JPH09160898A - 粒子座標及び時系列粒子座標圧縮方法 - Google Patents

粒子座標及び時系列粒子座標圧縮方法

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JPH09160898A
JPH09160898A JP31634195A JP31634195A JPH09160898A JP H09160898 A JPH09160898 A JP H09160898A JP 31634195 A JP31634195 A JP 31634195A JP 31634195 A JP31634195 A JP 31634195A JP H09160898 A JPH09160898 A JP H09160898A
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time
coordinate
series
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JP31634195A
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Satoshi Ito
智 伊藤
Shigeo Ihara
茂男 井原
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理現象を粒子の集合として模擬的に再現す
る粒子シミュレーションに必要な大量の粒子の空間座標
およびその時系列データを圧縮する方法を提供する。 【解決手段】 解析対象となる空間とそこに存在する粒
子の情報から、要求される精度の表現に座標を変換する
処理(109)と、変換された座標の一部の情報を共有
するグループに分割する処理(110)と、グループ毎
に必要最小限の情報を出力する処理(111)とからな
る。 【効果】 大量の粒子の空間座標は、情報の多くの部分
が近隣の粒子同士で共通であることに注目し、グループ
毎に情報を纏めることにより、および時系列的な座標の
変化が小さく、その表現に要する記憶容量が少なくて済
むことを用いることにより、大量の情報を圧縮してより
少ない記憶媒体に記録することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は物理現象を数値化し
て粒子の挙動として模擬的に再現する粒子シミュレーシ
ョン装置に係わり、例えば、原子・分子・イオンなどを
粒子としてみなす材料物性内の挙動を動的に計算する粒
子シミュレータに関する。特に、数万原子を越える粒子
の位置情報、特に時系列データを扱う場合に、有効なデ
ータ圧縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】空間内での粒子の座標は空間を規定する
次元の個数だけの実変数によって表現される。最も汎用
的なデータの保存方法としては、座標の値を視覚的に読
み取ることのできるアスキーコードを用いて表現し保存
する方法である。また、保存データを直接視覚的に読み
取る必要がなければ、計算機に依存したバイナリコード
を用いて保存する方が一般的に少ない容量で等価な情報
を保存できる。これらの粒子座標の圧縮方法としては、
情報処理の分野で開発され、一般のデータに対して適用
されるランレングス法や出現頻度に応じた情報圧縮の方
法が用いられている。しかし、これらは、粒子座標が本
来持っている特徴を活かしているわけではないので、必
ずしも高い圧縮率が得られるわけではない。
【0003】時系列データの圧縮については、画像の分
野が進んでいる。時系列画像データにおけるコマ毎のデ
ータはゆっくりと僅かづつ変化している場合が多いの
で、前時刻との差分をとって圧縮する方法が多く取られ
ている。特に同じ背景のもとで手前の人物だけが移動す
る場合、全画素のうち大部分は変化せず、その部分につ
いては変化しないという情報だけですみ、大幅な圧縮が
可能となる。
【0004】粒子座標の時系列データはこれまで各時刻
のデータを時系列順に羅列することによって保存してい
るが、前時刻データとの差分を取るとデータを圧縮でき
そうなことは容易に予想される。しかし、粒子座標の場
合、熱的振動や量子揺らぎ等の効果によって、絶えずそ
の位置を変化させている。粒子の時刻データの差分量は
僅かと言えども0ではなく、その有限の量を精度を保ち
つつ圧縮する方法は自明ではない。通常の数値計算では
位置座標もその差分を計算する場合も、変数を表現する
情報量としては4、8、又は16バイトのいずれかの同
じ量の変数を用いている。変数の値をバイナリコードと
して出力するならば、位置も差分も同じ情報量を必要と
