JPH09135859A - 人体冷却器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体冷却器を長時間継続的に使用できるよう
にする。 【解決手段】 マスク素地３内に電子冷却素子９を配設
するとともに、該電子冷却素子９内側面に基盤１０ａを
介して熱吸収体１１を配設する。該熱吸収体１１内には
温度センサ１７が配設されている。一方、前記電子冷却
素子９外側面に放熱板１３ａを配設し、更に、該放熱板
１３ａ外側面にファンモータ１６を配設する。また、前
記マスク素地３の外側部を開設して、その開設部１４に
放熱カバー１５を装着する。更にまた、電源供給用のＡ
Ｃ／ＤＣコンバータを延設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は人体冷却器に関す
るものであり、特に、目元、目頭等の所定の部位を局所
的に冷却施療する人体冷却器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の此種人体冷却器は、ゲル状の熱吸
収体が合成樹脂皮革の容器内に密封されており、使用の
際は冷凍庫にて数時間冷却した後、施療部位に被着す
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の此種人体冷却器
は、人体や周囲の環境から熱量を受け取って自身が温め
られるため、約十数分から数十分程度で施療部位に対す
る冷却機能が失われる。また、冷却機能を回復させるた
めには、再度冷凍庫に入れて数時間冷却しなければなら
ない。

【０００４】そこで、長時間継続的に冷却機能を維持で
きるようにして、人体冷却器の利用性を向上するために
解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は
該課題を解決することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために提案されたものであり、電子冷却素子の内側
面に基盤を介して熱吸収体を配設し、且つ、前記電子冷
却素子の外側面に放熱板を配設し、更に、これらをマス
ク素地にて被包するとともに、該マスク素地の外側部を
開設してその開設部に放熱カバーを装着し、且つ、電源
供給用のＡＣ／ＤＣコンバータ又はバッテリアダプタを
備えた人体冷却器、及び前記放熱板に放熱ファンを搭載
した人体冷却器、及び前記基盤に温度センサを延設する
とともに、該温度センサの検出値に基づいて通電制御を
行う人体冷却器を提供するものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
乃至図３に従って詳述する。図１はアイマスク型の人体
冷却器１を示し、該人体冷却器１の施療部２の外周部は
抗菌処理を施した布地又はスポンジ等から成るマスク素
地３にてメガネ状に成形されている。また、該施療部２
の左右に夫々合成樹脂又はゴム等から成るバンド４，４
が延設され、且つ、該バンド４，４の先端には夫々面状
ファスナ５，５が配設されている。この人体冷却器１を
被着する際は、前記施療部２の内側面を施療部位である
両眼にあてがい、前記バンド４，４を後頭部へ巻回して
前記面状ファスナ５，５を互いに貼着すれば良い。

【０００７】また、図中左側のバンド４には、家庭用交
流電源を直流に変換して該人体冷却器１を作動させるた
めのＡＣ／ＤＣコンバータ６がコード７を介して延設さ
れている。尚、該ＡＣ／ＤＣコンバータ６に替えて、ア
ルカリ乾電池等の市販乾電池を収納できる電池ホルダや
自動車のシガライタ等のバッテリアダプタを延設すれ
ば、家庭用交流電源を得ることのできない野外でも該人
体冷却器１を使用することができる。

【０００８】而して、図１及び図２に図示する如く、前
記施療部２の左右眼球に当たる個所には夫々電子冷却素
子（ペルチェ素子）９が内設されている。また、該電子
冷却素子９の内側面には基盤１０を介してゲル状の熱吸
収体１１が合成樹脂膜１２にて密封されている。尚、本
発明に於いて「熱吸収体」はゲル状物質に限定されるも
のではなく、熱量を吸収することができ、且つ、軟質の
ものであれば、布状のものや塩ビ系の合成樹脂等であっ
ても良い。従って、この熱吸収体の材質によっては前記
合成樹脂膜１２に封入する必要はない。

【０００９】一方、前記電子冷却素子９の外側面には放
熱板１３が配設されている。そして、これら電子冷却素
子９、基盤１０、及び合成樹脂膜１２に密封された熱吸
収体１１、並びに放熱板１３が、前記マスク素地３にて
被包されるとともに、放熱板１３に対峙するマスク素地
３の外側部が開設されてその開設部１４に網目状の放熱
カバー１５が装着されている。

