JPH09273966A - 温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置

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JPH09273966A
JPH09273966A JP8173796A JP8173796A JPH09273966A JP H09273966 A JPH09273966 A JP H09273966A JP 8173796 A JP8173796 A JP 8173796A JP 8173796 A JP8173796 A JP 8173796A JP H09273966 A JPH09273966 A JP H09273966A
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JP
Japan
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crystal
raman
measuring device
temperature
excitation light
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JP8173796A
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Toshiaki Ito
利昭 伊藤
Yu Koishi
結 小石
Hiroo Hamaguchi
宏夫 浜口
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Hamamatsu Photonics KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
Kanagawa Academy of Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温付近では、ラマン散乱を用いた温度計測
を高い精度で行うことが困難であった。 【解決手段】 プローブに用いる光学結晶として、ビス
マスゲルマニウムオキサイド(BGO)など、70〜4
70cm-1の領域にラマン線を有し、かつ、488nm
波長の前記励起光に対して10-6以上の散乱効率を有す
る光学結晶を用いる。これらの光学結晶は、低周波領域
に強いラマン線を有しており、ガラスなどの非晶質固体
に比べて著しく強いラマン線を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラマン散乱を利用
した温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
らラマン散乱を利用した温度計測が知られており、その
測定原理は、ラマン散乱スペクトルにおけるアンチスト
ークス対ストークス強度比(Ias/Is)が温度の関
数となるため、Ias/Isの値を計測し、この値から
温度を決定するものである(特開昭61−270632
等)。
【0003】しかし、室温付近で物質の温度を直接測定
するためには、次節で述べるようにラマン線が特定波数
領域に存在すること、およびその散乱効率が高いことが
要求され、極限られた物質しか精度良く温度測定を行う
ことができない。水はこの対象外の物質であり、水溶液
の溶質のラマン線を利用するとしても、それが高濃度に
存在する必要がある。さらに、このような条件下におい
て、精度良く温度測定を行うためには、微弱なラマン線
を捕らえるために高い強度で励起光を照射する必要があ
るが、この場合には、励起光照射による温度上昇を無視
できなくなる。
【0004】また、光ファイバの先端にプローブ物質を
設けた光ファイバ式の温度計として、温度によって発光
波長の分布が変化する黒体センサ−を利用したものがあ
るが、200℃以上の高温の測定にしか適用できない。
【0005】さらに、低温からの温度計測が可能なもの
として、蛍光強度の自由減衰時間を利用したものがある
が、検出精度を上げるために、励起光を高い強度に或は
積算時間を長くすると、元々励起光に強い吸収がある蛍
光物質そのものの温度上昇を招く恐れがある。また、蛍
光物質の光劣化による安定性の問題もある。
【0006】一方、ラマン散乱を利用した光ファイバ温
度センサ−としては、いくつか提案されているが、いず
れのタイプも、ファイバ−コア材料である石英のラマン
線を利用するものである。位置の情報は、OTDR方式
により、ファイバの全長に渡って求める事ができるが、
元々非常に弱い石英のラマン線を利用しているために測
定精度に課題があり、作用長数メートルに渡った平均的
な情報しか得る事ができない。
【0007】また、室温付近の温度イメージングとし
て、長波長に感度がある光検出器を用いた二次元放射温
度計測装置(サーモビュワー)が知られているが、長波
長の発光を捕らえる必要があるため、空間解像度を向上
させることができないという欠点があった。
