JPH09305649A - 論理シミュレーション装置 - Google Patents

論理シミュレーション装置

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JPH09305649A
JPH09305649A JP8121428A JP12142896A JPH09305649A JP H09305649 A JPH09305649 A JP H09305649A JP 8121428 A JP8121428 A JP 8121428A JP 12142896 A JP12142896 A JP 12142896A JP H09305649 A JPH09305649 A JP H09305649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 同時スイッチングノイズの影響を考慮した論
理シミュレーションにより、ノイズによるLSIの誤動
作を検出できるようにする。 【解決手段】 テストパターン格納部18内のテストパ
ターンを用いてシミュレータ本体16がLSIの論理動
作をシミュレーションしている間に同時スイッチングノ
イズの影響を計算するノイズ影響計算部12を設ける。
ノイズ影響計算部12は、ノイズ影響計算条件入力部1
0またはノイズ影響計算条件格納部14により、対象L
SIの電源電圧Vddや入力バッファのHレベル入力電圧
の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大値VIL等の
ノイズ影響計算条件データを得るとともに、このデータ
とシミュレーション結果に基づいて出力バッファの同時
スイッチングに起因するグランドバウンスの大きさΔV
を算出する。そして、このΔVとVIHやVILなどを用い
て、LSIに印加すべきテストパターンの値を修正す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路の
論理動作をシミュレーションするために使用される論理
シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルLSI(大規模集積回路)の開
発において、論理設計を検証するために論理シミュレー
ション装置が利用されている。論理シミュレーション装
置は、論理設計結果に基づいて設計対象のLSIの論理
回路としての動作のシミュレーションすなわち論理シミ
ュレーションを行うものである。この論理シミュレーシ
ョンの結果はそのLSIの仕様と比較され、両者が一致
しない場合は、設計に誤りがあるとして設計結果である
論理回路が修正された後、さらに論理シミュレーション
が行われる。このようにして論理回路の修正と論理シミ
ュレーションとが、LSIの仕様と論理シミュレーショ
ン結果とが一致するまで行われ、両者が一致すると論理
設計が完了する。その後、論理設計結果に基づいてLS
Iが製造される。LSIの論理シミュレーション結果が
LSIの仕様と一致していれば、実際に製造されたLS
Iの動作も仕様と一致することになる。
【0003】ところで、近年の半導体の微細加工技術の
進歩によりLSIの集積度が飛躍的に増大しており、か
ってプリント回路基板上でしか実現できなかったような
システムが1チップのLSIで実現できるようになって
きている。この結果、LSIのピン数は増大しつつあ
る。すなわちLSIは「多ピン化」の傾向にある。ま
た、半導体の微細加工技術の進歩は、集積度の増大に加
えて、動作速度の飛躍的な向上をもたらしている。すな
わちLSIは「高速化」の傾向にもある。
【0004】このようなLSIの高速化および多ピン化
に伴い、LSIの開発過程において種々の問題が生じて
いる。例えば、設計段階における論理シミュレーション
上では完全に仕様通りに動作するにもかかわらず、製造
されたLSIをテストする段階またはボードに実装して
実際に使用する段階では仕様通りに動作しないという事
態が生じるようになっており、これがLSIの高速化お
よび多ピン化に伴って大きな問題となっている(例え
ば、吉森崇,森敏明「高速多ピンCMOSデバイスの伝
送およびノイズ特性」,電子情報通信学会 技術研究報
告ICD88-79,Vol.88,No.230,pp.47-53 (1988年10月20
日) 参照)。
【0005】この問題の原因は、LSIの高速化および
多ピン化に伴ってノイズの影響が無視できない程度に大
きくなっているにもかかわらず、論理シミュレーション
ではこれが考慮されていない点にある。すなわち、ノイ
ズを無視して論理シミュレーションが行われていたた
め、論理シミュレーションではLSIが正常に動作する
にもかかわらず、実際に製造されたLSIは正常に動作
しないという事態が生じていたのである。
【0006】この問題の原因であるノイズのうち最も影
響の大きいものは、同時スイッチングノイズである。す
なわち、LSIにおける複数の出力バッファが同時にス
イッチングしたときに、パッケージに寄生する接地ピン
のインダクタンスによって接地電位に波状変動(「グラ
ンドバウンス」と呼ばれる)が生じることによる影響が
大きい(David Shear「高速CMOS標準論理ICのグ
ランド・バウンスを試験」,日経エレクトロニクス,198
9年5月15日号,no.473,pp.226-227 参照)。
【0007】図5は、このような同時スイッチングノイ
ズの影響を説明するための図であって、LSIにおける
入出力部の回路構成を示している。いま、出力バッファ
101および102が同時にスイッチングしたとする
と、このとき、電源ラインからこれらの出力バッファ1
01、102を貫通して接地ラインに電流が流れ、接地
ピンを流れる電流が大きく変化する。接地ピンを流れる
電流が大きく変化すると、LSIのパッケージに寄生す
る接地ピンのインダクタンスLpにより、LSI内の接
地ラインの電位すなわち基準電位が変動する(グランド
バウンスの発生)。このようにしてLSIの基準電位が
変動すると、入力バッファ103への入力信号の電位が
見かけ上変動することになり、その変動が入力バッファ
103の閾値電圧を越えるとLSIが誤動作する。そし
て、LSIの高速化および多ピン化が進むと、出力バッ
ファの同時スイッチングによる電流変化率di/dtが
大きくなってグランドバウンスが大きなものとなるた
め、このような誤動作がより多く生じることになる。
【0008】これに対し、従来、上記同時スイッチング
の影響を抑えるために種々の対策が考えられてきた。す
なわち、寄生インダクタンスLpを小さくしたり電流変
化率di/dtを小さくしたりすることによりグランド
バウンス自体を小さくするという対策や、入力バッファ
の電源・グランドと出力バッファの電源・グランドとを
別系統にしたりグランドピンの適当な配置によってノイ
ズの原因となる電流を分散させたりすることによりグラ
ンドバウンスの影響が入力バッファに伝わらないように
するという対策が考えられている。
【0009】しかし、従来の対策の多くは、効果が必ず
しも満足できるものではなかったり、コスト上昇を招い
たり、適用できる範囲が限定されていたりするという問
題があり、従来の対策のうち実際的な解決策となるのは
次の対策のみと考えられている。そして、この対策(以
下「従来の解決策」という)が現実によく使用されてい
る。「グランドピン1本当たり許容できる同時スイッチ
ング可能な出力バッファ数を定義し、その制限を越えな
いように、グランドピンを適当に配置する。」上記解決
策の具体的内容は以下の文献において説明されている。 (1)公開実用新案公報 昭63−20440号 (2)「I/Oセルの選択とピン配置」,CMOS Standar
d Cell RCS-08A SeriesDesign Manual(株式会社リコ
ー), p.6-3 (3)「ディジタル波形の検証がオシロから回路シミュ
レータへシフト」,日経エレクトロニクス,1995年7月
31日号,no.641,p.184
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の解
決策もLSIの高速化および多ピン化に伴う問題を根本
的に解決するものではなく、次のような問題がある。第
1の問題は、実際のLSIでは品種毎に使用条件が異な
るため、それに応じてノイズに対して要求される許容度
も異なっており、また、「同時スイッチングの出力バッ
ファ数の制限」自体が一応の目安に過ぎないことから、
解決策としての効果が曖昧であって効果を定量的に把握
することができないということである。第2の問題は、
実際にはグランドピンを増設する必要がないにもかかわ
らず、上記「制限」を越えないようにするために増設す
るという事態が生じ、その結果、過剰保証によって無用
のコスト上昇を招くおそれがあるということである。
【0011】ところでLSIの高速化および多ピン化に
伴う問題は、論理シミュレーションではLSIが正常に
動作するにもかかわらず、実際に製造されたLSIは正
常に動作しない、という点にあった。そして、上記解決
策を含めた従来の対策は、原因となる同時スイッチング
ノイズ(グランドバウンス)を抑えることによりこの問
題を解決しようとするものであった。しかし、如何なる
対策によってもノイズを完全に抑えることは不可能であ
り、LSIの高速化および多ピン化に伴って同時スイッ
チングノイズはますます増大する傾向にあるため、同時
スイッチノイズの低減という従来の方法は、本来的に根
本的な解決策とはなり得ない。
【0012】そこで本発明では、同時スイッチングノイ
ズを完全に抑えるのが不可能なことを考慮し、同時スイ
ッチングノイズによって実際には正常に動作しないよう
なLSIについては、予め設計段階においてシミュレー
ションにより正常動作しないことを検出可能とする論理
シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
<第1の態様>上記課題を解決するため本発明に係る第
1の論理シミュレーション装置では、デジタル信号を入
力し出力する半導体集積回路の動作を、電源ラインの電
位に対応するHレベルと、接地ラインの電位に対応する
Lレベルと、不定状態Xとの少なくとも3種類の信号値
による論理回路の動作としてシミュレーションする論理
シミュレーション装置において、前記電源ラインに供給
される電源電圧Vddの値を入力するための第1入力手段
と、前記集積回路における入力バッファのHレベル入力
電圧の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大値VIL
を入力するための第2入力手段と、前記論理シミュレー
ションの過程において同時にスイッチングする出力バッ
ファを検出する同時スイッチング検出手段と、同時スイ
ッチング検出手段による検出結果に基づき、出力バッフ
ァの同時スイッチングによって生じる前記グランドバウ
ンスの大きさΔVを算出する算出手段と、前記電源電圧
