JPH09304362A - 検出装置及び検出方法 - Google Patents
検出装置及び検出方法Info
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- JPH09304362A JPH09304362A JP8117817A JP11781796A JPH09304362A JP H09304362 A JPH09304362 A JP H09304362A JP 8117817 A JP8117817 A JP 8117817A JP 11781796 A JP11781796 A JP 11781796A JP H09304362 A JPH09304362 A JP H09304362A
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Abstract
時に複数の物理量を知る検出方法及び検出装置を得る。 【解決手段】 相隣り合う受信端では異なる周波数で、
かつ各送信端対応では時間的に交互に異なる第1と第2
の周波数のバースト信号をN個の送信端から送信する送
信手段と、検出対象からの第1と第2の周波数の反射信
号を対応するN個の受信端で受信する受信手段と、第1
の周波数対応の受信信号と第1群の参照信号に基づいて
検出対象に関するN対応の物理量の候補を得る第1の候
補導出手段と、第2の周波数対応の受信信号と第2群の
参照信号に基づいて検出対象に関するN対応の物理量の
候補を得る第2の候補導出手段と、第1の候補導出手段
出力と第2の候補導出手段出力とを用いてN対応の物理
量を定める第3の導出手段を備えた。
Description
弾性波、光を含む広義の電磁波などの波を用い、その波
の性質に基づき、検出対象の物理量例えば位置、形状等
の検出を行う検出方法及び検出装置に関する。
波非破壊検査の分野での例を用いて説明する。例えば、
図11は、「新非破壊検査便覧」、(社)日本非破壊検
査協会編、1992年、10月15日発行、日刊工業新
聞社、pp.256〜278(以下、文献Aと略称す
る)から引用したこの種の超音波計測装置を示す構成図
である。図6において、1はパルサ、2はレシーバ、2
4はタイミング部、4は水平掃引部、5は表示部、6は
探触子、7は試験体、8は欠陥である。試験体7が、超
音波伝搬媒体、欠陥8が物体に相当する。
したような超音波非破壊検査の分野での超音波計測装置
では、例えば、「超音波探傷法(改訂新版)」、日本学
術振興会製鋼第19委員会編、1974年、7月30日
発行、日刊工業新聞社、pp.114〜140(以下、
文献Bと略称する)に述べられているように、インパル
ス法が用いられている。すなわち、パルサ1から送信繰
り返し周波数のタイミングごとに、図12(a)に示す
ようなインパルスとみなしても差し支えないほどの幅の
狭い電気パルスが発振される。この電気パルスは、探触
子6に印加され、探触子6により、図12(b)に示す
ような超音波パルスに変換され、試験体7に超音波パル
スが送信される。
試験体7中の欠陥8や、試験体7の底面などで反射さ
れ、探触子6により反射エコー電気信号として受信され
る。レシーバ2は、これらの反射エコーを増幅、整流検
波する。レシーバ2の出力信号は表示器5に伝達され
る。
タイミングを制御する同期信号を発生する。水平掃引部
4は、この同期信号から表示器5の時間軸(横軸)掃引
信号を発生し、表示器5に伝達する。これによって、表
示器5上に図11に示したように、送信パルスT、欠陥
8からの反射エコーF、試験体7の底面からの反射エコ
ーBが表示される。
時間位置を測定することによって、試験体7中の欠陥の
位置を同定する。また、欠陥エコーFの高さによって、
欠陥の大きさを推定する。
いて、欠陥8までの距離計測の分解能を向上させるに
は、欠陥エコーの表れる時間位置を精度よく測定する必
要がある。欠陥エコー信号の時間幅が極めて狭ければ、
その時間位置を精度よく測定できる。しかし、現実に
は、試験体7に送信される超音波パルスは、振動継続時
間の短いものでも、図12(b)に示したように、振動
波数が1.5から3波程度である。
もこの程度である。超音波パルスの振動波形は、主に探
触子6の特性に左右され、探触子6の周波数応答特性に
おいて、狭帯域な特性を有する探触子6では振動波数が
長く、広帯域な特性を有する探触子6では短い。すなわ
ち、振動継続時間は探触子6の帯域幅に逆比例するが、
現在、広帯域探触子6と称されている探触子6において
も、文献AのP.263に記載されているように、その
振動波数は1.5から3波程度がせいぜいである。した
がって、距離計測の分解能は、欠陥まで超音波パルスが
往復することを考慮にいれても、上記の振動波数の2分
の1、すなわち、0.7から1.5波となる。
線の振幅は、時間ともに零から徐々に増加し、ピーク値
に達した後減少するので、ピーク値に達した時間を測定
するか、あるいは、零から立ち上がる時間を測定すれ
ば、上述の分解能に比べ分解能を向上できる。しかし、
ピーク付近の振幅の時間変化は滑らかであること、ま
た、零からの立ち上がり付近も滑らかに変化するので、
現実には、それらの時間位置を正確に測定することは困
難である。
た値を閾値とし、この閾値を包絡線の振幅が横切る時間
を測定することも考えられるが、この方法では、探触子
6が変わるとそのエコー波形が変わることや、物体8の
形状などが変わるとエコー波形が変わるので、精度や安
定性に問題がある。
計測装置や、超音波顕微鏡などにおいては、図12
(a)に示したようなインパルスではなく、図13に示
すようなバースト信号を用いて探触子を励振することも
行われるが、このようなバースト信号を用いると、反射
エコー信号の振動継続時間は、図12(b)に比べて長
くなる。したがって、反射エコーの表れる時間位置の測
定精度は悪くなる。