する。画像の時系列データの圧縮方法については多くの
検討がなされているが、粒子座標に対しては、その具体
的実現方法は未だ明らかにされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】計算機の発達とアルゴ
リズムの進歩により、大規模なシミュレーションが可能
になってきたが、それに伴い大量のシミュレーション結
果データを保存しなければならない問題が顕著になって
きた。百万原子の三次元空間座標は20〜30メガバイ
トの情報量となり、その時系列データ500点ともなれ
ば1ギガバイトを越える。
【0006】さらに、シミュレーション方法として並列
計算機を使用する場合、計算の主要部分は並列化できた
としても、データの入出力部分については容易に高速化
することはできない。
【0007】したがって、本発明の第一の目的は、粒子
シミュレーション結果としての空間内の粒子座標および
その時系列データの保存容量を削減することにある。空
間の次元数に依存しないので、三次元のみならず、二次
元でも一次元でも、又は四次元以上の高次元空間の場合
に対しても、同様に実施可能である。さらに、本発明の
第二の目的は、並列計算機を使用した場合に空間内の粒
子座標を高速に入出力することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため、空間内の粒子の座標を保存する場合、必要とす
る精度を表現するために必要な最低限度の情報量だけを
保存する。さらに各粒子の座標の表現において、近隣の
粒子座標の表現が類似している特徴を利用して、粒子を
グループ化し、グループの共通部分とグループ内での差
異部分とに分離して保存する。グループ共通部分は、グ
ループ毎に一回保存するだけで、各粒子毎に保存する必
要はないので、保存量を全体として削減することができ
る。また、系が固体の結晶構造の様に極めて規則的に近
い状態で並んでいる場合には、その規則性と規則的位置
からの粒子座標の差分のみを記録すると、全体の保存量
を削減できる場合がある。何れにせよ、空間内の粒子の
座標から、共通項を持つグループに分割し、各グループ
でその共通項と非共通項とに分離して保存する。
【0009】粒子座標の時系列データの保存に関して
は、グループ化を図る範疇を粒子の空間座標だけでな
く、時間軸をも含めた幅広い領域内での粒子のグループ
化を図る。極端な例としては、一つの粒子の全時刻の座
標を一つのグループとして見做し、その共通部分と非共
通部分に分離して保存することが考えられる。もう一つ
の例としては、前時刻データとだけの共通部分を抽出す
ることである。これはまさしく前時刻データとの差分を
保存することに対応する。従って、画像データの圧縮で
用いられている前時刻データとの差分による圧縮方法
は、本発明で述べる時系列データ圧縮方法の一部分に対
応する。 さらに、上記第二の目的を達成するため、空
間の領域を分割して各々の領域での計算を並列に実行す
る方法に基づき、並列計算機を用いて粒子シミュレーシ
ョンをする場合、分割された領域内の粒子が座標値とし
て共通の情報をすでに共有していることを利用して、分
割された各領域での粒子の座標は各々の領域で差異部分
のみ入出力する。特に、入出力処理をハードウェアとし
て有している計算機の場合、この方法を用いることによ
り、入出力を高速に処理することができる。
【0010】計算機内の表現で保持されていた数値デー
タを、精度から要求される情報量の表現に変換する。こ
の処理によって計算機内の表現よりも少ない情報量で必
要なデータを持つことになり、圧縮の作用が始まってい
る。この表現の上では、粒子の座標データは共通要素を
持つ幾つかのグループに分割することができる。各グル
ープ毎に、その共通部分を一度だけ出力し、各データ毎
には非共通部分だけ出力することにより、これまで繰り
返し出力していた共通部分のデータの量が削減される。
以上により粒子座標の大幅な圧縮が行われる。
【0011】等価な情報量を少ない容量で保存すること
により、ハードディスク等の有限な計算機環境の資源を
有利に活用することができる。また、シミュレーション
結果のファイルへの出力、画像生成装置等の他の装置へ
の転送時間を削減できる。これにより、最終的な結果
や、可視化データを従来よりも早く獲得することができ
るようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】図3に、本発明を並列計算機上で
用いる場合のシステム構成図の一例を示す。この様なシ
ステムでのシミュレーションが本発明の最も有力な適用
対象である。並列計算機301内の各プロセッサ302
