大局的最適解
に対して質的に高速に接近できるため有効である。従来
は、計算の終了を収束判定条件
【数17】 により判断するか、あるいは最大更新回数への到達で判
断して来た。ここでは、式(17)の条件(s=0.000
01)を満足するまでとする。
【0026】また、各ノードの状態更新は、リミットサ
イクルのような周期解を回避するために、非同期的に行
った。また、本報告の数値実験では、各ノードの初期状
態を正規分布(平均値0)に従う乱数として与えた。エネ
ルギー関数の設定の妥当性を、選択単語数が既知とした
場合の全解探索の実験により検討した。実験に使用した
データを、図6〜図8に示す。このデータは、データグ
ローブでの採取データに対して、DPマッチングを適用
して得られた手話単語候補出力である。
【0027】図6の正解組み合わせは、「病気」501,
「何」504,「ですか」505、図7では「食欲」520,
「大丈夫」516,「ですか」518、また、図8では「口」
533,「開ける」535,「下さい」530であり、すべ
て正解単語数は3個であり、候補として参照した単語数
はDPマッチングの距離が小さい順に10個とした。従
って、調査する単語の組み合わせ数は、10個から3個
を取り出す組み合わせであるので、120通りである。
式(6)の係数C1〜C4を適切に調整することによって、
どのサンプルについてもエネルギー最小値が正解の状態
配置となった。そのときの単語組み合わせを図9〜図1
1に示す。
【0028】このときの係数の組み合わせ(C1,C2
3,C4)は、図9では (1.0,0.5,0.5,1.
0)、図10では (1.0,0.5,0.5,1.0)、ま
た、図11では (1.0,0,0,1.0)とした。チュ
ーニング時の設定係数の傾向として、DPマッチングの
距離 (係数C1)と共起関係(係数C4)の影響の比重を高
くした場合に 良好な結果が得られる。図8について
は、時系列に関する制約である連続性の成立 (係数C2)
および同時性の排除 (係数C3)に関して0に設定して
も、正解組み合わせが得られた。しかしながら、図6お
よび図7については、その影響を考慮しないと正解が得
られず、一般にはある程度時系列に関する制約が重要で
あり、それを考慮することが必要だと考えられる。
【0029】認識精度を向上させるためには、単語間の
共起情報を考慮に入れて最適化を行う。その共起情報
は、事前にルックアップテーブルとして、構築しておく
必要がある。共起情報の自己組織化のために、本発明で
は、ヘブ則に基づく教師なし学習方式を適用する。ヘブ
則は神経回路網における自己組織化の基本的なモデルで
あり、「ニューロンAとニューロンBとのシナプス結合
はAとBとが同時に発火したときに形成され、既に結合
が存在すれば、シナプス結合の伝達効率が更に上昇す
る」というものである。そのシナプス結合の時間発展の
差分方程式は、次式に従う。
【数18】
【0030】ここで、ニューロンの発火状態Xi={0,
1}を i番目の単語の活性値、シナプス結合Mijをi番
目の単語とj番目の単語との共起性の強さとして、aは
適切な定数とする。ヘブ則では、Mijが発散してしまう
という欠点がある。そこで、発散を抑止するため以下の
ように正規化処理を導入する。
【数19】 以上の式(18)と式(19)とに基づき決定されたM
ijを、前に導出された結合荷重およびしきい値の式に代
入して、ネットワークを構築することができる。なお、
これは2単語間の共起関係だけに限定されるものではな
く、3単語以上の共起関係についても同様にして定式化
することができる。また、予めクラスタリング処理等に
よって意味的な共起関係が強い単語同士をいくつかのク
ラスタに分けておき、各クラスタ毎にヘブ則を適用して
後述する共起関係テーブルを構築しておけば、認識処理
時に一層の高精度化を図ることが可能である。
【0031】便宜的に作成した小規模の手話文コーパス
を用いて、共起情報テーブルの構築実験を行った。実験
条件は、登録単語数を26単語とし、その単語を用いて
2〜6単語の組み合わせからなる手話文を164文作成
して、そのコーパスを、学習用データとして使用した。
具体的なアルゴリズムは、1つの単語を1つのノードに
対応させ、文内の連続する2単語毎に対応するノードX
