JPH09174384A - 棒状回転部材の曲げ力検出装置 - Google Patents

棒状回転部材の曲げ力検出装置

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JPH09174384A
JPH09174384A JP33707795A JP33707795A JPH09174384A JP H09174384 A JPH09174384 A JP H09174384A JP 33707795 A JP33707795 A JP 33707795A JP 33707795 A JP33707795 A JP 33707795A JP H09174384 A JPH09174384 A JP H09174384A
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JP
Japan
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rod
acting
bending force
force
bending
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JP33707795A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Fukuda
努 福田
Hiroo Ozeki
宏夫 大関
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒状回転部材に作用する曲げ力及びその方向
を正確かつ確実に測定するとともに、測定結果の信頼性
や装置自体の耐久性を付与ことを課題とする。 【解決手段】 機械本体1に固定された固定部分5と回
転切削工具3との間にベアリング7、8を配置し、前者
を一定位置に保持しかつ後者を軸線方向に移動自在と
し、これらの間を、コイルスプリング11により引張力
を受けた複数のアモルファス磁歪フィルム12・・で接
続し、これらアモルファス磁歪フィルム12・・に対応
して励磁・検出コイル13・・を設置したものであり、
回転切削工具3に曲げ力が作用するとアモルファス磁歪
フィルム12・・に歪が生じ、この歪を励磁・検出コイ
ル13・・で検出して解析することにより回転切削工具
3に作用する曲げ力及びその曲げ方向を測定するように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状回転部材の曲
げ力検出装置に係り、例えば、棒状回転部材がエンドミ
ルなどの回転切削工具である場合、これを用いた切削加
工中において、この回転切削工具に作用する曲げ力及び
その曲げ方向を測定できるようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、棒状回転部材に作用する曲げ力
(棒状回転部材に対してその回転の軸線と直交する方向
に働く力によって生じる力)を測定し、その棒状回転部
材の作動状態を解析することが一般的に行われている。
特に、棒状回転部材がエンドミル等の回転切削工具であ
る場合、回転切削工具に作用する曲げ力を測定し、その
結果から切削加工状態を解析して加工の最適化を図る意
味からも、切削加工中において、その曲げ力を測定する
ことは重要である。
【0003】図5及び図6は、特開平4−201160
号公報に開示の概要を示すものであり、上述のような棒
状回転部材(回転切削工具)に作用する曲げ力を測定す
るための曲げ力検出装置の一例を示している。その検出
手段としては、エンドミル等の工具本体101が軸線0
回りに回転して被削材Wを加工しているときに、工具本
体101に対して軸線0と直交する方向の力Fが働いた
場合、この工具本体101を保持した部分に作用する曲
げ力を解析することにより前記力Fを測定できるように
したものである。
【0004】具体的な構成は次のとおりである。先ず、
図5(a)及び(b)に示すように、機械本体(図示せ
ず)の主軸102の端部には筒状取付体103が取り付
けられており、主軸102と一体にこの筒状取付体10
3が回転するようにしている。そして、筒状取付体10
3内周面の、対向する位置のそれぞれには、軸線0に向
けて伸びた板状の弾性取付体104が形成されている。
これら弾性取付体104のそれぞれは、平行する二枚の
板状体で構成されたものであり、外部からの負荷によっ
