JPH09149499A - データ転送方法及びその装置 - Google Patents

データ転送方法及びその装置

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JPH09149499A
JPH09149499A JP7325073A JP32507395A JPH09149499A JP H09149499 A JPH09149499 A JP H09149499A JP 7325073 A JP7325073 A JP 7325073A JP 32507395 A JP32507395 A JP 32507395A JP H09149499 A JPH09149499 A JP H09149499A
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JP
Japan
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data
audio data
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digital signal
audio
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JP7325073A
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English (en)
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Osamu Morioka
修 森岡
Kenji Takai
健二 高井
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Nippon Columbia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Columbia Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数チャンネルのオーディオデータを転送する
データ転送装置において、オーディオデータ以外の付加
データを転送する場合にデータラインを増やさなければ
ならず、また、複数チャンネルのオーディオデータを少
数のデータラインで転送するとデジタルシグナルプロセ
ッサに負担をかけることとなる。 【解決手段】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
接続し、動作クロックFsに同期させてデータの転送を
行うデータ転送方法及び装置において、動作クロックF
sをa倍した動作クロックaFsに同期させ、複数チャ
ンネルのオーディオデータが混在したデータ配列を判別
する判別信号を付加し、複数チャンネルのオーディオデ
ータを使用可能なデータライン数以下のライン数を用い
て転送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AVアンプ等のデ
ジタルオーディオデータの再生装置に用いられている複
数個以上のデジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、
複数チャンネルのデジタルオーディオデータを転送する
データ転送方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、映画や音楽を聴くオーディオシス
テムにおいて、特に映画を視聴するためのオーディオシ
ステムでは、その映画での臨場感を得るためにサラウン
ドシステムが使用されている。サラウンドとは、視聴者
が音源の方向感を感じつつ音に取り囲まれた感じと拡が
り感を得る効果である。
【0003】図9は、サラウンドシステムの構成を示す
模式図である。図9に示すように、サラウンド効果を得
るためのオーディオシステムでは、複数個のスピーカが
用いられ、それぞれのスピーカから、その音場にあった
音が出力されることにより、サラウンド効果が得られ
る。例えば、正面に配置される左右2個のメインスピー
カ(Lスピーカ:FL、Rスピーカ:FR)と、中央に配
置されるセンタースピーカ(C)と、中央に配置される
低音用のサブウーハ(SW)、後方に配置される左右2
個のサラウンドスピーカ(Lサラウンドスピーカ:R
L、Rサラウンドスピーカ:RR)の6個のスピーカを用
いるシステムがあり、これらのスピーカは、視聴者を中
心に取り囲むように配置されている。
【0004】この6個のスピーカを用いて前記サラウン
ドシステムを採用することにより、例えば映画を上映す
る場合、画面の左側から右側に飛行機が飛んでいるシー
ンのとき、音も視聴者の左側から右側に移動して聴こえ
る。同様に画面において、後方から前方に飛行機が飛び
去ってしまうシーンのとき、音も飛行機の動きに合わせ
て視聴者の後方から前方に移動して聴こえる。
【0005】また、音楽を演奏したコンサートのソフト
を上映した場合は、前方からの音楽の直接音と共に、側
面や後方の前方以外からのコンサートホールでの反射音
や残響音も聴こえるようになるため、視聴者があたかも
そのコンサートホールにいるように聴こえる。
【0006】以上のような、サラウンド効果を得るため
には、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital
Signal Processer)を複数個使用して実施している。図
10は、従来のサラウンドシステムの要部についての模
式図である。(a)は、信号処理部の要部の概略構成で
あり、(b)は、第1のDSP入力時のオーディオデー
タの配列であり、(c)は、第1のDSP出力時以降の
オーディオデータの配列である。
【0007】図9において、前述したサラウンド効果を
得るためのデジタルオーディオデータ(以下、オーディ
オデータという。)は、LスピーカとRスピーカのオー
ディオデータ(フロントL:FL、フロントR:FR)、
センタースピーカのオーディオデータ(センター:
C)、サブウーハのオーディオデータ(サブウーハ:S
W)、LサラウンドスピーカとRサラウンドスピーカの
オーディオデータ(リアL:RL、リアR:RR)があ
る。これらの各スピーカから出力するそれぞれの性質の
異なるオーディオデータは、図10(a)に示すような
構成の信号処理部により、それぞれ1スピーカに対して
1チャンネルと割り当て、後述するDSPによりさまざ
まな処理が施される。
【0008】これらのオーディオデータは、図10
(b)に示す1チャンネルに多重記録されたオーディオ
データであり、このオーディオデータを、図10(a)
に示す第1のDSPで、それぞれのスピーカの配置位置
や音の周波数(音の高さや低さ)により、図10(c)
に示すように、前述したそれぞれのオーディオデータに
分割し、その後、そのデータが転送された第2のDSP
により、それぞれのオーディオデータに対して、残響感
を出すための処理や倍音を出すための処理が施され出力
される。
【0009】つまり、第1のDSPは、3本の出力ポー
トから動作クロックFsの1サイクル間で出力するよう
