JPH0887483A - ネットワーク合成方法 - Google Patents

ネットワーク合成方法

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JPH0887483A
JPH0887483A JP6221515A JP22151594A JPH0887483A JP H0887483 A JPH0887483 A JP H0887483A JP 6221515 A JP6221515 A JP 6221515A JP 22151594 A JP22151594 A JP 22151594A JP H0887483 A JPH0887483 A JP H0887483A
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dimensional
network
chromosome
neural network
neuron
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JP6221515A
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Yuji Sato
裕二 佐藤
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GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Hitachi Ltd
Original Assignee
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO
GIJUTSU KENKYU KUMIAI SHINJOHO SHIYORI KAIHATSU KIKO
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニューラルネット上の有効な2次元部分構造
を活かしたニューラルネットの合成を単純な操作で実現
する方法を提供すること。 【構成】 遺伝子タイプの学習技術を用いたネットワー
クの合成方法であって、ネットワーク自体を2次元の染
色体として定義し、ネットワーク上の2次元部分構造単
位(ピラミッド構造単位等)の置き換えを行って、求める
ネットワークを合成することを特徴とするネットワーク
合成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ネットワーク合成方法
に関し、より詳細には、遺伝子タイプの学習技術を用い
たニューラルネットの合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】バックプロパゲーション学習方式を始め
として、従来のニューラルネットの学習方式は、予めニ
ューロン間の結線情報を与えておき、ニューロン間の結
合荷重を学習する方式が一般的である。すなわち、ニュ
ーロンの数およびニューロン間の結線情報は、試行錯誤
により予め人間が与えなければならず、経験に依存する
大変な作業であった。この問題を解決する一つの手段と
して、遺伝的アルゴリズムを用いたニューラルネットの
合成が 研究され始めている。例えば、「遺伝的アルゴリ
ズム」(産業図書(1993年),第236頁から第243頁)に、遺伝
的アルゴリズムを用いたニューラルネットの構造決定あ
るいはニューロン間の結合荷重の学習方式が示されてい
る。以下、図12から図17を用いて、遺伝的アルゴリ
ズムを用いたニューラルネットの合成に関する従来技術
を説明する。
【0003】図12において、1001は5つのニュー
ロンから構成されるニューラルネットを示している。各
ノードがニューロンに対応する。ニューロン間の矢印
は、ニューロン間に結線があり、矢印の方向に信号が伝
搬することを示している。このニューラルネット100
1のニューロン間の結線情報、すなわち、ネットワーク
構造は、結合行列を用いて定義可能である。結合行列5
01の中で、「1」は結合が存在することを示し、「0」は
結合が無いことを示す。従来例では、この結合行列50
1の各行を1行に繋ぎ合わせた、1次元のビット列を染
色体3001として定義していた。染色体3001は、
25ビットの構成長を持つ。言うまでもなく、染色体の
長さが短いほど、記憶容量は少なくてすむ。また、後で
図15において述べる、「交差」という操作で有効なビッ