て変形するとともに、その負荷を除去すると自体の弾性
によって元の形態に復帰するものである。
【0005】保持体105は、工具本体101に対する
着脱機能を備えており、また、その中心が軸線0と一致
するように、弾性取付体104の各端部に両側から支持
されている。従って、主軸102を駆動することにより
筒状取付体103は回転し、これに伴い弾性取付体10
4を介して保持体105は主軸102と一体に回転し、
その結果、保持体105に装着した工具本体101を軸
線0回りに回転させるものである。一方、工具本体10
1の先端に軸線0と直交する方向の力Fが働いたときに
は、かかる力Fは工具本体101全体に曲げ力となって
作用し、その曲げ力が工具本体101から保持体105
を介して弾性取付体104に伝達され、弾性取付体10
4を変形させる力として働く。
【0006】また、弾性取付体104の所定部分には、
歪の検出手段として歪ゲージ106・・・が複数装着さ
れている。これらにより弾性取付体104が変形したと
きには、それぞれの歪ゲージ106からの出力信号が変
化し、これを解析することにより弾性取付体104に作
用した曲げ力を測定できるようにしている。従って、工
具本体101に力Fが働き、保持体105を介して弾性
取付体104が変形した場合、すなわち図6に示すよう
な場合には、弾性取付体104の変形の程度に応じて各
歪ゲージ106からの出力信号がそれぞれ変化し、これ
らを解析することにより、力Fに基づいて工具本体10
1に作用する曲げ力を測定することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の曲げ力検出装置には、次のような問題が残され
ている。すなわち、歪ゲージ106を装着した弾性取付
体104は、工具本体101と一体となって回転するも
のであり、この歪ゲージ106からの出力信号を解析す
るための信号処理部が機械本体側(固定側)に設置され
ている場合には、かかる歪ゲージ106から信号処理部
までの出力信号を、高速で回転する可動部側から固定部
側に送る必要があり、このような出力信号の授受を確実
に行うことが難しく、回転切削工具(棒状回転部材)に
作用する曲げ力の正確な値を測定することが困難である
といった問題点を有している。
【0008】また、曲げ力の向きを測定するためには、
歪ゲージの位置を把握しながら、かつ各歪ゲージ106
からのそれぞれの出力信号を個別に取り出して解析する
ことが必要であり、上述のような可動部側から固定部側
に向けて、各歪ゲージ106ごとの出力信号をそれぞれ
正確に送ることは困難であるといった問題点をも有して
いる。さらに、各歪ゲージ106や弾性取付対104
は、上述の可動部側にあることにより、曲げ力以外にも
常に回転に伴う力(例えば、ねじれによる力等)や切削
加工における軸線0方向の圧縮力等を受けるため、弾性
取付体104や歪ゲージ106の劣化・損傷を招くだけ
でなく、測定結果の信頼性にも欠けるものであった。
【0009】そこで、本発明は、このような問題に鑑み
てなされたもので、棒状回転部材に作用する曲げ力及び
その曲げ方向を正確かつ確実に測定することができると
ともに、測定結果の信頼性を具備した棒状回転部材の曲
げ力検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明の、棒状回転部材の
曲げ力検出装置は、以下に示すような固定部分、回転支
持手段、作用部材及び検出手段を備えることを特徴とす
るものである。固定部分は、機械本体に支持された棒状
回転部材の一部を囲んだ状態で機械本体に固定されたも
のである。回転支持手段は、固定部分及び棒状回転部材
の間に、棒状回転部材の回転の軸線方向に間隔をおいて
少なくとも一対配置され、その中の一方が前記した軸線
方向に移動自在でありかつ他方が固定部分及び棒状回転
部材に対して軸線方向の一定位置に保持されたものであ
る。
【0011】作用部材は、これら回転支持手段同士を、
軸線方向と平行でかつ棒状回転部材の周りを所定間隔の
複数箇所で囲むように接続したものである。検出手段
は、作用部材のそれぞれに対応して設置され、棒状回転
部材に作用する曲げ力によって伸縮作用を受けた作用部
材の歪量を検出し、その歪量に基づき棒状回転部材に作
用する曲げ力及びその曲げ方向を測定するものである。
【0012】なお、作用部材のそれぞれに引張力を付与
するための弾性部材を設置してもよく、また、作用部材