に同期させて、6チャンネル分のオーディオデータを出
力する。第2のDSPは、3本のデータラインで混在し
て転送されてきた6チャンネル分のオーディオデータ
を、各チャンネル毎のオーディオデータに分割し並べ変
え、それぞれのオーディオデータに対して残響感のため
の処理等を施し出力する。出力されるオーディオデータ
は、1チャンネル分のオーディオデータに対して、処理
が施されていないオーディオデータと処理を施したオー
ディオデータの2チャンネルが出力される。したがっ
て、第2のDSPから出力されるオーディオデータとし
ては、12チャンネル分のオーディオデータが出力され
ることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】複数のスピーカを用い
て臨場感を得るオーディオシステムに用いる場合、その
オーディオシステムは、図10(a)に示すように、D
SPを複数個縦列接続し、それらのDSPでさまざまな
処理を行っている。
【0011】従来のサラウンド効果のためのオーディオ
データの処理は、具体的には、図10(a)に示すよう
に、3本の出力ポート或いは入力ポート、すなわち、3
本のデータラインで6チャンネル分のオーディオデータ
とを、動作クロックの1サイクル間でデータ転送可能な
ように、転送するデータに対応した本数のデータライン
数を有するDSPを用いなければならなかった。このD
SPを用いて、オーディオデータ以外のデータを転送す
る場合は、本来のオーディオデータを転送するデータラ
インの他にデータラインを設けなければならず、データ
ライン数(入力ポート数と出力ポート数)の多く、ま
た、複数チャンネルのデータを同時に並列して処理する
DSPは高価であり、特に、システムとしてDSPを複
数個使用する場合、オーディオシステムに組み込むこと
は困難であった。
【0012】また、オーディオデータ以外のデータを付
加する場合、例えば、バックグランドノイズ或いはリミ
ッタ等のデータを付加する場合、これらのデータに関す
る処理もDSPで行う。図11は、スピーカから出力さ
れるオーディオデータを示す模式図である。(a)は、
音楽ソフトとバックグランドノイズの場合を示す模式図
であり、(b)は、リミッタの場合を示す模式図であ
る。
【0013】例えば、図9に示すように、前述した複数
のスピーカを用いて臨場感を出すオーディオシステムに
おいて、スピーカから出力される音で得られる臨場感以
外に、その場所でのバックグランドノイズ等による臨場
感により、よりよいサラウンド効果を得ることができ
る。
【0014】バックグランドノイズとは、図11(a)
に示すように、例えば、実際に演奏前(音が発生してい
ない状態)のコンサートホールに視聴者がいる場合、そ
の場で発生している音はないが、電機機器等に電源が入
っているときに発生する微小な音、或いは、外部からの
微小なノイズ音等が聴こえる。これらのノイズをバック
グランドノイズというが、このノイズは、周波数として
低域の成分である。このバックグランドノイズを各スピ
ーカからそれぞれのスピーカ一に対応したレベルで出力
することにより、音による臨場感と同様の臨場感が得ら
れる。つまり、スピーカから音楽等の音は発生していな
いが、視聴者がコンサートホールの広がりを雰囲気とし
て感じることができる。
【0015】また、図9に示すような、複数のスピーカ
を用いて臨場感を出すオーディオシステムでは、臨場感
を得るため複数のスピーカが用いられている。これらの
複数のスピーカは、それぞれの異なる特性を有するスピ
ーカである。図11(b)に示すように、映画ソフト等
において爆発音等の急激に出力レベルが上がるような場
合、視聴者の前方に配置されているスピーカに比べ、比
較的、小型低出力のリアスピーカを使用していると、音
が割れたり、また、歪んだりする。
【0016】このような場合、リアスピーカから出力さ
れる音が、スピーカの最大出力レベル以下のレベルとな
るように調整するリミッタ処理が行われる。リアスピー
カから出力されるオーディオデータのみに、最大出力レ
ベルを決定する閾値を付加し、そのデータに基づいてオ
ーディオデータを出力することにより、音が割れるま
た、歪むということが起こらなくなる。
【0017】前述したような、オーディオデータ以外の
付加データ、例えば、バックグランドノイズ或いはリミ
ッタ等のデータを付加した場合も、これらの付加データ
に関する処理もDSPで行う。このとき、オーディオデ
ータのチャンネル数に合ったデータラインを有するDS
P間では、オーディオデータを転送するためデータライ
ンで転送可能なデータ配列でデータの転送及び処理を行
っている。したがって、オーディオデータ以外の付加デ
ータは、別のデータラインを用いて転送しなければな
い。
【0018】また、その付加データとオーディオデータ
を受け取ったDSPは、付加データのデータラインとオ
ーディオデータのデータラインとを時間的に整合しなけ
ればならず、受け側のDSPの処理が複雑になり、処理
時間がかかり、DSPに負担がかかった。
【0019】したがって本発明は、複数のスピーカを用
いて臨場感を得るサラウンド効果を利用するオーディオ
システムにおいて、データライン数の少ない安価なデジ
タルシグナルプロセッサを用いて、使用できるデータ転
送のためのデータライン数を変えることなく、また、デ
ジタルシグナルプロセッサに負荷を増やすことなく、複
数チャンネルのオーディオデータ或いは、それに加えて
オーディオデータ以外の付加データを転送することを目
的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
本発明は、複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列接
続し、後段のデジタルシグナルプロセッサの入力ポート
が、前段のデジタルシグナルプロセッサの出力ポート数
以下の場合に、複数チャンネルのオーディオデータを時
分割し、動作クロックFsに同期させて転送するデータ
転送方法において、前記動作クロックFsをa倍した動
作クロックaFsに同期させ、複数チャンネルのオーデ
ィオデータが混在したデータ配列を判別する判別信号を
付加し、複数チャンネルのオーディオデータを、使用可
能なデータライン数以下のデータライン数を用いて転送
することを特徴としている。
【0021】また、請求項2記載の本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサの入力ポートが、前段のデジタル
シグナルプロセッサの出力ポート数以下の場合に、複数
チャンネルのオーディオデータを時分割し、動作クロッ
クFsに同期させて転送するデータ転送方法において、
動作クロックFsをa倍した動作クロックaFsに同期
させ、複数チャンネルのオーディオデータのうち、転送
される最初の1チャンネル目のオーディオデータの使用
されていない下位ビットに、複数チャンネルのオーディ
オデータが混在したデータ配列を判別する判別信号を付
加し、複数チャンネルのオーディオデータを使用可能な
データライン数以下のデータライン数を用いて転送する
ことを特徴としている。