は、外部記憶装置303から、シミュレーションを実行
するために必要なパラメータ等を読み込む。複数のプロ
セッサ間でネットワーク304を通してデータのやり取
りを行いつつシミュレーションが協調実行される。シミ
ュレーションの途中及び終了時点で各プロセッサは自分
の割り当てられている領域内の粒子座標を、後述の圧縮
方法に従って圧縮して別々のファイルとして外部記憶装
置305または306に出力して記録する。各プロセッ
サからの出力を記録する外部記憶装置は、各プロセッサ
に固有のもの(305)でも良いし、全プロセッサから
共通にアクセスできるもの(306)でも良い。入出力
の高速性の立場からは、各プロセッサに固有の外部記憶
装置305の方が好ましい。
【0013】本発明の一実施例を説明する。図1は本発
明である粒子座標圧縮方法を利用したシミュレーション
装置の構成図である。演算処理装置101は、粒子の特
性、位置、速度等のシミュレーション入力データ104
を外部記憶装置102から読み込んで、シミュレーショ
ンプログラム105に従って計算を実行する。シミュレ
ーションのあるタイミングに応じて、粒子の空間座標1
06が生成される。従来は、生成された粒子の空間座標
をそのままの形でシミュレーションの出力データとして
外部記憶装置103に書き込んでいたのにたいし、本発
明では、生成された粒子の空間座標106を、粒子座標
圧縮コード変換107によって粒子の空間座標圧縮情報
108に変換し、シミュレーション出力データとして外
部記憶装置103に出力する。
【0014】また、シミュレーション結果を可視化など
の別なアプリケーションプログラムが読み込む場合に
は、図2に示すような構成で実施する。演算処理装置1
01は、外部記憶装置103から粒子の空間座標圧縮情
報108を読み込み、粒子座標解凍コード変換処理20
1により逐次解凍し、粒子の空間座標106を再現す
る。このデータは、可視化プログラム202により解釈
され、可視化データ203として、可視化装置204に
より表示される。
【0015】本発明の核である粒子座標圧縮コード変換
処理107の実施例の詳細説明に入る前に、従来手法を
用いた場合について簡単に説明しておく。
【0016】従来、粒子の空間座標を出力する場合、汎
用的なアスキーコードで出力する方法と、計算機内部で
数値を記憶している表現であるバイナリコードそのまま
の形で出力する方法がある。圧縮の度合(圧縮率)を比
較するために、典型的な具体例をあげて、情報記録に必
要となる容量を算出する。シリコン原子百万個を含む立
方体の結晶構造において、この百万原子の三次元座標を
10の−4乗と−6乗の精度で保存することを考える。
この立方体の一辺は約270Å(オングストローム=1
0の−10乗メートル)となる。
【0017】粒子の座標x,y,zをそれぞれアスキー
コードで表現する場合、整数部3桁と、小数点、小数点
以下4又は6桁を必要とするので、数字間の分離記号を
含めて、3×(3+1+4(又は6)+1)×1000
000=25.7(又は31.5)メガバイトの容量を
必要とする。
【0018】FORTRANをプログラム言語として用
いる場合、倍精度の8バイト変数を各座標毎に用意す
る。座標を保存する時のみ単精度の4バイト変数を用い
ることも可能であるが、単精度変数の実数部は24ビッ
トで表現されるため、270Å内の座標は、小数点以下
4〜5桁までしか表現できない。10の−6乗の精度を
要求された場合には、単精度変数として保存することは
できない。いずれにせよ、これらの変数をバイナリコー
ドのまま保存する場合に必要とされる容量は、3×4
(又は8)×1000000=11.4(又は22.
9)メガバイトである。
【0019】さらにこの系の時系列データを500点保
存する場合、通常では各々の500倍の容量を必要とす
る。バイナリコードで保存する時、10の−4乗で良い
場合は5.6ギガバイト、10の−6乗必要な場合は倍
精度が必要なので11.2ギガバイトの容量を必要とす
る。
【0020】次に、以上の必要容量を踏まえて、本発明
による粒子座標圧縮コード変換処理107の一実施例を
図1を用いてより詳細に説明する。
【0021】圧縮処理の第一段階として、要求精度を実
現する最小限の容量の表現に粒子座標を変換する処理1
09を実行する。この処理では計算機内部において通常
用いられる8バイト変数のバイナリコードで保存された
粒子座標を要求される精度を実現する最小限の容量の表
現に変換する。系のサイズが約270Åの場合、精度1
0の−4乗又は−6乗を表現する為には22又は28ビ
ットの情報量が最小限必要である。百万原子の座標三成
分全てで、3×22(又は28)/8×1000000