を、その中の任意の一つが他のいずれかと互いに対向す
るように設置するとともに、検出手段は、対向状態とな
る一組の作用部材ごとに、これら作用部材の各歪量に対
応するそれぞれの検出結果が入力される差動増幅回路を
備えたものであってもよい。さらに、作用部材として、
磁歪片を用いるとともに、検出手段として、励磁・検出
コイルを用いるようにしてもよい。
【0013】以上のような構成をとることにより、棒状
回転部材の一部にその軸線と直交する方向に力が働く
と、この棒状回転部材に曲げ力が作用し、この曲げ力
は、回転支持手段を介して各作用部材にそれぞれ作用す
る。このとき、各作用部材は、曲げ力の方向に応じてそ
れぞれ異なった歪として現れ、これらの歪量を検出手段
で適宜検出して、棒状回転部材に作用する曲げ力及びそ
の曲げ方向を測定するようにしている。
【0014】このように、歪を検出するための対象部分
(作用部材)が、機械本体の主軸などに接続された駆動
系部分(棒状回転部材等)から独立しており、その作用
部材の歪量を検出した検出手段からの出力信号を、棒状
回転部材が回転していることとは無関係に確実に取り出
すことができ、測定結果の信頼性を確保するようにして
いる。
【0015】なお、棒状回転部材に曲げ力が作用したと
き、曲げの外側に位置する作用部材(以下、外側作用部
材という。)には引張力が作用し、曲げの内側に位置す
る作用部材(以下、内側作用部材という。)には圧縮力
が作用する。従って、作用部材のそれぞれに予め引張力
を付与するための弾性部材が設置されると、棒状回転部
材に曲げ力が作用した際、外側作用部材には、弾性部材
による引張力(以下、基準引張力という。)と曲げ力に
よる引張力とが作用し、一方、内側作用部材には、その
基準引張力と曲げ力による圧縮力とが作用する。
【0016】これにより、内側作用部材には、基準引張
力から圧縮力を引いた力、すなわち、基準引張力が圧縮
力の分だけ減少したかたちで引張力を作用させることに
なり、特に、作用部材としてフィルム状のものを用いた
場合でも撓まないようにすることが可能となる。しか
も、フィルム状の作用部材には、基準引張力が減少した
引張力が作用したものとしてかかる作用部材にその歪が
現れるため、この歪量の変化を検出手段で検出すること
が可能となる。
【0017】また、検出手段が、差動増幅回路(対向す
る作用部材ごとに、これら作用部材の各歪量に対応する
検出結果が入力される)を備えたものでは、この差動増
幅回路によって、棒状回転部材に対してその軸線方向に
働く力(例えば、軸線方向の引張力や圧縮力)による影
響を除外することになり、曲げ力及びその曲げ方向のみ
を純粋に測定することが可能となる。
【0018】さらに、作用部材として磁歪片を用いると
ともに、検出手段として励磁・検出コイルを用いた場
合、棒状回転部材に曲げ力が作用したときには、かかる
磁歪片の変化に応じてその透磁率が変化し、励磁・検出
コイルからの出力が変化する。従って、その変化量を歪
量として励磁・検出コイルから出力することにより、か
かる出力信号を解析することで曲げ力及びその曲げ方向
が測定される。なお、上述の弾性部材を設置した場合、
この磁歪片は、弾性部材によって予め基準引張力を受け
ているため、内側作用部材となっても上述と同様に撓む
ことはなく、また、かかる場合についても励磁・検出コ
イルにより基準引張力の減少といったかたちで歪の変化
を検出することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
ないし図4を参照して説明する。ここで、図1に示すよ
うに、機械本体1は、マシニングセンタ等の工作機械で
あり、その一部に回転駆動する主軸2を備えている。こ
の主軸2の端部には、着脱自在な回転切削工具3(棒状
回転部材)を装着しており、この回転切削工具3は、そ
の先端に切刃を備えたスローアウェイチップ4が着脱自
在に装着されたボールエンドミルである。そして、回転
切削工具3は、主軸2の回転に伴い軸線0回りに回転
し、図示しない被削材に対して機械本体1を相対移動さ
せることによりかかる被削材を加工するものである。
【0020】続いて、固定部分5は、図1及び図2に示
すように、回転切削工具3の外周面との間に一定の間隔
を設けた状態で、この回転切削工具3の一部を囲むよう
な筒状に形成されるとともに、支柱6によって機械本体
1に固定されている。従って、回転切削工具3が回転し
ている場合でも固定部分5はその影響を受けるものでは