iとXjの活性値を1として、式(18)および式(19)に
従ってMijを更新する。ここで、初期値はMij=0
(i,j=1,・・・・26)とし、学習係数はa=0.1とし
た。学習は、全データを1通り呈示することにより、収
束する。
【0032】本方式により構築された共起関係のルック
アップテーブルを、図17に示す。正規化処理の導入に
よって、共起強さは0以上1以下の範囲で分布している
ことが表から分かる。小規模なコーパスから構築したた
め、共起強さが0の単語組み合わせが多く見られる。コ
ーパスを大規模化することによって共起強さが0の単語
組み合わせが減って、全体がばらつくものと考えられ
る。なお、新規コーパスが得られたとき、本方式ではす
でに構築されている状態から追加学習を行うことが可能
である。図17において、例えば、行「頭」と列「とても」
の単語組み合わせの共起強さが0.560の値になって
いる。こうした組み合わせは 本来意味的な共起性は弱
い筈であるが、コーパスの文中にて連続して出現したた
めに、ある程度の共起強さを獲得している。こうした組
み合わせを排除できれば、よりシステムの精度向上が可
能となる。
【0033】従って、最初に、クラスタリング処理等を
導入して共起関係の強い単語のクラスタを作り、次に、
それぞれのクラスタ毎にヘブ則を適用して自己組織化を
行い共起関係テーブルを構築しておくという方式が有効
である。MFAA法を用いて、上記エネルギー関数設定
に基づき認識実験を行った結果を、図16に示す。実験
条件は、1〜4単語からなる10文について、特定話者
による各文を10回ずつ繰り返し、合計100文を対象
とした。エネルギー関数の係数のチューニングは、文番
号1について4人の話者による合計40文を用いて全解
探索により決定し、係数(C1,C2,C3,C4)を、
(1,0.001,1,1)とした。ここで、ノード数は
10とし、計算量の節約のために、発火ノード数が1個
から6個までの各組み合わせについて、全解探索を行っ
た。また、反復回数をtで表わして冷却スケジュールT
(t)をT(t)=C/tとし、定数Cはチューニングによ
り100とした。
【0034】文番号1は係数のチューニングに使用した
文であり、これについては、MFAA法を適用しても1
0回すべて正解値に到達し、正解率100%である。他
の文に対しては正解回数がばらつき、全体で正解回数が
61回となり、正解率は平均61%(標準偏差48.1)
となった。ここでは、エネルギー関数の係数を、文番号
1のみに対して最良となるように決定していた。複数の
文を対象にしてチューニングするようにすれば、更に認
識率はばらつきが少なく安定して、かつ、全体として精
度向上することが期待される。具体的なパラメータチュ
ーニングの手順は、例えば、正解組み合わせでのエネル
ギー値と全解探索で調べた最小エネルギー値との差をと
って、それを正解組み合わせでのエネルギー値により規
格化したものを誤差値とし、10種類の文それぞれに関
して誤差値を算出して、その平均が最小となるように係
数を設定するというやり方が考えられる。
【0035】各試行での収束までには、およそ50回程
度の反復で充分であった。全解探索(発火数1個〜10
個)で調査される組み合わせ数は、ノード数10の問題
に対しては1048通りであるが、より長い文に対応さ
せてノード数を増加させて行ったときには組み合わせ爆
発の問題が発生する。シミュレーションでの計算時間比
較によると、ノード数10ではMFAA法の高速性は約
4倍であったが、ノード数15では約128倍、ノード
数20では約4096倍の差が生じると推定される。従
って、問題の規模が大きくなるほど、本方式の有効性は
発揮されると言える。本実施例の最後に、異種情報統合
認識の方式を、図12に示す。時系列データ701と画
像データ702の各々について、予め特徴抽出用ネット
706において別々の多層型ニューラルネットワークを
用いて恒等写像を学習しておく。
【0036】上述の学習時に、情報量基準であるAIC
やMDLPを用いて中間層のサイズ最適化708を行っ
ておく。その基本的な考え方は、自由度(ここでは 中間
層サイズ)、学習パターン数,学習誤差から決まる情報
量基準が 最小となるような自由度のときに、システム
の汎化能力が最良となることに基づいている。この処理
