JPH09104294A - 車両用掲出具並びに車両用掲出具の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車のボディに美しいカラーグラフィック
処理された広告及び広報ポスター等の印刷広告物を簡便
にして即座に掲出、撤去が行える車両用掲出具並びに車
両用掲出具の製造方法を提供する。 【構成】 予め定められた大きさに形成された可撓性の
額縁枠体に、広告物を保護する防汚性の優れたクリアシ
ートと、広告物を前記クリアシートとで支持し、且つ車
両に対し着脱自在に成す磁性体シートを、それぞれ適位
置に広告物が挿脱自在になる広告物挿脱口を形成して貼
着して成ることを特徴とする車両用掲出具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両（自動車、電車）
等の鋼板ボディの外側に広告及び広報ポスター等の印刷
広告物を簡便にして即座に掲出、撤去が行える車両用掲
出具並びに車両用掲出具の製造方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】電車内には、広く一般の人々の目に付く
種々の広告物が古くから掲出されているものの、自動車
に於いては電車内に見られる広告物の掲出は皆無であ
る。僅かに自社の社名ロゴマーク等がドアに塗装（印
刷）された商業車、またタクシーのリヤ部に設置されて
いる広告灯、リヤウインドーに貼られているステッカー
等が見られるだけである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これら商業車の社名ロ
ゴマーク等は広告とは言い難く、またタクシーにあって
は後続車両等の後方からしかその存在を認めることがで
きず、その広告物の掲出位置、サイズ共に広く一般の人
に有効な広告物として認められるには甚だ不十分であっ
た。更に、これら広告物は即座に掲出、撤去が行えるも
のではなかった。

【０００４】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなさ
れたもので、日常生活に於いて昼夜の区別が無く、特に
都市部に於いて一般の人々（消費者）が絶えず屋外で接
触する機会を最も多く持つ自動車を、新たに広告媒体の
ツールとして利用するために、自動車のボディに美しい
カラーグラフィック処理された広告及び広報ポスター等
の印刷広告物を簡便にして即座に掲出、撤去が行える車
両用掲出具並びに車両用掲出具の製造方法を提供するこ
とを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の車両用掲出具は、予め定められた大きさに
形成された可撓性の額縁枠体に、広告物を保護する防汚
性の優れたクリアシートと、広告物を前記クリアシート
とで支持し、且つ車両に対し着脱自在に成す可撓性の磁
性体シートを、それぞれ適位置に広告物が挿脱自在にな
る広告物挿脱口を形成して貼着して成るものであり、前
記広告物挿脱口に、該挿脱口を開口するための切欠部
と、該挿脱口を密着する封止機構を設け、前記額縁枠体
の外面に加飾を施し、さらに額縁枠体の広告物挿脱口に
盗難防止用のロックループが取り付けられる穴を設けた
ものである。

【０００６】また、上記課題を解決するための更に本発
明の車両用掲出具の製造方法は、合成ゴムまたは柔軟性
のある合成樹脂材の枠体を押出成形する枠体押出成形工
程と、この枠体の外面に加飾を施す加飾成形工程と、枠
体を予め定められた大きさの広告物に用いるのに適した
長さに形成する切断成形工程と、切断された枠体を額縁
形状に折り曲げ接着する折曲接着成形工程と、この折曲
接着成形工程後に枠体の両面を一体に接合する接合成形
工程と、広告物を保護するクリアシートと、広告物を前
記クリアシートとで支持し、且つ車両に対し着脱自在に
成す可撓性の磁性体シートを、それぞれ適位置に広告物
が着脱自在にな広告物挿脱口を形成して貼着する貼着形
成工程とから成るものである。

【０００７】また、前記折曲接着成形工程は、一体に成
形した可撓性のある屈曲可能な枠体の屈曲位置に於い
て、枠体の下縁よりほぼ上縁に達するまで９０°のＶ字
状の開口部を設け、枠体形成のための屈曲時にこの開口
部縁を互いに接面させて所要の折り曲げを成し、この接
面を接着剤をもって一体に接合して成るものである。