=7.9(10.0)メガバイトの容量を必要とする。
本容量は、通常のバイナリコードによる保存に対して、
30〜56%の削減となる。要求精度を実現する最小限
の容量の表現に座標を変換する処理109の一実施例を
一般的に述べる。系のサイズLÅに対して、10の−M
乗の精度で粒子の座標を保存すると仮定する。(−lo
g(L)−M×log10)/log2を越える最小の
整数Kが、必要な精度で座標を表現する最小限のビット
数である。出力された情報から座標を再現できるように
する為、このビット数も同時に保存する必要がある。座
標を圧縮する際には、各座標値を2の−K乗で割り、そ
の商を整数化し下位Kビットを出力する。また、座標を
再現(解凍)する為には、Kビットづつ読み込み、クリ
アした整数の下位にセットし、2の−K乗を乗じて実数
化する。
【0022】続く、変換された座標の一部の情報を共有
するグループに分割する処理110において、情報を共
有するグループを見い出すことができないとしても、上
記実例では30〜56%の削減が実現される。
【0023】次に、変換された座標をその一部の情報を
共有するグループに分割する処理110におけるグルー
プ化の一実施例を述べる。要求精度を実現する最小限の
容量の表現に座標を変換する処理109で圧縮変換され
たKビットの座標値は、近隣の粒子同士においては上位
の幾つかのビットが共通の値を持っている。系をX=0
を含むX軸に垂直な面で二分すると、X座標として負の
値を持つ一方のグループの粒子は全てX座標の第一ビッ
トとして0、他方は1を有する。グループ内で共通の情
報は重複して保持しなくても、全体の情報を再現するこ
とができる。そこで、グループ毎に共通部分を出力し、
各データ毎に非共通部分をそれぞれ圧縮コードとして出
力する処理111を設けることにより、全体として情報
を記録する容量を削減することができる。
【0024】各処理をより一般的に述べる。系全体を2
のq乗(q:分割数を指定するビット数)のグループに
分割し、座標の出力をグループ毎に処理する。先頭で、
もともと保持している各座標のビット数Kを3バイト用
いて出力、各軸毎に何分割されたかを2の冪乗の数値と
して3バイト用いて出力、続いて各グループ内に存在す
る粒子数を表現可能なビット数rを1バイト用いて出力
する。各グループのヘッダでは、グループ内で共通なq
個のビットをx,y,zの順に出力し、グループ内に存
在する粒子の数をrビットで出力する。続いてグループ
内の全ての粒子に対して、非共通の残りのビットをx,
y,zの順に出力していく。この圧縮方法によって必要
とされる容量は、3+3+1+Q×(q+r)/8+N
×(3×K−q)/8バイトとなる。ただし、ここでQ
は2のq乗を表す。分割を多くすれば、各粒子毎に保存
すべき情報は少なくなるが、グループのヘッダ部分が増
えてくるため、圧縮率を最も高くする最適な分割数が存
在する。先に述べた百万原子の系の例題では、保存する
精度に依らず、q=16の場合が最も効果的で、このグ
ループ化によって削減される容量は1.75メガバイト
である。通常のバイナリコードによる保存に対して46
〜64%の圧縮率になる。
【0025】本グループ化の方法を実施する為には、全
ての粒子を2のq乗にグループ化しなければならない。
分子動力学の高速化を図るアルゴリズムの多くは、すで
に空間を複数のセルに分割し、粒子をグループ化してい
る。シミュレーションのアルゴリズムで用いている空間
分割のセルの大きさを2のq乗の分割と見做すことによ
り、グループ化の処理をシミュレーションプログラムの
中で行うことが可能であり、座標情報の圧縮に要する時
間を削減できる。特に、近年利用が盛んになった並列計
算機をシミュレーションに用いることが増えてきている
が、粒子シミュレーションでは、多くの場合、空間領域
の分割によって、並列化を実施している。しかも、並列
計算機のアーキテクチャの都合上、ほとんどの場合2の
冪乗のプロセッサ数で構成されている。従って、各次元
毎に2の冪乗になるように、全領域を分割してプロセッ
サに割り当てることにより、各プロセッサが担当する粒
子は、自動的にグループ化されることになる。並列計算
機によるシミュレータが座標を圧縮して出力する場合、
各プロセッサ毎にグループの共通の情報と割り当てられ
た粒子の非共通部分を出力すればよい。
【0026】以下、前述のグループ化の処理において、
座標情報をグループ化する別な一実施例を述べる。
【0027】固体の結晶状態のシミュレーションの様
に、粒子が極めて規則的に近い状態で並んでいる場合、
その規則性と規則的位置からの粒子座標の差分だけを記
録する方が、全体の記録容量が少なくて済む場合があ
