JPH09234630A - 研磨装置及び研磨方法 - Google Patents

研磨装置及び研磨方法

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JPH09234630A
JPH09234630A JP6905596A JP6905596A JPH09234630A JP H09234630 A JPH09234630 A JP H09234630A JP 6905596 A JP6905596 A JP 6905596A JP 6905596 A JP6905596 A JP 6905596A JP H09234630 A JPH09234630 A JP H09234630A
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JP
Japan
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workpiece
polishing
electric field
electrorheological fluid
electrode
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Application number
JP6905596A
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English (en)
Inventor
Etsuro Nakada
悦郎 中田
Naoyuki Yoshimura
直行 吉村
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工面の形状のいかんに拘らず、また、導電
性材料や非導電性材料の区別なく、能率的かつ確実に研
磨,バリ取りなどを実現可能にする。 【解決手段】 加工物31の加工面31aに晒す電場を
発生する電場発生手段Pを設け、電場発生手段Pが発生
する電場中に置かれた電気粘性流体を、流体流動手段Q
により、少なくとも上記加工面31に接触するように流
動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体中に分散さ
せた微小な砥粒を用いて加工物の精密研磨を実施するた
めの研磨装置および研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロマシンといわれる小形
機械,航空宇宙分野で使用される精密機械,電子ディバ
イス等においては、寸法の小ささ,形状の複雑さ,表面
粗度や幾何公差の精度の高さ等が要求され、そのための
精密研磨法が必要となる。
【0003】そして、かかる精密研磨法が、例えば、黒
部利次外著に係る「電気泳動現象利用による表面研磨
(精密光学会誌,Vo1.52 No.3 1986
P547)」に開示されている。
【0004】これによれば、図10に示すように、酸化
ケイ素やアルミナの微粒子1を容器5内の液体2中に分
散させ、電極3,4に正負の電圧を印加して電場を印加
すると、電気泳動現象が現れ、微粒子1が一方の電極3
に引きつけられて粒子吸着層ができる。
【0005】この状態で両電極3,4を相対的に滑らせ
ると、一方の電極3または両方の電極3,4の表面が分
散粒子によって削られ、滑らかな平面が得られる。つま
り、加工物を一方の電極に設定すれば、望みの研磨面が
得られる。
【0006】この電気泳動による研磨装置と加工原理に
ついて説明すると、図11は、この研磨装置を示す概念
図であって、容器11内には加工液12が入っており、
容器11の底部には対向工具面13が設けられている。
【0007】また、加工液12中に試料ホルダ14が設
置されており、試料ホルダ14の対向工具面13側に加
工物15が取り付けられている。容器11と試料ホルダ
14は回転しており、電源16からブラシ17を介して
電圧Vが加えられている。
【0008】この場合の加工原理を図12に示すが、こ
の図では、加工物15をプラスの電極とし、対向工具面
13をマイナスの電極とし、加工液12中の粒子12a
がマイナスに帯電しているものとしている。
【0009】これによれば、粒子12aは、加工物15
側に引き寄せられ、この状態で加工物15を対向工具面
13に対して相対的に滑らせると、粒子12aは、加工
液12の流動抵抗のために、移動する加工物15につい
て行けず、粒子12aと加工物15との間で滑りが発生
する。この時の粒子12aは、砥粒であり、加工物15
の表面を磨く。
【0010】なお、図12では粒子12aがマイナスに
帯電している場合を示したが、帯電は粒子12aの材種
と加工液12の誘電的性質によってきまるため、符号は