【０００８】また、前記枠体の外面に施す加飾がアルミ
箔ラミナー、または有色合成樹脂接着テープである。

【００９】

【作用】合成ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂材にて自
在に屈曲・湾曲する額縁枠体の底面に、天板として透明
の合成樹脂製の可撓性クリアシートを貼着する。更に底
板として非着磁面を内面にした磁性体シートであるゴム
磁石シートを、広告物挿脱口を形成する１辺を除いて貼
着する。尚、このクリアシートとゴム磁石シートとの空
間が広告物挿入間隙となる。

【００１０】広告物を本車両用掲出具に挿入する場合
は、指を広告物挿脱口を形成するゴム磁石シートの切欠
部に掛け開口する。すると磁力にて吸着していた合成ゴ
ムまたは柔軟性のある合成樹脂材の額縁枠体の広告物挿
脱口辺、及び可撓性のゴム磁石シートが分離し湾曲変形
して膨出した形状の挿脱口が形成される。次いで広告物
を手の平に添えて奥まで挿入したことを確認した後、手
を引き抜く。すると額縁枠体及びゴム磁石シートの材質
が持つ剛性復元力で、広告物挿脱口を塞ごうとする力が
作用する。更にこの広告物挿脱口辺部位にあっては、額
縁枠体のＵ溝にゴム磁石棒が、ゴム磁石シートには薄鉄
片から成る封止機構設けられているため、広告物挿脱口
が磁力にて密着する。よって広告物は、雨は無論のこと
風や雪等から完全に守られる。

【００１１】また、額縁枠体表面に意匠枠板であるアル
ミ箔ラミナーテープまたは有色合成樹脂接着テープ、薄
鉄板を付設けることで、外観デザインと更に色彩面での
向上を増し、一層の高級感を醸し出すことが出来る。

【００１２】本車両用掲出具を掲出する時は、該掲出具
を車体の任意のボディ鋼板位置に軽く押し当てるだけ
で、掲出具全体が車体の曲面に馴染み自在に屈曲・湾曲
する。そしてゴム磁石シートの磁力にて完全に密着した
状態で吸着するので即座に掲出が行える。これは総て本
製品が可撓性のある屈曲可能な材質にて構成されている
故である。仮に硬質の部材が一点でもあると屈曲可能に
ならず、湾曲した車両のボディには掲出が行えないもの
である。また本車両用掲出具の一端部を挟持しめくれ
ば、簡便に且つ即座に取り外すことが出来る。

【００１３】また、額縁枠体の広告物挿脱口辺近くに貫
設したロックループ通穴にロックループを通し、次いで
自動車のサイドミラーに取り付け、鍵を掛ければ本車両
用掲出具の盗難防止となるものである。

【００１４】上記製造方法によれば、押出し成形機に合
成ゴム系または柔軟性の合成樹脂材レンジを注入し、加
熱加圧して金型ノズルから異型押出し成形品としての枠
体を成形製造する。

【００１５】この成形製造に連続して、額縁枠体の外面
全体または一部の適位置にアルミ箔のラミナーシートを
加飾するか、組立後、有色合成樹脂接着テープを貼付し
加飾する。

【００１６】次ぎに前記、一体形成された枠体を予め定
められた大きさの広告物に用いるのに適した長さに切断
し、その後、広告物挿脱口辺部位の裏面に形成されてい
るＵ溝に、ゴム磁石棒を埋設し固着する。

【００１７】切断された枠体を額縁形状に折り曲げるた
め、４箇所の屈曲位置に枠体の下縁よりほぼ上縁に達す
るまで９０°のＶ字状の開口部を設ける。

【００１８】枠体の開口部縁を互いに接面するまで内側
に折り曲げて接着し所要の額縁形状にする。その後、４
箇所の接面を瞬間接客着剤で整形する。この時、開口が
枠体のほぼ上縁まで達しているので各コーナーはアール
形状となる。次いで切断した両面を接着する。

【００１９】広告物を保護する軟質の透明の合成樹脂製
のクリアシートと、広告物を前記クリアシートとで支持
し、且つ車両に対し着脱自在に成す可撓性の磁性体シー
トそれぞれを所要の形状サイズにビク抜き加工する。

【００２０】広告物挿脱口を成す額縁枠体の一辺よりや
や長い底面Ｕ溝に、該一辺長さ相当のゴム磁石棒を埋設
し、該ゴム磁石棒に対向して薄鉄片をゴム磁石シートに
それぞれ接着する。その後、前記クリアシートを額縁枠
体の底面の適位置に貼着する。そしてゴム磁石シートを
前記広告物挿脱口の１辺を除いて額縁枠体の底面の適位
置に貼着する。その後に本車両用掲出具をプレス圧着し
て整える。