か、複数の周波数を使用した超音波を使った装置として
は、特開平4−24580号や特開平4−286952
号、特開平2−136135号、特開平5−12332
0号、特開平5−200024号、特開平6−2299
91号、特開平3−182234号に記載されたものな
どがある。
れたものは、超音波伝搬媒体の減衰の周波数特性が、超
音波伝搬路が異なると大きく異なることを考慮して、低
周波数と高周波数の2周波数を用いて、どちらか有利な
方の周波数で物体を探索しようとしたものである。ま
た、特開平4−286952号に記載されたものは、超
音波伝搬媒体(碍子)の端面付近に内部欠陥がある場
合、端面エコーの強度が周波数により変化することを利
用して欠陥を検出することを目的としたものである。ま
た、特開平2−136135号、特開平5−12332
0号、及び、特開平5−200024号に記載されたも
のは、超音波伝搬媒体の減衰が周波数特性を有するの
で、異なる2つの計測目的にそれぞれ適した異なる2つ
の周波数を使用したものである。
れたものは、2つの周波数のバースト信号(送信信号)
を用いて、これらに対応する2つの検出信号(エコー)
の位相を検出して、これらの位相の差を求めて、2つの
位相の差と2つの周波数の差で与えられる周波数から、
距離を求めようとしているものである。したがって、最
終的には、2つの周波数の差で与えられる1つのバース
ト信号を用いたことと等価であり、本発明の実例に示さ
れるように、2つの周波数を用いてそれぞれ候補を導出
し、その候補から更に検出対象までの距離等を導出しよ
うとするものではない。
れたものは、振動子の開口面を2つの異なる周波数によ
って変えるように探触子を構成して、近距離から遠距離
までシャープなフォーカス効果(指向性)を得ようとし
たものである。すなわち、特開平4−24580号、特
開平4−286952号、特開平2−136135号、
特開平5−123320号、特開平5−200024、
特開平6−229991号、及び、特開平3−1822
34号ともに2つの周波数を使用しているものの、本発
明とは目的が異なり、また、構成も全く異なる。
種の超音波計測装置においては、物体からの反射エコー
信号の受信される時間の測定精度が悪く、このため、物
体までの距離計測の分解能が悪い欠点がある。これは、
物体からの散乱エコーや回折エコーを受信して物体の情
報を把握しようとする場合でも同様である。すなわち、
上述した欠点は、物体までの測距を目的とした計測に限
らず、エコー信号を受信、処理して物体情報を把握する
ことを目的とした計測、例えば、物体形状計測や、物体
の映像化、物体の認識識別を行うことを目的とした装置
などにおいて、共通する課題である。また、物体が超音
波を伝搬しうるものであり、物体の厚さや、物体中の音
速を計測しようとする場合には、その計測精度が悪くな
るという課題もある。
になされたもので、多周波数の信号を用いてしかも同時
に多点において、分解能つまり検出精度の優れた検出装
置及び方法を得ることを目的とする。
は、少なくとも相隣り合う受信端では異なる周波数で、
かつ各送信端対応でも異なる第1と第2の周波数のバー
スト信号を用意し、N個(Nは2以上の自然数)の送信
端から検出対象に上記バースト信号を送信する送信手段
と、検出対象からの第1と第2の周波数の送信バースト
信号による反射信号を対応するN個の受信端で受信する
受信手段と、第1の周波数対応の受信信号と第1群の参
照信号に基づいて第1の所定の演算をして、検出対象に
関する上記1ないしN対応の物理量の第1の候補を得る
第1の候補導出手段と、第2の周波数対応の受信信号と
第2群の参照信号に基づいて第1の所定の演算をして、
検出対象に関する上記1ないしN対応の物理量の第2の
候補を得る第2の候補導出手段と、第1の候補導出手段
出力と第2の候補導出手段出力とを用いて第2の所定の
演算を行って上記1ないしN対応の物理量を定める第3
の導出手段を備えた。
て異なる周波数とした。
の位相と包絡線を求める演算とした。
囲の候補から第1の所定の演算で2つの位相によって一
致する候補を求める演算とした。
端を兼ねるようにした。
周波数用に分離して2N個として第1と第2の周波数対
応で送信するようにした。
送受信端とし、必要があれば第1と第2の周波数用に分
離して最大2N個とし、各々第1の周波数対応のN個で
の送受信と、第2の周波数対応のN個での送受信を行う
ようにした。
受信端も、第1と第2の周波数用に分離して2N個とし
て第1と第2の周波数対応で受信するようにした。
は分離して別の探触子とした。
送信端となる探触子と、少なくとも各上記送信端対応で
も異なる第1と第2の周波数のバースト信号を生成し供
給する送信手段と、受信手段と、受信信号処理手段を備
え、N個の各送信端から検出対象にバースト信号を送信
する送信ステップと、検出対象からの第1と第2の周波
数の送信バースト信号による反射信号を対応するN個の
受信端で受信する受信ステップと、第1の周波数対応の
受信信号と第1群の参照信号に基づいて第1の所定の演
算をして検出対象に関する上記1ないしN対応の物理量
の第1の候補を得る第1の候補導出ステップと、第2の
周波数対応の受信信号と第2群の参照信号に基づいて第
1の所定の演算をして検出対象に関する上記1ないしN
対応の物理量の第2の候補を得る第2の候補導出ステッ
プと、第1の候補導出ステップの結果と第2の候補導出
ステップの結果とを用いて第2の所定の演算を行って上
記1ないしN対応の物理量を定める第3の導出ステップ
とを備えた。
測処理する検出方法及び検出装置を超音波距離計測装置
に適用した場合を以下の図1〜図9を参照しながら説明
する。ここで検出すべきものは被検出物体等の検出対象
に関する物理的特性を含む広義の物理量であり、具体的
には、被検出対象までの距離、被検出対象の存在の有
無、または被検出対象の形状、位置または検出装置と被
