JPH08936A - オイルミスト分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイルミスト分離装置を小型化し、濾体のオ
イル粒子捕集性能の調整を簡易化する。 【構成】 モ−タ１０の出力軸１０ａに結合されてケ−
シング１１内に装入されたファン２０の周胴面２０ｅに
は規則的で微細な網目を有する網帯２２をファン２０の
回りに複数回巻き重ねて形成され、オイルミスト中のオ
イル粒子を捕集する網目群を有する濾体２１を結合す
る。濾体２１に衝突したオイルミストは濾体２１の網目
に捕集されたオイル粒子と、濾体２１の網目を通り抜け
たクリ−ンエアとに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はオイル粒子が霧状とな
ってエア中に分散したオイルミストを濾過してクリ−ン
エアとオイルとに分離させるときに適用されるオイルミ
スト分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のオイルミスト分離装置で
は例えば不織布フィルタや吸着マット等の複数個の濾体
を併用してオイルミストをクリ−ンエアとオイルとに分
離させていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のオイルミスト分
離装置では複数個の濾体が占めるスペ−スのために装置
が大型化して動力費が高くなる問題点や、濾体の捕集性
能を変更しにくい問題点や、濾体に捕集されたオイル粒
子が濾体から離脱しにくく、目詰りし易い等の問題点が
ある。本発明は上記問題点を解消して装置全体を小型化
しかつ濾体のオイル捕集性能の調整を簡易化することを
課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のオイルミスト分
離装置は、オイルミストから分離したオイルを受入れる
タンクと、このタンクに固定されたモ−タと、このモ−
タの本体部に結合され、オイルミストが送り込まれるケ
−シングと、前記モ−タの出力軸に結合されて前記ケ−
シング内に装入され、オイルミストを吸込んで遠心方向
へ吹き飛ばすファンと、規則的で微細な網目を有する網
帯を前記ファンの回りに複数回巻き重ねて形成され、前
記ファンの周胴面に結合された円筒状の濾体とを備えた
構成を有する。

【０００５】

【作用】モ−タによって回転駆動されるファンが回転す
ると、オイルミストがケ−シング内へ吸込まれて遠心方
向へ吹き飛ばされ、吹き飛ばされたオイルミストが網帯
をファンの回りに複数回巻き重ねて形成された円筒状の
濾体に衝突する。オイルミストが濾体に衝突すると、オ
イルミスト中のオイル粒子が濾体の網目群に捕集されて
クリ−ンエアが濾体の網目群を通り抜け、オイルミスト
がオイルとクリ−ンエアとに分離する。

【０００６】

【発明の効果】本発明によれば、網帯をファンの回りに
巻き重ねる巻き回数を変更することによって濾体の網目
の大きさを捕集するオイル粒子の粒度に合わせて任意に
選定することができ、濾体のオイル捕集性能の調整およ
び設定を簡易化して濾体のオイル捕集特性を安定化させ
ることができる。

【０００７】また、ファンに結合された単一の濾体によ
ってオイルミストの分離処理を遂行することができるの
で、オイルミスト分離装置全体を小型化して狭いスペ−
ス内に設置することができ、また、動力費を節減するこ
とができる。

【０００８】また、オイルミストが発生する工作機械に
タンクを結合するだけで、オイルミスト分離装置をその
工作機械に装備させることができる。

【０００９】さらに、濾体が網帯によって形成され、オ
イル粒子が網帯の網目に捕集されるので、濾体に付着し
たオイル粒子を濾体から容易に離脱させて目詰りを低減
させることができるとともに、濾体を洗浄処理によって
容易に清浄化することができる。

【００１０】

【実施例】次に、本発明の１実施例を図面にしたがって
説明する。工作機械で発生するオイルミストをクリ−ン
エアとオイル粒子との気液に分離させるオイルミスト分
離装置Ｍはこのオイルミスト分離装置Ｍを工場内の各工
作機械にそれぞれ取付けた状態で使用される。

