JPH09229750A - 液体に浮かばない２個の物体の浮力及び重力を用い る該液体の液面計測及び制御 - Google Patents
液体に浮かばない２個の物体の浮力及び重力を用い る該液体の液面計測及び制御Info
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- JPH09229750A JPH09229750A JP7843196A JP7843196A JPH09229750A JP H09229750 A JPH09229750 A JP H09229750A JP 7843196 A JP7843196 A JP 7843196A JP 7843196 A JP7843196 A JP 7843196A JP H09229750 A JPH09229750 A JP H09229750A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液体に浮かばない２個の固体中実物体のアル
キメデスの原理と天秤平衡の理論の組合せ（重心固定に
よる位置エネルギー不変則）による作用を利用した液面
計測及び制御の方法を提供する。 【構成】 ２個の固体中実物体１、２があり、これらを
天秤棒の両端に吊り下げて、固体中実物体１、２の両方
又は１方を液体に部分浸漬して、物体１、２が平衡状態
に達し得る構成を特徴とする。
キメデスの原理と天秤平衡の理論の組合せ（重心固定に
よる位置エネルギー不変則）による作用を利用した液面
計測及び制御の方法を提供する。 【構成】 ２個の固体中実物体１、２があり、これらを
天秤棒の両端に吊り下げて、固体中実物体１、２の両方
又は１方を液体に部分浸漬して、物体１、２が平衡状態
に達し得る構成を特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、液面を計測及び制御す
るに際して、当該液体に浮揚しない固体で且つ中空でな
い２個の物体（以後これらを「固体中実物体」と称す
る）の間における浮力と重力の平衡を利用する液面計測
及び制御の方法に関するものである。
るに際して、当該液体に浮揚しない固体で且つ中空でな
い２個の物体（以後これらを「固体中実物体」と称す
る）の間における浮力と重力の平衡を利用する液面計測
及び制御の方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、液面を検知するものとしては、単
独で該液体の液面に自由浮揚する該液体の比重より小さ
な比重を持つ１個の浮子と呼ばれるものを用いる方法、
１個の柱状浮子の見掛けの重量変化をドラム中心軸のね
じりバネのねじれ角変位に変換する方法、該液体に浮か
ばない球に近い形状のディスプレーサ（ｄｉｓｐｌａｃ
ｅｒ）と呼ばれる１個の物体をワイヤーで該液体中に吊
り下げて外部駆動力によって積極的に上下に移動してワ
イヤーの張力変化をコンピュータ解析して液面或は異種
液体境界面を算出する方法がある。
独で該液体の液面に自由浮揚する該液体の比重より小さ
な比重を持つ１個の浮子と呼ばれるものを用いる方法、
１個の柱状浮子の見掛けの重量変化をドラム中心軸のね
じりバネのねじれ角変位に変換する方法、該液体に浮か
ばない球に近い形状のディスプレーサ（ｄｉｓｐｌａｃ
ｅｒ）と呼ばれる１個の物体をワイヤーで該液体中に吊
り下げて外部駆動力によって積極的に上下に移動してワ
イヤーの張力変化をコンピュータ解析して液面或は異種
液体境界面を算出する方法がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】これらには、次のよう
な欠点がある。 （イ）浮子は中空気密殻の内部に気体を閉じ込めたもの
である。その変形として、乾燥した木材のような微細な
気泡の集合体の表層に樹脂を含浸して固めたものがあ
る。これらは気体の膨張収縮による疲労亀裂、腐食によ
って気密が破れやすい。これに対抗するには高度の気密
技術をもってするか、消耗品化するかのいずれかであ
る。前者は高価であり、後者は高い信頼性を必要とする
個所には使用出来ない。 （ロ）１個の柱状浮子の見掛けの重量変化は、同一の液
面変位であっても該液体の比重が変化したり、異種液体
と入れ代った場合、精度が得られない。特に比重が大き
く異なる異種液体と入れ代った場合は大きく異なる測定
値となって表れるので、同一条件での計測は出来ない。 （ハ）液体に浮かばない、球に近い形状のディスプレー
サ（ｄｉｓｐｌａｃｅｒ）と呼ばれる１個の物体を使用
する方法はコンピュータ解析を必要とし非常に高度の技
術であるが、非常に高価である。安価で多数必要な分野
には適応しない。
