JPH09286618A - 四塩化チタンの精製方法 - Google Patents
四塩化チタンの精製方法Info
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- JPH09286618A JPH09286618A JP12791796A JP12791796A JPH09286618A JP H09286618 A JPH09286618 A JP H09286618A JP 12791796 A JP12791796 A JP 12791796A JP 12791796 A JP12791796 A JP 12791796A JP H09286618 A JPH09286618 A JP H09286618A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】チタン含有鉱石を塩素化して得られる粗四塩化
チタンガスを精製する方法であって、非凝縮性ガスを含
有した粗四塩化チタンガスと四塩化チタン液とを洗浄・
精製塔において接触させて該粗四塩化チタンガスを不純
物の少ない四塩化チタンとし、次いで冷却凝縮して四塩
化チタン液とした後、セラミックフィルターで濾過して
四塩化チタンを精製する。 【効果】固体微粒子を含有し、非凝縮性ガスを多量に同
伴する、四塩化チタンガスから固体微粒子を洗浄・分離
し、さらに該ガスを精製するという、二つの操作を一体
化した棚段塔を用いて、不純物の少ない四塩化チタンを
得、さらにセラミックフィルターを用いて固体微粒子を
完全除去し、顔料級酸化チタンを製造するのに適した四
塩化チタンをエネルギーのかかる蒸留操作を行うことな
しに容易に製造することが可能になった。
チタンガスを精製する方法であって、非凝縮性ガスを含
有した粗四塩化チタンガスと四塩化チタン液とを洗浄・
精製塔において接触させて該粗四塩化チタンガスを不純
物の少ない四塩化チタンとし、次いで冷却凝縮して四塩
化チタン液とした後、セラミックフィルターで濾過して
四塩化チタンを精製する。 【効果】固体微粒子を含有し、非凝縮性ガスを多量に同
伴する、四塩化チタンガスから固体微粒子を洗浄・分離
し、さらに該ガスを精製するという、二つの操作を一体
化した棚段塔を用いて、不純物の少ない四塩化チタンを
得、さらにセラミックフィルターを用いて固体微粒子を
完全除去し、顔料級酸化チタンを製造するのに適した四
塩化チタンをエネルギーのかかる蒸留操作を行うことな
しに容易に製造することが可能になった。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタン含有鉱石を
塩素化して得られる粗四塩化チタンを高純度の四塩化チ
タンに精製する方法に関する。
塩素化して得られる粗四塩化チタンを高純度の四塩化チ
タンに精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】四塩化チタンは、二酸化チタン顔料や金
属チタンの原料として、また、ジエン、α−オレフィ
ン、エチレンなどの重合触媒として用いられる有用なも
のであり、一般にチタン含有鉱石をコークスなどの還元
剤とともに800〜1100℃の温度で塩素含有ガスを
用いて流動化反応させて製造されている。
属チタンの原料として、また、ジエン、α−オレフィ
ン、エチレンなどの重合触媒として用いられる有用なも
のであり、一般にチタン含有鉱石をコークスなどの還元
剤とともに800〜1100℃の温度で塩素含有ガスを
用いて流動化反応させて製造されている。
【0003】このようにして得られた四塩化チタンガス