なく、回転切削工具3の外周面と固定部分5の内周面と
は相対的な移動が行われている。
【0021】これら回転切削工具3及び固定部分5との
間には、内輪7a及び外輪7bの間に球を挟持したベア
リング7(回転支持手段)と、内輪8a及び外輪8bの
間に球を挟持したベアリング8(回転支持手段)とが一
対となった状態で配置されており、さらに、ベアリング
7、8の間には、軸線0方向にコイルスプリング(弾性
部材)11が設置されている。
【0022】ただし、ベアリング7は、外輪7bが固定
部分5の鍔部5bに受け止められた状態でこの固定部分
5の内周面に固着されており、また、内輪7aが回転切
削工具3の外周面に固着されている。従って、このベア
リング7は、軸線0方向には移動しないように一定位置
に保持されている。一方、ベアリング8は、内輪8a及
び外輪8bの双方とも回転切削工具3及び固定部分5に
固着されていない。従って、このベアリング8は、軸線
0方向(図1矢印方向)に移動可能な状態となってい
る。
【0023】なお、図示のように、ベアリング7を一定
位置に保持し、かつベアリング8を軸線0方向に移動自
在に設定することに代えて、これらを逆に設定するよう
にしてもよい。すなわち、一対のベアリング7、8の
中、いずれか一方を一定位置に保持するとともに、他方
を軸線0方向に移動自在とする。
【0024】そして、ベアリング7と8との間は、磁歪
片であるアモルファス磁歪フィルム(作用部材)12、
12a、12b、12cで接続されている。これらは、
図1及び図2に示すように、軸線0方向とそれぞれ平行
でかつ回転切削工具3の周りを略90度間隔の四箇所で
囲むように配置されており、しかも、コイルスプリング
11の付勢力によりそれぞれ引張力が予め作用した状態
となっている。なお、これらアモルファス磁歪フィルム
12等の取付は、図1に示すように、それぞれの上端部
分を外輪7bと取付部材9、9a・・との間に挟持さ
せ、かつ、それぞれの下端部分を外輪8bと取付部材1
0、10a・・との間に挟持させることにより行ってい
る。
【0025】図3は、アモルファス磁歪フィルム12等
の具体的な取付方法の二つの例を示すものである。
(a)に示す例について説明すると、上側挟持部分15
と下側挟持部分16とをねじ17で一体化するととも
に、両者間に外輪7bを挟み込んで固定する。そして、
上側挟持部材15の凹部15aにアモルファス磁歪フィ
ルム12の一部を入れた外側から、保持部材18の凸部
18aを凹部15aにはめ込み、上側挟持部材15と保
持部材18とをねじ19で一体化することにより、アモ
ルファス磁歪フィルム12は、ベアリング7に取り付け
られた状態となり、ここから容易に抜けることはない。
なお、外輪8bについても上記と同様の手順でアモルフ
ァス磁歪フィルム12が取り付けられる(図示せず)。
【0026】また、(b)に示す例について説明する
と、外輪7bの外周面に形成した凹部20にアモルファ
ス磁歪フィルム12の一部を入れるとともに、この凹部
20に止め輪21をはめることにより、アモルファス磁
歪フィルム12をベアリング7に取り付けるようにして
いる。なお、外輪8bについても同じようにアモルファ
ス磁歪フィルム12の取付が可能な点は上述と同様であ
る。
【0027】ただし、アモルファス磁歪フィルム12等
の取付を図3に示すものに限定するものではなく、例え
ば、アモルファス磁歪フィルム12を外輪7bにねじ止
めするなど、他の各種の方法を用いるようにしてもよ
い。このように、アモルファス磁歪フィルム12等の取
付に接着剤を用いていないため、接着面の剥離が生じる
といった問題もなく、しかも非常に弾性な接着剤部分に
よる応力緩和の影響を受けることもない。
【0028】次に、固定部分5には、アモルファス磁歪
フィルム12、12a、12b、12cのそれぞれに対
応するように、励磁・検出コイル(検出手段)13、1
3a、13b,13cが設置されている。このとき、励
磁・検出コイル13等の検出面を、アモルファス磁歪フ
ィルム12等のそれぞれに対向させる。
【0029】ここで、アモルファス磁歪フィルム12な
どの磁歪片は、引張力が加えられるとその磁性材料の透
磁率が変化するものであり、その一方、励磁・検出コイ
ル13等は、かかる磁性材料の透磁率の変化に応じてそ
こからの出力を変化させるものである。従って、この励
磁・検出コイル13等は、引張力や圧縮力などによる伸