Vddから前記グランドバウンスの大きさΔVを減算した
値Vdd−ΔVをHレベル入力電圧実効値として出力し、
前記グランドバウンスの大きさΔVをLレベル入力電圧
実効値として出力する入力電圧実効値算出手段と、前記
集積回路における各入力バッファに前記集積回路の外部
から入力される信号の値がHレベルかLレベルかを判定
する入力値判定手段と、入力値判定手段によりHレベル
の信号が入力されていると判定された入力バッファにつ
き、 i)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
レベル入力電圧の最小値VIH以上であれば、Hレベルの
信号が該入力バッファに入力されているものとし、 ii)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
レベル入力電圧の最小値VIHよりも小さくかつ該入力バ
ッファのLレベル入力電圧の最大値VILよりも大きけれ
ば、不定状態Xの信号が該入力バッファに入力されてい
るものとし、 iii)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのL
レベル入力電圧の最大値VIL以下であれば、Lレベルの
信号が該入力バッファに入力されているものとする、と
いう第1の入力値再設定処理を行いつつ、前記論理シミ
ュレーションを続行させる第1制御手段と、入力値判定
手段によりLレベルの信号が入力されていると判定され
た入力バッファにつき、 i)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのL
レベル入力電圧の最大値VIL以下であれば、Lレベルの
信号が該入力バッファに入力されているものとし、 ii)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
レベル入力電圧の最小値VIHよりも小さくかつ該入力バ
ッファのLレベル入力電圧の最大値VILよりも大きけれ
ば、不定状態Xの信号が該入力バッファに入力されてい
るものとし、 iii)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
レベル入力電圧の最小値VIH以上であれば、Hレベルの
信号が該入力バッファに入力されているものとする、と
いう第2の入力値再設定処理を行いつつ、前記論理シミ
ュレーションを続行させる第2制御手段と、を備えた構
成としている。
【0014】このような構成によれば、シミュレーショ
ン上の各時点において、同時にスイッチングする出力バ
ッファが検出され、その検出結果に基づき、同時スイッ
チングによって生じるグランドバウンスの大きさΔVが
算出される。そして、このΔVがLレベル入力電圧実効
値とされ、電源電圧VddからΔVを減算した値Vdd−Δ
VがHレベル入力電圧実効値とされ、これらの実効値と
入力バッファのLレベル入力電圧の最大値VILおよびH
レベル入力電圧の最小値VIHとの大小関係に応じて、入
力バッファへの入力信号の値が修正され、修正後の値に
基づいて論理シミュレーションが続行される。
【0015】<第2の態様>本発明に係る第2の論理シ
ミュレーション装置では、上記第1の論理シミュレーシ
ョン装置において、前記集積回路において1個の出力バ
ッファがスイッチングしたときに発生する前記接地ライ
ンの電位の波状変動における変動量の最大値ΔV1を入
力するための第3入力手段を備え、前記算出手段は、第
3入力手段によって入力された前記変動量の最大値ΔV
1と同時スイッチング検出手段によって検出された同時
スイッチングの出力バッファの数Nとの積ΔV1・Nを前
記グランドバウンスの大きさΔVとする、ことを特徴と
している。
【0016】<第3の態様>本発明に係る第3の論理シ
ミュレーション装置では、上記第1の論理シミュレーシ
ョン装置において、前記集積回路のパッケージに寄生す
る接地ピンのインダクタンスLpを入力するための第4
入力手段と、前記集積回路における1個の出力バッファ
がスイッチングしたときに前記電源ラインから該出力バ
ッファを貫通して前記接地ラインへ流れる電流Iの単位
時間当たりの変化量dI/dtを入力するための第5入
力手段とを備え、前記算出手段は、第4入力手段によっ
て入力された前記インダクタンスLp、第5入力手段に
よって入力された前記変化量dI/dt、および同時ス
イッチング検出手段によって検出された同時スイッチン
グの出力バッファの数Nを用いて、前記グランドバウン
スの大きさΔVを ΔV=Lp・(dI/dt)・N により算出する、ことを特徴としている。
【0017】<第4の態様>本発明に係る第4の論理シ
ミュレーション装置では、上記第1の論理シミュレーシ
ョン装置において、前記集積回路のパッケージに寄生す
る接地ピンのインダクタンスLpを入力するための第4
入力手段と、前記集積回路における1個の出力バッファ
がスイッチングしたときに前記電源ラインから該出力バ
ッファを貫通して前記接地ラインへ流れる電流の単位時
間当たりの変化量の出力バッファ毎の値dIj/dtを
入力するための第8入力手段とを備え、前記算出手段
は、第4入力手段によって入力された前記インダクタン
スLpと第8入力手段によって入力された前記各変化量
dIj/dtとの積Lp・(dIj/dt)を同時スイッチン
グ検出手段による検出結果に基づいて同時にスイッチン
グする出力バッファについて足し合わせた値を、前記グ
ランドバウンスの大きさΔVとする、ことを特徴として
いる。
【0018】<第5の態様>本発明に係る第5の論理シ
ミュレーション装置では、上記第1の論理シミュレーシ
ョン装置において、前記集積回路のパッケージに寄生す
る接地ピンのインダクタンスLpを入力するための第4
入力手段と、前記集積回路における1個の出力バッファ
がスイッチングしたときに前記電源ラインから該出力バ
ッファを貫通して前記接地ラインへ流れる電流Iの単位
時間当たりの変化量dI/dtを入力するための第5入
力手段と、前記集積回路のレイアウト設計の結果を示す
レイアウトデータおよびピン配置データを記憶している
第2記憶手段と、前記レイアウトデータおよびピン配置
データに基づいて前記集積回路のパッケージの接地ピン
を認識して該接地ピンの識別情報を出力する接地ピン認
識手段と、前記算出手段は、接地ピン認識手段によって
接地ピンと認識されたピンが複数存在する場合に、第5
入力手段によって入力された前記変化量dI/dtおよ
び同時スイッチング検出手段による検出結果に基づき、
前記論理シミュレーションの過程において同時にスイッ
チングする各出力バッファを貫通する電流Iが該出力バ
ッファのピンに最も近い左側の接地ピンと最も近い右側
の接地ピンとに半分ずつ流れるとして同時スイッチング
時に各接地ピンに流れる電流Igの単位時間当たりの変
化量dIg/dtを算出し、該変化量dIg/dtと第4
入力手段によって入力されたインダクタンスLpを用い
て各接地ピン毎に算出されるΔVg=Lp・(dIg/dt)
のうちの最大値を前記グランドバウンスの大きさΔVと
する、ことを特徴としている。
【0019】<第6の態様>本発明に係る第6の論理シ
ミュレーション装置では、上記第1の論理シミュレーシ
ョン装置において、前記集積回路の出力バッファのHレ
ベル出力電圧の最小値VOHとLレベル出力電圧の最大値
VOLとを入力するための第10入力手段と、前記電源電
圧Vddから前記グランドバウンスの大きさΔVを減算し
た値Vdd−ΔVをHレベル出力電圧実効値として出力
し、前記グランドバウンスの大きさΔVをLレベル出力
電圧実効値として出力する出力電圧実効値算出手段と、
前記集積回路の各出力バッファから前記集積回路の外部
へ出力される信号の値がHレベルかLレベルかを判定す
る出力値判定手段と、出力値判定手段によりHレベルの
信号が出力されていると判定された出力バッファにつ
き、 i)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
レベル出力電圧の最小値VOH以上であれば、Hレベルの
信号が該出力バッファから出力されているものとし、 ii)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
レベル出力電圧の最小値VOHよりも小さくかつ該出力バ
ッファのLレベル出力電圧の最大値VOLよりも大きけれ
ば、不定状態Xの信号が該出力バッファから出力されて
いるものとし、 iii)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのL
レベル出力電圧の最大値VOL以下であれば、Lレベルの
信号が該出力バッファから出力されているものとする、
という第1の出力値再設定処理を行いつつ、前記論理シ
ミュレーションを続行させる第3制御手段と、出力値判
定手段によりLレベルの信号が出力されていると判定さ
れた出力バッファにつき、 i)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのL
レベル出力電圧の最大値VOL以下であれば、Lレベルの
信号が該出力バッファから出力されているものとし、 ii)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
レベル出力電圧の最小値VOHよりも小さくかつ該出力バ
ッファのLレベル出力電圧の最大値VOLよりも大きけれ
ば、不定状態Xの信号が該出力バッファから出力されて
いるものとし、 iii)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
レベル出力電圧の最小値VOH以上であれば、Hレベルの
信号が該出力バッファから出力されているものとする、
という第2の出力値再設定処理を行いつつ、前記論理シ
ミュレーションを続行させる第4制御手段と、を備える
ことを特徴としている。
【0020】上記第6の論理シミュレーション装置によ
れば、論理シミュレーション中に、算出されたグランド
バウンスの大きさΔVに基づき入力値再設定処理のみな
らず出力値設定処理も行われるため、同時スイッチング
ノイズが集積回路の入力値のみならず出力値にも反映さ
れる。
【0021】<その他の態様>上記第2〜第5の論理シ
ミュレーション装置において、同時スイッチングによる
グランドバウンスの大きさΔVの算出に必要な接地ピン
の寄生インダクタンス(集積回路のパッケージに寄生す
るインダクタンス)Lpを得る手段として、上記の第4
入力手段の他に、以下のような手段を使用することがで
きる。 (1)集積回路のパッケージの各ピン毎の寄生インダク
タンスをパッケージの種類別にパッケージ・データファ
イルとして記憶している第1記憶手段と、前記集積回路
のパッケージの種類を特定する識別情報を入力するため
の第6入力手段と、前記集積回路のパッケージの接地ピ
ンを示すピンの識別情報を入力するための第7入力手段
と、第6および第7入力手段によって入力された識別情
