JPH09195854A - 1液式ゲル燃料用ガス発生器 - Google Patents
1液式ゲル燃料用ガス発生器Info
- Publication number
- JPH09195854A JPH09195854A JP458396A JP458396A JPH09195854A JP H09195854 A JPH09195854 A JP H09195854A JP 458396 A JP458396 A JP 458396A JP 458396 A JP458396 A JP 458396A JP H09195854 A JPH09195854 A JP H09195854A
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- JP
- Japan
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- catalyst
- chamber
- gel fuel
- heater
- fuel
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1液式ゲル燃料用ガス発生器の起動時の安定
性と確実性を向上する。 【解決手段】 1液式ゲル燃料1を50℃から100℃
に加熱するヒータ5を備えたヒータ室4と、このヒータ
5により加熱された1液式ゲル燃料1を高温ガスとする
触媒8を充填した触媒室7と、この高温ガスを排出する
排気ノズル10とを備える。
性と確実性を向上する。 【解決手段】 1液式ゲル燃料1を50℃から100℃
に加熱するヒータ5を備えたヒータ室4と、このヒータ
5により加熱された1液式ゲル燃料1を高温ガスとする
触媒8を充填した触媒室7と、この高温ガスを排出する
排気ノズル10とを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1液式ゲル燃料を高
温ガス化するガス発生器に関する。
温ガス化するガス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】1液式スラスタまたは1液式ガス発生器
とは1種類の液体燃料を触媒中を通過させることによっ
て高温高圧のガスを発生し、これを排出して推力を得る
もので、人工衛星の姿勢制御や飛翔体用推進装置として
用いられている。
とは1種類の液体燃料を触媒中を通過させることによっ
て高温高圧のガスを発生し、これを排出して推力を得る
もので、人工衛星の姿勢制御や飛翔体用推進装置として
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液体燃料は衝撃等が加
わると爆発する恐れがありその取扱が難しい。このため
液体燃料をゲル化して安全性を強化した1液式ゲル燃料
の使用が検討されている。液体燃料をゲル化するにはア
ルミニウムやベリリウムなどの金属粒子(ゲル化剤)を
液体燃料に添加する。このゲル化剤が触媒に付着すると
触媒の活性を低下させ起動時の安定性と確実性を損なう
という問題がある。
わると爆発する恐れがありその取扱が難しい。このため
液体燃料をゲル化して安全性を強化した1液式ゲル燃料
の使用が検討されている。液体燃料をゲル化するにはア
ルミニウムやベリリウムなどの金属粒子(ゲル化剤)を
液体燃料に添加する。このゲル化剤が触媒に付着すると
触媒の活性を低下させ起動時の安定性と確実性を損なう
という問題がある。
【0004】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
もので、1液式ゲル燃料用ガス発生器の起動時の安定性
と確実性を向上することを目的とする。
もので、1液式ゲル燃料用ガス発生器の起動時の安定性
と確実性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、1液式ゲル燃料を50℃から100℃に加熱するヒ
ータを備えたヒータ室と、このヒータにより加熱された
1液式ゲル燃料を高温ガスとする触媒を充填した触媒室
と、この高温ガスを排出する排気ノズルとを備えたもの
である。
め、1液式ゲル燃料を50℃から100℃に加熱するヒ
ータを備えたヒータ室と、このヒータにより加熱された
1液式ゲル燃料を高温ガスとする触媒を充填した触媒室
と、この高温ガスを排出する排気ノズルとを備えたもの
である。
【0006】1液式ゲル燃料のゲル化剤が触媒に付着し
てくると触媒の活性が低下するが、1液式ゲル燃料を加
