JPH09324184A - 原油の貯蔵安定化剤 - Google Patents

原油の貯蔵安定化剤

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JPH09324184A
JPH09324184A JP14387996A JP14387996A JPH09324184A JP H09324184 A JPH09324184 A JP H09324184A JP 14387996 A JP14387996 A JP 14387996A JP 14387996 A JP14387996 A JP 14387996A JP H09324184 A JPH09324184 A JP H09324184A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原油を貯蔵する際に堆積するスラッジを減少
させ、ワックス成分の目減りを少なくし、水分との分離
性を高め、かつ貯蔵タンク等の金属の腐食を抑制する原
油の貯蔵安定化剤を提供する。 【解決手段】 数平均分子量1000〜5千万の多糖類
を原油の貯蔵安定化剤として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原油の貯蔵安定化剤
に関し、詳しくは原油を貯蔵する際に生成するスラッジ
の堆積を抑制する、ワックス成分の目減りを少なくす
る、原油と水分との分離性を高める、および貯蔵タンク
等の金属の腐食を抑制する等の効果に優れた原油の貯蔵
安定化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原油は採掘時に泥水、土砂などを
夾雑し、輸送中にも海水などの混入があり、さらに採掘
されて精製されるまでの間に鉄製の種々の装置(たとえ
ばケーシング、チュービング、地中に埋められたパイプ
ラインや集油・集ガス施設や貯蔵タンクなどほとんど全
てが鉄製の装置である)を経由して貯蔵タンクで貯蔵さ
れるため、鉄の混入が回避できない状態にある。原油は
大気や光が届かない地中に存在している際には酸素を含
んでいないが、炭酸ガスや硫化水素のような腐食性のガ
スを含んでおり、これらは水が共存すると鉄の腐食を促
進させ、貯蔵中に貯蔵タンクを腐食させるという問題が
あった。悪条件が揃うと、わずかに半年の期間で1cm
の厚い原油輸送用の鉄管に孔が開いてしまう程の腐食性
がある場合がある。さらに原油は固体パラフィン、アス
ファルト分などの固体成分を含んでおり、夾雑物と固体
パラフィン類が水とエマルジョンを作っていわゆるスラ
ッジとなる。このスラッジは貯蔵タンクの中で沈降し、
沈澱堆積していく。貯蔵中に生じたスラッジは精製工程
に送られるとトラブルの原因となるため、定期的にタン
クから除去されているが、これには多大な労力と経費が
必要であるばかりでなく、原油中のワックス成分である
パラフィン類がスラッジとして取り除かれてしまうとい
う問題があった。しかし、貯蔵タンクの改良を行う以外
に決定的な対策がないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、原油を
貯蔵する際に堆積するスラッジを減少させ、ワックス成
分の目減りを少なくし、水分との分離性を高め、かつ貯
蔵タンク等の金属の腐食を抑制する原油の貯蔵安定化方
法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の分子量を
有する多糖類が貯蔵安定性に優れた性能を有することを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、数平
均分子量1000〜5千万の多糖類からなる原油の貯蔵