により、中間層710および713において最小で、か
つ、十分な情報量を含んだ特徴量パターンが出現する。
異種情報データの統一的な取り扱いを指向したときに、
ニューロという非線形性フィルタによる変換のもとで抽
出されたこの特徴パターンは、いわば、中間言語の役割
を果たすものとみなせる。認識時には、時系列データと
画像データの各々について中間層に出現したパターンを
変換された特徴量として、単一の学習済み認識用ネット
ワークの入力層715へ入力して、出力層717の出力
として認識結果705を得ることができる。
【0037】図13は、図12で示した処理の全体のフ
ローチャートを示す。以下、図13に基づいて動作を説
明する。演算の開始(ステップ801)の後、まず、時系
列データおよび画像データの恒等写像学習用の多層型ニ
ューラルネットワークを特徴抽出用ネットとして準備
(ステップ802)しておく。次に、特徴抽出用ネットで
時系列データおよび画像データの恒等写像を、情報量基
準により中間層サイズを最適化して学習する(ステップ
803)。そして、特徴抽出用ネットの中間層に出現し
たパターンを入力として、認識用ネットの学習を行う
(ステップ804)。以上で学習過程が終わり、次に、認
識過程では、認識したい時系列データおよび画像データ
を特徴抽出用ネットに入力する(ステップ805)。そし
て、特徴抽出用ネットの中間層に出現したパターンを認
識用ネットへ入力する(ステップ806)と、その出力層
のパターンとして認識結果が出力されて(ステップ80
7)、演算の終了(ステップ808)となる。
【0038】<実施例2>文献3および文献4で述べら
れているように、MFAA法は大局的最適解への接近の
仕方として漸近的特性を有している。そして、ネットワ
ーク毎に固有の臨界温度を持ち、その温度を境にして漸
近的特性のパラメータ(具体的には 反復回数にかかるべ
き数)が変化する。以下、これについて具体的に、文献
4に従い説明する。扱われている問題は、無限レンジの
シェリントン−カークパトリック模型に従うスピングラ
ス問題である。これはNP完全問題に属し、具体的には
ijを平均0分散1の正規乱数で、かつ、Wij=Wji
ii=0として与え、Ii=0と設定されている。な
お、結果は25種類の初期乱数系列に対する結果の平均
値で表わされる。冷却方式は、T(t)=C/tであり、
Cは適当な定数である。
【0039】臨界温度以上の高温領域での漸近特性と、
臨界温度以下の低温領域での漸近特性が図示されてお
り、高温領域ではべきが1であるが、低温領域ではべき
が3に変化することが示されている。最適化求解のため
には計算は温度パラメータが臨界温度になるまで行えば
十分であるが、従来は文献3で述べられているようにこ
の臨界温度を知るために事前に推定する処理が必要であ
った。そこで、本発明においては、反復計算中にエネル
ギー値の漸近的特性をプロットし、温度を冷却して行く
に連れて、ある時点でそれまで従っていた漸近線からの
有意な逸脱が見られたときには、その時点では臨界温度
を通過しそれ以下の低温領域に入っているとみなして、
計算を終了することとした。本発明によれば、事前に臨
界温度を推定するための実験を行う必要がなくなる。
【0040】文献3で述べられているように、冷却方式
を定温に設定すれば、収束が極めて早くなる。しかしな
がら、局所的極小解にトラップされ易くて正解が得られ
難くなるという欠点がある。そこで、定温にしたときに
正解が得られる可能性を高くするにはどうすれば良いか
が問題となる。結論として、本発明では、文献3で述べ
られたように臨界温度を推定したとき、秩序パラメータ
が1付近に立ち上がった温度(本実施例では、これを「臨
界温度」と呼ぶ)を、定温収束させるときの温度として設
定すれば良い。ここで秩序パラメータとは文献3にて導
入されている変数であり、値が0のときはネットワーク
全体のニューロンの出力値が中間状態に留まっているこ
とを示し、値が1のときにはネットワーク全体のニュー
ロンの出力値が2値に分かれていることを示す。
【0041】何故この温度かというと、温度が高過ぎる
と各ニューロンの出力状態が中間値のままで残ってしま
い、逆に温度が低過ぎると初期状態に依存して極めて局
所的極小解にトラップされ易くなるためだと、定性的に