固定されたものではない。
【0011】図13は、電気泳動による研磨装置の他の
従来例を示す概念図であるが、これによれば、容器11
内には加工液12が入っており、容器11の底部には対
向工具面13が設けられている。
【0012】また、加工液12中に試料ホルダ14が設
置されており、試料ホルダ14の対向工具面13側に加
工物15が取り付けられている。試料ホルダ14は対向
工具面13側に移動可能になっている。
【0013】容器11中にマイナスの電極18が設けら
れており、試料ホルダ14側は実質的にマイナス側とな
るように設定されている。容器11と試料ホルダ14は
回転しており、容器11の底部の対向工具面13は電源
16からブラシ17を介して電圧Vが加えられている。
【0014】この場合の加工原理を図14に示すが、こ
の図では、加工物15をマイナスの電極、対向工具面1
3をプラスの電極、加工液12中の粒子12aがマイナ
スに帯電しているものとしている。
【0015】このため、粒子12aは、対向工具面13
側に引き寄せられ、この状態で加工物15を対向工具面
13側に押しつけ、かつ、相対的に滑らせると、粒子1
2aは、対向工具面13にくっついており、かつ加工液
12中にあるので、その流動抵抗のために、移動する加
工物15について行けず、粒子12aと加工物15との
間で滑りが発生する。この時の粒子12aは、砥粒であ
り、加工物15の表面を磨くことになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の研磨装置のうち、図11に示すものにあっては、
加工物15と砥粒間の相対滑りによって研磨が行われ、
この滑りの程度を決定するのが、粒子12aと加工液1
2との間に作用する抵抗力である。
【0017】しかし、本質的にその抵抗力を加工物15
と粒子12aとの間に働く力ほど大きくすることができ
ず、従って、研磨速度が遅くなったり、十分な研磨がで
きない場合があるなどの課題があった。
【0018】一方、図13に示すものにあっては、粒子
12aは対向工具面13にくっついているので、粒子1
2aと加工物15との間には十分に大きな滑りが得られ
るものの、粒子12aと加工物15を安定して接触させ
ることがむずかしい。
【0019】また、対向工具面13にくっついている粒
子12aの数や形態は必ずしも一様ではなく、従って、
図14に示す、加工物15と対向工具面13間の距離h
を一定にしても、加工物15に接触する粒子12aの数
は加工物15の表面全体にわたって一様ではない。
【0020】従って、全体の研磨速度を遅くしたり、場
合によっては、場所による研磨程度にアンバランスを生
じるなどの課題があった。
【0021】また、上記研磨装置によるいずれの研磨方
法においても、加工物15と対向工具面13との間に相
対運動を与える必要があるため、研磨面が必然的に平面
になり、円筒内面や溝側面の加工が難しく、さらに、凹
凸部,曲面,入口の狭い容器の内面や異形断面等の研磨
加工ができないという課題があった。
【0022】さらに、隅部・角部のバリ取り、エッジの
加工などの部分研磨ができず、加工物15を研磨装置内
に入れなければならないので、大きなものが加工でき
ず、一方、小さいものには精密な装置が要求され、高価
になるなどの課題があった。
【0023】この発明は、上記のような従来の課題を解
決するものであり、加工物に機械的な運動を与えずに、
加工物の内面,外面,端面,曲面,入口の狭い容器の内
面,異形断面内外面などの任意の面の研磨や、隅部,角
部のバリ取りやエッジの加工を実現でき、加工物の大き
さの制限なく、部品単体でも、組立後でも所期の研磨加
工を容易かつ確実に実施できる研磨装置および研磨方法
を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1の発明にかかる研磨装置は、加工物の
加工面に晒す電場を発生する電場発生手段を設け、該電
場発生手段が発生する電場中に置かれた電気粘性流体を
流体流動手段により少なくとも上記加工面に接触するよ
うに流動させるようにしたものである。
【0025】請求項2の発明にかかる研磨装置は、上記
電場発生手段を流れる電流値にもとづいて上記加工物の
加工面における表面粗度を判定する粗度判定手段を設け
たものである。
【0026】請求項3の発明にかかる研磨装置は、上記
加工物の加工面を通過した電気粘性流体を介在する二つ
の検出電極間に電圧を印加し、両検出電極間に流れる電
流値にもとづいて上記電気粘性流体に含まれる上記加工
物の加工粉の混入状況を測定する加工粉混入状況測定手
段を設けたものである。
【0027】請求項4の発明にかかる研磨装置は、上記