報をキーとして前記パッケージ・データファイルを検索
することにより、特定の種類のパッケージにおける接地
ピンのインダクタンスLpを得る第1検索手段とからな
る手段。 (2)前記第7入力手段に代えて、前記集積回路のレイ
アウト設計の結果を示すレイアウトデータおよびピン配
置データを記憶している第2記憶手段と、該レイアウト
データおよびピン配置データに基づいて前記集積回路の
パッケージの接地ピンを認識して該接地ピンの識別情報
を出力する接地ピン認識手段とを備え、前記第1検索手
段が、前記第7入力手段によって入力される接地ピンの
識別情報の代わりに接地ピン認識手段から出力される接
地ピンの識別情報をキーとして前記パッケージ・データ
ファイルを検索することにより、特定の種類のパッケー
ジにおける接地ピンのインダクタンスLpを得るように
した手段。
【0022】また、上記第4の論理シミュレーション装
置において、同時スイッチングによるグランドバウンス
の大きさΔVの算出に必要な各出力バッファ毎の貫通電
流変化率(電源ラインから出力バッファを貫通して接地
ラインへ流れる電流の単位時間当たりの変化量)dIj
/dtを得る手段として、上記の第8入力手段の他に、
以下のような手段を使用することができる。前記集積回
路における1個の出力バッファがスイッチングしたとき
に前記電源ラインから該出力バッファを貫通して前記接
地ラインへ流れる電流の単位時間当たりの変化量dIj
/dtを出力バッファの種類別に出力バッファ・データ
ファイルとして記憶している第3記憶手段と、前記同時
スイッチング検出手段によって検出された出力バッファ
の種類を示す識別情報をキーとして前記出力バッファ・
データファイルを検索することにより、同時にスイッチ
ングする出力バッファの前記各変化量dIj/dtを得
る第2検索手段とからなる手段。
【0023】さらに、上記各種態様の論理シミュレーシ
ョン装置において、論理シミュレーション過程で同時に
スイッチングする出力バッファの具体的な検出手段とし
て、シミュレーション上の同一時刻に信号が変化する全
ての出力バッファを検出する手段の他、以下のような手
段を使用することができる。 (1)予め入力された所定の時間間隔内にスイッチング
する出力バッファを同時にスイッチングするものとして
検出する手段。 (2)予め決められた出力バッファを検出対象から除外
して、同時にスイッチングする出力バッファを検出する
手段。 (3)予め記憶された集積回路のレイアウトデータおよ
びピン配置データをに基づいて接地ピンを認識する認識
手段を含み、その認識結果に基づき所定の二つの接地ピ
ンの間に挟まれたピンに接続された出力バッファのみを
検出対象として、同時にスイッチングする出力バッファ
を検出する手段。 (4)HレベルとLレベルと不定状態Xの少なくとも3
種類の信号値から成る信号値群に含まれる一つの信号値
から該信号値群に含まれる他の信号値への信号変化のう
ち、前記同時スイッチング検出手段が出力バッファのス
イッチングと認識する信号変化を指定するための第1指
定手段を含み、第1指定手段による信号変化の指定に基
づいて、同時にスイッチングする出力バッファを検出す
る手段。
【0024】また、上記各種態様の論理シミュレーショ
ン装置において、入力値再設定処理の対象となる入力バ
ッファを限定するために以下のような手段を使用するこ
とができる。 (1)前記第1および第2制御手段による第1および第
2の入力値再設定処理の対象となる入力バッファを指定
するための第2指定手段。 (2)前記集積回路のレイアウト設計の結果を示すレイ
アウトデータおよびピン配置データを記憶している第2
記憶手段と、前記第1および第2制御手段による第1お
よび第2の入力値再設定処理の対象となる入力バッファ
を限定するか否かを指定するための第3指定手段とを用
いて、前記第1および第2の入力値再設定処理の対象と
なる入力バッファの限定が第3指定手段によって指定さ
れた場合に、前記レイアウトデータおよびピン配置デー
タに基づいて、前記同時スイッチング検出手段の検出対
象となる同時スイッチングする出力バッファのピンの中
で最も近い出力バッファのピンとの間に接地ピンが存在
する入力バッファを前記第1および第2の入力値再設定
処理の対象から除外するための手段。
【0025】また、上記各種態様の論理シミュレーショ
ン装置において、同時スイッチングによるグランドバウ
ンスの大きさΔVに基づいて入力値再設定処理を行う際
に必要となる入力バッファのHレベル入力電圧の最小値
VIHおよびLレベル入力電圧の最大値VILを得るため
に、第2入力手段の他、以下のような手段を使用するこ
とができる。Hレベル入力電圧の最小値VIHおよびLレ
ベル入力電圧の最大値VILを入力バッファの種類別に入
力電圧データファイルとして記憶している第4記憶手段
と、入力バッファの種類を示す識別情報をキーとして前
記入力電圧データファイルを検索することにより、所望
の入力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよび
Lレベル入力電圧の最大値VILを得る第3検索手段とか
らなる手段。
【0026】また、上記第6の論理シミュレーション装
置において、同時スイッチングによるグランドバウンス
の大きさΔVに基づいて出力値再設定処理を行う際に必
要となる出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOH
およびLレベル出力電圧の最大値VOLを得るために、第
10入力手段の他、以下のような手段を使用することが
できる。出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOH
およびLレベル出力電圧の最大値VOLを出力バッファの
種類別に出力電圧データファイルとして記憶している第
5記憶手段と、出力バッファの種類を示す識別情報をキ
ーとして前記出力電圧データファイルを検索することに
より、所望の出力バッファのHレベル出力電圧の最小値
VOHおよびLレベル出力電圧の最大値VOLを得る第4検
索手段とからなる手段。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、シミュレーション上の
各時点において、同時にスイッチングする出力バッファ
が検出され、この検出結果に基づいてグランドバウンス
の大きさΔVが算出され、このΔVの値に基づいて入力
バッファへの入力信号の値が修正されることにより、同
時スイッチングノイズがシミュレーションの結果に反映
される。したがって、同時スイッチングノイズによって
集積回路が誤動作する場合には、それを論理シミュレー
ションによって検出できるようになる。したがって、論
理シミュレーションでは集積回路が正常に動作するにも
かかわらず、実際に製造された集積回路は正常に動作し
ない、という事態を回避することができ、従来よりも論
理シミュレーションの信頼性が向上する。この結果、集
積回路の設計効率が向上する。
【0028】また本発明によれば、同時スイッチングノ
イズによる集積回路の誤動作を論理シミュレーションに
よって予測し、設計段階でそれに対処することができる
ため、同時スイッチングノイズに起因する誤動作によっ
て発生する、集積回路のテスト段階や実使用段階でのト
ラブルを低減することもできる。
【0029】さらに本発明によれば、ノイズの軽減・除
去のために接地ピンを増設したりパッケージにおける寄
生インダクタンスを低減したりする場合、同時スイッチ
ングノイズの影響を考慮した論理シミュレーションによ
り、接地ピンの過剰な増設やパッケージにおける寄生イ
ンダクタンスの過剰な低減化を防止することができる。
これにより、従来に比べ、パッケージ化された半導体集
積回路のコストを抑えることができる。
【0030】また、本発明の各種態様のうち第3の論理
シミュレーション装置によれば、パッケージに寄生する
接地ピンのインダクタンスLpと同時スイッチングの出
力バッファの貫通電流変化率dI/dtとに基づいてグ
ランドバウンスの大きさΔVが算出されるため、また本
発明に係る第4の論理シミュレーション装置によれば、
出力バッファ貫通電流変化率が出力バッファ毎の値dI
j/dtとして入力され、それを用いてグランドバウン
スの大きさΔVが算出されるため、同時スイッチングノ
イズを考慮した論理シミュレーションとしての精度が向
上する。さらに、本発明に係る第5の論理シミュレーシ
ョン装置によれば、接地ピンが複数存在する場合に、グ
ランドバウンスの大きさΔVを適切に算出して精度よく
シミュレーションを行うことができる。また、本発明に
係る第6の論理シミュレーション装置によれば、同時ス
イッチングノイズの影響が出力値にも反映され、これに
より同時スイッチングノイズによる誤動作を更によく検
出することができる。
【0031】なお、本発明の上記論理シミュレーション
装置において、グランドバウンスの大きさΔVの算出に
必要な接地ピンの寄生インダクタンスLpを得るため
に、記憶手段に記憶されたパッケージ・データファイル
を、パッケージの種類を特定する識別情報および接地ピ
ンの識別情報をキーとして検索するという手段を備える
ことにより、ユーザによる操作を減らして操作性を向上
させることができる。このとき、接地ピンの識別情報を
ユーザが入力する代わりに、記憶手段に記憶された集積
回路のレイアウトデータおよびピン配置データに基づい
て接地ピンを自動的に認識する手段を備えることによ
り、操作性を更に向上させることができる。また、出力
バッファ毎の貫通電流変化率dIj/dtを得る際に
も、記憶手段に記憶された出力バッファ・データファイ
ルを、同時にスイッチングする出力バッファの種類を示
す識別情報をキーとして検索するという手段を備えるこ
とにより、ユーザによる操作を減らして操作性を向上さ
せることができる。さらに、入力値再設定処理必要な入
力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよびLレ
ベル入力電圧の最大値VILを得る際や、出力値再設定処
理必要な出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOH
およびLレベル出力電圧の最大値VOLを得る際にも、同
様の手段を備えることにより、操作性を向上させること
ができる。
【0032】また、グランドバウンスの大きさΔVの算
出に必要な同時スイッチングの出力バッファ検出する際
に使用する手段として、出力バッファのスイッチングに
おいて「同時」と考えることができる有限の期間をユー
ザが定義できるような手段や、所定の出力バッファを検
出対象から除外する手段、出力バッファの信号変化のう
ちスイッチングとみなす信号変化を指定するための手段
を設けることにより、ノイズ影響計算条件のきめ細かい
設定を可能として論理シミュレーションの制御性を向上
させることができる。また、入力値再設定処理の対象と
