JPH09217954A - 床置型空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケースの上方から冷気を、ケースの下方から
暖気を吹き出して、冷暖房時の室内の温度分布を均一化
できる簡素かつ安価な床置型空気調和機を提供する。 【解決手段】 本体ケース１１の下部と上面と前面上部
とに、それぞれ吸込口１１a と冷気吹出口１１b と暖気
吹出口１１c とを設ける。上記本体ケース１１の前面を
覆いダクトを兼ねる前面パネル１９は、上記暖気吹出口
１１c と連通し、前面下部に下部吹出口１９a を有す
る。冷房時には、冷気吹出口１１b を開放すると共に暖
気吹出口１１c を閉塞し、暖房時には、冷気吹出口１１
b を閉塞すると共に暖気吹出口１１c を開放するダンパ
ー２０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冷房あるいは暖房
に応じて吹出風向を上下に切替えることができる床置型
空気調和機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、床置型空気調和機として、例えば
図５に示すようなものがある。この床置型空気調和機１
１０は、ケース１１１の中にファン１１２と熱交換器１
１３とを備え、上記ファン１１２によってケースの前面
下部の吸込口１１１a から吸い込まれた空気は、熱交換
器１１３に送られ、熱交換されて調和空気となってケー
スの上面の吹出口１１１b から吹き出される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の床置型空気調和機では、調和空気がケース１１１の
上面の吹出口１１１bから室内上方に向かって直接吹き
出されるため、冷房の場合には、冷気が下降循環するの
で室内上下部間の温度差は比較的少ないが、暖房の場
合、吹き出された暖気は室内上部に集まったままで下降
しないため、室内下部が暖まりにくく室内の温度差が著
しくなるという問題がある。

【０００４】そこで、本発明の目的は、調和空気の吹き
出し通路を工夫することによって、簡素かつ安価な構成
でもって、冷房時には冷気をケースの上方から吹き出
し、暖房時には暖気をケースの下方から吹き出して、冷
暖房時の室内の温度分布を均一化することができる床置
型空気調和機を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の床置型空気調和機は、内部にファンと熱交
換器とを収納すると共に、下部に吸込口を有し、上面と
前面上部とにそれぞれ吹出口を有する本体ケースと、上
記本体ケースの前面を覆うと共に、上記本体ケースの前
面上部の吹出口と連通する吹出口を前面下部に有し、ダ
クトを兼ねる前面パネルと、上記本体ケースの上面の吹
出口と上記本体ケースの前面上部の吹出口のいずれか一
方を開放し他方を閉鎖するダンパーとを備えたことを特
徴としている。

【０００６】上記床置型空気調和機において、冷房時に
は、本体ケースの上面の吹出口を開放し,かつ前面上部
の吹出口を閉鎖する位置にダンパーを切り換える。する
と、本体ケース下部の吸込口からファンにより吸い込ま
れた空気は、熱交換器により冷気となって本体ケースの
上面の吹出口から上方へ吹き出される。上方へ吹き出さ
れた冷気は、重いので自然に下降し、室内は、上下部間
の温度差が少なくなって均一に冷房される。一方、暖房
時には、逆に上面の吹出口を閉鎖し,かつ前面上部の吹
出口を開放する位置にダンパーを切り換える。すると、
ファンと熱交換器により吹き出される暖気は、上記前面
上部の吹出口から本体ケースの前面を覆う前面パネル内
を経て下部の吹出口から室内に吹き出される。室内下部
に吹き出された暖気は、軽いので自然に上昇し、室内
は、上下部間の温度差が少なくなって均一に暖房され
る。

【０００７】このように、本発明の床置型空気調和機
は、本体ケースの前面上部の吹出口に連通する前面下部
の吹出口をもって本体ケースの前面を覆う前面パネル
と、上記前面上部の吹出口と本体ケース上面の吹出口の
一方を開放し,他方を閉鎖するように切り換わるダンパ
ーを備えているので、簡素で安価な構成でもって、ダン
パーを切換操作するだけで冷,暖房時の吹出風の方向を
上,下に容易に変えて、均一な冷暖房を行なうことがで
きる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態のより詳
細に説明する。

【０００９】図１,図２は、本発明の床置型空気調和機
の一実施形態の夫々暖房時,冷房時の状態を示す断面図
である。この空気調和機１０は、内部に下方から順にフ
ァン１２と熱交換器１３を収納し、下部に吸込口１１a
を,上面と前面上部に吹出口１１bと１１cを夫々有する
本体ケース１１と、この本体ケース１１の前面を覆い、
前面下部に上記前面上部の吹出口１１cに連通する吹出
口１９aを有し、ダクトを兼ねる前面パネル１９と、本
体ケース１１の上部内に回動自在に取り付けられて、回
動により上記上面の冷気吹出口１１bと前面上部の暖気
吹出口１１cとを交互に開閉するダンパー２０とを備え
る。なお、熱交換器１３の下方には、結露を捕集するド
レンパン１８を設けている。

