JPH0910559A - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールの製造方法

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JPH0910559A
JPH0910559A JP18342295A JP18342295A JPH0910559A JP H0910559 A JPH0910559 A JP H0910559A JP 18342295 A JP18342295 A JP 18342295A JP 18342295 A JP18342295 A JP 18342295A JP H0910559 A JPH0910559 A JP H0910559A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
fixing portion
membrane module
potting material
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Withdrawn
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JP18342295A
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English (en)
Inventor
Yukio Yanaga
幸雄 弥永
Hideo Mitani
秀雄 三谷
Yoshitoshi Oka
義寿 岡
Kenichi Toyooka
賢一 豊岡
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数引き揃えた中空糸膜の端部にポッティン
グ材にて固定部を形成する中空糸膜モジュールの製造方
法であって、端面に各中空糸膜を開口させた固定部にお
いてピンホールを確実に防止するモジュールの製造方法
を提供する。 【構成】 中空糸膜(1)が引き揃えられてなる中空糸
束(2)の端部をポッティング材で固定することによ
り、第1の固定部(3C)を形成した後、第2の固定部
(3A)を形成し、そして、第2の固定部(3A)にお
いて切断してその切断面にて各中空糸膜(1)を開口さ
せる中空糸膜モジュール(10)の製造方法において、
少なくとも除去される第1の固定部(3C)を形成する
ポッティング材として、毛管上昇値が50mm以下であ
る接着材料を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は中空糸膜モジュールの製
造方法に関するものであり、詳しくは、多数の中空糸膜
を引き揃え且つその端部にポッティング材にて固定部を
形成するモジュールの製造方法であって、端面に各中空
糸膜を開口させた固定部を形成する際に当該固定部にお
けるピンホールの発生を確実に防止することが出来、モ
ジュールの分離性能を一層向上させることが出来る中空
糸膜モジュールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、ガス分離、逆浸透分離、浸
透気化、限外濾過などの多くの分離技術に利用される中
空糸膜モジュールは、表面に分離機能が備えられた合成
樹脂製の中空の糸を多数束ねて構成され、糸の内側と外
側に流体の成分を分離するものである。図1は、中空糸
膜モジュールの一例を示す図であり、当該モジュールの
長手方向に沿って破断した模式的な断面図である。図2
は、図1におけるII−II矢視図であり、中空糸膜モジュ
ールの長手方向に対して垂直に破断した模式的な断面図
である。
【0003】図1に符号(10)にて示す中空糸膜モジ
ュールはいわゆる両端ポッティング型のモジュールであ
り、斯かる中空糸膜モジュール(10)は、多数の中空
糸膜(1)を引き揃えてなる中空糸束(2)の両端がポ
ッティング材で固定された構造を備えている。中空糸束
(2)の一端側には、ポッティング材にて形成された盤
状の固定部(3A)が配置され、当該固定部の端面にて
各中空糸膜(1)の一端が開口され、また、中空糸束
