JPH09127033A - 堆積物測定方法及びその装置 - Google Patents

堆積物測定方法及びその装置

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JPH09127033A
JPH09127033A JP30047795A JP30047795A JPH09127033A JP H09127033 A JPH09127033 A JP H09127033A JP 30047795 A JP30047795 A JP 30047795A JP 30047795 A JP30047795 A JP 30047795A JP H09127033 A JPH09127033 A JP H09127033A
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electrode
rod
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水や堆積物の状況によって誤測定が生じない
ようにし、堆積物の状況を正確に測定できるようにする
ことにある。 【解決手段】 複数の電極間に生じる電気抵抗値、また
は複数の電磁コイル間に生じる磁気誘導値から、電気伝
導度を検出して水と堆積物の境界面を検出する方法であ
って、長尺なロッド16に長さ方向に沿って複数の電極
Eによる電気抵抗値検出部、または複数の電磁コイルに
よる磁気誘導値検出部22を配して電気伝導度を検出で
きる構成とし、ロッド16に配された複数の電極E、ま
たは複数の電磁コイルを夫々切替器17回路に接続し、
更に少なくとも表面が絶縁された囲繞物28内にロッド
16を収納し、囲繞物28に電極からの電流または電磁
コイルからの誘導電流が流出入する間隙を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として水中に
於ける堆積物の状況を測定する方法及びその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】水中の堆積物の状況を測定することは、
種々の場合に於いて極めて重要な事項である。例えば、
港湾・河口・湖沼・等の水底のヘドロ等の堆積物は、大
きな公害の原因となり、また船舶の運航上の安全を損な
うものであるから、その浚渫時期の目処を立てるために
堆積量の管理等が常に重要な課題となる。
【0003】また、ダム等の砂泥等の堆積物に関して
は、有効貯水量の判断や安全管理の面で、排砂時期や浚
渫時期の目処を立てるためにその管理が必要である。
【0004】上下水道設備や発電設備等の取水する箇所
或いは取水直後の箇所である沈砂池や沈殿池の堆積物
も、有効貯水量の判断に影響を与えるものであるから、
その浚渫時期の目処を立てるための管理が必要である。
【0005】河川の河床や人口水路の堆積物は、例えば
出水時等に大きく変化する。この変化とは、取水堰部へ
の堆積や、河の曲部の河床変化、橋桁基部のえぐられ方
等であり、堆積状況を管理することにより、有効貯水量
の判断、安全・防災・治水上の流量断面積の管理、各種
の水中設備の埋没防止の管理、橋の安全管理、学術研
究、等々を行うものであり、浚渫時期の目処となる。
【0006】また、暗渠等の下水道路に於ける汚物の堆
積量の測定は、流量断面積の管理、下水処理設備能力設
計用等の流量調査、等々の点よりして必要となる。
【0007】更には、浄水場の濾過池等では、砂等の濾
過材の間に詰る濾過物たる異物による堆積物が蓄積する
と濾過能力が減少するので浚渫しなければならず、その
堆積量の管理が必要となってくる。
【0008】そして、河川水等を引き込んで、微生物の
浄化作用による礫間接触法等で水を浄化する浄化施設等
に於いて、礫層間に堆積する汚泥等が一定量以上になる
と浄化機能の減少につながるので浚渫または強制流出さ
せなければならず、その目処のために堆積量の管理が必
要である。この種の施設にあって、汚泥の堆積が一定以
上となると、浄化機能が減少してしまうばかりでなく、
堆積物が水と共に河川に流出してしまう。或いは堆積物
近傍の不純物が溶け出した水、即ち有機物濃度の高い水
が流出してしまう。
【0009】従来、上記した港湾・河口・湖沼・等の水
底のヘドロ等の堆積物、ダム等の砂泥等の堆積物、沈砂
池や沈殿池の堆積物、河川の河床や人口水路の堆積物、
暗渠等の下水道路に於ける汚物の堆積物等の量の測定
は、人手によってメジャーで計測する、或いは水中の場
合は超音波距離計によっていた。
【0010】また、浄水場の濾過池や浄化施設等での堆
積物等の量の測定は、砂や礫等が障害となって計測が困
難であった。
【0011】更には、上記した全ての堆積物の量を測定
するものとして、光学式検知器も存する。この光学式検
知器は、例えば図20に示すように、水中及び堆積物中
に挿入するロッド1の表面に断面コ字形状の溝2を長さ
方向に沿って設け、この溝2の内側面の一方面に発光ダ
イオード3を、多方面に受光器4を、夫々長さ方向に沿
って多数、且つ相互に対向して配した構成である。
【0012】そして、ロッド1を水中及び堆積物中に挿
入して溝2に堆積物が侵入し、一対の発光ダイオード3
と受光器4との間が遮光されたならばその現象を高さレ
ベルで検知し、堆積量を測定しようとするものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例にあって、先ず人手によってメジャーで計測す
る手段は、人件費が嵩み、作業が断続的であり、下水の
