JPH0889120A - 魚類用標識 - Google Patents
魚類用標識Info
- Publication number
- JPH0889120A JPH0889120A JP6225393A JP22539394A JPH0889120A JP H0889120 A JPH0889120 A JP H0889120A JP 6225393 A JP6225393 A JP 6225393A JP 22539394 A JP22539394 A JP 22539394A JP H0889120 A JPH0889120 A JP H0889120A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fish
- marker
- diameter
- tag
- intermediate shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 脱落率が低く、標識対象魚類の損傷、死亡が
少ない魚類用標識を得ること。 【構成】 魚体内に埋入する先端円錐部、この先端円錐
部と同軸でその最大径より小径の中間軸部、及び、この
中間軸部より大径の標識装着部;とを連続して備えた体
内挿入体と;この標識装着部に結合された標識部材と;
からなる魚類用標識。
少ない魚類用標識を得ること。 【構成】 魚体内に埋入する先端円錐部、この先端円錐
部と同軸でその最大径より小径の中間軸部、及び、この
中間軸部より大径の標識装着部;とを連続して備えた体
内挿入体と;この標識装着部に結合された標識部材と;
からなる魚類用標識。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚類の生態調査や育成
管理等のために行う標識放流の際に使用する固体識別用
の外部標識に関し、特にマグロやブリなど体型が紡錘形
で遊泳力が強い回遊性の魚種に好適な魚類用標識に関す
る。
管理等のために行う標識放流の際に使用する固体識別用
の外部標識に関し、特にマグロやブリなど体型が紡錘形
で遊泳力が強い回遊性の魚種に好適な魚類用標識に関す
る。
【0002】
【従来技術及びその問題点】魚類の標識は、放流時に使
用される場合、系群の判別、分布、回遊、成長などの定
性的な情報や、資源量、生残率、死亡係数などの定量的
な情報を得ることによって、対象とする魚類に関する動
態のパラメータを知るために使用されている。
用される場合、系群の判別、分布、回遊、成長などの定
性的な情報や、資源量、生残率、死亡係数などの定量的
な情報を得ることによって、対象とする魚類に関する動
態のパラメータを知るために使用されている。
【0003】従来の標識は、金属、プラスチックなどを
材料として作られており、形状や装着方法の違いにより
種々の型式のものがある。例えば、ナイロンの紐や金属
線を体に貫通させ、金属板やプラスチックスの板を取り
付けるアトキンス(Atkins)型、対になった金属
やプラスチックスの板を体の両側にあてて金属線やピン
で固定するピーターセン(Petersen)型、ビニ
ールチューブの先端に金属製あるいはプラスチックス製
の矢じりを取り付け、矢じり部分を体内に突き刺して装
着するダート(Dart)型、ナイロン製のH型のピン
を体に貫通させて装着するものがある。また、対象とす
る魚種によりピンの一方の末端を板状にしたり、あるい
はビニールチューブを取り付けて文字を記入できるよう
にしたタグピン(Tag Pin)型、末端に針をつけ
たビニールやテフロン製の帯を体に貫通させて装着する
リボン(Ribon)型などもある。
材料として作られており、形状や装着方法の違いにより
種々の型式のものがある。例えば、ナイロンの紐や金属
線を体に貫通させ、金属板やプラスチックスの板を取り
付けるアトキンス(Atkins)型、対になった金属
やプラスチックスの板を体の両側にあてて金属線やピン
で固定するピーターセン(Petersen)型、ビニ
ールチューブの先端に金属製あるいはプラスチックス製
の矢じりを取り付け、矢じり部分を体内に突き刺して装
着するダート(Dart)型、ナイロン製のH型のピン
を体に貫通させて装着するものがある。また、対象とす
る魚種によりピンの一方の末端を板状にしたり、あるい
はビニールチューブを取り付けて文字を記入できるよう
にしたタグピン(Tag Pin)型、末端に針をつけ
