JPH09294A - 光学活性なフェナンスレン誘導体の分離方法 - Google Patents

光学活性なフェナンスレン誘導体の分離方法

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JPH09294A
JPH09294A JP15482695A JP15482695A JPH09294A JP H09294 A JPH09294 A JP H09294A JP 15482695 A JP15482695 A JP 15482695A JP 15482695 A JP15482695 A JP 15482695A JP H09294 A JPH09294 A JP H09294A
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optically active
phenanthrene derivative
enzyme
group
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JP15482695A
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Kozo Shishido
宏造 宍戸
Kiyoto Goto
清人 後藤
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、一般式 【化1】 〔式中Rは低級アルキル基を示す。〕で表わされる光学
活性なフェナンスレン誘導体とその光学的対掌体とのラ
セミ混合物に、立体選択的アルカノイル化活性を有する
酵素の存在下に一般式 【化2】 〔式中R1は低級アルカノイル基を、R2は水素原子、低
級アルキル基又は低級アルケニル基を示す。〕で表わさ
れる化合物を反応させて、上記光学的対掌体をその2位
水酸基がアルカノイル化された化合物に変換し、該化合
物と上記光学活性なフェナンスレン誘導体とを分離する
ことを特徴とする光学活性なフェナンスレン誘導体の分
離方法を提供する。 【効果】本発明方法によれば、光学活性なフェナンスレ
ン誘導体を、高光学純度且つ高収率で容易に、分離収得
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性なフェナンスレ
ン誘導体の分離方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】本発明者らの先に開発したIL
−1阻害剤有効成分化合物の合成中間体として有用な一
連のフェナンスレン誘導体〔特開平6−1746号公報
参照〕中には、光学活性体の形態をとることができる化
合物、例えば化合物(チ)が存在しており、この光学活
性体が最終有効成分化合物の製造に重要なものであっ
た。
【0003】しかして、上記公報には、その参考例21
に上記光学活性体形態の化合物(チ)の製法も示されて
はいるが、その方法は、以下の如き欠点を有しており、
上記光学活性体の製法としては、改善されるべき余地が
あった。
【0004】(1)収率が芳しくない。
【0005】(2)光学活性シンコジン誘導体を利用し
た反応工程を必須要件としており、これが、試薬、操
作、工程等の面で、収率、経済性等に悪影響を及ぼす。
【0006】(3)光学純度を上げるためには、上記反
応を低温で行なう必要があり、該温度制御のための余分
な操作、装置等が必要となる不利がある。
【0007】従って、本発明の目的は、上記光学活性体
をより有利に、製造、分離可能な新しい方法を提供する
ことにある。
【0008】本発明者らは、上記目的より鋭意研究を重
ねた結果、特定の酵素を利用したエステル形成反応によ
れば、該酵素の基質特異性によって、ラセミ体混合物中
の光学的対掌体(鏡像体)のみが反応し、得られる鏡像
体のエステルと、所望の光学活性体とが、容易に分離で
きるという新しい事実を発見した。本発明は、この新し
い知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
一般式
【0010】
【化3】
【0011】〔式中Rは低級アルキル基を示す。〕で表
わされる光学活性なフェナンスレン誘導体とその光学的
対掌体とのラセミ混合物に、立体選択的アルカノイル化
活性を有する酵素の存在下に一般式
【0012】
【化4】
【0013】〔式中R1は低級アルカノイル基を、Rは