場合には悪臭や酸欠等による事故が予想され、測定者の
作業環境や安全が保証されず極めて不快または危険であ
る。
【0014】次に超音波距離計は、高額である問題があ
り、砂や気泡が浮遊していると精度が落ち、下水のよう
に水深が浅いと計測不能であり、同様に流速が早いと計
測不能となり、水温差があると誤差が大きい、等の種々
の欠点がある。
【0015】更に光学式検知器は、水が濁っていたり、
或いは発光・受光部分に汚れが付着したりすると光路間
の光が遮られるために誤測定の原因となり、また水等の
流れがあると溝内に堆積物が正確に堆積せず、逆に浄化
施設等のように流れが極度に遅い場合にも光路間に正確
に堆積しない、といったような不都合が存する。
【0016】この発明は、上述した従来技術の欠点、不
都合、不満点を解決するため開発されたもので、水や堆
積物の状況によって誤測定が生じないようにすることを
技術的課題とし、もって、堆積物の状況を正確に測定で
きるようにすることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1に記載した本発明の堆積物測定方法は、水中
の電気伝導度、堆積物中の電気伝導度、水中と堆積物中
との合成した電気伝導度を検出することにより、水と堆
積物の境界面を検出することを特徴とする構成である。
【0018】また、請求項2に記載した本発明の堆積物
測定方法は、水中に於ける堆積物の上面位置を測定する
方法であって、水中から堆積物中までを鉛直方向に多数
の区域に分割し、この各区域中の電気伝導度を検出する
ことにより、水と堆積物の境界面を検出することを特徴
とする構成である。
【0019】請求項3に記載した本発明の堆積物測定方
法は、請求項1または2に記載した本発明にあって、複
数の電極間に生じる電気抵抗値、または複数の電磁コイ
ル間に生じる磁気誘導値から、電気伝導度を検出するこ
とを特徴とする。
【0020】次に、請求項4に記載した本発明の堆積物
測定装置は、水中に於ける堆積物の上面位置を測定する
装置であって、長尺なロッドに長さ方向に沿って複数の
電極による電気抵抗値検出部、または複数の電磁コイル
による磁気誘導値検出部を配し、電気伝導度を検出する
ことにより、水と堆積物の境界面を検出することを特徴
とする構成である。
【0021】請求項5に記載した本発明の堆積物測定装
置は、請求項4に記載した本発明にあって、ロッドに配
された複数の電極、または複数の電磁コイルを夫々切替
器回路に接続し、所定の電極または電磁コイルを切替接
続することを特徴とする構成である。
【0022】請求項6に記載した本発明の堆積物測定装
置は、請求項4または5に記載した本発明にあって、少
なくとも表面が絶縁された囲繞物内にロッドを収納し、
且つこの囲繞物に電極からの電流または電磁コイルから
の誘導電流が流出入する間隙を形成したことを特徴とす
る。
【0023】
【作用】上述した構成にあって、請求項1に記載した本
発明の測定方法によれば、水中の電気伝導度、堆積物中
の電気伝導度、水中と堆積物中との合成した電気伝導度
を検出し、各電気伝導度の値から水と堆積物の境界面を
検出する。
【0024】即ち例えば、仮に水中のみの電気伝導度の
値をρ1 として得、堆積物中の電気伝導度のみの値をρ
2 として得、ここでの水中と堆積物中との合成した電気
伝導度の値がρ1 とρ2 の差の35%の値であれば、堆
積65%と考察でき、水と堆積物の境界面位置が検出で
きることになる。
【0025】また、請求項2に記載した本発明の堆積物
測定方法は、水中から堆積物中までを鉛直方向に多数の
区域に分割し、この各区域中の電気伝導度を検出するこ
とにより、水と堆積物の境界面を検出するものであり、
全ての区域中の電気伝導度を検出する必要はないため、
想定される境界面の上下近傍の複数区域のみの電気伝導
度を検出することによっても、測定できることになる。
【0026】請求項3に記載した本発明の堆積物測定方
法は、請求項1または2に記載した本発明にあって、電
気伝導度のより正確な数値を得る具体的な手段として、
複数の電極間に生じる電気抵抗値、または複数の電磁コ
イル間に生じる磁気誘導値から検出するものである。
【0027】次に、請求項4に記載した本発明の堆積物
測定装置は、長尺なロッドに長さ方向に沿って複数の電
極による電気抵抗値検出部、または複数の電磁コイルに
よる磁気誘導値検出部を配しているので、前記した水中
から堆積物中までを鉛直方向に多数の区域に分割しよう
とする場合、一本のロッドに於けるこの適宜の複数の電
極または複数の電磁コイルによってこの区域を形成する
ことができ、従ってこの間の電気抵抗値または磁気誘導
値から電気伝導度を検出することにより、水と堆積物の
境界面を検出することができる。
【0028】請求項5に記載した本発明の堆積物測定装
置は、請求項4に記載した本発明にあって、一本のロッ
ドに配された複数の電極、または複数の電磁コイルを夫
々切替器回路に接続することにより、何れかをもって電
気抵抗値検出部または磁気誘導値検出部を形成して夫々
選択使用することができ、順次切替えながら伝導度測定
することにより、水と堆積物の境界面を検出することが
できる。
【0029】請求項6に記載した本発明の堆積物測定装
置は、請求項4または5に記載した本発明にあって、ロ
ッドは囲繞物内に収納されているので、この囲繞物が、
ロッドを水中や礫間中や堆積物中に挿入する際のガイド
として機能し、また外部衝撃や加圧からロッドを保護す
る。
【0030】但しこの場合、囲繞物に間隙を形成して、
この間隙から囲繞物内に堆積物が流入できるようにし、