たビニールやテフロン製の帯を体に貫通させて装着する
リボン(Ribon)型などもある。
【0004】ところがこれらの従来の魚類用標識は、脱
落したりあるいは魚体の成長によって識別困難になる場
合が多い。例えば、マダイにタグピン型標識を装着した
場合、1年後に30%、2年後に70%、3年後には8
0%が脱落したという報告がある。陸上水槽や小割網の
中で行われた実験において、ブリにダート型標識を装着
した事例では、158日間で33%が脱落し、ブリにリ
ボン型標識を装着した事例では、90日間で80〜98
%が脱落したという報告がある。
落したりあるいは魚体の成長によって識別困難になる場
合が多い。例えば、マダイにタグピン型標識を装着した
場合、1年後に30%、2年後に70%、3年後には8
0%が脱落したという報告がある。陸上水槽や小割網の
中で行われた実験において、ブリにダート型標識を装着
した事例では、158日間で33%が脱落し、ブリにリ
ボン型標識を装着した事例では、90日間で80〜98
%が脱落したという報告がある。
【0005】特に、遊泳力の強い回遊性魚種の場合、遊
泳時に標識にかかる流水抵抗が大きいため、材料の水中
での強度不足や耐久性の不足などにより標識が切断もし
くは破損して識別不能となる事例が多い。また、標識が
破損しなかった場合においても、標識と接触している体
表あるいは体内の生体組織がビラン、壊死することによ
り標識の装着孔が次第に拡大して、標識が抜け落ちた
り、対象魚類を死に至らしめたりする事例が報告されて
いる。このように、装着した標識の脱落や標識魚の死亡
は、期待される再捕尾数を得るために必要な標識放流固
体数の増加を招くだけでなく、再捕結果を統計学的に解
析する場合の誤差の原因となるため、早急な改善が望ま
れている。
泳時に標識にかかる流水抵抗が大きいため、材料の水中
での強度不足や耐久性の不足などにより標識が切断もし
くは破損して識別不能となる事例が多い。また、標識が
破損しなかった場合においても、標識と接触している体
表あるいは体内の生体組織がビラン、壊死することによ
り標識の装着孔が次第に拡大して、標識が抜け落ちた
り、対象魚類を死に至らしめたりする事例が報告されて
いる。このように、装着した標識の脱落や標識魚の死亡
は、期待される再捕尾数を得るために必要な標識放流固
体数の増加を招くだけでなく、再捕結果を統計学的に解
析する場合の誤差の原因となるため、早急な改善が望ま
れている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような従来の魚類用標識
の問題点を解決し、脱落率が低く、標識対象魚類の損
傷、死亡が少ない魚類用標識を得ることを目的とする。
の問題点を解決し、脱落率が低く、標識対象魚類の損
傷、死亡が少ない魚類用標識を得ることを目的とする。
【0007】
【発明の概要】本発明者らは、特にブリやハマチ等の回
遊魚に用いる外部標識として、種々の形状について埋込
部位や埋込方法を変えて実験を行い評価した結果、従来
標識に比較して、脱落率の著しい低下と標識対象魚類の
損傷死亡の著しい低下が得られる魚類用標識を得た。
遊魚に用いる外部標識として、種々の形状について埋込
部位や埋込方法を変えて実験を行い評価した結果、従来
標識に比較して、脱落率の著しい低下と標識対象魚類の
損傷死亡の著しい低下が得られる魚類用標識を得た。
【0008】本発明の魚類用標識は、魚体内に埋入する
先端円錐部、この先端円錐部と同軸でその最大径より小
径の中間軸部、及び、この中間軸部より大径の標識装着
部、とを連続して備えた体内挿入体と;この体内挿入体
の標識装着部に装着された、外部から視認できる標識部
材と;からなることを特徴としている。
先端円錐部、この先端円錐部と同軸でその最大径より小
径の中間軸部、及び、この中間軸部より大径の標識装着
部、とを連続して備えた体内挿入体と;この体内挿入体
の標識装着部に装着された、外部から視認できる標識部
材と;からなることを特徴としている。
【0009】この魚類用標識によると、その体内挿入体
の先端円錐部により、埋入を容易に行なうことができる
とともに、先端円錐部に続けて小径の中間軸部があるた
め、脱落を確実に防止することができる。そして、この
中間軸部に続けて、これより大径の標識装着部が設けら
れているため、標識全体が対象魚類の体内に埋没するの