には、普通、鉱石中の不純物に由来する種々の塩化物、
細粒化した鉱石、コークス更には一酸化炭素、二酸化炭
素などの非凝縮性ガスが含まれており、このためにこの
ものは粗四塩化チタンと称されている。この粗四塩化チ
タンガスは、例えば、200℃近くに冷却してガス中に
含まれる不純物の塩化物ガスを固体状物として析出さ
せ、他の懸濁固体状不純物と共に固−気分離器で分離、
除去し、その後、四塩化チタンの沸点以下の温度にまで
冷却して四塩化チタンを液化し、一酸化炭素、二酸化炭
素などの副生ガスを分離、除去した後、次いで、該四塩
化チタン液を蒸留して精製するのが普通である。また、
特公昭46-7363 号において洗浄塔中でバナジウム除去
を、特開平5-254837号において洗浄・精製を行い蒸留設
備を省く方法が提案されている。
には、普通、鉱石中の不純物に由来する種々の塩化物、
細粒化した鉱石、コークス更には一酸化炭素、二酸化炭
素などの非凝縮性ガスが含まれており、このためにこの
ものは粗四塩化チタンと称されている。この粗四塩化チ
タンガスは、例えば、200℃近くに冷却してガス中に
含まれる不純物の塩化物ガスを固体状物として析出さ
せ、他の懸濁固体状不純物と共に固−気分離器で分離、
除去し、その後、四塩化チタンの沸点以下の温度にまで
冷却して四塩化チタンを液化し、一酸化炭素、二酸化炭
素などの副生ガスを分離、除去した後、次いで、該四塩
化チタン液を蒸留して精製するのが普通である。また、
特公昭46-7363 号において洗浄塔中でバナジウム除去
を、特開平5-254837号において洗浄・精製を行い蒸留設
備を省く方法が提案されている。
【0004】しかしながら、上記のように蒸留して精製
する方法では、5〜10%の固体微粒子が粗四塩化チタ
ン液中に存在するため、蒸留塔あるいはリボイラー加熱
面にスケールが発生し、これを取り除くための作業がた
びたび発生する。エネルギー的にも、高温の四塩化チタ
ンガスを冷却凝縮させた後、蒸留のため再加熱するので
得策ではない。また、特公昭46-7363 号や特開平5-2548
37号において提案されている方法では固体微粒子を完全
に取り除くことができず、この精製液を原料として酸化
反応を行った場合、生成した酸化チタンのカラーは白色
顔料として使用するには黄味の強いものとなり実用的で
ない。
する方法では、5〜10%の固体微粒子が粗四塩化チタ
ン液中に存在するため、蒸留塔あるいはリボイラー加熱
面にスケールが発生し、これを取り除くための作業がた
びたび発生する。エネルギー的にも、高温の四塩化チタ
ンガスを冷却凝縮させた後、蒸留のため再加熱するので
得策ではない。また、特公昭46-7363 号や特開平5-2548
37号において提案されている方法では固体微粒子を完全
に取り除くことができず、この精製液を原料として酸化
反応を行った場合、生成した酸化チタンのカラーは白色
顔料として使用するには黄味の強いものとなり実用的で
ない。
【0005】前記四塩化チタンを製造する方法のよう
な、反応により主目的物(凝縮性ガス)の他に非凝縮性
ガスが副反応物として多量に発生する場合、目的成分を
非凝縮性ガスから冷却分離した後、蒸留精製して目的成
分を得るのが一般的方法である。しかしながら、反応ガ
ス中に固体微粒子が混入してくる場合には、固体微粒子
は目的成分と同一の挙動を示すので、目的成分はスラリ
ーとして取扱わなければならない。スラリー系での取扱
いは、蒸留操作においてスケール発生のトラブルを引き
起こす。そこで固体を分離し液体として取扱う必要が生
じてくる。また、反応ガスが高温の場合は、目的成分を