ト列が破壊される可能性も、ビット列の長さが短いほど
低い。そこで、より短い構成長でニューラルネット10
01を定義する染色体4001の例を、図13に示す。
【0004】図13において、ニューラルネット100
1のネットワーク構造は、信号の伝搬方向を考慮した結
合行列601で定義されている。図12に示したと同様
に、結合行列601の中で、「1」は結合が存在すること
を示し、「0」は結合が無いことを示している。また、
「x」は信号の伝搬方向を考慮した場合、定義不可能であ
ることを示している。結合行列601の各行を、定義不
可の部分を除いて1行に繋ぎ合わせた1次元のビット列
が、染色体4001である。図12に示した染色体30
01の構成長が25ビットであったのに対して、染色体
4001の構成長は8ビットで済んでいる。このニュー
ラルネットに対応した1次元の染色体を使って、遺伝的
アルゴリズムにより、目的とするニューラルネットに対
応する1次元の染色体を学習する方式が、従来の方式で
ある。
【0005】図14に、遺伝的アルゴリズムの処理手順
の一例を示す。手順1では、ニューラルネットに対応し
た1次元の染色体集団の発生を行う。図13に示した染
色体4001は、その一例となる。このような染色体
を、個体総数が一定になるようにランダムに発生させ
る。次に、手順2で、各個体すなわち染色体の、適応度
の計算を行う。適応度の計算方法は、予めユーザが与え
るのが一般的である。次に、手順3で、淘汰と増殖を行
う。すなわち、適応度を考慮して、各個体の増減を行
い、次世代の個体集団を決定する。適応度を考慮した各
個体の増減だけでは、現時点で最大の適応度を持つ個体
が、集団中に占める割合が高くなるだけで、新しい探索
点が生じない。すなわち、ランダムに発生した、初期集
団で最終解が決定してしまう。
【0006】そこで、手順4および5では、1次元の染
色体に対して、「交差」と「突然変異」という操作により、
探索空間の拡大を行う。図15に、交差の例を示す。生
成された次世代の複数個の個体の中から、二つの個体の
ペアを複数組ランダムに選択し、それぞれに対して交差
と呼ぶ操作を実行する。交差は、二つの個体の遺伝子型
をランダムな位置で部分的に入れ換える操作であり、単
純GA(遺伝的アルゴリズム)では、「1点交差」と呼ばれ
る最も基本的な交差を実行する。図15に示す例では、
ニューラルネット1001に対応した染色体4001
と、ニューラルネット1002に対応した染色体400
2に交差401を施し、染色体4003と染色体400
4を得る場合を示している。染色体4003と4004
は、それぞれ、ニューラルネット1003と1004に
対応する。
【0007】次に、突然変異の例を、図16に示す。最
も一般的な単純GAにおける突然変異は、各個体の遺伝
子に相当する各ビットを、突然変異率の生起確率で、
「0」を「1」、あるいは、「1」を「0」に変更する操作であ
る。ここで、突然変異率とは、突然変異の生起確率を示
す。図16に示す例では、ニューラルネット1001に
対応した染色体4001の下位2ビット目が、突然変異
403の操作により「0」から「1」に反転し、染色体40
04が生じる場合を示している。次に、手順6で、生成
された次世代の集団が、進化シミュレーションを終了す
るための評価基準を満たしているかどうかを調べる。終
了条件が満たされている場合は進化シミュレーションを
終了し、現時点の個体(すなわち染色体)に対応したニュ
ーラルネットを最終解とする。終了条件が満たされてい
ない場合は、手順2の各個体の適応度の計算に戻って、
進化シミュレーションを続行する。
【0008】上記従来例では、遺伝的アルゴリズムを用
いたニューラルネットの構造決定を紹介した。また、以
下に述べる如く、遺伝的アルゴリズムを用いてニューロ
ン間の結合荷重を求めることも可能である。図17は、
ニューロン間の結合荷重に対応した染色体の例を示して
いる。図17において、1001は5つのニューロンか
ら構成されるニューラルネットを示している。各ノード
がニューロンに対応する。ニューロン間の矢印は、ニュ
ーロン間に結線があり、矢印の方向に信号が伝搬するこ
とを示している。矢印に付加された数値は、ニューロン
間の結合強度、すなわち結合荷重を示している。図17
の例では、各結合荷重を2進数に変換した後1行に繋ぎ
合わせた、1次元のビット列を染色体4001として定