【0008】本発明は、このような課題を解決すべくな
されたものであり、その主な目的は、室温においても高
い精度で、かつ、高速な応答が得られる温度測定装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、請求項1に係る
温度測定装置は、ラマン散乱を生じる光学結晶を備えた
プローブ手段と、プローブ手段に励起光を照射する励起
光源と、励起されたプローブ手段から発せられるアンチ
ストークス光とストークス光との強度比を検出する検出
手段とを備え、プローブ手段の光学結晶が、70〜47
0cm-1の領域にラマン線を有し、かつ、488nm波
長の励起光に対して散乱断面積10-30cm2以上をする
ことを特徴とする。これらの光学結晶は、低周波領域に
強いラマン線を有しており、ガラスなどの非晶質固体に
比べて著しく強いラマン線を示す。
【0010】請求項2に係る温度測定装置では、この光
学結晶が、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウムなどの
ニオブ酸のアルカリ塩(MNbO3:Mはアルカリ金
属)、タンタル酸リチウムなどのタンタル酸のアルカリ
塩(MTaO3)、リン酸チタニウムカリウム、ビスマ
スゲルマニウムオキサイドのうち、少なくともいずれか
であることを特徴とする請求項3に係る温度測定装置で
は、ファイバ状の光学結晶を束ね、かつ、隣接する光学
結晶の間に断熱材を介在させて、請求項1又は2のプロ
ーブ手段を構成する。
【0011】請求項4に係る温度測定装置では、粉粒状
の光学結晶を断熱材中に混在させて、請求項1又は2の
プローブ手段を構成する。
【0012】請求項3、4のように構成することで、光
学結晶が断熱材で区切られる構造となり、光学結晶の横
方向(光の進行方向に対して垂直方向)の熱拡散が抑え
られ、良好な二次元温度分布が得られる。
【0013】請求項5に係る温度測定装置は、請求項3
又は4のプローブ手段がプレート形状を呈することを特
徴とする。このように構成することで、プローブ手段自
体を被測定試料の載置台としても用いることができ、載
置台上の被測定試料に対して裏面側から励起光を照射
し、かつ、その散乱光を裏面側から検出することもでき
る。
【0014】請求項6に係る温度測定装置は、請求項1
又は2のプローブ手段が光ファイバの一端に設けられて
いることを特徴とする。
【0015】請求項7に係る温度測定装置は、請求項6
における励起光源は、パルス光を出射するレーザ光源で
あり、請求項6における検出手段は、所定のタイミング
でのみ検出動作を行うゲート機能を有することを特徴と
する。これにより、光ファイバを透過したプローブ手段
からの散乱光が到着する経過時間に合わせて検出結果を
得ることができる。
【0016】
【実施の態様】ラマンスペクトルにおいて、アンチスト
ークス対ストークス強度比(Ias/Is)は、熱平衡
を仮定した Boltzmann分布によって次式によって与えら
れる。 Ias/Is = exp(−hνR /kT) 但し、h:プランク定数、k:ボルツマン定数 νR :ラマンシフト、T:温度 ここでνR はラマンシフト、すなわち振動準位のエネル
ギー差である。上式は温度の関数であり、Ias/Is
を測定することによりその物質の温度を知ることができ
る。この関係を図1に示す。図1は特定のラマンシフト
に注目して、それらのIas/Isが温度に対してどの
ような値であるかを示している。ここで室温付近の温度
を高い精度で計測しようとするためには、温度変化に対
するIas/Isの変化量が大きい(図1で示す曲線の
傾きが大きい)ことが必要となる。例えば、50cm-1
や600cm-1のラマン線を利用して室温付近の温度を
計測しようとしても、変化量が小さいため測定精度が悪
い。計算によると、1℃当たりの変化量を0.0008
の精度で読み取るためには、70〜470cm-1の範囲
のラマン線を利用しなければならない。また、実用上、
変化量を少なくとも0.001の精度で読み取り得るこ
とが望ましく、このためには100〜375cm-1の範
囲のラマン線を利用することが必要となる。換言する
と、媒体に要求される条件として、100〜375cm
-1の領域にラマン線を有することが必要となる。
【0017】また、ラマン線の散乱効率は物質によって
異なるが、励起光の波長(励起波長)によっても異な
り、長波長励起になるほど極端に散乱効率が減少する。
低い散乱効率の物質でも、励起光の強度を上げるか、ま
たは長時間の積算を行えば良いが、励起光照射による物
質の加熱にもつながり望ましくない。望ましい散乱効率
の目安としては、波長488nmの励起光に対し、散乱
断面積10-30cm2以上を有する必要がある。
【0018】さらに実際の計測に対しては、特定のラマ
ン線のバンド幅が鋭いほど精度が上がることから、ラマ
ン線がシャープ(半値幅10cm-1以内)である必要が
ある。
【0019】その他の条件としては、光学的に透明であ