(2)の他端側には、ポッティング材にて同様に形成さ
れた固定部(3B)が配置され、当該固定部に各中空糸
膜(1)の他端が埋設され且つ封止されている。
【0004】また、中空糸束(2)においては、図2に
示す様に、各中空糸膜(1)が環状に束ねられることに
より、当該中空糸束の軸芯部分に沿って空間部(7)が
構成され、そして、図1に示す様に、各中空糸膜(1)
の他端を封止する固定部(3B)の軸芯に空間部(7)
に通じる開口(3e)が設けられる。上記の様な中空糸
膜モジュール(10)の基本的な分離操作は、開口(3
e)を介して空間部(7)に供給した被処理流体を中空
糸束(2)の内周から外周方向へ流下させる間、各中空
糸膜(1)の表面からこれら中空糸膜の管内に透過した
成分を固定部(3A)端面の各中空糸膜(1)の開口か
ら排出することによって行われる。
【0005】上記の中空糸モジュール(10)は、通
常、図3〜図5に示す様な方法で製造される。図3〜図
5は、各々、中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式
的な断面図である。先ず、図3に示す様に、多数の中空
糸膜(1)が引き揃えられてなる中空糸束(2)の少な
くとも一端部をポッティング材で固着して第1の固定部
(3C)を形成する。固定部(3C)においては、ポッ
ティング材が各中空糸膜(1)の相互の隙間に浸透して
これらを固定するとともに、各中空糸膜(1)の管内に
も進入してこれらの端部を封止する。
【0006】次に、図4に示す様に、固定部(3C)に
対して他端側方向に隣接する部位を更にポッティング材
で固着して固定部(3A)を形成する。中空糸束(2)
の一端側は、固定部(3C)によって予め封止されてい
るため、固着部(3A)を形成するポッティング材は、
各中空糸膜(1)相互の間隙のみに浸透して各中空糸膜
(1)を更に固定する。そこで、図5中に鎖線で示す様
に、固定部(3A)において切断することにより、一端
側の第1の固定部(3C)を除去し且つ第2の固定部
(3A)の切断面にて各中空糸膜(1)を開口させる。
【0007】上記の様に、固定部(3C)と固定部(3
A)を異なる工程で形成するのは、第2の固定部(3
A)の切断面にて各中空糸膜(1)を開口させるためで
あり、従って、これら第1及び第2の固定部(3C)、
(3A)とも通常は同一のポッティング材にて形成され
る。なお、固定部(3B)は、通常、固定部(3C)又
は固定部(3A)と同一の工程で形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の中空
糸膜モジュール(10)においては、第2の固定部(3
A)に発生したピンホールがモジュールの分離性能を低
下させる大きな要因となる。すなわち、固定部(3A)
にピンホールが存在する場合、中空糸束(2)の空間部
(7)に供給された被処理流体の一部は、第2の固定部
(3A)側の各中空糸膜(1)の開口端から排出される
透過流体に上記ピンホールを通じて混入する。従って、
上記の様な中空糸膜モジュールの製造においては、分離
性能を向上させるため、端面に各中空糸膜を開口させた
固定部を形成する際に当該固定部におけるピンホールの
発生を確実に防止することが重要な課題である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の問
題を解決すべく種々検討を重ねた結果、第2の固定部に
発生するピンホールは、第1の固定部を形成するポッテ
ィング材の毛管現象に起因するとの知見を得た。具体的
には、第1の固定部を形成するポッティング材が硬化前
に毛管現象によって第2の固定部の形成位置まで進入
し、各中空糸膜の間の微小間隙に柱状体を形成するた
め、第2の固定部を形成するポッティング材が上記の柱
状体によって中空糸膜の間への浸透が阻害され、その結
果、ピンホールとしての空隙が残存するとの知見を得
た。本発明者等は、斯かる知見に基づいて更に検討を重
ねた結果、ポッティング材として特定の材料を選択する
ならば、その毛管現象をさほど増長させることなく第1
の固定部を形成することが出来、第2の固定部を形成す
る際に、そのポッティング材を各中空糸膜の間隙に十分
