JPH09304467A - 電気絶縁物の絶縁劣化診断方法 - Google Patents
電気絶縁物の絶縁劣化診断方法Info
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- JPH09304467A JPH09304467A JP8120602A JP12060296A JPH09304467A JP H09304467 A JPH09304467 A JP H09304467A JP 8120602 A JP8120602 A JP 8120602A JP 12060296 A JP12060296 A JP 12060296A JP H09304467 A JPH09304467 A JP H09304467A
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Landscapes
- Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
- Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電気絶縁物のtanδ法による絶縁劣化の診
断を簡単かつ確実に行うことのできる絶縁劣化診断方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 電気絶縁物に商用周波電圧を印加してt
anδを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を印加
してtanδを測定し、得られた超低周波数でのtan
δ値と商用周波数でのtanδ値との比を求め、この比
の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断するこ
とを特徴とする。
断を簡単かつ確実に行うことのできる絶縁劣化診断方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】 電気絶縁物に商用周波電圧を印加してt
anδを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を印加
してtanδを測定し、得られた超低周波数でのtan
δ値と商用周波数でのtanδ値との比を求め、この比
の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断するこ
とを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気絶縁物の絶縁劣
化診断方法に係り、特に電力ケーブルにおける絶縁層な
どの電気絶縁物の絶縁劣化の程度を誘電正接(tan
δ)法に基づいて診断する電気絶縁物の絶縁劣化診断方
法に関する。
化診断方法に係り、特に電力ケーブルにおける絶縁層な
どの電気絶縁物の絶縁劣化の程度を誘電正接(tan
δ)法に基づいて診断する電気絶縁物の絶縁劣化診断方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電力ケーブルとしては、架橋ポリエチレ
ンを絶縁層とするCVケーブルを初め各種のケーブルが
使用されているが、電力ケーブルは長期間に亘る使用の
間に次第に劣化し、絶縁破壊に至る恐れがある。劣化を
生じさせる要因には、電気的要因、熱的要因、環境的要
因、あるいは機械的要因など種々あるが、最近多用され
ているCVケーブルにおいては、電気トリーや水トリ
ー、あるいは化学トリーの発生に伴う劣化が注目されて
いる。これらのトリーに伴う劣化は、ケーブルの敷設環
境や使用条件によっては比較的短期間の間に進展するこ
とがあり、万一、絶縁破壊を生じた場合には、地域の産
業や住民に多大な迷惑を及ぼす恐れがあるので、これを
予防する見地から絶縁劣化の程度を診断する技術の研究
開発が鋭意進められている。
ンを絶縁層とするCVケーブルを初め各種のケーブルが
使用されているが、電力ケーブルは長期間に亘る使用の
間に次第に劣化し、絶縁破壊に至る恐れがある。劣化を
生じさせる要因には、電気的要因、熱的要因、環境的要
因、あるいは機械的要因など種々あるが、最近多用され
ているCVケーブルにおいては、電気トリーや水トリ
ー、あるいは化学トリーの発生に伴う劣化が注目されて
いる。これらのトリーに伴う劣化は、ケーブルの敷設環
境や使用条件によっては比較的短期間の間に進展するこ
とがあり、万一、絶縁破壊を生じた場合には、地域の産
業や住民に多大な迷惑を及ぼす恐れがあるので、これを
予防する見地から絶縁劣化の程度を診断する技術の研究
開発が鋭意進められている。
【0003】電力ケーブルの絶縁劣化診断法としては、
直流漏れ電流法、部分放電法、誘電正接法(以下、ta