水素原子、低級アルキル基又は低級アルケニル基を示
す。〕で表わされる化合物を反応させて、上記光学的対
掌体をその2位水酸基がアルカノイル化された化合物に
変換し、該化合物と上記光学活性なフェナンスレン誘導
体とを分離することを特徴とする光学活性なフェナンス
レン誘導体の分離方法が提供される。
【0014】本発明方法によれば、簡単な操作で容易に
所望の光学活性なフェナンスレン誘導体を、高い光学純
度で且つ高収率で分離収得することができ、かくして得
られる光学活性体からは、IL−1阻害剤有効成分化合
物である光学活性なフェナンスレン誘導体を容易に製造
することができる。
【0015】以下、本発明方法につき詳述すれば、本発
明方法において、出発原料として用いられる一般式
(1)で表わされるフェナンスレン誘導体のラセミ混合
物は、本発明者らが先に開発した前述の特許公開公報に
記載の方法(参考例17及び参考例21で得られる化合
物(チ))又はこれに準じて得られる下記化合物(3)
(4a位が不斉中心)を還元することにより得られる。
【0016】
【化5】
【0017】上記還元反応は、通常の方法に従って実施
することができる。例えば代表的には、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、メ
タノール、エタノール等のアルコール類等の適当な不活
性溶媒中で、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニ
ウムリチウム等の適当な還元剤を、ハイドライドとし
て、原料化合物に対して等モル量以上用いて、0〜50
℃程度の温度条件下に、約10分〜5時間程度を要して
実施できる。尚、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム
を用いる場合は、必要に応じて塩化セリウム等を反応系
内に存在させることもできる。
【0018】かくして、フェナンスレン骨格の2位と4
a位の絶対配置が共にSである光学活性体(2位水酸基
と4a位メチル基とが共にベータである前記化合物
(1))と、その鏡像体とのラセミ混合物を得ることが
できる。
【0019】本発明方法によれば、上記のごとくして得
られるラセミ混合物を出発原料として、立体選択的アル
カノイル化活性を有する酵素を用いて、これに上記一般
式(2)で表わされる化合物を反応させる。ここで用い
られる立体選択的アルカノイル化活性を有する酵素とし
ては、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC.3.
1.1.3)、リポプロテインリパーゼ(EC.3.
1.1.34)、カルボキシエステラーゼ(EC.3.
1.1.1)等を利用することができ、中でもトリアシ
ルグリセロールリパーゼ(EC.3.1.1.3)は好
ましい。これら酵素は各種微生物、動物及び植物起源の
もののいずれでもよく、種々市販されている。本発明で
はこれら市販品をいずれも使用することができ、また固
定化酵素の形態であってもよい。上記市販品の具体例と
しては、例えばノボザイム435(ノボ社製)、リポプ
ロテインリパーゼ(協和メデックス社製)、リパーゼP
アマノ(天野社製)、ポリシンパンクレアチックリパー
ゼ(シグマ社製)、ビッグリパーエステラーゼ(シグマ
社製)、ニューラーゼFアマノ(天野社製)、リパーゼ
AP−4アマノ(天野社製)、リパーゼMAP−10
(天野社製)等を例示できる。
【0020】しかして、従来、かかる酵素が本発明に係
わる如きフェナンスレン誘導体のエステル化反応に利用
された例は皆無であり、勿論、かかるエステル化反応
が、特定の光学的体掌体の一方にのみ起こるという事実
は、本発明者らが初めて発見した新規な事実である。
【0021】上記特定酵素を用いたエステル形成反応
は、適当な溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
(THF)、1,4−ジオキサン等のエーテル類、クロ
ロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類、
アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)等
の不活性溶媒中やこれらと水との混合溶媒中で実施でき
る。用いられる化合物(2)は、低級アルコール(炭素
数1〜6)のカルボン酸(炭素数2〜7)エステルであ