に浸透させ得ることを知得し、本発明の完成に至った。
【0010】すなわち、本発明の要旨は、多数の中空糸
膜が引き揃えられてなる中空糸束の端部をポッティング
材で固定して第1の固定部を形成する工程と、前記第1
の固定部に対して反対側の端部方向に隣接する部位を更
にポッティング材で固定して第2の固定部を形成する工
程と、前記第2の固定部において切断することにより当
該第2の固定部に隣接した前記第1の固定部を除去する
切断工程とを含み、少なくとも前記第2の固定部の切断
面にて各中空糸膜を開口させた中空糸膜モジュールの製
造方法において、少なくとも除去される前記第1の固定
部を形成するポッティング材として、毛管上昇値が50
mm以下である接着材料を使用することを特徴とする中
空糸膜モジュールの製造方法に存する。
【0011】以下、図1〜図6を参照して本発明を詳細
に説明する。なお、図6は、図1の中空糸膜モジュール
を用いた分離膜装置の構造例を示す図であり、モジュー
ルの長手方向に沿って破断した模式的な断面図である。
本発明において、図1中に示す中空糸膜(1)として
は、分離機能を備える公知の合成樹脂によって外径が
0.3〜2.5mm程度のストロー状に形成された中空
の糸が使用される。中空糸束(2)は、中空糸膜(1)
を数百〜数万本程度束ねて作製される。束ね方は、モジ
ュールの使用態様によって異なるが、例えば、図2に示
す様に、各中空糸膜(1)を環状に束ね、そして、当該
中空糸束の軸芯部分に沿って被処理流体供給用の空間部
(7)を構成する。なお、中空糸束(2)の最外周及び
最内周部分においては、図1及び図2に示す様に、中空
糸束(2)の形状を維持するため、中空糸膜(1)と同
一の材料で形成された中実糸(8)を支持体として設け
てもよい。
【0012】第1の固定部として、シリコーン系、エポ
キシ系、ウレタン系等の樹脂接着材料からなるポッティ
ング材を使用し、図3に示す様に、中空糸束(2)の少
なくとも一端に固定部(3C)を形成する。そして、固
定部(3C)により、中空糸束(2)の一端を固定し且
つ各中空糸膜(1)の一端を封止する。本発明におい
て、後の工程にて除去される固定部(3C)は、毛管上
昇値が50mm以下のポッティング材にて形成すること
が重要である。これにより、固定部(3C)を形成する
ポッティング材が図4に示す第2の固定部(3A)の形
成位置まで進入して各中空糸膜(1)の間を部分的に閉
塞させることがないため、固定部(3A)を形成する際
にそのポッティング材を各中空糸膜の間へ十分に浸透さ
せることが出来る。その結果、固定部(3A)における
ピンホールの発生を確実に防止することが出来、モジュ
ールの分離性能を一層向上させることが出来る。
【0013】上記の毛管上昇値は次の様に設定される。
先ず、300〜2500μmの外径の中空糸膜を25本
束状に揃え、斯かる束に10gfの荷重を加えて各中空
糸膜を伸長させた状態で束の一端に幅1cmのテープを
巻く。次いで、容器に収容した25℃の液温のポッティ
ング材に束の一端を1cm浸漬させた後、タックフリー
まで放置する。ポッティング材が硬化した後、中空糸膜
の束を取り出し、一端側のテープを剥離する。そして、
中空糸膜の束を一端側から他端側へ順次に切断しつつ中
空糸膜相互の間のポッティング材の浸透を観察すること
により、前記容器中のポッティング材液面からの上昇値
を測定する。その際、ポッティング材が浸透した中空糸
膜と中空糸膜の間隙のうち、顕微鏡で測定して最短距離
が100μm以内のものについてのみ抽出し、ポッティ
ング材液面からの最大上昇距離を毛管上昇値とする。
【0014】すなわち、本発明においては、少なくと
も、図4に示す第2の固定部(3A)が隣接して設けら
れる側の固定部(3C)を形成するに当り、毛管上昇値
が実質的に50mm以下となる様なポッティング材を選
択する必要がある。毛管上昇値は、固定部(3A)にお
けるピンホールの発生を防止するため、好ましくは30
mm以下、更に好ましくは10mm以下、特に好ましく
は5mm以下とされる。
【0015】上記の様な毛管上昇値を有する材料として
は、各中空糸膜(1)相互を固着し且つ各中空糸膜