ロッド部分で堆積状況を検出することになるのである
が、種々の事情によって堆積物が間隙を通して確実に囲
繞物内に流入するとは限らないことがある。
【0031】このような場合には、囲繞物外の堆積状況
を検出しなければならないので、この間隙を利用し、電
極からの電流、または電磁コイルによる誘導電流が囲繞
物を通過して外部に流出入及び拡散させることができる
ようにして、囲繞物の有無に拘らず、或る一定の広い範
囲を測定することが可能である。更には、電流のこの流
出入や分布に極力影響が生じないように、囲繞物は少な
くとも表面が絶縁される。
【0032】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の測定方法の原理を
説明するに、図1のように水だけであれば、水底Aから
水面Bまでの水の電気伝導度ρ1 は、水温差等の微細な
差異を無視するならば一様である。処が図2に示したよ
うに、水中にヘドロ等が堆積すると、その堆積物の上端
境界面Cと水面Bまでの水の電気伝導度ρ1 と、上端境
界面Cと水底Aまでの堆積物の電気伝導度ρ2 とは通常
異なる。従って、水中と堆積物中との合成した電気伝導
度の値がρ1 とρ2 の差の35%の値であれば、堆積6
5%と考察でき、水と堆積物の境界面C位置が検出でき
ることになる。
【0033】或いは、図3に示したように砂や礫間に接
触法等で水を浄化する浄化施設で、礫層間に堆積する汚
泥等の堆積物の境界面C位置は、礫の電気伝導度ρ3 と
した場合、水底Aから境界面Cまでは電気伝導度ρ2 と
ρ3 との合成されたもの、水面Bから境界面Cまでは電
気伝導度ρ1 とρ3 との合成されたものなので、これ等
の値から境界面C位置を知ることができる。通常、砂や
礫の電気伝導度ρは小さく、逆にヘドロや汚泥の電気伝
導度ρはかなり大きい。
【0034】但し上記した各手段は、電気伝導度ρ1 、
ρ2 の値が既知で、且つ時間の経過に左右されないこと
が条件である。或いは図2、3の実施例では、その都度
電気伝導度ρ1 、ρ2 及び合成された電気伝導度ρの値
を測定することになろう。
【0035】そこで、更に実用的な手段としては、図4
に示す如く、水底Aから水面Bまでを鉛直方向にn分割
して区間d1 からdn の区分を仮想することが考えら
れ、このn個の各区間ごとの電気伝導度ρを測定すれ
ば、各区間の各電気伝導度ρの値から水と堆積物の境界
面C位置を検出することができる。
【0036】即ち、各区間ごとの電気伝導度ρを測定
し、例えばρd1 ≒ρd2 ≒ρ2 で堆積物の電気伝導度
の値を得、ρd4 ≒ρd5 ………≒ρdn ≒ρ1 で水の
電気伝導度の値を得たならば、堆積物の電気伝導度の値
から水の電気伝導度の値に変動した区間、つまりd3 の
範囲に堆積物の境界面Cが位置することが判明する。
【0037】更にd3 の電気伝導度の値は、通常ρ2 と
ρ1 の値の間となるが、この値がどのくらいρ2 に近い
かρ1 に近いかによって、区間d3 のどのくらいの位置
にまで堆積しているかを詳細に知ることができる。
【0038】さて、上述した各電気伝導度を計測するた
めの具体的な手段としては電極法と電磁誘導法とがあ
り、また電極法の中には、二電極法、三電極法、四電極
法がある。そこで先ず、図5以下に於いて、電極法によ
る実施例を説明し、その後に電磁誘導法による実施例を
説明する。
【0039】二電極法は最もシンプルな形態であって、
電流検出回路を介して定電圧源に接続された一対の電極
間の電気抵抗率を計測するものであり、三電極法は、定
電流源に接続された一対の電極の一方電極と、この一対
の電極間に配した信号電極としての第三の電極とを、差
動増幅器等或いは電圧検出回路等に接続し、両電極間に
発生する電位差を検出して電気抵抗率を計測し、電気伝
導度を求めるものである。
【0040】但し、本発明のように堆積物を測定するよ
うな場合、ヘドロや汚泥が多いためこれ等が電極に非常
に付着し易い問題や、無人で長期の連続検出を前提とす
ることになるため等よりして、異物の付着に対して影響
を殆ど受けない四電極法が望ましい。
【0041】図5は、この四電極法による電気伝導度を
測定する代表的な回路原理を示すものであり、一定電流
源11に接続された一対の電源電極12間に、差動増幅
器等の測定回路13に接続された一対の信号電極14を
配した構成であり、両端の電源電極12から一定電流
(直流、交流、そして正弦波、矩形波を問わず)を被測
定物質中に流し、この電源電極12間に挟まれた一対の
信号電極14でピックアップした電位差により電気伝導
度を求めるのである。
【0042】ここでは四個の電極を使用した例を示した
が、電極12、14を一対以上としても良いし、配置も
或る程度の範囲で変更可能である。
【0043】さて、上述した電極12、14で構成され
る電気抵抗値検出部15を用いて水中を測定する場合、
前述したように水底Aから水面Bまでを鉛直方向にn分
割して、図6(a)に示したように、電気抵抗値検出部
15をこの区間dごとに設置し、区間d1 からdn の区
分の夫々について電気伝導度を測定することが考えられ
る。この手段は測定精度の点では高い信頼性が得られる
が、n個の電気抵抗値検出部15を用意しなければなら
ない点で極めて原始的で非効率的、不経済であることは
明らかである。
【0044】また、一組の電気抵抗値検出部15を区間
d1 からdn の区分まで移動させ、その夫々の区分で電
気伝導度を測定することも考えられる。この手段は、経
済性よりすれば特段の効果があるが、堆積物中を移動さ