安定化剤を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の態様】以下本発明を具体的に説明する。
本発明の原油の貯蔵安定化剤は、数平均分子量1000
〜5千万の多糖類からなるものである。本発明でいう多
糖類とは、穀類、野菜、果物、茸、海藻など植物由来の
多糖類、微生物由来の多糖類を含み栽培や発酵によって
生産するものまたはそれらの多糖類、種々のオリゴ糖ま
たは単糖から酵素や化学的反応によって合成される多糖
類およびその誘導体を含む。本発明において、多糖類を
構成する単糖としては、任意のものが使用でき、具体的
には例えば、アラビノース、キシロース等のペントー
ス;グルコース、イドース、ガラクトース、マンノー
ス、タロース等のヘキソース;フコース、ラムノース、
2−デヒドログルコース等のデオキシ単糖;ガラクトサ
ン、グルコサミン、マンノサミン、N−アセチルグルコ
サミン、N−アセチルガラクトサミン等のアミノ単糖;
グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンノロン酸等のウロ
ン酸;グルコン酸、グルコサミン酸等のアルドン酸など
が挙げられる。
【0006】本発明でいう多糖類とは、上記したような
単糖から選ばれる1種または2種以上の単糖が数平均分
子量1000〜5千万となるように結合してなるもので
ある。本発明の多糖類としては、1種の単糖のみから構
成されるホモ多糖類であっても、2種以上の単糖から構
成されるヘテロ多糖類であってもよい。本発明に係る多
糖類の数平均分子量の上限値は5千万、好ましくは3千
万、より好ましくは1千万、最も好ましくは500万、
下限値は1000、好ましくは1万、より好ましくは1
0万、最も好ましくは30万である。数平均分子量が1
000に満たない場合は、スラッジ堆積の抑制効果に劣
る、ワックス分目減りの減少効果に劣る、耐腐食性が小
さくなるなど好ましくなく、また数平均分子量が5千万
を越える場合は原油に対する分散性が悪くなる、流動性
が低下しハンドリングしにくくなるなど好ましくない。
なお、本発明でいう数平均分子量とは、ゲル濾過法によ
り測定される数平均分子量をいう。
【0007】また、本発明で用いる多糖類の構造は、直
鎖型でも分岐型でもよい。なお、本発明において、直鎖
型多糖類とは単糖残基が直鎖状に結合した構造のものを
いい、分岐型多糖とは直鎖状に結合した単糖残基を主鎖
とし、該主鎖に側鎖として単糖残基が結合している構造
のものをいう。本発明において、分岐型多糖類の側鎖の
長さや種類はなんら限定されない。
【0008】直鎖型多糖としては、具体的には例えば、
α−1,3−1,4−グルカン(エリシナン、ニゲラン
等)、β−1,3−グルカン(カードラン等)、α−
1,4−グルカン(アミロース等)、β−1,4−キシ
ラン、β−1,4−グルカン(セルロース等)、α−
1,6−グルカン(デキストラン等)、α−1,4−
1,6−グルカン(プルラン等)、α−1,3−β−
1,4−ガラクタン(アガロース等)、アルギン酸、コ
ンニャクマンナン、キチン、キトサン、ムコ多糖(ヘキ
ソサミンとウロン酸)、ヒアルロン酸、コンドロンチ
ン、グルコサミンキチン、糖タンパク、糖脂質、リポ多
糖などが挙げられる。
【0009】分岐型多糖としては、具体的には例えば、
α−1,5−1,3−アラビナン、α−1,4−1,6
−グルカン(アミロペクチン、グリコーゲン等)、β−
1,3−1,6−グルカン(サクシノグルカン、スクレ
ロタン、スクレログルカン、レンチナン、シゾフィラ
ン、コリオラン、下記式(1)で表される分岐型グルカ
ン等)、β−1,6−1,3−ガラクタン(ε−ガラク
タン等)、β−2,6フルクタン(レバン等)、α−
1,6−マンナン、ガラクトマンノグリカン、キサンタ
ンガム、アラビアガム、カッティガムなどが挙げられ
る。