加工物の加工面を通過する電気粘性流体に混入した上記
加工物の加工粉を回収する加工粉回収手段を設けるとし
たものである。
【0028】請求項5の発明にかかる研磨装置は、上記
加工物を、上記電場発生手段を構成する電場発生のため
の少なくとも一方の電極とするようにしたものである。
【0029】請求項6の発明にかかる研磨装置は、上記
電場発生手段を構成する電場発生のための少なくとも一
方の電極を、加工物の研磨形状に対応する形状としたも
のである。
【0030】請求項7の発明にかかる研磨装置は、上記
電気粘性流体を、無機質系分散粒子をベースオイルに分
散させたものとしたものである。
【0031】請求項8の発明にかかる研磨装置は、上記
電気粘性流体を、高分子系分散粒子をベースオイルに分
散させたものとしたものである。
【0032】請求項9の発明にかかる研磨方法は、電場
発生手段が発生する電場中に置かれた電気粘性流体を流
動させ、この電気粘性流体に含まれる分散粒子を砥粒と
してその電気粘性流体に接触する加工物を研磨するよう
にしたものである。
【0033】請求項10の発明にかかる研磨方法は、上
記加工物の異なる複数の部位を同時に研磨するようにし
たものである。
【0034】請求項11の発明にかかる研磨方法は、上
記電場を発生する二つの電極間または一つの電極および
加工物の間に印加する電圧を可変とするものである。
【0035】請求項12の発明にかかる研磨方法は、上
記加工物の加工面を通過する電気粘性流体の流動流量を
可変とするようにしたものである。
【0036】請求項13の発明にかかる研磨方法は、上
記加工物に二以上の異なる研磨加工を同時に開始し、上
記加工物の各表面粗度の測定結果にもとづいて上記電場
発生のための各印加電圧をコントロールして、上記研磨
加工を同時に終了させるようにしたものである。
【0037】請求項14の発明にかかる研磨方法は、上
記加工物に二以上の異なる研磨加工を同時に開始し、上
記加工物の各表面粗度の測定結果にもとづいて上記電気
粘性流体の流動流量をコントロールして、上記研磨加工
を同時に終了させるようにしたものである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図について説明するが、本発明は、従来の電気泳動を利
用するものとは異なり、電気粘性流体を用いて種々の形
状,部位の研磨を行おうとするものであり、以下に、こ
の電気粘性流体による研磨方法の原理を図2および図3
について説明する。
【0039】上記電気粘性流体は、図2に示すように、
分散媒としての絶縁性のベースオイル21に分散質とし
ての微小な粒子22を分散させたものである。この電気
粘性流体を介在する二つの電極23,24間に、図3に
示すように、電源25から電圧を印加すると、この図に
示すような微小な粒子22のつながりができ、これがク
ラスターと呼ばれる。
【0040】電圧印加を止めると、クラスターはちぎ
れ、粒子22がもとのバラバラの状態に戻る。クラスタ
ーができると、これが流れの抵抗となり、電圧のオン/
オフにより流動抵抗を変化させることができることか
ら、電気粘性流体と呼ばれる。クラスターの結合力は、
加える電圧の大きさによって変化させることができる。
【0041】また、図3において、2枚の電極23,2
4間に電圧を印加したまま、電気粘性流体に圧力PAを
負荷した場合を考える。その圧力PAが粒子22と電極
23,24間の結合力を超える圧力以上になると、粒子
22は電極表面を滑り始める。
【0042】この時、粒子22は、各電極23,24の
表面を削る形になる。この発明は、この特性を利用した
ものであり、粒子22と電極23,24間の結合力は、
印加電圧によって変更できるので、好みの削り方の研磨
ができる。
【0043】図1は、この発明の実施の一形態を示す研
磨装置の概念図であって、この研磨装置は、基本的に研
磨すべき加工物31の加工面31aに電場を晒す電極2
3Aと電源25とを有し、電極23Aは、電源25のプ
ラス側に接続され、マイナス電極を兼ねる加工物31
は、電源25のマイナス側に接続されている。
【0044】ここで、上記電源25,電極23Aおよび
加工物31は、電場発生手段Pを構成している。なお、
32は電圧計である。
【0045】また、上記加工物31は、例えば、楕円断
面の曲管であり、これが内周にリング溝33を有し、上
記リング溝33付近に対向するように、上記電極23A
が配置されている。
【0046】また、上記曲管は、座ぐり穴34および軸
方向溝35を有し、さらに内外に貫通する斜め孔36お
よび横孔37を有するような場合でも良く、この場合に
は、図示を省略するが、それぞれに必要な電極が配置さ
れる。