【0022】また、請求項3記載の本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサの入力ポートが、前段のデジタル
シグナルプロセッサの出力ポート数以下の場合に、複数
チャンネルのオーディオデータを時分割し、動作クロッ
クFsに同期させて転送するデータ転送方法において、
動作クロックFsをa倍した動作クロックaFsに同期
させ、複数チャンネルのオーディオデータで構成される
データ群のうち、オーディオデータが割り当てられてい
ない空き領域に複数チャンネルのオーディオデータが混
在したデータ配列を判別する判別信号を付加し、複数チ
ャンネルのオーディオデータを使用可能なデータライン
数以下のライン数を用いて転送することを特徴としてい
る。
【0023】また、請求項4記載の本発明は、請求項3
記載のデータ転送方法において、判別信号は、数ビット
で構成されるパターンを繰り返して空き領域に付加し、
空き領域に付加された判別信号のパターンが繰り返され
た時点で、複数チャンネルのオーディオデータで構成さ
れるデータ群と判別することを特徴としている。
【0024】また、請求項5記載の本発明は、請求項1
及至請求項4に記載のデータ転送方法において、使用さ
れていないオーディオデータを転送するためのデータラ
インを用いて、オーディオデータ以外の付加データを転
送することを特徴としている。
【0025】また、請求項6記載の本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサの入力ポートが、前段のデジタル
シグナルプロセッサの出力ポート数以下の場合に、複数
チャンネルのオーディオデータを時分割し、動作クロッ
クFsに同期させて転送するデータ転送方法において、
動作クロックFsをa倍した動作クロックaFsに同期
させ、複数チャンネルのオーディオデータを使用可能な
データライン数以下のデータライン数で転送し、オーデ
ィオデータに使用されないデータラインを用いて、複数
チャンネルのオーディオデータが混在したデータ配列を
判別する判別信号を、後段のデジタルシグナルプロセッ
サの割り込み信号用ポートに転送することを特徴として
いる。
【0026】また、請求項7記載の本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサの入力ポートが、前段のデジタル
シグナルプロセッサの出力ポート数以下の場合に、複数
チャンネルのオーディオデータを時分割し、動作クロッ
クFsに同期させて転送するデータ転送装置において、
前段のデジタルシグナルプロセッサは、複数チャンネル
のオーディオデータを動作クロックaFsに同期させ、
オーディオデータを転送するためのデータライン数以下
のデータラインを用いて転送すると共に、複数チャンネ
ルのオーディオデータが混在したデータ配列を判別する
判別信号を転送するデータ出力部を有し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサは、前段のデジタルシグナルプロ
セッサから転送されてきたオーディオデータを、判別信
号に基づいてそれぞれのチャンネルのオーディオデータ
に分離して配列するデータ受入部を有することを特徴と
している。
【0027】また、請求項8記載の本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続し、後段のデジタ
ルシグナルプロセッサの入力ポートが、前段のデジタル
シグナルプロセッサの出力ポート数以下の場合に、複数
チャンネルのオーディオデータを時分割し、動作クロッ
クFsに同期させて転送するデータ転送装置において、
入力されるオーディオデータを受け取り、各チャンネル
に対応したオーディオデータに分離する受取分離部と、
各チャンネルのオーディオデータに関する付加データを
発生する付加データ発生部と、付加データ発生部からの
付加データとオーディオデータをデータ群として判別す
る判別信号を付加する判別信号付加部と、判別信号から
の判別信号を付加すると共に、オーディオデータと付加
データをデータ群として配列するデータ配列部と、デー
タ配列部で配列したデータ群をデータラインを使用して
順次出力する出力部と、出力部から転送されてくるデー
タ群を受け取り判別信号に基づいて各データ群別に分離
するデータ受取部と、データ受取部からのデータ群を判
別信号に基づいて、各チャンネル毎にオーディオデータ
を配列し直すデータ配列修正部と、データ配列修正部で
各チャンネル毎のオーディオデータに配列し直した後、
オーディオデータから判別信号を除去する判別信号処理
部と、データ配列修正部からのオーディオデータに対し
てさまざまな処理を施すデータ処理部とを具備すること
を特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明のデータ転送方法及びその
装置について図を用いて説明する。本発明は、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサ(DSP:Digital Signal P
rocesser)を縦列接続し、前段のDSPの出力ポートに
対して後段のDSPの入力ポートが、前段のDSPの出
力ポート数と同数以下の場合に、複数チャンネルのオー
ディオデータを時分割し、動作クロックFsに同期させ
て転送するデータ転送方法において、動作クロックFs
をa倍し、その動作クロックa*Fs(以下、aFsと
いう。)に同期させて、複数チャンネルのオーディオデ
ータが混在したデータ配列を判別する判別信号を付加
し、複数チャンネルのオーディオデータを使用可能なデ
ータライン数以下のデータライン数を用いて転送する。
【0029】以下、さまざまな実施例を用いて本発明に
ついて説明するが、DSPは、デジタルオーディオデー
タ(以下、オーディオデータという。)にデータの分割
或いは残響処理等の処理を施すためのものである。オー
ディオデータは、サラウンド効果を得るために構成した
オーディオデータであり、それぞれフロントL、フロン
トR、リアL、リアR、センター、サブウーハの6チャ
ンネルのオーディオデータで構成するものとする。
【0030】図1は、本発明のデータ転送装置における
一実施例の概略構成を示す模式図である。図1におい
て、第1のDSPは、入力されてくるデジタルのオーデ
ィオデータを各チャンネル毎のオーディオデータに分離
し、複数チャンネルのオーディオデータを混在させて構
成すると共に、そのデータ群を判別する判別信号をデー
タ群に付加しデータラインで出力するものであり、第2
のDSPは、第1のDSPからのオーディオデータを受
け取り、判別信号を検出してデータ群から複数チャンネ
ルのオーデイオデータを判別し、各チャンネル毎に継続
して入力されるオーデイォデータを配列し直し、さまざ
まな処理を施して出力するものである。
【0031】第1のDSP1は、受取分離部2、付加デ
ータ発生部3、判別信号付加部4、データ配列部5、出
力部6で構成され、第2のDSP7は、データ受取部
8、判別信号処理部9、データ配列修正部10、データ
処理部11、出力部12で構成されている。
【0032】第1のDSP1において、受取分離部2
は、入力されるデジタルのオーディオデータを受け取