は考えることができる。図14には、ある手話文の認識
を何種類かの温度901で定温収束により試行実験した
ときに、秩序パラメータの値q902と対応させて結果
が正解に到達したかどうかを示している。実験条件は、
3単語からなる手話文を実験対象とし、ネットワークの
ノード数を10個、反復回数を100回、係数(C1,C
2,C3,C4)を(3.0,0.001,1.0,1.0)に
設定した。黒丸印903が 正解に到達したことを示し
ており、臨界温度付近の910〜912が正解に到達し
ていることが、図14から明らかである。
【0042】従来、プログラムの収束判定には、式(1
7)に示す条件が用いられてきた。ここで、ある手話文
の認識実験を行ったときの、反復回数1001の増加に
対する収束値1002(式(17)の左辺)の変化を図15
(a)に、反復回数1003の増加に対する個々のニュー
ロンの出力値1004(全10ニューロン中 4ニューロ
ン1005〜1008について表示)の変化を図15
(b)に示す。図15(a)で示されているように、収束値
は反復20回以前に 0.0001以下になったにもかか
わらず、一旦、0.01程度まで上昇して その後再び低
下して行き、0.00001以下にまで落ちるという挙
動を呈している。
【0043】この原因は、図15(b)に示されているよ
うに、4種類のニューロン1005〜1008は反復回
数25回ぐらいまでは−1に接近して行くが、2番目1
006,5番目1007および8番目1008のニュー
ロンが一層−1へ近づいて行くに連れて、それらのニュ
ーロンの値の1番目のニューロンに対する影響が増大し
て、1番目のニューロンが逆に1へ向かうように変化し
たことの影響によるものである。こうした状況が発生し
得るので、もし、収束判定値を 0.0001に設定して
いた場合、ニューロン値が収束する以前に反復処理が終
了してしまう。そうした不都合を回避するため、例とし
て、各ニューロンの出力値が最終的に1か−1の2値の
どちらかを取るとした場合には、
【数20】 を満足するかどうかで、収束判定を行うようにすれば良
い。ここで、sは適当な微小値として設定する。
【0044】また、各ニューロンの出力値の値域が異な
る場合(例えば、1と0の2値)は、1または−1の2値
となるような線形変換を施してから式(20)に代入すれ
ば、その値域に応じた収束判定条件に修正される。以
下、本発明の具体的な応用例を示す。まず、図18は、
手話トレーニングシステムの構成例を示す図である。こ
のシステムにおいては、トレーニングの前に、入力する
手話の正確な手動作に対して本システムにより、正しい
認識結果が得られるように、ネットワークでの認識処理
113において、適切な係数設定等の調整を行ってお
く。そして、人が手話のトレーニングを行う段階では、
トレーニング者は表現しようとする手話をデータグロー
ブを用いて入力し、システムの認識結果が意図した意味
に合致するか否かを確認する。
【0045】上記システムによれば、意味が合致するま
で手話動作を反復して練習することによって、手話動作
のトレーニングを行うことができる。また、図19は、
外国語および方言の翻訳システムの構成例を示す図であ
る。このシステムにおいては、例えば、外国語から日本
語への翻訳、あるいは、方言の標準語への変換を、高精
度に行うことができる。システムへの入力は、CCDカ
メラによる口形や表情の画像データと、マイクロフォン
を用いて音声の時系列データとの、2種類の異種情報で
ある。これらの情報に対して、異種情報統合認識114
を適用して、入力した外国語あるいは方言の意味を認識
し、その認識結果を音声108,手話画像124,文章
画像125等として、日本語あるいは標準語等に変換し
て出力する。なお、上記各実施例はいずれも本発明の一
例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるべ
きものではないことは言うまでもないことである。
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、パターン情報と言語的情報とを同時に考慮し、か
つ、時系列情報と画像情報とを統合処理するようにし、
また、リアルタイムで適切に収束判定を行うことによ