検出対象との間に存在し、波が伝搬する媒体の諸特性、
その媒体中の波の伝搬速度等がある。なお、説明の便宜
上、一例として超音波を用いた超音波検出方法および装
置につき以下述べることとする。また、検出という文言
は別に計測という文言があるが、後者は前者に含まれて
いるとして本明細書では取り扱っている。また、検出と
いう文言と似た文言に検査という文言もあるが、本明細
書では検査という文言も検出という文言に含まれている
ものとして取り扱っている。超音波検出方法、装置のう
ち、特に超音波計測方法、装置につき、まず以下に説明
する。超音波を用いた超音波計測装置は一般に超音波を
物体に照射し、物体からの超音波の反射波や、透過波
や、散乱波や、回折波などを受信、処理することによ
り、物体の検出や、物体までの測距や、物体形状の計測
や、物体の映像化や、物体の認識などを行う装置、ある
いは、物体の厚さや、物体中の音速や超音波伝搬媒体の
音速の計測を行う装置に関するものである。物体は、空
中や他の気体中にあっても、水中や海中や他の液体中に
あっても、固体中にあっても、超音波が伝搬しうる媒体
中にあれば、いずれにあってもかまわない。
音波計測装置を示す構成図である。図中、61、62、
63、・・・、6Nは探触子である。以下、第n番目の
探触子6nを第nの探触子6nと呼ぶ。ここで、n=
1、2、3、・・・、Nである。8は物体、9は第1の
周波数のバースト信号生成手段と第2の周波数のバース
ト信号生成手段を含む送信部、10は受信部、3は制御
部、11は信号処理部である。物体8は、超音波伝搬媒
体中、例えば、空中や、水中、あるいは、固体中にある
ものとする。探触子61、61、63、・・・、6N
は、送信部9及び受信部10に接続されている。受信部
10は信号処理部11に接続されている。制御部3は、
送信部9、受信部10及び信号処理部11に接続されて
いる。なお、信号処理部11は図示していないが、内部
にメモリを有しており、このメモリに信号処理部11に
おいて演算・算出された種々の結果が適宜記憶されると
ともに、信号処理部11に入力された入力信号が適宜記
憶される。また、後述するフロー図に示される第1候補
導出手段、第2候補導出手段、第3導出手段が信号処理
ステップを集積して形成されている。また、図示はして
いないが、信号処理部11からは、処理状況を示す信号
が適宜制御部3に入力され、その入力に基づき制御部3
は送信部9、受信部10、信号処理部11に対し、制御
信号を出力して送信部9、受信部10、信号処理部11
の制御を司る。
作を説明するための波形図である。図2(a)は、送信
部9から発生され、第nの探触子6nを励振する送信信
号の波形図である。図2(b)は、物体8から反射さ
れ、第nの探触子6nで受信されたエコーの波形図であ
る。図3(a)〜(d)は、第nの探触子6nを励振す
る送信信号の他の波形図である。図4ないし図6は第n
の探触子による送受信信号の処理を説明する図である。
の信号について説明する。送信部9から第nの探触子6
nを励振するための送信信号が発生される。この送信信
号は、キャリア角周波数がωn1の第1のバースト信号
と、キャリア角周波数がωn2の第2のバースト信号とか
らなり、図2(a)に示すように、これら2種類の周波
数のバースト信号が送信繰り返し周期Trごとに交互に
繰り返されている。すなわち、第nの探触子6nから、
キャリア角周波数がωn1のバースト状送信信号と、キャ
リア角周波数がωn2のバースト状送信信号とが、検出対
象である物体8に対し送信される。これら2種類のバー
スト信号が角周波数ωn1及びωn2に対応する周波数を、
それぞれ、fn1及びfn2とする。以下、キャリア角周波
数がωn1の送信バースト信号を第nの探触子6nの第1
の送信信号と呼び、キャリア角周波数がωn2の送信バー
スト信号を第nの探触子6nの第2の送信信号と呼ぶ。
この実施の形態においては、便宜上角周波数ωn1は、角
周波数ωn2よりも小さく設定してあるが、ωn1、ωn2は
同一でなければよいものである。ここでこの明細書中に
おけるバースト信号とは信号の継続時間が有限の信号を
広く意味し、例えば、図3(a)、(b)、(c)、及
び、(d)に示されるような波形の信号もこのバースト
信号に含まれる。また、図1の構成においては、以下に
説明する第nの探触子6nに加えられる送信と同期し
て、他の探触子61ないしNに対しても同様に2つの周
波数のバースト信号が印加され、それぞれの反射信号で
ある受信信号が、信号処理の過程で分離してそれぞれ処
理される。
発生され第1〜第Nの探触子61〜6Nのうちの1つの
探触子6nを励振するために上述のように2種類の送信
信号が割り当てられる。したがって、1つの探触子6n
には第1と第2の2種類の角周波数ωn1とωn2が割り当
てられていることになる。すなわち、第1の探触子61
にはω11とω12、第2の探触子62にはω21とω22、第
3の探触子63にはω31とω32、・・・、第Nの探触子
6Nにはωn1とωn2が割り当てられている。さらに、こ
れら2N個の角周波数ω11、ω12、ω21、ω22、ω31、
ω32、・・・、ωN1、ωN2は互いに異ならせてある。こ
のようにこの発明は、同時に複数のn個の異なる探触子
対応に複数の送信バースト信号を印加し、受信処理する
ことに特徴がある。上記では説明の都合上、探触子61
ないし6Nの全てが異なる角周波数ωn1ないしωnNを持
つとしたが、実用上は少なくとも相隣り合う探触子6n
−1と6n、または6nと6n+1が異なる角周波数で
あればよく、それより遠い探触子からの影響は少なくな
る。
の探触子62の第1の送信信号、第3の探触子63の第
1の送信信号、・・・、第Nの探触子6Nの第1の送信
信号は、同じ送信繰り返し周期において同時に発生され
る。次の送信繰り返し周期において、第1の探触子61