【0010】
【化1】
【0011】(上記式(1)中、mおよびnは数平均分
子量が1000〜5千万となるような値を表し、かつm
/(m+n)が0.3以上、好ましくは0.5以上、よ
り好ましくは0.8以上となるような値を表す。)
【0012】また本発明でいう多糖類としては、例えば
マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、サイクロデキス
トリン、分岐サイクロデキストリン等のα−グルコオリ
ゴ糖;乳化オリゴ糖、α−ガラクトオリゴ糖、ニトー
ス、ケストース、イヌロオリゴ糖等のフラクトオリゴ
糖、β−グルコオリゴ糖、キシロオリゴ糖、キトオリゴ
糖、マンノオリゴ糖、ポリデキストロ、ヘテロオリゴ糖
などのオリゴ糖も用いうる。さらに本発明の多糖類とし
ては、上記したような多糖類の水酸基を誘導体化したも
のも用いうる。誘導体の種類および誘導体化の程度は特
に制限はない。誘導体としては具体的にメチル誘導体、
アセチル誘導体などが挙げられる。
【0013】本発明においては、上記した多糖類の中で
も、スラッジ堆積の抑制効果、ワックス分目減りの減少
効果、原油と水分との分離性、耐腐食性等の点から分岐
型多糖類が好ましい。また、分岐型多糖類の分岐度は任
意であるが、その分岐度は高い程好ましく、以下の式
(2)で表される分岐度が、10%以上、より好ましく
は30%以上、さらに好ましくは50%以上、最も好ま
しくは80%以上であることが望ましい。
【0014】
【数1】
【0015】本発明に係る多糖類の分岐度は、任意の公
知の方法で測定される。具体的には例えば、特開平6−
340701号公報に開示された13C−NMRスペクト
ルを用いて測定する方法などが挙げられる。さらに、本
発明の多糖類としては、上記した分岐型多糖類の中で
も、特に上記式(1)で表される分岐型グルカンが、ス
ラッジ堆積の抑制効果、ワックス分目減りの減少効果、
原油と水分との分離性、耐腐食性等の点からより好まし
い。
【0016】上記式(1)で表される分岐型グルカンと
は、β−1,3結合のグルコース残基を主鎖とし、この
主鎖グルコース残基にβ−1,6結合のグルコース残基
を側鎖として多数有するものである。なお、上記式
(1)においては、ユニット〔I〕とユニット〔II〕と
のブロック共重合体の形で表したが、式(1)で表され
る分岐型グルカンとしては、ブロック共重合体に限らず
ユニット〔I〕とユニット〔II〕がランダムに結合した
ランダム共重合体も含まれる。また、側鎖分岐のないグ
ルコース(ユニット〔II〕)同志の結合は主鎖に存在し
ないものがより好ましい。
【0017】上記式(1)で表される分岐型グルカンの
製造方法は任意であるが、オウレオバシディウム属に属
する微生物を培養して得られるものが好ましく用いられ
る。この微生物は直鎖型多糖であるプルラン(α−1,
4−1,6−グルカン)を多量に生産する微生物として
知られているものであるが、炭素源としてキシロースお
よびビタミンCを用いることによって、式(1)で表さ
れる分岐型グルカンを選択的に製造することが可能であ
る。しかしながら、式(1)で表される分岐型グルカン
をより高効率で生産できる点から、オウレオバシディウ
ム属に属する微生物をUV照射あるいは化学的処理をす
ることによって突然変異させた菌株を用いることが好ま
しい。このような菌株は、具体的には例えば、オウレオ
バシディウム プルランスに属する微生物を突然変異処
理し、実質的にメラニン色素を産生しない菌株を選別
し、その中から式(1)で表される分岐型グルカンを高
生産する変異株を選別することにより得ることができ
る。具体的には、工業技術院生命工学技術研究所に寄託
されているFERM P−15096が挙げられる。こ
の微生物を培養する際には培養液のpHを6.8〜8.