nδ法という)などが開発され、実用化されている。中
でもtanδ法は、高圧CVケーブルの水トリー劣化の
検出に多く利用されている。これは、高圧CVケーブル
では全長に亘って水トリー劣化が進行していることがあ
り、水トリーが多発するとtanδが大きくなるので、
水トリー劣化が懸念される場合の診断に好適しているか
らである。電力ケーブルのtanδ法による絶縁診断に
際しては、シェーリングブリッジや変成器ブリッジが用
いられ、その交流電源としては、商用周波数の電源が用
いられるが、場合によっては、0.1Hz程度の超低周
波電圧が用いられることがある。これは主に、劣化ケー
ブルでは低周波領域でtanδが増加することを利用す
るとともに、高電圧試験装置の大型化を避けたり、誘導
障害により測定誤差が増大することを避けるためであ
る。
直流漏れ電流法、部分放電法、誘電正接法(以下、ta
nδ法という)などが開発され、実用化されている。中
でもtanδ法は、高圧CVケーブルの水トリー劣化の
検出に多く利用されている。これは、高圧CVケーブル
では全長に亘って水トリー劣化が進行していることがあ
り、水トリーが多発するとtanδが大きくなるので、
水トリー劣化が懸念される場合の診断に好適しているか
らである。電力ケーブルのtanδ法による絶縁診断に
際しては、シェーリングブリッジや変成器ブリッジが用
いられ、その交流電源としては、商用周波数の電源が用
いられるが、場合によっては、0.1Hz程度の超低周
波電圧が用いられることがある。これは主に、劣化ケー
ブルでは低周波領域でtanδが増加することを利用す
るとともに、高電圧試験装置の大型化を避けたり、誘導
障害により測定誤差が増大することを避けるためであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、電力ケ
ーブルのtanδ法による絶縁診断に際しては、商用周
波電圧や超低周波電圧を用い、それらの測定値自体に基
づいて診断を行ってきたが、これらの測定値自体(絶対
値)とケーブルのAC破壊値との間には強い相関がある
筈であるのに、実際に試験を行って見ると、相関が認め
られないか、ばらつきが大きく明確に診断することがで
きないことがある。特に、AC破壊値が低いにも拘ら
ず、例えばtanδのような非破壊試験値が小さいデー
タがかなりの割合で存在していることがある。図3は、
比較的劣化が進んでいると考えられる66kvのCVケ
ーブルを対象とし、38kv50Hzの商用周波電圧を
印加して測定した場合のtanδの値と、そのケーブル
の実際のAC破壊値との関係を示している。図4は、同
様のケーブルを対象とし、38kv0.1Hzの超低周
波電圧を印加して測定した場合のtanδの値と、その
ケーブルの実際のAC破壊値との関係を示している。な
お、これらの図において、実線は回帰直線を示し、鎖線
は95%信頼区間を示している。
ーブルのtanδ法による絶縁診断に際しては、商用周
波電圧や超低周波電圧を用い、それらの測定値自体に基
づいて診断を行ってきたが、これらの測定値自体(絶対
値)とケーブルのAC破壊値との間には強い相関がある
筈であるのに、実際に試験を行って見ると、相関が認め
られないか、ばらつきが大きく明確に診断することがで
きないことがある。特に、AC破壊値が低いにも拘ら
ず、例えばtanδのような非破壊試験値が小さいデー
タがかなりの割合で存在していることがある。図3は、
比較的劣化が進んでいると考えられる66kvのCVケ
ーブルを対象とし、38kv50Hzの商用周波電圧を
印加して測定した場合のtanδの値と、そのケーブル
の実際のAC破壊値との関係を示している。図4は、同
様のケーブルを対象とし、38kv0.1Hzの超低周
波電圧を印加して測定した場合のtanδの値と、その
ケーブルの実際のAC破壊値との関係を示している。な
お、これらの図において、実線は回帰直線を示し、鎖線
は95%信頼区間を示している。
【0005】これらの図から明らかなように、商用周波
電圧の場合も、超低周波電圧の場合も、それらの測定値
自体とAC破壊値との間には相関が認められないか、あ
ってもばらつきが大きく、明確に診断することができな
いことがある。本発明者等は、電力ケーブルのtanδ
法による絶縁診断についての研究を進める間に、商用周
波数tanδと超低周波数tanδの測定値自体とAC
破壊値との間には相関が認められなくても、商用周波数
tanδと超低周波数tanδとの比と、AC破壊値と
の間には強い相関があることを見出だした。本発明は、
このような知見に基づいてなされたもので、電気絶縁物
のtanδ法による絶縁劣化の診断を簡単かつ確実に行
うことのできる絶縁劣化診断方法を提供することを課題
とするものである。
電圧の場合も、超低周波電圧の場合も、それらの測定値