せることは一般には容易でなく、また場合によっては移
動によって堆積状態を変動させてしまう虞れもあるた
め、堆積物の境界面Cの実際位置の検出が不正確となっ
て好ましくない。更に移動のための自動装置を使用する
ことになるとすれば、コストが上昇する。
【0045】そこで次に、図6(b)に示したように、
例えば絶縁体のロッド16に多数の電極Eを配列し、或
る区間d内に位置する四個の電極Eのうち、上下両端の
電極Eを電源電極12とし、間に挟まれた二つの電極E
を信号電極14として、電気抵抗値検出部15を構成す
るのである。そして、或る任意の区間dの測定が終了し
たならば、別の他の任意の区間d’の測定ができるよう
に切り替えが可能となるようにする。
【0046】図7は、この切り替えが可能な回路例を示
すもので、一対の電源電極12と一対の信号電極14と
なる四個の電極Eをもって一組の電気抵抗値検出部Sと
し、四組の電気抵抗値検出部S1 、S2 、S3 、S4 が
あるとき、四回路四接点の切替器17を使用すれば、一
定電流源11と差動増幅器等の測定回路13の回路は一
個で済むことになる。ここでの切替器17は、機械接点
方式のものでも、電気的制御が容易な半導体方式のもの
であっても良い。
【0047】次に図6(c)に示した実施例は、例えば
ロッド16にn分割された区間dの境界ごとに電極Eを
配列した構成で、或る任意の四個の電極Eをもって電源
電極12と信号電極14とするものである。
【0048】そして、この一組の電極Eで測定が終了し
たならば、上記と同様に四回路(n−1)接点等の切替
器17等を利用して電極E一個分ずらし、この操作を繰
り返すことにより、各電極Eを効率的に用いて各区間d
の電気伝導度を検出するのである。
【0049】この図6(c)の実施例にあって、或る任
意の四個の電極Eは必ずしも隣り合っていなくても良
く、切替器17を利用せずに複数の回路を用意しても良
いし、電極Eのずらしは必ずしも一個分とは限らず、複
数個分ずらしても良く、測定順位も例えば上から或いは
下から順にといったように限定されることもない。
【0050】次いで図8に示した実施例は、図6(b)
(c)に示した実施例に於いて、一方の電源電極12を
固定電源電極12x としたもので、常時一定電流源11
に接続されており、各電極Eを他方の電源電極12と信
号電極14として選択できるように切替器17を利用
し、測定を行う。このように構成すれば、固定電源電極
12x は常に一定電流源11に接続されているため切り
替える必要はなく、切替器17の容量、例えば回路数を
3/4に節減できる。
【0051】この実施例で、固定電源電極12x の配置
の位置が他の電極Eに近接していると、各測定区間d毎
の電流分布に差異が生じるため、測定後に測定区間d毎
に補正等の必要が生じる場合がある。但し、例えばこの
固定電源電極12x を最も近い他の電極Eから、この他
の電極E同士の距離の数倍以上離して配置すれば電流分
布の差異が少ないため、補正の必要はない。
【0052】そこで、水中に堆積する堆積物の境界面C
を検知しようとする場合、この固定電源電極12x を、
最上位の電極Eの上方や各電極Eの延長線位置に限ら
ず、上記した所定距離を維持して配置すれば良いことに
なる。この配置位置は、最上位の電極E直上の水面B近
傍でも良いし、水平方向に距離を隔てた水面B近傍、中
間水深区域、水底A近傍等、何れであっても良い。
【0053】そして、図8に示した実施例の更なる発展
形としては、図6(b)(c)に示した実施例に於い
て、電源電極12の両方を固定電源電極12x とするこ
とも考えられる(図示省略)。即ち、両電源電極12は
常時一定電流源11に接続されており、各電極Eを信号
電極14として適宜選択できるように切替器17を利用
して測定を行うのである。
【0054】このように構成すれば、一対の固定電源電
極12x は常に一定電流源11に接続されているため切
り替える必要はなくなり、切替器17の容量、例えば回
路数を2/4に節減できる。尚、この場合の一対の固定
電源電極12x の配置条件は上記図8の実施例と同様で
ある。
【0055】前述してきた処の本発明にかかる堆積物測
定方法の各実施形態に於いて、電源電極12と信号電極
14を構成することになる多数の各電極Eは、必ずしも
相互に等間隔であったり一直線上に配置されなければな
らないものではない。
【0056】さて、図9は、図8で説明した本発明の測
定方法の実施形態、即ち、一方の電源電極12を固定電
源電極12x として常時一定電流源11に接続し、各電
極Eを他方の電源電極12と信号電極14として選択で
きるようにした場合の具体的な電気抵抗値検出部15の
装置例を示すもので、約2mの長尺な円筒形状の絶縁体
製のロッド16の最上位に固定電源電極12x としての
電極Eを配し、この固定電源電極12x から所定距離離
れた下方以降に、長さ方向に沿って多数の電極Eを等間
隔に配した構成で、その他の電極Eは、何れかを他方の
電源電極12或いは一対以上の信号電極14として選択
される。
【0057】各電極Eは、リング形状となっていて露出
しており、電極Eに接続された各リード線18(図示省
略)は円筒形状のロッド16を通して多芯コードにし、
キャプタイヤコード19としてロッド16上端から導出
される。
【0058】各リード線18が通された円筒形状のロッ
ド16内は樹脂モールドシール等により防水防食加工が
施されており、各電極Eの配列ピッチは要求される測定
範囲と分解能によって変動があるが、実施例の場合、3
0mm間隔に設定している。
【0059】図10は、この電気抵抗値検出部15を用