義している。ニューロン間の結合荷重に対応した染色体
4001から求める結合荷重に対応する染色体を決定す
る操作は、上記図14から図16で示した操作と同様で
ある。
【0009】図12から図17で紹介した遺伝的アルゴ
リズムを用いたニューラルネットの合成に関する従来技
術の問題点は、ニューラルネットという多次元の構造を
1次元の染色体に対応させた上でランダムな位置での交
差を行っているために、ネットワーク上の部分構造が保
持されにくいという点である。例えば、ネットワーク上
のある「4×4の部分構造」が非常に有効であるとして
も、その構造は、図12で示した染色体上では、分散配
置されてしまう。例えば、図12において、ノード3が
ノード0およびノード1に接続するという部分構造が有
効であったとする。この構造は染色体3001の中で、
21ビットの構成長に分散配置されてしまう。図13に
示した染色体構造をとることにより、この情報は2ビッ
トの構成長と改善される。
【0010】しかし、1回の交差で破壊される可能性が
低くなっても、図14に示したように、交差は繰り返し
適用され、かつ、交差位置はランダムに設定されるため
に、結局、最後まで破壊されずに存続する確率は殆ど0
に等しくなる。更に、有効な2次元部分構造が大きくな
ればなるほど、1次元染色体上での対応する構成長は長
くなり、交差する時に破壊される確率が高くなる。ま
た、このような部分構造をコピーしたり、違う場所にず
らしたりすることはできない。実際のニューラルネット
では、同一または類似の部分構造の反復を内部構造とし
て持っている例が多く、従来手法は非現実的である。こ
のような問題点をふまえ、グラフ生成システムを利用し
たニューラルネットの合成が提案されている。例えば、
「遺伝的アルゴリズム」(産業図書(1993年),第243頁から
第250頁)に 一例が示されている。以下、図18から図
20を用いて、第2の従来例を示す。
【0011】第2の従来例の特徴は、図13に示したよ
うにネットワークの構造に対応した染色体を定義するの
ではなく、図18に示すようにネットワークの生成規則
を染色体として定義することである。例えば、ニューラ
ルネット1004を生成する過程および生成に使用され
るグラフ生成ルールが、それぞれ、図19と図20に示
されている。この技術では、図20に示したグラフ生成
ルールに対応した染色体を、遺伝的アルゴリズムにより
獲得する。ここでは、ネットワーク生成ルールを染色体
として定義しているために、2次元の部分構造を維持し
やすいという特徴を持つ。一方、通常の遺伝的アルゴリ
ズムの操作の他に、図19に示すような文法の成長操作
および図20に示すような複数種類の生成ルールを記憶
しておくことが必要である。すなわち、第1の従来例に
比べて、複雑な操作および多くの記憶容量が必要であ
る。また、ネットワークの構造そのものではなく構造生
成の文法規則を染色体として定義するために、染色体を
見ても、対応するニューラルネットが直観的にイメージ
しづらいという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、従来の
技術における上述の如き問題を解消し、ニューラルネッ
ト上の有効な2次元部分構造を活かして、ニューラルネ
ットの合成を単純な操作で実現する方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、遺
伝子タイプの学習技術を用いたネットワークの合成方法
であって、ネットワーク自体を2次元の染色体として定
義し、ネットワーク上の2次元部分構造単位の置き換え
を行って、求めるネットワークを合成することを特徴と
するネットワーク合成方法によって達成される。
【0014】
【作用】本発明に係るネットワーク合成方法において
は、ニューラルネット自体を2次元の染色体と考え、ニ
ューラルネット上の2次元部分構造単位の2次元交差を
行う手段を用いる。従って、ニューラルネット上の有効
な2次元部分構造を活かしたニューラルネットの構成が
可能である。実施例の中で説明するように、あるニュー
ロンの出力値が意味ある定常状態にあると言えるための
必要十分条件は、このニューロンを頂点としてニューラ
ルネットの入力層を底辺とするピラミッド構造内の結線
情報およびニューロン間の結合荷重が確定したことに相
当する。従って、上記交差の単位となる2次元部分構造
としてあるニューロンを頂点として入力層を底辺とする