る。系全体が複数の規則領域に分割される場合、規則性
が同じもの毎にグループ化することができる。この場
合、図1に示す処理110は、周期的規則性を検出する
処理、規則的位置を算出する処理、および規則的位置と
粒子座標の差分を計算する処理を設けることによって行
われる。また、処理111は、規則性および差分情報を
出力する処理を実行することにより実施される。
【0028】粒子シミュレーションでは、粒子座標の時
間変化を求めることが多い。そのような粒子座標の時系
列データを保存する場合、通常は時系列順に順次粒子座
標データを記録していく方法が取られる。この場合、記
録に要する容量は、各時刻での粒子座標データの記録容
量の和になる。
【0029】通常の粒子シミュレーションの場合、時系
列データには時系列的な相関が存在する。すなわち、時
系列的に連続する粒子座標データは極めて類似してい
る。その性質を利用して、時系列方向にもグループ化の
可能性を広げると、情報をさらに圧縮することが可能で
ある。
【0030】例えば、シミュレーション全体を通して粒
子の移動範囲が大きく限定される場合、各粒子毎の全時
刻データをグループと見ることができる。一つの粒子の
時系列データのほとんどは同じ値を示している。共通部
を一度だけ出力し、他の非共通部だけを時刻毎に出力す
ることにより、圧縮することができる。
【0031】グループ化する時系列の範囲は任意に選択
することができる。もう一方の極端な例としては、連続
する二つの時刻データだけをグループとして見做す方法
である。これは、画像の時系列データの圧縮で用いられ
る前時刻データとの差分による圧縮方法に対応する。そ
の場合の一実施例を図4に示す。本実施例の粒子座標圧
縮コード変換処理107では、時刻判定処理401で、
データの時刻をnresetで割ったあまりが1である
かどうかを判定し、それ以後の処理を分ける。ここで、
nresetは、差分値から座標を再構成する場合、時
間ステップを繰り返すと誤差が蓄積するので、ある時刻
で誤差をクリアする為に粒子の空間座標そのものを記録
する時間間隔を表わす。
【0032】条件が合致した場合(yes)は、これま
で述べてきた空間情報のみに基づくグループ化を用いた
粒子座標圧縮コード変換処理402を実行し、空間圧縮
データであることを示すタグと、圧縮データを出力す
る。条件が合致しない場合(no)は、要求精度を実現
する最小限の容量の表現に座標を変換する処理109を
実施した後、前時刻座標との差分を取り(403)、前
時刻座標との差分であることを示すタグ、差分記述に必
要なビット数、および各粒子の差分データを差分情報と
して出力する(404)。各条件に対応して圧縮情報を
出力した後、次の時刻で時系列差分を取るために、現時
刻の粒子座標を要求される精度の表現に変換したデータ
を次回の前時刻座標として更新する(405)。
【0033】具体的に百万粒子の時系列座標を記録する
場合について考えてみる。通常の粒子シミュレーション
では、1時間ステップの間に、10の−4から−5乗Å
程度しか移動しない。毎時間ステップに、座標を記録す
るとは限らないので、前回記録した時との粒子の最大移
動距離が10の−3乗Å程度となる場合を典型例として
考える。それぞれ必要な精度に対して、最大移動距離を
記述するために必要な容量は、精度が10の−6乗の場
合、4桁で14ビット(2の14乗は10の4乗より大
きい)、10の−4乗の場合、2桁で7ビット(2の7
乗は10の2乗より大きい)である。これらの情報は粒
子数百万個として、3×1000000×7(又は1
4)/8=2.5(又は5.0)メガバイトになる。1
0回に1回は差分でなく、粒子の空間座標の圧縮を出力
しなければならないとすると、1時刻ステップ当りの平
均記録容量は、2.9(又は5.3)メガバイトとな
り、通常のバイナリコードを時系列的に羅列する方法に
比べて約75%の削減が可能である。各時間ステップ毎
に座標を記録する場合には、最大移動距離が小さくなる
ため、情報の圧縮率はさらに高くなる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、数百万原子を取り扱う
粒子シミュレーションの結果である粒子座標を約1/2
に圧縮することができる。また、それら粒子座標の時系
列データは、約75%までの圧縮が可能である。これに
より、データを保存する記録媒体を効率良く有効に利用
することができる他、計算機ネットワーク内での転送時
間の短縮、計算機の入出力時間も大幅に削減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である粒子座標圧縮方法を利
用したシミュレーション装置の構成図。