冷却凝縮させるのに多大な冷却熱量を必要とし、その凝
縮液を蒸留精製する場合は、逆に加熱しなければならな
いのでエネルギー損失が大きい。従って、目的成分を冷
却凝縮させずにガスの状態で固体微粒子だけを洗浄分離
し、高温のエネルギーは、精製用還流液の加熱だけに利
用し、残りは目的成分を塔頂からできるだけ多く排出す
るために必要なガス温度維持に利用すると共に、塔頂か
ら精製された目的成分ガスを得ることにより蒸留精製設
備を不要とし、再加熱のためのエネルギーを節約し得る
より経済的な方法が求められている。
な、反応により主目的物(凝縮性ガス)の他に非凝縮性
ガスが副反応物として多量に発生する場合、目的成分を
非凝縮性ガスから冷却分離した後、蒸留精製して目的成
分を得るのが一般的方法である。しかしながら、反応ガ
ス中に固体微粒子が混入してくる場合には、固体微粒子
は目的成分と同一の挙動を示すので、目的成分はスラリ
ーとして取扱わなければならない。スラリー系での取扱
いは、蒸留操作においてスケール発生のトラブルを引き
起こす。そこで固体を分離し液体として取扱う必要が生
じてくる。また、反応ガスが高温の場合は、目的成分を
冷却凝縮させるのに多大な冷却熱量を必要とし、その凝
縮液を蒸留精製する場合は、逆に加熱しなければならな
いのでエネルギー損失が大きい。従って、目的成分を冷
却凝縮させずにガスの状態で固体微粒子だけを洗浄分離
し、高温のエネルギーは、精製用還流液の加熱だけに利
用し、残りは目的成分を塔頂からできるだけ多く排出す
るために必要なガス温度維持に利用すると共に、塔頂か
ら精製された目的成分ガスを得ることにより蒸留精製設
備を不要とし、再加熱のためのエネルギーを節約し得る
より経済的な方法が求められている。
【0006】本発明者等は、従来の蒸留精製の方法に代
わる簡便、かつ、工業的な方法を種々検討した結果、チ
タン含有鉱石を塩素化して得られる非凝縮性ガスを含有
した粗四塩化チタンガスを、洗浄・精製塔の前段洗浄部
で粗四塩化チタン液と接触させ、固体微粒子を洗浄分離
し、後段精製部で比較的きれいな四塩化チタン液と接触
させ精製したものを冷却凝縮させ、次いでセラミックフ
ィルターを用いて濾過することで、固体微粒子を完全に
取り除くことができることを見出し、本発明に到達した
ものである。
わる簡便、かつ、工業的な方法を種々検討した結果、チ
タン含有鉱石を塩素化して得られる非凝縮性ガスを含有
した粗四塩化チタンガスを、洗浄・精製塔の前段洗浄部
で粗四塩化チタン液と接触させ、固体微粒子を洗浄分離
し、後段精製部で比較的きれいな四塩化チタン液と接触
させ精製したものを冷却凝縮させ、次いでセラミックフ
ィルターを用いて濾過することで、固体微粒子を完全に
取り除くことができることを見出し、本発明に到達した
ものである。
【0007】すなわち、本発明は、四塩化チタン液をセ
ラミックフィルターで濾過することを特徴とする四塩化
チタンの精製方法であり、また、前記四塩化チタン液が
チタン含有鉱石を塩素含有ガスを用いて流動層にて反応
させて得られる、高温で一酸化炭素、二酸化炭素などの
非凝縮性ガスを伴いキャリーオーバーしてくる固体微粒
子を含む四塩化チタンガスを、洗浄・精製塔の前段洗浄
部で粗四塩化チタン液と接触させ、固体微粒子を洗浄分
離し、後段精製部で比較的きれいな四塩化チタン液と接
触させ精製したものである四塩化チタンの精製方法であ
る。
ラミックフィルターで濾過することを特徴とする四塩化
チタンの精製方法であり、また、前記四塩化チタン液が
チタン含有鉱石を塩素含有ガスを用いて流動層にて反応