(1)の端部を封止する機能を有すれば特に制限はない
が、例えば、シリコン系ゴム、エポキシ、ウレタン等の
樹脂接着材料の中、比較的高粘度の材料が挙げられる。
高粘度の接着材料とは、例えば、材料そのものが高粘度
のもの、プレキュアによって粘度が上昇したもの、シリ
カ等の充填剤によって粘度が上昇したものである。上記
の接着材料の中ではシリコン系ゴム、特に硬化型シリコ
ンが好ましい。シリコン系ゴムの具体例としては、信越
化学工業製の「KE1925T」(商品名)の様なLI
MS用液状シリコンゴム、「KE1842」(商品名)
の様なRTVシリコンゴム、「KE111」又は「14
05」(商品名)の様な型取り用シリコンゴム等を挙げ
ることが出来る。
【0016】固定部(3C)を形成する方法としては、
静置成形法、刷毛塗り法、遠心成形法などの従来公知の
適宜の方法を採用し得る。静置成形法は、例えば、ポッ
ティング材を流延した板上に中空糸束を置き、接着材料
が熱硬化型樹脂の場合には加熱して硬化させ、また、接
着材料が触媒添加型樹脂の場合には、放置して固化させ
る方法である。刷毛塗り法は、ポッティング材を刷毛な
どで塗布する方法であり、そして、遠心成形法は、例え
ば、中空糸束の置かれた成形金型を回転させることによ
り、遠心力によって中空糸束の端部又は端部近傍にポッ
ティング材を注入し、かつ、加熱等を行って固化または
硬化させる方法である。
【0017】第2の固定部(3A)は、図4に示す様
に、中空糸束(2)の一端側の固定部(3C)に対して
他端側方向に隣接する部位を更にポッティング材で固定
することにより形成する。固定部(3A)を形成するポ
ッティング材は、固定部(3C)を形成したポッティン
グ材と同様のものでもよいが、固定部(3A)における
ピンホールを少なくするため、中空糸膜(1)の間の間
隙全体に行き渡る必要がある。従って、固定部(3A)
を形成するためのポッティング材は、操作温度において
粘性の低いものが好適である。斯かるポッティング材と
しては、硬化性の注型材料であれば特に制限はないが、
具体的には、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹
脂等が挙げられる。この中、耐溶剤性を考慮すると、ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂が有効である。例えば、特願
平1−44035、特願昭63−118645には、耐
熱性、耐溶剤性に優れたエポキシ樹脂が開示されてい
る。なお、固定部(3A)を形成する方法としては、固
定部(3C)と同様に、上記の各種の方法を採用し得
る。
【0018】固定部(3A)の切断は、図5に破線で示
す様に、当該固定部の幅の範囲内で行われる。これによ
り、中空糸束(2)の一端側を最初に固定していた固定
部(3C)及び固定部(3A)の一部を除去し、かつ、
最終的に中空糸束(2)の一端側を固定する固定部(3
A)において、その切断面に各中空糸膜(1)を開口さ
せることが出来る。固定部(3A)は、各種の鋸、ウォ
ータージェットカッター、レーザーカッター等の切断装
置を使用して切断することが出来る。
【0019】一方、図3〜図5に示す様に、中空糸束
(2)の他端には、従来と同様に、固定部(3B)を形
成することによって当該他端を固定し、かつ、各中空糸
膜(1)の他端を埋設して封止する。固定部(3B)
は、例えば、固定部(3C)と同様のポッティング材を
使用して形成する。斯かる固定部(3B)は、固定部
(3C)と同一工程にて形成してもよいが、固定部(3
C)と別工程にて、すなわち、第2の固定部(3A)を
形成する工程、または、固定部(3C)、固定部(3
A)を形成する工程とは別の工程にて形成してもよい。
固定部(3B)の形成方法としては、固定部(3C)と
同様の方法を採用し得る。
【0020】更に、中空糸束(2)の他端側の封止端部
を構成する固定部(3B)の中心には、中空糸束(2)
の軸芯部分に形成された上記の空間部(7)に通じる開
口(3e)を設ける。開口(3e)は、当該モジュール
にて分離膜装置を構成した場合、空間部(7)に被処理
流体を導入するための管路などが挿通される孔として使
