JPH09269094A - 電気融着継手製造用器具、製造方法及び電気融着継手 - Google Patents

電気融着継手製造用器具、製造方法及び電気融着継手

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JPH09269094A
JPH09269094A JP8099497A JP9949796A JPH09269094A JP H09269094 A JPH09269094 A JP H09269094A JP 8099497 A JP8099497 A JP 8099497A JP 9949796 A JP9949796 A JP 9949796A JP H09269094 A JPH09269094 A JP H09269094A
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JP
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joint
layer sheet
ring
inner layer
electric fusion
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JP8099497A
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English (en)
Inventor
Yasushi Tanaka
靖司 田中
Katsuo Suzuki
勝雄 鈴木
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D23/00Producing tubular articles
    • B29D23/001Pipes; Pipe joints
    • B29D23/003Pipe joints, e.g. straight joints
    • B29D23/005Pipe joints, e.g. straight joints provided with electrical wiring

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Branch Pipes, Bends, And The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 発熱体と電極の間に十分な接触面積が確保さ
れ、電極取付けを含む電気融着継手製造のための作業を
高能率で行うことができる電気融着継手製造用器具及び
これを用いる製造方法、ならびにこれらの器具及び製造
方法に適した構造を有し、融着時の温度のばらつきが小
さい電気融着継手を提供する。 【解決手段】 電気融着継手は、最内層に配置される円
筒状の内層シートと、内層シートの外側に配置されるリ
ング状電極と、さらにその外側に配置される円筒状の継
手本体から構成される。電気融着継手製造用器具は、鍔
付円筒体をその中心軸を通る平面により所定個数に分割
して得られるL字状ブロックと、このL字状ブロックか
ら復元される鍔付円筒体の内孔に押し込むことにより該
円筒体の直径を増大させるテーパー付きのラムからな
り、各L字状ブロックの部分円筒面をなす表面にはヒー
ターが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気融着継手製造
用器具及びこれを用いる製造方法、ならびにこれらの器
具及び製造方法に適した構造を有する電気融着継手に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン等熱可塑性樹脂からなるパ
イプ等の被接合体を接合するための継手として、電気融
着継手が知られている。電気融着継手は通電により発熱
する発熱体を内蔵しており、これにより継手及び被接合
体の一部を溶融させて、被接合体を溶融接合(融着)す
るものである。
【0003】発熱体には大別して、継手中の融着層に電
熱線を埋設した電熱線埋設型発熱体と、熱可塑性樹脂に