の第2の送信信号、第2の探触子62の第2の送信信
号、第3の探触子63の第2の送信信号、・・・、第N
の探触子6Nの第2の送信信号が、同時に発生される。
の探触子6nを励振し、超音波パルスを物体8に照射す
る。超音波パルスの波形は、第nの探触子6nの帯域幅
が有限であるので、図2(a)に示した送信信号の波形
とは異なったものとなるが、ここでは、説明の簡単のた
め、探触子6nの帯域幅が十分広いものとして、超音波
パルスの波形が近似的に送信信号の波形と等しいものと
して説明する。また、探触子6nにより超音波パルスを
受信する際も、同様に、電気信号として受信されたエコ
ーの波形は、超音波パルスに近似的に等しいものとして
説明する。
の探触子6nにより受信する。上述したように、第1〜
第Nの探触子61〜6Nの第1の送信信号は同時に送信
されているので、これらの送信信号を送信した送信繰り
返し周期において第nの探触子6nで受信されるエコー
は、第nの探触子6nの第1の送信信号に対応するもの
のみ受信されるとは限らない。しかし、まずは、第nの
探触子6nで受信されたエコーの中で、第nの探触子6
nの第1の送信信号を送信した送信繰り返し周期におい
ては、この送信信号に対応するエコーのみを対象にして
考えてみる。同様に、第nの探触子6nの第2の送信信
号を送信した送信繰り返し周期においては、この送信信
号に対応するエコーのみを対象にして考えてみる。
合、受信エコーは図2(b)に示すように、キャリア角
周波数がωn1のバースト信号と、キャリア角周波数がω
n2のバースト信号とからなり、これら2種類のバースト
信号が送信繰り返し周期ごとに交互に繰り返されて受信
される。別の表現をすれば、超音波パルスの送信と受信
を兼用した第nの探触子6nによって、第nの探触子6
nの第1及び第2の送信信号にそれぞれ対応する検出対
象である物体8からの2つのバースト状のエコー信号が
受信される。なお、図2(b)中、τn は探触子6nか
ら物体8まで超音波が往復する時間である。受信エコー
は、受信部10で増幅され、その後、信号処理部11へ
伝達される。制御部3は、装置各部を制御して動作させ
るためのものである。
処理手順は、基本的な1つの探触子による検出装置とし
て、先の特願平7−38392号にて詳述された手順と
以下述べるように同様であるが、図4ないし図6を用い
てその概要を説明する。まず、第1の候補導出手段とし
て以下の手続きで候補である距離Lと包絡線を導出す
る。図4は第nの探触子についての送信部、受信部、信
号処理部での動作を表す動作フロー図である。以下、こ
の図のS11等で表されるステップを引用して記述す
る。キャリア角周波数がωn1の第nの探触子6nの第1
の送信信号をsn1(t)で表す。この送信信号を送信し
ている送信繰り返し周期において、sn1(t)は次の式
(1)で表される。 ここで、tは時間、φn1は固定位相、Tn01 はキャリア
角周波数がωn1のバースト信号の継続時間である。ここ
では、簡単のため、振幅は1としている。このようにし
ても以下の説明は一般性は失わない。図2(a)では、
位相φn1を零として図示しているが、位相φn1は、制御
部3からの信号で制御し、所要の値に設定する。位相φ
n1は一般的には零でなくてもよい。これは図4のS11
に対応する。
ち、対象とするエコーを第nの探触子6nの第1の送信
信号に対応するエコーのみに限定しているので、このエ
コー信号をrn1(t)で表すと、rn1(t)は次の式
(2)のようになる。 rn1(t)=An (ωn1) ×sin(ωn1t+φn1−2Ln ωn1/V)、 τn ≦t≦τn +Tn01 、 =0、 0≦t<τn 及びt>τn +Tn01 (2) ここで、An (ωn1)は振幅である。Ln は探触子6n
から物体8までの超音波パルスの片道の伝搬距離を表
し、Vは超音波伝搬媒体中の音速である。以下、受信エ
コーrn1(t)を第nの探触子6nの第1のエコーと呼
ぶ。これは図4のS12に対応する。
して以下の演算を行う。信号処理部11では、次の式
(3.a)及び(3.b)で表される2種類の参照信号
un1s (t)及びun1c (t)を発生させる。 un1s (t)=sin(ωn1t+ψn1)(3.a) un1c (t)=cos(ωn1t+ψn1)(3.b) ここで、ψn1は固定位相である。位相ψn1は制御部3か
らの信号で制御し、所要の値に設定する。以下、参照信
号un1s (t)及びun1c (t)を、それぞれ、第nの
探触子6nの第1のエコーの第1の参照信号、及び、第
nの探触子6nの第1のエコーの第2の参照信号と呼
ぶ。
第1のエコーrn1(t)と、第nの探触子6nの第1の
エコーの第1の参照信号un1s (t)とを乗算する。こ
れは図4のS13に対応する。更に、この乗算により得
られた信号において、角周波数2ωn1の近傍の成分をフ
ィルタでカットする。これによって得られた信号を、g
n1(t)で表すと、τ n ≦t≦τn +Tn01 において、 gn1(t)=[An (ωn1)/2] ×cos(φn1−2Ln ωn1/V−ψn1) (4) となる。0≦t<τn 、及び、t>τn +Tn01 におい
ては、上記フィルタの出力は次のように零である。 gn1(t)=0(0≦t<τn 、及び、t>τn +T
n01 )
コーrn1(t)と、第nの探触子6nの第1のエコーの
第2の参照信号un1c (t)とを乗算し、角周波数2ω
n1の近傍の成分をフィルタでカットする。これによって
得られる信号をhn1(t)で表す。hn1(t)は、τn
≦t≦τn +Tn01 において、 hn1(t)=[An (ωn1)/2] ×sin(φn1−2Ln ωn1/V−ψn1) (5) となる。また、0≦t<τn ,t>τn1+Tn01 では上
記式(5)は零である。hn1(t)=0(0≦t<
τn 、及び、t>τn +Tn01 )で、これは図4のS1