用される。開口(3e)は、固定部(3B)を形成した
後に機械加工によって作製するか、または、固定部(3
B)を形成する際に金型による型取りによって予め作製
する。
【0021】製造した中空糸膜モジュール(10)の固
定部(3A)におけるピンホールの有無については、例
えば、当該中空糸膜モジュールを用いて図6に示す様な
分離装置を実際に構成し、当該分離装置に供給した加圧
気体などによる漏洩検査によって確認することが出来
る。因に、中空糸膜モジュール(10)を使用した上記
の分離装置は、次の様な構造を備えている。
【0022】図6に示す分離膜装置は、中空糸膜モジュ
ール(10)を適当な構造のモジュール容器(4)に収
納して構成される。モジュール容器(4)は、例えば、
略有底円筒状に形成された容器本体(5)と蓋体(6)
とから構成され、かつ、底部に相当する容器本体(5)
の一端部の中心には、被処理流体の導入口としての管路
(5A)が挿通され、蓋体(6)の中心には、中空糸膜
モジュール(10)を通過した透過流体の排出口(6
B)が設けられ、そして、容器本体(5)の周面には、
中空糸膜モジュール(10)を通過しなかった非透過流
体の取り出し口(5C)が設けられる。
【0023】中空糸モジュール(10)は、各中空糸膜
(1)が封止された固定部(3B)を管路(5A)側へ
向けて容器本体(5)に収容され、固定部(3B)の開
口(3e)にOリングを介して管路(5A)が気密に挿
入される。また、収容された中空糸膜モジュール(1
0)において、端面に各中空糸膜(1)が開口する固定
部(3A)は、容器本体(5)の開口端部のフランジと
蓋体(6)のフランジとの間にOリング(5d)、(6
e)を介して気密に挟着されることにより、各中空糸膜
(1)が開口する側の固定部(3A)の端面は、容器本
体(5)から隔離されて蓋体(6)の内部空間に向けら
れる。
【0024】上記の分離装置において、管路(5A)を
通じて導入された被処理流体は、中空糸膜モジュール
(10)の空間部(7)に供給され、空間部(7)か
ら、すなわち、中空糸束(2)の内周面から外周面へ向
けて流れる。その際、中空糸膜(1)を透過した成分
は、中空糸膜(1)の内部を通って蓋体(6)側に流出
し、排出口(6B)から排出される。一方、中空糸膜
(1)を透過しなかった成分は、各中空糸膜(1)の間
隙を通過して容器本体の取り出し口(5C)から排出さ
れる。
【0025】また、本発明は、図7及び図8に示す様な
中空糸膜モジュール(10)にも同様に適用し得る。図
7は、中空糸膜モジュールの他の例を示す図であり、当
該モジュールの長手方向に沿って破断した模式的な断面
図である。図8は、図7の中空糸膜モジュールを用いた
分離膜装置の構造例を示す図であり、モジュールの長手
方向に沿って破断した模式的な断面図である。
【0026】図7に示す中空糸膜モジュール(10)
は、各中空糸膜(1)を密接に束ねることにより略円柱
状の中空糸束(2)を形成したものであり、図1の中空
糸膜モジュール(10)における空間部(7)及び固定
部(3B)の開口(3e)が設けられていない点を除
き、図1の中空糸膜モジュール(10)と同様の構造を
備えている。そして、図7に示す中空糸膜モジュール
(10)も、図1の中空糸膜モジュールと同様の製造方
法によって製造することが出来る。
【0027】また、上記中空糸膜モジュール(10)の
固定部(3A)のピンホールは、実際に使用される図8
に示す様な分離装置を構成し、上記と同様にして検査す
る。図8に示す分離装置は、略有底円筒状の容器本体
(5)と蓋体(6)とから構成されたモジュール容器
(4)に中空糸膜モジュール(10)を収納して構成さ
れる。容器本体(5)の一端側近傍の周面には、被処理
流体の導入口(5A)が設けられ、他端側近傍の周面に
は、中空糸膜モジュール(10)を通過しなかった非透
過流体の取り出し口(5C)が設けられる。そして、蓋
体(6)の中心には、中空糸膜モジュール(10)を通
過した透過流体の排出口(6B)が設けられる。
【0028】中空糸モジュール(10)は、各中空糸膜
(1)が封止された固定部(3B)を容器本体(5)の