カーボンブラック等の導電性粒子を混練、含有させた導
電性粒子含有型発熱体とがある。後者では発熱体自体が
融着層を兼ね、十分な接触面積を確保できる給電用電極
を発熱体の両端部又は発熱体外面の上下長手方向に取付
けることにより給電が行われる。
【0004】本出願人はこれまでに、導電性粒子含有型
発熱体用電極及びその取付方法に関して幾つかの提案を
行った(例えば、特開平6−339996、同6−21
0737、同7−52258、特願平7−95956、
同7−95957、同7−95958等)。これらの提
案によれば、発熱体と電極の間に十分な接触面積を確保
するという目的は達成できたが、融着時の温度の安定
性、電極取付作業を含む電気融着継手製造工程の能率面
等には、なお改善すべき点があると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記改善を
行うためになされたものであり、発熱体と電極の間に十
分な接触面積が確保され、電極取付けを含む電気融着継
手製造のための作業を高能率で行うことができる電気融
着継手製造用器具及びこれを用いる製造方法、ならびに
これらの器具及び製造方法に適した構造を有し、融着時
の温度のばらつきが小さい電気融着継手を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意検討の結果、従来継手本体の外側から
取付けていた電極を、逆に継手本体の内側から取付ける
ように改めると共に、電極の取付けに際して適切な治具
による拡径と加熱を併用することに想到し、本発明を完
成するに至った。
【0007】かくして、本発明により、 (1)下端にフランジ状の鍔を有し、該鍔の位置から上
端に向かって拡がるテーパー付き内孔を有する鍔付円筒
体を、その中心軸を通る平面により所定個数に分割して
なるL字状ブロックと、前記内孔と同一斜度のテーパー
付き外面を有し、前記各L字状ブロックから復元される
鍔付円筒体内孔に挿入される裁頭円錐状のラムと、前記
各L字状ブロックの部分円筒面をなす外面に夫々設けた
ヒーターとを有する、電気融着継手製造用器具、
【0008】(2)請求項1記載の電気融着継手製造用
器具中の前記各L字状ブロックから前記鍔付円筒体を復
元し、前記鍔付円筒体の円筒面上の所定長さにわたり、
該円筒面を覆って熱可塑性樹脂からなる円筒状の内層シ
ートを配設し、前記内層シート外面上の各所定位置に、
所定個数の導電性物質からなるリング状電極を配設し、
熱可塑性樹脂に導電性粒子を混練してなる円筒状発熱体
と該発熱体の外面に密着して設けた熱可塑性樹脂又は形
状記憶性樹脂からなる外筒部とを有し、長さが前記内層
シートに略等しい継手本体を、該内層シートに重なる位
置において前記リング状電極の外面を覆って配設し、前
記復元円筒体の内孔に前記ラムを挿入して前記各L字状
ブロックを離間させることにより該円筒体の直径を増大
させ、これにより前記内層シート及びリング状電極を拡
径して前記継手本体の内面に密着させ、前記ヒーターに
通電し、前記内層シート及びリング状電極を前記継手本
体の内面に一体に融着させる電気融着継手の製造方法、
及び、
【0009】(3)熱可塑性樹脂からなる所定の長さの
円筒状の内層シートと、前記内層シート外面上の各所定
位置に配設された所定個数の導電性物質からなるリング
状電極と、熱可塑性樹脂に導電性粒子を混練してなる円
筒状発熱体と該発熱体の外面に密着して設けた熱可塑性
樹脂又は形状記憶性樹脂からなる外筒部とを有し、長さ
が前記内層シートに略等しく、該内層シートに重なる位
置において前記リング状電極の外面を覆って配設された
継手本体とを備え、前記内層シート及びリング状電極が
拡径されて前記継手本体の内面に密着し一体に融着され
てなる電気融着継手、が提供される。
【0010】すなわち、本発明に係る電気融着継手製造
用器具は、鍔付円筒体をその中心軸を通る平面により所
定個数に分割して得られるL字状ブロックと、このL字
状ブロックから復元される鍔付円筒体の内孔に押し込む
ことにより該円筒体の直径を増大させるテーパー付きの
ラムからなり、各L字状ブロックの部分円筒面をなす表
面にはヒーターが設けられている。上記鍔付円筒体の鍔