【0047】また、38は、電気粘性流体を収容した第
1のタンク、39は、第1のタンク38から汲み上げた
電気粘性流体を上記加工物31としての曲管内の一端に
圧送するポンプ、40は、その電気粘性流体を供給する
通路41の途中に設けられたバルブである。ここで、ポ
ンプ39,バルブ40および通路41,42は、流体流
動手段Qを構成している。
【0048】さらに、43は、上記曲管の他端から通路
42を通じて送出される電気粘性流体を受ける第2のタ
ンクである。
【0049】かかる構成になる研磨装置では、上記電極
23Aおよび加工物31間に電源25から電圧を印加
し、さらに、上記ポンプ39によって曲管内に電気粘性
流体を送り込むと、この加工物31と電極23Aとの間
に図3に示すようなクラスターが発生する。
【0050】そして、このクラスターは、電気粘性流体
の流れに従って、曲管である加工物31の内面(加工
面)を滑るように研磨していき、このとき、各リング溝
33,座ぐり穴34,軸方向溝35,斜め孔36および
横孔37の角部のバリも同時に除去される。
【0051】なお、このとき上記斜め孔36や横孔37
内に電極(図示しない)を設置するとともに、これらか
ら第2のタンク43に至る流路を構成することで、これ
らの各孔36,37の研磨も同時または独立して実施す
ることができる。
【0052】また、図4の研磨装置において、加工物3
1Aとともに電圧が印加される電極23Bを上記加工物
31とともに研磨が必要となる相手部品としてもよい。
【0053】この場合には、製品機能上相互に対応する
相手部品を同時に加工できる、すなわち、これらの各加
工物31および加工物31Aである電極23Bは、上記
クラスターによって同時に研磨される。
【0054】図5は、この発明の実施のさらに他の形態
を示すもので、円筒状の加工物31Bの中心軸線上に電
極23Cを設置して、この電極23Cと加工物31Bと
の間に電圧を印加するようにしたものである。また、電
源25と電極23Cとを結ぶ電気回路の途中に、電流計
46を含む粗度判定手段45を接続したものである。
【0055】この形態によれば、電圧印加時に流れる電
流値を上記電流計で観察し、加工物31B内面の加工精
度を判定することができる。すなわち、上記と同様の研
磨動作中において、上記内面が平滑化していくと、この
内面でのクラスターの粒子22との接触条件が変化し、
上記電極23Cに流れる電流値が変化する。
【0056】従って、図6に示すような内面粗度と上記
電流値との対応関係(特性)を予め調べておくことによ
り、これを基準データとして設定電流値に対応する目標
の粗度を迅速かつ確実に達成できる。
【0057】ところで、加工物31Bからの電気粘性流
体を第2のタンク43に回収して再使用しようとする場
合や研磨加工の継続中には、流動する電気粘性流体の中
には研磨粉やバリなどの加工粉が混入する。
【0058】この加工粉が導電性の物質である場合に
は、この加工粉を介して電流回路が形成され、所望の電
圧を印加できなくなる場合がある。従って、これらの加
工粉は上記内面粗度を電流値にもとづいて検出しようと
する場合に、検出誤差発生の原因となる。
【0059】そこで、このような不具合を解消すべく、
この発明では加工粉の混入状況を測定し、その結果に応
じて加工粉を除去するようにしている。
【0060】図7は、このような機能を備えた研磨装置
を示す概念図であり、図3について説明したものと同一
の構成部分には同一符号を付して、その重複する説明を
省略してある。
【0061】51,52は、通路41から分岐した分岐
通路で、ポンプ39から送出される電気粘性流体を加工
物31の一端およびこの加工物31の横孔37の一端に
それぞれ供給可能にしている。
【0062】40A,40Bは、各分岐通路51,52
の途中に設けた流量調整用のバルブ、25A,25Bは
電源で、電源25Aは、粗度判定手段45Aを介して電
極23Dおよび工作物31C間に電圧を印加しており、
電源25Bは、横孔37内に挿入された電極23Eおよ
び工作物31C間に粗度判定手段45Bを介して電圧を
印加している。なお、32A,32Bは電圧計、46
A,46Bは電流計である。
【0063】また、上記加工物31の流体出口側には加
工粉混入状況測定手段53が設けられている。これは、
その流体出口側の通路42を挟む一対の検出電極54,
55と、これらの検出電極54,55間に電圧を供給す
る電源25Cと、上記検出電極54,55間に流れる電
流を検出して加工粉の流入量を測定する電流計46C
と、電圧計32Cとからなる。
【0064】さらに、56は、上記通路42の排出端側
に設けられた加工粉回収手段であり、これがマグネット
構造を採用したものやフィルタ構造を採用したものが用