自体とAC破壊値との間には相関が認められないか、あ
ってもばらつきが大きく、明確に診断することができな
いことがある。本発明者等は、電力ケーブルのtanδ
法による絶縁診断についての研究を進める間に、商用周
波数tanδと超低周波数tanδの測定値自体とAC
破壊値との間には相関が認められなくても、商用周波数
tanδと超低周波数tanδとの比と、AC破壊値と
の間には強い相関があることを見出だした。本発明は、
このような知見に基づいてなされたもので、電気絶縁物
のtanδ法による絶縁劣化の診断を簡単かつ確実に行
うことのできる絶縁劣化診断方法を提供することを課題
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電気絶縁物の絶
縁劣化診断方法は、電気絶縁物に商用周波電圧を印加し
てtanδを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を
印加してtanδを測定し、得られた超低周波数でのt
anδ値と、商用周波数でのtanδ値との比を求め、
この比の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断
することを主な特徴とするものである。
縁劣化診断方法は、電気絶縁物に商用周波電圧を印加し
てtanδを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を
印加してtanδを測定し、得られた超低周波数でのt
anδ値と、商用周波数でのtanδ値との比を求め、
この比の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断
することを主な特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、超低周波数で
のtanδ値と、商用周波数でのtanδ値との比、好
ましくは超低周波数でのtanδ値の、商用周波数での
tanδ値に対する比を用いることにより、電気絶縁物
の絶縁劣化を正確に診断することができる。この場合、
この比をログ換算して対数にすると、より一層、ケーブ
ルのAC破壊値との相関をはっきりさせることができ
る。なお、本発明において利用される超低周波数の範囲
は、0.05Hzないし0.2Hz程度の超低周波数領
域が適当と考えられるが、電源の入手のし易さや取扱い
の容易さの関係から、0.1Hz程度の超低周波数領域
が好ましい。
のtanδ値と、商用周波数でのtanδ値との比、好
ましくは超低周波数でのtanδ値の、商用周波数での
tanδ値に対する比を用いることにより、電気絶縁物
の絶縁劣化を正確に診断することができる。この場合、
この比をログ換算して対数にすると、より一層、ケーブ
ルのAC破壊値との相関をはっきりさせることができ
る。なお、本発明において利用される超低周波数の範囲
は、0.05Hzないし0.2Hz程度の超低周波数領
域が適当と考えられるが、電源の入手のし易さや取扱い
の容易さの関係から、0.1Hz程度の超低周波数領域
が好ましい。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本発明に
おいては、電気絶縁物に商用周波電圧を印加してtan
δを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を印加して
tanδを測定し、得られた超低周波数でのtanδ値
の、商用周波数でのtanδ値に対する比を求め、この
比の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断す
る。商用周波電圧でのtanδの測定には、シェーリン
グブリッジや変成器ブリッジなどが用いられる。図5
は、シェーリングブリッジを用いたtanδ測定回路を
示すもので、交流電源1に、標準コンデンサCsと可変
抵抗R3を直列接続すると共に、並列接続した可変コン
デンサC4と抵抗R4のブリッジ素子を介して被測定ケ
ーブル2を接続し、これらのブリッジ辺の間に平衡検出
器Dを橋絡接続して構成されており、比例辺の可変抵抗
R3と可変コンデンサC4を変化させて被測定ケーブル
2の静電容量分と抵抗分を平衡させ、それらの値からt
anδを測定するものである。また、変成器ブリッジに
よる測定回路は、図6に示すように、変成器Tの一次巻
線を可変抵抗Rと標準コンデンサCsを介して交流電源
1に接続すると共に、変成器Tの二次巻線と被測定ケー
ブル2を直列して交流電源1に接続し、変成器Tの三次
巻線に平衡検出器Dを接続して構成されており、被測定
ケーブル2に流れる充電電流による変成器T中の磁束を
標準コンデンサCsを流れる電流と、それよりも90°