は別に設けるベースプレート上に押え板により押えら
れ、円筒部分を垂直に保つ。
【0011】L字状ブロックから復元される鍔付円筒体
の円筒部分の外径は目的とする電気融着継手の内径より
も1〜2%小さく作られており、該円筒部分に被せるよ
うにして内層シートとリング状電極を嵌め、さらにその
上から円筒状発熱体を含む継手本体を被せるようにして
取り付ける。しかる後、鍔付円筒体の内孔にラムを押し
込んで該円筒体の直径を増大させてリング状電極及び内
層シートを内側から押し拡げ、これらの外面を発熱体の
内面に密着させる。この状態でヒータに通電してリング
状電極及び内層シートを発熱体の内面に融着させること
により電気融着継手が完成される。
【0012】その際、発熱体と電極とを正しい相対的位
置に配置することが重要であり、また手間を要する作業
であるが、上記の製造用器具を用いる場合は、ラムの挿
入位置により前記円筒体の直径を適当に調節し、電極及
び発熱体の位置を仮固定して簡便に調整することができ
るので、作業能率を高めることができる。
【0013】上記の電気融着継手製造用器具は目的とす
る電気融着継手の内径サイズに合わせて用意されるが、
同一内径サイズの電気融着継手中、長さが異なるものに
対しては、当該器具の円筒面の長さの範囲内ならば同一
器具により対応することができる。また、リング電極の
取付個数及び位置も限定されない。例えば、発熱体の中
間部分を短絡していわゆるコールドゾーンを設ける場合
は、両端部の給電用電極と共に中間部の任意の位置に短
絡用電極を設けることも可能である。
【0014】上記の電気融着継手製造用器具において、
L字状ブロックを形成する際の分割数は、多いほど拡径
時の近似円の形状が滑らかになるので好ましいが、一
方、ヒーターの取付個数も増大して取扱いの煩雑さとコ
ストが増大するので、適当な分割数の範囲がある。な
お、上記の電気融着継手製造用器具は鋼あるいはステン
レス鋼製であり、ヒーターには市販の面状発熱体から適
宜なものを選択して用いることができる。
【0015】本発明に係る電気融着継手は、最内層に配
置される円筒状の内層シートと、内層シートの外側に配
置されるリング状電極と、さらにその外側に配置される
円筒状の継手本体から構成される。これらを上述の手順
により一体に融着させて電気融着継手が完成される。完
成された電気融着継手では、拡径及びヒーター加熱の効
果により、リング状電極が発熱体内面に埋め込まれて融
着され、さらにその表面が内層シートにより被覆絶縁さ
れた滑らかな内表面が形成される。
【0016】上記電気融着継手中の内層シートは熱可塑
性樹脂からなり、厚さが0.1〜1.0mm程度で、発
熱体および電極を包んで保護すると共に、融着層の一部
としても機能するものである。また、感電防止及び融着
時の温度のばらつきを減少させる効果が認められるの
で、一般的にはその設置が推奨されるが、コスト上の要
請等から省略される場合もある。
【0017】内層シートに用いる熱可塑性樹脂として
は、例えば、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、
ポリスチレン等の芳香族ビニル系ポリマー、S−B−S
型、S−I−S型等のブロック共重合体(Sはスチレ
ン、Bはブタジエン、Iはイソプレン)等の炭化水素系
熱可塑性エラストマー、等が例示される。
【0018】リング状電極用の材料としては、柔かい銅
板が特に好ましいが、その他に板状ハンダや細銅線から
なる編組線、又はステンレスや真鍮の薄板等も好適に用
いられる。なお、リング状電極からはリード線を引き出
す必要がある。
【0019】継手本体中の発熱体に用いる熱可塑性樹脂
は、上記内層シートに用いるものと同種のものでよい
が、外筒部との密着性、一体成形性、被接合部材への融
着性等の観点からオレフィン系ポリマーが好ましく、特
にオレフィン系モノマーのみを重合した重合体や共重合
体が好ましい。
【0020】導電性粒子としては、導電性カーボンブラ
ック、黒鉛粉末、金属粒子(銅、鉄、ニッケル等の粉
末)やこれらの混合物等が例示される。発熱体の導電性