り、高速・高精度な認識処理を可能とするニューラルネ
ットワークによる情報統合処理方法を実現できるという
顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る手話認識用システムの
全体構成を示す図である。
【図2】実施例に係る手話認識用システムの機能構成を
示す図である。
【図3】図2に示した処理の全体のフローチャートであ
る。
【図4】DPマッチング処理の出力形式を示す図であ
る。
【図5】ネットワークによる求解手順を示す図である。
【図6】テスト用サンプルを示す図(その1)である。
【図7】テスト用サンプルを示す図(その2)である。
【図8】テスト用サンプルを示す図(その3)である。
【図9】エネルギー最小の組み合わせ図(その1)であ
る。
【図10】エネルギー最小の組み合わせ図(その2)であ
る。
【図11】エネルギー最小の組み合わせ図(その3)であ
る。
【図12】異種情報統合認識のシステム構成図である。
【図13】異種情報統合認識の処理フローチャートであ
る。
【図14】定温収束での温度に対する秩序パラメータの
変化を示す図である。
【図15】状態更新の反復回数に対する収束判定値の変
化および人工ニューロン素子の出力状態値の変化を示す
図である。
【図16】MFAA法を用いて、エネルギー関数設定に
基づき認識実験を行った結果を示す図である。
【図17】共起関係のルックアップテーブルを示す図で
ある。
【図18】手話トレーニングシステムの構成例を示す図
である。
【図19】外国語および方言の翻訳システムの構成例を
示す図である。
【符号の説明】 101 ディスプレイ 102 コンピュータ 103 キーボード 104 入力センサ 105 外部メモリ 106 手動作の時系列データ 107 口形や表情等の画像データ 108 認識結果(音声) 109 シンボル情報 110 パターン情報 111 手話系認識処理 112 手話単語認識処理 113 確率的最適化ネットワークでの認識処理 114 異種情報統合認識処理 115 自己組織化 116 コーパス 117 学習処理 118 共起関係データ 119 画像認識処理 120 音声の時系列データ 121 音声認識処理 122 文章文字データ 123 自然語認識処理 124 認識結果(画像) 125 認識結果(文字)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06G 7/60 G10L 3/00 571G G09B 21/00 9/10 301C G10L 3/00 551 9192−5L G06F 15/38 Z 571 15/62 420A 9/10 301 9061−5H 15/70 465A (72)発明者 大淵 康成 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 大木 優 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 櫻井 彰人 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手話や音声等の言語的制約を受けるパタ
    ーン的情報に関する計測データの認識処理において、前
    記パターン的情報データと言語的情報データとに基づい
    てニューラルネットワークを構成する2次以上からなる
    結合荷重としきい値とを決定し、それらの結合荷重およ
    びしきい値をパラメータとして構成される目的関数であ
    るエネルギー関数を設定する際に、各情報要因に該当す
    る項の係数値の大きさを各情報要因を考慮する比率とし
    て予め調整しておき、適切なエネルギー最小化方法に基
    づき人工ニューロン素子の出力状態について反復状態更
    新を行い、最終的に収束した人工ニューロン素子の出力
    状態分布を認識結果として採用することを特徴とするニ
    ューラルネットワークによる情報統合処理方法。
  2. 【請求項2】 前記言語的情報データとして用いる単語
    間の共起関係を事前にコーパス(大規模な例文集)から獲
    得しておくために、最初に意味等の関係がある単語をク
    ラスタリング処理によっていくつかのクラスタに分類し