【００１１】オイルミスト分離装置Ｍにおいて、オイル
ミストから分離したオイルおよびクリ−ンエアを受入れ
る箱形状のタンク１内には前下り状に傾斜した下仕切り
板２と、この下仕切り板２の後端縁上に垂立された上仕
切り板３とが設置されている。

【００１２】タンク１内にはオイルおよびクリ−ンエア
が流入する気液室１ａと、エアが通り抜ける排気室１ｂ
とが両仕切り板２，３によって仕切られた状態で形成さ
れ、気液室１ａと排気室１ｂとは両仕切り板２，３の接
続部に開設された連通口４によって連通されている。

【００１３】タンク１の気液室１ａ内に流入したオイル
は下仕切り板２を伝って前方へ流下し、タンク１の前壁
板の下端に接続された排出コック５を通じてタンク１外
へ流出し、回収ダクトを通じて回収される。

【００１４】タンク１の上端には水平状に設置されてタ
ンク１内をカバ−する蓋板７が形成され、この蓋板７の
前部にはクリ−ンエアおよびオイルが通り抜ける開口部
７ａが開設され、蓋板７の後部には排気管路９に接続さ
れた排気ダクト８が形成されている。

【００１５】タンク１の気液室１ａ内に流入したクリ−
ンエアは連通口４を通って排気室１ｂ内に流入し、排気
ダクト８を通って排気管路９内に排出される。

【００１６】蓋板７の上面には軸心が水平な出力軸１０
ａを有するモ−タ１０が固定されている。

【００１７】モ−タ１０の本体部１０ｂにはタンク１上
に設置されてオイルミストが送り込まれる中空状のケ−
シング１１が結合されている。

【００１８】ケ−シング１１にはモ−タ１０の本体部１
０ｂの前面に垂立状態で結合された後壁板１２と、この
後壁板１２の前面に結合されて周壁板１３ａと前壁板１
３ｂとを有するファン装入部１３と、このファン装入部
１３の前壁板１３ｂの中心部に結合され、オイルミスト
を工作機械から給送する給送管路１７に接続された吸込
みダクト１４とが形成されている。

【００１９】ケ−シング１１のファン装入部１３にはク
リ−ンエアおよびオイルを吐出する吐出口１８がタンク
１に対向して開口されている。

【００２０】ケ−シング１１のファン装入部１３内には
モ−タ１０の出力軸１０ａに固定されてモ−タ１０によ
って回転駆動され、回転動作によってオイルミストを吸
込んで吸込んだオイルミストを遠心方向へ吹き飛ばすフ
ァン（シロッコファン）２０が装入されている。

【００２１】ファン２０には円盤状の回転板２０ａと、
この回転板２０ａの中心部に連接されてモ−タ１０の出
力軸１０ａに結合されたボス部２０ｂと、回転板２０ａ
の外径と等しい外径を有し、回転板２０ａの前方に間隔
を隔てて同心状に設置された回転リング２０ｃと、前後
端部がそれぞれ回転リング２０ｃと回転板２０ａの外周
縁とに固着されて回転リング２０ｃと回転板２０ａの外
周縁との間に並行状に橋架され、モ−タ１０の出力軸１
０ａの回りに等間隔で配列された多数個の羽根２０ｄと
が形成されている。

【００２２】回転板２０ａの外周縁と回転リング２０ｃ
の外周面との間に形成されたファン２０の周胴面２０ｅ
にはステンレス細線等をたて糸，よこ糸として織製され
た網地によって形成されて規則的で微細な網目を有する
１枚の網帯２２をファン２０の回りに複数回巻き重ねて
円筒状に形成された濾体２１が結合されている。

【００２３】網帯２２はファン２０の回転板２０ａと回
転リング２０ｃとの間隔とほぼ等しい幅を有する帯状に
形成され、網帯２２の巻き始め端の位置と、巻き終わり
端の位置とは整合されている。