5、好ましくは7.0〜8.0に制御して培養すること
により式(1)で表される分岐型グルカンを多量に生産
することができる。
【0018】本発明の原油の貯蔵安定化剤は、上記した
多糖類からなるものである。本発明でいう原油として
は、パラフィン基原油、ナフテン基原油、混合基原油、
特殊原油、またはこれらの混合物など、任意の原油が使
用可能である。本発明の原油の貯蔵安定化剤の原油への
添加量は、原油の性状やその貯蔵方法により異なるが、
その実質的な上限値は原油および貯蔵安定化剤の合計量
を基準として、500質量ppm、好ましくは200質
量ppm、下限値は0.01質量ppm、好ましくは
0.1質量ppmである。添加量が500質量ppmを
越えても、それ以上の効果の向上は見られずコストアッ
プにつながるなどして好ましくない。また、添加量が
0.01質量ppmに満たない場合は、スラッジ堆積の
抑制効果、ワックス分目減りの減少効果、原油と水分と
の分離性、耐腐食性等の本発明の目的とする効果を得る
ことができない。
【0019】本発明の原油の貯蔵安定剤の原油への添加
は、任意の工程で行うことができる。例えば、原油を貯
蔵タンクへ移動する際でもよく、貯蔵タンク中の原油に
添加してもよい。しかしながら、原油と貯蔵安定剤の混
合が十分となり、スラッジ堆積の抑制効果、ワックス分
目減りの減少効果、原油と水分との分離性、耐腐食性等
に優れた効果を発揮する、原油を貯蔵タンクへ移動させ
る工程において原油の移動にポンプに連動させて注入す
ることが好ましい。また、本発明の原油の貯蔵安定化剤
を原油へ添加する際には、本発明に係る多糖類を粉末の
まま添加させてもよく、水、アルコール、クロロホル
ム、トルエン、ガソリン、灯油、軽油、重油、原油また
はこれらの混合物などの溶剤100重量部に対して、本
発明に係る多糖類を0.1〜400重量部、好ましくは
1〜200重量部添加させたものを配合させてもよい。
この中でも、粉末のまままたは溶剤として水を用いた場
合がより好ましい。
【0020】本発明の原油の貯蔵安定化剤は、原油に添
加した場合にスラッジ堆積の抑制効果、ワックス分目減
りの減少効果、原油と水分との分離性、耐腐食性等に優
れた効果を発揮するものであるが、その性能をさらに高
める目的で公知の原油貯蔵添加剤を単独で、または数種
類組み合わせて原油へ添加することもできる。これら添
加剤としては、具体的には例えば、高分岐度ポリエチレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレンアルキルアクリレート共重合
体、塩素化ポリエチレン、ボリアクリルアクリレート、
アルケニルコハク酸アミド系化合物等の流動点降下剤;
スルホン酸塩、脂肪酸塩、硫酸化油等の陰イオン系界面
活性剤;第四アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン等
の陽イオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ひまし油エチレンオキサイド付加物、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロ
ピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル等の非イオン系界面活性剤;メチルナフタレ
ン、ジメチルナフタレン等の芳香族系溶剤;オレフィン
−無水マレイン酸共重合体ポリアミド等の粘度指数向上
剤などを挙げることができる。これら添加剤を添加する
際の添加量も任意であるが、通常添加剤の個々の添加量
は原油、貯蔵安定化剤およびその他の添加剤の合計量を
基準として、1質量%以下、望ましくは0.1質量%以
下である。
【0021】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。
【0022】実施例1 オウレオバシディウム プルランス(Aureobas
idium pullulans)工業技術院生命工学
技術研究所寄託番号FERM P−15096株をポテ
トデキストロース寒天斜面培地に培養し、保存されてい
た菌株を、次の組成を有する液体培地(pH7.0)3
00mlを坂口フラスコに入れたものに接種して温度3
0℃、120rpmで30時間振とう培養した後、2段
のディスクタービン翼付きの5Lの小型発酵層に同様の
培地2.5Lにフラスコ培養液を10質量%を植菌し
て、通気量1vvm、攪拌回転数を200rpmから6
00rpmまで徐々に上げて溶存酸素量を15%以上に
保持して28℃で4日間培養した。培養の間、pH調整
剤はアルカリとして5N炭酸ナトリウムを、酸として5
N酢酸を用い、添加によりpHを7.0±0.1に調整