ピラミッド構造を用いることにより、有効な2次元部分
構造を維持する確率は高くなる。また、本発明に係るネ
ットワーク合成方法では、具体的な操作を行うために、
あるニューロンとその入力元になり得る可能性のあるニ
ューロンとの間の遷移行列の集合から構成される列を染
色体として定義する。従って、遷移行列の各行が上述の
ピラミッド構造に対応し、遷移行列内のある行を入れ換
えるという単純な操作だけでピラミッド構造単位の2次
元交差が実現できる。ピラミッド構造のコピーも、遷移
行列内のある行のコピーという単純な操作で実現でき
る。染色体から、ニューラルネットの層数および構造が
一目で把握できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図21に、本発明の特徴を示す、2次元遺
伝的アルゴリズムの処理手順の概要を示す。図14に示
した従来の処理手順との違いは、ニューラルネット自体
を2次元の染色体と定義している点(手順1)および2次
元の交差(手順4),2次元の突然変異(手順5)を行う点
にある。以下、これらの違いの詳細およびこれらの違い
による効果を説明する。図1は、本発明の基本的な考え
方を示す、2次元交差の一例である。図1において、1
001〜1004はニューラルネット、ニューラルネッ
ト内の5つのノードはニューロンを表わす。図1では、
ニューラルネット自身を2次元の染色体と考え、ニュー
ラルネット上の2次元部分構造101および102の置
き換えという交差201を行っている。交差の単位とな
る2次元部分構造には、あるニューロン(例えば、ノー
ド3)を頂点として、入力層(例えば、ノード0と1)を
底辺とするピラミッド構造を採用している。これは、以
下の理由による。
【0016】今、あるニューロンがN本の入力を持つと
し、各入力の信号の強さをS1〜SN、各入力信号に対
する結合荷重をW1〜WN、このニューロン自体の出力
の強さをxとすると、形式ニューロンの動作は、次式の
離散時間の差分方程式で記述される。式中のhは、しき
い値である。
【数1】
【数2】 形式ニューロンの各入力および出力は、「1」または「0」
の値をとり、「1」はニューロンが興奮・発火した状態、
「0」はニューロンが興奮しない状態に、それぞれ、対応
する。
【0017】(数1)から言えることは、あるニューロン
の出力が意味ある定常状態になったと言えるためには、
そのニューロンの入力元となるニューロンとの間の結線
情報および結合荷重が確定し、かつ、入力信号が定常状
態になっている必要がある。あるニューロンの入力信号
とは、そのニューロンの入力元となるニューロンの出力
信号である。今、着目しているニューロンの入力元とな
るニューロンの出力信号が意味ある定常状態となる条件
についても同様のことが言える。この条件を再帰的に繰
り返して考えると、結局、あるニューロンの出力が意味
のある定常状態になるということは、このニューロンを
頂点として入力層を底辺とするピラミッド構造内の結線
情報およびニューロン間の結合荷重が確定したことと等
価である。すなわち、ニューラルネット上の意味のある
部分構造は、あるニューロンを頂点として入力層を底辺
とするピラミッド構造になる可能性が高い。従って、こ
のようなピラミッド構造を単位とした交差が有効となる
可能性が高い。
【0018】図1に示す2次元交差を単純な操作で実現
する具体的な方法の一つを、図2から図5を用いて説明
する。図2は、2次元遷移行列を用いた染色体表現の一
例である。図2において、1001は5つのニューロン
から構成されるニューラルネットを示している。各ノー
ド(例えば、ノード4)が、ニューロンに対応する。ニュ
ーロン間の矢印(例えば、リンク13)は、ニューロン間
に結線があり、矢印の方向に信号が伝搬することを示し
ている。図2では、あるニューロンとその入力元となる
可能性のあるニューロンとの間の遷移行列の集合から構
成される列を、ニューラルネットに対応した染色体とし
て定義している。すなわち、出力層113と他のニュー
ロンの間の遷移行列M11、および、中間層112と入
力層111との間の遷移行列M12の集合2001を、
染色体として定義している。遷移行列の各行が、前記ピ
ラミッド構造に対応している。
【0019】遷移行列M11およびM12の中で、「1」
は結合が存在することを示し、「0」は結合が無いことを
示している。染色体2001から、ニューラルネット1