なる入力バッファを限定するための手段を設けることに
より、論理シミュレーションの制御性を向上させること
もできる。なお、これらの手段を用いて、同時スイッチ
ングノイズへの影響の少ない出力バッファを検出対象か
ら除外したり、同時スイッチングノイズによる影響が少
ない入力バッファを入力値再設定処理から除外したりす
ることにより、論理シミュレーションに要する時間が短
縮化されるという効果も得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
<実施形態の全体構成>図2は、本発明の一実施形態で
ある論理シミュレーション装置のハードウェア構成を示
す図である。本論理シミュレーション装置のハードウェ
アは、エンジニアリング・ワークステーションなどのコ
ンピュータであって、CPU56とメモリ58などから
成るデータ処理装置50と、ハードディスク装置52
と、キーボード54と、マウス55と、ディスプレイ装
置60と、プリンタ62とから構成されている。
【0034】本実施形態では、上記コンピュータがメモ
リ58に格納される所定のプログラムに基づいてCPU
56が動作することにより、デジタルLSIの論理回路
としての動作をシミュレーションする論理シミュレーシ
ョン装置として機能する。図1は、このようにして実現
される本実施形態の論理シミュレーション装置の構成を
概念的に示す機能ブロック図である。この図に示すよう
に、本論理シミュレーション装置は、概念的には、テス
トパターン格納部18と、シミュレータ本体16と、表
示部20と、ノイズ影響計算条件入力部10と、ノイズ
影響計算部12と、ノイズ影響計算条件格納部14とか
ら構成されており、このうちテストパターン格納部18
とシミュレーション本体16と表示部20とから成る部
分(点線で示された囲まれた部分)は従来の論理シミュ
レーション装置に相当する。
【0035】上記構成において、テストパターン格納部
18は、ハードディスク装置52によって実現され、シ
ミュレーション対象のLSI(以下「対象LSI」とい
う)の論理動作を検証するために、シミュレーション上
の各時刻においてそのLSIの入力ピンに印加すべき信
号の論理値からなるパターンをテストパターンとして格
納している。
【0036】シミュレータ本体16は、データ処理装置
50によって実現され、ユーザによるキーボード54や
マウス55の操作に基づき、ハードディスク装置52に
予め格納された対象LSIの論理回路としての構成を記
述したデータを読み込み、テストパターン格納部18に
格納されたテストパターンを用いて、対象LSIの論理
動作のシミュレーションを行う。具体的なシミュレーシ
ョンの方式としては、周知の従来の方式、例えばテーブ
ルドリブン方式を使用することができる。なお、対象L
SIの各信号がとりうる信号値としては、「0」と
「1」に加えて、不定状態を示す「X」と高インピーダ
ンス状態を示す「Z」とを含めた4種類の値を考えるこ
ととし、対象LSIの接地ラインの電圧値に相当するL
レベルを信号値(論理値)「0」に対応させ、電源ライ
ンの電圧値に相当するHレベルを信号値(論理値)
「1」に対応させる。なお以下では、便宜上、論理値
「0」を「L」で、論理値「1」を「H」で表現するも
のとする。
【0037】表示部20は、ディスプレイ装置60およ
びプリンタ62によって実現され、対象LSIの出力ピ
ンの信号変化(論理値の変化)等をシミュレーション結
果としてディスプレイ装置60に表示したり、プリンタ
62に出力したりする。また、対象LSIが正しく動作
した場合に出力ピンに得られるべき信号変化すなわち期
待値と、実際のシミュレーション結果である出力ピンの
信号変化とを、両者が比較できるような形式で、ディス
プレイ装置60に表示したり、プリンタ62に出力した
りする。
【0038】ノイズ影響計算条件入力部10は、ユーザ
によるキーボード54やマウス55の操作に基づき、後
述の同時スイッチングノイズの影響を計算するための条
件を示すデータ(以下「ノイズ影響計算条件データ」と
いう)として、対象LSIにおける、電源電圧Vddや、
入力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよびL
レベル入力電圧の最大値VILなどを入力する。
【0039】ノイズ影響計算条件格納部14は、ハード
ディスク装置52によって実現され、上記ノイズ影響計
算条件データとして使用可能なデータを集め、各データ
を所定の識別情報と対応づけてデータファイルとして格
納している。
【0040】ノイズ影響計算部12は、データ処理装置
50によって実現され、計算部本体と制御部から構成さ
れる。計算部本体は、シミュレータ本体16でのシミュ
レーション結果から同時にスイッチングする出力バッフ
ァについてのデータを得、このデータを用いて、ノイズ
影響計算条件入力部10から入力されるノイズ影響計算
条件データまたはノイズ影響計算条件格納部14から得
られるノイズ影響計算条件データによって示される条件
の下に、同時スイッチングによるグランドバウンスの大
きさΔVを算出する。そして制御部は、このΔVに基づ
き、同時スイッチングに起因するノイズを論理シミュレ
ーションに反映させるべく、シミュレータ本体16を制
御する(詳細は後述)。なお上記計算部本体は、ノイズ
影響計算条件格納部14からノイズ影響計算条件データ
を得る場合、ノイズ影響計算条件格納部14からノイズ
影響計算条件データを直接読み込むか、または、所定の
識別情報をキーとしてノイズ影響計算条件格納部14に
おけるデータファイルを検索することによりノイズ影響
計算条件データを得る。
【0041】ところで、出力バッファの同時スイッチン
グが発生すれば接地ラインの電位のみならず電源ライン
の電位も変動するが、パッケージに寄生する電源ピンの
インダクタンスは比較的小さいため、同時スイッチング
による電源ラインの電位変動は接地ラインに比べて小さ
い。また通常、入力バッファにおけるHレベルの雑音余
裕度はLレベルに比べて大きいため、同時スイッチング
によって電源ラインに電位変動が生じてもLSIが誤動
作する可能性は少ない。そこで本実施形態では、同時ス
イッチングノイズの影響を計算する際には、接地ライン
における電位の波状変動すなわちグランドバウンスのみ
を考えるものとする。
【0042】<実施形態の動作>図3は、本実施形態の
論理シミュレーション装置の動作を示すフローチャート
である。本論理シミュレーション装置では、まずステッ
プS10において、ノイズ影響計算条件データを、記述
のようにノイズ影響計算条件入力部10によって入力す
るか、またはノイズ影響計算条件格納部14から読み込
む。ノイズ影響計算条件データには、前述のように、電
源電圧Vddと、各入力バッファのHレベル入力電圧の最
小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大値VILなどがあ
る。ここで、対象LSIにおける各入力バッファのHレ
ベル入力電圧の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最
大値VILは、ノイズ影響計算条件入力部10によってユ
ーザが直接入力してもよいし、ノイズ影響計算条件格納
部14から読み込んでもよい。ノイズ影響計算条件格納
部14から読み込む場合には、図4に示すようにノイズ
影響計算部12が前述の計算部本体12aおよび制御部
12bに加えて検索部12cを備える構成として、各種
入力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよびL
レベル出力電圧の最大値VILを入力バッファの種類別に
集めたデータ(以下「入力電圧データファイル」とい
う)14aをノイズ影響計算格納部14に格納してお
き、ユーザがキーボード54やマウス55により対象L
SIに使用する入力バッファの名前(入力バッファの種
類を特定する識別情報)を入力し、検索部12cがこの
名前をキーとして入力電圧データファイル14aを検索
することにより、対象LSIにおける各入力バッファの
Hレベル入力電圧の最小値VIHおよびLレベル入力電圧
の最大値VILを得るようにするとよい。
【0043】ノイズ影響計算条件データとしては、上記
の他、対象LSIにおける1個の出力バッファがスイッ
チングしたときに発生するグランドバウンスの大きさ
(正確には、接地ラインの電位の波状変動における変動
量の最大値)ΔV1が含まれる。また、このΔV1の代わ
りに、対象LSIのパッケージに寄生する接地ピンのイ
ンダクタンスLpと、対象LSIにおいて1個の出力バ
ッファがスイッチングしたときに電源ラインからその出
力バッファを貫通して接地ラインへ流れる電流Iの単位
時間当たりの変化量dI/dt(以下「出力バッファ貫
通電流変化率」という)とをノイズ影響計算条件データ
に含めてもよい。この場合には、後述のように、パッケ
ージにおける接地ピンの寄生インダクタンスLpおよび
出力バッファ貫通電流変化率dI/dtを用いてグラン
ドバウンスの大きさΔVが算出される。
【0044】上記のようにパッケージにおける寄生イン
ダクタンスLpおよび出力バッファ貫通電流変化率dI
/dtをノイズ影響計算条件データに含めた場合には、
パッケージにおける寄生インダクタンスLpをノイズ影
響計算条件入力部10によってユーザが入力する。ま
た、その代わりに、ノイズ影響計算部12が図4の場合
と同様に検索部12cを備える構成として、LSIの各
種パッケージの種類別に各ピンの寄生インダクタンスL
pの値を集めたデータ(以下「パッケージ・データファイ
ル」という)をノイズ影響計算格納部14に格納してお
き、ユーザがキーボード54やマウス55により対象L
SIに使用するパッケージの名前と接地ピンの番号を入
力し、検索部12cがこれらパッケージの名前と接地ピ
ンの番号をキーとしてパッケージ・データファイルを検
索することにより、パッケージにおける接地ピンの寄生
インダクタンスLpを得るようにしてもよい。この場
合、ユーザが接地ピンの番号を入力する代わりに、対象
LSIのレイアウト設計の結果を示すレイアウトデータ
とピン配置データとを予めノイズ影響計算格納部14に
格納しておき、これらを用いて接地ピンの番号を求める
ようにするとよい。すなわち、メモリ58に格納された
所定のプログラムに基づいてCPU56を動作させるこ
とにより接地ピン認識部を検索部12c内に実現し、こ
の接地ピン認識部がレイアウトデータとピン配置データ
から接地ピンの番号を自動的に求めるようにするとよ
い。
【0045】上記のようにパッケージにおける寄生イン
ダクタンスLpおよび出力バッファ貫通電流変化率dI
/dtをノイズ影響計算条件データに含めた場合、出力
バッファ貫通電流変化率dI/dtをノイズ影響計算条
件入力部10によってユーザが入力する。このとき、出
力バッファの種類によって貫通電流変化率dI/dtが
相違する場合は、各出力バッファ毎の貫通電流変化率d