熱し活性を高めてから触媒と反応させることにより触媒
の活性低下を補うことができる。特に50℃以上加熱す
るとゲル燃料の活性化が顕著となる。しかし100℃を
越えると安全なガス化が損なわれる恐れが生じる。
てくると触媒の活性が低下するが、1液式ゲル燃料を加
熱し活性を高めてから触媒と反応させることにより触媒
の活性低下を補うことができる。特に50℃以上加熱す
るとゲル燃料の活性化が顕著となる。しかし100℃を
越えると安全なガス化が損なわれる恐れが生じる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
を示す断面図である。1は1液式ゲル燃料で、貯蔵時は
安定であって、加圧、加熱、触媒などの作用によって容
易に高温ガスを生成できる性質が要求される。1液式燃
料として現在実用化されているのは過酸化水素とヒドラ
ジンである。これらは比推力は低いがシステムが簡単に
なるため、機体の制御や人工衛星の二次推進系に用いら
れている。人工衛星用にはヒドラジンの触媒式が主流と
なっており、本実施の形態でもヒドラジンの触媒方式を
用いる。この1液式燃料をゲル化するためゲル化剤とし
てアルミニウムやベリリウムなどの金属粉末を用いる。
て図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
を示す断面図である。1は1液式ゲル燃料で、貯蔵時は
安定であって、加圧、加熱、触媒などの作用によって容
易に高温ガスを生成できる性質が要求される。1液式燃
料として現在実用化されているのは過酸化水素とヒドラ
ジンである。これらは比推力は低いがシステムが簡単に
なるため、機体の制御や人工衛星の二次推進系に用いら
れている。人工衛星用にはヒドラジンの触媒式が主流と
なっており、本実施の形態でもヒドラジンの触媒方式を
用いる。この1液式燃料をゲル化するためゲル化剤とし
てアルミニウムやベリリウムなどの金属粉末を用いる。
【0008】2は燃料管であり、図示しない燃料タンク
より燃料を導く。3は推薬弁で1液式ゲル燃料1をパル
ス状にオン、オフするもので、例えば1秒間に数百パル
スオン、オフする。4はヒータ室で、室内に電気ヒータ
5が設けられ、室内に流入する1液式ゲル燃料1を図示
しない制御部により50℃から100℃の範囲に加熱す
る。ヒータ室4の下流側には噴射器6が設けられ、加熱
された1液式ゲル燃料1を下流側の触媒室7へ噴射す
る。噴射器6は多孔板で加熱された1液式ゲル燃料1を
触媒室7に均一に噴射する。触媒室7には触媒8が層状
に充填され加熱された1液式ゲル燃料1を高温ガスにす
る。触媒8は円筒状のペレットが用いられる。触媒室7
の下流側には多数のガス吐出孔を有するガス吐出壁9が
設けられ、触媒室7で発生した高温ガスを吐出する。ガ
ス吐出壁9の下流側に排気ノズル10が設けられ、ガス
吐出壁9より吐出された高温ガスをノズルで絞り高速で
排気することにより推力を発生する。なお、図1では推
薬弁3の下流側にヒータ室4を設けたが、推薬弁3の上
流側の燃料管2を電気ヒータ5で加熱するようにしても
よい。
より燃料を導く。3は推薬弁で1液式ゲル燃料1をパル
ス状にオン、オフするもので、例えば1秒間に数百パル
スオン、オフする。4はヒータ室で、室内に電気ヒータ
5が設けられ、室内に流入する1液式ゲル燃料1を図示
しない制御部により50℃から100℃の範囲に加熱す
る。ヒータ室4の下流側には噴射器6が設けられ、加熱
された1液式ゲル燃料1を下流側の触媒室7へ噴射す
る。噴射器6は多孔板で加熱された1液式ゲル燃料1を
触媒室7に均一に噴射する。触媒室7には触媒8が層状
に充填され加熱された1液式ゲル燃料1を高温ガスにす
る。触媒8は円筒状のペレットが用いられる。触媒室7
の下流側には多数のガス吐出孔を有するガス吐出壁9が
設けられ、触媒室7で発生した高温ガスを吐出する。ガ
ス吐出壁9の下流側に排気ノズル10が設けられ、ガス
吐出壁9より吐出された高温ガスをノズルで絞り高速で
排気することにより推力を発生する。なお、図1では推
薬弁3の下流側にヒータ室4を設けたが、推薬弁3の上
流側の燃料管2を電気ヒータ5で加熱するようにしても
よい。
【0009】次に性能について説明する。図2は推薬弁
3のパルス数と比推力との関係を示す実験データであ
る。パルス数としては数十万パルスまでテストは行われ
た。曲線Aは加熱しない液体ヒドラジン、曲線Bは加熱
しないゲル状ヒドラジン、曲線Cは60〜80℃に加熱
したゲル化ヒドラジンを示す。液体ヒドラジンであって