を防止できる。そして、標識装着部には、任意の大き
さ、材質、形状の標識部材が装着されているため、標識
性(外部からの視認性)を高めることができる。
の先端円錐部により、埋入を容易に行なうことができる
とともに、先端円錐部に続けて小径の中間軸部があるた
め、脱落を確実に防止することができる。そして、この
中間軸部に続けて、これより大径の標識装着部が設けら
れているため、標識全体が対象魚類の体内に埋没するの
を防止できる。そして、標識装着部には、任意の大き
さ、材質、形状の標識部材が装着されているため、標識
性(外部からの視認性)を高めることができる。
【0010】先端円錐部の最大径は、大きい程脱落防止
には有効であるが、大きすぎると不必要に対象魚類を傷
つけ好ましくない。また、対象魚類の大きさによっても
最適な最大径は変わってくる。本発明者らは、先端円錐
部の最大径を種々変えて標識を作製し、対象魚類に埋入
して観察した結果、同部分の最大径がそれに続く中間軸
部分の径の2倍から5倍の範囲である場合に、さらに、
より好ましくは2倍から3倍の範囲にある場合に、好適
な成績が得られることを見出した。
には有効であるが、大きすぎると不必要に対象魚類を傷
つけ好ましくない。また、対象魚類の大きさによっても
最適な最大径は変わってくる。本発明者らは、先端円錐
部の最大径を種々変えて標識を作製し、対象魚類に埋入
して観察した結果、同部分の最大径がそれに続く中間軸
部分の径の2倍から5倍の範囲である場合に、さらに、
より好ましくは2倍から3倍の範囲にある場合に、好適
な成績が得られることを見出した。
【0011】また、中間軸部分の長さは、該標識の先端
円錐部が、対象魚類の硬組織部、例えば頭蓋骨部、頭蓋
後方の筋肉部分、または第一背鰭基部を貫通する長さに
すると好ましい結果が得られることも見出した。
円錐部が、対象魚類の硬組織部、例えば頭蓋骨部、頭蓋
後方の筋肉部分、または第一背鰭基部を貫通する長さに
すると好ましい結果が得られることも見出した。
【0012】中間軸部分の径は、対象魚類の大きさによ
り適宜選択が可能であるが、対象魚類に与える損傷や標
識の強度とを考慮すると、対象魚類の全長の100分の
1〜200分の1程度が目安となる。また、体内挿入体
の全長も対象魚類の大きさに応じて適宜選択できるが、
対象魚類に与える損傷や体内での安定性を考慮すると、
対象魚類の全長の30分の1〜60分の1程度が目安と
なる。
り適宜選択が可能であるが、対象魚類に与える損傷や標
識の強度とを考慮すると、対象魚類の全長の100分の
1〜200分の1程度が目安となる。また、体内挿入体
の全長も対象魚類の大きさに応じて適宜選択できるが、
対象魚類に与える損傷や体内での安定性を考慮すると、
対象魚類の全長の30分の1〜60分の1程度が目安と
なる。
【0013】さらに、標識装着部の径は、中間軸部の径
の1.5倍以上で、円錐部の径の最大径以下に設定する
と、不必要に大きくすることなく、体内挿入部の全体が
魚体内に埋入されるのを防止できる。標識部材は、高分
子プラスチック製の糸状体または紐状体を介して、この
標識装着部に結合することができる。標識部材は、プラ
スチック等の耐水性、耐久性のある材料から構成するも
のであり、文字やマークを印字することによりさらに識
別性を高めることができる。また、その大きさは、任意
に設定できる。
の1.5倍以上で、円錐部の径の最大径以下に設定する
と、不必要に大きくすることなく、体内挿入部の全体が
魚体内に埋入されるのを防止できる。標識部材は、高分
子プラスチック製の糸状体または紐状体を介して、この
標識装着部に結合することができる。標識部材は、プラ
スチック等の耐水性、耐久性のある材料から構成するも
のであり、文字やマークを印字することによりさらに識
別性を高めることができる。また、その大きさは、任意
に設定できる。
【0014】本発明の魚類用標識は、対象魚類との生体
親和性を高めるため、少なくともその表面がリン酸カル
シウムセラミックスからなることが好ましい。リン酸カ
ルシウムとしては、ハイドロキシアパタイト(Ca
10(PO4 )6 (OH)2 )、三リン酸カルシウム(T
CP、Ca3 (PO4 )2 )等の単独の焼結体あるいは
複合焼結体、及びこれらの物質と酸化カルシウム(Ca
O)、第二リン酸カルシウム(CaHPO4 )等との複
合焼結体が好適に使用されるが、海水中での長期安定性
