JPH0886726A - コンクリートの強度測定方法 - Google Patents

コンクリートの強度測定方法

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JPH0886726A
JPH0886726A JP24708694A JP24708694A JPH0886726A JP H0886726 A JPH0886726 A JP H0886726A JP 24708694 A JP24708694 A JP 24708694A JP 24708694 A JP24708694 A JP 24708694A JP H0886726 A JPH0886726 A JP H0886726A
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JP
Japan
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strength
measured
concrete
equation
aggregate
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JP24708694A
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Inventor
Yoshito Izumi
良人 和泉
Sekiyou Hayashi
世強 林
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エネルギー保存則に基づいたモデルを構築す
ること、あるいは、破壊力学の手法を用いて、骨材の粒
径やボイドの体積含有率などの情報から、打設前のコン
クリートの硬化後の強度、或いは、打設後のコンクリー
トの強度を非破壊で測定(予測)することができる極め
て簡単なコンクリートの強度測定方法を提供する。 【構成】 あらかじめ標準試料の強度を実測し、実測し
た強度と標準試料に用いた骨材の粒径を定数として、被
測定材の強度を被測定材に用いる骨材の粒径との関係式
から求めることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリートの強
度、特にポーラスコンクリートの強度を強度試験を行う
ことなく、非破壊で測定(予測)する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポーラスコンクリート、特に連続した空
隙を有するポーラスコンクリートは、法面を安定させ植
物の生育により緑化させる植栽ブロックや水溜まりを防
ぐ舗装表面としての透水性コンクリートとして適用さ
れ、あるいは適用が検討されている。このポーラスコン
クリートの強度特性は、一般のコンクリートと同様に基
本的な品質性能として極めて重要な性質である。
【0003】一般のコンクリートの強度試験は、JI
S、A1138に「試験室におけるコンクリートの作り
方」、JIS、A1115に「まだ固まらないコンクリ
ートの試料採取方法」、JIS、A1132に「コンク
リートの強度試験用供試体の作り方」が規定され、これ
ら規定に基づいて作成された標準供試体を用いてJI
S、A1106及びJIS、A1108により、それぞ
れコンクリートの曲げ強度試験及び圧縮強度試験が行わ
れている。
【0004】JISに基づくコンクリートの厳密な強度
試験は、コンクリートの基本的な品質性能を測定する極
めて重要な試験であるが、標準供試体の製作、養生等か
なり煩わしい作業を必要とする。しかも、ポーラスコン
クリート、特に連続した空隙を有するポーラスコンクリ
ートは、骨材がモルタルやペースト中に埋込まれるので
なく、セメントペーストの層で覆われ、互いに接触して
いるものであり、空隙率は、成形方法、成形形状等の成
形条件によって大きく変化し、強度が成形条件の影響を
強く受ける。このようなポーラスコンクリートの強度試
験は、前述したJIS規定に基づいて標準供試体を成形
しても非常にバラツキが大きく、大部分は、JIS、A
1107「コンクリートからのコア及びはりの切取り方
