JPH09184480A

JPH09184480A - 片頭ピストン型斜板式圧縮機

Info

Publication number: JPH09184480A
Application number: JP7342427A
Authority: JP
Inventors: Shigemi Shimizu; 茂美清水; Hiroshi Kano; 浩狩野; Kiyoshi Terauchi; 清寺内
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Corp
Priority date: 1995-12-28
Filing date: 1995-12-28
Publication date: 1997-07-15

Abstract

(57)【要約】【課題】斜板と片頭ピストンとがシューにより連結さ
れている片頭ピストン型斜板式圧縮機において、片頭ピ
ストンの傾きを抑えて、片頭ピストンの焼き付き、かじ
り付きを防止すること。【解決手段】複数の片頭ピストン５は、それぞれ姿勢
維持部５３を有し、これらの姿勢維持部５３は、互いに
連なって輪を構成すると共に隣り合うもの同士でシリン
ダボアの中心線に沿って摺接するように構成され、更に
これらの姿勢維持部５３は、前記輪が広がらないように
ハウジングを一体化するボルト２５と係合していること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
空調装置に用いられる斜板式圧縮機に属し、更に詳しく
は、斜板の一面側のみにピストンが設けられている、所
謂、片頭ピストン型斜板式圧縮機に属する。

【０００２】

【従来の技術】従来の片頭ピストン型斜板式圧縮機は、
複数のシリンダボアを有するハウジングと、該ハウジン
グの中心部に回転自在に配置された駆動軸と、該駆動軸
に傾斜させて装着され、前記駆動軸と共に回転する斜板
と、前記複数のシリンダボア内にそれぞれ摺動自在に挿
入された複数の片頭ピストンと、前記斜板を挟持するよ
うにして前記各片頭ピストンにそれぞれ摺動自在に保持
され、前記斜板の揺動運動を直線往復運動に変換して前
記各片頭ピストンに伝達するシューとを含み、前記複数
の片頭ピストンは、それぞれ姿勢維持部を有し、これら
の姿勢維持部は、互いに連なって輪を構成すると共に隣
り合うもの同士で前記シリンダボアの中心線に沿って摺
接するように構成されている（例えば、実開平７−４８
７７号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の片頭ピストン型
斜板式圧縮機においては、片頭ピストンのシューを保持
する部分の近傍に姿勢維持部が設けられ、この姿勢維持
部の側面で各片頭ピストン同士が摺接するように成って
いるので、圧縮荷重の側面分力を全片頭ピストンで受け
ることが可能である。しかし、実際には、上述の片頭ピ
ストン型斜板式圧縮機の片頭ピストンには、片頭ピスト
ンの回転（片頭ピストンの軸線を回転軸とする自転）方
向、左右方向（片頭ピストンの軸線及び駆動軸の軸線を
通る平面に対して直交する方向）、及び前後方向（片頭
ピストンの軸線及び駆動軸の軸線に直交する方向）の力
が作用している。

【０００４】従って、上述の片頭ピストン型斜板式圧縮
機の片頭ピストンの姿勢維持構造では、片頭ピストンの
全ての傾きを防止することが困難であり、片頭ピストン
は傾きを生じ、これにより片頭ピストンとシリンダ間
で、焼き付きや、かじりが生じたりする虞があった。

【０００５】それ故に、本発明の課題は、的確に片頭ピ
ストンの傾きを抑えて片頭ピストンの焼き付き及びかじ
りを防止することが可能な片頭ピストン型斜板式圧縮機
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明によ
れば、複数のシリンダボアを有するハウジングと、該ハ
ウジングの中心部に回転自在に配置された駆動軸と、該
駆動軸に傾斜させて装着され、前記駆動軸と共に回転す
る斜板と、前記複数のシリンダボア内にそれぞれ摺動自
在に挿入された複数の片頭ピストンと、前記斜板を挟持
するようにして前記各片頭ピストンにそれぞれ摺動自在
に保持され、前記斜板の揺動運動を直線往復運動に変換
して前記各片頭ピストンに伝達するシューとを含み、前
記複数の片頭ピストンは、それぞれ姿勢維持部を有し、
これらの姿勢維持部は、互いに連なって輪を構成すると
共に隣り合うもの同士で前記シリンダボアの中心線に沿
って摺接するように構成されている片頭ピストン型斜板
式圧縮機において、前記ハウジングは、前記中心線と平
行に延在し且つ隣り合う前記シリンダボア間を通るボル
トによって一体化されているものであり、前記姿勢維持
部は、前記輪が広がらないように前記ボルトと係合して
いることを特徴とする片頭ピストン型斜板式圧縮機が得
られる。