【００１０】上記ダンパー２０は、図３に示すように、
矩形板状を呈して、片側の長辺が枢軸となっており、表
裏面に上記冷気吹出口１１b,暖気吹出口１１cの開口縁
に気密に当接するシール材２１が貼り付けられるととも
に、中間に上記枢軸と平行な操作軸を設けている。そし
て、上記枢軸の一端のピン２４を、付勢用のばね２５を
介して本体ケース１１の一側の側板３０の穴３１に挿入
し、上記枢軸の他端のボルト穴２３に穴３３に通したボ
ルト２６をねじ込んで、本体ケース１１の他側の側板３
２に取り付けるとともに、上記操作軸の片側から突出す
る突起２２を、この突起のための係止部を両端に有して
側板３２に設けられた１／４円弧の溝穴３４にボルト２
７により係合している。かくて、ボルト２７と一体とな
った突起２２を、一端の係止部から外れるようにばね２
５に抗してケース内方へ手で押し込んだ状態で、ボルト
２７を溝穴３４に沿って動かし、他側の係止部に達した
とき手を離して、この係止部に突起をばね２５の付勢力
で係合させることによって、ダンパー２０を、図１に示
す暖房位置と,図２に示す冷房位置に回動により切り換
えうるようにしている。

【００１１】図４は、こうして組み立てられた空気調和
機の斜視図であり、空気調和機１０は、上面にダンパー
操作用蓋３５と冷気吹出口１１bとを持つ本体ケース１
１の前面を、下部に下部吹出口１９aが開口する前面パ
ネル１９が覆うとともに、本体ケースの内部の側板３２
には、ダンパー２０(図示せず)を枢支するボルト２６
と、溝穴３４に係合してダンパー２０を回動させる突起
２２とが有る。

【００１２】上記構成の空気調和機１０は、次のように
動作する。

【００１３】暖房に際して、ダンパー２０の突起２２を
１／４円弧の溝穴３４の上端の係合部に係合させて、図
１に示すように、ダンパー２０により冷気吹出口１１b
を閉じるとともに暖気吹出口１１cを開いて、ファン１
２を駆動する。すると、本体ケース１１の下部の吸込口
１１aからファン１２により矢印の如く吸い込まれた室
内空気は、熱交換器１３を上方へ抜けて暖気になり、開
いた暖気吹出口１１cを経て前面パネル１９内を降下し
て、下端の下部吹出口１１９aから室内に吹き出され
る。室内下部に吹き出された暖気は、軽いので自然に上
昇し、室内は、上下部間の温度差が少なくなって均一に
暖房される。

【００１４】一方、冷房の際は、突起２２を１／４円弧
に溝穴３４の下端の係合部に係合させて、図２に示すよ
うに、ダンパー２０により冷気吹出口１１bを開くとと
もに暖気吹出口１１cを閉じて、ファン１２を駆動す
る。すると、下部の吸込口１１aからファン１２により
矢印の如く吸い込まれた室内空気は、熱交換器１３を上
方へ抜けて冷気になり、開いた上面の冷気吹出口１１b
から上方へ吹き出される。上方へ吹き出された冷気は、
重いので自然に下降し、室内は、上下部間の温度差が少
なくなって均一に冷房される。

【００１５】上記実施の形態では、ダンパー２０に、気
密を保つシール材２１を設けるとともに、ばね２５で付
勢されて、側板３２に設けた溝穴３４の上下端の係合部
に係合して冷,暖房位置に位置決めする突起２２を設け
ているので、冷暖房時の調和空気の吹出方向の切り換え
を一層完全,確実に行なうことができるという利点があ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
床置型空気調和機は、本体ケースの前面上部の吹出口に
連通する前面下部の吹出口をもって本体ケースの前面を
覆う前面パネルと、上記前面上部の吹出口と本体ケース
上面の吹出口の一方を開放し,他方を閉鎖するように切
り換わるダンパーを備えているので、簡素で安価な構成
でもって、ダンパーを切換操作するだけで冷,暖房時の
吹出風の方向を上,下に容易に変えて、均一な冷暖房を
行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の床置型空気調和機の一実施形態にお
ける暖房時の断面図である。

【図２】 上記床置型空気調和機の一実施形態における
冷房時の断面図である。

【図３】 上記一実施形態におけるダンパーの斜視図で
ある。

【図４】 上記一実施形態の外観斜視図である。

【図５】 従来の床置型空気調和機の断面図である。

【符号の説明】

１０…床置型空気調和機、 １１…本体ケース、 １１
a …吸込口、１１b …冷気吹出口、 １１c …暖気吹出
口、 １２…ファン、１３…熱交換器、 １９…前面パ
ネル、 １９a …下部吹出口、２０…ダンパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にファン(１２)と熱交換器(１３)と
   を収納すると共に、下部に吸込口(１１a)を有し、上面
   と前面上部とにそれぞれ吹出口(１１b,１１c)を有する
   本体ケース(１１)と、 上記本体ケース(１１)の前面を覆うと共に、上記本体ケ
   ース(１１)の前面上部の吹出口(１１c)と連通する吹出
   口(１９a)を前面下部に有し、ダクトを兼ねる前面パネ
   ル(１９)と、 上記本体ケース(１１)の上面の吹出口(１１b)と上記本
   体ケース(１１)の前面上部の吹出口(１１c)のいずれか
   一方を開放し他方を閉鎖するダンパー(２０)とを備えた
   ことを特徴とする床置型空気調和機。