法及び強度試験方法」に基づいて実際の製品コンクリー
トからコアを採取して破壊強度試験を行わざるを得な
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、強度
試験は、標準供試体の製作、養生等の煩わしい作業やコ
ア採取の非効率さがあり、これら作業から解放されるこ
とが望まれる。従って、この発明の目的は、エネルギー
保存則に基づいたモデルを構築すること、あるいは、破
壊力学の手法を用いて、骨材の粒径やボイドの体積含有
率などの情報から、打設前のコンクリートの硬化後の強
度、或いは、打設後のコンクリートの強度を非破壊で測
定(予測)することにより、前述した煩わしい作業を解
放し、極めて簡単なコンクリートの強度測定方法及びそ
の装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のコンクリートの強度測定方法によれば、
あらかじめ標準試料の強度を実測し、実測した強度と標
準試料に用いた骨材の粒径を定数として、被測定材の強
度を被測定材に用いる骨材の粒径との関係式から求める
こと(請求項1〜3)、所定のボイドの体積含有率を有
するコンクリートの材料特性と縦弾性係数を定数して、
被測定材の強度を被測定材の縦弾性係数との関係式から
求めること(請求項4〜6)、被測定材の縦弾性係数と
ボイドの体積含有率との関係から、被測定材のボイドの
体積含有率により被測定材の強度を求めること(請求項
7)、強度と骨材の粒径との関係式、及び強度と被測定
材の縦弾性係数との関係式から、被測定材に用いる骨材
の粒径と被測定材のボイドの体積含有率により被測定材
の強度を求めること(請求項8)、コンクリートが連続
した空隙を有するポーラスコンクリートであること(請
求項9)を特徴とする。以下、この発明を詳しく説明す
る。
【0007】ポーラスコンクリートを破壊後の試験片を
調べると、き裂面は骨材間で最も形成されやすく荷重方
向に対して概略45°の角度でき裂進展している。この
現象は、コンクリートの圧縮強度が主としてペーストと
骨材との間のせん断剥離強度によることを裏付ける。コ
ンクリートの圧縮強度に及ぼす骨材の大きさの影響を評
価するために同体積の球状の骨材及びペーストを含み、
骨材の大きさのみが相違する(A)、(B)2種類のコ
ンクリート試験片を考慮し、ペーストの厚さと骨材径と
の関係を求める。図1、(A)、(B)に示す円柱形の
試験片において、ペーストと骨材の体積比Vp/Vaが一
定であることを出発点として、図2に示すようにその関
係は次式で示される。
【0008】
【数5】
【0009】ここで、t及びRはそれぞれペーストの厚
さ及び骨材の半径を示し、添字1及び2はそれぞれの試
験片(A)、(B)を示す。又、t《Rとすると、数5
は、次式のように変形できる。
【0010】
【数6】
【0011】一方、図2より接触領域Acは次式のよう
に求められる。
【0012】
【数7】
【0013】ポーラスコンクリートの破壊は非常に複雑
なメカニズムであり、その力学的挙動を正確に捕らえる
のは困難であるが、エネルギー原理及び総体的に不均一
な材料特性の概念を用いることは、材料の強度を決定す
る上で妥当な方法である。ここで、ポーラスコンクリー
トの破壊の原因は、荷重方向に対して約45°の角度を
持つき裂面の表面エネルギ容量を超過した外力によって
なされる仕事によるものとすると、前記(A)の場合、
材料は均一な圧縮応力σ1 を受け、外力によってなされ
る仕事は次式で与えられる。
【0014】
【数8】
【0015】ここで、A1、L1はそれぞれ試験片(A)
の断面積、長さを示す。また、き裂面の表面エネルギの
総容量は次式で与えられる。
【0016】
【数9】
【0017】ここでfaは骨材の体積含有率であり、数
10で示す部分はき裂面に存在する骨材の数である。
【0018】
【数10】
【0019】また、Ac1は二つの骨材間のペーストの接
触領域(図2)であり、gcはコンクリート試験片の単
位面積当たりの有効表面エネルギ容量であり、セメント
ペーストの剥離とへき開のエネルギ容量だけでなく圧縮
破壊のき裂進展経路が凸凹であることによるエネルギ容