Ij/dtを入力するようにするとよい。また、ユーザ
が直接入力する代わりに、ノイズ影響計算部12が図4
の場合と同様に検索部12cを備える構成として、出力
バッファ貫通電流変化率dIj/dtを出力バッファの
種類別に集めたデータ(以下「出力バッファ・データフ
ァイル」という)をノイズ影響計算格納部14に格納し
ておいてもよい。この場合、後述のステップS16にお
いて、シミュレータ本体16によって得られるシミュレ
ーション結果に基づき、シミュレーション上の各時点に
おいて同時にスイッチングする出力バッファの名前(出
力バッファの種類を特定する識別情報)を得、検索部1
2cがこれをキーとして出力バッファ・データファイル
を検索することにより、シミュレーション上の各時点に
おいて同時にスイッチングする出力バッファのそれぞれ
についての出力バッファ貫通電流変化率dIj/dtを
求める。
【0046】なお、後述のステップS18において対象
LSIの出力信号に対する同時スイッチングノイズの影
響を考慮するために、上記のノイズ影響計算条件データ
に、出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOHおよ
びLレベル出力電圧の最大値VOLを含めてもよい。この
場合、これらVOHおよびVOLをノイズ影響計算条件入力
部10によってユーザが入力する。また、その代わり
に、ノイズ影響計算部12が図4の場合と同様に検索部
12cを備える構成として、各種出力バッファのHレベ
ル出力電圧の最小値VOHおよびLレベル出力電圧の最大
値VOLを出力バッファの種類別に集めたデータ(以下
「出力電圧データファイル」という)をノイズ影響計算
格納部14に格納しておき、ユーザがキーボード54や
マウス55により対象LSIに使用する出力バッファの
名前(出力バッファの種類を特定する識別情報)を入力
し、検索部12cがこの名前をキーとして出力電圧デー
タファイルを検索することにより、対象LSIにおける
各出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOHおよび
Lレベル出力電圧の最大値VOLを得るようにしてもよ
い。
【0047】ステップS12では、シミュレータ本体1
6が、テストパターン格納部18に格納されたテストパ
ターンのうちシミュレーション上の現時点におけるテス
トパターンをシミュレーション上において対象LSIの
入力ピンに印加する。
【0048】ステップS14では、ステップS12にお
けるテストパターンの印加による入力信号の変化に基づ
き、シミュレータ本体16が対象LSIの論理動作を計
算によってシミュレーションし、シミュレーション上の
現時点における各出力ピンの信号の論理値から成る出力
パターンを得る。
【0049】ステップS16では、ステップS14にお
けるシミュレーションの結果に基づいて、シミュレーシ
ョンの現時点において対象LSIの各出力バッファがス
イッチングしたか否かを調べ、その結果に基づいて、出
力バッファの同時スイッチングに起因する対象LSIの
接地ラインの電位の波状変動すなわちグランドバウンス
の大きさΔVを算出する。このグランドバウンスΔVの
大きさの具体的な算出方法としては、次のいずれかの方
法を使用することができる。
【0050】(1)算出方法1 ステップS14におけるシミュレーション結果に基づい
て同時にスイッチングする出力バッファの数Nを求め、
ステップS10において入力された、出力バッファ1個
のスイッチングによるグランドバウンスの大きさΔV1
を用いて、次式により同時スイッチングによるグランド
バウンスの大きさΔVを算出する。 ΔV=ΔV1・N …(2)
【0051】(2)算出方法2 上記と同様にして同時にスイッチングする出力バッファ
の数Nを求め、ステップS10において得られる接地ピ
ンの寄生インダクタンスLpおよび出力バッファ貫通電
流変化率dI/dtを用いて、次式により同時スイッチ
ングによるグランドバウンスの大きさΔVを算出する。 ΔV=Lp・(dI/dt)・N …(3)
【0052】(3)算出方法3 ステップS10において各出力バッファ毎の貫通電流変
化率dIj/dtが入力される場合は、ステップS14
におけるシミュレーション結果に基づいて、各出力バッ
ファの貫通電流変化率dIj/dtと接地ピンの寄生イ
ンダクタンスLpとの積Lp・(dIj/dt)を同時にスイ
ッチングする出力バッファについて足し合わせた値を算
出し、これを同時スイッチングによるグランドバウンス
の大きさΔVとする。すなわち、次式によりグランドバ
ウンスの大きさΔVを算出する。 ΔV=Lp・Σ(j=1,N)dIj/dt …(4) ここで、 N :同時にスイッチングする出力バッファの
数 dIj/dt:同時にスイッチングする出力バッファの
貫通電流変化率(j=1、2、…、N) なお、"Σ"は総和の記号であって、"Σ(j=a,b)"は次に
続く項についてj=aからj=bまで総和をとることを意
味するものとする。
【0053】(4)算出方法4 対象LSIのパッケージに接地ピンが複数存在する場
合、ステップS14におけるシミュレーションにおい
て、同時にスイッチングする出力バッファを貫通する電
流iは、その出力バッファのピンの左側であってそのピ
ンに最も近い接地ピンにi/2が流れ、その出力バッフ
ァのピンの右側であってそのピンに最も近い接地ピンに
i/2が流れるとみなす。すなわち、二つの接地ピンに
挟まれた出力ピンに接続されている出力バッファの貫通
電流は、その二つの接地ピンに半分ずつ流れるとみな
す。このようにみなして、出力バッファの同時スイッチ
ングによって各接地ピンに流れる電流Igの単位時間当
たりの変化量dIg/dtを算出し、ステップS10に
おいて得られる各接地ピンの寄生インダクタンスLpを
用いて、次式により各接地ピン毎にグランドバウンスの
大きさΔVgを算出する。 ΔVg=Lp・(dIg/dt) …(5) そして、上記式によって得られる各接地ピン毎のΔVg
のうちの最大値を同時スイッチングによるグランドバウ
ンスの大きさΔVとする。
【0054】ところで上記算出方法1〜4では、シミュ
レーション上の現時点という同一時刻にスイッチングす
る出力バッファを同時にスイッチングする出力バッファ
としてグランドバウンスの大きさΔVを算出している
が、出力バッファのスイッチングにおいて「同時」と考
えることができる有限の期間をユーザが定義できるよう
にしてもよい。例えば、ステップS10において、ユー
ザがキーボード54やマウス55によって「同時」に相
当する期間としてTナノ秒を入力し、スイッチングする
時間間隔が互いにTナノ秒以内である複数の出力バッフ
ァを同時にスイッチングする出力バッファとみなしても
よい。
【0055】また、同一時刻または「同時」に相当する
所定の期間内にスイッチングする出力バッファの全てを
同時にスイッチングする出力バッファとみなすのではな
く、そのうちの所定の出力バッファのみを同時にスイッ
チングする出力バッファとみなした方が好ましい場合も
ある。例えば、グランドバウンスにほとんど寄与しない
出力バッファが予め既知の場合には、そのような出力バ
ッファを同時にスイッチングする出力バッファとして計
数する対象から除外することにより、本論理シミュレー
ション装置の処理時間を短縮することができる。また、
接地ピンが複数存在する場合、或る接地ピンと他の接地
ピンとの間に挟まれている出力ピンに接続された出力バ
ッファのみを対象として同一時刻または「同時」に相当
する所定の期間内にスイッチングする出力バッファを調
べるようにしてもよい。グランドバウンスの原因となる
出力バッファは、それらの出力ピンが二つの接地ピンに
挟まれるように配置される場合があるからである。
【0056】なお、本実施形態では、対象LSIの各信
号がとりうる信号値としては、論理値「0」に対応する
Lレベル、論理値「1」に対応するHレベル、不定状態
X、高インピーダンス状態Zの4種類の値を想定してお
り、出力バッファの出力値がこれらの4種類のうちの一
つの値から別の値へ変化することを全て出力バッファの
スイッチングと考えてもよいが、出力バッファのスイッ
チングとみなす信号変化をこのうちのいくつかに限定し
てもよい。例えば、H→L、H→X、H→Z、L→H、
L→X、L→Z、X→H、X→L、Z→H、Z→Lとい
う出力信号の変化のみを出力バッファのスイッチングと
みなしてもよいし、また、グランドバウンスによる影響
を厳しく評価する必要がない場合には、H→L、L→H
という出力信号の変化のみを出力バッファのスイッチン
グとみなしてもよい。
【0057】ステップS18では、シミュレーション上
の現時点における各出力ピンの信号の信号値(論理値)
から成る出力パターンを、ステップS14におけるシミ
ュレーションの結果として、ハードディスク装置52に
記憶させるとともにディスプレイ装置60に表示し、必
要に応じユーザによるキーボード54やマウス55の所
定操作に基づいてプリンタ62に出力する。
【0058】このとき、ステップS14におけるシミュ
レーションによって得られる出力パターンをそのまま記
憶、表示、出力させてもよいが、同時スイッチングによ
る影響を考慮した出力パターンを記憶、表示、出力させ
るのが好ましい。そこで本実施形態では、この出力パタ
ーンの記憶、表示、出力に先だって、シミュレーション
によって得られた出力パターンを、ステップS16で算
出されたグランドバウンスの大きさΔVを用いて設定し
直す。
【0059】すなわち、対象LSIでは、出力バッファ
の同時スイッチングによって接地ラインの電位がΔVま
で上昇するため、このΔVを「Lレベル出力電圧実効
値」とし、ステップS10において得られた電源電圧V
ddからこのΔVを減算した値Vdd−ΔVを「Hレベル出
力電圧実効値」とする。そして、シミュレーション結果
に基づいて各出力バッファから出力される信号の値を調
べ、その結果に基づき、ステップS10において得られ
る各出力バッファのLレベル出力電圧の最大値VOLおよ
びHレベル出力電圧の最小値VOHを用いて、各出力バッ
ファから出力される信号の値を以下のように設定し直す
(出力パターンの再設定処理)。
【0060】(1)Lレベルの信号が出力されている各
出力バッファの出力論理値Yjを、その出力バッファの
Lレベル出力電圧の最大値VOLおよびHレベル出力電圧
の最小値VOHとLレベル出力電圧実効値ΔVとの大小関
係に応じて、次のように設定し直す。 i)ΔV≦VOLのとき、 Yj="L" (出力論理値はそのまま) ii)VOL<ΔV<VOHのとき、Yj="X" (出力論理値を変更) iii)ΔV≧VOHのとき、 Yj="H" (出力論理値を変更)
【0061】(2)Hレベルの信号が出力されている各
出力バッファの出力論理値Yjを、その出力バッファの
Lレベル出力電圧の最大値VOLおよびHレベル出力電圧
の最小値VOHとHレベル出力電圧実効値Vdd−ΔVとの