り、これを構成する低級アルコール成分としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペン
チルアルコール、ヘキシルアルコール、ビニルアルコー
ル、イソプロペニルアルコール等を、カルボン酸成分と
しては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸等をそれぞれ例示でき、上記の内では特
に酢酸ビニルが好適である。
【0022】上記反応における基質(化合物(1))、
酵素及び化合物(2)の使用濃度及び割合は、それらの
種類等に応じて適宜決定でき特に限定されるものではな
いが、通常 基質は0.1〜50w/w%、好ましくは
0.5〜25w/w%の濃度範囲で用いられるのがよ
く、化合物(2)(エステル)は、0.1〜50w/w
%、好ましくは0.5〜25w/w%の濃度とするのが
よく、また酵素は基質1Gに対して100〜10000
0PLU、好ましくは1000〜50000PLUとな
る範囲とするのがよい。
【0023】上記反応は、用いる基質等の濃度や、酵素
量等に応じて異なるが、通常0〜60℃程度、好ましく
は20〜40℃の温度条件下に、3〜200時間程度を
要して行ない得る。尚、反応の完了はクロマトグラフィ
ーやNMR等でモニターするのが好ましい。
【0024】上記反応により、一方の光学異性体である
一般式(1)で表わされる光学活性なフェナンスレン誘
導体には、なんらの変化も伴われることなく、該誘導体
の鏡像体のみが選択的にエステル化され、之等は、例え
ばカラムクロマトグラフィー操作等により容易に分離す
ることができる。
【0025】本発明方法により分離された光学活性なフ
ェナンスレン誘導体(1)は、これを常法に従って酸化
反応させることにより、2位がオキソ基である光学活性
なフェナンスレン誘導体(化合物(3)の光学活性体)
に戻すことができる。
【0026】該酸化反応は、例えばジクロロメタン、ア
セトン、メタノール等の適当な不活性溶媒中、ピリジニ
ウムクロロクロメート(PCC)、ピリジニウムジクロ
メート(PDC)、ジョーンズ試薬、無水クロム酸等の
適当な酸化剤を用いて実施できる。酸化剤の使用量は、
通常原料化合物に対して1当量〜少過剰当量程度とする
のがよい。反応は、通常0℃〜室温程度の温度条件下
に、5分〜3時間程度で完結する。
【0027】また、本発明方法により分離された他方の
化合物(化合物(1)の鏡像体)は、これを前述した化
合物(3)の還元操作と同様にして還元することによ
り、2位が水酸基である対応する化合物に変換させるこ
とができ、該化合物からは、上記化合物(1)の酸化反
応と同様の酸化反応によって、化合物(3)の他方の光
学活性体)を得ることができる。
【0028】かくして本発明方法により分離された各光
学活性体は、之等より、前述した特許公報に記載の方法
に従って、IL−1阻害剤有効成分化合物である光学活
性なフェナンスレン誘導体を容易に導くことができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するため、実
施例を挙げる。
【0030】
【実施例1】 〈工程1〉140℃で2時間減圧下に 乾燥した塩化セ
リウム454mgをメタノール10ml中に懸濁させ、
そこに5,8−ジメトキシ−1,4a−ジメチル−7−
(1−メチルエチル)−4,4a,9,10−テトラヒ
ドロ−2(3H)−フェナンスレンのラセミ体1.0g
を0℃で加えた。次にこの混合液中に水素化ホウ素ナト
リウム115mgを加え、室温で40分間撹拌した。
反応終了後、減圧濃縮し、残渣をクロロホルムで抽出し
た。有機層を集めて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液…n−ヘキサン:酢酸エ
チル=9:1)で精製して、2−ヒドロキシ−5,8−
ジメトキシ−1,4a−ジメチル−7−(1−メチルエ
チル)−2,3,4,4a,9,10−ヘキサヒドロフ
ェナンスレンの無色油状物993mgを得た。
【0031】・1H−NMR(δ:ppm) 1.21(3H,d,J=6.8),1.22(3H,
d,J=6.8),1.32−1.49(1H,m),
1.54(3H,s),1.62−1.76(1H,
m),1.79(3H,s),1.96−2.08(2
H,m),2.42(1H,ddd,J=16.4,1
3.7,4.4),2.82(1H,dq,J=12.