量も含む。実験における圧縮破壊のき裂面を観察する
と、試験片(B)は、き裂進展経路が激しくうねってお
り骨材も試験片に付着していないが、試験片(A)に関
しては、滑らかなき裂面が形成されている。この減少
は、(B)のgcが(A)のgcよりも大きいことを示
し、骨材の粒径が大きい試験片の表面エネルギは、骨材
の小さな試験片よりも小さいことを意味する。本発明者
らは、有効表面エネルギと骨材の大きさとを次式に示す
ように関係付けた。
【0020】
【数11】
【0021】もし他の破壊モードが存在しないならば、
破壊の瞬間には外力によってなされる仕事はき裂面を形
成するものに全て消費される。すなわち、試験片の破壊
はき裂面の表面エネルギ容量を超過してなされる仕事に
よるものであり、次式に示すように試験片(A)の臨界
応力(圧縮強度)は前記数8及び数9を等しいとおくこ
とによって得られる。
【0022】
【数12】
【0023】同様に試験片(B)に対して次式が得られ
る。
【0024】
【数13】
【0025】骨材の体積含有率faが2種類の試験片
(A)、(B)において、fa1=fa2という条件を適用
すると、(A)、(B)の臨界応力比σ1c/σ2cが次式
により得られる。
【0026】
【数14】
【0027】数7及び数11を数14に代入することに
より次式が得られる。
【0028】
【数15】
【0029】結局、数6を用いると、骨材の大きさの異
なる2種類の材料の圧縮強度比は次式のようにして求め
られる。
【0030】
【数16】
【0031】破壊は、骨材間の界面の剥離の影響とペー
ストのせん断破壊そのものとを結付けているので、セメ
ントペーストの表面エネルギ容量を計測することは非常
に困難である。しかしながら、前記数16は、表面エネ
ルギ容量gcを含んでおらず骨材の半径のみで表されて
いることが分かる。このように圧縮強度比に注目するな
らば、ポーラスコンクリートの表面エネルギ容量を導き
出す必要がない。従って、次式で示す平均の意味におい
て圧縮定数とでもいうべきパラメータを定義することが
できる。
【0032】
【数17】
【0033】ここで、文字の上の直線は、平均的特性で
あることを示すもので、定数αは、均一な大きさの骨材
を持つ材料の平均圧縮強度を測定するによって求められ
る。一度、定数αが決定されれば骨材の大きさの効果を
数16を変形した次式により求めることができる。
【0034】
【数18】
【0035】次にポーラスコンクリートの曲げ破壊につ
いて説明する。曲げ破壊のメカニズムは、圧縮破壊のそ
れとは異なり、試験片を曲げると、き裂が試験片の引張
り側に生じやすく、その進展により破壊に至る。このた
め、曲げ破壊は、破壊力学に基づいて解析を行う必要が
あり、この発明ではクラックバンド(Crack Ba
nd)理論を適用する。図3は、曲げ強度σbcの試験片
を矢印Mの様に曲げた場合のクラックバンド理論のモデ
ルを示す。この理論に基づくと、ポーラスコンクリート
試験片の曲げ破壊は、内部に一様かつランダムに微小き
裂が分布している一定幅wcのバンドが進展していく問
題にモデル化され、微小き裂を生じさせるために、き裂
進展中にエネルギが消費される。破壊エネルギに与える
骨材の粒径の影響に関しては、前述した圧縮破壊の場合
と同様に、骨材の粒径が大きくなると破壊エネルギが減
少しており、これは主き裂の進展中に生じる微小き裂が
少ないこと、破壊エネルギと粒径が線形の関係にあるこ
とを示している。従って、骨材の粒径が大きい場合に
は、クラックバンドの幅wcが次の式のように減少する
と表すことができる。
【0036】
【数19】
【0037】ここで、Da(=2Ra)は骨材の平均直径
を、hは試験片の高さを表し、Bは材料の特性を表す定
数である。また、クラックバンド理論では、曲げ強度σ
bcの試験片を図3のように曲げた場合、試験片の全エネ
ルギWを次式で求める。
【0038】
【数20】
【0039】ここで、W1は図3の二つの三角形部分か
ら解放されるエネルギを、W2はき裂を含んだバンド部
分から解放されるエネルギを、Eは縦弾性係数を、aは
き裂の長さを、bは試験片の幅を表し、kはき裂プロセ