いた測定装置全体を示すブロックであって、キャプタイ
ヤコード19の多芯コードは図7に示したような切替器
17に接続される。この切替器17はマルチプレクサ等
の切替器回路である。
【0060】切替器17は差動増幅器等の測定回路13
に接続され、測定回路13はA/Dコンバーターやマイ
クロコンピュータ等の演算・制御回路20に接続され
る。そして演算・制御回路20は、一方では一定電流源
11に接続されて更に上記切替器17に接続され、他方
では切り替えコントロール信号を送るため直接切替器1
7に接続されることになる。更に、演算・制御回路20
は、ディスプレー等の表示・各種出力・記憶等の装置2
1に接続される。尚、図11は、図9に示した電気抵抗
値検出部15を図10で示したブロックのユニットUに
接続した状態を示す。
【0061】さて、本発明にかかる測定方法及び測定装
置は、繰返し述べてきたように堆積物の上端境界面C位
置を検出することにある。従って、原則的には鉛直方向
の測定を行えば足りるのであって、水底Aから水面Bま
でを例えばn分割して区間d1 からdn に区分し、この
n個の各区間ごとの電気伝導度ρを測定すれば良いこと
になる。
【0062】しかしながら、堆積物は、水中で常に平坦
に堆積するとは限らず、従って境界面Cが水平であると
は限らない。それ故、たまたま境界面Cの凹部、或いは
凸部分だけで鉛直方向の測定をしてしまうと、その窪ん
だ部分のレベル或いは盛り上がった部分のレベルを平均
的な境界面Cとして誤測定してしまう虞れがある。この
誤測定は、例えば前述した従来例のような小さな溝2の
内部のみで検知を行う光学式検知器による手段では、検
出部等が位置することによるそのごく近傍の堆積状態の
異常分も含め、避けることができない。
【0063】処が本発明の手段では、電流が側方に拡散
して流れることになるので、或る程度の範囲で水平方向
に対しても検知が可能となり、境界面Cの凹部、或いは
凸部分に設置したとしても、周囲の状況を測定して正確
な境界面C位置を検出することができる。
【0064】即ち、図8で説明した固定電源電極12x
と、他方の電源電極12と信号電極14との組合せで、
図12に示す如く、無限に小さい電極E1 、E2 、E3
、E4 、………が距離d毎に一直線上に並び、電極E2
を一定電流源11に接続される他方の電源電極12と
すると共に、電極E3 とE4 を差動増幅器等の測定回路
13に接続される信号電極14とし、更に遠方に固定電
源電極12x が位置するとすると、ここでの水平方向の
検知範囲は、最大で2dを半径とする円内である(理想
的な点電極の時、最大検知面は正確には電極E2 を中心
とした半径2dの球面となる)。
【0065】従って、前記した図9の実施例にあって、
電極Eの径を32mmとすると、距離dは電極Eの配列ピ
ッチとして30mmであるので、連続する電極E2 、E3
とE4 三個を使用すれば60mmとなり、2×60+32
=152mmを直径とする水平方向の円内が検知範囲とな
る。それ故に、このように広範囲の検知が可能であるか
ら、例えば電気抵抗値検出部15が位置するために発生
することもある堆積状態の異常に左右されることなく、
境界面Cの正確なレベル位置を検知できることになる。
【0066】このように水平方向の検知範囲は、電極E
の配列ピッチである距離dの値により左右されるので、
配列ピッチを大きく取れば検知範囲も拡がることになる
が、鉛直方向での境界面Cのレベル位置を検知しようと
する本来の目的よりすると分解能が粗くなる可能性がで
てくる。
【0067】この問題を解決するには、電極Eの配列ピ
ッチの大きい電気抵抗値検出部15と小さい電気抵抗値
検出部15とを併用すれば良いが、先に示した実施例を
応用して切替器17とそのコントロールにより、例えば
先ずは一個以上おきの電極Eをもって一組の電極Eの配
列ピッチの大きい電気抵抗値検出部15を構成して水平
方向に広範囲の検知を行って順次測定し、次いで隣合っ
て連続する電極Eをもって一組の電極Eの配列ピッチの
小さい電気抵抗値検出部15を構成して分解能の高い検
知をして順次測定する。
【0068】上述した構成手段を採れば、効率良く経済
的に一つの装置をもってして、より正確な境界面Cの検
出が達成されよう。
【0069】さて次に、電磁誘導法は、或る電磁コイル
によって水中に生じる誘導電流を他の電磁コイルによっ
て捕捉し、その際の磁気誘導値から電気伝導度を検出す
るものであって、本発明に於ける電磁コイルによる磁気
誘導値検出部22の具体的な原理を図13に示すなら
ば、トロイダルコイル形態の一次コイル23と二次コイ
ル24とをドーナツ形状の絶縁体製ケース内に収納して
(図示省略)並列に配置し、一次コイル23に交流電圧
Vinから電流を流して磁束Φ1 を発生させて、水或いは
堆積物中に誘導電流Iを流す。
【0070】誘導電流Iは水等の負荷抵抗Rを受けてそ
の値が定まるので、その大きさに比例する磁束Φ2 が二
次コイル24に発生し、二次コイル24に誘導起電力が
生じる。この二次コイル24に生じる誘導起電力は負荷
抵抗Rの大きさに逆比例するため、誘導起電力値をVou
t として検出すれば(電圧でも電流でも可)、水或いは
堆積物の電気伝導度を求めることが可能になる。
【0071】図14は、磁気誘導値検出部22の具体的
な実施例を示すものであり、所定長さの絶縁体製のロッ
ド16には、径方向に貫通孔とした誘導路25が複数開
設されてあり、この誘導路25を軸心とする形態で夫々
に、トロイダルコイル形態の一次コイル23と二次コイ