粒子含有率は、通常5重量%以上、好ましくは30重量
%以下である。含有量が低すぎると電気抵抗(体積抵抗
率)が大きくなりすぎ発熱量が小さくなるため、接合の
作業効率が低下するか、または給電に必要な電圧を高く
しなければならない。含有量が多すぎると電気抵抗が低
くなりすぎ、一時に大電流が流れるので、電源装置の容
量を大きくしなければならない。
【0021】熱可塑性樹脂と導電性粒子の混合方法は特
に限定されず、バンバリーミキサー、プラストミル、ミ
キシングロール、加圧ニーダー、押出混合機等の処理し
やすい形状にして成形する。成形方法も特に限定され
ず、押出成形、射出成形、ブロー成形、回転成形、圧縮
成型等により、管状など所望の形状に成形する。
【0022】継手本体中の外筒部に用いる樹脂として
は、発熱体に用いるオレフィン系ポリマー等の他に、ポ
リノルボルネン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が例示され
る。外筒部に発熱体と同種のオレフィン系ポリマー等を
用いる場合には、発熱体と外筒部を共押出法により一挙
に形成することも可能である。また、例えばポリノルボ
ルネン系樹脂や、ポリウレタン樹脂等の反応射出成形法
により製造される熱硬化性樹脂は、成形された外筒部が
形状記憶性を有するため、電気融着継手を予め作業し易
い内径にまで拡径して使用できる点で好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明に係る電気融着継手製造用
器具における好適な実施形態として、 (4)別体としてベースプレートを備え、前記L字状ブ
ロックにおいて楔形をなす水平部分先端の両側面が該水
平部分の中心線に沿って平行に形成され、前記ベースプ
レートは前記先端を受け入れてガイドする放射状の溝
と、前記溝を覆う押え板と、前記ラムの先端を受け入れ
る中央孔とを有する、上記(1)記載の電気融着継手製
造用器具、を挙げることができる。
【0024】本発明に係る電気融着継手製造用器具に、
別体として実施形態(4)のベースプレートを設けても
よい。上記鍔付円筒体の鍔の部分、すなわち各L字状ブ
ロックの水平部分は水平脚部として作用し、該水平脚部
はこのベースプレート上に押え板により押えられて円筒
部分を垂直に保つと共に、ラムを押し込む際は、該水平
脚部が上記放射状の溝に沿って水平方向に移動し、各L
字状ブロックを均等に離間させる。該水平脚部が上記の
溝に沿って移動するためには、その先端が楔形ではなく
平行な形状に仕上げられている必要がある。
【0025】また、ベースプレートの中央に、ラムの先
端よりも大きい直径を有する中央孔を設けることによ
り、上記鍔付円筒体の底面位置を越えてラムの先端を押
し込むことが可能になり、比較的小さいテーパー斜度の
下でも所要の拡径率を確保することが容易になる。な
お、拡径に際しては、鍔付円筒体にラムを押し込む手段
として既存のプレス機を利用することができる。
【0026】本発明に係る電気融着継手の製造方法にお
ける好適な実施形態として、 (5)前記外筒部を形状記憶性樹脂を用いて形成し、前
記ヒーターに通電して前記内層シート及びリング状電極
を前記継手本体の内面に一体に融着させつつ、前記鍔付
円筒体の内孔に前記ラムをさらに深く挿入して前記電気
融着継手を拡径する上記(2)記載の電気融着継手の製
造方法、を挙げることができる。
【0027】電気融着継手の内径は、被接合体であるパ
イプ等の外径に一致させて製造されるから、接合に際し
てパイプ等を継手に挿入することが容易でない。そこ
で、継手本体中の外筒部を形状記憶性樹脂を用いて形成
しておき、使用前にこれを予め拡径してパイプ等の外径
よりも大なる内径を与えておけば、挿入作業が容易にな
る。電気融着継手に通電して融着を行う際、その熱によ
り拡径の記憶が消失し継手は本来の内径に復帰する。
【0028】上記の拡径は、通常は電気融着継手が完成
した後、改めて実施される。これに対して実施形態
(5)は、拡径工程と(2)記載の継手製造方法におけ
る融着工程とを同時的に実施するものである。この実施
形態(5)が可能であるのは、発熱体の内表面はヒータ