【００２１】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基ずき詳
述する。図１は本発明の車両用掲出具で、可撓性のある
屈曲可能な額縁を成す額縁枠体１と、額縁枠体表面の加
飾を成す可撓性の意匠枠テープ２と、底板を成す可撓性
のゴム磁石シート３と、公告物を保護すると同時に外部
に見せるための透明の可撓性の合成樹脂製クリアシート
４とから構成される。

【００２２】図２は、前記額縁枠体を成す枠体を示す斜
視図である。同図に於いて、１００は合成ゴムまたは柔
軟性のある合成樹脂材を押出成形した枠体である。

【００２３】前記、意匠枠テープ２はその一実施例とし
てアルミ箔ラミナーテープ２０であって、枠体１００の
成形製造後、直ちに該枠体１００に固着するものであ
る。該アルミ箔ラミナーテープ２０は、図３に示すよう
に、ポリエステルフィルム２０ａ、その下にアルミ箔２
０ｂ、更に塩化ビニールフィルム２０ｃとから構成され
ているので、その表面を有色可能にすると共に可撓性を
有するものである。このアルミ箔ラミナーテープ２０を
枠体１００の表面等の外面に接着固定することで額縁枠
体１の外面を加飾し意匠性を高めるものである。尚、ア
ルミ箔ラミナーテープ２０の替わりに有色合成樹脂接着
テープでも差し支えない。

【００２４】１０は角切欠部で、図４に示すように、枠
体１００の下縁１００ａよりほぼ上縁１００ｂに達する
まで、９０°のＶ字状の開口部１０ａを形成している。

【００２５】これにより図５に示すように、枠体１００
の開口部縁１０ｂ、１０ｂが互いに接面するまで内側に
折曲げて接着し、所要の額縁枠体１の縦辺、横辺を形成
する。この時、４箇所の外辺コーナーはアール形状とな
ってデザイン的にも優れたものになる。この角切欠部１
０は、図６に示すように、予め把握しておいた各種公告
物のサイズ（縦・横）に適合する箇所に形成するもので
ある。

【００２６】１１ａ、１１ｂは、枠体１００を予め把握
しておいた各種広告物のサイズに切断した切断面であ
り、図６に示すように、この切断した両面を接着して額
縁枠体１を形成する。１２ａ、１２ｂの２辺は横辺部で
あり、１３ａ、１３ｂの２辺は縦辺部でありそれぞれ対
に等寸法である。

【００２７】１４は車両に取り付けた際の風の抵抗を排
除するための傾斜面である。自動車の速度が増す毎に風
速が増大する。この時、該傾斜面に加わる風圧ベクトル
Ｆは、図７に示すように、垂直ベクトルＦ１と平行ベク
トルＦ２に分解される。この垂直ベクトルＦ１が車体の
ボディに加圧される圧力となって作用する。これにより
本来持っている後述するゴム磁石シート３の磁力に加え
て風圧加圧が働き、本車両用掲出具の飛散や脱落を防ぐ
役割を果たすものである。

【００２８】額縁枠体１の裏面は、図８の額縁枠体の断
面図、図９の額縁枠体の裏面斜視図に示すように、ゴム
磁石シート３が貼着できるようにその厚み分、掘り下げ
てＬ型の底板落込段１５が、更に中央長手方向にＵ溝１
６が成型されている。

【００２９】更に、底板落込段１５の１辺の広告物挿脱
口１５ａには、額縁枠体１の押出成形時に形成されるＵ
溝１６に、ゴム磁石棒１６ａを図８に示すように裏面が
フラット状態になるように埋設し固着する。

【００３０】更に前記、底板落込段１５より一段掘り下
げて、後述するクリアシート４を貼着するクリアシート
落込段１７がＬ型に成型されている。尚、前記底板落込
段１５と、クリアシート落込段１７の間の空間が広告物
挿入間隙１８である。

【００３１】尚、額縁枠体１の広告物挿脱口１５ａ辺部
位に貫設した穴は、ロックループＡを通し、次いで該ロ
ックループＡを自動車のサイドミラーに取り付け、鍵を
掛けて本車両用掲出具の盗難防止を成すロックループ通
穴１ａである。