4に対応する。
より、第nの探触子6nの第1のエコーの包絡線、及
び、位相を求める演算を行う。包絡線は、次の演算で求
められる。まず、gn1(t)を2乗し、hn1(t)も2
乗し、これらの2つの2乗した結果を加算し、さらに、
この加算結果を4倍する。その後、以上の演算で得られ
た結果を、2分の1乗する演算を行う。これによって、
τn ≦t≦τn +Tn01において、An (ωn1)の値を
もち、0≦t<τn 及び、t>τn +Tn01 において、
零の値をもつ包絡線が得られる。
それぞれ、gn1(t)及びhn1(t)から得られている
ので、簡単な三角関数演算によって求められる。得られ
た位相をθn1とすると、 θn1=−2Ln ωn1/V+φn1−ψn1+2απ (6) となる。ここで、αは整数である。これらは図4のS1
5に対応する。
下の手続きで候補である距離Lと包絡線を導出する。キ
ャリア角周波数ωn2である第nの探触子6nの第2の送
信信号を送信した送信繰り返し周期において、第nの探
触子6nで受信されるエコーのうち、対象とするエコー
を、上述したように、第nの探触子6nの第2の送信信
号に対応するエコーのみに限定して考えてみる。このエ
コー信号をrn2(t)で表す。これは図4のS22に対
応する。このエコー信号rn2(t)を、同様に信号処理
部11で処理する。時間原点を送信繰り返し周期Trだ
けずらして考えても一般性を失わないので、時間原点
は、第nの探触子6nの第2の送信信号の発生時間とす
る。第nの探触子6nの第2の送信信号をsn2(t)、
固定位相をφn2とする。エコーrn2(t)を第nの探触
子6nの第2のエコーと呼ぶ。送信信号sn2(t)及び
エコーrn2(t)は、それぞれ、式(1)及び式(2)
の右辺において、ωn1をωn2で、φn1をφn2で、Tn0 1
をTn02 で置き換えた式で与えられる。
(3.b)の右辺において、それぞれ、ωn1をωn2で置
き換えるともに、固定位相ψn1を固定位相ψn2で置き換
えて得られる2種類の参照信号を発生する。これらの参
照信号をそれぞれ、un2s (t)、及び、un2c (t)
とする。これらの参照信号un2s (t)、及び、un2 c
(t)を、それぞれ、第nの探触子6nの第2のエコー
の第1の参照信号、及び、第nの探触子6nの第2のエ
コーの第2の参照信号と呼ぶ。
第2のエコーrn2(t)と、第nの探触子6nの第2の
エコーの第1の参照信号un2s (t)とを乗算し、一
方、第nの探触子6nの第2のエコーrn2(t)と、第
nの探触子6nの第2のエコーの第2の参照信号un2c
(t)とを乗算し、これらは図4のS23に対応する
が、更にそれぞれ、角周波数2ωn2近傍成分をカットす
るフィルタを通す演算を行う。これらの演算によって、
0≦t<τn 、及び、t>τn +Tn02 の時間範囲で
は、零の値をとり、τn ≦t≦τn +Tn02 の時間範囲
では、式(4)及び式(5)の右辺において、ωn1をω
n2、φn1をφn2、ψn1をψn2で置き換えた式で与えられ
る信号が得られる。これらの信号をそれぞれ、g
n2(t)およびhn2(t)とする。これは図4のS24
に対応する。
より、第nの探触子6nの第2のエコーの包絡線、及
び、位相を求める演算を、上述した第nの探触子6nの
第1のエコーの場合と同様の信号処理演算によって行
う。これは図4のS25に対応する。これによって、τ
n ≦t≦τn +Tn02 において、An (ωn2)の値をも
ち、0≦t<τn 、及び、t>τn +Tn02 において、
零の値をもつ包絡線が得られる。一方、得られた位相を
θn2で表すと、位相θn2は、次の式(7)のようにな
る。 θn2=−2Ln ωn2/V+φn2−ψn2+2βπ (7) ここで、βは整数である。
示しており、n=1の説明図である。太線は第1の角周
波数、点線は第2の角周波数のエコーに基づく直線であ
り、黒丸印、白丸印が求める距離候補である。さて、式
(6)および式(7)において、固定位相φn1、ψn1、
φn2、および、ψn2は、あらかじめわかっている。しか
し、整数αおよびβが、不明である。αあるいはβがわ
かれば、ωn1及びωn2は既知であるから、音速Vがあら
かじめわかっていれば、測定した位相θn1あるいはθn2
から、式(6)あるいは式(7)を使って距離Ln を求
めることが可能である。
(6)あるいは式(7)を使って距離Ln を求める信号
処理手順は、上記の特願平7−38392号に詳細に記
述されているので、ここでは省略するが、要するに、位
相θn1およびθn2の情報と、第nの探触子6nの第1あ
るいは第2のエコーのどちらかの振幅、あるいは、上述
の信号処理手順にしたがって求めた包絡線の情報に基づ
いて求めている。図5は黒丸印と白丸印が長期的に一致
する点のみ(周期的に現れる)を表していて、このどれ
かが真の求める距離であり、それは他の領域範囲の推定
を併用している。これは図2のS6、S7に対応する。
また図6はこのことを説明する図である。別の表現をす
れば次のようになる。第nの探触子6nの第1のエコー
rn1(t)及び第2のエコーrn2(t)にそれぞれ基づ
き、より具体的に言えば、位相θn1あるいはθn2に基づ
き、周波数fn1および周波数fn2にそれぞれ関する検出
対象に関する物理量である距離の候補が、上記信号処理
手順にしたがってそれぞれまず導出され、次に、周波数
fn1による候補および周波数fn2による候補に基づき、
2つの周波数fn1および周波数fn2の組み合わせに関連
した候補である距離Ln が導出される。なお、信号処理
部11が行う動作として、図7のフローを行うようにし
てもよい。
信されたエコーの中で、第nの探触子6nの第1の送信
信号を送信した送信繰り返し周期においては、この送信
信号に対応するエコーのみを対象にし、同様に、第nの
探触子6nの第2の送信信号を送信した送信繰り返し周