大小関係に応じて、次のように設定し直す。 i)Vdd−ΔV≧VOHのとき、 Yj="H" (出力論理値はそのまま ) ii)VOL<Vdd−ΔV<VOHのとき、Yj="X" (出力論理値を変更) iii)Vdd−ΔV≦VOLのとき、 Yj="L" (出力論理値を変更)
【0062】ステップS20では、テストパターン格納
部18に格納された全てのテストパターンがシミュレー
ション上で入力ピンに印加されたか否かを判定し、全て
のテストパターンが印加されていれば対象LSIの論理
動作のシミュレーションを終了する。
【0063】全てのテストパターンが印加されていない
場合はステップS22へ進み、シミュレーション上にお
ける次の時刻に印加されるべきテストパターンに対する
同時スイッチングノイズによる影響を、ステップS16
において算出されたグランドバウンスの大きさΔVを用
いて計算する。すなわち、対象LSIでは、出力バッフ
ァの同時スイッチングによって接地ラインの電位がΔV
まで上昇するため、このΔVを「Lレベル入力電圧実効
値」とし、ステップS10において得られた電源電圧V
ddからこのΔVを減算した値Vdd−ΔVを「Hレベル入
力電圧実効値」とする。そして、シミュレーション上に
おける次の時刻に入力ピンに印加されるテストパターン
としてテストパターン格納部18に格納されたデータに
基づき、対象LSIの各入力バッファに入力される信号
の値を調べ、その結果に基づき、ステップS10におい
て得られる各入力バッファのLレベル入力電圧の最大値
VILおよびHレベル入力電圧の最小値VIHを用いて、各
入力バッファへ入力される信号の論理値すなわちテスト
パターンを以下のように設定し直す。
【0064】(1)Lレベルの信号が入力されている各
入力バッファの入力論理値Xjを、その入力バッファの
Lレベル入力電圧の最大値VILおよびHレベル入力電圧
の最小値VIHとLレベル入力電圧実効値ΔVとの大小関
係に応じて、次のように設定し直す。 i)ΔV≦VILのとき、 Xj="L" (入力論理値はそのまま) ii)VIL<ΔV<VIHのとき、Xj="X" (入力論理値を変更) iii)ΔV≧VIHのとき、 Xj="H" (入力論理値を変更)
【0065】(2)Hレベルの信号が入力されている各
入力バッファの入力論理値Xjを、その入力バッファの
Lレベル入力電圧の最大値VILおよびHレベル入力電圧
の最小値VIHとHレベル入力電圧実効値Vdd−ΔVとの
大小関係に応じて、次のように設定し直す。 i)Vdd−ΔV≧VIHのとき、 Xj="H" (入力論理値はそのまま ) ii)VIL<Vdd−ΔV<VIHのとき、Xj="X" (入力論理値を変更) iii)Vdd−ΔV≦VILのとき、 Xj="L" (入力論理値を変更)
【0066】上記(1)および(2)による入力論理値
Xjの再設定処理(以下「入力値再設定処理」という)
に際し、対象LSIにおける全ての入力バッファを対象
としてもよいが、同時スイッチングによって影響を受け
ないことが予めわかっている入力バッファについては、
入力値再設定処理の対象から除外するのが好ましい。上
記の入力値再設定処理の対象から除外すべき入力バッフ
ァか否かの判定方法としては、例えば、同時にスイッチ
ングする出力バッファのうちその入力バッファに最も近
い出力バッファに接続された出力ピンとその入力バッフ
ァに接続された入力ピンとの間に接地ピンが存在する場
合に、その入力バッファを対象から除外し、そのような
接地ピンが存在しない場合に、その入力バッファを対象
に含める、という方法を用いることができる。この場
合、対象LSIのレイアウト設計の結果を示すレイアウ
トデータとピン配置データとを予めノイズ影響計算条件
格納部14に格納しておき、ユーザによるキーボード5
4やマウス55の操作で入力値再設定処理の対象を限定
することが指示されると、ノイズ影響計算部12が、そ
のレイアウトデータとピン配置データに基づいて接地ピ
ン、入力ピン、出力ピンなどを認識し、その認識結果を
基づいて、同時にスイッチングする出力バッファのうち
その入力バッファに最も近い出力バッファに接続された
出力ピンとその入力バッファに接続された入力ピンとの
間に接地ピンが存在するか否かを判定するようにすると
よい。このようにして所定の入力バッファを上記の入力
論理値再設定の対象から除外することにより、本論理シ
ミュレーション装置の処理時間を短縮することができ
る。
【0067】ステップS24では、シミュレーション上
での時刻をテストパターンの一つ分だけ進める。その
後、ステップS12へ戻る。
【0068】この時点では、シミュレーション上の現時
刻に印加されるべきテストパターンはステップS22に
おいて再設定されており、ステップS12において、こ
の再設定後のテストパターンが対象LSIの入力ピンに
印加される。このようにして入力されたテストパターン
に基づいて、上述のステップS14〜S18の処理が実
行される。以降同様にして、全てのテストパターンの印
加が終了するまで、ステップS20→S22→S24→
S12→……→S18→S20というループを繰り返し
実行し、この実行中にステップS20において全てのテ
ストパターンが印加されたと判定されると、対象LSI
の論理動作のシミュレーションを終了する。
【0069】<効果>上記のように本実施形態では、出
力バッファの同時スイッチングによって生じるグランド
バウンスの大きさΔVに基づいて、対象LSIに印加さ
れるテストパターンが再設定されるため(ステップS2
2)、同時スイッチングによるノイズが対象LSIの論
理動作のシミュレーションに反映される。これにより、
同時スイッチングノイズによって実際には正常に動作し
ないようなLSIについては、予め設計段階において論
理シミュレーションにより正常動作しないことを検出で
きるようになる。したがって、論理シミュレーションで
はLSIが正常に動作するにもかかわらず、実際に製造
されたLSIは正常に動作しない、という事態を回避す
ることができ、従来よりも論理シミュレーションの信頼
性が向上する。その結果、LSIの設計効率が向上す
る。
【0070】また、出力バッファの同時スイッチングに
起因するグランドバウンスの大きさΔVに基づいて出力
パターンを既述のように再設定すると(ステップS1
8)、出力パターンにも同時スイッチングノイズが反映
され、これにより同時スイッチングノイズによる誤動作
を更によく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である論理シミュレーシ
ョン装置の構成を示す機能ブロック図。
【図2】 本発明の一実施形態である論理シミュレーシ
ョン装置のハードウェア構成を示す図。
【図3】 本発明の一実施形態である論理シミュレーシ
ョン装置の動作を示すフローチャート。
【図4】 本発明の一実施形態である論理シミュレーシ
ョン装置におけるノイズ影響計算部の構成例を示すブロ
ック図。
【図5】 出力バッファの同時スイッチングノイズによ
るLSIの動作への影響を説明するための回路図。
【符号の説明】
10 …ノイズ影響計算条件入力部 12 …ノイズ影響計算部 12a …計算部本体 12b …制御部 12c …検索部 14 …ノイズ影響計算条件格納部 14a …入力電圧データファイル 16 …シミュレータ本体 18 …テストパターン格納部 20 …表示部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル信号を入力し出力する半導体集
    積回路の動作を、電源ラインの電位に対応するHレベル
    と、接地ラインの電位に対応するLレベルと、不定状態
    Xとの少なくとも3種類の信号値による論理回路の動作
    としてシミュレーションする論理シミュレーション装置
    において、 前記電源ラインに供給される電源電圧Vddの値を入力す
    るための第1入力手段と、 前記集積回路における入力バッファのHレベル入力電圧
    の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大値VILを入
    力するための第2入力手段と、 前記論理シミュレーションの過程において同時にスイッ
    チングする出力バッファを検出する同時スイッチング検
    出手段と、 同時スイッチング検出手段による検出結果に基づき、出
    力バッファの同時スイッチングによって生じる前記接地
    ラインの電位の波状変動であるグランドバウンスの大き
    さΔVを算出する算出手段と、 前記電源電圧Vddから前記グランドバウンスの大きさΔ
    Vを減算した値Vdd−ΔVをHレベル入力電圧実効値と
    して出力し、前記グランドバウンスの大きさΔVをLレ
    ベル入力電圧実効値として出力する入力電圧実効値算出
    手段と、 前記集積回路における各入力バッファに前記集積回路の
    外部から入力される信号の値がHレベルかLレベルかを
    判定する入力値判定手段と、 入力値判定手段によりHレベルの信号が入力されている
    と判定された入力バッファにつき、 i)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
    レベル入力電圧の最小値VIH以上であれば、Hレベルの
    信号が該入力バッファに入力されているものとし、 ii)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
    レベル入力電圧の最小値VIHよりも小さくかつ該入力バ
    ッファのLレベル入力電圧の最大値VILよりも大きけれ
    ば、不定状態Xの信号が該入力バッファに入力されてい
    るものとし、 iii)前記Hレベル入力電圧実効値が該入力バッファのL
    レベル入力電圧の最大値VIL以下であれば、Lレベルの
    信号が該入力バッファに入力されているものとする、と
    いう第1の入力値再設定処理を行いつつ、前記論理シミ
    ュレーションを続行させる第1制御手段と、 入力値判定手段によりLレベルの信号が入力されている
    と判定された入力バッファにつき、 i)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのL
    レベル入力電圧の最大値VIL以下であれば、Lレベルの
    信号が該入力バッファに入力されているものとし、 ii)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
    レベル入力電圧の最小値VIHよりも小さくかつ該入力バ
    ッファのLレベル入力電圧の最大値VILよりも大きけれ
    ば、不定状態Xの信号が該入力バッファに入力されてい
    るものとし、 iii)前記Lレベル入力電圧実効値が該入力バッファのH
    レベル入力電圧の最小値VIH以上であれば、Hレベルの
    信号が該入力バッファに入力されているものとする、と