な欠点がある。 （イ）浮子は中空気密殻の内部に気体を閉じ込めたもの
である。その変形として、乾燥した木材のような微細な
気泡の集合体の表層に樹脂を含浸して固めたものがあ
る。これらは気体の膨張収縮による疲労亀裂、腐食によ
って気密が破れやすい。これに対抗するには高度の気密
技術をもってするか、消耗品化するかのいずれかであ
る。前者は高価であり、後者は高い信頼性を必要とする
個所には使用出来ない。 （ロ）１個の柱状浮子の見掛けの重量変化は、同一の液
面変位であっても該液体の比重が変化したり、異種液体
と入れ代った場合、精度が得られない。特に比重が大き
く異なる異種液体と入れ代った場合は大きく異なる測定
値となって表れるので、同一条件での計測は出来ない。 （ハ）液体に浮かばない、球に近い形状のディスプレー
サ（ｄｉｓｐｌａｃｅｒ）と呼ばれる１個の物体を使用
する方法はコンピュータ解析を必要とし非常に高度の技
術であるが、非常に高価である。安価で多数必要な分野
には適応しない。
【０００４】
【課題を解決するための手段】１個の浮子に対応するも
のとして、２個の固体中実物体を用いることによって、
高度で高価な気密技術の必要性と気密破れの畏れは解消
する。本発明においては対象とする液体の比重による液
面測定値のちがいは、比重が大きく異なる異種液体と入
れ代った場合でも、理論上生じない。本発明は、単純な
原理を組み合わせたものであり、家庭用の灯油タンクの
液面計から大規模な設備における液面の計測及び制御ま
でを実用に耐える程度以上の信頼度において適用可能で
ある。
のとして、２個の固体中実物体を用いることによって、
高度で高価な気密技術の必要性と気密破れの畏れは解消
する。本発明においては対象とする液体の比重による液
面測定値のちがいは、比重が大きく異なる異種液体と入
れ代った場合でも、理論上生じない。本発明は、単純な
原理を組み合わせたものであり、家庭用の灯油タンクの
液面計から大規模な設備における液面の計測及び制御ま
でを実用に耐える程度以上の信頼度において適用可能で
ある。
【０００５】
【作用】図１及び図２によって作用を述べる。本発明は
２原理即ちアルキメデスの原理と系に働く力のモーメン
トの和の作用を組合せて（または重心固定による位置エ
ネルギー不変則を浮力の存在のもとで）利用する。物体
１、２の下端が液面Ｈ０−Ｈ０にちようど接している状
態で平衡を保つことが出来る。この状態を基準状態とす
る（図１参照）。基準状態では図１中式が成立する。
つぎに、液面がＨ１−Ｈ１まで、ｘだけ上昇したとき物
体１がｙだけ上昇して新しい平衡に達することが出来る
（図２参照）。このとき、図２中式が成立する。式
を考慮して式を整理変形すると該液体の比重ρが消去
されて図２中式を得る。式中比例定数Ｋは、物体
１、２の比重と寸法及び天秤棒３の寸法によってのみ定
まり、該液体の比重、液面の位置に無関係な定数であ
る。ここに、ｘｏｃｙｏｃｓｉｎθの関係があり、この
作用を利用して液面の計測及び制御が実現できる。
２原理即ちアルキメデスの原理と系に働く力のモーメン
トの和の作用を組合せて（または重心固定による位置エ
ネルギー不変則を浮力の存在のもとで）利用する。物体
１、２の下端が液面Ｈ０−Ｈ０にちようど接している状
態で平衡を保つことが出来る。この状態を基準状態とす
る（図１参照）。基準状態では図１中式が成立する。
つぎに、液面がＨ１−Ｈ１まで、ｘだけ上昇したとき物
体１がｙだけ上昇して新しい平衡に達することが出来る
（図２参照）。このとき、図２中式が成立する。式
を考慮して式を整理変形すると該液体の比重ρが消去
されて図２中式を得る。式中比例定数Ｋは、物体
１、２の比重と寸法及び天秤棒３の寸法によってのみ定
まり、該液体の比重、液面の位置に無関係な定数であ
る。ここに、ｘｏｃｙｏｃｓｉｎθの関係があり、この
作用を利用して液面の計測及び制御が実現できる。
【０００６】
【実施例】図３において、天秤棒３の左右腕の長さが等
しい実施例である。基準液面から満液液面に対応して天
秤棒３の最大傾きを左右対称にする。天秤棒３の最大傾
きに対応して左右対称の位置に天秤棒ストッパー７を設
けてある。液面が基準液面以下のとき液面を指示する指
針が零指示を指す様にするため物体１を物体２より僅か
に重く又僅かに下にあるようにし、この僅かに下にある
部分が没する液面がちょうど物体２の下面に接する液面
であり、物体１、２は平衡を保ち且つこの液面が基準液
面であるように設定調整する。その後、液面の上下に伴
う変位ｘを得るには、物体１の変位ｙまたは天秤棒３の
傾き角の変位量θを知ることによって得られる。
しい実施例である。基準液面から満液液面に対応して天