期においては、この送信信号に対応するエコーのみを対
象にして説明してきた。しかし、探触子61〜6Nの配
列間隔が小さい場合や、物体8の表面の凹凸形状が空間
的に激しく変化するような場合には、第1〜第Nの探触
子61〜6Nの第1の送信信号は同時に送信されている
ので、図8に矢印を付した線で示す超音波パルスの伝搬
経路のように、第nの探触子6nの第1の送信信号によ
って第nの探触子6nから送信された超音波パルスは、
隣接した第(n−1)の探触子6(n−1)や、第(n
+1)の探触子6(n+1)で受信されることがある。
一般に、mを、1からNまでのnとは異なる整数とし
て、第nの探触子6nの第1の送信信号によって第nの
探触子6nから送信された超音波パルスは、第mの探触
子6mでも受信されることがある。
たエコーは、妨害エコーに相当する。このような妨害エ
コーは、この発明を厚さ計測に適用した場合などにおい
て、例えば図9に示すように、超音波伝搬媒体が固体で
あればその側面などで多重反射してかなり遅れて戻って
くることもあるので、その伝搬経路によっては、送信繰
り返し周期をかなり遅くしたとしても、第1〜第Nの探
触子61〜6Nの第1の送信信号を送信した送信繰り返
し周期の次の周期で受信されることもある。第1〜第N
の探触子61〜6Nの第2の送信信号も同時に送信され
ているので、同様のプロセスにより妨害エコーが発生す
る。この発明に係わる検出方法並びに検出装置は、上述
したような妨害エコーの影響を受けずに距離などの物理
量を検出できる特徴を有してるものであり、次にその様
子を説明する。
とは等しくないものとする。第nの探触子6nで受信し
た第nの探触子6nの第1のエコーに、第mの探触子6
mの第1の送信信号に関係するエコーが重畳したものと
する。この重畳したエコーは妨害エコーであり、そのキ
ャリア角周波数はωm1である。一方、第nの探触子6n
の第1のエコーは、所要のエコーであり、そのキャリア
角周波数はωn1である。
は、上述したように、式(3.a)で与えられる参照信
号ないしは式(3.b)で与えられる参照信号が乗算さ
れる。これらの参照信号の角周波数はωn1である。それ
ぞれの乗算結果において、次に、角周波数2ωn1近傍の
成分がカットされる。言い方を変えれば、ベースバンド
の成分である信号が、信号gn1(t)及び信号h
n1(t)として取り出される。この信号処理過程におい
て、第mの探触子6mの第1の送信信号に関係するエコ
ーも同時に式(3.a)で与えられる参照信号ないしは
式(3.b)で与えられる参照信号が乗算される。乗算
結果として得られる信号は、角周波数が、(ωn1+
ωm1)近傍の成分と、(ωn1−ωm1)近傍の成分とにな
る。しかし、これらの信号は、角周波数ωn1と角周波数
ωm1とは上述したように異なっているので、上記のベー
スバンドの成分である信号gn1(t)及び信号h
n1(t)を取り出すフィルタリングの信号処理過程にお
いてカットされる。したがって、第nの探触子6nによ
って、第mの探触子6mの第1の送信信号に関係するエ
コーも受信はされるが、そのエコーは、フィルタリング
の信号処理過程でカットされ最終結果には影響を与えな
いこととなる。
の探触子6nの第2のエコーに、第mの探触子6mの第
2の送信信号に関係するエコーが重畳したものとする。
この重畳したエコーは妨害エコーであり、そのキャリア
角周波数はωm2である。一方、第nの探触子6nの第2
のエコーは、所要のエコーであり、そのキャリア角周波
数はωn2である。
は、上述した信号処理過程から分かるように、キャリア
角周波数がωn2の2つの参照信号が乗算され、それぞれ
の乗算結果において、角周波数2ωn2近傍の成分がカッ
トされる。言い方を変えれば、ベースバンドの成分であ
る信号が、信号gn2(t)及び信号hn2(t)として取
り出される。この信号処理過程において、第mの探触子
6mの第2の送信信号に関係するエコーにも同時に、キ
ャリア角周波数がωn2の上述と同じ2つの参照信号が乗
算されることになる。乗算結果として得られる信号は、
角周波数が、(ωn2+ωm2)近傍の成分と、(ωn2−ω
m2)近傍の成分とになる。角周波数ωn2とωm2とは異な
っているから、これらの信号は、上記のベースバンドの
成分である信号gn2(t)及び信号hn2(t)を取り出
すフィルタリングの信号処理過程においてカットされ
る。したがって、第nの探触子6nによって、第mの探
触子6mの第2の送信信号に関係するエコーも受信はさ
れるが、そのエコーは、フィルタリングの信号処理過程
でカットされ最終結果には影響を与えないこととなる。
た第nの探触子6nの第1のエコーに、第mの探触子6
mの第1の送信信号に関係するエコーが重畳しても、こ
の妨害エコーは、最終結果には影響を及ばさないし、ま
た、第nの探触子6nで受信した第nの探触子6nの第
2のエコーに、第mの探触子6mの第2の送信信号に関
係するエコーが重畳しても、この妨害エコーは、最終結
果には影響を及ばさない。さらに、同様に、第nの探触
子6nで受信した第nの探触子6nの第1のエコーに、
第mの探触子6mの第2の送信信号に関係するエコーが
重畳しても、この妨害エコーは、最終結果には影響を及
ばさないし、また、第nの探触子6nで受信した第nの
探触子6nの第2のエコーに、第mの探触子6mの第1
の送信信号に関係するエコーが重畳しても、この妨害エ
コーは、最終結果には影響を及ばさない。なぜなら、所
要のエコーのキャリア角周波数と、妨害エコーのキャリ
ア角周波数とが、これらの場合にも異なるからである。
さらに一般化して言えば、参照信号のキャリア角周波数
と異なるキャリア角周波数を有する妨害エコーは最終結
果には影響を及ぼさない。したがって、第nの探触子6
nで受信した第nの探触子6nの第1のエコーに、同じ
第nの探触子6nの第2の送信信号に関係するエコーが