ー加熱により部分的に溶融温度に達するが、発熱体外側
の外筒部の温度は短時間には上昇しないので、その間に
拡径を行えば、形状記憶を付与するのに充分な冷間歪み
を与えることができることによる。この方法により電気
融着継手製造作業の能率をさらに改善することができ
る。
【0029】本発明に係る電気融着継手における好適な
実施形態として、以下のものを挙げることができる。 (6)前記外筒部を形状記憶性樹脂を用いて形成し、か
かる外筒部を有する電気融着継手を拡径してなる上記
(3)記載の電気融着継手、及び、 (7)前記リング状電極のリード線を該リング状電極か
ら前記継手本体を貫通して導き、前記外筒部の表面にお
いて終端する上記(3)記載の電気融着継手、である。
【0030】実施形態(6)は、上記実施形態(5)又
は通常の方法により拡径された内径を有する電気融着継
手に関するものである。該拡径は完成された電気融着継
手に対して加えてもよいし、あるいは実施形態(5)の
ように電気融着継手の最終製造工程においてヒーター加
熱と同時的に行ってもよい。
【0031】実施形態(7)は、リング状電極からリー
ド線を引き出す方法に関するものである。リング状電極
からリード線を引き出す方法は種々考えられるが、その
一例であるこの実施形態によれば、リード線を発熱体及
び外筒部を貫通して最短距離で引き出すことができ、外
筒部の表面で終端するのでコンパクトにまとまる。な
お、この実施形態を採用する場合には、電気融着継手の
製造前又は途中で、継手本体−リング状電極−リード線
からなる仮アセンブリ体を用意することが望ましく、そ
のため上記(2)に記載した製造方法の順序を一部変更
する必要がある。
【0032】本発明に係る電気融着継手製造用器具にお
ける他の好適な実施形態として、以下のものを挙げるこ
とができる。 (8)前記L字状ブロックを形成する際の分割における
前記所定個数が、10以上30以下、さらに好ましくは
16ないし20である上記(1)記載の電気融着継手製
造用器具、及び、 (9)前記鍔付円筒体の内孔及びラムのテーパー斜度が
1/30以上1/10以下、さらに好ましくは約1/2
0である上記(1)記載の電気融着継手製造用器具、で
ある。
【0033】本発明の電気融着継手製造用器具において
L字状ブロックを形成する際の分割数は偶数であること
が好ましいが、8分割以下の場合は拡径の際に生成され
る疑似円の歪みが大きくなりすぎて、リング状電極と発
熱体内面との密着性が阻害される恐れがある。また分割
数が大きい部分、例えば32分割以上では疑似円の歪み
の改善に較べてコスト面での不利が目立つようになる。
従って、この分割数は実施形態(8)のように10以上
30以下が好ましく、さらに好ましくは16ないし20
程度がよい。
【0034】鍔付円筒体の内孔及びラムのテーパー斜度
が1/10(円錐体の高さ対直径変化の割合としては1
/5)を超える場合には、該内孔へラムを挿入する際の
押込量と拡径の関係が過敏になり、正確な拡径が阻害さ
れる。またテーパー斜度が1/30に満たない場合に
は、必要な拡径率を確保するための押し込み量を大きく
しなければならず、作業性が阻害される。従って、この
テーパー斜度は、実施形態(9)のように1/10以上
1/30以下が好ましく、さらに好ましくは1/20程
度がよい。
【0035】なお、鍔付円筒体の内孔の直径とラムの直
径の相対的関係は、上記テーパー斜度と共に、拡径の際
の作業性に影響する。拡径前の鍔付円筒体内孔にラムを
挿入したとき、ラムの先端が留まる位置が浅すぎる場合
には、押込み前のラムの姿勢が不安定になる恐れがあ
り、また、その位置が深すぎる場合には、必要な拡径率
を与えるための押し込み量を確保できない恐れがある。
従って、鍔付円筒体の長さ及びテーパー斜度を決定した
後に、上記の位置が該円筒体の高さの約1/3〜1/2
になるようにラム先端の直径を選ぶとよい。
【0036】
【実施例】以下において、添付図面を参照しつつ、好ま
しい実施例を通じて本発明を詳細に説明する。
【0037】図1(A)は、本発明の一実施例に係る電
気融着継手(参照符号10)の構造を示す一部断面を含
む側面図である。図1において、参照符号1は継手10