縮作用を受けたアモルファス磁歪フィルム12等の歪量
を検出するための検出手段として用いられている。
【0030】図4は、アモルファス磁歪フィルムに作用
する引張力や圧縮力などの荷重の変化を横軸とし、励磁
・検出コイルからの出力変化を縦軸にとった測定結果で
ある。これには、アモルファス磁歪フィルムの特性とし
て、荷重の増加に対して出力がリニアに変化しているこ
とが表されている。従って、磁歪片としてアモルファス
磁歪フィルム12等を用い、かつ検出手段として励磁・
検出コイル13等を用いることにより、伸縮作用を受け
たアモルファス磁歪フィルム12等の歪量を正確に検出
できることが確認される。
【0031】また、磁歪片としてアモルファス磁歪フィ
ルムを用いたのは、このアモルファス磁歪フィルムが高
い剛性を有するため弾性変形しにくく、共振を起こしに
くい点に着目したものであり、これにより装置全体の耐
久性の向上を図ることができるからである。ただし、磁
歪片としてアモルファス磁歪フィルムに代えて他の磁性
材料からなる磁歪片を用いるようにしてもよい。
【0032】そして、図2に示すように、励磁・検出コ
イル13及び13aは差動増幅回路14に接続されると
ともに、励磁・検出コイル13b及び13cは差動増幅
回路14aに接続されている。すなわち、対向する励磁
・検出コイルからのそれぞれの検出結果は一つの差動増
幅回路に入力されており、この差動増幅回路からは、か
かる入力値の差を出力するようにしている。
【0033】続いて、以上のように構成した曲げ力検出
装置の作動状態を説明する。先ず、機械本体1の主軸2
を駆動することにより回転切削工具3を軸線0回りに回
転させる。このとき、回転切削工具3は、上下の回転支
持手段(ベアリング7、8)に支持された状態で固定部
分5に対して相対的に回転する。
【0034】そして、切削加工中において、図1及び図
2に示すように、回転切削工具3の先端に軸線0と直交
する方向(図の左方から右方に向かう方向)の力Fが作
用することにより、回転切削工具3が曲げられようとす
ると、その曲げ力によって図1の左側のアモルファス磁
歪フィルム12(外側作用部材)には引張力が働き、こ
れを引き伸ばすかたちで歪が生じ、一方、右側のアモル
ファス磁歪フィルム12a(内側作用部材)には圧縮力
が働き、これを縮めるたかちで歪が生じる。
【0035】この歪により、その歪量に応じて励磁・検
出コイル13及び13aからそれぞれ検出結果が差動増
幅回路14に入力され、この入力値の差をこの差動増幅
回路14から出力する。また、図1に示す力Fが作用し
ている場合、図2に示すアモルファス磁歪フィルム12
bと12cの双方には同様の歪が生じているが、励磁・
検出コイル13b及び13cからの検出結果が差動増幅
回路14aに入力されることによりこの差動増幅回路1
4aからは出力されないことになる。このような出力結
果を解析することにより回転切削工具3に作用した曲げ
力及びその曲げ方向を測定することができる。
【0036】なお、コイルスプリング11の付勢力によ
ってアモルファス磁歪フィルム12等には予め基準引張
力が作用しているため、外側作用部材となるアモルファ
ス磁歪フィルム12(図1の左側のもの)では基準引張
力からさらに引張力が増大し、一方、内側作用部材とな
るアモルファス磁歪フィルム12a(図1の右側のも
の)では基準引張力が減少することになる。このように
予め基準引張力が作用しているため、非常に薄肉なアモ
ルファス磁歪フィルム12aに対して曲げ力による圧縮
力が作用した場合でも撓むことはなく、その歪を検出す
ることが可能となっている。
【0037】さらに、差動増幅回路14、14aによ
り、対向するアモルファス磁歪フィルムの歪量に対応す
る検出結果の差を出力するため、軸線0方向に働く引張
力や圧縮力に関係なく、純粋に回転切削工具3に作用す
る曲げ力及びその曲げ方向を測定することが可能となっ
ている。すなわち、切削加工において回転切削工具3が
軸線0方向に受ける圧縮力などの影響を除外できるよう
にしている。
【0038】なお、作用部材が板状体である場合など、
圧縮力が作用したときでも撓まないものでは、コイルス
プリング11の設置は不要である。ただし、予め作用部
材に基準引張力を作用させることにより、検出手段は、
基準引張力からの増減を対象とした引張力のみを対象と
するだけで足りるものとなる。
【0039】また、作用部材としてのアモルファス磁歪
フィルム12等や検出手段としての励磁・検出コイル1