001の層の数およびあるニューロンに着目した場合の
ピラミッド構造が、一目で把握できる。以下、染色体2
001を用いた2次元交差を示す。図3は、遷移行列を
用いた2次元交差201の例を示している。染色体20
01〜2004は、いづれも遷移行列の集合から構成さ
れる列で定義されており、それぞれニューラルネット1
001〜1004に対応している。図1で示した、ノー
ド3を頂点として入力層、すなわちノード0と1を底辺
とする2つのピラミッド構造101と102を置き換え
るという2次元交差201は、染色体2001を構成す
る遷移行列M12の2行目と染色体2002を構成する
遷移行列M22の2行目を置き換える操作に対応する。
すなわち、上述の如く、ニューラルネット上のピラミッ
ド構造単位の置き換えという交差201が、染色体を構
成する遷移行列内の対応する行の置き換えという単純な
操作で実現できる。
【0020】また、ニューラルネット上のピラミッド構
造をコピーしたり、違う場所にずらすという操作は、染
色体を構成する遷移行列内のある行をコピーしたり、違
う場所にずらすという単純な操作で実現できる。図22
は、先に図3に示した2次元交差の処理手順を示すフロ
ーチャートである。図23に示す従来の1次元交差の処
理手順との本質的な差異は、以下の通りである。すなわ
ち、従来は、ニューラルネット上の特徴を無視して1次
元に展開した染色体上で、単に、ランダムに交差位置を
決定して置き換えを行っていたのに対して、本発明に係
るネットワーク合成方法では、例えば、図2に示す如き
染色体表現をとり、かつ、遷移行列を構成する単位行の
置き換えを行うようにした点が異なっている。
【0021】すなわち、ニューラルネット上のあるニュ
ーロンを頂点として、ニューラルネットの入力点を底辺
とするあるピラミッド構造をランダムに選んで、置き換
えを行っている点である。前述の如く、これにより、交
差で有効な部分構造が破壊される確率が非常に低くなる
という効果が得られる。有効なピラミッド構造が複数存
在する場合は、幾つかのピラミッド構造をまとめて扱え
ると効率が良い。図4に、階層単位の2次元交差の例を
示す。図4において、1001〜1004はニューラル
ネット、ニューラルネット内の5つのノードはニューロ
ンを表わす。図4では、ニューラルネット自身を2次元
の染色体と考え、ニューラルネット上の2次元部分構造
103と104の置き換えという交差202を行ってい
る。
【0022】交差の単位となる2次元部分構造には、幾
つかのピラミッド構造を組み合わせた、階層単位の構造
を採用している。図4の例では、ノード2を頂点とする
ピラミッド構造とノード3を頂点とするピラミッド構造
を組み合わせた階層からなる交差を示している。図5
は、遷移行列を用いた階層単位の2次元交差202の例
を示している。染色体2001〜2004は、いづれも
遷移行列の集合から構成される列で定義されており、そ
れぞれニューラルネット1001〜1004に対応して
いる。先に図4にで示した、中間層および入力層から構
成される階層103と104を置き換えるという2次元
交差202は、染色体2001を構成する遷移行列M1
2と染色体2002を構成する遷移行列M22を置き換
えるという操作に対応する。すなわち、ニューラルネッ
ト上の、幾つかのピラミッド構造から構成される、階層
単位の置き換えという操作202は、染色体を構成する
遷移行列内の対応する遷移行列の置き換えという単純な
操作で実現できる。
【0023】図6に、ニューラルネット自身を2次元の
染色体と考えた場合の突然変異の例を示す。図6におい
て、1001と1004はニューラルネットを表わし、
ニューラルネット内の5つのノードはニューロンを表わ
す。突然変異は、ノード間の結線情報の付加もしくは削
除に対応する。図6の例では、突然変異203により、
ノード2とノード4の間に結線がない状態105から結
線がある状態106に変異した例を示している。図7
は、遷移行列を用いた突然変異203の例を示してい
る。染色体2001と2004は、いづれも遷移行列の
集合から構成される列で定義されており、それぞれニュ
ーラルネット1001と1004に対応している。図6
で示した、ノード2とノード4の間の結線を生成させる
という突然変異203は、染色体2001を構成する遷
移行列M11の下位から2ビット目を0から1に変更する
操作に対応する。