させて得られる、高温で一酸化炭素、二酸化炭素などの
非凝縮性ガスを伴いキャリーオーバーしてくる固体微粒
子を含む四塩化チタンガスを、洗浄・精製塔の前段洗浄
部で粗四塩化チタン液と接触させ、固体微粒子を洗浄分
離し、後段精製部で比較的きれいな四塩化チタン液と接
触させ精製したものである四塩化チタンの精製方法であ
る。
【0008】本発明においては、先ずチタン含有鉱石を
塩素含有ガスで塩素化し、発生した700〜1000℃
の高温の粗四塩化チタンガスを粗四塩化チタン液を噴霧
することにより200℃程度迄急冷する。この粗四塩化
チタンガスには、チタン含有鉱石中に含まれる不純物に
由来する各種の塩化物の他に、一酸化炭素、二酸化炭
素、塩化水素、窒素などのガス状不純物や未反応のチタ
ン含有鉱石、更には還元剤などの固体状不純物が含まれ
ている。前記冷却処理によってガス中に含まれる低温で
固体となる不純物と、塩素化炉からのキャリーオーバー
粒子とを、固気分離器で分離し、その後、冷却されたガ
スを洗浄・精製塔に導入する。
塩素含有ガスで塩素化し、発生した700〜1000℃
の高温の粗四塩化チタンガスを粗四塩化チタン液を噴霧
することにより200℃程度迄急冷する。この粗四塩化
チタンガスには、チタン含有鉱石中に含まれる不純物に
由来する各種の塩化物の他に、一酸化炭素、二酸化炭
素、塩化水素、窒素などのガス状不純物や未反応のチタ
ン含有鉱石、更には還元剤などの固体状不純物が含まれ
ている。前記冷却処理によってガス中に含まれる低温で
固体となる不純物と、塩素化炉からのキャリーオーバー
粒子とを、固気分離器で分離し、その後、冷却されたガ
スを洗浄・精製塔に導入する。
【0009】洗浄・蒸留塔の構造は上下二方式に分かれ
ており、10数段からなる下部の洗浄部は、この塔に入っ
てくるガスに含まれる固体状不純物を、多量の粗四塩化
チタン液を循環し、向流接触させることによって捕捉す
る。そのためその構造は、固体不純物が付着閉塞しない
よう単純なバッフルトレイを用いるのが望ましい。ま
た、数段からなる上部の精製部は、塔頂から排出された
ガスを冷却凝縮した、比較的きれいな四塩化チタン液を
還流させガスを精製する。この上部精製部の構造は、残
存する固体微粒子を、極力捕捉するため、塔内流速を落
としてより効果を上げるよう、洗浄部より塔径を大きく
すると同時に、気液の接触を高めるため、デュアルフロ
ー型トレイあるいはシーブトレイを用いるのが望まし
い。洗浄・精製塔の精製部の塔径は、洗浄部の塔径の
1.2〜1.5倍とするのが望ましい。前記比較的きれ
いな四塩化チタン液の洗浄・精製塔への散布量は、粗四
塩化チタンガスの導入量、粗四塩化チタンガスの温度、
粗四塩化チタンガスに含有する不純物量、洗浄・精製塔
内の圧力、洗浄・精製塔出口温度、精製四塩化チタン液
の温度などにより適宜設定することができる。
ており、10数段からなる下部の洗浄部は、この塔に入っ
てくるガスに含まれる固体状不純物を、多量の粗四塩化
チタン液を循環し、向流接触させることによって捕捉す
る。そのためその構造は、固体不純物が付着閉塞しない
よう単純なバッフルトレイを用いるのが望ましい。ま
た、数段からなる上部の精製部は、塔頂から排出された
ガスを冷却凝縮した、比較的きれいな四塩化チタン液を
還流させガスを精製する。この上部精製部の構造は、残
存する固体微粒子を、極力捕捉するため、塔内流速を落
としてより効果を上げるよう、洗浄部より塔径を大きく
すると同時に、気液の接触を高めるため、デュアルフロ
ー型トレイあるいはシーブトレイを用いるのが望まし
い。洗浄・精製塔の精製部の塔径は、洗浄部の塔径の
