JPH09167594A

JPH09167594A - 比例計数管

Info

Publication number: JPH09167594A
Application number: JP32685695A
Authority: JP
Inventors: Kiyobumi Okawa; 清文大川
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1995-12-15
Filing date: 1995-12-15
Publication date: 1997-06-24
Anticipated expiration: 2015-12-15
Also published as: JP3589766B2

Abstract

(57)【要約】【課題】分解能特性のよい比例計数管を提供すること【解決手段】放射線を入力する入射窓１３が一部に形
成され電離ガスを封入した外囲器１１と、この外囲器１
１の内部に配設された線状電極１６とを具備した比例計
数管において、線状電極１６の材料として例えば５０重
量％以下のＲｈを含むＰｔ合金を用いている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、放射線検出器とし
て利用される比例計数管に関する。

【０００２】

【従来の技術】放射線検出器として利用される比例計数
管は、円筒状をした真空容器を陰極とし、真空容器内部
の中心に陽極となる線状電極を配設した構造をしてい
る。そして、真空容器内には電離ガスが封入されてい
る。このような構成の比例計数管を用いて放射線を検出
する場合、陽極の線状電極に、陰極に対してプラスの高
電圧を印加し、入射した放射線によって電離された電子
とイオン対を線状電極に集電している。そして、入射す
る放射線エネルギーと線状電極から出力されるパルス波
高との間にある比例特性を利用し、放射線のエネルギー
や量を測定している。なお、比例計数管の線状電極は、
放射線によって電離した電離ガスの電子を収集する機能
を持っており、線状電極の材料としては、物理的、そし
て化学的に安定なＰｔが使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の比例計数管は次のような欠点がある。

【０００４】１）封入される電離ガスの純度を良くする
ために、線状電極などを容器内に封止した後に加熱を行
い、容器内を排気している。しかし、線状電極の材料が
Ｐｔの場合、加熱温度が低いため容器自体の脱ガス効果
が小さく、電離ガスの純度が悪くなる。

【０００５】２）加熱排気の温度が低い場合、電離ガス
の純度を良くするためには、加熱排気の時間を長くしな
ければならず、その分、加熱排気工程が長くなる。

【０００６】３）容器内に陽極の線状電極をまっすぐに
張る場合、バネなどを利用して線状電極に張力を掛け容
器に取り付けている。しかし、張力を掛けた状態で温度
を上げていくと、約３５０℃前後で線状電極の線径が局
部的に細くなる現象が発生する。例えば、正常の線状電
極は、図２の符号２１で示すように線径は一様になって
いる。これに対し、加熱によって線状電極の線径が局部
的に細くなったものは、図３の符号３１で示すような構
造となり、その表面にいくつもの溝状の段差３２が円周
方向に生じている。

【０００７】上記したように、線状電極の材料としてＰ
ｔを用いた場合、加熱排気の温度が低くなり、十分な排
気ができず電離ガスの純度が悪くなる。また、線状電極
の線径が局部的に細くなり線状電極の線径にバラツキが
出る。このため、比例計数管の基本特性であるエネルギ
ー分解能が悪くなる。

【０００８】本発明は、上記した欠点を解決するもの
で、分解能特性のよい比例計数管を提供することを目的
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、放射線を入力
する入射窓が一部に形成され電離ガスを封入した外囲器
と、この外囲器の内部に配設された線状電極とを具備し
た比例計数管において、前記線状電極の材料としてＲｈ
を含むＰｔ合金を用いている。

【００１０】また、Ｒｈの含有率が５０重量％以下（０
を除く）となっている。

【００１１】また、Ｒｈの含有率が２０重量％以下（０
を除く）となっている。

【００１２】また、Ｒｈの含有率が５乃至１５重量％の
範囲となっている。

【００１３】また、線状電極に張力が与えられている。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図１
を参照して説明する。

【００１５】１１は、陰極を構成する筒状外囲器で、外
囲器１１の側壁部分には透孔１２が設けられている。透
孔１２部分は放射線を通すＢｅで塞がれ、放射線を入力
する入射窓１３となっている。また、筒状外囲器１１の
両端１１ａ、１１ｂにそれぞれ絶縁端子１４、１５が取
り付けられている。そして、筒状外囲器１１内の中心軸
部分に沿うように陽極となる線状電極１６が配設され、
線状電極１６の両端は絶縁端子１４、１５に固定されて
いる。

【００１６】この場合、線状電極１６の材料としてＲｈ
（ロジウム）を５０重量％以下、例えば１０重量％を含
むＰｔ（白金）の合金を用いている。また、線状電極１
６の一方の端部にばね１７を接続し、線状電極１６がま
っすぐに張られるように線状電極１６に張力を掛けてい
る。なお、ばね１７が接続された側の線状電極１６は端
面１１ｂを貫通して外部まで延び、図示しない測定回路
などに接続される構成になっている。また、外囲器１１
内面にはライナーが設けられ、外囲器１１内の空間１８
には電離ガス（ＸｅとＣｅ2 の混合ガス）が封入されて
いる。

【００１７】上記した実施の形態では、線状電極の材料
として５０重量％以下のＲｈを混合したＰｔを用いてい
る。この場合、高い温度で加熱排気できるため封入され
る電離ガスの純度が良くなる。また、加熱の際に線状電
極の線径が局部的に細くなるようなことがなく、線径の
バラツキが少なくなる。このため、分解能特性の良い比
例計数管が実現できる。また、製作の際の加熱排気時間
も短縮できる。なお、Ｒｈが５０重量％を超えて多すぎ
ると、硬く且つ脆くなるので所定の均一な線径に加工す
ることが困難になる。

【００１８】上記した構造の比例計数管によれば、次の
ような特性が実現される。

【００１９】１）線状電極の材料に、Ｒｈを含んだＰｔ
線を使用している。この場合、高い温度で加熱排気して
も線状電極に線径のバラツキが発生せず、分解能特性が
向上する。例えば、Ａｇ分解能の平均は１．９４ＫｅＶ
となり、従来の構成（２．０４ＫｅＶ）に比べ０．１Ｋ
ｅＶほど改善された。

【００２０】２）高い温度で加熱排気できるため、容器
自体から発生する不純ガスが少なくなり、封入された電
離ガスの純度が良くなり分解能特性が向上する。

【００２１】３）高い温度で加熱排気できるため、加熱
排気時間を短くしても分解能特性の良い比例計数管が得
られる。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、分解能特性のよい比例
計数管を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示す概略断面図である。

【図２】線状電極の特性を説明する図である。

【図３】従来の線状電極の特性を説明する図である。

【符号の説明】

１１…外囲器１２…透孔１３…入射窓１４、１５…絶縁端子１６…線状電極１７…ばね１８…空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】放射線を入力する入射窓が一部に形成さ
れ電離ガスを封入した外囲器と、この外囲器の内部に配
設された線状電極とを具備した比例計数管において、前
記線状電極の材料としてＲｈを含むＰｔ合金を用いたこ
とを特徴とする比例計数管。
【請求項２】Ｒｈの含有率が５０重量％以下（０を除
く）である請求項１記載の比例計数管。
【請求項３】Ｒｈの含有率が２０重量％以下（０を除
く）である請求項１記載の比例計数管。
【請求項４】Ｒｈの含有率が５乃至１５重量％の範囲
である請求項１記載の比例計数管。
【請求項５】線状電極に張力が与えられている請求項
１乃至請求項４のいずれか１つに記載された比例計数
管。