ること、熱伝導率が高いことなどが条件として挙げられ
る。
【0020】発明者による鋭意研究の結果、ニオブ酸リ
チウム、ニオブ酸カリウム、リン酸チタニウムカリウム
(KTiOPO4:KTP)、ビスマスゲルマニウムオ
キサイド(Bi4Ge312:BGO)などの光学結晶
は、ガラスなどの非晶質固体に比べて著しく強いラマン
線を有しており、低周波領域に強いラマン線を有するこ
とが確認された。
【0021】一例として、BGO結晶から取得したラマ
ンスペクトルを図2に示す。このスペクトルは、BGO
結晶に対してアルゴンレーザからレーザ光を照射すると
共に、これによって励起されたBGO結晶から発せられ
る散乱光を、分光器とCCDマルチチャンネル検出器と
を用いて取得したものである。
【0022】図2から判るように、BGO結晶は低周波
領域で強いラマン線が認められ、これは通常の有機溶媒
のラマン線を同一条件で取得した場合に比べ、十倍以上
の強度である。さらに、可視域から近赤外域に渡って透
明性に優れ、しかも熱伝導率が高いという特徴を有して
いる。このためBGO結晶は、室温付近でのラマン散乱
を利用した温度計測用プローブとして理想的な条件を備
えている。図2は、数ミリ角の結晶について測定したも
のであるが、数十ミクロン程度の粉末状の結晶1個から
も、これに匹敵するような強度のスペクトルが得られ
た。
【0023】実際に数ミリ角のBGO結晶を、ペルチェ
素子によって温度を制御しつつ、366cm-1Ias/
Isを測定した。その測定結果を図3に示す。図3の横
軸は、励起光照射部のサーミスター温度計によって測定
した温度の値であり、このレーザ強度において数十秒の
照射による温度上昇は、0.1℃以内と少なく、無視で
きる値であった。図3の結果から極めて高精度の温度計
測ができていることが判る。実際の応用では、分光器に
よる高精度のスペクトル分解をする必要なく、検出器も
最適のものを選択すれば、さらに一桁以上も精度を向上
させることも可能であり、また測定時間も短縮でき、励
起光の強度を抑えても十分に使用でき得る。
【0024】次に、温度の空間分布の測定を行った。図
4に示すように、平板状のBGO結晶10の一端部をペ
ルチェ素子30によって加熱し、対向側に配したレーザ
光源11から励起光となるレーザ光を照射した。このよ
うにレーザ光を照射すると、その散乱光はライン状に散
乱するため、この散乱光を光学系14及び収差補正型の
分光器(イメージング分光器)12を介して、二次元検
出器(CCD)13にて検出した。このようにして検出
すると、二次元検出器13の縦軸方向は励起光照射ライ
ン(これをx方向とする)の位置情報となり、横軸方向
(これをy方向とする)はスペクトル情報となる。
【0025】図5は、この測定によって得られたX方向
の温度分布を、加熱直後から経時的に測定した結果であ
る。このようにX方向の温度分布が秒オーダーで、時々
刻々と変化していく様子を捕らえることができた。な
お、図中、横軸の「Distance」は、ペルチェ素子30を
設けた側からの距離(x方向の距離)を表している。
【0026】図5では一次元の空間情報が得られるが、
図6に示す装置構成にすることで、二次元の温度分布を
計測することができる。すなわち、レーザ光源11から
BGO結晶10に励起光を照射すると共に、その散乱光
をビームスプリッタ15によって2分割する。この分割
した光の進行路中に、特定波長のクトークス光(νs
のみを透過するバンドパスフィルター16と、特定波長
のアンチストークス光(νas)のみを透過するバンドパ
スフィルター17とを配し、各フィルター16、17の
透過光を二次元イメージセンサー(CCD)18で検出
する。さらに、各二次元イメージセンサー18の検出結
果を画像演算処理装置20において画像処理し、その結
果を二次元の温度イメージとしてモニター20上に表示
させることもできる。また、図7に示すように、散乱光
の進行路中に、バンドパスフィルター16とバンドパス
フィルター17とを交換自在に配置する構成を採用して
も、同様に二次元の温度分布を計測することができる。
【0027】また、BGO結晶10を備えたプローブを
図8(a)、(b)のように形成することで、被測定対
象物質の二次元温度分布を精度良く計測することができ
る。図8(a)に示すプローブP1は、ファイバ状のB
GO結晶10を束ねた状態とし、かつ、隣接するBGO
結晶10の間に断熱材21が介在するようにしてプレー
ト形状に形成したものである。また、同図(b)に示す
プローブP2は、粉粒状、粉末状のBGO結晶10を断
熱材21中に混在させ、プレート形状に形成したもので
ある。光学結晶の横方向(プレートの面内方向)の熱拡
散は、被測定物質の二次元の温度分布を測定する際には
かえって好ましくないため、BGO結晶10を断熱材2
1で区切った構造とした。これにより、二次元の温度分
布を精度良く検出することができる。
【0028】プローブをこのようなタイプに形成するこ