1.2〜1.5倍とするのが望ましい。前記比較的きれ
いな四塩化チタン液の洗浄・精製塔への散布量は、粗四
塩化チタンガスの導入量、粗四塩化チタンガスの温度、
粗四塩化チタンガスに含有する不純物量、洗浄・精製塔
内の圧力、洗浄・精製塔出口温度、精製四塩化チタン液
の温度などにより適宜設定することができる。
【0010】更に、この洗浄・精製塔は、ガス中に含ま
れる塩化バナジウム成分を固溶化するため、動物性油、
植物性油、脂肪酸、脂肪アルコール、石けん、潤滑油、
鉱物油、重残油留分、トール油などをボトム液中に添加
し、下部洗浄部で循環させながら反応させ、四塩化チタ
ン液中のバナジウムを除去する。前記バナジウム除去用
物質としては、中でも鉱物油が望ましく、四塩化チタン
1トン当り1.0〜3.0リットルの鉱物油を添加し、
循環液としてガス中に含まれる塩化バナジウム成分と反
応させ、四塩化チタン中からバナジウムを除去する。ま
た、ガス中に含まれる塩化アルミニウム成分について
は、洗浄循環液中に水を添加することにより、水酸化ア
ルミニウムに変化させ、四塩化チタン中から除去する。
水の添加量は、鉱石中のアルミニウムが水酸化アルミニ
ウムに変化するに必要な化学理論量でよい。
れる塩化バナジウム成分を固溶化するため、動物性油、
植物性油、脂肪酸、脂肪アルコール、石けん、潤滑油、
鉱物油、重残油留分、トール油などをボトム液中に添加
し、下部洗浄部で循環させながら反応させ、四塩化チタ
ン液中のバナジウムを除去する。前記バナジウム除去用
物質としては、中でも鉱物油が望ましく、四塩化チタン
1トン当り1.0〜3.0リットルの鉱物油を添加し、
循環液としてガス中に含まれる塩化バナジウム成分と反
応させ、四塩化チタン中からバナジウムを除去する。ま
た、ガス中に含まれる塩化アルミニウム成分について
は、洗浄循環液中に水を添加することにより、水酸化ア
ルミニウムに変化させ、四塩化チタン中から除去する。
水の添加量は、鉱石中のアルミニウムが水酸化アルミニ
ウムに変化するに必要な化学理論量でよい。
【0011】このようにして精製した洗浄・精製塔から
排出される四塩化チタンガスには、一酸化炭素、二酸化
炭素などの非凝縮性ガスが同伴しているので、この後0
〜−30℃の温度に冷却して四塩化チタンガスを凝縮液
化させ、非凝縮性ガスと分離する。このようにして得ら
れた四塩化チタン液は、セラミックフィルターでの濾過
工程に送られるが、その一部は、洗浄・精製塔の上部に
還流液として循環使用される。
排出される四塩化チタンガスには、一酸化炭素、二酸化
炭素などの非凝縮性ガスが同伴しているので、この後0
〜−30℃の温度に冷却して四塩化チタンガスを凝縮液
化させ、非凝縮性ガスと分離する。このようにして得ら
れた四塩化チタン液は、セラミックフィルターでの濾過
工程に送られるが、その一部は、洗浄・精製塔の上部に
還流液として循環使用される。
【0012】濾過工程前の四塩化チタン液は、かなり清
澄なものが得られるが、長時間静置すると鉄分を主体と
した浮遊物が沈降してくる。本発明においては、上記洗
浄・精製塔で処理した四塩化チタンガスを、冷却凝縮さ
せて液化し、該液を細孔径2μm以下、望ましくは0.
1〜2μmのセラミックフィルターを用いて、クロスフ
ロー濾過システムで連続濾過を行なうことによって固体
浮遊物を除去し、清澄なチタン液を得ることができる。
澄なものが得られるが、長時間静置すると鉄分を主体と
した浮遊物が沈降してくる。本発明においては、上記洗
浄・精製塔で処理した四塩化チタンガスを、冷却凝縮さ
せて液化し、該液を細孔径2μm以下、望ましくは0.