【００３２】次に上記額縁枠体１の底板を成し、所要サ
イズにビク抜きした可撓性の磁性体シートであるゴム磁
石シート３の非着磁面を内面にして、広告物挿脱口１５
ａを形成する１辺を除いて底板落込段１５に貼着する。

【００３３】更にゴム磁石シート３には、図１０に示す
ように、前記ゴム磁石棒１６ａと対向する位置に薄鉄片
３０が設けられている。これにより、該ゴム磁石棒１６
ａと薄鉄片３０が磁力にて吸着する封止機構を成すもの
である。よって通常の状態では、広告物挿脱口１５ａが
閉塞状態と成る。

【００３４】また、この部位のゴム磁石シート３の端部
中央には、切削またはプレス加工により切欠部３１を形
成する。この切欠部３１は、広告及び広報ポスターを挿
入する時の指掛部で、広告物挿脱口１５ａを大きく開口
するものである。

【００３５】４は、所要サイズにビク抜きした可撓性の
透明の合成樹脂製クリアシートである。撥水性、撥油
性、防汚性、耐久性に優れ広告物を保護する。

【００３６】以上のように成した、本車両用掲出具をプ
レス圧着して整え完成するものである。尚、図１１は車
両用掲出具の裏面斜視図、図１２は広告物の挿入状態を
示す車両用掲出具。また図１３は本発明の車両用掲出具
を自動車に掲出した斜視図である。

【００３７】以上説明した、本発明の車両用掲出具の形
状は、図に示したように矩形を始めとし正方形、円形、
半円形、八角形、ひし形等と形状・サイズ共にユーザー
要望に応じられるものである。

【００３８】尚、上記した円形、半円形製品にあって
は、その円形部分に図１４、図１５に示すようなＶ溝の
切欠１００ｃを枠体１００裏面に設けて再加熱し整形す
る。

【００３９】また上記説明した、枠体１００を額縁形状
に成す角切欠部１０の、第２の実施例を図１６に示す。
角切欠部５０は略Ｔ字型で、枠体１００の下縁１００ａ
よりほぼ中央に枠体１００と平行に設けた平溝５１と、
この平溝５１の中央より枠体１００の下縁１００ａまで
外方向に大きく開口した９０°のＶ字状の開口部５２と
から構成されていて、前記、平溝５１は開口部縁５３
ａ、５３ｂが互いに接面するまで屈曲する際の内部の歪
み取りを行うものである。これにより角切欠部１０と同
様、各コーナーは奇麗なアール形状となる。

【００４０】また、上記説明した意匠枠体２はアルミ箔
ラミナーテープ２０の他に、ビク抜きまたはプレス抜き
加工した、有色の可撓性のある合成樹脂板や薄金属板な
どでも良い。

【００４１】以上、押出成形による額縁枠体１の車両用
掲出具について説明してきたが、射出成形に於いても本
発明の範囲に含まれるものであって、更にこの点につい
て説明する。

【００４２】射出成形に於いては、枠体押出成形工程に
よって成形された枠体１００を、予め定められた大きさ
の広告物に用いるのに適した長さに形成する接断成形工
程と、この接断された枠体１００を額縁形状に折り曲
げ、且つ切断面を接着する折曲接着成形工程が不要であ
る。

【００４３】更に詳述すると、額縁枠体１の広告物挿脱
口１５ａにゴム磁石棒１６ａの埋設、次に該ゴム磁石棒
１６ａと対向する位置に薄鉄片３０を貼着した後にプレ
ス抜きによる切欠部３１を形成したゴム磁石シート３
と、同様にビク抜きまたはプレス抜き加工されたクリア
シート４を、額縁枠体１の裏面からクリアシート落込段
１７にクリアシート４を、ついで広告物挿脱口１５ａの
一辺を除いて、底板落込段１５にゴム磁石シート３の順
に接着貼着して完成されるものである。

【００４４】次に、上記説明した車両用掲出具並びに車
両用掲出具の製造方法の、第２の実施例を図１７から図
２１を基に説明する。枠体２００をゴム磁石材で異形押
出し成形する。そして一体形成された枠体２００を予め
定められた大きさの広告物に用いるのに適した長さに切
断した後、額縁枠体６０に成す工程は上記説明と同様で
ある。