ル24とが並列に埋設配置され、この誘導路25と一対
の一次コイル23、二次コイル24とによって一組の磁
気誘導値検出部22を形成する。
【0072】尚、貫通孔としての誘導路25を開設する
点でコストが嵩む場合や、誘導路25が泥詰りしてしま
うようなことを避けるためには、貫通孔に相当する部分
を非磁性体の導体25aで代替しても良い。
【0073】さて、上述した図14の実施例では、所定
の一組の磁気誘導値検出部22毎の周囲に誘導電流Iを
起こし、当該部分の水或いは堆積物の電気誘導度を計測
することになるが、この一組の磁気誘導値検出部22毎
に一次コイル23と二次コイル24が必要となり、また
計四本のリード線を必要とし、極めて煩瑣なものにな
る。更に、諸回路を各一つで兼用させるために切替器1
7を使用する構成とした場合にも最低で二回路の切替器
17を必要とする。
【0074】よって、図15に示すように、一次コイル
23と二次コイル24との何れか一方をロッド16の長
さに匹敵するほどの長径を有する長円形状とし、他方の
みを夫々誘導路25に配する構成としても良い。図15
の実施例では長円形状のコア26の一部に一次コイル2
3を巻回した構成としているが、全体に巻回しても良
く、この場合コア26は不要である。
【0075】この図15のような構成とすれば、図16
の配線図から明らかなように、ロッド16の最上端に一
次コイル23のリード線を導出させて所定の電源に接続
し、各二次コイル24の数の分だけの夫々のリード線1
8を単回路の切替器17に接続すると共に、共通リード
線18’一本を導出するだけで良いことになる。
【0076】図17は、電磁誘導法の他の実施形態を示
すもので、ロッド16内に長さ方向に沿って埋設される
長尺なコア26に一次コイル23を巻回すると共に、こ
のコア26に沿って適宜間隔で多数の二次コイル24を
配列した構成である。
【0077】但し、長尺なコア26に巻回するコイル
は、一次コイル23と二次コイル24との何れであって
も良い。仮に図示実施例のように長尺なコア26に一次
コイル23を巻回する構成とすれば、誘導電流Iはコア
26の周方向に沿ったループをたどり、このループが全
般に発生することになる。この構成によれば、前記した
図16の配線と同様のもので良い。
【0078】尚、一次コイル23の磁束が直接二次コイ
ル24を直接励起して磁化させることがないように、一
次コイル23と二次コイル24との間を磁気シールドす
る必要がある。或いは、直接励起する分を予め調べてお
いて加減算し、誘導電流Iのみによって励起される磁束
による二次コイル24への誘導値分を求める必要があ
る。更には、誤差を極力抑えるため、二次コイル24同
士の間も磁気シールドしておいた方が良い。
【0079】図18は図17の変形例であって、ロッド
16内に長さ方向に沿って一次コイル23を巻回した長
尺なコア26を埋設すると共に、ロッド16内にこのコ
ア26に沿って平行に長孔27を開設し、この長孔27
内に二次コイル24をスライド移動自在に配置した構成
である。勿論この場合、何れを一次コイル23としても
良いことは、前記実施例と同様である。
【0080】この図18の実施例によれば、長孔27内
に配置した僅か一つの二次コイル24をスライド移動さ
せて所定位置で停止させ、当該部分での堆積物の測定が
可能になり、そのリード線は、一次コイル23と二次コ
イル24用との四本で済み、切替器17回路も不要で、
極めて簡便なものになる。
【0081】
【実施例】以上、電極法と電磁誘導法とによる本発明の
実施形態、実施装置について説明してきたが、本発明の
装置を実際に現場で使用するにあたり、より経済的、効
率的、実用的、良い効果等を得るためには、更に様々な
対処方法がある。以下にその実施例を説明するが、ここ
での実施例は電極法と電磁誘導法とで差異がないため便
宜上、電極法による形態を原則として説明し、電磁誘導
法については電極法とは異なった方が良い箇所だけ適宜
付言する。
【0082】測定の長さ分だけに電極Eをロッド16に
配して構成された電気抵抗値検出部15は、測定地の所
定箇所に設置され、図10で示した電気抵抗値検出部1
5以外の切替器17、差動増幅器等の測定回路13、演
算・制御回路20、ディスプレー等の装置21、等のユ
ニットU全体は、直上の空中や、地中、更には遠隔地に
配しても良い。尚、特に浄水用の濾過池や砂礫接触法の
浄化施設では、ロッド16は礫層間等に縦埋め支持させ
るだけで良い。
【0083】処で濾過池や浄化施設は一般に広大であ
り、場所によって、経時を含めて堆積量が異なるのが通
常であり、従って複数箇所での測定が必要である。そし
て、河川に於ける洪水や土石流等と異なり、このような
施設での堆積速度は極めて遅くて、週や一日単位での測
定で概ね済む。
【0084】よって、測定が必要となる測定ポイント全
てにロッド16のみを予め配しておき、一日単位、週単
位等でロッド16以外の装置を順次用いることにより全
体の測定をすることができる。ロッド16と、それ以外
のユニットUとは、自動切り替えやコネクター接続する
ことが可能であり、ロッド16以外の機器を一組で済ま
せることも可能になる。
【0085】図19は、ロッド16を円筒形状の囲繞物
28内に収納した実施例を示すもので、ロッド16を含
む電気抵抗値検出部15やキャプタイヤコード19等を
保持し、砂礫や堆積物等から保護し、ロッド16を砂礫
や堆積物等から取り出したり挿入したりする際の作業性
の向上に有益なものになる。
【0086】円筒形状の囲繞物28は、絶縁体か或いは
その内外面の少なくとも表面はライニング等により絶縁