【００２４】網帯２２としてはステンレス細線若しくは
合成樹脂フィラメントによって作成された３００〜４０
０メッシュのステンレス網地若しくは合成樹脂網地が適
用され、網帯２２をファン２０の回りに巻回する巻き回
数は瀘体２１が捕集するオイル粒子の粒度に合わせて選
定する。

【００２５】濾体２１には網帯２２の網目が網帯２２の
巻き回数分重なった形態の網目群が形成され、濾体２１
の網目の大きさは網帯２２の巻き回数が多くなって網帯
２２の網目の重なり数が多くなるに伴って反比例的に縮
小する。

【００２６】ケ−シング１１の吸込みダクト１４を通じ
てケ−シング１１内へ流入したオイルミストはファン２
０の回転動作によって遠心方向へ吹き飛ばされ、濾体２
１に衝突して濾体２１によって濾過される。オイルミス
トが濾体２１に衝突すると、オイルミストは濾体２１の
網目群に捕集されたオイル粒子と、濾体２１の網目群を
通り抜けたクリ−ンエアとに分離し、分離したオイル粒
子は滴状となって遠心力によって振り飛ばされてケ−シ
ング１１のファン装入部１３の内壁面に衝突し、この内
壁面を伝って吐出口１８へ流動して吐出口１８からタン
ク１内に流入する。

【００２７】続いて、上記した構成を有する実施例の作
用と効果を説明する。本例では、オイルミストから分離
したオイルを受入れるタンク１に固定されたモ−タ１０
の出力軸１０ａにはこのモ−タ１０の本体部１０ｂに結
合さてオイルミストが送り込まれるケ−シング１１内に
装入され、オイルミストを吸込んで遠心方向へ吹き飛ば
すファン２０を結合してこのファン２０の周胴面２０ｅ
には規則的で微細な網目を有する網帯２２をファン２０
の回りに複数回巻き重ねて形成さた円筒状の濾体２１を
結合してある。

【００２８】このため、網帯２２をファン２０の回りに
巻き重ねる巻き回数を変更することによって濾体２１の
網目の大きさを捕集するオイル粒子の粒度に合わせて任
意に選定することができ、濾体２１のオイル捕集性能の
調整および設定を簡易化して濾体２１のオイル捕集特性
を安定化させることができる。

【００２９】また、ファン２０に結合された単一の濾体
２１によってオイルミストの分離処理を完遂することが
できるので、オイルミスト分離装置全体を小型化して狭
いスペ−ス内に設置することができ、また、動力費を節
減することができる。

【００３０】また、オイルミストが発生する工作機械に
タンク１を結合するだけで、オイルミスト分離装置Ｍを
その工作機械に装備させることができる。

【００３１】さらに、濾体２１が網帯２２によって形成
されてオイル粒子が網目に捕集されるので、濾体２１に
付着したオイル粒子を濾体２１から容易に離脱させるこ
とができるとともに、濾体２１を洗浄処理によって容易
に清浄化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すオイルミスト分離装置の
側面図である。

【図２】図１のＸ１−Ｘ１線拡大断面図である。

【図３】図２のＸ２−Ｘ２線断面図である。

【符号の説明】

１ タンク １０ モ−タ １１ ケ−シング ２０ ファン ２１ 濾体 ２２ 網帯 Ｍ オイルミスト分離装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルミストから分離したオイルを受入
   れるタンクと、このタンクに固定されたモ−タと、この
   モ−タの本体部に結合され、オイルミストが送り込まれ
   るケ−シングと、前記モ−タの出力軸に結合されて前記
   ケ−シング内に装入され、オイルミストを吸込んで遠心
   方向へ吹き飛ばすファンと、規則的で微細な網目を有す
   る網帯を前記ファンの回りに複数回巻き重ねて形成さ
   れ、前記ファンの周胴面に結合された円筒状の濾体とを
   備えたことを特徴とするオイルミスト分離装置。