スゾーンの形状の傾斜を表す材料定数である。クラック
バンドが進展し、新たに微小き裂が生じることにより消
費されるエネルギと等価なエネルギのバランスは次に示
される。
【0040】
【数21】
【0041】ここで、破壊エネルギGfは次式で示され
る。
【0042】
【数22】
【0043】この式において、Etはひずみ軟化係数を
表し、骨材の大きさによる定数であり、σtcはコンクリ
ートの引張強度を表す。数19、数22を数21に代入
すると、次式が導かれる。
【0044】
【数23】
【0045】従って、数23から試験片の曲げ応力は次
のように求められる。
【0046】
【数24】
【0047】ここで骨材が大きい場合、特にポーラスコ
ンクリートにおいては、初期き裂長さaが大きくなり、
従って、初期き裂長さと骨材の大きさに、次式のような
比例関係を適用する。
【0048】
【数25】
【0049】ここで、cは比例定数である。ポーラスコ
ンクリートの引張強度を圧縮強度と同じ形で数16を適
用し、数25の関係を数23に代入すると、骨材の大き
さが異なる場合の臨界曲げ応力の比が次式で求まる。
【0050】
【数26】
【0051】ここで、定数Aは実験により求められる定
数である。数26の物理的な意味は、大きな骨材を用い
たポーラスコンクリートの場合、小さな骨材を用いたそ
れよりも隣の界面が主き裂から離れているために、骨材
間のセメントペーストを破壊するのにエネルギが集中し
てしまうことである。小さな骨材を用いたポーラスコン
クリートでは、クラックバンド内に微小き裂を生じさせ
るのにエネルギが分散され、破壊面への集中が減少する
ためにより高い曲げ強度が期待できる。
【0052】前記定数Aは、1以上とすることによりほ
とんど一様の結果を与え、実験の結果、A=1とするこ
とにより好結果が得られている。従って、A=1とし、
前述した圧縮強度と同様に、所定の大きさの骨材と所定
高さを有する試験片の曲げ強度を予め測定しておくこと
により、次式で示す平均の意味において曲げ定数とでも
いうべきパラメータを定義することができる。
【0053】
【数27】
【0054】ここで、文字の上の直線は、平均的特性で
あることを示すもので、一度、定数βが決定されれば骨
材の大きさに応じた曲げ強度を数26を変形した次式に
より求めることができる。
【0055】
【数28】
【0056】次に、ポーラスコンクリート中のボイド量
と強度の関係について説明するが、ここでは、ボイドを
含む材料が自発的に破壊してしまう場合を考慮したセル
フーコンシステント(Self−consisten
t)法を適用する。コンクリートの強度に与えるボイド
量の影響を見積もるためには、骨材の大きさを固定し
て、ボイド含有量を変えなくてはならない。この条件の
下でも前記数9は有効であるが、ボイド量の変化はセメ
ントの接触面積だけでなく、物体の縦弾性係数や表面エ
ネルギ容量にも影響を与える。実験によると、ポーラス
コンクリートの空隙の体積含有率が0.4に達すると強
度が比較的低くなり、さらにボイドの体積含有率が大き
くなると、材料に強度がなくなってしまう。この強度の
低下は、材料内の空隙の体積が高いために、骨材間の結
合力が失われるためと考えられるが、この現象は、Se
lf−consistent法によって提案されている
ボイドを含んだ材料の巨視的の剛性を見積もった結果と
よく一致している。ボイドの体積含有率がある値に達す
る前に、ボイドを含む材料が自発的に破壊してしまうと
いうSelf−consistent法では、単独の異
質なもの(すなわち骨材)を取出し、複合材の巨視的な
性質と同等な特性を持つ有効媒体に戻し、特性を求め
る。等価媒体の巨視的な(有効な)せん断弾性係数、体
積弾性係数、及びポアソン比は次式のように得られる。
【0057】
【数29】
【0058】
【数30】
【0059】
【数31】
【0060】ここに、λ及びγは次式である。
【0061】
【数32】
【0062】
【数33】
【0063】ここで、μ、K、νは、せん断弾性係数、
体積弾性係数、ポアソン比を表し、fは骨材+ペースト
の体積含有率を表し、添字のiとoは、それぞれ介在物
(骨材)と母材を示す。複合材の縦弾性係数は、等方性