いられる。
【0065】図7においては、研磨加工中において、上
記各粗度判定手段45A,45Bによって工作物31C
の内面および横孔37の内面の粗度を共に判定するとと
もに、この研磨加工中に上記通路を流下する電気粘性流
体中に含まれる加工粉の変化を、二つの検出電極54,
55間に流れる電流の変化として電流計46Cにより検
出する。
【0066】すなわち、加工粉混入状況測定手段53
は、上記電流検出によって、例えば、上記加工粉が上記
内面粗度の判定に影響がある電流レベルを超えるか否か
を判定する。
【0067】そして、もし加工粉が設定レベルを超えた
と判断できる電流値を電流計46Cが検出した場合に
は、上記加工粉回収手段56が作動して、タンク43へ
排出される電気粘性流体中の加工粉を除去するように機
能する。
【0068】なお、この実施の形態において、研磨加工
の程度は、上記電極23Dや電極23Eに印加する電圧
の大きさを調整することにより、また、上記バルブ4
0,40A,40Bの開度調整による電気粘性流体の流
量調節または圧力調節によって、任意に選択できるもの
である。
【0069】また、時々刻々計測している電流値にもと
づいて、以後の必要とする研磨加工量を推定することに
よって、必要とする電圧値を電極23D,23Eに印加
することができる。
【0070】そして、これらの各調節機能によって、二
以上の研磨加工を同時に開始して同時に終了させること
ができ、これにより加工能率を上げることができる。
【0071】なお、研磨すべき部位に対して電極23
D,23Eの形状を任意に選択してセットすることによ
り、局部的に特殊形状(パターン)の研磨加工も実現可
能である。
【0072】図8は、例えば、コ字状の板61の内面に
研磨部62を局部的に形成したものを示し、ここで、6
3は未研磨部である。
【0073】また、加工物は、電極間に挟まれて電場が
印加されておればよく、必ずしも電極の一方を加工物と
する必要がなく、従って、金属のほかセラミック,プラ
スチックなどの非導体に対する研磨加工が可能になる。
【0074】図9は、このような非電導体の研磨装置を
概念的に示し、ここでは矩形リング筒状をなす一方の電
極23F内に、チャンネル状の非電導体の加工物31D
を配置し、さらに、この加工物31Dのチャンネル溝内
にこのチャンネル溝形状に対応する電極23Gを配置
し、これらの各電極23F,23G間に電源25Dから
電場発生のための電圧を印加するようにしてある。
【0075】この態様では、上記電圧の印加によって電
極23F内に流動させた電気粘性流体の粒子によって、
非電導体の上記加工物31Dの外側面や内側面を研磨す
ることができる。この場合において、研磨能率を上げる
必要がある場合には、上記印加する電圧の大きさや電気
粘性流体の種類および圧力を任意に選定することで対応
可能となる。
【0076】また、この発明では、上記のように加工物
31A〜31Dとこれらにそれぞれ対応する電極23C
乃至23Gとの間に相対運動を発生させる必要がなく、
単に電気粘性流体を流すだけでよいため、加工物の加工
面が円筒内面,溝面,凹凸面,曲面,入口の狭い容器の
内面,異形断面などの細部の研磨のほか、隅部,角部の
バリ取りやエッジ加工を容易に実施できる。
【0077】また、平面や曲面であってもこれらの必要
部位のみの局部的研磨も容易に行えるほか、異なる複数
の部位を同時に加工仕上でき、加工物の大きさに関係な
く、部品単体の加工,部品組立後の加工を実施できる。
さらに、専用の研磨機を用意する必要がなく汎用機を用
いて安価に研磨できる。
【0078】さらに、電気粘性流体の使用によって、印
加電圧の変化に応じて加工の程度を自由にコントロール
でき、使用する分散粒子に制約がないため、加工目的に
応じて例えば硬度の高い加工材では無機質系分散粒子を
用い、硬度の低い加工材や薄い加工材では高分子系分散
粒子を用いて所期の加工を実現できる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、加工物の加工面に晒す電場を発生する電場発生手段
を設け、該電場発生手段が発生する電場中に置かれた電
気粘性流体を流体流動手段で少なくとも上記加工面に接
触するように流動させるように構成したので、電気粘性
流体を加工物の加工面に接触するように流動させること
によって、この中に混入された粒子のクラスターによっ
て加工面の形状のいかんに拘らず、また、導電性材料や
非導電性材料の区別なく、能率的かつ確実に研磨,バリ
取りなどをローコストに実現できるものが得られる効果
がある。
【0080】また、請求項2の発明によれば、上記電場
発生手段を流れる電流値にもとづいて上記加工物の加工