3等が固定部分5に保持されているため、回転切削工具
3の回転による影響を受けず、例えば、作用部材や検出
手段を回転切削工具3に取り付けた場合と比較して、回
転切削工具3の回転によって生じるねじれの力が作用部
材等に作用することがなく、常に信頼性の高い歪量が測
定される。さらに、作用部材等を取り付けた回転切削工
具3の回転中に曲げ力が作用した場合、この作用部材等
は、外側作用部材と内側作用部材とに高速で交互に変わ
るため、引張力と圧縮力とが繰り返して作用することに
なり、かかる繰り返し荷重によって作用部材や検出手段
の耐久性に問題が生じる場合がある。
【0040】なお、図示のように、回転支持手段として
一対のベアリング7、8のみを用いることに代えて、ベ
アリングを三個以上配置してもよい。ただし、その中の
少なくとも一対のベアリングを用いて、一方を軸線0方
向に移動自在にするとともに、他方を固定部分5に対し
て一定位置に保持し、さらに、これらの間を作用部材
(アモルファス磁歪フィルム等)で接続することが必要
となる。この場合、ベアリング同士の間に弾性部材(コ
イルスプリング)をセットし、作用部材に引張力を作用
させる点は上述と同様である。
【0041】また、アモルファス磁歪フィルム(作用部
材)及び励磁・検出コイル(検出手段)のそれぞれは、
図2に示すような軸線0を中心として略90度間隔の四
カ所に配置されることに限定されるものではない。これ
に代えて、アモルファス磁歪フィルム等を例えば略60
度間隔の六ヶ所や略45度間隔の八カ所に配置するよう
にして、任意の一つが他の一つと常に対向状態となるよ
うにしてもよい。この場合、対向する励磁・検出コイル
の双方を一つの差動増幅回路に接続する。ただし、作用
部材を対向状態で設置するか否かは任意であり、例えば
略120度間隔の三ヶ所に配置した場合には、作動部材
は対向状態とならない。
【0042】さらに、図示のものに代えて、作用部材と
してある程度弾性を持った薄肉板を用いるとともに、検
出手段としてこの薄肉板に貼付した歪ゲージを用いるよ
うにしてもよい。この場合、コイルスプリング(弾性部
材)11の設置は任意であるが、コイルスプリング11
で薄肉板に予め基準引張力を作用させると、歪ゲージは
引張力に関する変化のみを検出すれば足りることになる
点は前記のとおりである。なお、対向する歪ゲージの双
方を一つの差動増幅回路に接続することが好ましい点は
上述と同様である。
【0043】そして、回転切削工具3に曲げ力が作用す
ると、この曲げ力によって薄肉板は伸縮作用を受け、こ
の薄肉板に生じた歪量を歪ゲージで検出するとともにそ
の検出結果を差動増幅回路に入力して解析することによ
り回転切削工具3に作用した曲げ力及びその曲げ方向が
測定される。
【0044】なお、この薄肉板や歪ゲージについて、回
転切削工具3の回転によるねじれの力を受けない点は、
図示した実施の形態と同様である。ただし、この実施の
形態は、図示のものと比較して、作用部材(薄肉板)と
検出手段(歪ゲージ)との間が接着されているため、伸
縮する作用部材の影響を検出手段が受けることになり、
検出結果の信頼性等に問題が生じる可能性がある。一
方、図示の形態は、作用部材(アモルファス磁歪フィル
ム)と検出手段(励磁・検出コイル)との間が接着され
ていないため、伸縮する作用部材の影響を検出手段が受
けず、検出結果の信頼性等に優れており、この点から図
示した実施の形態が好ましい。
【0045】また、本発明の曲げ力検出装置は、図示の
ような回転切削工具3に作用する曲げ力及びその曲げ方
向を検出する場合のみに適用されるものではなく、その
他各種工作機械等の回転軸(棒状回転部材)に対してそ
の軸線と直交する方向に荷重が働いた場合に、かかる回
転軸に作用する曲げ力及びその曲げ方向を検出するもの
としても適用される。
【0046】
【発明の効果】本発明は、作用部材及び検出手段を機械
本体に保持された固定部分に設置し、棒状回転部材をこ
れら作用部材及び検出手段に対して相対的に回転させる
ようにしているため、作用部材に作用する歪の検出か
ら、検出手段によって曲げ力を測定するまでの信号の授
受を確実に行うことができ、このような簡単な構造で棒
状回転部材に作用する曲げ力及びその曲げ方向の測定を
正確かつ安定して行うことができる。さらに、作用部材
や検出手段が、棒状回転部材の回転によるねじれの力
や、回転の軸線方向に働く力(圧縮力等)による影響を