されていて、測定時の電流に影響を与えないようにし、
また筒壁には通孔29が開設されていて、水や外部の堆
積物が囲繞物28内に入り込むことができるようにする
と同時に、囲繞物28内の伝導度のみならず外部の伝導
度をも含めて検出できるように、電極Eからの電流また
は電磁コイルによる誘導電流が囲繞物28内外を流出入
可能とするための間隙が形成されている。従ってこの各
通孔29は相互に、電流の流出入が充分に可能で、囲繞
物28の内外が電気的に充分関連できるように配置やピ
ッチを配慮する必要がある。
【0087】尚、電磁誘導法にあっては、外部の伝導度
を含めて測定するには、誘導電流の流出入が充分可能な
ように囲繞物28の筒壁に開設する通孔29は周方向に
沿って広く空いているか、二個以上の複数が望ましい。
【0088】前述した広大な濾過池や浄化施設等で測定
を行う場合、所定箇所にこの囲繞物28を予め埋設して
おけば、測定毎に囲繞物28にロッド16を挿入するだ
けでも良いことになり、仮に囲繞物28内に埋設物等が
存するならば、強制的に吸引等して排除すれば足りる。
【0089】囲繞物28としては、円筒に通孔29を開
設した構成に限定されるものではなく、角筒でも良い
し、更には網筒状、格子筒状、或いは横断面コ字形状で
あったり、一対の板体を対向配置した構成等でも良く、
このような構成であれば通孔29を開設しなくても、電
極E等からの電流が流出入する間隙が形成されることに
なる。
【0090】何れにしても、囲繞物28の内外が電気的
に充分関連可能な通孔29若しくはそれに相当する間隙
を形成することにより、前述したように広い範囲にわた
る計測が可能となるため、例え囲繞物28中に堆積物等
が浸入しなくても堆積物の境界面Cを確実に検知するこ
とができる。
【0091】処で、例えば砂礫接触法の浄化施設では、
汚染された河川等の水を引き込んで砂礫間に於いて微生
物の浄化作用で浄化し、再度河川に流出させるものであ
り、従って浄化により砂礫間に蓄積堆積した汚泥等が流
出してしまったのでは効果が半減することから、この堆
積状況を把握するのが本発明の目的である。
【0092】この堆積状況を把握する場合、堆積状況の
測定に限らず、流出する水の電気伝導度の値も一つの目
安となる。即ち、水の電気伝導度の高低自体は水質その
もの良否を表すものではないが、例えば純水や蒸留水の
類の値は殆どゼロであり、山間部の渓流の水は通常著し
く低い値であるのに対し、下流に流下して種々の物質が
混入するに連れ高伝導度となる。従って、電気伝導度の
値は、水質の総合的な指標となり得る。
【0093】例えば前記囲繞物28内に堆積物が堆積し
ていない場合、囲繞物28外に堆積している汚泥等の堆
積物から水に溶け出した不純物が通孔29から囲繞物2
8内に浸入してくる。処が、浄化施設では流速が極めて
緩慢であるから、囲繞物28外の堆積物より低い位置で
は、囲繞物28内に浸入した不純物が溶け出した水、即
ち有機物濃度の高い水が通孔29から流出することはな
く、高伝導度の水が残留する。
【0094】それ故に、囲繞物28内の電気伝導度を測
定するだけでも、間接的に堆積物の境界面Cを少なくと
も近似値として検知することができ、悪質な水の流出を
事前に予測して浚渫や強制流出等の対策準備が円滑に達
成される。従来例のような光学式検知器による手段や超
音波方式では達成できない効果である。
【0095】更には堆積物の境界面C近傍では、固形化
する直前の不純物濃度の高い水や、汚泥から溶け出した
不純物を多く含んだ水が存在するが、本発明によれば囲
繞物28の有無に拘らずこれ等の悪質な水の検知が可能
となる。
【0096】
【発明の効果】上述した構成にあって、請求項1に記載
した本発明の測定方法によれば、水中の電気伝導度、堆
積物中の電気伝導度、水中と堆積物中との合成した電気
伝導度を検出することにより、各電気伝導度の値から水
と堆積物の境界面を検出することができる。
【0097】請求項2に記載した本発明の堆積物測定方
法によれば、水中から堆積物中までを鉛直方向に多数の
区域に分割することにより、各区域中の電気伝導度の検
出から水と堆積物の境界面を検出でき、想定される境界
面の上下近傍の複数区域の電気伝導度を検出することに
より測定できる。
【0098】請求項3に記載した本発明の堆積物測定方
法によれば、請求項1または2に記載した本発明にあっ
て、複数の電極間に生じる電気抵抗値、または複数の電
磁コイル間に生じる磁気誘導値から電気伝導度の数値を
具体的に得ることが可能となる。
【0099】請求項4に記載した本発明の堆積物測定装
置によれば、長尺なロッドに長さ方向に沿って複数の電
極による電気抵抗値検出部、または複数の電磁コイルに
よる磁気誘導値検出部を配しているので、水中から堆積
物中までを鉛直方向に多数の区域に分割しようとする場
合、一本のロッドに於けるこの適宜の複数の電極または
複数の電磁コイルによってこの区域を形成することがで
き、従ってこの間の電気抵抗値または磁気誘導値から電
気伝導度を検出することにより、水と堆積物の境界面を
検出することができる。
【0100】請求項5に記載した本発明の堆積物測定装
置によれば、請求項4に記載した本発明にあって、一本
のロッドに配された複数の電極または複数の電磁コイル
を夫々切替器回路に接続し、何れかをもって電気抵抗値
検出部または磁気誘導値検出部を形成して夫々選択使用
することができるので、一組の諸回路だけで順次切替え
ながら測定することにより、水と堆積物の境界面を検出
することができる。
【0101】請求項6に記載した本発明の堆積物測定装