【0024】すなわち、ニューラルネット上の任意のノ
ード間の結線情報の付加もしくは削除という突然変異2
03は、染色体を構成する遷移行列内のあるビットを0
から1に、もしくは1から0に変更するという単純な操
作で実現できる。図24は、先に図7に示した2次元突
然変異の処理手順を示すフローチャートである。図25
に示す従来の突然変異の処理手順との本質的な差異は、
以下の通りである。すなわち、従来は、ニューラルネッ
ト上の特徴を無視して1次元に展開した染色体上で、単
に、ある確率で突然変異を行っていたのに対して、本発
明に係るネットワーク合成方法では、例えば、図2に示
す如き染色体表現をとり、かつ、遷移行列を構成する行
の中で、ある確率で突然変異を行うようにした点が異な
っている。
【0025】すなわち、ニューラルネット上のあるニュ
ーロンを頂点として、ニューラルネットの入力点を底辺
とするあるピラミッド構造間で突然変異を行うことによ
り、ピラミッド構造の多様性を向上する操作を行ってい
る点にある。結局、図21に示す如く、図2で示した遷
移行列を用いた2次元染色体の定義を用い(手順1)、第
1の従来例の交差および突然変異に代えて、本発明によ
る2次元交差および突然変異(手順4と手順5)を行うこ
とにより、ニューラルネット上の有効な2次元部分構造
を活かしたニューラルネットの合成が単純な操作で可能
となる。以上、図1から図7では、ニューラルネットの
構造を合成する例を示した。ニューロン間の結合荷重を
同様にして求めることも可能である。図8は、遷移行列
を用いたニューロン間の結合荷重定義の例を示してい
る。図8において、1001は5つのニューロンから構
成されるニューラルネットを示している。各ノード、例
えばノード4、がニューロンに対応する。
【0026】ニューロン間の矢印(例えば、リンク13)
は、ニューロン間に結線があり、矢印の方向に信号が伝
搬することを示している。なお、ここでは、ニューロン
間の結線の有り無し、すなわち、ニューラルネットの構
造が、予め与えられている場合を想定している。矢印に
付加された数値は、ニューロン間の結合強度、すなわ
ち、結合荷重を示している。ここでは、結合荷重を実数
値を用いて表現する例を示している。図8の例では、あ
るニューロンとその入力元となり得るニューロンの間の
各結合荷重を用いて遷移行列を定義している。結線が無
いニューロン間の結合荷重は0として定義している。各
遷移行列内の数値が異なるだけで、構造は図2で示した
遷移行列と全く同じである。従って、2次元交差20
1、202および突然変異203が、前記実施例と同様
に適用できる。
【0027】唯一の違いは、ニューラルネットの構造を
染色体に対応させた場合、突然変異で遷移行列の要素が
0から1、または、1から0に変化したのに対して、ニ
ューロン間の結合荷重を染色体に対応させた場合は、突
然変異で遷移行列の要素が任意の実数値にランダムに変
化する点と、構造を固定しているため結合荷重0の部分
は突然変異の対象にならない点である。図9は、遷移行
列を用いたニューロン間の結合荷重定義の第2の例を示
している。遷移行列内の結合荷重値として2値表現を用
いている以外は全く図8の例と同じである。唯一の違い
は、突然変異において、図8の例では遷移行列の要素が
任意の実数値にランダムに変化するのに対して、図9で
の例では2進数表現された遷移行列の要素のあるビット
が0から1、または、1から0に変化する点である。
【0028】以上、ニューラルネットの構造を求める場
合およびニューロン間の結合荷重を求める本発明の方式
を示した。ニューラルネットの構造および結合荷重を一
度に求めることも可能である。図10に、遷移行列を用
いてニューラルネットの構造およびニューロン間の結合
荷重を一度に求める例を示す。構造を求めてから結合荷
重を求める場合に比べて、これら2つを一度に求めるこ
とにより、ネットワークの合成に必要な学習時間の短縮
になる。図10において、1001は5つのニューロン
から構成されるニューラルネットを示している。各ノー
ド、例えばノード4、がニューロンに対応する。ニュー
ロン間の矢印、例えばリンク13、はニューロン間に結
線があり、矢印の方向に信号が伝搬することを示してい
る。矢印に付加された数値は、ニューロン間の結合強
度、すなわち結合荷重を示している。
【0029】図10の例では、あるニューロンとその入
力元となり得るニューロンの間の各結合荷重を用いて遷