【００１０】ここで、前記電子冷却素子９には、前記Ａ
Ｃ／ＤＣコンバータ６によって導入された直流電圧が印
加されることにより、該電子冷却素子９の内側面では熱
が吸収され、一方、該電子冷却素子９の外側面では熱が
発生するように形成されている。従って、人体冷却器１
の作動中は、前記電子冷却素子９によってその内側に位
置する熱吸収体１１は冷却され続け、一方、その外側に
位置する放熱板１３からは熱が放出され続ける。

【００１１】これにより、前記熱吸収体１１は人体や周
囲環境から熱量を受け取っても、その熱量を前記電子冷
却素子９の熱吸収作用によって相殺することができるの
で、該熱吸収体１１自体が温められることはなく、常に
低温を保つことができる。斯くして、家庭用交流電源
（又は市販乾電池や自動車のシガライタ等の直流バッテ
リ）を用いて該人体冷却器１に通電すれば、眼球及びそ
の周辺部位を継続的に冷却することができる。

【００１２】図３は請求項２及び３記載の発明の実施の
形態を示したものであり、この施療部２ａの放熱板１３
ａ外側面中央には超小型のファンモータ１６が搭載され
ている。また、熱吸収体１１内部には温度センサ１７が
配設され、図示は省略するが、該温度センサ１７の出力
は基盤１０ａに接続するとともに、該基盤１０ａには通
電制御部が設けられている。

【００１３】而して、前記ファンモータ１６を駆動すれ
ば、該ファンモータ１６に内設された放熱ファン１８が
旋回して、前記放熱板１３ａ外側面近傍の空気を放熱カ
バー１５の外部へ強制的に送出する。これにより、前記
放熱板１３ａの放熱機能が高められるため、電子冷却素
子９による熱吸収体１１の冷却効率が向上することにな
る。

【００１４】また、前記基盤１０ａの通電制御部にて前
記温度センサ１７の検出値に基づき、電子冷却素子９へ
の通電を入切又は増減するように構成すれば、熱吸収体
１１の温度を制御することができ、電力消費量を節減で
きるだけでなく、使用者の任意に冷却度合を調節するこ
とが可能となる。

【００１５】尚、電子冷却素子への電源供給手段として
太陽電池を用いることも考えられるが、この場合暗所で
は作動することができないため、本発明の如く、家庭用
交流電源や乾電池等を用いる方がより汎用的である。

【００１６】また、本発明は、本発明の精神を逸脱しな
い限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が
該改変されたものに及ぶことは当然である。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明はＡＣ／Ｄ
Ｃコンバータ又はバッテリアダプタを用いて電子冷却素
子に電源を供給して、該電子冷却素子にて熱吸収体を冷
却するように構成されている。従って、該熱吸収体は使
用中も冷却し続けることができるので、温度上昇により
施療部位に対する冷却機能を喪失することはない。斯く
して、人体冷却器を長時間継続的に使用することがで
き、利用性が向上する。

【００１８】また、放熱板に放熱ファンを搭載すること
により、該放熱板の放熱機能が高められ、冷却効率が向
上する。更にまた、温度センサの検出値に基づき、電子
冷却素子への通電状態を操作して熱吸収体の温度制御を
することにより、電力消費量を節減できるだけでなく、
使用者の任意に冷却度合を調節することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示し、その斜視図。

【図２】請求項１記載の発明に係る図１のＡ−Ａ線断面
図。

【図３】請求項２及び３記載の発明に係る図１のＡ−Ａ
線断面図。

【符号の説明】

１ 人体冷却器 ２ 施療部 ３ マスク素地 ６ ＡＣ／ＤＣコンバータ ９ 電子冷却素子 １０，１０ａ 基盤 １１ 熱吸収体 １３，１３ａ 放熱板 １４ 開設部 １５ 放熱カバー １６ ファンモータ １７ 温度センサ １８ 放熱ファン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子冷却素子の内側面に基盤を介して熱
   吸収体を配設し、且つ、前記電子冷却素子の外側面に放
   熱板を配設し、更に、これらをマスク素地にて被包する
   とともに、該マスク素地の外側部を開設してその開設部
   に放熱カバーを装着し、且つ、電源供給用のＡＣ／ＤＣ
   コンバータ又はバッテリアダプタを備えたことを特徴と
   する人体冷却器。
2. 【請求項２】 前記放熱板に放熱ファンを搭載したこと
   を特徴とする請求項１記載の人体冷却器。
3. 【請求項３】 前記基盤に温度センサを延設するととも
   に、該温度センサの検出値に基づいて通電制御を行うこ
   とを特徴とする請求項１又は２記載の人体冷却器。