り、そのオーディオデータを各スピーカに対応したオー
ディオデータとなるように、各チャンネル毎のオーディ
オデータに分離するものである。
【0033】付加データ発生部3は、オーディオデータ
に関する付加データを発生するものである。付加データ
は、例えば、各スピーカ毎のバックグランドノイズのデ
ータ、或いは、リアスピーカ用のリミッタの係数に関す
るデータ等である。
【0034】判別信号付加部4は、データ配列部5で構
成されたデータ群が、後続するデータ群と判別するため
の判別信号を付加するものである。この判別信号の付加
方法は、オーディオデータ中に判別ビットとして付加す
る、データ群中使用されていない空き領域に判別信号を
付加する、または、データラインの使用しないデータラ
インに判別信号を付加する等の方法があり、これについ
ては後述する。
【0035】データ配列部5は、所定の長さの各チャン
ネルのオーディオデータを転送するデータラインに適応
するデータライン数に配列し直すものである。各チャン
ネルが1個ずつ配置され構成するデータ群を作成するも
のである。
【0036】出力部6は、データ配列部5で配列された
オーディオデータを、所定数のデータラインで後段の第
2のDSP7に順次出力するものである。
【0037】第2のDSP7において、データ受取部8
は、第1のDSP1の出力部6からデータラインで、デ
ータ群として転送されてくるオーディオデータを受け取
るものである。
【0038】判別信号処理部9は、オーディオデータに
付加されて転送された判別信号を検出し、その判別信号
から後続するオーディオデータをデータ群として判別す
る。そして判別した後、オーディオデータに付加されて
いる判別信号をオーディオデータまたはデータ群から除
去するものである。オーディオデータに判別信号が付加
されている場合、後述するデータ処理でさまざまな処理
を施したとき、本来のオーディオデータに関係のないデ
ータが付加されたり、また、本来のオーディオデータの
配列に戻らないという悪影響が生じるため、判別信号
は、データ群の判別の判別が終了した後、オーディオデ
ータまたはデータ群から除去される。
【0039】データ配列修正部10は、データ群のオー
ディオデータを、オーディオデータに付加された判別信
号に基づいて、各チャンネル毎に配列し直すものであ
る。
【0040】データ処理部11は、データ配列修正部1
0で各チャンネル毎に配列し直されたオーディオデータ
に対して、オーディオデータと一緒に転送されてきたオ
ーディオデータに関する付加データ、または、予め設定
されている残響処理等を施すものである。
【0041】出力部12は、データ処理部11からの各
チャンネル毎に所定の処理が施されたオーディオデータ
を各チャンネル毎に出力するものである。
【0042】以上の構成により、複数チャンネルのオー
ディオデータを所定のデータラインを使用して転送する
ことができる。また、オーディオデータに関する付加デ
ータを、データライン数を増やすことなく転送でき、そ
の付加データにより、効果的なサラウンド効果を得るこ
とができる。さらに、判別信号を付加することにより、
例えば第1のDSPの出力ポートに対して、第2のDS
Pの入力ポート数が少ない場合でも、第2のDSPの入
力ポート数以上のチャンネルのオーディオデータを転送
することができる。
【0043】次に上記構成での動作について説明する。
図2は、本発明のデータ転送方法における処理段階を示
すフローチャート図である。入力されるデジタルのオー
ディオデータを受け取り、そのオーディオデータを各ス
ピーカに対応したデータとなるように、チャンネル毎の
オーディオデータに分離する。(STEP1)
【0044】オーディオデータに関する付加データを発
生し、データ配列部5に出力する。(STEP2)
【0045】分離されたオーディオデータを、オーディ
オデータを転送するデータラインに適応するデータライ
ン数に配列し直す。(STEP3)
【0046】データ配列部5で構成されたデータ群が、
後続するデータ群と判別するための判別信号を付加し出
力する。(STEP4)
【0047】第1のDSP1の出力部6からデータ群と
して転送されてくるオーディオデータを受け取り、オー
ディオデータに付加されて転送された判別信号を検出
し、その判別信号から継続して転送されてくるオーディ
オデータをデータ群として判別する。(STEP5)
【0048】オーディオデータの判別が終了した後、オ
ーディオデータまたはデータ群に付加されている判別信
号を除去する。(STEP6)
【0049】判別信号に基づいて、データ群のオーディ
オデータを各チャンネル毎に配列し直す。(STEP
7)
【0050】データ配列修正部10で各チャンネル毎に
配列し直されたオーディオデータに対して、オーディオ
データと一緒に転送されてきたオーディオデータに関す
る付加データ、または、予め設定されている残響処理等
の処理を施し出力する。(STEP8)
【0051】以上のような構成及び処理により、複数チ
ャンネルのオーディオデータが混在したデータ群を、転
送するオーディオデータのチャンネル数より少ないデー
タラインでオーディオデータを転送し、オーディオデー
タを受け取った受け側のDSPは、演算等の処理の負担
なく、転送されてきたオーディオデータを、それぞれの
オーディオデータに分離し出力することができる。
【0052】では次に、前述した構成及び処理におい
て、複数チャンネルのオーディオデータが混在したデー
タ配列をデータ群毎に判別し、各チャンネルのオーデイ
オデータに分離するため付加する判別信号について説明
する。図3は、本発明のデータ転送装置の一実施例の概
略構成を示す模式図である。(a)は、出力ポート3本
と入力ポート3本の場合であり、(b)は、出力ポート
3本と入力ポート2本の場合であり、(c)は、出力ポ
ート3本と入力ポート2本と割り込み信号用ポートを備
えた場合である。図4は、データ転送装置において出力
ポート及び入力ポート共に3本でデータを転送する時の
オーディオデータの配列を示す模式図である。(a)
は、本発明におけるデータ転送の場合であり、(b)
は、従来のデータ転送の場合である。図5は、本発明の
データ転送方法において受け側のDSPのデータ処理時
のデータ配列を示す模式図である。
【0053】図3(a)において、前段の第1のDSP
は、オーディオデータの出力ポートを3本有し、後段の
第2のDSPは、オーディオデータの入力ポートを3本
有し、フロントL、フロントR、リアL、リアR、セン
ター、サブウーハ等で構成される6チャンネルのオーデ
ィオデータと1チャンネルの付加データを転送するもの
とする。従来、3本の出力ポート或いは入力ポート、つ
まり、3本のデータラインを用いて、データを転送する
ことが可能であり、6チャンネル分のオーディオデータ
を転送するとき、動作クロック1サイクル間に1データ
ラインで2チャンネル分のオーディオデータを転送す
る。この動作クロック1サイクル間で転送する複数チャ
ンネルのオーディオデータが混在した集まりをデータ群
とする。したがって3本のデータラインで6チャンネル
分のオーディオデータをデータ群として転送することが
可能である。
【0054】本実施例では、図4に示すように、3本の