【０００７】請求項２記載の発明によれば、前記姿勢維
持部が、前記ボルトを挿通する挿通孔を有していること
を特徴とする請求項１記載の片頭ピストン型斜板式圧縮
機が得られる。

【０００８】請求項３記載の発明によれば、前記姿勢維
持部が、前記ボルトを受け入れる溝を有していることを
特徴とする請求項１記載の片頭ピストン型斜板式圧縮機
が得られる。

【０００９】請求項４記載の発明によれば、前記姿勢維
持部同士の摺接面に、摺接性及び耐摩耗性に優れた表面
処理が施されていることを特徴とする請求項１乃至請求
項３のいずれかに記載の片頭ピストン型斜板式圧縮機が
得られる。

【００１０】請求項５記載の発明によれば、前記姿勢維
持部同士の摺接面に、潤滑溝が形成されていることを特
徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の片頭
ピストン型斜板式圧縮機が得られる。

【００１１】

【作用】本発明の片頭ピストン型斜板式圧縮機の場合、
複数の片頭ピストンは、それぞれ姿勢維持部を有してい
る。これらの姿勢維持部は、互いに連なって輪を構成す
ると共に隣り合うもの同士でシリンダボアの中心線に沿
って摺接するように構成されており、この姿勢維持部同
士の係合により片頭ピストンの回転、並びに片頭ピスト
ンの前後方向の傾きの内、姿勢維持部が駆動軸の方へ向
かう向きの傾きが防止される。更に、片頭ピストンは、
これらによって構成される輪が広がらないようにボルト
と係合しているので、この係合により、片頭ピストンの
前後方向の傾きの内、姿勢維持部が駆動軸から離れる向
きの傾きが防止される。更に、ボルトと姿勢維持部との
係合は、片頭ピストンの左右方向の傾きも防止する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施形態に
よる片頭ピストン型斜板式圧縮機の縦断面図、図２は図
１に示す片頭ピストン型斜板式圧縮機の片頭ピストンの
斜視図、図３は図１に示す片頭ピストン型斜板式圧縮機
のピストンの底面図である。

【００１３】図１乃至図３を参照して、本実施形態の片
頭ピストン型斜板式圧縮機１は、ハウジング２と、駆動
軸３と、斜板４と、片頭ピストン５と、シュー６とを有
している。

【００１４】ハウジング２は、フロントハウジング２０
と、ハウジング本体２１と、シリンダヘッド２２とで構
成されている。

【００１５】フロントハウジング２０は、略漏斗状を呈
し、このフロントハウジング２０には、ラジアルニード
ルベアリング２００、スラストニードルベアリング２０
１、及び軸シール部材２０２が設けられている。

【００１６】ハウジング本体２１は、略円筒状であり、
その片側にシリンダブロック２３を一体に有している。
このハウジング本体２１は、その一方の開口端をフロン
トハウジング２０により閉塞され、他方の開口端を弁板
装置２４を介在させてシリンダヘッド２２により閉塞さ
れている。シリンダブロック２３は、中心孔２３０及び
シリンダボア２３１を有している。中心孔２３０は、シ
リンダブロック２３の中心部に形成され、その中にラジ
アルニードルベアリング２３２が配置されている。シリ
ンダボア２３１は、シリンダブロック２３の外周部に、
中心孔２３０を取り囲むようにして、等間隔に形成され
ている。

【００１７】シリンダヘッド２２には、吸入室２２０、
及び吐出室２２１が形成されている。

【００１８】上述のフロントハウジング２０は、第１の
ボルト２５によってハウジング本体２１に固定され、シ
リンダヘッド２２は、第２のボルト２６によって弁板装
置２４を介在させてハウジング本体２１に固定され、こ
れにより、フロントハウジング２０、ハウジング本体２
１、及びシリンダヘッド２２は、一体化され、ハウジン
グ２と成っている。第１のボルト２５は、ハウジング本
体２１の内周壁面の近傍で、シリンダボア２３１の中心
線と平行に延在し、且つ隣り合うシリンダボア２３１間
を通るように成っている。

【００１９】駆動軸３は、ラジアルニードルベアリング
２００，２３２を介して、フロントハウジング２０及び
シリンダブロック２３に回転自在に支持され、ハウジン
グ２の中心部に位置している。駆動軸３の先端部は、フ
ロントハウジング２０の先端から圧縮機外部へと突出
し、この部分に、電磁クラッチ（図示せず）を介して、
例えば、エンジン（図示せず）からの力が伝達されるよ
うに成っている。