の最内層を構成する内層シート、2は内層シート4の上
に配置されるリング状電極、21はリング状電極2から
外部へ引き出されるリード線、3は円筒状発熱体とその
周囲に設けた外筒部からなる継手本体、31は継手本体
3の内筒部をなす発熱体、32は発熱体31の周囲に設
けた外筒部、33は外筒部32の表面に設けた端子部を
示す。また、図1(B)にリング状電極2とリード線2
1の関係を示す。
【0038】上記電気融着継手10の内層シート1は厚
さ0.1mmのポリエチレンシートからなり、これをヒ
ートシールにより直径約123mm、長さ120mmの
円筒状にした。リング状電極2は厚さ0.2mmの銅板
からなり、これを幅5mmの短冊状に切り、両端開放の
まま直径約124mmのリング状に丸めた。リード線2
1を通すために、上記短冊の幅内に0.7mm程度の孔
をあけた。リード線21は、直径約5mmの円板の中央
に、太さ0.5mm、長さ約10mmの銅線の一端を垂
直に溶着して作成した。
【0039】継手本体3は、熱可塑性樹脂に導電性粒子
を混練してなる円筒状発熱体31と発熱体31の外面に
密着して設けた形状記憶性樹脂からなる外筒部32とを
有し、内径125mm、厚さ8mm、長さ120mmの
円筒状に予め形成されたものを用いた。この継手本体3
の表面には、同一母線上の両端から夫々10mmの位置
に予め端子部33が設けられており、端子部33の中心
を通り、継手本体3の肉厚を半径方向に貫通してリード
線を通す孔が明けられている。
【0040】継手本体3のリード線用孔と、リング状電
極2のリード線用孔とを重ね合わせるようにしてリング
状電極2を継手本体3の内部に嵌め込み、前記孔にリー
ド線21を通し、継手本体3、リング状電極2及びリー
ド線21からなる仮アセンブリ体を準備した。
【0041】上記において準備した各部を図2(A)に
示す電気融着継手製造用器具(参照符号100)を用い
て組立て、電気融着継手10を作成した。図2(B)は
器具100中の1個のL字状ブロックを示す斜視図であ
る。
【0042】図2(A)において、参照符号101はL
字状ブロック、120はL字状ブロック101から復元
される鍔付円筒体、121は鍔付円筒体120の円筒部
分、122は鍔付円筒体120の内孔、102は拡径の
ため鍔付円筒体120の内孔122中に押し込まれるラ
ム、103は鍔付円筒体120を支持するベースプレー
ト、104は押え板(点線で表示)、105はベースプ
レート103に設けた放射状の溝、106はベースプレ
ート103中央に設けた中央孔を示す。また図2(B)
において、参照符号111はL字状ブロック101の垂
直部、112は同水平部、113は垂直部111の外部
表面に取付けた面状ヒーターを示す。
【0043】電気融着継手製造用器具100は内径12
5mmの継手製造用に設計され、既存のプレス機を利用
してラムの押し込みを行うものである。この器具100
中の鍔付円筒体120は18個のL字状ブロック101
から構成され、鍔付円筒体120の円筒部分121の拡
径前の外径は123mm、長さは130mmである。鍔
付円筒体120の内孔122は上端部における拡径前の
内径が93mmで、下方に向かって狭くなるように1/
19.2のテーパー斜度を与えられている。この内孔1
22に挿入されるラム102は内孔122と同一のテー
パー斜度を有し、上部直径が106mm、下部直径が8
6mm、長さ192mmの裁頭円錐体をなす。ベースプ
レート103は厚さ41mm、300mm角の方形をな
す。なおこれらは全てステンレス鋼(S50C)製であ
る。
【0044】図2(B)に示すL字状ブロック101の
垂直部111の外面には面状ヒーター113[(株)坂
口電熱社製「シリコンラバー・ヒーター」]が取り付け
られている。このヒーターは、内層シート1及びリング
状電極2を発熱体31の内面に融着する目的で設けたも
のである。
【0045】L字状ブロックの水平部は、製作当初は孔
明き円を分割したままの楔形の平面形状を有する。しか
し、図2(B)に示すものでは、水平脚部112の先端
(鍔の外周に向く部分)がその中心線に沿って両側面が