位相の遅れた電流で平衡させることにより、tanδを
測定するようにしている。
おいては、電気絶縁物に商用周波電圧を印加してtan
δを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を印加して
tanδを測定し、得られた超低周波数でのtanδ値
の、商用周波数でのtanδ値に対する比を求め、この
比の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断す
る。商用周波電圧でのtanδの測定には、シェーリン
グブリッジや変成器ブリッジなどが用いられる。図5
は、シェーリングブリッジを用いたtanδ測定回路を
示すもので、交流電源1に、標準コンデンサCsと可変
抵抗R3を直列接続すると共に、並列接続した可変コン
デンサC4と抵抗R4のブリッジ素子を介して被測定ケ
ーブル2を接続し、これらのブリッジ辺の間に平衡検出
器Dを橋絡接続して構成されており、比例辺の可変抵抗
R3と可変コンデンサC4を変化させて被測定ケーブル
2の静電容量分と抵抗分を平衡させ、それらの値からt
anδを測定するものである。また、変成器ブリッジに
よる測定回路は、図6に示すように、変成器Tの一次巻
線を可変抵抗Rと標準コンデンサCsを介して交流電源
1に接続すると共に、変成器Tの二次巻線と被測定ケー
ブル2を直列して交流電源1に接続し、変成器Tの三次
巻線に平衡検出器Dを接続して構成されており、被測定
ケーブル2に流れる充電電流による変成器T中の磁束を
標準コンデンサCsを流れる電流と、それよりも90°
位相の遅れた電流で平衡させることにより、tanδを
測定するようにしている。
【0009】図7は、超低周波電圧によるtanδ測定
回路の一例として位相差測定回路を示している。同図に
おいて、0.1Hz程度の超低周波電源1に、検出抵抗
R1と被測定ケーブル2を直列に接続すると共に、標準
コンデンサCsと検出抵抗R2を直列に接続したもの
で、検出抵抗R1とR2の検出電圧はそれぞれデジタル
オシロスコープ3の入力端子CH1,CH2にインプッ
トされる。図8は、この位相差測定回路におけるtan
δの算出手順を示すもので、検出抵抗R2より標準コン
デンサCsの信号を取込み(ステップS1)、検出抵抗
R1より被測定ケーブル2の信号を取込む(ステップS
2)と、デジタルオシロスコープ3では、FFT解析に
より位相測定を行う(ステップS3)。続いて標準コン
デンサCsと被測定ケーブル2の位相差の算出を行い
(ステップS4)、ステップS5で必要な補正を行なっ
て、tanδを算出する(ステップS6)。
回路の一例として位相差測定回路を示している。同図に
おいて、0.1Hz程度の超低周波電源1に、検出抵抗
R1と被測定ケーブル2を直列に接続すると共に、標準
コンデンサCsと検出抵抗R2を直列に接続したもの
で、検出抵抗R1とR2の検出電圧はそれぞれデジタル
オシロスコープ3の入力端子CH1,CH2にインプッ
トされる。図8は、この位相差測定回路におけるtan
δの算出手順を示すもので、検出抵抗R2より標準コン
デンサCsの信号を取込み(ステップS1)、検出抵抗
R1より被測定ケーブル2の信号を取込む(ステップS
2)と、デジタルオシロスコープ3では、FFT解析に
より位相測定を行う(ステップS3)。続いて標準コン
デンサCsと被測定ケーブル2の位相差の算出を行い
(ステップS4)、ステップS5で必要な補正を行なっ
て、tanδを算出する(ステップS6)。
【0010】上記の測定原理に基づくtanδ測定回路
を用い、比較的劣化が進んでいると考えられる66kv
のCVケーブルを対象として、38kv50Hzの商用
周波電圧を印加してtanδの値(以下、50Hzta
nδという)を測定すると共に、同じケーブルに38k
v0.1Hzの超低周波電圧を印加してtanδの値
(以下、0.1Hztanδという)を測定した。これ
らの測定値を個々に演算し、50Hztanδに対する
0.1Hztanδの比を求めた。また、各供試ケーブ
ルに商用周波の試験電圧を規定のステップに従って印加
し、絶縁破壊したときのAC破壊値を測定した。図1
は、このAC破壊値を縦軸にとり、(0.1Hztan
δ/50Hztanδ)の値を横軸にとった散布図であ
る。また、図2は、横軸に(0.1Hztanδ/50
Hztanδ)の対数をとった場合の散布図である。こ
れらの図中、実線は回帰直線を示し、鎖線は95%信頼
区間を示す。
を用い、比較的劣化が進んでいると考えられる66kv
のCVケーブルを対象として、38kv50Hzの商用
周波電圧を印加してtanδの値(以下、50Hzta
nδという)を測定すると共に、同じケーブルに38k
v0.1Hzの超低周波電圧を印加してtanδの値