も触媒の凝固、パルス噴射による触媒の粉砕、噴射器6
の目ずまりにより、曲線Aに示すように比推力はパルス
数の増加にしたがい減少していく。加熱しないゲル状ヒ
ドラジンの場合は、さらにゲル化剤の金属粒子が触媒8
に付着して触媒8の働きが不活性化することと、噴射器
6への目ずまりが増大することなどにより、曲線Bに示
すように比推力が急激に低下する。加熱したゲル状ヒド
ラジンの場合は、ヒドラジンが活性化すること、および
着火遅れが少なくなるなどの現象により、曲線Cに示す
ように比推力の減少は大幅に改善され液体ヒドラジンに
近ずく。
3のパルス数と比推力との関係を示す実験データであ
る。パルス数としては数十万パルスまでテストは行われ
た。曲線Aは加熱しない液体ヒドラジン、曲線Bは加熱
しないゲル状ヒドラジン、曲線Cは60〜80℃に加熱
したゲル化ヒドラジンを示す。液体ヒドラジンであって
も触媒の凝固、パルス噴射による触媒の粉砕、噴射器6
の目ずまりにより、曲線Aに示すように比推力はパルス
数の増加にしたがい減少していく。加熱しないゲル状ヒ
ドラジンの場合は、さらにゲル化剤の金属粒子が触媒8
に付着して触媒8の働きが不活性化することと、噴射器
6への目ずまりが増大することなどにより、曲線Bに示
すように比推力が急激に低下する。加熱したゲル状ヒド
ラジンの場合は、ヒドラジンが活性化すること、および
着火遅れが少なくなるなどの現象により、曲線Cに示す
ように比推力の減少は大幅に改善され液体ヒドラジンに
近ずく。
【0010】図3は加熱によりゲル化ヒドラジンの活性
化を示す図である。横軸に燃料温度℃を示し、縦軸に着
火時の圧力上昇率を示す。燃料温度が50℃を越えると
着火時の圧力上昇が増大する。圧力上昇率は100℃を
越えてもほぼ一定であるが、不安定領域に入ってゆくの
で加熱温度の上限は100℃程度とした方がよい。
化を示す図である。横軸に燃料温度℃を示し、縦軸に着
火時の圧力上昇率を示す。燃料温度が50℃を越えると
着火時の圧力上昇が増大する。圧力上昇率は100℃を
越えてもほぼ一定であるが、不安定領域に入ってゆくの
で加熱温度の上限は100℃程度とした方がよい。
【0011】1液式燃料をゲル化することにより、安全
性が向上するが、触媒表面の一部がゲル化剤中の金属粉
末等により覆われるため、触媒の活性が低下する。これ
に対して燃料を加熱して供給することにより、触媒の活
性化を促進することができ、このことは特に起動時の高
温ガス発生の安定性と確実性を向上することができる。
なお、触媒の作用を増大するため、その量を増大するこ
とは、連続的に高温ガス化を行う定常時の作動特性に影
響し好ましくない。定常時には触媒の活性も高くなるか
らである。
性が向上するが、触媒表面の一部がゲル化剤中の金属粉
末等により覆われるため、触媒の活性が低下する。これ
に対して燃料を加熱して供給することにより、触媒の活
性化を促進することができ、このことは特に起動時の高
温ガス発生の安定性と確実性を向上することができる。
なお、触媒の作用を増大するため、その量を増大するこ
とは、連続的に高温ガス化を行う定常時の作動特性に影
響し好ましくない。定常時には触媒の活性も高くなるか
らである。
【0012】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、1液式燃料をゲル化することにより安全性を高め、
この燃料を50℃から100℃の範囲に加熱することに
より、ゲル化により低下する触媒を活性化することがで
きるので、特に起動時の高温ガス化の安定性および確実
性を向上することができる。また燃料を加熱しているの
で、使用環境が低温であっても確実に動作する。また起
動時のみならず加速時や定常時などにおいても燃料の活
性が高いため作動が確実である。
は、1液式燃料をゲル化することにより安全性を高め、
この燃料を50℃から100℃の範囲に加熱することに
より、ゲル化により低下する触媒を活性化することがで
きるので、特に起動時の高温ガス化の安定性および確実
性を向上することができる。また燃料を加熱しているの
で、使用環境が低温であっても確実に動作する。また起
動時のみならず加速時や定常時などにおいても燃料の活
性が高いため作動が確実である。
【図1】本実施の形態の構成を示す断面図である。
【図2】推薬弁3のパルス数と比推力との関係を示す実
験データである。
験データである。
【図3】加熱によりゲル化ヒドラジンの活性化を示す図
である。
である。