【００４５】更に、額縁枠体６０の内側には、後述す
る、底板６２とクリアシート６３を挟み込む挟持溝６０
ａが、表面には意匠枠板２であるところの合成樹脂板ま
たは薄金属板２２を取り付ける意匠枠体取付溝６０ｂが
形成されている。６０ｃは本車両用掲出具である、額縁
枠体６０と、底板６２と、クリアシート６３を共締めす
る共締め穴である。６０ｄは共締めに使用するボルト、
ネジ等の頭の逃げ溝である。

【００４６】前記、広告物挿脱口６１は、額縁枠体６０
の１辺を水平に二割して成したものである。これが上
記、封止機構のゴム磁石棒１６ａと薄鉄片３０の役割を
果たすものである。

【００４７】次に、底板６２の裏側には補強ゴム磁石片
６２ａが適宜位置に接着されている。尚、該ゴム磁石片
６２ａは、額縁枠体６０と同一高さである。またこの場
合、底板６２は可撓性の有る合成樹脂シートまたは薄鉄
板で良い。

【００４８】また底板６２とクリアシート６３の裏側に
広告物挿脱口６１の１辺を除いて、一実施例としてのス
ポンジ６４を両面テープで接着する。このスポンジ６４
内の空間が広告物挿入間隙６５と成る。

【００４９】以上のように構成した、第２の車両用掲出
具は、所定の形状に一体形成された枠体２００を額縁枠
体６０に成した後、広告物挿脱口６１を形成する。

【００５０】次いで、広告物挿入間隙６５を形成した底
板６２とクリアシート６３を、額縁枠体６０の挟持溝６
０ａに勘合する。また前記、広告物挿脱口６１の両端部
及び底辺部を接着する。

【００５１】この後、額縁枠体６０、底板６２、クリア
シート６３の四隅を共締めにする。尚、共締め穴６０ｃ
及び逃げ溝６１ｅは、予め所定の位置にそれぞれ明けて
おいても良いし、また組立後、明けても良い。

【００５２】最後に、合成樹脂板または薄金属板２２の
意匠枠板２を意匠枠体取付溝６０ｂに▲かん▼合接着し
た後、前記、額縁枠体６０の底面の逃げ溝６０ｄを目張
りテープで貼り、デザイン的向上を図る。

【００５３】このように成したことにより、自動車のボ
ディに磁気吸着する、高額なゴム磁石シート３を不要な
ものとする。よって大型サイズの場合の同車両用掲出具
を低コストに製造することが可能となり、大型物でも容
易にして安価に提供できるものである。

【００５４】以上、本発明の掲出具は車両用と言うこと
で説明してきたが、各種屋内外の壁、ショーウインド等
にも掲出が可能なものである。この場合、図２２、図２
３に示すように、底板となるゴム磁石シート３に変わっ
て柔軟性のある合成樹脂シート７０に置き換える。

【００５５】先ず、木製パネルまたはクロス壁に掲出す
るときの合成樹脂シート７０には、適宜箇所に木ネジ等
と係止する係止穴７１を設ける。次に、ショーウインド
に掲出する場合の合成樹脂シート７０には、その四隅に
吸着盤７２を圧入して設ける。これらにより、本発明の
掲出具は車両用以外にも適用されるものである。

【００５６】更に本発明の車両用掲出具をそのままスチ
ールのキャビネットや壁、またはボード、非鉄板部位の
布壁のコンクリート壁に掲出する場合は、図２４に示す
ように、額縁枠体の一辺の近似長さを有するスチールア
タッチメント８０をアダプターとして使用することで掲
出可能にするものである。このスチールアタッチメント
８０の構造は至ってシンプルなものであって、適宜幅の
鉄板８１にタック材８２を有する両面テープを貼着して
成るものであり、掲出場所にこのスチールアタッチメン
ト８０を２〜３個平行に配置し、タック材を剥して壁に
固定貼着することで、本発明の掲出具をそのままの状態
でいつでも即座に掲出及び撤去が行えるものである。