(以下、0.1Hztanδという)を測定した。これ
らの測定値を個々に演算し、50Hztanδに対する
0.1Hztanδの比を求めた。また、各供試ケーブ
ルに商用周波の試験電圧を規定のステップに従って印加
し、絶縁破壊したときのAC破壊値を測定した。図1
は、このAC破壊値を縦軸にとり、(0.1Hztan
δ/50Hztanδ)の値を横軸にとった散布図であ
る。また、図2は、横軸に(0.1Hztanδ/50
Hztanδ)の対数をとった場合の散布図である。こ
れらの図中、実線は回帰直線を示し、鎖線は95%信頼
区間を示す。
【0011】これらの図から明らかなように、50Hz
tanδに対する0.1Hztanδの比の大きさとA
C破壊値との間にははっきりとした相関性があることが
分かり、特に50Hztanδに対する0.1Hzta
nδの比の対数とAC破壊値との間には、強い相関性が
あることが分かる。従って、これらの関係から予め判定
基準を定めておくことにより、50Hztanδに対す
る0.1Hztanδの比の大きさに基づいて、電力ケ
ーブルの絶縁劣化の程度を正確に診断することができ
る。また、電力ケーブルの余寿命診断技術に利用するこ
とも可能と考えられる。なお、本発明において、超低周
波数でのtanδ値と商用周波数でのtanδ値の比と
しては、超低周波数でのtanδ値の、商用周波数での
tanδ値に対する比を利用することが理解し易く便利
であるが、場合によってはそれらの逆数などを用いるこ
ともできる。また、以上の説明においては、本発明を電
力ケーブルの絶縁劣化診断に適用する場合を例にとって
説明したが、本発明の用途は必ずしもこれに限定される
ものではなく、発・変電所その他の各種プラントやシス
テムにおいて使用される種々の電力機器や絶縁材料の絶
縁劣化診断に利用することができ、あるいは電気絶縁材
料の研究開発などに際して、その材料評価を行う際など
にも広く利用することができる。
tanδに対する0.1Hztanδの比の大きさとA
C破壊値との間にははっきりとした相関性があることが
分かり、特に50Hztanδに対する0.1Hzta
nδの比の対数とAC破壊値との間には、強い相関性が
あることが分かる。従って、これらの関係から予め判定
基準を定めておくことにより、50Hztanδに対す
る0.1Hztanδの比の大きさに基づいて、電力ケ
ーブルの絶縁劣化の程度を正確に診断することができ
る。また、電力ケーブルの余寿命診断技術に利用するこ
とも可能と考えられる。なお、本発明において、超低周
波数でのtanδ値と商用周波数でのtanδ値の比と
しては、超低周波数でのtanδ値の、商用周波数での
tanδ値に対する比を利用することが理解し易く便利
であるが、場合によってはそれらの逆数などを用いるこ
ともできる。また、以上の説明においては、本発明を電
力ケーブルの絶縁劣化診断に適用する場合を例にとって
説明したが、本発明の用途は必ずしもこれに限定される
ものではなく、発・変電所その他の各種プラントやシス
テムにおいて使用される種々の電力機器や絶縁材料の絶
縁劣化診断に利用することができ、あるいは電気絶縁材
料の研究開発などに際して、その材料評価を行う際など
にも広く利用することができる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、電気絶縁物のtanδ
法による絶縁劣化の診断結果の信頼性が向上する。
法による絶縁劣化の診断結果の信頼性が向上する。
【図1】 電力ケーブルのAC破壊値と、(0.1Hz
tanδ/50Hztanδ)との関係を示すグラフ。
tanδ/50Hztanδ)との関係を示すグラフ。
【図2】 電力ケーブルのAC破壊値と、(0.1Hz
tanδ/50Hztanδ)の対数との関係を示すグ
ラフ。
tanδ/50Hztanδ)の対数との関係を示すグ
ラフ。
【図3】 商用周波電圧を印加して測定した場合のta
nδの値と、そのケーブルの実際のAC破壊値との関係
を示すグラフ。
nδの値と、そのケーブルの実際のAC破壊値との関係
を示すグラフ。
【図4】 超低周波電圧を印加して測定した場合のta
nδの値と、そのケーブルの実際のAC破壊値との関係
を示すグラフ。
nδの値と、そのケーブルの実際のAC破壊値との関係
を示すグラフ。
【図5】 シェーリングブリッジを用いたtanδ測定
回路を原理的に示す回路図。
回路を原理的に示す回路図。
【図6】 変成器ブリッジを用いたtanδ測定回路を
原理的に示す回路図。
原理的に示す回路図。
【図7】 超低周波電圧によるtanδ測定回路を例示
する回路図。
する回路図。
【図8】 図7の回路におけるtanδの算出手順を示
す説明図。
す説明図。
1……交流電源 2……被測定ケーブル 3……デジタルオシロスコープ