材料での関係より次式で表せる。
【0064】
【数34】
【0065】ここで、μo=Ko=νo=0、すなわち母
材がないとして数29〜34を解くと、巨視的なせん断
係数と骨材+ペーストの体積含有率の関係を求めること
ができる。これによると、ボイドの体積含有率が0.5
になると、材料が負荷なしに壊れるとういう結果にな
り、前述の試験結果の観測とよく一致する。前記数12
を利用するに当たり、ボイドの体積含有率が異なれば、
縦弾性係数も表面エネルギも有効面積も変わるので、数
12中のE、gc及び有効面積Ae(faA)を修正しな
ければならない。数12を次式に書き直す。
【0066】
【数35】
【0067】ここで、有効面積Aeはボイド含有量が異
なればその値が変わるが、前記数34の縦弾性係数と同
じオーダで変わると想定し、次式を与える。
【0068】
【数36】
【0069】ここで、Eoはボイドのないコンクリート
の縦弾性係数である。同様に表面エネルギgcとして次
式を想定する。
【0070】
【数37】
【0071】ここで、mは定数であり、添字のoはボイ
ドのないコンクリートの特性を表す。ポーラスコンクリ
ートの圧縮強度は、数34から次式が得られる。
【0072】
【数38】
【0073】実験結果と照らし合わせてみると、m=2
の場合に非常によい一致を示す。数38は、より簡潔に
次のように書き直せる。数39中、Fcは材料の特性を
示し、物理的にはボイドのないコンクリートの圧縮強度
を意味する。
【0074】
【数39】
【0075】次に、ポーラスコンクリートのボイドの体
積含有率が異なる場合の曲げ強度について説明する。ポ
ーラスコンクリートの曲げ強度を見積もるために、前記
クラックバンド理論を再び適用する。この場合も、ボイ
ドの体積が異なる場合に骨材の大きさを同じとし、寸法
効果を考慮しない。従って、前記数20を次のように書
き直す。
【0076】
【数40】
【0077】数21からエネルギバランスは次のように
なる。
【0078】
【数41】
【0079】表面エネルギ容量gcとして数37を用い
ると、数42、または数43が得られる。Fbはボイド
がないコンクリートの曲げ強度として考えることのでき
る別の材料特性である。
【0080】
【数42】
【0081】
【数43】
【0082】
【作用】この発明は、あらかじめ標準試料の強度を実測
し、実測した強度と標準試料に用いた骨材の粒径を定数
として、被測定材の強度を被測定材に用いる骨材の粒径
との関係式から求めること、あるいは被測定材のボイド
の体積含有率により被測定材の強度を求めることによ
り、実際に計測することが非常に困難であるペーストの
表面エネルギ容量を使用することなく容易にポーラスコ
ンクリートの強度を測定(予測)することができる。
【0083】
【実施例】
実施例1 表1に示す平均粒径が8.5mm及び12.2mmの粒
度分布が異なる2種類の骨材A、Bを用い、セメントペ
ーストと骨材の体積比が一定(1:6.5)となるよう
に、ポルトランドセメント、水(水セメント比0.2
1)、骨材を練り混ぜ、骨材径のことなる2種類のポー
ラスコンクリート試験片各3個を作成し、JIS、A1
108及びJIS、A1106に基づいて圧縮と曲げ試
験を行った。平均粒径が8.5mmの骨材を用いた試験
片3個の平均圧縮強度及び平均曲げ強度をそれぞれ標準
試料の強度とし、前記数18及び数28の関係式から圧
縮強度曲線A及び曲げ強度曲線Aを求めた。同様に平均
粒径が12.2mmの骨材を用いた試験片3個から圧縮
強度曲線B及び曲げ強度曲線Bを求めた。圧縮強度曲線
を図4、曲げ強度曲線を図7に、それぞれ強度の測定値
と共に示す。
【0084】
【表1】
【0085】実施例2、3 ポルトランドセメントの一部(10重量%)をシリカヒ
ューム(実施例2)、又は、増粘材(粘土)(実施例
3)で置換して用いた以外は、実施例1と同様に試験片
を作成し、強度試験を行うと共に強度曲線を求めた。シ
リカヒューム使用結果を図5、図8に、増粘材使用結果
を図6、図9にそれぞれ示す。
【0086】骨材の粒径と圧縮強度の関係を示す図4〜
6において、2本の強度予測線、すなわち、圧縮強度曲