受けないため、測定結果の正確性を向上できるととも
に、これら作用部材や検出手段の劣化・損傷を防止して
装置自体の耐久性を向上させることができる。
【0047】また、対向する作用部材からのそれぞれの
検出結果を一つの差動増幅回路に入力することにより、
棒状回転部材に対してその回転の軸線方向に働く引張力
や圧縮力の影響を除外することができ、これにより、棒
状回転部材に作用する曲げ力のみを、その曲げ方向を含
めて純粋に測定することができる。
【0048】さらに、作用部材として磁歪片を用いると
ともに、検出手段として励磁・検出コイルを用いたもの
では、励磁・検出コイルを作用部材に接着する必要がな
いため、回転切削工具への曲げ力によって伸縮する作用
部材の影響を検出手段が受けないようにすることがで
き、これにより、励磁・検出コイル(検出手段)の耐久
性や検出結果の信頼性をより一層向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る棒状回転部材の曲げ力検出装置
の、実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すA−A線に沿った断面図である。
【図3】回転支持手段へのアモルファス磁歪フィルムの
取付を示す断面図である。
【図4】アモルファス磁歪フィルムの特性を説明する測
定結果である。
【図5】従来の、棒状回転部材の曲げ力検出装置の一形
態を示す説明図である。
【図6】図5(b)に示す状態から曲げ力が作用した状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 機械本体 2 主軸 3 回転切削工具 5 固定部分 7、8 ベアリング(回転支持手段) 7a、8a 内輪 7b、8b 外輪 9、9a、10、10a 取付部材 11 コイルスプリング(弾性部材) 12、12a、12b、12c アモルファス磁歪フィ
ルム(作用部材) 13、13a、13b、13c 励磁・検出コイル(検
出手段) 14、14a 差動増幅回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械本体に取り付けられた棒状回転部材
    の一部を囲んだ状態で当該機械本体に固定された固定部
    分と、 当該固定部分及び前記棒状回転部材の間に、当該棒状回
    転部材の回転の軸線方向に間隔をおいて少なくとも一対
    配置され、その中の一方が前記軸線方向に移動自在であ
    りかつ他方が前記固定部分及び前記棒状回転部材に対し
    て前記軸線方向の一定位置に保持された回転支持手段
    と、 これら回転支持手段同士を、前記軸線方向と平行でかつ
    前記棒状回転部材の周りを所定間隔の複数箇所で囲むよ
    うに接続する作用部材と、 これら作用部材のそれぞれに対応して設置され、前記棒
    状回転部材に作用する曲げ力によって伸縮作用を受けた
    各作用部材の歪量を検出し、その歪量に基づき前記棒状
    回転部材に作用する曲げ力及びその曲げ方向を測定する
    検出手段とを備えたことを特徴とする棒状回転部材の曲
    げ力検出装置。
  2. 【請求項2】 前記作用部材のそれぞれに引張力を付与
    するための弾性部材が設置されたことを特徴とする請求
    項1記載の棒状回転部材の曲げ力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記作用部材は、その中の任意の一つが
    他のいずれかと互いに対向するように設置され、 前記検出手段は、対向状態となる一組の作用部材ごと
    に、これら作用部材の各歪量に対応するそれぞれの検出
    結果が入力される差動増幅回路を備えたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の棒状回転部材の曲げ力検出装
    置。
  4. 【請求項4】 前記作用部材として、磁歪片を用いると
    ともに、前記検出手段として、励磁・検出コイルを用い
    たことを特徴とする請求項1、2又は3記載の棒状回転
    部材の曲げ力検出装置。
JP33707795A 1995-12-25 1995-12-25 棒状回転部材の曲げ力検出装置 Withdrawn JPH09174384A (ja)

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