Claims (3)
- 【請求項1】 電気絶縁物に商用周波電圧を印加してt
anδを測定し、同じ電気絶縁物に超低周波電圧を印加
してtanδを測定し、得られた超低周波数でのtan
δ値と商用周波数でのtanδ値との比を求め、この比
の大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断するこ
とを特徴とする電気絶縁物の絶縁劣化診断方法。 - 【請求項2】 超低周波数でのtanδ値の、商用周波
数でのtanδ値に対する比を求め、この比の大きさに
基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断することを特徴と
する請求項1に記載の電気絶縁物の絶縁劣化診断方法。 - 【請求項3】 超低周波数でのtanδ値の、商用周波
数でのtanδ値に対する比の対数を求め、この対数の
大きさに基づいて電気絶縁物の絶縁劣化を診断すること
を特徴とする請求項2に記載の電気絶縁物の絶縁劣化診
断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8120602A JPH09304467A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 電気絶縁物の絶縁劣化診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8120602A JPH09304467A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 電気絶縁物の絶縁劣化診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09304467A true JPH09304467A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=14790324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8120602A Pending JPH09304467A (ja) | 1996-05-15 | 1996-05-15 | 電気絶縁物の絶縁劣化診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09304467A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101223883B1 (ko) * | 2012-11-09 | 2013-01-17 | 목포해양대학교 산학협력단 | 초저주파 탄델타 측정 데이터를 이용한 전력 케이블 상태 진단 장치 및 그 방법 |
KR101330091B1 (ko) * | 2012-09-12 | 2013-11-18 | 이관우 | 운전중인 고전압 케이블의 수명 판정 방법 |
KR101466623B1 (ko) * | 2014-07-09 | 2014-11-28 | 한국전력공사 | 초저주파 탄델타의 측정 데이터를 이용한 전력 케이블의 상태 진단 및 잔존 수명 측정 장치 및 그 방법 |
CN110618364A (zh) * | 2019-11-03 | 2019-12-27 | 西南交通大学 | 一种评估配电网xlpe电缆终端绝缘可靠性的方法 |
-
1996
- 1996-05-15 JP JP8120602A patent/JPH09304467A/ja active Pending
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WO2016006756A1 (ko) * | 2014-07-09 | 2016-01-14 | 한국전력공사 | 초저주파 탄델타의 측정 데이터를 이용한 전력 케이블의 상태 진단 및 잔존 수명 측정 장치 및 그 방법 |
US10393788B2 (en) | 2014-07-09 | 2019-08-27 | Korea Electric Power Corporation | Apparatus and method for diagnosing state of power cable and measuring remaining life thereof using VLF TD measurement data |
CN110618364A (zh) * | 2019-11-03 | 2019-12-27 | 西南交通大学 | 一种评估配电网xlpe电缆终端绝缘可靠性的方法 |
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