【００２０】斜板４は、駆動軸３にその軸方向に移動自
在に装着された球面ブッシュ８を介在させて、駆動軸３
に対する傾斜角度を可変に駆動軸３に装着されている。
この斜板４は、駆動軸３に固定されたロータ９に屈曲自
在に連結されており、これにより、斜板４は駆動軸３と
共に回転するように成っている。また、斜板４とロータ
９との間には、駆動軸３に装着されたコイルスプリング
１０が介在し、このコイルスプリングイン１０により、
斜板４はその傾斜角度が小さくなる方へ付勢されてい
る。

【００２１】各片頭ピストン５は、ピストン部５０、ロ
ッド部５１、シュー受部５２、及び姿勢維持部５３を有
している。ピストン部５０は、シリンダボア２３１内に
摺動自在に挿入されている。ロッド部は５１は、ピスト
ン部５０とシュー受部５２とを連結している。シュー受
部５２は、窪んだシュー受面５２ａを有し、ここで一対
のシュー６をそれらの間に斜板４を挟むようにして摺動
自在に保持している。姿勢維持部５３は、湾曲した略板
状のものであり、その一側部には、ピストン部５０の軸
方向と平行に延在する挿通孔５３ａが形成されている。
隣り合う片頭ピストン５の姿勢維持部５３は、それらの
側面で互いに対向しており、全ての片頭ピストン５の姿
勢維持部５３は、図３から明らかな様に、略リング状に
連なり、輪を構成している。隣り合う姿勢維持部５３の
間には、クリアランスが開けられており、姿勢維持部５
３同士がシリンダボア２３１の中心線に沿って摺接でき
るように成っている。この姿勢維持部５３同士の摺接面
には、摺接性及び耐摩耗性に優れた表面処理が施されて
いる。

【００２２】以上のように、片頭ピストン５の姿勢維持
部５３同士で輪を構成するようになっているので、この
姿勢維持部５３同士の係合により、片頭ピストン５の回
転、並びに片頭ピストン５の前後方向の傾きの内、姿勢
維持部５３が駆動軸３の方へ向かう向きの傾きが防止さ
れ、挿通孔５３ａに挿通された第１のボルト２５が挿通
孔５３ａと係合することにより、上述の輪が広がらない
ようになっており、従って、片頭ピストン５の前後方向
の傾きの内、姿勢維持部５３が駆動軸３から離れる向き
の傾きが防止される。更に、第１のボルト２５と姿勢維
持部５３との係合は、片頭ピストン５の左右方向の傾き
を防止する。

【００２３】シュー６は、それぞれ片頭ピストン５のシ
ュー受部５２上に摺動自在に配置され、斜板４を摺動自
在に挟持する。これにより、シュー６は、斜板４が駆動
軸３と共に回転することによって行う揺動運動の中か
ら、往復直線運動のみをシュー受部５２に伝達し、片頭
ピストン５をシリンダボア２３１内で往復直線運動させ
るように成っている。

【００２４】尚、本実施形態の片頭ピストン型斜板式圧
縮機は、可変容量型のものであるが、勿論、本発明は、
定容量型の片頭ピストン型斜板式圧縮機にも適用するこ
とができる。

【００２５】図４は本発明の第２の実施形態による片頭
ピストン型斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視
図、図５は図４に示す片頭ピストンを組み合わせた状態
での底面図である。図４及び図５を参照して、本実施形
態の片頭ピストン型斜板式圧縮機は、第１のボルト２５
の配置位置及び片頭ピストン５の構造だけが第１の実施
形態と異なるのでこの部分のみを図示する。本実施形態
における片頭ピストン５は、姿勢維持部５３を除き図２
に示すものと同構成であるので、図２に示すものに共通
する部分については、同じ参照番号を付し、その説明を
省略する。この片頭ピストン５の姿勢維持部５３は、そ
の両端部に、第１のボルト２５を受け入れる溝５３ｂが
形成されている。この溝５３ｂの部分で、姿勢維持部５
３が第１のボルト２５に係合することにより、姿勢維持
部５３により構成される輪が広がらないように成ってい
る。また、姿勢維持部５３同士の摺接面には、摺接性及
び耐摩耗性の優れた表面処理を施してある。

【００２６】図６は本発明の第３の実施形態による片頭
ピストン型斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視図
である。図６を参照して、本実施形態の片頭ピストン型
斜板式圧縮機は、片頭ピストン５だけが第１の実施形態
と異なるのでこの部分のみを図示する。本実施形態にお
ける片頭ピストン５は、姿勢維持部５３を除き図２に示
すものと同構成であるので、図２に示すものに共通する
部分については、同じ参照番号を付し、その説明を省略
する。図２に示す片頭ピストン５３では、姿勢維持部５
３同士の摺接面に摺接性及び耐摩耗性の優れた表面処理
を施してあるが、本実施形態の場合、この表面処理の代
わりに姿勢維持部５３の両側面に潤滑溝５３ｃを形成し
てある。この潤滑溝５３ｃ内にブローバイガスに含まれ
る潤滑油を通すことにより、摺接面の摺接性及び耐摩耗
性を確保している。勿論、本実施形態においても、摺接
面に摺接性及び耐摩耗性の優れた表面処理を施しても構
わない。