とで、例えば、図9に示すように構成することもでき
る。プローブP自体を被測定試料Mを載せる載置台と
し、その下方にレーザ光源11を配し、その間に、励起
光を透過し散乱光を反射するビームスプリッタ22を配
する。レーザ光源11から出射された励起光は、ビーム
スプリッタ22を透過してプローブPの下面に照射され
る。一方、プローブPの載置面には、この面に接触した
被測定試料Mの温度分布が、いわは転写された状態とな
っており、プローブPの各部位からは温度に応じた散乱
光が発せられる。この散乱光は、ビームスプリッタ22
で反射されて二次元温度イメージング装置23へ入射
し、二次元の温度分布が検出される。
【0029】また、光ファイ式温度計のプローブとして
は、図10(a)のように構成することができる。ラマ
ンプローブ41aは、コアa、クラッドbからなる光フ
ァイバの先端部にBGO結晶10を設けており、この光
ファイバを介して伝搬される励起光は光ファイバの先端
からBGO結晶10に照射され、その散乱光が再び光フ
ァイバ内を戻って検出される。なお、BGO結晶10
は、このように光ファイバの出射端に設ける他に、図1
0(b)、(c)に示すラマンプローブ41b、41c
のように、ファイバ先端部のコアaに組み込むこともで
きる。同図(b)は、一本の光ファイバに組み込んだタ
イプであり、同図(c)は、2本で1組とした光ファイ
バの先端部に組み込んだタイプである。2本の光ファイ
バを用いた場合には、一方を励起光の照射用、他方を散
乱光の検出用に用いることできる。
【0030】このようなプローブを用いた光ファイ式温
度測定装置としては、例えば、図11に示すような構成
となる。BGO結晶を備えたラマンプローブ41(例え
ば図10(a)に示すタイプ)を光ファイバ42aの先
端に設け、励起光をパルスレーザ43から出射し、ビー
ムスプリッタ44を介して光ファイバ42a内に入射す
る。入射した励起光は光ファイバ42a内を伝搬され、
ラマンプローブ41に照射される。励起されたラマンプ
ローブ41からの散乱光は、光ファイバ42a内を戻
り、ビームスプリッタ44を透過し、検出系50に入射
する。入射した散乱光は、フィルター51、分光器52
を介して成分波長に分光され、光検出器53で検出され
る。検出データは演算装置54において解析され、アン
チストークス線とストークス線との強度比から検出温度
が求められる。
【0031】なお、図11では、励起光と散乱光が往復
する一本の光ファイバ42aで構成するタイプを例示し
たが、図12(a)のように途中で2分岐するタイプの
光ファイバ43b、或は、同図(b)のような2本の光
ファイバ43cの端部にラマンプローブ41を設けたタ
イプであってもよい。
【0032】また、図13に示すように、光ファイバ中
に、その入射端からl1 、l2 及びl3 の距離の位置
に、BGO結晶x1、x2及びx3を組み込んで構成す
ることで、一本の光ファイバを利用したOTDRによる
多点同時温度計測を行うこともできる。この場合、図1
1の構成例において、パルスレーザ43によって励起光
をパルス状に出射すると共に、光検出器53としても、
ラマンプローブ41からの散乱光が到着するタイミング
でのみデータを取得し得る高速ゲート機能を備えた光検
出器を採用することで、光ファイバ自身の蛍光又はラマ
ン散乱光による悪影響を回避することができる。
【0033】具体的には、励起光をパルス光として、時
刻t0 にファイバ内に入射すると、所定のBGO結晶x
iからのラマン散乱光を含む後方散乱光は、光の速さを
cとすると、ファイバの入射端では、時刻t0 から2l
i /c秒後に戻ってくることになる。したがって、時刻
0 から該当する経過時間毎に検出動作を実施すること
で、各BGO結晶のラマン散乱光を個別に検出すること
も可能である。
【0034】以上説明した実施形態では、好適な光学結
晶としてBGO結晶を例示したが、この他にも、ニオブ
酸リチウム、ニオブ酸カリウム、リン酸チタニウムカリ
ウム(KTP)などを用いることができる。
【0035】ここで図14に、光学結晶と石英のラマン
散乱の範囲、散乱効率を示しておく。この他タンタル酸
リチウムにも200cm-1付近と600cm-1付近に強
いラマン信号が観察された。これらは、同一の条件で測
定を行ったものであり、図に示した光学結晶は石英に比
べて数千倍もの強い散乱強度を有している事がわかる。
【0036】以上説明した光学結晶を用いた温度計測
は、室温付近の計測に限定するものではない。図1から
判るように、0℃以下の低温領域では、50cm-1付近
にラマン線を有する光学結晶を用い、300℃以上の高
温領域では500〜1000cm-1にラマン線を有する
光学結晶をプローブとして用いることにより、最適計測
温度範囲としてシリーズ化することができる。例えば、
KTP結晶は、250cm-1付近と700cm-1付近に
ラマン線を有しており、室温付近の温度計測と共に70
0cm-1付近のラマン線を利用した、高温の温度計測用