移行列を定義している。遷移行列の各行が、前記ピラミ
ッド構造に対応する。結合荷重0は、ニューロン間に結
線が無いことを示している。構造の合成も並行して行う
ことを考えているので、図8や図9の場合と異なり、荷
重0の部分も突然変異等の操作の対象になる。各遷移行
列内の数値が異なるだけで、構造は図2で示した遷移行
列と全く同じである。従って、2次元交差201,20
2および突然変異203が、前記実施例と同様に適用で
きる。唯一の違いは、突然変異でとり得る荷重値が0,
1,−1の3値存在する点である。ここでは、結合荷重
値として、0,1,−1の3値の場合を示したが、実数
値を扱うことも可能である。
【0030】以上、2次元遷移行列を用いる実施例を示
した。なお、本発明では、交差の単位となるピラミッド
構造の多様性が必要となるが、この多様性に関しては、
初期集団数を適切に多数設定することで対応できる。ま
た、突然変異率を、従来例よりも、少し高めに設定する
ことでも対応できる。更に、遷移行列内のある行に関し
て、従来の1次元の交差を並行して適用することも考え
られる。変形例として、あくまでも1次元の染色体を用
いて、ニューラルネット上の2次元部分構造を活かした
交差を行う例を、図11に示す。図11は、図10に示
した遷移行列の各行を1行に繋ぎ合わせた、1次元のビ
ット列を染色体と定義する例である。図11において、
2次元交差201は交差位置を限定した2点交差に対応
する。すなわち、21,22または23の位置における
2点交差に対応する。
【0031】2次元交差202は、交差位置を限定した
1点交差に対応する。すなわち、24の位置に限定した
交差に対応する。突然変異は、図16に示した従来方式
と同様である。交差位置を限定した2点交差および1点
交差を行うことにより、1次元染色体でも、2次元染色
体を用いた2次元交差と同様の効果を得ることが可能で
ある。但し、限定する交差位置を記憶する必要が有る。
また、2次元の場合と異なり、染色体からニューラルネ
ットの層の数や、あるニューロンに着目したピラミッド
構造を一目で把握することはできない等の問題点は残
る。なお、上記実施例は本発明の一例を示したものであ
り、本発明はこれに限定されるべきものではないことは
言うまでもないことである。例えば、本発明は、当然、
一般的な有向グラフの合成にも適用可能である。何故な
らば、ニューラルネットにおいて、結合荷重を固定して
考えることにより、有向グラフに対応し、更に、信号の
伝般方向を無視することにより、ノードとリンクから構
成される一般のネットワークに対応するからである。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、ニューラルネット上の有効な2次元部分構造を活
かしたニューラルネットの合成を単純な操作で実現する
方法を実現できるという顕著な効果を奏するものであ
る。より具体的には、ニューラルネット自体を2次元染
色体と考え、ニューラルネット上の2次元ピラミッド構
造単位の交差を行う手段を有するために、ニューラルネ
ット上の有効な2次元部分構造を活かしたニューラルネ
ットの合成が可能である。また、上記具体的な実現手段
として、遷移行列から構成される染色体を定義し、この
遷移行列内のある行の置き換えという操作で上記交差を
行うために、単純な操作のみでニューラルネットの合成
が可能である。また、染色体を見ただけで、対応するニ
ューラルネットの構造が把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な考え方を示す2次元交差の例
を示す図である。
【図2】遷移行列を用いたニューラルネットの構造定義
の例を示す図である。
【図3】遷移行列を用いた2次元交差の例を示す図であ
る。
【図4】階層単位の2次元交差の例を示す図である。
【図5】遷移行列を用いた階層単位の2次元交差の例を
示す図である。
【図6】突然変異の一例を示す図である。
【図7】遷移行列を用いた突然変異の例を示す図であ
る。
【図8】遷移行列を用いたニューロン間の結合荷重定義
の例を示す図である。
【図9】遷移行列を用いたニューロン間の結合荷重定義
の例を示す図である。
【図10】遷移行列を用いたニューラルネットの構造お
よびニューロン間の結合荷重定義の例を示す図である。
【図11】交差位置を限定した1次元交差の例を示す図
である。
【図12】1次元染色体を用いたニューラルネットの構