底部である一端側へ向けて収容され、そして、各中空糸
膜(1)が開口する固定部(3A)が容器本体(5)の
開口端部のフランジと蓋体(6)のフランジとの間にO
リング(5d)、(6e)を介して気密に挟着される。
すなわち、各中空糸膜(1)が開口する側の固定部(3
A)の端面は、容器本体(5)から隔離されて蓋体
(6)の内部空間に向けられる。
【0029】図8の分離装置において、管路(5A)を
通じて導入された被処理流体は、中空糸膜モジュール
(10)の外周側空間に供給され、中空糸膜(1)を透
過した成分は、中空糸膜(1)の内部を通って蓋体
(6)側に流出し、排出口(6B)から排出される。そ
して、各中空糸膜(1)の間隙を通過しつつ容器本体の
軸線方向に流下する被処理流体のうち、中空糸膜(1)
を透過しなかった成分は、容器本体(5)の取り出し口
(5C)から排出される。
【0030】なお、本発明は、中空糸束の一端にて各中
空糸膜を開口させた上記の様な所謂両端ポッティング型
モジュールの他、中空糸束の両端にて各中空糸膜を開口
させた両端ポッティング型モジュール、中空糸束をU字
状に湾曲させ且つ各中空糸膜の両端を開口させた所謂ル
ープ型モジュール等、中空糸束の一端または両端の固定
部(第2の固定部)の端面において中空糸膜を開口させ
た各種の型式のモジュールについても同様に実施可能で
ある。
【0031】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例
および比較例においては、図7に示す構造のモジュール
を作製し、図8に示す構造の分離装置にて試験を行っ
た。
【0032】(実施例1)本実施例においては、外径が
1.6mm、内径が1mm、長さが30cmのポリイミ
ド系樹脂製の中空糸膜(1)を400本引き揃え、外径
が3.6cmの中空糸束(2)を作製した後、その一端
に第1の固定部として固定部(3C)を形成した。固定
部(3C)は、シリコンゴム(信越化学工業社製:商品
名「KE111」)6g(硬化剤0.06gを混合)を
金型に静置注型した後、中空糸束(2)を置き、室温で
16Hr放置して固化させることにより形成した。上記
シリコンゴムの毛管上昇値は1mmであった。
【0033】次に、上記の金型に固定部(3B)形成用
のエンド金型を組み込んで遠心成型機に装着し、固定部
(3B)を形成するために上記エンド金型側にエポキシ
(セメダイン社製)65g(主剤と硬化剤の混合物)、
第2の固定部(3A)を形成するために先の金型側に同
様のエポキシ16gをそれぞれ注型して硬化させた。そ
して、固定部(3A)の途中を切断して図7に示すモジ
ュール(10)を製造した。斯かる中空糸膜モジュール
(10)は10本製造し、それぞれに図8に示す分離膜
装置として構成した。そして、中空糸側(固定部(3
A)側)から1kg/cm2(ゲージ圧力) の圧縮空気
を供給して固定部(3A)の漏れを検査したところ、何
れの中空糸膜モジュール(10)も漏れは無く、100
%の歩留まりが得られた。
【0034】(実施例2)固定部(3C)を形成するポ
ッティング材として、シリコンゴム(信越化学社製:商
品名「KE1405」)を8g(硬化剤0.8gを混
合)使用し、その他の条件は実施例1と同様の条件にて
中空糸膜モジュール(10)を10本製造した。上記シ
リコンゴムの毛管上昇値は1mmであった。そして、実
施例1と同様にして固定部(3A)の漏れを検査したと
ころ、何れの中空糸膜モジュール(10)も漏れは無
く、100%の歩留まりが得られた。
【0035】(実施例3)固定部(3C)を形成するポ
ッティング材として、エポキシ樹脂組成物(大日本色材
社製:商品名「ハイレジンB−2070」)を8g使用
し、その他の条件は実施例1と同様の条件にて中空糸膜
モジュール(10)を10本製造した。上記のエポキシ
樹脂の毛管上昇値は9mmであった。そして、実施例1
と同様にして固定部(3A)の漏れを検査したところ、
1本だけに漏れが確認され、歩留まりは90%であっ
た。
【0036】(比較例1)固定部(3C)を形成するポ
ッティング材として、実施例1で固定部(3B)の形成
に使用したものと同様のエポキシ樹脂を8g使用し、そ