    いう第2の入力値再設定処理を行いつつ、前記論理シミ
    ュレーションを続行させる第2制御手段と、を備えるこ
    とを特徴とする論理シミュレーション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記集積回路において1個の出力バッファがスイッチン
    グしたときに発生する前記接地ラインの電位の波状変動
    における変動量の最大値ΔV1を入力するための第3入
    力手段を備え、 前記算出手段は、第3入力手段によって入力された前記
    変動量の最大値ΔV1と同時スイッチング検出手段によ
    って検出された同時スイッチングの出力バッファの数N
    との積ΔV1・Nを前記グランドバウンスの大きさΔVと
    する、ことを特徴とする論理シミュレーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記集積回路のパッケージに寄生する接地ピンのインダ
    クタンスLpを入力するための第4入力手段と、 前記集積回路における1個の出力バッファがスイッチン
    グしたときに前記電源ラインから該出力バッファを貫通
    して前記接地ラインへ流れる電流Iの単位時間当たりの
    変化量dI/dtを入力するための第5入力手段とを備
    え、 前記算出手段は、第4入力手段によって入力された前記
    インダクタンスLp、第5入力手段によって入力された
    前記変化量dI/dt、および同時スイッチング検出手
    段によって検出された同時スイッチングの出力バッファ
    の数Nを用いて、前記グランドバウンスの大きさΔVを ΔV=Lp・(dI/dt)・N により算出する、ことを特徴とする論理シミュレーショ
    ン装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記第4入力手段に代えて、前記集積回路のパッケージ
    に寄生する各ピン毎のインダクタンスをパッケージの種
    類別にパッケージ・データファイルとして記憶している
    第1記憶手段と、前記集積回路のパッケージの種類を特
    定する識別情報を入力するための第6入力手段と、前記
    集積回路のパッケージの接地ピンを示すピンの識別情報
    を入力するための第7入力手段と、第6および第7入力
    手段によって入力された識別情報をキーとして前記パッ
    ケージ・データファイルを検索することにより、特定の
    種類のパッケージにおける接地ピンのインダクタンスL
    pを得る第1検索手段とを備え、 前記算出手段は、前記第4入力手段によって入力された
    前記インダクタンスLpの代わりに第1検索手段によっ
    て得られた前記インダクタンスLpを用いて前記グラン
    ドバウンスの大きさΔVを算出する、ことを特徴とする
    論理シミュレーション装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記第7入力手段に代えて、前記集積回路のレイアウト
    設計の結果を示すレイアウトデータおよびピン配置デー
    タを記憶している第2記憶手段と、該レイアウトデータ
    およびピン配置データに基づいて前記集積回路のパッケ
    ージの接地ピンを認識して該接地ピンの識別情報を出力
    する接地ピン認識手段とを備え、 前記第1検索手段は、前記第7入力手段によって入力さ
    れる接地ピンの識別情報の代わりに接地ピン認識手段か
    ら出力される接地ピンの識別情報をキーとして前記パッ
    ケージ・データファイルを検索することにより、特定の
    種類のパッケージにおける接地ピンのインダクタンスL
    pを得る、ことを特徴とする論理シミュレーション装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記集積回路のパッケージに寄生する接地ピンのインダ
    クタンスLpを入力するための第4入力手段と、 前記集積回路における1個の出力バッファがスイッチン
    グしたときに前記電源ラインから該出力バッファを貫通
    して前記接地ラインへ流れる電流の単位時間当たりの変
    化量の出力バッファ毎の値dIj/dtを入力するため
    の第8入力手段とを備え、 前記算出手段は、第4入力手段によって入力された前記
    インダクタンスLpと第8入力手段によって入力された
    前記各変化量dIj/dtとの積Lp・(dIj/dt)を前
    記同時スイッチング検出手段による検出結果に基づいて
    同時にスイッチングする出力バッファについて足し合わ
    せた値を、前記グランドバウンスの大きさΔVとする、
    ことを特徴とする論理シミュレーション装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記第8入力手段に代えて、前記集積回路における1個
    の出力バッファがスイッチングしたときに前記電源ライ
    ンから該出力バッファを貫通して前記接地ラインへ流れ
    る電流の単位時間当たりの変化量dIj/dtを出力バ
    ッファの種類別に出力バッファ・データファイルとして
    記憶している第3記憶手段と、前記同時スイッチング検
    出手段によって検出された出力バッファの種類を示す識
    別情報をキーとして前記出力バッファ・データファイル
    を検索することにより、同時にスイッチングする出力バ
    ッファの前記各変化量dIj/dtを得る第2検索手段
    とを備え、 前記算出手段は、前記第8入力手段によって入力された
    前記各変化量dIj/dtの代わりに第2検索手段によ
    って得られた前記各変化量dIj/dtを用いて前記グ
    ランドバウンスの大きさΔVを算出する、ことを特徴と
    する論理シミュレーション装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記第4入力手段に代えて、前記集積回路のパッケージ
    に寄生する各ピン毎のインダクタンスをパッケージの種
    類別にパッケージ・データファイルとして記憶している
    第1記憶手段と、前記集積回路のパッケージの種類を特
    定する識別情報を入力するための第6入力手段と、前記
    集積回路のパッケージの接地ピンを示すピンの識別情報
    を入力するための第7入力手段と、第6および第7入力
    手段によって入力された識別情報をキーとして前記パッ
    ケージ・データファイルを検索することにより、特定の
    種類のパッケージにおける接地ピンのインダクタンスL
    pを得る第1検索手段とを備え、 前記算出手段は、前記第4入力手段によって入力された
    前記インダクタンスLpの代わりに第1検索手段によっ
    て得られた前記インダクタンスLpを用いて前記グラン
    ドバウンスの大きさΔVを算出する、ことを特徴とする
    論理シミュレーション装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の論理シミュレーション
    装置において、 前記第7入力手段に代えて、前記集積回路のレイアウト
    設計の結果を示すレイアウトデータおよびピン配置デー
    タを記憶している第2記憶手段と、該レイアウトデータ
    およびピン配置データに基づいて前記集積回路のパッケ
    ージの接地ピンを認識して該接地ピンの識別情報を出力
    する接地ピン認識手段とを備え、 前記第1検索手段は、前記第7入力手段によって入力さ
    れた接地ピンの識別情報の代わりに接地ピン認識手段か
    ら出力される接地ピンの識別情報をキーとして前記パッ
    ケージ・データファイルを検索することにより、特定の
    種類のパッケージにおける接地ピンのインダクタンスL
    pを得、 前記第8入力手段に代えて、前記集積回路における1個
    の出力バッファがスイッチングしたときに前記電源ライ
    ンから該出力バッファを貫通して前記接地ラインへ流れ
    る電流の単位時間当たりの変化量dIj/dtを出力バ
    ッファの種類別に出力バッファ・データファイルとして
    記憶している第3記憶手段と、前記同時スイッチング検
    出手段によって検出された出力バッファの種類を示す識
    別情報をキーとして前記出力バッファ・データファイル
    を検索することにより、同時にスイッチングする出力バ
    ッファの前記各変化量dIj/dtを得る第2検索手段
    とを備え、 前記算出手段は、前記第8入力手段によって入力された
    前記各変化量dIj/dtの代わりに第2検索手段によ
    って得られた同時にスイッチングする前記各変化量dI
    j/dtを用いて前記グランドバウンスの大きさΔVを
    算出する、ことを特徴とする論理シミュレーション装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記集積回路のパッケージに寄生する接地ピンのインダ
    クタンスLpを入力するための第4入力手段と、 前記集積回路における1個の出力バッファがスイッチン
    グしたときに前記電源ラインから該出力バッファを貫通
    して前記接地ラインへ流れる電流Iの単位時間当たりの
    変化量dI/dtを入力するための第5入力手段と、 前記集積回路のレイアウト設計の結果を示すレイアウト
    データおよびピン配置データを記憶している第2記憶手
    段と、 前記レイアウトデータおよびピン配置データに基づいて
    前記集積回路のパッケージの接地ピンを認識して該接地
    ピンの識別情報を出力する接地ピン認識手段と、 前記算出手段は、接地ピン認識手段によって接地ピンと
    認識されたピンが複数存在する場合に、第5入力手段に
    よって入力された前記変化量dI/dtおよび同時スイ
    ッチング検出手段による検出結果に基づき、前記論理シ
    ミュレーションの過程において同時にスイッチングする
    各出力バッファを貫通する電流Iが該出力バッファのピ
    ンに最も近い左側の接地ピンと最も近い右側の接地ピン
    とに半分ずつ流れるとして同時スイッチング時に各接地
    ピンに流れる電流Igの単位時間当たりの変化量dIg/
    dtを算出し、該変化量dIg/dtと第4入力手段に
    よって入力されたインダクタンスLpを用いて各接地ピ
    ン毎に算出されるΔVg=Lp・(dIg/dt)のうちの最
    大値を前記グランドバウンスの大きさΔVとする、こと
    を特徴とする論理シミュレーション装置。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記同時スイッチング検出手段は、前記論理シミュレー