出力ポートのうち、6チャンネルのオーディオデータを
2本のデータラインを使用して転送し、付加データを1
本の出力ポートで転送するように配置する。そのために
は、それぞれのデータラインで転送されるオーディオデ
ータは、第1の出力ポートからフロントL、リアL、セ
ンター、空き領域の順にデータを転送し、第2の出力ポ
ートからフロントR、リアR、サブウーハ、空き領域の
順にデータを転送する。そして、音楽、音声や音等の本
来のオーディオデータを転送するために使用される第3
の出力ポートからは、オーディオデータに関係した付加
データをオーディオデータとして転送するものとする。
付加データをオーディオデータとして転送することによ
り、付加データを転送するため専用のデータラインを増
やすことなく、また、オーディオデータとして転送でき
るため、後段のDSPでオーディオデータと付加データ
の同期をとる等の処理が必要ない。
【0055】これらのデータラインを用いたオーディオ
データの転送は、動作クロックFsに同期しており、動
作クロックFsの2倍の速さでデータを転送する。動作
クロックFsは、外部に配置されている発生部から供給
されるものであり、DSP内部における各クロックは、
この動作クロックに基づいて算出される。したがって、
DSPは、この動作クロックに基づいて、データのビッ
ト幅、各処理のタイミング等が決定されている。
【0056】図4(b)において、従来の動作クロック
Fsの1サイクルの期間に相当する時間は、図4(a)
に示すように動作クロック2Fsの2サイクルの期間に
相当し、この2サイクルの期間に、6チャンネルのオー
ディオデータを割り当て、オーディオデータを転送す
る。動作クロック2Fsで2本のデータラインを使用し
た場合、最大8チャンネル分のデータを転送可能であ
り、オーディオデータが割り当てられなかった領域は、
空き領域であるというデータを割り当て転送される。
【0057】具体的には、図4(a)に示すように、動
作クロック2Fsに同期して出力される第1の出力ポー
トと第2の出力ポートのオーディオデータは、スピーカ
配置により区別され出力される。動作クロック2Fsの
0.5サイクル目では、第1の出力ポートからはフロン
トLのオーディオデータが出力され、第2の出力ポート
からはフロントRのオーディオデータが出力される。ま
た、動作クロック2Fsの1サイクル目では、第1の出
力ポートからはリアLのオーディオデータが出力され、
第2の出力ポートからはリアRのオーディオデータが出
力される。さらに、動作クロック2Fsの1.5サイク
ル目では、第1の出力ポートからはセンタースピーカの
オーディオデータが出力され、第2の出力ポートからは
サブウーハのオーディオデータが出力される。
【0058】つまり、動作クロック2Fsの0.5サイ
クル目のオーデイオデータは、スピーカが視聴者の前方
に配置されているメインとなるオーディオデータであ
り、1サイクル目のオーディオデータは、スピーカが視
聴者の後方に配置されているサラウンド用のオーディオ
データであり、1.5サイクル目のオーディオデータ
は、視聴者の前方中央付近に配置されているスピーカ用
のオーディオデータである。
【0059】このとき、第3の出力ポートからは、動作
クロック2Fsに同期して、同じ動作クロック上で第1
及び第2の出力ポートから出力されるオーディオデータ
に関係するデータが、オーディオデータとして出力され
る。この第3の出力ポートから出力されるオーディオデ
ータは、第1及び第2の出力ポートから出力されるオー
ディオデータに選択的に付加することが可能なオーディ
オデータが出力される。
【0060】したがって、第2のDSPで処理されるオ
ーディオデータは、図5に示すように、1つ1つのデー
タ群毎に各チャンネルにオーディオデータを振り分け、
各チャンネル毎のオーディオデータに配列し直す。そし
て、後続するデータ群のオーディオデータも、同様に各
チャンネル毎に振り分けられる。
【0061】これら各チャンネル毎のオーディオデータ
に対して、同じデータラインとして転送される付加デー
タは、同じ動作クロック上でデータが振り分けられる処
理等が行われるため、別のデータラインで転送する場合
にデータを時間的に調整する等の処理が不要となり、受
け側のDSPの処理が軽減される。
【0062】ここで、前述した各オーディオデータに関
係したデータについて説明する。オーディオデータに関
係したデータとは、例えば、バックグランドノイズやリ
ミッタ等の情報である。
【0063】バックグランドノイズとは、音が発生して
いない静寂な状況で聴こえるぐらいの、今まで視聴者が
気付かなかった周囲音のことである。具体的には、部屋
で音楽を聴いている場合、音楽を切ると、今まで視聴者
が意識していなかった電源の音やかすかな風の音等の周
囲音が聴こえてくる。この周囲音は、音の発生していな
いコンサートホールでも視聴者に聴こえる。
【0064】このような、バックグラウンドノイズをオ
ーディオデータとして付加した場合、サラウンド効果を
得るためのオーディオシステムでは、例えばコンサート
のソフトを上映する際、まだ音が発生していない状態で
も、そのコンサートホールでの広がり感を得る周囲音を
視聴者が聴くことができる。しかもその周囲音を発生す
るスピーカの配置に対応した音量で周囲音が発生される
ため、視聴者は、そのコンサートホールのどの位置にい
るかを感じることができる。例えば、広がり感を感じる
周囲音が前方からのみ出力された時、後方からは周囲音
が発生していないので、視聴者は、そのコンサートホー
ルの最後方の位置を体感する。また、全スピーカから均
等に聴こえるときは、視聴者がそのコンサートホールの
中央付近にいるように感じることができる。
【0065】このバックグラウンドノイズのオーディオ
データは、視聴者が選択できるものであり、音楽ソフト
の場合、オーディオデータの音による臨場感と共に、そ
の音以外で感じるコンサートホールの広がりを感じる臨
場感も得ることができる。また、映画ソフトの場合、画
面上の場所での臨場感と共に、その場の雰囲気を感じる
ことができる。つまり、バックグランドノイズを選択的
に付加すると、より良いサラウンド感を得ることができ
る。
【0066】また、リミッタは、例えば複数のスピーカ
を用いて臨場感を得るさサラウンド効果を利用したオー
ディオシステムにおいて、リアに配置したスピーカは、
小形のものが多く、そのため最大出力レベルもフロント
に配置したスピーカより小さいものが用いられる。この
リアのスピーカから出力レベルの高いオーディオデータ
を出力する場合、音が歪む、或いは、音が割れる等の悪
影響が生じる。したがって、オーディオデータの出力レ
ベルが、あるレベル以上となった場合に、リアのスピー
カから出力されるオーディオデータの出力レベルを、小
さくするための閾値を設定できる。つまり、リミッタに
関するデータを選択的に付加することにより、視聴者が
決定した出力レベルで音を聞いたときでも、つまり、し
きい値以上の出力レベルのオーディオデータが出力され
ても、音が割れる、或いは、音が歪むといった聴感上不
快感がなくなる。
【0067】これらのオーディオデータの転送に使用さ
れないデータラインを用いて転送する付加データは、視