の他の条件は実施例1と同様の条件にて中空糸膜モジュ
ール(10)を10本製造した。上記のエポキシ樹脂の
毛管上昇値は70mmであった。そして、実施例1と同
様にして固定部(3A)の漏れを検査したところ、4本
に漏れが確認され、60%の歩留まりとなった。
【0037】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の中空糸膜モ
ジュールの製造方法によれば、第1の固定部を形成する
ポッティング材が第2の固定部形成位置の各中空糸膜の
間を閉塞させることがないため、第2の固定部を形成す
る際にそのポッティング材を各中空糸膜の間へ十分に浸
透させてピンホールの発生を確実に防止することが出
来、従って、モジュールの分離性能を一層向上させるこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】中空糸膜モジュールの一例を示す図であり、当
該モジュールの長手方向に沿って破断した模式的な断面
図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図であり、中空糸膜モ
ジュールの長手方向に対して垂直に破断した模式的な断
面図である。
【図3】中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式的な
断面図である。
【図4】中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式的な
断面図である。
【図5】中空糸膜モジュールの製造工程を示す模式的な
断面図である。
【図6】図1の中空糸膜モジュールを用いた分離膜装置
の構造例を示す図であり、モジュールの長手方向に沿っ
て破断した模式的な断面図である。
【図7】中空糸膜モジュールの他の例を示す図であり、
当該モジュールの長手方向に沿って破断した模式的な断
面図である。
【図8】図7の中空糸膜モジュールを用いた分離膜装置
の構造例を示す図であり、モジュールの長手方向に沿っ
て破断した模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 :中空糸膜 2 :中空糸束 3A:固定部(第2の固定部) 3B:固定部(第1の固定部) 3C:固定部(第1の固定部) 3e:開口 7 :空間部 10:中空糸モジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊岡 賢一 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の中空糸膜が引き揃えられてなる中
    空糸束の端部をポッティング材で固定して第1の固定部
    を形成する工程と、前記第1の固定部に対して反対側の
    端部方向に隣接する部位を更にポッティング材で固定し
    て第2の固定部を形成する工程と、前記第2の固定部に
    おいて切断することにより当該第2の固定部に隣接した
    前記第1の固定部を除去する切断工程とを含み、少なく
    とも前記第2の固定部の切断面にて各中空糸膜を開口さ
    せた中空糸膜モジュールの製造方法において、少なくと
    も除去される前記第1の固定部を形成するポッティング
    材として、毛管上昇値が50mm以下である接着材料を
    使用することを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012101179A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Mitsubishi Rayon Co Ltd 中空糸膜シートの製造方法、中空糸膜モジュールの製造方法
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CN113561385A (zh) * 2021-07-28 2021-10-29 河北金士顿科技有限责任公司 一种增湿器封装二次浇筑工艺及设备

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