1 1液式ゲル燃料 2 燃料管 3 推薬弁 4 ヒータ室 5 電気ヒータ 6 噴射器 7 触媒室 8 触媒 9 ガス吐出壁 10 排気ノズル
Claims (1)
- 【請求項1】 1液式ゲル燃料を50℃から100℃に
加熱するヒータを備えたヒータ室と、このヒータにより
加熱された1液式ゲル燃料を高温ガスとする触媒を充填
した触媒室と、この高温ガスを排出する排気ノズルとを
備えたことを特徴とする1液式ゲル燃料用ガス発生器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP458396A JPH09195854A (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | 1液式ゲル燃料用ガス発生器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP458396A JPH09195854A (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | 1液式ゲル燃料用ガス発生器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09195854A true JPH09195854A (ja) | 1997-07-29 |
Family
ID=11588070
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP458396A Pending JPH09195854A (ja) | 1996-01-16 | 1996-01-16 | 1液式ゲル燃料用ガス発生器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09195854A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007003270A1 (de) | 2005-06-30 | 2007-01-11 | DEUTSCHES ZENTRUM FüR LUFT-UND RAUMFAHRT E.V. | Antriebsvorrichtung auf basis gelförmigen treibstoffs und verfahren zur treibstoff-förderung |
JP2009293590A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Ihi Corp | 一液スラスタ及びその作動方法 |
KR20150008903A (ko) * | 2012-05-09 | 2015-01-23 | 이삽스 에이비 | 암모늄 디니트라미드계 액체 단일추진제용 개선된 반응기 및 이 반응기를 포함하는 분사기 |
-
1996
- 1996-01-16 JP JP458396A patent/JPH09195854A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007003270A1 (de) | 2005-06-30 | 2007-01-11 | DEUTSCHES ZENTRUM FüR LUFT-UND RAUMFAHRT E.V. | Antriebsvorrichtung auf basis gelförmigen treibstoffs und verfahren zur treibstoff-förderung |
US8033095B2 (en) | 2005-06-30 | 2011-10-11 | Deutsches Zentrum Fuer Luft-Und Raumfahrt E.V. | Drive device on the basis of a gel-type propellant and method for conveying propellant |
JP2009293590A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Ihi Corp | 一液スラスタ及びその作動方法 |
KR20150008903A (ko) * | 2012-05-09 | 2015-01-23 | 이삽스 에이비 | 암모늄 디니트라미드계 액체 단일추진제용 개선된 반응기 및 이 반응기를 포함하는 분사기 |
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