面における表面粗度を判定する粗度判定手段を設けるよ
うに構成したので、粗度の判定結果に応じた電圧調整ま
たは電気粘性流体の流量調整や圧力調整によって、所期
の研磨強度および速度を任意に選定できるという効果が
得られる。
【0081】また、請求項3の発明によれば、上記加工
物の加工面を通過した電気粘性流体を介在する二つの検
出電極間に電圧を印加し、両検出電極間に流れる電流値
にもとづいて上記電気粘性流体に含まれる上記加工物の
加工粉の混入状況を測定する加工粉混入状況測定手段を
設けるように構成したので、研磨に使用された電気粘性
流体の加工粉による汚染度合を自動検出でき、この検出
結果に従ってその電気粘性流体の交換を捉したり、加工
粉の除去作業を捉したりすることができるという効果が
得られる。
【0082】また、請求項4の発明によれば、上記加工
物の加工面を通過する電気粘性流体に混入した上記加工
物の加工粉を回収する加工粉回収手段を設けるように構
成したので、研磨に使用した電気粘性流体の再利用を可
能にして、運転コストの低減を図ることができるという
効果が得られる。
【0083】また、請求項5の発明によれば、上記加工
物を、上記電場発生手段を構成する電場発生のための少
なくとも一方の電極とするようにしたので、少ない電力
損失にて加工物自体の研磨を効率的に実施できるという
効果が得られる。
【0084】また、請求項6の発明によれば、上記電場
発生手段を構成する電場発生のための少なくとも一方の
電極を加工物の研磨形状に対応する形状とするようにし
たので、上記加工物の加工を必要とする部位のみの研磨
を集中して実現できるという効果が得られる。
【0085】また、請求項7の発明によれば、上記電気
粘性流体を、無機質系分散粒子をベースオイルに分散さ
せたものとするように構成したので、硬度の高い加工材
をも容易かつ適切に研磨できるという効果が得られる。
【0086】また、請求項8の発明によれば、上記電気
粘性流体を、高分子系分散粒子をベースオイルに分散さ
せたものとするように構成したので、硬度の低い材質や
薄い材質の加工材を最適の状態にて迅速に研磨できると
いう効果が得られる。
【0087】また、請求項9の発明によれば、電場発生
手段が発生する電場中に置かれた電気粘性流体を流動さ
せ、この電気粘性流体に含まれる分散粒子を砥粒として
その電気粘性流体に接触する加工物を研磨するようにし
たので、電極や加工物を回転などの相対運動をさせるこ
となく、あらゆる形状の加工面を任意の速度および精度
にて研磨,研削できるという効果が得られる。
【0088】また、請求項10の発明によれば、上記加
工物の異なる複数の部位を同時に研磨するようにしたの
で、同一または異なる加工品の研磨作業の能率を大幅に
向上でき、均一の仕上り面を同時に得られるという効果
がある。
【0089】また、請求項11の発明によれば、上記電
場を発生する二つの電極間または一つの電極および加工
物の間に印加する電圧を可変とするようにしたので、研
磨速度および仕上り具合を任意に設定できるという効果
が得られる。
【0090】また、請求項12の発明によれば、上記加
工物の加工面を通過する電気粘性流体の流動流量を可変
とするようにしたので、研磨速度および仕上り具合を任
意に設定できるという効果が得られる。
【0091】また、請求項13の発明によれば、上記加
工物に二以上の異なる研磨加工を同時に開始し、上記加
工物の各表面粗度の測定結果にもとづいて上記電場発生
のための各印加電圧をコントロールして上記研磨加工を
同時に終了させるようにしたので、研磨加工の能率化と
加工時間の管理を統一化できるという効果が得られる。
【0092】また、請求項14の発明によれば上記加工
物に二以上の異なる研磨加工を同時に開始し上記加工物
の各表面粗度の測定結果にもとづいて上記電気粘性流体
の流動流量をコントロールして上記研磨加工を同時に終
了させるようにしたので、研磨加工の能率化と加工時間
の管理を統一化できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による研磨装置を示す
概念図である。
【図2】この発明による研磨方法の原理を示す説明図で
ある。
【図3】この発明による研磨方法の原理を示す説明図で
ある。
【図4】この発明の実施の一形態による研磨方法を示す
説明図である。
【図5】この発明の実施の他の形態による研磨装置を示
す概念図である。
【図6】図5に示す粗度判定手段の判定基準に利用する
特性図である。
【図7】この発明の実施の他の形態による研磨装置を示
す概念図である。
【図8】この発明の実施の他の形態による研磨方法を示
す説明図である。
【図9】この発明による非導体の加工物に対する研磨方