平行に仕上げられている。一方、図2(A)に示すよう
に、ベースプレート103には溝105が放射状に設け
られており、上記の水平部112の先端はこれらの溝1
05に嵌め込まれ、かつ押え板104により押さえられ
る。かくして、各L字状ブロック101がラム102の
挿入により外周方向へ駆動される際、これらが溝105
に沿って放射状に移動し、各L字状ブロック101は互
いに均等な間隔を保ちつつ離間する。また、ベースプレ
ート103の中央には、ラム102の先端よりも大きい
直径を有する中央孔106が設けられており、鍔付円筒
体120の底面位置を越えてラム102の先端を押し込
むことができる。
【0046】図3は、上記の電気融着継手製造用器具1
00を用いて電気融着継手を製造する方法を説明するた
めの縦断面図である。同図では内層シート1、リング状
電極2、継手本体3の厚さ及び直径は理解容易のため誇
張されている。図3に示すように、鍔付円筒体120の
円筒部分121に内層シート1を嵌め、さらにその上か
ら上記仮アセンブリ体を取り付けた。しかる後、鍔付円
筒体120の内孔122にラム102を挿入した器具1
00をプレス機にセットして、鍔付円筒体120の直径
を約10秒間で2.3%拡径した。この状態でヒーター
113に通電したところ約1分間後にヒーター113付
近の温度が約280℃に達し、リング状電極2及び内層
シート1が継手本体3の内面に融着された。以上の工程
を経て、本実施例に係る電気融着継手10を5個作成し
た。
【0047】上記において作成した各電気融着継手10
の各点の温度及びそのバラツキを測定した。温度計測点
は、各電気融着継手10の外筒部32の一端から20m
mの位置にある円周上に等間隔で8点を選んだ。温度計
測方法は熱電対によった。これらの温度計測結果を表1
に示す。表1において「平均温度」は上記8点の計測点
における温度の平均値、「△T(バラツキ)」は、上記
8点の計測点における温度の最大値と最小値の差を表
す。
【表1】
【0048】比較対照のため従来技術により作成した電
気融着継手(比較例)5個について上記と同様な温度計
測を行ない、その結果を表2に掲げた。表2における
「平均温度」、「△T(バラツキ)」の意味は上記と同
様である。これら比較例としての電気融着継手は、本実
施例に係る電気融着継手10に用いたものと同じ構成の
継手本体3を用い、その発熱体31の両端面に細銅線か
らなる編組線を給電用電極として熱融着した。また、こ
の比較例では電気融着継手10に用いた内層シート1は
使用しなかった。
【表2】
【0049】本実施例及び比較例における平均温度の個
体間の差は表1では241〜246℃であるのに対し
て、表2では231〜249℃である。また△Tの個体
間の差は表1では16〜20℃であるのに対して、表2
では40〜58℃である。ここから本実施例に係る電気
融着継手10では比較例に較べて個体間の平均温度の差
が小さく、また、同一個体内における温度のバラツキも
小さく、かつバラツキ自体の個体間の差も小さいことが
分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、電極取付けを含む電気
融着継手製造のための作業を高能率で行うことができる
電気融着継手製造用器具及びこれを用いる製造方法、な
らびにこれらの器具及び製造方法に適した構造を有する
電気融着継手が提供され、これらの製造用器具及び製造
方法により作成される電気融着継手では、拡径による加
圧密着とヒーター加熱との併用により発熱体と電極の間
の均一な融着が実現され、かつ十分な接触面積が確保さ
れると共に、内層シートの採用により発熱体への使用環
境の影響が軽減されるため、従来のものよりも融着時の
温度のばらつきが小さい。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の一実施例に係る電気融着
継手の構造を示す一部断面を含む側面図、図1(B)は
リング状電極及びリード線を示す斜視図である。
【図2】図2(A)は図1(A)に示す電気融着継手の
組立に使用する電気融着継手製造用器具を示す一部断面