を考慮すると海水中で安定なハイドロキシアパタイトが
最も好ましい。
親和性を高めるため、少なくともその表面がリン酸カル
シウムセラミックスからなることが好ましい。リン酸カ
ルシウムとしては、ハイドロキシアパタイト(Ca
10(PO4 )6 (OH)2 )、三リン酸カルシウム(T
CP、Ca3 (PO4 )2 )等の単独の焼結体あるいは
複合焼結体、及びこれらの物質と酸化カルシウム(Ca
O)、第二リン酸カルシウム(CaHPO4 )等との複
合焼結体が好適に使用されるが、海水中での長期安定性
を考慮すると海水中で安定なハイドロキシアパタイトが
最も好ましい。
【0015】これらのリン酸カルシウムセラミックスは
公知の方法で作製することができる。例えば湿式法ある
いは乾式法で合成したハイドロキシアパタイト粉末を静
水圧によりプレス成形し、旋盤により加工した後、10
00℃〜1250℃の温度範囲で焼成することにより作
製できる。また、ステンレス等の水中でも安定な金属の
表面に溶射法等によりリン酸カルシウムをコーティング
して作製することもできる。
公知の方法で作製することができる。例えば湿式法ある
いは乾式法で合成したハイドロキシアパタイト粉末を静
水圧によりプレス成形し、旋盤により加工した後、10
00℃〜1250℃の温度範囲で焼成することにより作
製できる。また、ステンレス等の水中でも安定な金属の
表面に溶射法等によりリン酸カルシウムをコーティング
して作製することもできる。
【0016】本発明の魚類用標識の体内挿入体は、埋入
直後から約1カ月間は機械的なアンカリングにより対象
魚類内に固定し、長期的にはリン酸カルシウムの持つ生
体親和性により対象魚類と標識が密着することにより安
定に固定される。従って、体内挿入体は対象魚類の硬組
織と接触し、反対側に貫通するように埋入することが好
ましい。マグロやブリなどの回遊魚に対する具体的な埋
入部位としては、頭蓋骨、頭蓋後方の筋肉部分、または
第一背鰭基部に埋入した場合に、脱落も少なく良好な成
績が得られた。
直後から約1カ月間は機械的なアンカリングにより対象
魚類内に固定し、長期的にはリン酸カルシウムの持つ生
体親和性により対象魚類と標識が密着することにより安
定に固定される。従って、体内挿入体は対象魚類の硬組
織と接触し、反対側に貫通するように埋入することが好
ましい。マグロやブリなどの回遊魚に対する具体的な埋
入部位としては、頭蓋骨、頭蓋後方の筋肉部分、または
第一背鰭基部に埋入した場合に、脱落も少なく良好な成
績が得られた。
【0017】
【発明の実施例】以下、図示実施例について本発明を説
明する。図1、図2は、本発明の魚類用標識30の実施
例である。この魚類用標識30は、体内挿入体10と、
標識部材20とからなっている。体内挿入体10は、先
端の円錐部11と、中間軸部12と、後端の標識装着部
13とを同軸に備えている。円錐部11の最大径Dは、
中間軸部12の径dより大径である。好ましくは、D=
2d〜5d、より好ましくは、D=2d〜3dである。
円錐部11の頂角θは、魚体への挿入が容易で、かつD
とdの差が取れるように、30゜〜90゜とすることが
好ましい。30゜未満では、魚体への挿入は容易である
が、Dとdの径の差が取りにくく、逆に90゜を越える
と、Dとdの径の差は取りやすいが、魚体への挿入が困
難になる。また、中間軸部12の長さLは、円錐部11
が魚体の硬組織部、例えば頭蓋骨を通り、その中に位置
するように定める。魚類用標識体内挿入体10は、その
全体がリン酸カルシウムセラミックスからなり、あるい
は少なくともその表面がリン酸カルシウムセラミックス
からなっている。標識装着部13は、この実施例では、
円柱状をなしており、この標識装着部13に、標識部材
20を結合するための貫通孔14が形成されている。こ
の標識装着部13の径DDは、1.5d以上で、D以下
であることが好ましい。この貫通孔14には、高分子プ
ラスチックからなる糸21が挿入され、この糸21を介
して、標識部材20が結合されている。標識部材20
は、プラスチック材料からなり、適宜必要なマーク22
が付されている。
明する。図1、図2は、本発明の魚類用標識30の実施
例である。この魚類用標識30は、体内挿入体10と、
標識部材20とからなっている。体内挿入体10は、先
端の円錐部11と、中間軸部12と、後端の標識装着部