    ションの過程において所定の時間間隔内にスイッチング
    する複数の出力バッファを同時にスイッチングする出力
    バッファとして検出し、該所定の時間を入力するための
    第9入力手段を備えることを特徴とする論理シミュレー
    ション装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記同時スイッチング検出手段は、前記論理シミュレー
    ションの過程において同時にスイッチングする出力バッ
    ファの検出において、予め決められた出力バッファを検
    出対象から除外することを特徴とする論理シミュレーシ
    ョン装置。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記集積回路のレイアウト設計の結果を示すレイアウト
    データおよびピン配置データを記憶している第2記憶手
    段と、 該レイアウトデータおよびピン配置データに基づいて前
    記集積回路のパッケージの接地ピンを認識して該接地ピ
    ンの識別情報を出力する接地ピン認識手段とを備え、 前記同時スイッチング検出手段は、前記論理シミュレー
    ションの過程において同時にスイッチングする出力バッ
    ファの検出において、接地ピン認識手段による認識結果
    に基づき所定の二つの接地ピンの間に挟まれたピンに接
    続された出力バッファのみを検出対象とすることを特徴
    とする論理シミュレーション装置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記集積回路の出力バッファのHレベル出力電圧の最小
    値VOHとLレベル出力電圧の最大値VOLとを入力するた
    めの第10入力手段と、 前記電源電圧Vddから前記グランドバウンスの大きさΔ
    Vを減算した値Vdd−ΔVをHレベル出力電圧実効値と
    して出力し、前記グランドバウンスの大きさΔVをLレ
    ベル出力電圧実効値として出力する出力電圧実効値算出
    手段と、 前記集積回路の各出力バッファから前記集積回路の外部
    へ出力される信号の値がHレベルかLレベルかを判定す
    る出力値判定手段と、 出力値判定手段によりHレベルの信号が出力されている
    と判定された出力バッファにつき、 i)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
    レベル出力電圧の最小値VOH以上であれば、Hレベルの
    信号が該出力バッファから出力されているものとし、 ii)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
    レベル出力電圧の最小値VOHよりも小さくかつ該出力バ
    ッファのLレベル出力電圧の最大値VOLよりも大きけれ
    ば、不定状態Xの信号が該出力バッファから出力されて
    いるものとし、 iii)前記Hレベル出力電圧実効値が該出力バッファのL
    レベル出力電圧の最大値VOL以下であれば、Lレベルの
    信号が該出力バッファから出力されているものとする、
    という第1の出力値再設定処理を行いつつ、前記論理シ
    ミュレーションを続行させる第3制御手段と、 出力値判定手段によりLレベルの信号が出力されている
    と判定された出力バッファにつき、 i)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのL
    レベル出力電圧の最大値VOL以下であれば、Lレベルの
    信号が該出力バッファから出力されているものとし、 ii)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
    レベル出力電圧の最小値VOHよりも小さくかつ該出力バ
    ッファのLレベル出力電圧の最大値VOLよりも大きけれ
    ば、不定状態Xの信号が該出力バッファから出力されて
    いるものとし、 iii)前記Lレベル出力電圧実効値が該出力バッファのH
    レベル出力電圧の最小値VOH以上であれば、Hレベルの
    信号が該出力バッファから出力されているものとする、
    という第2の出力値再設定処理を行いつつ、前記論理シ
    ミュレーションを続行させる第4制御手段と、を備える
    ことを特徴とする論理シミュレーション装置。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 HレベルとLレベルと不定状態Xの少なくとも3種類の
    信号値から成る信号値群に含まれる一つの信号値から該
    信号値群に含まれる他の信号値への信号変化のうち、前
    記同時スイッチング検出手段が同時にスイッチングする
    出力バッファを検出する際にスイッチングと認識する信
    号変化を指定するための第1指定手段を備えることを特
    徴とする論理シミュレーション装置。
  16. 【請求項16】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記第1および第2制御手段による第1および第2の入
    力値再設定処理の対象となる入力バッファを指定するた
    めの第2指定手段を備え、 前記第1および第2制御手段は、第2指定手段によって
    指定された入力バッファのみを前記第1および第2の入
    力値再設定処理の対象とする、ことを特徴とする論理シ
    ミュレーション装置。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記集積回路のレイアウト設計の結果を示すレイアウト
    データおよびピン配置データを記憶している第2記憶手
    段と、 前記第1および第2制御手段による第1および第2の入
    力値再設定処理の対象となる入力バッファを限定するか
    否かを指定するための第3指定手段とを備え、 前記第1および第2制御手段は、前記第1および第2の
    入力値再設定処理の対象となる入力バッファの限定が第
    3指定手段によって指定された場合に、前記レイアウト
    データおよびピン配置データに基づいて、前記同時スイ
    ッチング検出手段の検出対象となる同時スイッチングす
    る出力バッファのピンの中で最も近い出力バッファのピ
    ンとの間に接地ピンが存在する入力バッファを前記第1
    および第2の入力値再設定処理の対象から除外する、こ
    とを特徴とする論理シミュレーション装置。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の論理シミュレーショ
    ン装置において、 前記第2入力手段に代えて、入力バッファのHレベル入
    力電圧の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大値V
    ILを入力バッファの種類別に入力電圧データファイルと
    して記憶している第4記憶手段と、入力バッファの種類
    を示す識別情報をキーとして前記入力電圧データファイ
    ルを検索することにより、所望の入力バッファのHレベ
    ル入力電圧の最小値VIHおよびLレベル入力電圧の最大
    値VILを得る第3検索手段とを備え、 前記第1制御手段は、前記入力値判定手段によりHレベ
    ルの信号が入力されていると判定された入力バッファの
    種類を示す識別情報に基づき第3検索手段により得られ
    る該入力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよ
    びLレベル入力電圧の最大値VILを用いて前記第1の入
    力値再設定処理を行い、 前記第2制御手段は、前記入力値判定手段によりLレベ
    ルの信号が入力されていると判定された入力バッファの
    種類を示す識別情報に基づき第3検索手段により得られ
    る該入力バッファのHレベル入力電圧の最小値VIHおよ
    びLレベル入力電圧の最大値VILを用いて前記第2の入
    力値再設定処理を行う、ことを特徴とする論理シミュレ
    ーション装置。
  19. 【請求項19】 請求項14に記載の論理シミュレーシ
    ョン装置において、 前記第10入力手段に代えて、出力バッファのHレベル
    出力電圧の最小値VOHおよびLレベル出力電圧の最大値
    VOLを出力バッファの種類別に出力電圧データファイル
    として記憶している第5記憶手段と、出力バッファの種
    類を示す識別情報をキーとして前記出力電圧データファ
    イルを検索することにより、所望の出力バッファのHレ
    ベル出力電圧の最小値VOHおよびLレベル出力電圧の最
    大値VOLを得る第4検索手段とを備え、 前記第1制御手段は、前記出力値判定手段によりHレベ
    ルの信号が出力されていると判定された出力バッファの
    種類を示す識別情報に基づき第4検索手段により得られ
    る該出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOHおよ
    びLレベル出力電圧の最大値VOLを用いて前記第1の出
    力値再設定処理を行い、 前記第2制御手段は、前記出力値判定手段によりLレベ
    ルの信号が出力されていると判定された出力バッファの
    種類を示す識別情報に基づき第4検索手段により得られ
    る該出力バッファのHレベル出力電圧の最小値VOHおよ
    びLレベル出力電圧の最大値VOLを用いて前記第2の出
    力値再設定処理を行う、ことを特徴とする論理シミュレ
    ーション装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001017111A1 (en) * 1999-08-31 2001-03-08 Sun Microsystems, Inc. A system and method for analyzing simultaneous switching noise
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US7853844B2 (en) 2006-04-18 2010-12-14 Panasonic Corporation Semiconductor integrated circuit system, semiconductor integrated circuit, operating system, and control method for semiconductor integrated circuit
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