プローブとして利用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
温度測定装置によれば、プローブ手段の光学結晶とし
て、70〜470cm-1の領域にラマン線を有し、か
つ、488nm波長の前記励起光に対して10-6以上の
散乱効率を有する光学結晶を用いることとしたので、こ
れらの光学結晶は低周波領域に強いラマン線を有してい
るため、室温においても高い精度で、かつ、高速な応答
が得られる温度測定装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各ラマンシフトに対する温度とIas/Isと
の関係を示すグラフである。
【図2】BGO結晶のラマンスペクトルを示すグラフで
ある。
【図3】BGO結晶のアンチストークス線対ストークス
線の温度依存性を示すグラフである。
【図4】一次元温度分布測定装置の構成を示す説明図で
ある。
【図5】BGO結晶の熱拡散を示すグラフである。
【図6】二次元温度分布イメージング装置の構成を示す
図である。
【図7】二次元温度分布イメージング装置の構成を示す
図である。
【図8】(a)、(b)は二次元温度分布イメージング
装置に用いるプローブの形態を示す平面図である。
【図9】図8のプローブを用いた二次元温度分布イメー
ジング装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図10】(a)〜(c)はラマンプローブの構造例を
拡大して示す断面図である。
【図11】光ファイ式温度計の構成を概略的に示す構成
図である。
【図12】(a)、(b)は、光ファイ式温度計に用い
る光ファイバ温度センサーを示す図である。
【図13】OTDR方式の多点温度計測に用いる光ファ
イバ式温度センサー等を示す説明図である。
【図14】ラマン散乱の範囲、散乱効率につき各種の光
学結晶と従来の石英とを比較して示すグラフである。
【符号の説明】
10…BGO結晶、11…レーザ光源、12…分光器、
13…二次元光検出器
フロントページの続き (72)発明者 浜口 宏夫 東京都稲城市向陽台5−10−7−407

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラマン散乱を生じる光学結晶を備えたプ
    ローブ手段と、 前記プローブ手段に励起光を照射する励起光源と、 励起された前記プローブ手段から発せられるアンチスト
    ークス光とストークス光との強度比を検出する検出手段
    とを備え、 前記光学結晶は、70〜470cm-1の領域にラマン線
    を有し、かつ、488nm波長の前記励起光に対して散
    乱断面積10-30cm2以上を有することを特徴とする温
    度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記光学結晶は、ニオブ酸のアルカリ塩
    (MNbO3:Mはアルカリ金属)、タンタル酸のアル
    カリ塩(MTaO3:Mはアルカリ金属)、リン酸チタ
    ニウムカリウム、ビスマスゲルマニウムオキサイドのう
    ち、少なくともいずれかであることを特徴とする請求項
    1記載の温度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記プローブ手段は、ファイバ状の前記
    光学結晶を束ね、かつ、隣接する前記光学結晶の間に断
    熱材を介在させてなる請求項1又は2記載の温度測定装
    置。
  4. 【請求項4】 前記プローブ手段は、粉粒状の前記光学
    結晶を断熱材中に混在させてなる請求項1又は2記載の
    温度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記プローブ手段がプレート形状を呈す
    る請求項3又は4記載の温度測定装置。
  6. 【請求項6】 前記プローブ手段が光ファイバの一端に
    設けられた請求項1又は2記載の温度測定装置。
  7. 【請求項7】 前記励起光源は、パルス光を出射するレ
    ーザ光源であり、 前記検出手段は、所定のタイミングでのみ検出動作を行
    うゲート機能を有することを特徴とする請求項6記載の
    温度測定装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002062197A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 温度計測装置及び温度計測方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002062197A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 温度計測装置及び温度計測方法

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