【００５７】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用掲
出具は、額縁枠体を成す底板のゴム磁石シートの磁気吸
着作用の利用により、商業車や乗用車の車体の任意のボ
ディ（フロント及び両サイドのドア部）に軽く押し当て
るだけで、ワンタッチで即座に車両のボディ曲面形状に
柔軟自在に湾曲して磁気吸着する。これは本製品が可撓
性のある屈曲可能な材質にて構成されているためであ
る。仮に硬質の部材が一点でもあると屈曲可能になら
ず、湾曲した車両のボディには掲出が行えないものであ
る。撤去する場合は本製品の端部を持ってめくるように
取り外せば即座に撤去が行えるので、不要時には車内等
に保管ができる。

【００５８】ゴム磁石シートの磁気吸着作用の利用によ
り車体への一切の取付工事を必要とせず、且つ車体に損
傷を与えることも無いことから全ての車両に当該製品が
使用できる。更に本車両掲出具は、その厚みが極薄型
で、且つフラットで一切の突起が無いため人に危害を与
える心配もない。また落下しても柔軟構造であるため破
損することがない。更には高速運転時にあっても脱落す
る恐れがない。

【００５９】広告物を本車両用掲出具に挿入する場合
は、指を広告物挿脱口に掛け開口する。すると磁力にて
吸着していた合成ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂材の
額縁枠体の広告物挿脱口辺、及び可撓性のゴム磁石シー
トが分離し湾曲変形して膨出した形状の挿脱口が形成さ
れるので、即座に片手で広告物をスライド挿入すること
ができる。

【００６０】広告物を本車両用掲出具に挿入したことを
確認した後、手を引き抜くと、額縁枠体及びゴム磁石シ
ートの材質が持つ剛性復元力で、広告物挿脱口を塞ごう
とする力が作用する。と同時にこの部位には、額縁枠体
にはゴム磁石棒が、ゴム磁石シートには薄鉄片から成る
封止機構設けられているため、広告物挿脱口が磁力にて
密着し封口する。

【００６１】挿入された広告物は、完全に外気と遮断密
閉されるので雨は無諭のこと、ホコリや風砂の危害や風
や雪等の自然天候から完全に守られると、同時に耐候
性、耐久性に富んだ部材にて構成されている故、長期の
屋外の掲出にも充分に耐えられる。以上、述べたように
本発明の車両用掲出具は極めて取り扱い性に優れてい
る。

【００６２】また、本発明の車両用掲出具の製造方法に
あっては、押出成形による枠体を切断して、任意の大き
さの広告物の額縁枠体を成す故、多様な寸法規格の製品
化に対応できる。更に前記、枠体は広告物サイズによっ
て自由にその長さを切断するものであるから、各種多数
の高額な成型金型を用意する必要が無いので安価な製品
を提供できる。

【００６３】また、外観デザイン形状も矩形を初めとし
正方形、円形等と、多様な形状・サイズ共に容易に低コ
ストで応じられる。また、額縁枠体、意匠枠体共にユー
ザーが希望する任意の色彩にすることができる。更に、
額縁枠体表面に意匠枠体を設けて加飾したので高級感の
ある製品を提供するものである。

【００６４】また、本発明の車両用掲出具は、枠体を成
形する枠体押出成形工程と、該枠体の外面に加飾を施す
加飾成形工程と、枠体を切断する切断成形工程と、切断
された枠体を額縁形状にする折曲接着成形工程と、枠体
の両切断面を接合する接合成形工程と、クリアシートと
ゴム磁石シートを貼着する貼着成形工程と、最小工程に
より、且つ短時間で容易に製品化が行える。

【００６５】よって、自動車を初めとする電車等の車両
を新たな広告媒体のツールとして利用することが可能と
なったことは、屋外広告の新広告手法「走る広告」とし
て、大きな新たな需要を創造し、その産業に携わる多く
の人々に与える影響は大きい。

【００６６】また有力な地域限定広告媒体として、広く
中小企業や商店主らに安価で小廻りの利く広告手段とし
て活用され、産業や商業の活性化にも大きく貢献するも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車両用掲出具の斜視図