重畳した場合においても、また、第nの探触子6nで受
信した第nの探触子6nの第2のエコーに、同じ第nの
探触子6nの第1の送信信号に関係するエコーが重畳し
た場合においても、これらの妨害エコーは、最終結果に
は影響を及ばさない。
おいては、1つの探触子での複数周波数による演算を特
徴とする装置での効果はそのまま得られることに加え
て、第1から第Nの探触子61〜6Nを近接して配置し
た場合や、物体8の表面の凹凸形状が空間的に激しく変
化するような場合などにおいて、各探触子61〜6Nで
受信される所要のエコーに、妨害エコーが重畳しても、
これらの妨害エコーの影響を受けずに計測できる利点が
ある。また、上述の説明から分かるように、第1から第
Nの探触子61〜6Nの第1の送信信号は同じ送信繰り
返し周期内で同時に発生され、第1から第Nの探触子6
1〜6Nの第2の送信信号は、次の送信繰り返し周期内
で同時に発生されているので、最低2回の送信繰り返し
のみで結果が得られる。さらに、各探触子61〜6Nで
受信されたエコーは同時に並行して信号処理できる。し
たがって、この信号処理スピードを速くすれば、最低、
送信繰り返し周期の2倍の時間内に結果を得ることが可
能である。
割り当てるキャリア角周波数の選択についてもう少し詳
細に説明する。実施の形態1で述べたように、第nの探
触子6nの第1のエコーは、第nの探触子6nの第1の
エコーの第1及び第2の参照信号と乗算され、その結果
として得られる信号からフィルタリング処理によって、
ベースバンドの成分が取り出される。同様に、第nの探
触子6nの第2のエコーは、第nの探触子6nの第2の
エコーの第1及び第2の参照信号と乗算され、その結果
として得られる信号からフィルタリング処理によって、
ベースバンドの成分が取り出される。
エコーは有限なパルス幅を有している信号であるから、
上記のベースバンドの成分は直流成分のみでなく、直流
近傍に周波数が広がったスペクトルを有する。したがっ
て、このスペクトルの主成分が通過するようにフィルタ
リング処理を施すことになる。このとき、上述した妨害
エコーと、第nの探触子6nの第1のエコーの第1及び
第2の参照信号との乗算結果、及び、上述した妨害エコ
ーと、第nの探触子6nの第2のエコーの第1及び第2
の参照信号との乗算結果において、(ωn1−ωm1)近傍
の成分や、(ωn2−ωm2)近傍の成分が、上記フィルタ
リング処理で十分取り除けるように、角周波数ωn1、ω
m1、ωn2、ωm2を選択する必要がある。具体的には、
(ωn1−ωm1)を中心としたスペクトルや、(ωn2−ω
m2)を中心としたスペクトルにおいて、ピークから3d
Bダウンした周波数が、上述したフィルタリング処理で
用いるフィルタのカットオフ周波数よりも高い周波数に
来るように、角周波数ωn1、ωm1、ωn2、ωm2を選択す
れば良い。なお、3dBよりも無論6dBダウンした周
波数、さらに12dBダウンした周波数が上記カットオ
フ周波数よりも高い周波数に来るように、角周波数
ωn1、ωm1、ωn2、ωm2を選択できればそれに越したこ
とはなく、より精度の高い計測が行える。以上述べたよ
うに、各探触子61〜6Nに割り当てる角周波数は、妨
害エコーが参照信号と乗算された結果として得られる低
周波数側の成分が、所要のベースバンド近傍の成分に殆
ど影響を及ぼさないような互いの関係となるように選択
する必要がある。
説明したが、この発明は、先の1つの探触子での複数周
波数による演算を特徴とする装置での効果に更に加え
て、複数の探触子による同時測定が互いに干渉を防いで
精度よく行える効果がある。特に、距離の計測のみでな
く音速や物体そのものの有無の検出に適用することも当
然可能である。
複数点で計測することに関連する事項を説明する。即
ち、実施の形態1では、各探触子は送信と受信を兼ねる
送受信探触子としたが、図10に示すように各種の構成
が可能であり、それぞれに特徴がある。まず、図1の基
本構成での送受信兼用の探触子の構成によると、実は図
2のイ及びロの点線表示の受信回路への送信信号の回り
込みが発生するのに対して、図10(a)のように送信
端と受信端とで探触子を分ければ、つまり探触子をペア
にして用いると探触子の数は倍になるが、この受信回路
への送信信号の直接の回り込み、電気的な漏れが防げ
て、送信信号の継続時間に対応するデッド時間がなくな
る。図10(b)のように探触子を第1と第2の周波数
対応で分離してそれぞれ専用にすると、各探触子は対応
する周波数で所定の性能を持てばよく、1つの探触子で
第1と第2の両方の周波数をカバーする図1の構成と比
較すると、簡単で安価な素子を利用できる。また大出力
の素子が利用できる。また、図10(c)のように探触
子を少なくとも送信側では第1の周波数用と第2の周波
数用に分離してそれぞれ専用にすると、これら2つの送
信は同時に送信することができ、つまり1回の送信繰り
返しのみでよく、図1の基本構成に比較して検出時間の
短縮ができる。また更に、図10(d)に示すようにn
点での探触子を送信端についても受信端についても第1
と第2の周波数用に専用化すると、構成探触子の数は図
1の構成の4倍になるが、最も送受信の相互干渉がな
く、大出力が得られて、また検出時間が短くてすむ。
触子を複数個用いる場合について説明したが、これらの
複数の探触子は、一体化して1つのケースに納入してな
る1つの探触子としても構わない。また、探触子は振動
子であってもよく、さらに、これらの複数の振動子を一
体化して1つのケースに納入した1つの探触子を使って
も構わない。
送信端に対する同時送信手段と、対応受信手段と、第1
の候補導出手段と第2の候補導出手段と、第3の導出手
段を備えたので、検出対象に関する物理量を妨害エコー
の影響を受けることなく同時に複数の物理量を、精度よ
く検出できる効果がある。
構成図である。