1〜2μmのセラミックフィルターを用いて、クロスフ
ロー濾過システムで連続濾過を行なうことによって固体
浮遊物を除去し、清澄なチタン液を得ることができる。
【0013】このようにして得られる精製四塩化チタン
液を原料として高圧気相酸化を行なうと、得られる酸化
チタンは、蒸留設備を利用して得られた四塩化チタンを
原料とした酸化チタンに比べても遜色のないものが得ら
れる。
液を原料として高圧気相酸化を行なうと、得られる酸化
チタンは、蒸留設備を利用して得られた四塩化チタンを
原料とした酸化チタンに比べても遜色のないものが得ら
れる。
【0014】次に、本発明を図面に従って説明する。図
1は、本発明に関する四塩化チタンの洗浄・精製及び濾
過装置の主要部分を示す。チタン含有鉱石と塩素含有ガ
スとの反応ガス100kg/時間が、ダクト中で粗四塩
化チタン冷却スプレー4で約200℃迄急冷される。冷
却されたガスは、サイクロン5で固体微粒子や急冷で固
化した不純物の大部分が取除かれる。サイクロンから出
たガスは、洗浄・精製塔の下部に入り、固体微粒子洗浄
のための循環液3と洗浄部1で向流接触する。洗浄部塔
径は450mmで、50%カットのバッフルトレイが1
5段装備されている。固体微粒子が洗浄されたガスは上
部の拡大された精製部2で、比較的きれいな四塩化チタ
ン液と向流接触する、精製部塔径は650mmでデュア
ルフロートレイ9段が装備されている。この時の塔の操
作としては入口ガス温度160〜250℃の範囲で、3
000kg/時間の洗浄液を循環して、塔出口ガス温度
は118〜124℃であった。精製されたガスは水冷コ
ンデンサー6及びブラインコンデンサー8で冷却され非
凝縮ガスと分離される。凝縮した四塩化チタン液はドラ
ム7に入り一部は還流液として精製部2に戻る。一部は
送液ポンプ10にてセラミックフィルター11に送られ、ク
ロスフロー濾過システムを用いて微量な浮遊固形分が連
続して濾別され、精製された四塩化チタンが得られる。
脱バナジウム用オイル添加はポンプ12にて塔下部に供給
される。又脱アルミニウム用水添加はポンプ13にて循環
液中に供給される。以下に精製した四塩化チタン液の分
析値を示す。
1は、本発明に関する四塩化チタンの洗浄・精製及び濾
過装置の主要部分を示す。チタン含有鉱石と塩素含有ガ
スとの反応ガス100kg/時間が、ダクト中で粗四塩
化チタン冷却スプレー4で約200℃迄急冷される。冷
却されたガスは、サイクロン5で固体微粒子や急冷で固
化した不純物の大部分が取除かれる。サイクロンから出
たガスは、洗浄・精製塔の下部に入り、固体微粒子洗浄
のための循環液3と洗浄部1で向流接触する。洗浄部塔
径は450mmで、50%カットのバッフルトレイが1
5段装備されている。固体微粒子が洗浄されたガスは上
部の拡大された精製部2で、比較的きれいな四塩化チタ
ン液と向流接触する、精製部塔径は650mmでデュア
ルフロートレイ9段が装備されている。この時の塔の操
作としては入口ガス温度160〜250℃の範囲で、3
000kg/時間の洗浄液を循環して、塔出口ガス温度
は118〜124℃であった。精製されたガスは水冷コ
ンデンサー6及びブラインコンデンサー8で冷却され非
凝縮ガスと分離される。凝縮した四塩化チタン液はドラ
ム7に入り一部は還流液として精製部2に戻る。一部は
送液ポンプ10にてセラミックフィルター11に送られ、ク
ロスフロー濾過システムを用いて微量な浮遊固形分が連
続して濾別され、精製された四塩化チタンが得られる。
脱バナジウム用オイル添加はポンプ12にて塔下部に供給
される。又脱アルミニウム用水添加はポンプ13にて循環
液中に供給される。以下に精製した四塩化チタン液の分
析値を示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明は固体微粒子を含有し、非凝縮性
ガスを多量に同伴する、四塩化チタンガスから固体微粒
子を洗浄・分離し、さらに該ガスを精製するという、二
つの操作を一体化した棚段塔を用いて、不純物の少ない
四塩化チタンを得、さらにセラミックフィルターを用い