造定義の例(従来技術)を示す図である。
【図13】1次元染色体を用いたニューラルネットの構
造定義の例(従来技術)を示す図である。
【図14】遺伝的アルゴリズムの処理手順例を示す図で
ある。
【図15】交差の従来例を示す図である。
【図16】突然変異の従来例を示す図である。
【図17】1次元染色体を用いたニューロン間の結合荷
重定義の例を示す図である。
【図18】染色体とネットワーク生成規則の対応例を示
す図である。
【図19】文法エンコード法によるネットワークの成長
例を示す図である。
【図20】XORネットワークの生成に使用されるグラ
フ生成ルールを示す図である。
【図21】本発明の特徴を示す2次元遺伝的アルゴリズ
ムの処理手順を示す図である。
【図22】2次元交差の処理手順を示すフローチャート
である。
【図23】従来の1次元交差の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図24】2次元の突然変異の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図25】従来の突然変異の処理手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1001〜1004 ニューラルネット 0〜4 ニューロン 101,102 ピラミッド構造 103,104 2次元部分構造 201,202 2次元交差 203 突然変異 2001,3001 染色体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遺伝子タイプの学習技術を用いたネット
    ワークの合成方法であって、ネットワーク自体を2次元
    の染色体として定義し、ネットワーク上の2次元部分構
    造単位の置き換えを行って、求めるネットワークを合成
    することを特徴とするネットワーク合成方法。
  2. 【請求項2】 前記置き換えを、ネットワーク中のある
    ノードを頂点とし、入力層を底辺とするピラミッド構造
    単位の、2次元部分構造内の結線情報とノード間の結合
    情報のうちの少なくとも一方の置き換えで行うことを特
    徴とする請求項1記載のネットワーク合成方法。
  3. 【請求項3】 前記2次元部分構造単位の置き換えを、
    あるノードとその入力元になり得る可能性のあるノード
    との間の遷移行列の集合から構成される列を染色体と定
    義し、前記遷移行列内のある行を、他の染色体内の対応
    する行と置き換える操作で行うことを特徴とする請求項
    2記載のネットワーク合成方法。
  4. 【請求項4】 前記2次元部分構造単位の置き換えを、
    あるノードとその入力元になり得る可能性のあるノード
    との間の遷移行列の集合から構成される列を染色体と定
    義し、幾つかの遷移行列を、他の染色体内の対応する遷
    移行列と置き換える操作で行うことを特徴とする請求項
    2記載のネットワーク合成方法。
  5. 【請求項5】 前記ネットワークおよびノードは、それ
    ぞれ、ニューラルネットワークおよびニューロンである
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のネ
    ットワーク合成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11194924A (ja) * 1997-12-26 1999-07-21 Sony Corp 半導体装置及びその制御方法
JP2020526855A (ja) * 2017-08-18 2020-08-31 ベイジン センスタイム テクノロジー デベロップメント カンパニー, リミテッド ニューラルネットワーク構造の生成方法および装置、電子機器、ならびに記憶媒体

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JP2020526855A (ja) * 2017-08-18 2020-08-31 ベイジン センスタイム テクノロジー デベロップメント カンパニー, リミテッド ニューラルネットワーク構造の生成方法および装置、電子機器、ならびに記憶媒体

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