動作を説明するための波形図である。
説明するための波形図である。
ート図である。
チャート図である。
波パルスの伝搬経路を示す図である。
波パルスの伝搬経路を示す図である。
形図である。
形図である。
制御部、4 水平掃引部、5 表示部、6,61〜6N
探触子、7 試験体、8 物体、9 送信部、10
受信部、11 信号処理部。
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも相隣り合う受信端では異なる
周波数で、かつ各送信端対応でも異なる第1と第2の周
波数のバースト信号を用意し、N個(Nは2以上の自然
数)の上記送信端から検出対象に上記バースト信号を送
信する送信手段と、 上記検出対象からの上記第1と第2の周波数の送信バー
スト信号による反射信号を上記対応するN個の受信端で
受信する受信手段と、 上記第1の周波数対応の受信信号と第1群の参照信号に
基づいて第1の所定の演算をして、上記検出対象に関す
る上記1ないしN対応の物理量の第1の候補を得る第1
の候補導出手段と、 上記第2の周波数対応の受信信号と第2群の参照信号に
基づいて第1の所定の演算をして、上記検出対象に関す
る上記1ないしN対応の物理量の第2の候補を得る第2
の候補導出手段と、 上記第1の候補導出手段出力と、上記第2の候補導出手
段出力とを用いて第2の所定の演算を行って上記1ない
しN対応の物理量を定める第3の導出手段を備えた検出
装置。 - 【請求項2】 N個の送信端での周波数を、全て異なる
周波数としたことを特徴とする請求項1記載の検出装
置。 - 【請求項3】 第1の所定の演算は、反射信号の位相と
包絡線を求める演算とすることを特徴とする請求項1記
載の検出装置。 - 【請求項4】 第2の所定の演算は、所定の範囲の候補
から第1の所定の演算で2つの位相によって一致する候
補を求める演算とすることを特徴とする請求項3記載の
検出装置。 - 【請求項5】 N個の送信端は、対応する受信端を兼ね
ることを特徴とする請求項1記載の検出装置。 - 【請求項6】 N個の送信端は、第1と第2の周波数用
に分離して2N個として第1と第2の周波数対応で送信
することを特徴とする請求項1記載の検出装置。 - 【請求項7】 N個の送信端は、受信を兼ねて送受信端
とし、必要があれば第1と第2の周波数用に分離して最
大2N個とし、各々第1の周波数対応のN個での送受信
と、第2の周波数対応のN個での送受信を行うことを特
徴とする請求項6記載の検出装置。 - 【請求項8】 N個の受信端は、第1と第2の周波数用
に分離して2N個として第1と第2の周波数対応で受信
することを特徴とする請求項6記載の検出装置。 - 【請求項9】 N個の送信端と、N個の受信端は分離し
て別の探触子とすることを特徴とする請求項1記載の検
出装置。 - 【請求項10】 N個(Nは2以上の自然数)の送信端
となる探触子と、少なくとも各上記送信端対応でも異な
る第1と第2の周波数のバースト信号を生成し供給する
送信手段と、受信手段と、受信信号処理手段を備え、 N個の上記各送信端から検出対象に上記バースト信号を
送信する送信ステップと、 上記検出対象からの上記第1と第2の周波数の送信バー
スト信号による反射信号を対応するN個の受信端で受信
する受信ステップと、 上記第1の周波数対応の受信信号と第1群の参照信号に
基づいて第1の所定の演算をして、上記検出対象に関す
る上記1ないしN対応の物理量の第1の候補を得る第1
の候補導出ステップと、 上記第2の周波数対応の受信信号と第2群の参照信号に
基づいて第1の所定の演算をして、上記検出対象に関す
る上記1ないしN対応の物理量の第2の候補を得る第2
の候補導出ステップと、 上記第1の候補導出ステップの結果と、上記第2の候補
導出ステップの結果とを用いて第2の所定の演算を行っ
て上記1ないしN対応の物理量を定める第3の導出ステ
ップとを備えた検出方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11781796A JP3431756B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | 検出装置及び検出方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09304362A true JPH09304362A (ja) | 1997-11-28 |
JP3431756B2 JP3431756B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=14721000
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP3431756B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003092799A (ja) * | 2001-09-18 | 2003-03-28 | Sony Corp | 音響処理装置 |
KR20110040837A (ko) * | 2008-07-18 | 2011-04-20 | 고쿠리츠다이가쿠호진 도호쿠다이가쿠 | 구조물 결함의 영상화 방법, 구조물 결함의 영상화 장치, 기포나 병변부의 영상화 방법 및 기포나 병변부의 영상화 장치 |
JP2019105590A (ja) * | 2017-12-14 | 2019-06-27 | 日本製鉄株式会社 | 測定装置、測定方法、測定システム及びプログラム |
-
1996
- 1996-05-13 JP JP11781796A patent/JP3431756B2/ja not_active Expired - Lifetime
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