秤棒３の最大傾きを左右対称にする。天秤棒３の最大傾
きに対応して左右対称の位置に天秤棒ストッパー７を設
けてある。液面が基準液面以下のとき液面を指示する指
針が零指示を指す様にするため物体１を物体２より僅か
に重く又僅かに下にあるようにし、この僅かに下にある
部分が没する液面がちょうど物体２の下面に接する液面
であり、物体１、２は平衡を保ち且つこの液面が基準液
面であるように設定調整する。その後、液面の上下に伴
う変位ｘを得るには、物体１の変位ｙまたは天秤棒３の
傾き角の変位量θを知ることによって得られる。
【０００７】図４は、物体１、２の各々の重心が同一鉛
直線上で動くようにした基本例である。物体１の見掛け
の重量に対する位置エネルギー変化量と物体２の位置エ
ネルギー変化量の和が零（ゼロ）であるように動く。力
の平衡については、物体１の位置エネルギー変化量は物
体１と連動関係にある物体２のそれより僅かに大きくし
てあり、物体１が部分的に液体に浸漬することによる浮
力によって物体１の見掛けの重量が軽くなり、平衡を保
つことになる。液面変位は、物体１の変位となり、物体
１の変位と物体２の変位は比例する。従って液面変位
は、物体２の変位を知ることによって得られる。
直線上で動くようにした基本例である。物体１の見掛け
の重量に対する位置エネルギー変化量と物体２の位置エ
ネルギー変化量の和が零（ゼロ）であるように動く。力
の平衡については、物体１の位置エネルギー変化量は物
体１と連動関係にある物体２のそれより僅かに大きくし
てあり、物体１が部分的に液体に浸漬することによる浮
力によって物体１の見掛けの重量が軽くなり、平衡を保
つことになる。液面変位は、物体１の変位となり、物体
１の変位と物体２の変位は比例する。従って液面変位
は、物体２の変位を知ることによって得られる。
【０００８】図５の実施例は、従来のボウルタップ弁と
同様に使用し、液面を直接制御することが出来ることを
示すものである。本例では、天秤棒３の支点Ｏの左右の
腕の長さは等しい場合を考えている。力の平衡について
は、物体１の重量は物体２のそれより僅かに重くしてあ
り、物体１が部分的に液体に浸漬することによる浮力に
よって、両物体は平衡する。また、液体補給弁９から吐
出される液体の吐出力による力のモーメントに対抗する
ためには、液体補給が進んで液面が上昇し、それに伴っ
て物体１の部分的浸漬体積が増加することによって浮力
が増大しこの増大した浮力による力のモーメントによっ
て液体の吐出力による力のモーメントに対抗することが
できるようになる。従って所要の液面に達すると液体補
給弁９は閉鎖される。即ち、液面は制御される。
同様に使用し、液面を直接制御することが出来ることを
示すものである。本例では、天秤棒３の支点Ｏの左右の
腕の長さは等しい場合を考えている。力の平衡について
は、物体１の重量は物体２のそれより僅かに重くしてあ
り、物体１が部分的に液体に浸漬することによる浮力に
よって、両物体は平衡する。また、液体補給弁９から吐
出される液体の吐出力による力のモーメントに対抗する
ためには、液体補給が進んで液面が上昇し、それに伴っ
て物体１の部分的浸漬体積が増加することによって浮力
が増大しこの増大した浮力による力のモーメントによっ
て液体の吐出力による力のモーメントに対抗することが
できるようになる。従って所要の液面に達すると液体補
給弁９は閉鎖される。即ち、液面は制御される。
【０００９】
【発明の効果】液体と直接接する物体に使用する材料の
選択の範囲が広く、製作、工作が比較的容易である。ま
た、気密漏れの対策が不要となる。液体の比重による誤
差が極めて小さい。構造が単純であり、適用範囲が広
い。
選択の範囲が広く、製作、工作が比較的容易である。ま
た、気密漏れの対策が不要となる。液体の比重による誤
差が極めて小さい。構造が単純であり、適用範囲が広
い。
【図１】 基準液面のときの状態。
【図２】 任意の液面のときの液面変位量と物体１、２
の変位量の関係。
の変位量の関係。
【図３】 基本構成に近い状態の実施状態。
【図４】 同一鉛直線上での実施状態。
【図５】 液面直接制御の実施状態。
１ 重量Ｗ１、水平断面積Ｓ１の固体中実物体 ２ 重量Ｗ２、水平断面積Ｓ２の固体中実物体 ３ 天秤棒（図４のパンタグラフ） ４ 比重ρの液体 ５ 零（ゼロ）指示用重り ６ 揺れ止め鉛直ガイド ７ 天秤棒ストッパー ８ 液体補給配管 ９ 液体補給弁 Ａ 天秤棒３の１端から物体１をささえる支点 Ｂ 天秤棒３の他の１端から物体２をささえる支点 Ｋ 液面変位ｘと物体１の変位ｙの間の比例定数 Ｏ 天秤棒３の平衡支点 Ｈ０−Ｈ０ 基準液面 Ｈ１−Ｈ１ 任意液面 Ｓ１ 物体１の柱状のときの水平断面積 Ｓ２ 物体２の柱状のときの水平断面積 Ｗ１ 物体１の重量 Ｗ２ 物体２の重量 ａ 図１、図２の天秤棒３の左側腕の長さ ｂ 図１、図２の天秤棒３の右側腕の長さ ｘ 液面変位 ｙ 物体１の変位 θ 天秤棒３の傾き角の変位量 ρ 液体４の比重