7,2.4),2.82(1H,dt,J=13.3,
4.1),3.09(1H,ddd,J=16.4,
4.4,2.0),3.29(1H,sept,J=
6.8),3.65(3H,s),3.80(3H,
s),4.06(1H,dd,J=9.3,8.3),
6.60(1H,s)〔400MHz,CDCl3〕 〈工程2〉上記で得られた化合物120mg、リパーゼ
(ノボ ノルディスク バイオインダストリー株式会
社、商品名:NOVOZYM435;7000PLU/
g)240mg及び酢酸ビニル0.1mlのベンゼン
(10ml)懸濁液を、室温で80時間撹拌した。 反
応終了後、固形物を濾別し、濾液を濃縮し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付した。そして、n
−ヘキサン溶出画分より(−)−(2R,4aR)−2
−アセトキシ−5,8−ジメトキシ−1,4a−ジメチ
ル−7−(1−メチルエチル)−2,3,4,4a,
9,10−ヘキサヒドロフェナンスレン(化合物A)の
無色粉末55mgを得た。
【0032】続いて、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:
1の混合溶媒溶出画分より(+)−(2S,4aS)−
2−ヒドロキシ−5,8−ジメトキシ−1,4a−ジメ
チル−7−(1−メチルエチル)−2,3,4,4a,
9,10−ヘキサヒドロフェナンスレン(化合物B)の
無色粉末60mgを得た。
【0033】(化合物A) ・融点=118〜119℃ ・〔α〕D=−344°(CHCl3,c=0.03) ・1H−NMR(δ:ppm) 1.21(3H,d,J=7.0),1.23(3H,
d,J=7.0),1.55(3H,s),1.65
(3H,s),1.69−1.89(1H,m),1.
89−2.10(2H,m),2.10(3H,s),
2.12(1H,dd,J=15.7,14.3,4.
6),2.60ー2.95(3H,m),3.07(1
H,ddd,J=15.0,9.3,2.1),3.2
1(1H,sept,J=7.0),3.65(3H,
s),3.79(3H,s),5.3(1H,t,J=
8.6),6.60(1H,s)〔200MHz,CD
Cl3〕 (化合物B) ・融点=136〜138℃ ・〔α〕D=+226°(CHCl3,c=0.17) ・1H−NMR(δ:ppm) 1.21(3H,d,J=6.8),1.22(3H,
d,J=6.8),1.54(3H,s),1.54−
1.74(1H,m),1.79(3H,s),1.9
1−2.09(3H,m),2.26−2.54(1
H,m),2.57ー2.91(3H,m),3.07
(1H,ddd,J=17.1,4.6,2.1),
3.29(1H,sept,J=6.8),3.65
(3H,s),3.79(3H,s),4.05ー4.
14(1H,m),6.60(1H,s)〔200MH
z,CDCl3〕 〈工程3〉ピリジニウムクロロクロメート60mgのジ
クロロメタン2ml溶液中に、上記で得られた化合物B
18mgのジクロロメタン3ml溶液を室温で加え、室
温で20分間撹拌した。反応液にジエチルエーテル5m
l及び無水硫酸マグネシウム1gを加え、室温で10分
間撹拌した後、固形物を濾別し、濾液を濃縮した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液…n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、
(+)−(4aS)−5,8−ジメトキシ−1,4a−
ジメチル−7−(1−メチルエチル)−4,4a,9,
10−テトラヒドロー2(3H)−フェナンスレンの無
色粉末18mgを得た。
【0034】・融点=180〜181℃ ・〔α〕D=+244°(CHCl3,c=0.06) ・1H−NMR(δ:ppm) 1.22(3H,d,J=7.0),1.24(3H,
d,J=7.0),1.65(3H,s),1.76−
1.88(1H,m),1.87(3H,s),2.2
0−2.29(1H,m),2.41−2.53(2
H,m),2.67(1H,ddd,J=18.1,1
4.7,5.1),2.95(1H,ddd,J=1
2.5,3.5,3.5),3.03(1H,sep
t,J=7.0),3.25−3.36(2H,m),
3.65(3H,s),3.82(3H,s),6.6
5(1H,s)〔400MHz,CDCl3〕 また、得られる化合物の光学純度は、シフト試薬として
Eu(hfc)3(トリス〔3−(ヘプタフルオロ−1
−ヒドロキシブチリデン)−(+)−カンファラト〕ユ
ーロピウム)を用いて重ベンゼン中の1H−NMRスペ
クトルを測定して、5位のメトキシ基のプロトンのシグ
ナルより、93%eeと判明した。
【0035】
【実施例2】 〈工程1〉水素化リチウムアルミニウム5.6mgの無
水テトラヒドロフラン5ml懸濁液中に、実施例1の工
程2で得られた化合物Aの55mgの無水テトラヒドロ
フラン2ml溶液を滴下し、0℃で30分間撹拌した。
反応混合液に水を滴下して過剰の水素化アルミニウムリ
チウムを分解した後、セライトパッドを通して濾過し、
濾液を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮した。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液…
n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製して、
(−)−(2R,4aR)−2−ヒドロキシ−5,8−
ジメトキシ−1,4a−ジメチル−7−(1−メチルエ
チル)−2,3,4,4a,9,10−ヘキサヒドロフ
ェナンスレンの無色粉末50mgを得た。
【0036】・融点=151〜152℃ ・〔α〕D=−210°(CHCl3、c=0.24) ・1H−NMR(δ:ppm) 1.21(3H,d,J=6.8),1.22(3H,
d,J=6.8),1.54(3H,s),1.54−
1.74(1H,m),1.79(3H,s),1.9
1−2.09(3H,m),2.26−2.54(1
H,m),2.57−2.91(3H,m),3.07
(1H,ddd,J=17.1,4.6,2.1),
3.29(1H,sept,J=6.8),3.65
(3H,s),3.79(3H,s),4.05ー4.