線A及びBが互いに接近し、実験結果と良く一致してい
ることを示す。従って、これら曲線のいずれか一方、あ
るいは、2本の強度予測線から平均予測線を求め、この
曲線を利用することにより、使用骨材の粒径のみからポ
ーラスコンクリートの圧縮強度を測定(予測)すること
ができる。又、骨材の粒径と曲げ強度の関係を示す図7
〜9においても、2本の曲げ強度予測線A、Bが実験結
果と良く一致しており、圧縮強度と同様に、この曲線を
利用して曲げ強度を測定(予測)することができる。
【0087】実施例4 平均粒径が8.5mmの骨材を用い、セメントペースト
と骨材の体積比を1:6.5、1:8.1、及び1:
9.2として、ポルトランドセメント、水(水セメント
比0.21)、骨材を練り混ぜ、ボイドの体積含有率が
それぞれ24.0%、27.5%、及び31.0%の3
種類のポーラスコンクリート試験片を作成し、実施例1
と同様に圧縮と曲げ試験を行った。数29〜31と数3
4から、ポーラスコンクリートの平均縦弾性係数を得
て、数39及び数43に代入して、ボイドの体積含有率
と圧縮強度及び曲げ強度との関係を得た。ここで、μ0
=0、μi=1、γ=0.25とし、定数Fc及びF
bは、試験片の測定結果に合わせて、Fc=655、Fb
=75を与えた。求めた圧縮強度予測曲線を図10、曲
げ強度予測曲線を図13に、それぞれ実験結果の強度測
定値と共に示す。
【0088】実施例5、6 ポルトランドセメントの一部(10重量%)をシリカヒ
ューム(ボイドの体積含有率がそれぞれ20.0%、2
7.5%、及び32.0%)(実施例5)、又は、増粘
材としての粘土(ボイドの体積含有率がそれぞれ24.
0%、28.0%、及び31.0%)(実施例6)で置
換して用いた以外は、実施例4と同様に試験片を作成
し、強度試験を行うと共に強度曲線を求めた。ここで、
シリカヒューム使用ポーラスコンクリートについては、
c=724、Fb=102を与え、増粘材使用ポーラス
コンクリートについては、Fc=607、Fb=78を与
えた。シリカヒューム使用結果を図11、図14に、増
粘材使用結果を図12、図15にそれぞれ示す。
【0089】ボイドの体積含有率と圧縮強度との関係を
示す図10〜12、及び、曲げ強度との関係を示す図1
3〜15は、いずれも予測結果と実験結果がよく一致し
ており、これら予測曲線を利用することにより、ボイド
含有量を変えた圧縮強度及び曲げ強度を測定(予測)す
ることができる。
【0090】以上説明したように、この発明によれば、
強度予測曲線と実際の測定結果が良く一致しており、ポ
ーラスコンクリートの各種条件に応じて、これら予測曲
線をあらかじめコンピュータ等に記憶保存しておくこと
により、ポーラスコンクリートの骨材径あるいは空隙率
等の情報を入力するだけで極めて簡単に圧縮強度及び曲
げ強度を予測するシステムを構築することができ、ポー
ラスコンクリートの材料設計等に効果的に活用できる。
【0091】
【本発明の効果】この発明は、エネルギー保存則に基づ
いたモデルを構築すること、あるいは、破壊力学の手法
を用いて、骨材の粒径やボイドの体積含有率などの情報
から極めて簡単にポーラスコンクリートの強度を測定
(予測)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】骨材の大きさが相違する2種類のポーラスコン
クリート試験片の構造を模式的に示す図である。
【図2】セメントペーストに覆われた2つの接触した骨
材を模式的に示す図である。
【図3】曲げにおけるクラックバンド理論のモデルを模
式的に示す図である。
【図4】実施例1における骨材の粒径と圧縮強度の関係
を示す図である。
【図5】実施例2における骨材の粒径と圧縮強度の関係
を示す図である。
【図6】実施例3における骨材の粒径と圧縮強度の関係
を示す図である。
【図7】実施例1における骨材の粒径と曲げ強度の関係
を示す図である。
【図8】実施例2における骨材の粒径と曲げ強度の関係
を示す図である。
【図9】実施例3における骨材の粒径と曲げ強度の関係
を示す図である。
【図10】実施例4におけるボイドの体積含有率と圧縮
強度の関係を示す図である。