【００２７】図７は本発明の第４の実施形態による片頭
ピストン型斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視図
である。図７を参照して、本実施形態の片頭ピストン型
斜板式圧縮機は、片頭ピストン５だけが第２の実施形態
と異なるのでこの部分のみ図示する。本実施形態におけ
る片頭ピストン５は、姿勢維持部５３を除き図４に示す
ものと同構成であるので、図４に示すものに共通する部
分については、同じ参照番号を付し、その説明を省略す
る。図４に示す片頭ピストン５３では、姿勢維持部５３
同士の摺接面に摺接性及び耐摩耗性の優れた表面処理を
施してあるが、本実施形態の場合、この表面処理の代わ
りに姿勢維持部５３の両側面に潤滑溝５３ｄを形成して
ある。この潤滑溝５３ｄ内にブローバイガスに含まれる
潤滑油を通すことにより、摺接面の摺接性及び耐摩耗性
を確保している。勿論、本実施形態においても、摺接面
に摺接性及び耐摩耗性の優れた表面処理を施しても構わ
ない。

【００２８】

【実施例】上述の姿勢維持部５３同士の摺接面に施され
た摺接性及び耐摩耗性に優れた表面処理としては、テフ
ロン（商標）コーティングが適している。

【００２９】

【発明の効果】本発明の片頭ピストン型斜板式圧縮機
は、片頭ピストンの回転のみならず、片頭ピストンの左
右方向及び前後方向の傾きを防止することができ、この
結果、片頭ピストンの焼き付き、かじり付きを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態による片頭ピストン型
斜板式圧縮機の縦断面図である。

【図２】図１に示す片頭ピストン型斜板式圧縮機の片頭
ピストンの斜視図である。

【図３】図１に示す片頭ピストン型斜板式圧縮機のピス
トンの底面図である。

【図４】本発明の第２の実施形態による片頭ピストン型
斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視図である。

【図５】図４に示す片頭ピストンを組み合わせた状態で
の底面図である。

【図６】本発明の第３の実施形態による片頭ピストン型
斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視図である。

【図７】本発明の第４の実施形態による片頭ピストン型
斜板式圧縮機における片頭ピストンの斜視図である。

【符号の説明】

１可変容量型斜板式圧縮機２ハウジング３駆動軸４斜板５ピストン６シュー２５第１のボルト２６第２のボルト５０ピストン部５１ロッド部５２シュー受部５３姿勢維持部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】複数のシリンダボアを有するハウジング
と、該ハウジングの中心部に回転自在に配置された駆動
軸と、該駆動軸に傾斜させて装着され、前記駆動軸と共
に回転する斜板と、前記複数のシリンダボア内にそれぞ
れ摺動自在に挿入された複数の片頭ピストンと、前記斜
板を挟持するようにして前記各片頭ピストンにそれぞれ
摺動自在に保持され、前記斜板の揺動運動を直線往復運
動に変換して前記各片頭ピストンに伝達するシューとを
含み、前記複数の片頭ピストンは、それぞれ姿勢維持部
を有し、これらの姿勢維持部は、互いに連なって輪を構
成すると共に隣り合うもの同士で前記シリンダボアの中
心線に沿って摺接するように構成されている片頭ピスト
ン型斜板式圧縮機において、前記ハウジングは、前記中
心線と平行に延在し且つ隣り合う前記シリンダボア間を
通るボルトによって一体化されているものであり、前記
姿勢維持部は、前記輪が広がらないように前記ボルトと
係合していることを特徴とする片頭ピストン型斜板式圧
縮機。
【請求項２】前記姿勢維持部が、前記ボルトを挿通す
る挿通孔を有していることを特徴とする請求項１記載の
片頭ピストン型斜板式圧縮機。
【請求項３】前記姿勢維持部が、前記ボルトを受け入
れる溝を有していることを特徴とする請求項１記載の片
頭ピストン型斜板式圧縮機。
【請求項４】前記姿勢維持部同士の摺接面に、摺接性
及び耐摩耗性に優れた表面処理が施されていることを特
徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の片頭
ピストン型斜板式圧縮機。
【請求項５】前記姿勢維持部同士の摺接面に、潤滑溝
が形成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項
４のいずれかに記載の片頭ピストン型斜板式圧縮機。