【図2】本発明の一実施例である粒子座標圧縮方法を利
用したシミュレーション結果の可視化装置の構成図。
【図3】並列計算機を用いたシミュレーションのシステ
ム構成図。
【図4】前時刻との差分を用いた粒子座標圧縮方法の一
実施例を示す図。
【符号の説明】
101…演算処理装置、102…外部記憶装置、103
…外部記憶装置、105…シミュレーションプログラ
ム、107…粒子座標圧縮コード変換、201…粒子座
標解凍コード変換。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空間内の粒子の挙動を計算機を用いて動的
    に計算する粒子シミュレーションを行って生成された粒
    子座標の圧縮方法であって、(1)生成された粒子座標
    を圧縮コード変換処理により圧縮情報に変換する処理
    と、(2)変換された粒子座標を外部記憶装置に記録す
    る処理とからなることを特徴とする粒子座標圧縮方法。
  2. 【請求項2】空間内の粒子の挙動を計算機を用いて動的
    に計算する粒子シミュレーシヨンを行って生成された粒
    子座標の圧縮方法であって、(1)生成された粒子座標
    を、要求精度を実現する最小限の容量の表現に変換する
    処理と、(2)変換された表現の粒子座標を外部記憶装
    置に記録する処理とからなることを特徴とする粒子座標
    圧縮方法。
  3. 【請求項3】空間内の粒子の挙動を計算機を用いて動的
    に計算する粒子シミュレーションを行って生成された粒
    子座標の圧縮方法であって、(a)生成された粒子座標
    を、要求精度を実現する最小限の容量の表現に変換する
    処理と、(b)変換された表現の粒子座標をそのー部情
    報が共通なグループに分割する処理と、(c)該グルー
    プ毎に共通情報と非共通情報を圧縮コードとして出力す
    る処理と、(d)出力された圧縮コードを外部記憶装置
    に記録する処理とからなることを特徴とする粒子座標圧
    縮方法。
  4. 【請求項4】上記(d)の記録する処理は、上記(c)
    で出力された共通情報を各グループ毎に一度だけ記録す
    る処理と、上記非共通情報を上記粒子座標毎に記録する
    処理とからなる請求項3項記載の粒子座標圧縮方法。
  5. 【請求項5】上記(b)の分割する処理は、近隣の粒子
    座標の表現が類似している特徴を利用して粒子座標をグ
    ループ化する処理からなる請求項3項記載の粒子座標圧
    縮方法。
  6. 【請求項6】上記(b)の分割する処理は、上記粒子座
    標の規則性を検出する処理と、該規則性が同じ粒子座標
    毎にグループ化する処理とからなる請求項3項記載の粒
    子座標圧縮方法。
  7. 【請求項7】空間内の粒子の挙動を計算機を用いて動的
    に計算する粒子シミュレーションを行って生成された時
    系列粒子座標の圧縮方法であって、(1)生成された時
    系列粒子座標を,要求精度を実現する最小限の容量の表
    現に変換する処理を含む粒子座標圧縮コード変換処理
    と、(2)圧縮コード変換された時系列粒子座標を外部
    記憶装置に記録する処理とからなることを特徴とする時
    系列粒子座標圧縮方法。
  8. 【請求項8】上記(1)の圧縮コード変換処理は、
    (a)上記表現に変換された時系列粒子座標をその一部
    情報が空間的位置及び時系列的時間において、共通なグ
    ループに分割する処理と、(b)分割されたグループ毎
    に共通情報を圧縮コードとして出力する処理とを含み、
    上記(2)の記録する処理は、上記(b)で出力された
    圧縮コードをグループ毎に一度だけ記録する処理からな
    る請求項7項記載の時系列粒子座標圧縮方法。
  9. 【請求項9】上記(a)の分割する処理は、前時刻座標
    と現時刻座標とをー個のグループとして処理可能なよう
    に分割する処理からなり、上記(b)の出力する処理
    は、これら座標の差分を出力する処理からなる請求項8
    項記載の時系列粒子座標圧縮方法。
  10. 【請求項10】上記(a)の分割する処理は、各粒子の
    全時系列座標をーグループに分割する処理からなり、上
    記(b)の出力する処理は、代表空間座標をー回出力し
    たうえ各時刻の座標と代表空間座標との差分を各時刻毎
    に出力する処理からなる請求項8項記載の時系列粒子座
    標圧縮方法。
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