【図11】実施例5におけるボイドの体積含有率と圧縮
強度の関係を示す図である。
【図12】実施例6におけるボイドの体積含有率と圧縮
強度の関係を示す図である。
【図13】実施例4におけるボイドの体積含有率と曲げ
強度の関係を示す図である。
【図14】実施例5におけるボイドの体積含有率と曲げ
強度の関係を示す図である。
【図15】実施例6におけるボイドの体積含有率と曲げ
強度の関係を示す図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ標準試料の強度を実測し、実
    測した強度と標準試料に用いた骨材の粒径を定数とし
    て、被測定材の強度を被測定材に用いる骨材の粒径との
    関係式から求めることを特徴とするコンクリートの強度
    測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定材の強度として圧縮強度σcを、
    圧縮定数α、骨材の半径Rとして、数1により求めるこ
    とを特徴とする請求項1記載のコンクリートの強度測定
    方法。 【数1】
  3. 【請求項3】 被測定材の強度として曲げ強度σbcを、
    曲げ定数β、骨材の直径D、被測定材の高さhとして、
    数2により求めることを特徴とする請求項1記載のコン
    クリートの強度測定方法。 【数2】
  4. 【請求項4】 所定のボイドの体積含有率を有するコン
    クリートの材料特性と縦弾性係数を定数して、被測定材
    の強度を被測定材の縦弾性係数との関係式から求めるこ
    とを特徴とするコンクリートの強度測定方法。
  5. 【請求項5】 被測定材の強度として圧縮強度σcを、
    被測定材の縦弾性係数バーE、ボイドのないコンクリー
    トの縦弾性係数Eo、ボイドのないコンクリートの圧縮
    強度Fcを材料特性として、数3により求めることを特
    徴とする請求項4記載のコンクリートの強度測定方法。 【数3】
  6. 【請求項6】 被測定材の強度として曲げ強度σbcを、
    被測定材の縦弾性係数バーE、ボイドのないコンクリー
    トの縦弾性係数Eo、ボイドのないコンクリートの曲げ
    強度Fbを材料特性として、数4により求めることを特
    徴とする請求項4記載のコンクリートの強度測定方法。 【数4】
  7. 【請求項7】 被測定材の縦弾性係数とボイドの体積含
    有率との関係から、被測定材のボイドの体積含有率によ
    り被測定材の強度を求めることを特徴とする請求項4〜
    6いずれか記載のコンクリートの強度測定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1の強度と骨材の粒径との関係
    式、及び請求項4の強度と被測定材の縦弾性係数との関
    係式から、被測定材に用いる骨材の粒径と被測定材のボ
    イドの体積含有率により被測定材の強度を求めることを
    特徴とするコンクリートの強度測定方法。
  9. 【請求項9】 コンクリートが連続した空隙を有するポ
    ーラスコンクリートであることを特徴とする請求項1〜
    8いずれか記載のコンクリートの強度測定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286603A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Shimizu Corp 構造体コンクリートの強度評価方法
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CN106383050A (zh) * 2016-08-26 2017-02-08 四川省建筑科学研究院 一种水泥砂浆混凝土多孔砖墙体砌体抗剪强度检测方法
CN115821699A (zh) * 2022-12-12 2023-03-21 安徽省交通规划设计研究总院股份有限公司 一种大空隙水泥混凝土路面压实度检测方法

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