聴者が選択できるものである。つまり、視聴者がスピー
カから出力される音を聴いて、臨場感があまり感じられ
ないとき、バックグランドノイズを付加するように選択
し、また、視聴者が大音量で試聴し、リアのスピーカか
らの音が割れて聴こえるとき、リミッタのデータをオー
ディオデータに付加するように選択できるものである。
したがって、これらのデータをオーディオデータを付加
することは、視聴者がそのソフトを試聴して判別し、選
択的に付加することができるので、汎用のサラウンドシ
ステムをさまざまな使用状況に合わせた設定とすること
ができる。
【0068】以上のように、オーディオデータ以外の付
加データを選択的に用いてオーディオデータに各データ
処理を行うことができるので、各ソフトに対応して、よ
り良いサラウンド効果により臨場感を得ると共に、その
状況での広がり感も得ることができ、より多くの視聴者
の要望に答えることができる。
【0069】また、データ転送装置としては、第1及び
第2の出力ポートから動作クロックに同期して出力され
るオーディオデータに関係する付加データを、第3の出
力ポートからオーディオデータとして動作クロックに同
期して出力することにより、それらのオーディオデータ
を受け取る第2のDSPでは、動作クロックに基づいて
順次処理することが可能となる。したがって、オーディ
オデータに選択的に付加するデータを、オーディオデー
タとして転送することは、それらのデータラインで転送
されるデータは、動作クロックに同期して転送されるた
め、別のポートを用いて転送した場合に生じる演算処理
による時間の遅延等がなく、後段のDSP等の処理に負
担を与えない。
【0070】以上に説明したように、2つのDSP間
で、複数チャンネルのオーディオデータを、そのチャン
ネル数より少ないデータラインでデータを転送すると
き、動作クロックを速くし、異なる性質のオーディオデ
ータを時間的にずらして配置して転送する。つまり、6
チャンネルのオーディオデータを2本のデータラインで
転送するとき、1本のデータラインで3チャンネル分の
オーディオデータを時間的にずらして配置し転送してい
る。
【0071】従来、6チャンネルのデータを転送してい
る場合は、動作クロックのHとLでスピーカのLとRを
判別し、出力ポートでスピーカの前後の位置(フロント
スピーカ、リアスピーカ)を判別するため、オーディオ
データの種類を判別する判別信号を付加せずに後段のD
SPで処理を行っていた。しかし、前述したように、複
数の種類のオーディオデータが混在して1本のデータラ
インに配列されるため、従来の方式では、オーディオデ
ータの判別ができない。
【0072】そこで、本実施例の転送されてきた複数チ
ャンネルのオーディオデータが混在しているデータ群を
判別する判別信号について説明する。図6は、本実施例
のデータ転送装置におけるデータ判別信号をオーディオ
データの下位ビットに付加した場合を示す模式図であ
る。図3(a)に示すように、第1のDSPの出力ポー
トが3本で、第2の入力ポートが3本であり、それぞれ
のDSPが対応可能である20ビットのデータに対し
て、18ビットの6チャンネルのオーディオデータを転
送する場合である。
【0073】図6に示すように、動作クロック2サイク
ルの間のデータの配列は、第1の出力ポートからフロン
トL、リアL、センター、第1の空白領域の順に出力さ
れ、第2の出力ポートから、フロントR、リアR、サブ
ウーハ、第2の空白領域が出力される。動作クロック2
サイクルの後、継続して同様の構成でオーディオデータ
が出力され続ける。
【0074】DSPが対応できるビット数は20ビット
であり、オーディオデータの有効ビットは18ビットで
ある。つまり、転送される20ビットのデータのうち、
有効ビット以外の2ビット(下位2ビット)は、従来使
用されないビットであり、通常「0」ビットが付加され
ている。6チャンネルのオーディオデータのうち、第1
の出力ポートから出力される最初のオーディオデータの
下位2ビットに、異なる複数のデータを分離するための
判別信号(判別ビット)を付加する。
【0075】第1の出力ポートから最初に出力されるフ
ロントLのオーディオデータの下位2ビットのうち、下
位1ビットに「1」を付加する。このことにより、オー
ディオデータを受け取った第2のDSPでは、このフロ
ントLのオーディオデータが最初のデータであると判別
する。2本の出力ポートから出力される6チャンネルの
オーディオデータは、異なる性質のオーディオデータが
1本の出力ポートから混在して出力されるものである。
そのオーディオデータの配列は決まっており、6チャン
ネルのオーディオデータのうち1個のオーディオデータ
が決定すると、続く5個のオーディオデータの配列の判
別も可能となる。
【0076】つまり、動作クロック2Fsに同期して第
1と第2の出力ポートから出力される6チャンネルのオ
ーディオデータは、第1の出力ポートから最初に出力さ
れるフロントLの下位ビットに付加された判別ビットに
より、そのフロントLのオーディオデータを最初とし
て、フロントR、リアL、リアR、センター、サブウー
ハの順序に、データが配列されていることがわかる。
【0077】したがって、オーディオデータの転送用の
データラインを増設することなく、複数のオーディオデ
ータを判別し、データを配列させることができるため、
受け側のDSPにデータ判別のための処理が必要なく、
また、データ判別も短時間で行うことができ、DSPの
処理に負担がかからない。
【0078】また、他の実施例として、図3(b)に示
すように、第1のDSPの出力ポートが2本で、第2の
入力ポートが2本であり、それぞれのDSPが対応可能
である20ビットのデータに対して、20ビットの6チ
ャンネルのオーディオデータを転送する場合について説
明する。図7は、本実施例のデータ転送方法における判
別信号をオーディオデータの空き領域に付加した場合の
データ配列を示す模式図である。つまり、この実施例で
は、DSPが対応可能であるデータのビット数にオーデ
ィオデータを割り当てているため、オーディオデータの
下位ビットに空きのビットが発生しない場合についてで
ある。
【0079】図3(b)に示すように、6チャンネルの
オーディオデータを2本のポートを用いて転送する場
合、動作クロックを2倍にして、本来3ラインのオーデ
ィオデータのうち、第3ラインのオーディオデータを、
第1及び第2のオーディオデータの後ろに継続させて出
力している。
【0080】このような、データの配列にすることは、
動作クロック2サイクル間で一群となるデータ群が構成
される。このデータ群は、2本の出力ポートで8個のデ
ータを配置することができるため、6チャンネルのオー
ディオデータ分の領域と2個の空き領域で構成される。
【0081】図5に示すように、第1の出力ポートから
は、フロントL、リアL、センター、空き領域Xの順で
転送され、第2の出力ポートからは、フロントR、リア
R、サブウーハ、空き領域Yの順で転送される。この第
1及び第2の出力ポートからの空き領域X及び空き領域
Yに、この一群のオーディオデータの判別を行うための
判別信号を付加する。
【0082】具体的には、空き領域X及び空き領域Yに
数ビットで構成する判別パターンを繰り返して記録して