【図２】本発明の額縁枠体を成す枠体を示す斜視図

【図３】本発明のアルミ箔ラミナーシートの組成図

【図４】本発明の角切欠部図

【図５】発明の額縁枠体を成す枠体を折り曲げた時の角
切欠部を示す斜視図

【図６】本発明の額縁枠体を成す枠体の断面図

【図７】本発明の額縁枠体が受ける風速の風圧を示す説
明図

【図８】本発明の額縁枠体の断面図

【図９】本発明の額縁枠体の裏面斜視図

【図１０】本発明のゴム磁石シート及び薄鉄片を示す斜
視図

【図１１】本発明の車両用掲出具の裏面斜視図

【図１２】本発明の車両用掲出具の広告物挿入状態を示
す斜視図

【図１３】本発明の車両用掲出具を自動車に掲出した斜
視図

【図１４】本発明の円形車両用掲出具の説明図

【図１５】本発明の円形車両用掲出具の説明図

【図１６】本発明の第２の角切欠部図

【図１７】本発明の車両用掲出具の額縁枠体の断面図

【図１８】本発明の車両用掲出具の底板とクリアシート
を示す斜視図

【図１９】本発明の車両用掲出具の底板裏面斜視図

【図２０】本発明の車両用掲出具の裏面斜視図

【図２１】本発明の車両用掲出具の共締め状態を示す断
面図

【図２２】本発明の車両用掲出具の他の掲出方法を示す
実施例図

【図２３】本発明の車両用掲出具の他の掲出方法を示す
実施例図

【図２４】本発明の車両用掲出具を掲出するスチールア
タッチメントの斜視図

【符号の説明】

１ 額縁枠体 ２ 意匠枠体 ３ ゴム磁石シート ４ クリアシート １０ 角切欠部 １５ 底板落込段 １６ Ｕ溝 １６ａ ゴム磁石棒 １７ クリアシート落込段 １８ 広告物挿入間隙 ３０ 薄鉄片 ３１ 切欠部 ６０ 額縁枠体 ７０ 合成樹脂シート １００ 枠体 ２００ 枠体

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め定められた大きさに形成された可撓
   性の額縁枠体に、広告物を保護する防汚性の優れたクリ
   アシートと、広告物を前記クリアシートとで支持し、且
   つ車両に対し着脱自在に成す磁性体シートを、それぞれ
   適位置に広告物が挿脱自在になる広告物挿脱口を形成し
   て貼着して成ることを特徴とする車両用掲出具。
2. 【請求項２】 前記磁性体シートの広告物挿脱口側の端
   部中央に切欠部を設けた請求項１に記載の車両用掲出
   具。
3. 【請求項３】 前記広告物挿脱口に、該挿脱口を密着す
   る封止機構を設けた請求項１に記載の車両用掲出具。
4. 【請求項４】 前記額縁枠体の外面に加飾を施した請求
   項１に記載の車両用掲出具。
5. 【請求項５】 前記額縁枠体の広告物挿脱口に、盗難防
   止用のロックループが取り付けられる穴を設けた請求項
   １に記載の車両用掲出具。
6. 【請求項６】 合成ゴムまたは柔軟性のある合成樹脂材
   の枠体を押出成形する枠体押出成形工程と、この枠体の
   外面に加飾を施す加飾成形工程と、枠体を予め定められ
   た大きさの広告物に用いるのに適した長さに形成する切
   断成形工程と、切断された枠体を額縁形状に折り曲げ、
   且つ切断面を接着する折曲接着成形工程と、この折曲接
   着成形工程後に枠体の両切断面を一体に接合する接合成
   形工程と、広告物を保護するクリアシートと、広告物を
   前記クリアシートとで支持し、且つ車両に対し着脱自在
   に成す可撓性の磁性体シートを、それそれ適位置に広告
   物が着脱自在にな広告物挿脱口を形成して貼着する貼着
   形成工程とから成ることを特徴とする車両用掲出具の製
   造方法。
7. 【請求項７】 前記折曲接着成形工程は、一体に成形し
   た可撓性のある屈曲可能な枠体の屈曲位置に於いて、枠
   体の下縁よりほぼ上縁に達するまで９０°のＶ字状の開
   口部を設け、枠体屈曲時この開口部縁を互いに接面させ
   て所要の折り曲げを成し、この接面を接着剤をもって一
   体に接合して成ることを特徴とする請求項６記載の車両
   用掲出具の製造方法。
8. 【請求項８】 前記枠体の外面に施す加飾がアルミ箔ラ
   ミナー、または有色合成樹脂接着テープであることを特
   徴とする請求項４又は６記載の車両用掲出具並びに車両
   用掲出具の製造方法。