を含む斜視図、図2(B)は上記器具中のL字状ブロッ
クを示す斜視図である。
【図3】図2に示す電気融着継手製造用器具を用いる電
気融着継手の製造方法を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
1…内層シート 2…リング状電極 21…リード線 3…継手本体 31…発熱体 32…外筒部
33…端子部 10…電気融着継手 100…電気融着継手製造用器具 101…L字状ブロック 102…ラム 10
3…ベースプレート 104…押え板 105…放射状の溝 10
6…中央孔 111…L字状ブロックの垂直部 112…L字
状ブロックの水平部 113…ヒーター 120…鍔付円筒体 121…鍔付円筒体の円筒部
分 122…鍔付円筒体の内孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下端にフランジ状の鍔を有し、該鍔の位置
    から上端に向かって拡がるテーパー付き内孔を有する鍔
    付円筒体を、その中心軸を通る平面により所定個数に分
    割してなるL字状ブロックと、 前記内孔と同一斜度のテーパー付き外面を有し、前記各
    L字状ブロックから復元される鍔付円筒体内孔に挿入さ
    れる裁頭円錐状のラムと、 前記各L字状ブロックの部分円筒面をなす外面に夫々設
    けたヒーターとを有する、電気融着継手製造用器具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電気融着継手製造用器具中
    の前記各L字状ブロックから前記鍔付円筒体を復元し、 前記鍔付円筒体の円筒面上の所定長さにわたり、該円筒
    面を覆って熱可塑性樹脂からなる円筒状の内層シートを
    配設し、 前記内層シート外面上の各所定位置に、所定個数の導電
    性物質からなるリング状電極を配設し、 熱可塑性樹脂に導電性粒子を混練してなる筒状発熱体と
    該発熱体の外面に密着して設けた熱可塑性樹脂又は形状
    記憶性樹脂からなる外筒部とを有し、長さが前記内層シ
    ートに略等しい継手本体を、該内層シートに重なる位置
    において前記リング状電極の外面を覆って配設し、 前記鍔付円筒体の内孔に前記ラムを挿入して前記各L字
    状ブロックを離間させることにより該円筒体の直径を増
    大させ、これにより前記内層シート及びリング状電極を
    拡径して前記継手本体の内面に密着させ、 前記ヒーターに通電し、前記内層シート及びリング状電
    極を前記継手本体の内面に一体に融着させる、電気融着
    継手の製造方法。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂からなる所定の長さの円筒状
    の内層シートと、 前記内層シート外面上の各所定位置に配設された所定個
    数の導電性物質からなるリング状電極と、 熱可塑性樹脂に導電性粒子を混練してなる筒状発熱体と
    該発熱体の外面に密着して設けた熱可塑性樹脂又は形状
    記憶性樹脂からなる外筒部とを有し、長さが前記内層シ
    ートに略等しく、該内層シートに重なる位置において前
    記リング状電極の外面を覆って配設された継手本体とを
    備え、 前記内層シート及びリング状電極が拡径されて前記継手
    本体の内面に密着し一体に融着されてなる、電気融着継
    手。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2382323A (en) * 2001-10-04 2003-05-28 Eads Deutschland Gmbh Bonding a flanged tube to a laminate base
GB2472831A (en) * 2009-08-20 2011-02-23 Radius Systems Ltd Method of sealing a plastics pipe and apparatus therefor

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