法を示す説明図である。
【図10】一般の電気泳動現象を示す説明図である。
【図11】従来の電気泳動による研磨装置を示す概念図
である。
【図12】図11に示す研磨装置による研磨加工の原理
を示す説明図である。
【図13】従来の電気泳動による他の研磨装置を示す概
念図である。
【図14】図13に示す研磨装置による研磨加工の原理
を示す説明図である。
【符号の説明】
31,31A,31B,31C,31D 加工物 P 電場発生手段 Q 流体流動手段 23,23A,23B,23C,23D,23E,23
F 電極 45,45A,45B 粗度判定手段 53 加工粉混入状況測定手段 54,55 検出電極 56 加工粉回収手段

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工物の加工面に晒す電場を発生する電
    場発生手段と、該電場発生手段が発生する電場中に置か
    れた電気粘性流体を少なくとも上記加工面に接触するよ
    うに流動させる流体流動手段と、を備えた研磨装置。
  2. 【請求項2】 上記電場発生手段を流れる電流値にもと
    づいて上記加工物の加工面における表面粗度を判定する
    粗度判定手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の研磨装置。
  3. 【請求項3】 上記加工物の加工面を通過した電気粘性
    流体を介在する二つの検出電極間に電圧を印加しこれら
    の両検出電極間に流れる電流値にもとづいて上記電気粘
    性流体に含まれる上記加工物の加工粉の混入状況を測定
    する加工粉混入状況測定手段を設けたことを特徴とする
    請求項1に記載の研磨装置。
  4. 【請求項4】 上記加工物の加工面を通過する電気粘性
    流体に混入した上記加工物の加工粉を回収する加工粉回
    収手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の研磨
    装置。
  5. 【請求項5】 上記加工物が上記電場発生手段を構成す
    る電場発生のための少なくとも一方の電極であることを
    特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
  6. 【請求項6】 上記電場発生手段を構成する電場発生の
    ための少なくとも一方の電極が上記加工物の研磨形状に
    対応する形状とされていることを特徴とする請求項1に
    記載の研磨装置。
  7. 【請求項7】 上記電気粘性流体が無機質系分散粒子を
    ベースオイルに分散させたものであることを特徴とする
    請求項1に記載の研磨装置。
  8. 【請求項8】 上記電気粘性流体が高分子系分散粒子を
    ベースオイルに分散させたものであることを特徴とする
    請求項1に記載の研磨装置。
  9. 【請求項9】 電場発生手段が発生する電場中に置かれ
    た電気粘性流体を流動させこの電気粘性流体に含まれる
    分散粒子を砥粒としてその電気粘性流体に接触する加工
    物を研磨する研磨方法。
  10. 【請求項10】 上記加工物の異なる複数の部位を同時
    に研磨する請求項9に記載の研磨方法。
  11. 【請求項11】 上記電場を発生する二つの電極間また
    は一つの電極および加工物の間に印加する電圧を可変と
    することを特徴とする請求項9に記載の研磨方法。
  12. 【請求項12】 上記加工物の加工面を通過する電気粘
    性流体の流動流量を可変とすることを特徴とする請求項
    9に記載の研磨方法。
  13. 【請求項13】 上記加工物に二以上の異なる研磨加工
    を同時に開始し上記加工物の各表面粗度の測定結果にも
    とづいて上記電場発生のための各印加電圧をコントロー
    ルして、上記研磨加工を同時に終了することを特徴とす
    る請求項11に記載の研磨方法。
  14. 【請求項14】 上記加工物に二以上の異なる研磨加工
    を同時に開始し上記加工物の各表面粗度の測定結果にも
    とづいて上記電気粘性流体の流動流量をコントロールし
    て上記研磨加工を同時に終了することを特徴とする請求
    項11に記載の研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021169316A1 (zh) * 2020-02-27 2021-09-02 苏州大学 一种利用电流变效应抛光人工晶状体的装置及方法

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