    ておき、次に1つの単語を1つの人工ニューロン素子に
    対応させて単語間の共起強さを人工ニューロン素子間の
    結合荷重で表わすものとし、各クラスタ毎にヘブ則に基
    づく教師なし学習を適用して単語間の共起関係を獲得し
    ておくことを特徴とする請求項1記載のニューラルネッ
    トワークによる情報統合処理方法。
  3. 【請求項3】 前記ヘブ則を適用する際に、2単語以上
    にわたる単語間の共起強さを同次数の結合荷重で表現す
    ることとし、同時に学習の発散を回避するために正規化
    処理を併用することを特徴とする請求項2記載のニュー
    ラルネットワークによる情報統合処理方法。
  4. 【請求項4】 前記エネルギー最小化方法の1つである
    平均場近似アニーリング法において、反復状態更新時に
    反復計算回数に対してエネルギー値が大局的最適解へ向
    かう漸近線の傾き係数をモニターし、その傾き係数に有
    意な変化が見られた時点で温度パラメータが臨界温度以
    下になっていると判断して反復演算処理を停止すること
    を特徴とする請求項1記載のニューラルネットワークに
    よる情報統合処理方法。
  5. 【請求項5】 前記エネルギー最小化方法の1つである
    平均場近似アニーリング法において、臨界温度の近傍の
    温度で定温収束させることを特徴とする請求項1記載の
    ニューラルネットワークによる情報統合処理方法。
  6. 【請求項6】 前記エネルギー最小化方法の1つである
    平均場近似アニーリング法において、反復状態更新での
    収束判定条件として、各人工ニューロン素子の出力状態
    値が1か−1の2値のどちらかに収束する場合には、各
    人工ニューロン素子の出力状態値の絶対値と1との差の
    2乗の値を計算して全ニューロンについて総和をとり、
    それをニューロン数の2乗で割って正規化した値が0に
    充分近づいたときに収束したと判断して反復状態更新を
    停止することを特徴とする請求項1記載のニューラルネ
    ットワークによる情報統合処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のニューラルネットワーク
    による情報統合処理方法に基づき、表現しようとする手
    話をニューラルネットに入力し、該ニューラルネットが
    出力する認識結果が意図した手話と合致する度合に応じ
    て、手話動作の練習を行うことを特徴とする手話トレー
    ニング方法。
  8. 【請求項8】 学習過程においては、認識対象から計測
    された画像データと時系列データとを別々の特徴抽出用
    ニューラルネットワークに入力して、入力パターンと出
    力パターンとを等しくさせる恒等写像の学習を行い、こ
    の際、中間層の人工ニューロン素子数を情報量基準に基
    づいて最適な値に調整しておくこととし、次に恒等写像
    を連想したときに各中間層に出現するパターンを認識用
    ニューラルネットワークに入力して学習を行っておき、
    新規パターンの認識過程においては、画像データと時系
    列データとを、恒等写像を学習済みの各ニューラルネッ
    トワークへ入力し、中間層に出現したパターンを特徴量
    データとして認識用ニューラルネットワークへ入力した
    ときに出力されるパターンとして認識結果を得ることを
    特徴とするニューラルネットワークによる情報統合処理
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のニューラルネットワーク
    による情報統合処理方法に基づき、口形あるいは表情の
    画像データと、音声の時系列データとを別々の特徴抽出
    用ニューラルネットに入力して、それから抽出した特徴
    量データを用いて認識用ニューラルネットで認識処理を
    行った結果を翻訳出力とする一連の操作により、外国語
    および方言の翻訳を実現することを特徴とする外国語や
    方言の翻訳方法。
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