13とを同軸に備えている。円錐部11の最大径Dは、
中間軸部12の径dより大径である。好ましくは、D=
2d〜5d、より好ましくは、D=2d〜3dである。
円錐部11の頂角θは、魚体への挿入が容易で、かつD
とdの差が取れるように、30゜〜90゜とすることが
好ましい。30゜未満では、魚体への挿入は容易である
が、Dとdの径の差が取りにくく、逆に90゜を越える
と、Dとdの径の差は取りやすいが、魚体への挿入が困
難になる。また、中間軸部12の長さLは、円錐部11
が魚体の硬組織部、例えば頭蓋骨を通り、その中に位置
するように定める。魚類用標識体内挿入体10は、その
全体がリン酸カルシウムセラミックスからなり、あるい
は少なくともその表面がリン酸カルシウムセラミックス
からなっている。標識装着部13は、この実施例では、
円柱状をなしており、この標識装着部13に、標識部材
20を結合するための貫通孔14が形成されている。こ
の標識装着部13の径DDは、1.5d以上で、D以下
であることが好ましい。この貫通孔14には、高分子プ
ラスチックからなる糸21が挿入され、この糸21を介
して、標識部材20が結合されている。標識部材20
は、プラスチック材料からなり、適宜必要なマーク22
が付されている。
【0018】次に、具体例によって本発明を説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 [具体例1]θ=65゜、D=2.6mmの円錐部11
と、d=1.2mm、L=2.0mmの中間軸部12
と、DD=2.0mmの標識装着部13を有する全長
6.4mmの体内挿入体10を、ハイドロキシアパタイ
ト焼結体で作製した。この体内挿入体10の13には、
糸21を介して標識部材20を結合した。一方、全長約
25cmのブリ各20匹を別の観察群とし、一方の観察
群は頭蓋骨後方筋肉部に、他方の観察群は第一背鰭部に
それぞれ、体内挿入体10の円錐部11を貫通させて埋
入し、12週間飼育して観察した。観察結果を表1に示
す。表1に示すように、標識の脱落は殆ど観察されず、
良好な結果であった。また、標識を付さなかったコント
ロール群と比較して、対象魚類の成長速度や壊死数にも
差異は認められなかった。
が、本発明はこれに限定されるものではない。 [具体例1]θ=65゜、D=2.6mmの円錐部11
と、d=1.2mm、L=2.0mmの中間軸部12
と、DD=2.0mmの標識装着部13を有する全長
6.4mmの体内挿入体10を、ハイドロキシアパタイ
ト焼結体で作製した。この体内挿入体10の13には、
糸21を介して標識部材20を結合した。一方、全長約
25cmのブリ各20匹を別の観察群とし、一方の観察
群は頭蓋骨後方筋肉部に、他方の観察群は第一背鰭部に
それぞれ、体内挿入体10の円錐部11を貫通させて埋
入し、12週間飼育して観察した。観察結果を表1に示
す。表1に示すように、標識の脱落は殆ど観察されず、
良好な結果であった。また、標識を付さなかったコント
ロール群と比較して、対象魚類の成長速度や壊死数にも
差異は認められなかった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、対象魚
類からの脱落がなく、対象魚類の損傷や死亡が少ない魚
類用標識が得られる。
類からの脱落がなく、対象魚類の損傷や死亡が少ない魚
類用標識が得られる。
【図1】本発明による魚類用標識の実施例を示す正面図
である。
である。
【図2】同平面図である。
10 体内挿入体 11 円錐部 12 中間軸部 13 露出標識部 14 貫通孔 20 標識部材 21 糸
フロントページの続き (72)発明者 平山 泰彦 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 松本 智勇 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町6−5−9−201 (72)発明者 早乙女 浩一 東京都練馬区豊玉北3−6−3−403
Claims (9)
- 【請求項1】 魚体内に埋入する先端円錐部、 この先端円錐部と同軸でその最大径より小径の中間軸
部、及び、 この中間軸部より大径の標識装着部、とを連続して備え
た体内挿入体と;この体内挿入体の上記標識装着部に装
着された、外部から視認できる標識部材と;からなるこ