14(1H,m),6.60(1H,s)〔200MH
z,CDCl3〕 〈工程2〉ピリジニウムジクロロクロメート137mg
のジクロロメタン2ml懸濁液中に、上記工程1で得ら
れた化合物41mgのジクロロメタン3ml溶液を室温
で加え、室温で20分間撹拌した。反応液にジエチルエ
ーテル5ml及び無水硫酸マグネシウム1gを加え、室
温で10分間 撹拌した後、 固形物を濾過し、濾液を
濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶出液…n−ヘキサン:酢酸エチル=9:
1)で精製して、(−)−(4aR)−5,8−ジメト
キシ−1,4a−ジメチル−7−(1−メチルエチル)
−4,4a,9,10−テトラヒドロー2(3H)−フ
ェナンスレンの無色粉末38mgを得た。
【0037】・融点=179〜180℃ ・〔α〕D=−321°(CHCl3,c=0.09) ・1H−NMR(δ:ppm) 1.22(3H,d,J=7.0),1.24(3H,
d,J=7.0),1.65(3H,s),1 76−
1.88(1H,m),1.87(3H,s),2.2
0−2.29(3H,m),2.41−2.53(2
H,m),2.67(1H,ddd,J=18.1,1
4.7,5.1),2.95(1H,ddd,J=1
2.5,3.5,3.5),3.03(1H,sep
t,J=7.0),3.25−3.36(2H,m),
3.65(3H,s),3.82(3H,s),6.6
5(1H,s)〔400MHz,CDCl3〕 また、得られた化合物の光学純度を実施例1と同様にし
て測定したところ、96%eeと判明した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中Rは低級アルキル基を示す。〕で表される光学活
    性なフェナンスレン誘導体とその光学的対掌体とのラセ
    ミ混合物に、立体選択的アルカノイル化活性を有する酵
    素の存在下に一般式 【化2】 〔式中R1は低級アルカノイル基を、R2は水素原子、低
    級アルキル基又は低級アルケニル基を示す。〕で表わさ
    れる化合物を反応させて、上記光学的対掌体をその2位
    水酸基がアルカノイル化された化合物に変換し、該化合
    物と上記光学活性なフェナンスレン誘導体とを分離する
    ことを特徴とする光学活性なフェナンスレン誘導体の分
    離方法。
  2. 【請求項2】 立体選択的アルカノイル化活性を有する
    酵素が、トリアシルグリセロールリパーゼ及びカルボキ
    シエステラーゼから選ばれる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 立体選択的アルカノイル化活性を有する
    酵素が、EC3.1.1.3に属するトリグリセロール
    リパーゼである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 R1がアセチル基及びR2がビニル基であ
    る請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 Rがメチル基である請求項1に記載の方
    法。
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Tsujigami et al. Microbial asymmetric reduction of α-hydroxyketones in the anti-Prelog selectivity
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