おき、受け取り側の第2のDSPでは、この判別パター
ンが第1及び第2の出力ポートで複数回繰り返したと
き、この空き領域X及び空き領域Yが、このデータ群の
最初であり、空き領域X及び空き領域Y意向に継続して
配列しているオーディオデータが、フロントL、フロン
トR、リアL、リアR、センター、サブウーハであるこ
とを判別する。
【0083】前述した判別パターンは、オーディオデー
タと同じビット構成であるため、そのパターンが複数回
繰り返した時、データ群を判別するデータであるという
判別手段を設け、判別パターンがオーディオデータとし
て間違って判別されることを防止している。つまり、2
0ビットの場合、「0000」の判別パターンが5個連
続した判別信号「000・・・000」は、オーディオ
データで無音状態の「000・・・000」と同じに判
別される可能生があるので、例えば「1F1F」の判別
パターンが5個連続した判別信号「1F1F・・・1F
1F」が、第1及び第2の出力ポートであったときに、
第1及び第2の出力ポートの空き領域X及び空き領域Y
が、そのデータ群を判別する判別信号であり、後続する
データがオーディオデータであるということを判別す
る。
【0084】このように、DSPが適応できるビット数
を全て活用したオーディオデータを、2本のデータライ
ンで異なる性質のオーディオデータを混在して転送する
場合であっても、受け側のDSPは、オーディオデータ
として転送されてくるデータからデータ群の判別が可能
となり、受け側のDSPに容易な判別手段を設けること
により、簡単にデータ群の判別ができる。
【0085】さらに、他の実施例として、図3(c)に
示すように、第1のDSPの出力ポートが3本で、第2
の入力ポートが2本であり、それぞれのDSPが対応可
能である20ビットのデータに対して、20ビットの8
チャンネルのオーディオデータを転送する場合について
説明する。図8は、本実施例のデータ転送方法において
判別信号を使用されていない出力ポートに付加した場合
のデータ配列を示す模式図である。つまり、この実施例
では、第1のDSPの出力ポートが3本あり、第2の入
力ポートが2本である場合、第1のDSPから出力する
8チャンネル分のオーディオデータは、2本のデータラ
インで転送しなければならない。
【0086】図8に示すように、8チャンネルのオーデ
ィオデータを2本の出力ポートで転送できるように、動
作クロック2Fsに同期させ、本来第3及び第4の出力
ポートから転送するそれぞれ4チャンネル分のオーディ
オデータを、それぞれ第1及び第2のオーディオデータ
の後段に割り当て、データを継続させて転送する。
【0087】そのため、本来、オーディオデータを転送
する第3の出力ポートに、データ群を判別するための判
別信号を付加する。その第3の出力ポートは、第2のD
SPの割り込み信号用のポートに入力する。つまり、3
本の出力ポートは、動作クロックに同期して出力される
ため、第3の出力ポートの最初に判別信号を付加するこ
とにより、第1及び第2の出力ポートから出力されるフ
ロントL、フロントR、リアL、リアR、センター、サ
ブウーハ、データA、データB、データC、データDで
構成される一群を一つのデータ群として判別し、第2の
DSPでさまざまな処理を施すことができる。
【0088】DSPが対応できるビット数を全て使用し
てデータを転送し、且つ、例えば、8チャンネル分のオ
ーディオデータを転送する場合において、動作クロック
Fsを高速化させ、2本のデータラインを用いて、第1
及び第2のオーディオデータの後段に第3及び第4のオ
ーディオデータを継続させ転送し、そのとき、使用され
ない第3或いは第4の出力ポートを利用して、そのデー
タラインに判別信号を付加し、第2のDSPの割り込み
信号用ポートに入力される。
【0089】したがって、オーディオデータと同じ出力
ポートを用いてデータ群を判別する判別信号を転送する
ことは、動作クロックと同期してオーディオデータと判
別信号が転送されているため、後段のDSPでの処理に
よる時間の遅延がなく、DSPでの時間補正処理、ま
た、判別信号の判別処理が必要なく、性質の異なる複数
のオーディオデータで構成されるデータ群を判別でき
る。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、複数のスピーカを用い
て臨場感を得るオーディオシステムにおいて、複数のデ
ジタルシグナルプロセッサを縦列接続してオーディオデ
ータに処理を施す場合、簡単な構成でデジタルシグナル
プロセッサに負荷をかけることなく、複数チャンネルの
オーディオデータを転送することができ、よりよいサラ
ウンド効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデータ転送装置における一実施例の概
略構成を示す模式図である。
【図2】本発明のデータ転送方法における処理段階を示
すフローチャート図である。
【図3】本発明のデータ転送装置における概略構成を示
す模式図である。(a)は、出力ポート3本と入力ポー
ト3本の場合であり、(b)は、出力ポート3本と入力
ポート2本の場合であり、(c)は、出力ポート3本と
入力ポート2本と割り込み信号用ポートを備えた場合で
ある。
【図4】データ転送装置において出力ポート及び入力ポ
ート共に3本でデータを転送する時のオーディオデータ
の配列を示す模式図である。(a)は、本発明における
データ転送の場合であり、(b)は、従来のデータ転送
の場合である。
【図5】本発明のデータ転送方法において受け側のDS
Pのデータ処理時のデータ配列を示す模式図である。
【図6】本実施例のデータ転送装置におけるデータ判別
信号をオーディオデータの下位ビットに付加した場合を
示す模式図である。
【図7】本実施例のデータ転送方法において判別信号を
オーディオデータの空き領域に付加した場合のデータ配
列を示す模式図である。
【図8】本実施例のデータ転送方法において判別信号を
使用されていない出力ポートに付加した場合のデータ配
列を示す模式図である。
【図9】従来のサラウンドシステムを説明するための模
式図である。
【図10】従来のサラウンドシステムの要部についての
模式図である。(a)は、信号処理部の要部の概略構成
であり、(b)は、第1のDSP入力時のオーディオデ
ータの配列であり、(c)は、第1のDSP出力時以降
のオーディオデータの配列である。
【図11】スピーカから出力されるオーディオデータを
示す模式図である。(a)は音楽ソフトとバックグラン
ドノイズの場合を示す模式図であり、(b)は、リミッ
タの場合を示す模式図である。
【符号の説明】
1 ・・・第1のDSP 2 ・・・受取分離部 3 ・・・付加データ発生
部 4 ・・・判別信号付加部 5 ・・・データ配列部 6 ・・・出力部 7 ・・・第2のDSP 8 ・・・データ受取部 9 ・・・判別信号処理部 10 ・・・データ配列修
正部 11 ・・・データ処理部 12 ・・・出力部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、複数チャンネルのオーディオデ
    ータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転送す