とを特徴とする魚類用標識。 - 【請求項2】 請求項1において、体内挿入体は、少な
くとも表面がリン酸カルシウムセラミックスからなる魚
類用標識。 - 【請求項3】 請求項2において、リン酸カルシウムセ
ラミックスは、ハイドロキシアパタイトである魚類用標
識。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、体内挿入体の先端円錐部の最大径は中間軸部の径の
2〜5倍である魚類用標識。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、中間軸部は、先端円錐部が対象魚類の硬組織部を貫
通する長さである魚類用標識。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
て、硬組織部は、対象魚類の頭蓋骨、頭蓋後方の筋肉部
分、または第一背鰭基部である魚類用標識。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項におい
て、標識装着部の径は、中間軸部の径の1.5倍以上
で、円錐部の径の最大径以下に設定されている魚類用標
識。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
て、標識部材は、体内挿入体の標識装着部に、高分子プ
ラスチック製の糸状体または紐状体を介して結合されて
いる魚類用標識。 - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項におい
て、対象魚類は、マグロ、ブリ等の回遊魚である魚類用
標識。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225393A JP3068755B2 (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 魚類用標識 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6225393A JP3068755B2 (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 魚類用標識 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889120A true JPH0889120A (ja) | 1996-04-09 |
JP3068755B2 JP3068755B2 (ja) | 2000-07-24 |
Family
ID=16828663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6225393A Expired - Fee Related JP3068755B2 (ja) | 1994-09-20 | 1994-09-20 | 魚類用標識 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3068755B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102379259A (zh) * | 2011-10-26 | 2012-03-21 | 浙江海洋学院 | 鱼类金属线标 |
CN102487852A (zh) * | 2011-11-18 | 2012-06-13 | 浙江海洋学院 | 乌贼线标标定流水线 |
KR101421078B1 (ko) * | 2012-09-26 | 2014-07-24 | 대한민국 | 해삼 표지표 부착 방법 |
CN104526342A (zh) * | 2014-11-27 | 2015-04-22 | 浙江海洋学院 | 深水产卵场标定装置的生产工艺 |
CN107439452A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-12-08 | 浙江海洋大学 | 一种用于金枪鱼金属磁性线标 |
-
1994
- 1994-09-20 JP JP6225393A patent/JP3068755B2/ja not_active Expired - Fee Related
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