て固体微粒子を完全除去し、顔料級酸化チタンを製造す
るのに適した四塩化チタンをエネルギーのかかる蒸留操
作を行うことなしに容易に製造することが可能になっ
た。
ガスを多量に同伴する、四塩化チタンガスから固体微粒
子を洗浄・分離し、さらに該ガスを精製するという、二
つの操作を一体化した棚段塔を用いて、不純物の少ない
四塩化チタンを得、さらにセラミックフィルターを用い
て固体微粒子を完全除去し、顔料級酸化チタンを製造す
るのに適した四塩化チタンをエネルギーのかかる蒸留操
作を行うことなしに容易に製造することが可能になっ
た。
【図1】図1は、本発明に関する四塩化チタンの洗浄・
精製及び濾過装置の主要部分を示す概略図である。
精製及び濾過装置の主要部分を示す概略図である。
【符号の説明】 1洗浄分離器 2精製塔 3粗四塩化チタン循環ポンプ 4冷却スプレー 5サイクロン 6水冷コンデンサー 7ドラム 8ブラインコンデンサー 9吸引ブロワー 10フィルター送液ポンプ 11セラミックフィルター 12オイル添加ポンプ 13水添加ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 勝 三重県四日市市石原町1番地 石原産業株 式会社四日市事業所内
Claims (9)
- 【請求項1】四塩化チタン液をセラミックフィルターで
濾過することを特徴とする四塩化チタンの精製方法。 - 【請求項2】セラミックフィルターがクロスフロー濾過
システムであって、細孔径が0.1〜2μm のものであ
る請求項1記載の四塩化チタンの精製方法。 - 【請求項3】四塩化チタン液がチタン含有鉱石を塩素含
有ガスを用いて流動層にて反応させて得られる、高温で
一酸化炭素、二酸化炭素などの非凝縮性ガスを伴いキャ
リーオーバーしてくる固体微粒子を含む四塩化チタンガ
スを、洗浄・精製塔の前段洗浄部で粗四塩化チタン液と
接触させ、固体微粒子を洗浄分離し、後段精製部で比較
的きれいな四塩化チタン液と接触させ精製したものであ
る請求項1記載の四塩化チタンの精製方法。 - 【請求項4】洗浄・精製塔の洗浄部がバッフルトレイで
ある請求項3記載の四塩化チタンの精製方法。 - 【請求項5】洗浄・精製塔の精製部が洗浄部の塔径の
1.2〜1.5倍である請求項3記載の四塩化チタンの
精製方法。 - 【請求項6】洗浄・精製塔の精製部がデュアルトレイ又
はシーブトレイである請求項3記載の四塩化チタンの精
製方法。 - 【請求項7】洗浄・精製塔に入るガス温度が160〜2
50℃であり、還流比が2〜4である請求項3記載の四
塩化チタンの精製方法。 - 【請求項8】洗浄・精製塔に、四塩化チタン1トン当り
1.0〜3.0リットルの鉱物油を添加し、循環液とし
てガス中に含まれる塩化バナジウム成分と反応させ、精
製四塩化チタン中からバナジウムを除く請求項3記載の
四塩化チタンの精製方法。 - 【請求項9】洗浄・精製塔循環液中に、鉱石中に含まれ
るアルミニウムが水酸化物になるに等しい水の添加を行
い、ガス中に含まれる塩化アルミ成分と反応させ精製四
塩化チタン中からアルミニウムを除く請求項3記載の四
塩化チタンの精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12791796A JPH09286618A (ja) | 1996-04-23 | 1996-04-23 | 四塩化チタンの精製方法 |
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JPH09286618A true JPH09286618A (ja) | 1997-11-04 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1996
- 1996-04-23 JP JP12791796A patent/JPH09286618A/ja active Pending
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