    るデータ転送方法において、前記動作クロックFsをa
    倍した動作クロックaFsに同期させ、前記複数チャン
    ネルのオーディオデータが混在したデータ配列を判別す
    る判別信号を付加し、前記複数チャンネルのオーディオ
    データを使用可能なデータライン数以下のデータライン
    数を用いて転送することを特徴とするデータ転送方法。
  2. 【請求項2】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、複数チャンネルのオーディオデ
    ータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転送す
    るデータ転送方法において、前記動作クロックFsをa
    倍した動作クロックaFsに同期させ、前記複数チャン
    ネルのオーディオデータのうち転送される最初の1チャ
    ンネル目のオーディオデータの使用されていない下位ビ
    ットに前記複数チャンネルのオーディオデータが混在し
    たデータ配列を判別する判別信号を付加し、前記複数チ
    ャンネルのオーディオデータを使用可能なデータライン
    数以下のデータライン数を用いて転送することを特徴と
    するデータ転送方法。
  3. 【請求項3】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、複数チャンネルのオーディオデ
    ータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転送す
    るデータ転送方法において、前記動作クロックFsをa
    倍した動作クロックaFsに同期させ、前記複数チャン
    ネルのオーディオデータで構成されるデータ群のうち前
    記オーディオデータが割り当てられていない空き領域に
    前記複数チャンネルのオーディオデータが混在したデー
    タ配列を判別する判別信号を付加し、前記複数チャンネ
    ルのオーディオデータを使用可能なデータライン数以下
    のライン数を用いて転送することを特徴とするデータ転
    送方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載のデータ転送方法において、
    前記判別信号は、数ビットで構成されるパターンを繰り
    返して前記空き領域に付加し、前記空き領域に付加され
    た前記判別信号のパターンが繰り返された時点で前記複
    数チャンネルのオーディオデータで構成されるデータ群
    と判別することを特徴とするデータ転送方法。
  5. 【請求項5】前記請求項1及至請求項4に記載のデータ
    転送方法において、前記使用されていないオーディオデ
    ータを転送するためのデータラインを用いてオーディオ
    データ以外の付加データを転送することを特徴とするデ
    ータ転送方法。
  6. 【請求項6】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、複数チャンネルのオーディオデ
    ータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転送す
    るデータ転送方法において、前記動作クロックFsをa
    倍した動作クロックaFsに同期させ、前記複数チャン
    ネルのオーディオデータを使用可能なデータライン数以
    下のデータライン数で転送し、前記オーディオデータに
    使用されないデータラインを用いて前記複数チャンネル
    のオーディオデータが混在したデータ配列を判別する判
    別信号を前記後段のデジタルシグナルプロセッサの割り
    込み信号用ポートに転送することを特徴とするデータ転
    送方法。
  7. 【請求項7】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、前記複数チャンネルのオーディ
    オデータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転
    送するデータ転送装置において、前記前段のデジタルシ
    グナルプロセッサは、前記複数チャンネルのオーディオ
    データを動作クロックaFsに同期させ前記オーディオ
    データを転送するためのデータライン数以下のデータラ
    インを用いて転送すると共に前記複数チャンネルのオー
    ディオデータが混在したデータ配列を判別する判別信号
    を転送するデータ出力部を有し、前記後段のデジタルシ
    グナルプロセッサは、前記前段のデジタルシグナルプロ
    セッサから転送されてきた前記オーディオデータを前記
    判別信号に基づいてそれぞれのチャンネルの前記オーデ
    ィオデータに分離して配列するデータ受入部を有するこ
    とを特徴とするデータ転送装置。
  8. 【請求項8】複数のデジタルシグナルプロセッサを縦列
    接続し、後段の前記デジタルシグナルプロセッサの入力
    ポートが前段の前記デジタルシグナルプロセッサの出力
    ポート数以下の場合に、前記複数チャンネルのオーディ
    オデータを時分割し、動作クロックFsに同期させて転
    送するデータ転送装置において、入力される前記オーデ
    ィオデータを受け取り各チャンネルに対応した前記オー
    ディオデータに分離する受取分離部と、前記各チャンネ
    ルのオーディオデータに関する付加データを発生する付
    加データ発生部と、該付加データ発生部からの前記付加
    データと前記オーディオデータをデータ群として判別す
    る判別信号を付加する判別信号付加部と、該判別信号か
    らの前記判別信号を付加すると共に前記オーディオデー
    タと前記付加データをデータ群として配列するデータ配
    列部と、該データ配列部で配列した前記データ群をデー
    タラインを使用して順次出力する出力部と、該出力部か
    ら転送されてくる前記データ群を受け取り前記判別信号
    に基づいて前記各データ群別に分離するデータ受取部
    と、該データ受取部からの前記データ群を判別信号に基
    づいて前記各チャンネル毎にオーディオデータを配列し
    直すデータ配列修正部と、該データ配列修正部で前記各
    チャンネル毎のオーディオデータに配列し直した後前記
    オーディオデータから前記判別信号を除去する判別信号
    処理部と、前記データ配列修正部からの前記オーディオ
    データに対してさまざまな処理を施すデータ処理部とを
    具備することを特徴とするデータ転送装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107211227A (zh) * 2015-02-06 2017-09-26 杜比实验室特许公司 用于自适应音频的混合型基于优先度的渲染系统和方法

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