して培養を行った。 液体培地の組成 グルコース 30g NaNO3 2.5g K2 HPO4 0.4g KH2 PO4 2.0g KCl 0.5g MgSO4 ・7H2 O 0.5g FeSO4 ・7H2 O 0.01g 蒸留水 1L
【0023】上述の培養液2.5Lを遠心分離機を用い
て菌体を取り除き、得られた培養上清に同量のエタノー
ルを加えて室温で数時間攪拌した。次に遠心分離を行
い、得られた沈澱物は、数平均分子量300万、分岐度
90%を有するβ−1,3−1,6−グルカンであっ
た。上記のようにして得られたβ−1,3−1,6−グ
ルカンを下記に示す性状を有するカフジ原油に添加し、
以下の方法により水分離性試験、スラッジ堆積試験およ
び耐腐食性試験を行った。 (カフジ原油) 密度(15℃):0.8826g/mL 動粘度(30℃):17.54mm2 /s 流動点:−20℃以下 水分:0.50vol% トルエン不溶分:0.005質量% 塩分:156ppm 全酸価:0.31mgKOH/g 全塩基価:1.74mgKOH/g 灰分:0.020質量% ケイ素分:0.7ppm 鉄分:7ppm ろう分:4.4質量%
【0024】(水分離性試験)200mLのステンレス
製ビーカーに、カフジ原油95mL、水5mL、および
上記のようにして得られたβ−1,3−1,6−グルカ
ンを粉末の状態で5mgを入れ、ホモミキサーで300
0rpmで10分間攪拌し、エマルションとした。この
エマルションを250mL目盛り付きスクリューキャッ
プ付きガラス製サンプルビンに移した後、室温で24時
間静置し、分離した水層の体積を測定した。結果を表1
に示す。 (スラッジ堆積試験)2Lのステンレス製ビーカーに、
カフジ原油1L、上記のようにして得られたβ−1,3
−1,6−グルカン50mgを入れ、ホモミキサーで3
000rpmで10分間攪拌し、エマルションとした。
直径40mm、高さ1000mmのガラス製シリンダー
の底から40mmのところに抜き出しコックを取り付け
た容器に、このエマルション全量を入れて、4℃で1カ
月静置した後、コックからコックよりも上部の試料を取
り除き、残った試料についてJIS K 2601「原
油試験方法」19.ワックス分試験方法に準拠して、ワ
ックス分を測定した。結果を表1に示す。なお、このワ
ックス分が少ないほど、スラッジ堆積量、ワックス目減
りが少ないことを表す。 (耐腐食性試験)200mLのステンレス製ビーカーに
カフジ原油95mLと水5mLを入れ、ホモミキサーで
3000rpmで10分間攪拌し、エマルションとし
た。このエマルション50mLを50mL目盛り付きス
クリューキャップ付きガラス製サンプルビンに、上記の
ようにして得られたβ−1,3−1,6−グルカンを粉
末の状態で、2.5mg添加した。その後、キャップを
しめてよく振り混ぜた後、JIS K 2246「さび
止め油」5.28 腐食性試験方法に準拠して、浸漬に
よる腐食量を測定した。なお、試験片としてはJIS
G 3141「冷間圧延鋼板」のSPCC−SB鋼板
(1.5×25×50mm)を用い、50℃、7日間緩
やかに攪拌して試験を行った。結果を表1に示す。
【0025】実施例2〜6 β−1,3−1,6−グルカンのかわりに、表1に示す
性状を有する糖類を用いた以外は実施例1と同様にし
て、水分離性試験、スラッジ堆積試験および耐腐食性試
験を行った。
【0026】比較例1〜2 本発明に係る多糖類を用いない場合(比較例1)、およ
びβ−1,3−1,6−グルカンのかわりに、単糖であ
るグルコースを用いた場合(比較例2)について、実施
例1と同様にして水分離性試験、スラッジ堆積試験およ
び耐腐食性試験を行った。表1の結果から明らかなとお
り、多糖類を用いなかった場合(比較例1)および単糖
であるグルコースを用いた場合(比較例2)に比べて、
本発明に係る多糖類を用いた場合は、水分離性に優れ、
スラッジの減少効果も大きく、さらに耐腐食性にも優れ
ていることが分かる。
【0027】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本城 勲 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量1000〜5千万の多糖類
    からなる原油の貯蔵安定化剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006233087A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Cosmo Oil Co Ltd 灯油組成物
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