置によれば、請求項4または5に記載した本発明にあっ
て、ロッドは囲繞物内に収納されているので、この囲繞
物がロッドを水中や堆積物や礫間中に挿入する際のガイ
ドとして機能し、また外部衝撃や加圧からロッドを保護
する。
【0102】この場合、囲繞物に間隙を形成しているの
で、電極からの電流、または電磁コイルからの誘導電流
が囲繞物を通過して外部に流出入させることができて、
或る広い一定範囲を確実に測定でき、また囲繞物は少な
くとも表面が絶縁されているため、電流のこの流出入に
影響が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】水中に於いて、堆積物が堆積してない状態を示
す説明図である。
【図2】水中に於いて、堆積物が堆積している状態を示
す説明図である。
【図3】砂や礫間に接触法等で水を浄化する浄化施設の
水中に於いて、堆積物が堆積している状態を示す説明図
である。
【図4】水底から水面までを鉛直方向にn分割した場合
の、堆積物が堆積している状態を示す説明図である。
【図5】四電極法による電気伝導度を測定する場合の代
表的な回路原理図である。
【図6】水底から水面までを鉛直方向にn分割して、電
気抵抗値検出部を設置する場合の各形態を示す説明図で
あって、(a)は電気抵抗値検出部を区間dごとに設置
した場合、(b)はロッドに多数の電極を配列して、任
意の区間dで電気抵抗値検出部を形成した場合、(c)
はロッドにn分割された区間dの境界ごとに電極を配列
した場合を示す。
【図7】四回路四接点の切替器を使用した回路図であ
る。
【図8】一方の電源電極を固定電源電極とした場合の回
路図である。
【図9】図8で説明した本発明の測定方法の実施形態を
示す正面図である。
【図10】測定装置全体を示すブロック図である。
【図11】電気抵抗値検出部を用いた測定装置全体の外
観図である。
【図12】水平方向の検知範囲を説明した回路図であ
る。
【図13】本発明に於ける電磁コイルによる磁気誘導値
検出部の具体的な原理図を示すものにして、(a)は左
側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図14】図13の磁気誘導値検出部の具体的な実施例
を示すものであり、(a)は正面図、(b)は軸方向に
沿った断面図、(c)は底面図である。
【図15】図14の他の実施例を示すものであり、
(a)は正面図、(b)は軸方向に沿った断面図であ
る。
【図16】図15の配線図である。
【図17】磁気誘導値検出部の更に他の実施例を示す正
面図である。
【図18】図17の他の実施例を示す正面図である。
【図19】礫間接触法等で水を浄化する浄化施設の水中
に於いて、本発明に於ける電気抵抗値検出部を使用した
実施例を示す正面図である。
【図20】従来の堆積物量測定に使用される光学式検知
器を示すものであり、(a)は正面図、(b)は軸方向
に沿った断面図、(c)は横断面図である。
【符号の説明】
11;一定電源、12;電源電極、12x;固定電源電
極、13;差動増幅器等の測定回路、14;信号電極、
15;電気抵抗値検出部、16;ロッド、 17;切替
器、18;リード線、19;キャプタイヤコード、 2
0;演算制御回路、21;ディスプレー、22;磁気誘
導値検出部、23;一次コイル、24;二次コイル、2
5;誘導路、26;コア、27;長孔、28;囲繞物、
29;通孔、E;電極。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に於ける堆積物の上面位置を測定す
    る方法であって、水中の電気伝導度、堆積物中の電気伝
    導度、水中と堆積物中との合成した電気伝導度を検出す
    ることにより、水と堆積物の境界面を検出することを特
    徴とする堆積物測定方法。
  2. 【請求項2】 水中に於ける堆積物の上面位置を測定す
    る方法であって、水中から堆積物中までを鉛直方向に多
    数の区域に分割し、該各区域中の電気伝導度を検出する
    ことにより水と堆積物の境界面を検出することを特徴と
    する堆積物測定方法。
  3. 【請求項3】 複数の電極間に生じる電気抵抗値、また
    は複数の電磁コイル間に生じる磁気誘導値から、電気伝
    導度を検出することを特徴とする請求項1または2に記
    載の堆積物測定方法。
  4. 【請求項4】 水中に於ける堆積物の上面位置を測定す
    る装置であって、長尺なロッドに長さ方向に沿って複数
    の電極による電気抵抗値検出部、または複数の電磁コイ
    ルによる磁気誘導値検出部を配し、電気伝導度を検出す
    ることにより水と堆積物の境界面を検出することを特徴
    とする堆積物測定装置。
  5. 【請求項5】 ロッドに配された複数の電極、または複
    数の電磁コイルを夫々切替器回路に接続し、所定の電極
    または電磁コイルを切替接続することを特徴とする請求
    項4に記載の堆積物測定装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも表面が絶縁された囲繞物内に
    ロッドを収納し、且つ該囲繞物に電極からの電流または
    電磁コイルからの誘導電流が流出入する間隙を形成した
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の堆積物測定
    装置。
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