Claims (7)
- 【請求項１】 図１、図２にて柱状物体１と２が天秤棒
３で繋がっている。支点Ｏは固定され、支点Ａ、支点Ｂ
は柱状物体１と２とともに上下に動く。柱状物体１と２
の支点Ｏについての各々の重力による力のモーメントは
等しい。また両物体の上下長さは同じで、体積と比重が
異なる。柱状物体１と２の比重は各々該液体の比重より
大きい。柱状物体１と２が浸液していないとき、互いに
水平の位置で平衡を保つことが出来る。次に液面が上が
って来て柱状物体１と２が浸液したとき、柱状物体１と
２が水平断面積が異なることによって両者の液面下の長
さが異なる位置で平衡する。このときの柱状物体１と２
の上下の位置差あるいは物体１又は２の変位と液面の変
位間には比例関係があることによる液面を計測する方法
及びこの柱状物体１と２の上下の位置差を与える浮力を
用いて液面を制御する方法。 - 【請求項２】 請求項１において、浮力と重力以外の力
と組合せた液面計測及び制御する方法。 - 【請求項３】 図３における基準液面指示の設定方法。
- 【請求項４】 図４において、物体１、２の各重心を同
一鉛直線上に置いて計測する方法。 - 【請求項５】 図５において、比重がより大なる物体２
は浸液させず、比重がより小なる物体１は一部浸液させ
た状態、即ち物体１が浮子の役割をはたすことを利用し
て液面計測及び制御する方法。 - 【請求項６】 所要の比重をもつ単一の材質の物体１ま
たは物体２が得られない場合は比重の異なる２個以上の
物体を物理的に組み合わすことにより１個の物体として
等価的に所要の比重をもつ物体を得る方法。 - 【請求項７】 物体１及び２が該液体に浮かぶものに取
り替えた場合についても、この方法が同様に成立ち、利
用出来ること。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7843196A JPH09229750A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 液体に浮かばない２個の物体の浮力及び重力を用い る該液体の液面計測及び制御 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7843196A JPH09229750A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 液体に浮かばない２個の物体の浮力及び重力を用い る該液体の液面計測及び制御 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09229750A true JPH09229750A (ja) | 1997-09-05 |
Family
ID=13661862
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7843196A Pending JPH09229750A (ja) | 1996-02-22 | 1996-02-22 | 液体に浮かばない２個の物体の浮力及び重力を用い る該液体の液面計測及び制御 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09229750A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR200446404Y1 (ko) * | 2007-08-10 | 2009-10-27 | 김권우 | 부력 측정장치 |
| CN105136111A (zh) * | 2015-08-25 | 2015-12-09 | 孙立民 | 一种建筑施工用水平差和高差测量仪 |
-
1996
- 1996-02-22 JP JP7843196A patent/JPH09229750A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR200446404Y1 (ko) * | 2007-08-10 | 2009-10-27 | 김권우 | 부력 측정장치 |
| CN105136111A (zh) * | 2015-08-25 | 2015-12-09 | 孙立民 | 一种建筑施工用水平差和高差测量仪 |
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